南光太郎vs仮面ライダーZO (132)



<1993年>


~廃工場~


「「ハァッ!」」


「「ぐわぁぁぁぁぁ!?」」


ここはとある廃工場。
今この場にてある二体の超生命体の死闘が繰り広げられていた!
それはネオ・生命体ドラスと仮面ライダーZOとの宿命の対決であった!!
そして決着が着いた。
ZOが放ったZOキックにより機械の入り混じった生命体が倒された…


「パパ…」


ドラスがこの廃工場の中央にある生体プールにしがみ付き助けを求めた。
だがそれも虚しく力尽き生体プールの前でその身体が消滅してしまう。
そしてZOはこのネオ・生命体ドラスを生み出した望月博士の息子である宏少年を救い出すのだが…


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「ハァ…ハァ…洋…」


「パパ…パパ!パパ!パパ―――ッ!?」


宏少年は父の名を叫けぶがしかし父親は既に瀕死であった。
彼はドラスの手によって機械との融合なしでは生命を維持できなくなっておりそれが破壊されてしまい生命維持が出来なくなってしまった…


((ドッガァァァァァン!))


そしてドラスの死と共に建物が爆破された…
これにより工場は跡形も無く吹っ飛ぶのだが、その時!
死ぬ間際の望月博士の身体からまるで悪霊のような存在が浮かび上がってきた!?


「おのれ…仮面ライダーZO!
ヤツの邪魔さえなければドラスは完全になれたモノを…!?」


「あぁ…そうか…あなたが私を操っていたのか…だが何故だ?何故こんな事を!?」


「黙れ…お前など最早用済み…この工場と共に死ぬがいい!!」


(バッ!)


「うわぁぁぁぁぁ!!ひ…宏ぃぃぃぃぃ!!??」


そしてその邪悪な悪霊は望月博士を殺害した。
この悪霊にとって望月博士は所詮利用するための道具にしか過ぎなかった…


「宏…」


(♪♬♫♪♬♫♪♬♫)


そして静かに息を引き取る望月博士…
そんな彼の手には息子の洋にプレゼントした懐中時計のオルゴールが鳴り響いていた。
(ナレーション:政宗一成)





――

―――


それから三日後、一人の男が爆破したこの廃工場跡を訪ねてきた。
その男とは…


光太郎「ここが望月博士が秘密裏に利用していた研究施設か。
ようやく探し当てたというのに…まさか爆破されていたとは…」


我らがヒーロー南光太郎だ!
前作で財団を叩き潰した光太郎はかつてのゴルゴムメンバーである望月博士の足取りを追って、
この廃工場に辿り着いたのだが既にそこは瓦礫と化して何も無い酷い状態であった…
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「一体ここで何があったんだ…?」


光太郎は疑問を抱きつつも周辺を調べ始める。
すると一体の死体を発見、それは望月博士の死体であった!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「この男性は…ひょっとして彼が望月博士…!?
だが既に亡くなっている…うん?この手に持っているのはオルゴールか?」


望月博士が持っていたオルゴールを手にする光太郎、だがその時!?


((ガシッ!))


光太郎「何っ!?」


なんと死体となった筈の望月博士の手が突然光太郎の身体を掴んだ!
思わず振り解こうとする光太郎だがその力は並大抵のモノではなかった!?


光太郎「この力…常人のモノではない…一体どういう事なんだ…!?」


『フッフッフ!南光太郎…よもやお前の方から訪ねてくるとはなんという巡り合わせ!
やはり天は我を見放さなかったようだな!!』


光太郎「これは…違う…!この人は望月博士なんかじゃない…!?」


そして望月博士の身体は光太郎の腹部に手をかざして彼の体内にある生命の象徴とも呼ぶべきモノを…
なんと抉り取ってしまう!!
(ナレーション:政宗一成)



((ドバッ!))


光太郎「ぐふっ!?」


『フハハハハ!やったぞ!遂にこの力を取り戻した!
これで…何もかもが思いのままだ!甦れ!ネオ・生命体ドラスよ!!』


((ド ド ド ド ド ド ド!))


光太郎の体内から赤く光る石を抉り取った望月博士はそれを生体プールに投げ込んだ。
そして廃工場の生体プールから何かが浮かび上がってきた。
それは4つの球体…その球体たちはまるで何かを求めるかのように空へと飛び去ってしまう!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「な、なんという事だ…ヤツは…俺から抜き取って行ったんだ…
この俺の…力の…いや…命の象徴ともいうべき…キングストーンを…!?」


力尽きその場に倒れ込む光太郎…
一体これから何が起きようというのか!?
(ナレーション:政宗一成)



~道場~


ここは武術道場、望月博士の息子である洋少年が通う道場である。
今この道場では師範である黒田、門下生の西村、宮崎が一人の男と共に武術の稽古に励んでいた!
(ナレーション:政宗一成)


黒田「ハァッ!」


西村「いやぁーっ!」


宮崎「だぁーっ!」


ジョー「なんの!霞流正拳突き!」


なんと道場に招かれた男というのはかつての南光太郎の相棒である霞のジョーであった。
ジョーはクライシス帝国との戦いの後、光太郎と同じく旅に出ていた。
さて、何故今回ジョーがこの道場に招かれたというと…
(ナレーション:政宗一成)


黒田「いやぁ、実に見事な武術だった!」


ジョー「何を仰る、そちらこそ!
しかしそこまでの腕がありながら何で俺をこの道場の師範代として招いたんですか?
こう言っちゃ悪いですが俺は部外者っすよ、それなのに…?」


西村「実はそれには事情があるんです…」


宮崎「先日の事です、俺たちは…」


そして彼らは今回ジョーを招いた事情を説明する。
彼らはネオ・生命体と遭遇したのだがその時何も出来ずにいた自分たちを恥じて今回ジョーを招いた。
それも全ては以前のような事にはならないための稽古であった。
(ナレーション:政宗一成)



ジョー「なんてこった、そんな事が…
クソッ!クライシス帝国は滅んだってのに世の中はまだ不穏な動きがあるのかよ!」


黒田「そうだ、そのためにも我々はもっと強くならなければならない。
あの子のような幼い子供を守るために…」


ジョー「あの子…?」


そして黒田は道場の片隅で落ち込んでいる一人の少年をジョーに紹介する。宏少年だ。
その隣にはこの道場で宏の姉代わりの玲子がそんな宏少年を慰めていた。
(ナレーション:政宗一成)


宏「パパ…お兄ちゃん…」


玲子「もう…!宏くん!いい加減立ち直らないとお父さんと麻生さんに笑われるわよ!」


ジョー「あの子は?」


黒田「望月宏くん、この道場に通う子だ。
先日行方不明の父親が亡くなって落ち込んでいるんだ…」


西村「今度あの化け物が現れたら俺たちが立ち向かわなければいけないからな!」


宮崎「そのための稽古なんですよ!」


ジョー「なるほど、親父さんを亡くしたのか…坊主!
そんなとこで落ち込んでないで俺たちと一緒に稽古しないか!」


玲子「ちょっと…宏くんは今それどころじゃ…!」


ジョー「こんなところで一人でしょぼくれてるよりはマシだろ?どうだ!」


宏「……はい!やります!いつまでも落ち込んでたらパパやお兄ちゃんに笑われちゃうよ!」


ジョー「よし、その意気だ!」


宏少年を励ますジョー、だが…!



((ブォォォォン!))


ジョー「な、なんだこの玉は!?」


黒田「わからん!いきなり目の前に現れたぞ!」


突然謎の4つの球体が道場に姿を現した!球体は宏目掛けて襲い掛かろうとする!


ジョー「この!玉っころが!」


黒田「うおお!」


宮崎「この…!」


西村「玲子さん!今の内に宏くんを逃がすんだ!」


玲子「はい!宏くんこっちよ!」


宏「そんな…みんな!?」


玲子はすぐに宏を道場から連れ出す。
道場では残ったジョーたちの目の前で球体が人型に変化しようとしていた!
(ナレーション:政宗一成)



??ドラス「フフ…」


黒田「あの時の怪物だ!」


ジョー「そうか…こいつが!」


そこに現れたのは仮面ライダーZOと死闘を繰り広げたネオ・生命体ドラスだった。
だがドラスは以前とは少し違っていた。
その違いは腹部にあるベルトである、ジョーはそのベルトに見覚えがあった!
(ナレーション:政宗一成)


ジョー「あのベルト…どこかで見たような…?」


そして残り三つの球体も人型に姿を変えた!
なんとそれは…!?
(ナレーション:政宗一成)



「「ウゥゥゥゥ!」」


ジョー「なんだこいつらは…!姿形は同じだが色が違うぞ!?」


そう、なんとその場に現れたのは同じくドラスであった!
だが残り三体は色が違った…
一体は青、もう一体はオレンジ、そして最後の一体は黒の体色であった!
そしてこの三体もジョーに見覚えのあるベルトを身に付けているではないか!
(ナレーション:政宗一成)


ロボ・ドラス「初めましてかな、僕はロボ・ドラス。」


バイオ・ドラス「僕はバイオ・ドラス。」


ブラック・ドラス「それに僕はブラック・ドラス。」


ジョー「ロボにバイオ…それにブラックだと!?
俺の知り合いにそっくりな名前だが容赦はしないぞ!!」


黒田「よーし!稽古で身に付けた力を見せてやろう!」


西村「あぁ!俺たちとて以前と同じじゃないぞ!」


宮崎「行くぞ!」


そしてジョーたちは三体のドラスに挑むのだが…



((バシィッ!))


「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


だがいくら稽古を付けたといっても普通の人間がネオ・生命体に勝てるわけがなかった…
(ナレーション:政宗一成)


ジョー「つ…強い…!?」


黒田「こいつ…以前よりも力を増している!」


ドラス「もう終わりかい?それじゃあ…」


((ブオオオ!))


その時であった!
どこからともなくバイクの排気音が!その正体は!?
(ナレーション:政宗一成)



ZO「トゥッ!」


ジョー「あいつは…仮面ライダー!?」


ZO「みんな、大丈夫か!」


黒田「あぁ…すまないライダー…」


西村「気を付けろ!ヤツら強いぞ!」


そこに現れたのは仮面ライダーZOであった!
宏少年の危機を察知したZOは愛用のZブリンガーで急いで駆けつけたのだ!
(ナレーション:政宗一成)



ZO「行くぞ!」


ドラス「待ってたよ、お兄ちゃん。」


ロボ・ドラス「ボルティックシューター!」


バイオ・ドラス「バイオブレード!」


ブラック・ドラス「ブラックキック!」


ZO「な…なんだと!?」


((バキィッ!!))


ZO「ぐわぁぁぁぁぁ!?」


だが三体のドラスの猛攻を喰らいZOはその場に倒れてしまう!?
さすがのZOもパワーアップしたドラスの前では歯が立たなかった…
(ナレーション:政宗一成)



ZO「うぅ…ダメだ…歯が立たない…」


ロボ・ドラス「これが僕たちのお兄ちゃん…?」


バイオ・ドラス「弱い、弱すぎるね…」


ブラック・ドラス「こんな弱いだなんて可哀想だよ…」


ジョー「クソッ!このままじゃ全員やられる…」


??ドラス「それじゃあ、最後に止めを刺してあげるね。」


ZO「舐めるな…俺はまだ戦える!」


そしてリーダー格の??ドラスがベルトからある剣を抜き取る。その剣は…!
(ナレーション:政宗一成)



??ドラス「リボルケイン!」


ジョー「リ…リボルケインだと!?やばい!避けろZO!?」


??ドラス「もう…遅いよ…」


((ズバッ!))


ZO「ぐはぁっ!?」


リボルケインの攻撃を受けるZO!
間一髪で致命傷は避けられたもののそれでもZOは相当の深手を負わされる事になった…
(ナレーション:政宗一成)


ジョー「お前…やっぱりその力…そいつはもしかして…」


RX・ドラス「そう、僕はRX・ドラス。
僕たちはキングストーンの力を吸収して太陽の力を身に付けたんだよ。」


何という事であろうか!
ネオ・生命体ドラスはキングストーンの力を吸収し、以前とは桁違いの強さを手に入れてしまったのだ!?
あまりの事実に愕然とするジョー、だが…
(ナレーション:政宗一成)



RX・ドラス「けど、お兄ちゃんがこんなに弱いだなんて…
拍子抜けだね、宏も逃げちゃったし今日のところは引き上げるね。」


ZO「ま…待て!?」


ジョー「よせ!RXの力を持ったヤツに適わねえ!」


((シュバッ!))


ドラスたちは深手のZOの事など気にも止めずその場を立ち去ってしまう。
残されたZOは自分の無力さに悔しさすら感じていた、だが…
(ナレーション:政宗一成)



ブラック・ドラス「あはは、僕はもうちょっとだけ遊んでいくよ!」


黒田「ぐっ…まだ一体残っていただと!?」


ジョー「チクショウ!俺たちにはもう戦う力なんて…」


ZO「おのれ…こうなればお前だけでも!」


ブラック・ドラスを相手に戦おうとするZO。
だが先ほどのリボルケインのダメージは深刻でZOには満足に立つ力も残されてはいなかった…
だがその時!?
(ナレーション:政宗一成)



((ブオオオオオン!))


ジョー「また…バイクの音…?」


ZO「今度は一体誰が…?」


???「トゥァッ!」


それは緑のバッタの姿をバイクで道場に突入するなり、
ブラック・ドラスを相手に猛烈なタックルを打ち込んできた!
(ナレーション:政宗一成)


ブラック・ドラス「うわぁぁぁぁ!?」


ジョー「やった…!」


ZO「一体…誰…が?」


???「今だ!急いでヤツのベルトを引き剥がすんだ!」


ZO「わ…わかった!」


ブラック・ドラス「うぅ…何をする…やめろー!?」


((ブチィッ!))


ZOは男の言う通り先ほどのバイクに吹っ飛ばされたブラック・ドラスのベルトを急いで引き剥がした!
するとどうだろうか、力を奪われたブラック・ドラスは突然苦しみ出したではないか!?
(ナレーション:政宗一成)



ブラック・ドラス「うぅ…ぐぅ…苦しい…た…助けて…!?」


ZO「ヤツが苦しみ出した!」


???「よし、今だ!」


謎の男はZOが奪ったベルトを自分の腹部に付けた。
そして男はヘルメットを脱ぎ出した、その素顔はジョーもよく知るあの男!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「「変…んん…身!!」」


ジョー「兄貴!?」


そう、先ほどバイクで体当たりしたのは南光太郎であった!


BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」


変身完了、光太郎は仮面ライダーBLACKへと変身を遂げた!!


ブラック・ドラス「うぅ…ぐぅ…苦しい…た…助けて…!?」


ZO「ヤツが苦しみ出した!」


???「よし、今だ!」


謎の男はZOが奪ったベルトを自分の腹部に付けた。
そして男はヘルメットを脱ぎ出した、その素顔はジョーもよく知るあの男!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「「変…んん…身!!」」


ジョー「兄貴!?」


そう、先ほどバイクで体当たりしたのは南光太郎であった!


BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」


変身完了、光太郎は仮面ライダーBLACKへと変身を遂げた!!
(ナレーション:政宗一成)



ブラック・ドラス「うぅ…返せ…それがないと…僕は…」


ベルトを取られた事によりブラック・ドラスは苦しみ出した。
今がチャンスとライダーは攻撃に転じた!
(ナレーション:政宗一成)


BLACK「ライダ―――ッ!パ―――ンチッ!!」


ブラック・ドラス「うわぁぁぁぁぁ!?」


ベルトを取られ弱体化したブラック・ドラスに追い打ちを掛けるように仮面ライダーのライダーパンチが決まった!
ライダーパンチを喰らったブラック・ドラスは赤い炎に包まれ断末魔の叫びと共に消滅した…
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「ふぅ、ネオ・生命体ドラス…恐ろしい敵だ。
だがなんとかBLACKの力だけは取り戻せたぞ…」


((シュゥゥン))


ジョー「変身が解けて兄貴の姿に…兄貴一体何があったんだ!?」


光太郎「ジョー、大丈夫だったか。実はこれには…うん?」


麻生「あなたは…」


突然現れた光太郎に驚きを隠せないジョー。
だがその時、ZOの変身を解いた麻生が光太郎と対峙する。
南光太郎と麻生勝、運命に導かれ二人の仮面ライダーが出会った!
(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

前作、南光太郎vs真仮面ライダーの続きです。
南光太郎vs真・仮面ライダー - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407240535/)

何故光太郎が望月博士を追っていたのかは前作を見ていただければわかります。

>>19修正



ブラック・ドラス「うぅ…ぐぅ…苦しい…た…助けて…!?」


ZO「ヤツが苦しみ出した!」


???「よし、今だ!」


謎の男はZOが奪ったベルトを自分の腹部に付けた。
そして男はヘルメットを脱ぎ出した、その素顔はジョーもよく知るあの男!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「「変…んん…身!!」」


ジョー「兄貴!?」


そう、先ほどバイクで体当たりしたのは南光太郎であった!


BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」


変身完了、光太郎は仮面ライダーBLACKへと変身を遂げた!!



~廃墟~


ここは人里離れた廃墟。
かつてある暗黒結社が拠点としていた場所、その場所に三体のドラスと望月博士がやってきた。
(ナレーション:政宗一成)


RX・ドラス「わぁ、スゴイや!僕たち生体プールに浸かってないのに全然平気だよ!」


ロボ・ドラス「パパ!これもベルトの力なんだね!」


望月『あぁ…そうだ…そのベルトを身に付けている限りお前たちは無敵だ…』


望月博士の身体に憑依している何者かはドラスを甘い言葉で巧に惑わしていた。
彼らネオ・生命体はその成長をかつて望月博士に止められた過去があり、
そのため定期的に生体プールに浸からなくてはいけないのだが…
(ナレーション:政宗一成)



望月『あの時は悪かった、許しておくれ…
だがもう大丈夫だ…お前たちが新たに得たそのキングストーンの源であるベルト…
それさえ身に付けていれば…お前たちは生体プールに浸からなくともその生命を維持する事が出来る…』


バイオ・ドラス「やったー!これで思う存分遊べるね!」


ロボ・「けど…ブラック・ドラスが死んじゃったね。可哀想…」


望月『構わぬ、所詮ヤツはお前たちの中でも最も力が劣っていた。
お前たちさえ無事ならそれでよい。それでなぁ…』


RX・ドラス「パパ…?」


ロボ・ドラス「そうだよパパ、僕たち三人で充分だよ。」


バイオ・ドラス「あんな弱いヤツは要らないよ!」


望月『フフフ、何とも頼もしい言葉だ!』


ブラック・ドラスが敗れた事など誰一人気にも止めてはいなかった。
そんな三体のドラスたちの前に続々とある集団が近づいてきた…それは!
(ナレーション:政宗一成)



「「ケケーッ!!」」


「お前たち!何者だ!?」


「ここを我々の住処と知ってやって来たのか!」


それはドラスたちと同じく異形の姿をした怪人たちであった!
ドラスたちよりも生物的な存在でクモ、コウモリ、等あらゆる生物が進化したような姿で現れたではないか!?
(ナレーション:政宗一成)


RX・ドラス「こいつらは何?」


ロボ・ドラス「僕たちと比べたら弱そうだね。」


バイオ・ドラス「パパ、こいつらやっちゃってもいい?」


確かに今のドラスたちにしてみればこんな怪人軍団など物の数ではないのだが…
(ナレーション:政宗一成)



望月『下僕どもよ…我を忘れたか…?』


「我…だと?」


「ハッ!あなたさまは!?」


「「ハハァーーーーッ!!」」


怪人たちは何を察したのか望月博士の前で膝をつき拝み始めたではないか!


RX・ドラス「この怪人たち…パパをご主人さまだと思っている…?」


ロボ・ドラス「うわぁ!スゴイやパパ!」


バイオ・ドラス「一体どうやったの?」


ドラスたちでさえこの光景には驚いた。
だが、望月博士はそんな事よりもドラスたちにある命令を下す!


望月『フフ、今はそんな事はどうでもいい。
それよりもだ、ZOはまだ生きている。それに恐らくあの男…
南光太郎もZOの仲間と共に行動しているに違いない!
よいか!これよりお前たちは我らの邪魔をするであろうあの二人を捕らえるのだ!!』


そう…
この望月博士の邪魔をするであろう南光太郎、
それに仮面ライダーZOこと麻生勝の捕獲をドラスたちに命じた!
(ナレーション:政宗一成)



~道場~


黒田「うぅ…」


西村「ぐぅ…」


宮崎「痛たた…!」


玲子「みんな、ちゃんと安静にしてなきゃダメよ!」


その頃、道場では先程の戦いで負傷した黒田たちの手当が行われていた。
皆、命に別状はないが相当の重傷で暫くは満足に動けそうもなく安静にとの事であった…
(ナレーション:政宗一成)



麻生「…するとあのネオ・生命体はあなたのキングストーンが!?」


光太郎「そうなんだ…
あのネオ・生命体ドラスたちは俺の体内にあったキングストーンを使いパワーアップしたに違いない。
そしてそれを行ったのが…望月博士!」


宏「そんな…パパが生きていたなんて…」

光太郎は自分の体内にあったキングストーンが望月博士によって奪われ、
ドラスたちに悪用されている事を説明した。
宏は光太郎の話を聞き戸惑っていた。
それもそのはず、自分の父親が生きていたのは勿論嬉しいが再び悪事に手を染めるなど認めたくないのだろう…
(ナレーション:政宗一成)


宏「僕のパパがみんなを傷つけただなんて…そんなの信じられないよ!?」


麻生「宏くん…」


((ダダッ!))


道場から飛び出す宏…
本当なら追いかけて慰めてやりたくもなるが今は非常時、光太郎は話を続けた。
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「残念だが事実なんだ。
ヤツらの次のターゲットは恐らく障害となる俺とそれに…麻生、キミを狙うだろう。」


麻生「くっ!ネオ・生命体ドラス!やっと倒せたというのに復活するとは…!?」


光太郎「…」


ジョー「兄貴、これからどうする?」


光太郎「とりあえず俺とZO、俺たちの力があればドラスは防ぐ事が出来るのだが…」


光太郎は麻生に協力を求める、だが返ってきた返事は意外なものだった。


麻生「悪いが…お断りする。」


ジョー「そんな!?」


麻生「勿論…ネオ・生命体とは戦う…だが…光太郎さん…あなたとは一緒に戦えない…!」


光太郎「それは…何故だ?」


光太郎と麻生の間に不穏な空気が流れる。
出会ってまだ間もない二人だが、この二人の間にはある因縁があった…
(ナレーション:政宗一成)



麻生「俺は昔、望月博士の助手を務めていた。
当時、博士は暗黒結社ゴルゴムとかいう連中からの援助を受けて研究を行っていた。
その研究は南光太郎、あなたが組織を抜け出したのが原因なんだ!」


ジョー「それって…つまりどういう事なんだよ!?」


光太郎「…」


麻生「俺は先日、望月邸にて博士が失踪する前に置いていったファイルを見た!
そしてそのファイルを見て愕然とした…
そのファイルに記述されてあったのは俺があなたの改造手術の実験体である事についてだったんだ!」


ジョー「なっ!?」


光太郎「…」


光太郎は麻生に掛ける言葉もなかった、麻生が改造手術を受けるきっかけとなったのは…
今から5年前の1987年、日食の日。
かつて暗黒結社ゴルゴムは新たなる創世王を生み出そうと二人の青年を生贄とした。
その内の一人が光太郎、そしてもう一人が光太郎の幼馴染で兄弟同然に育った秋月信彦であった。
改造手術を受け光太郎は世紀王ブラックサンの肉体にされてしまう。
だがその改造手術の犠牲となったのは光太郎と信彦だけではなかった…
その裏では麻生勝が二人の改造手術の実験台とされていた!
(ナレーション:政宗一成)



麻生「…興奮して…悪かった…」


光太郎「いや、いいんだ。
キミが俺に対して複雑な感情を持つのは俺自身がよくわかっている。
だが、ネオ・生命体は近い内に必ず俺たちの前に現れる!その時は…」


麻生「…」


ジョー「だが兄貴…これじゃあ…!?」


光太郎「さぁジョー!俺たちは他に調べる事がある。今は麻生を一人きりにさせておこう。」


ジョー「わかった、ところで大丈夫か?兄貴…顔が真っ青だぜ?」


麻生「…」


道場に麻生を残し、光太郎とジョーは何やら調べ事をするために出て行った。
そして道場に残った麻生はこれまでの事を振り返っていた。
改造手術されそしてその後、各地を彷徨い4年間も眠りについていた日々の事を…
(ナレーション:政宗一成)


麻生「わかっている、彼が悪くはないと。だが…俺は…俺は…!」


拳を握り怒りを露にする麻生、彼もまたゴルゴムの被害者であった。
(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで


更新が結構久しぶりになりましたがこれからボチボチやっていきます。
ところでZOが光太郎と信彦の改造手術の実験台とかいう設定はこのssのオリジナル設定です。
どうか本気になさらないでください。



~望月邸~


ここは望月博士の家、現在は息子の宏が祖父である望月清吉と暮らしている。
そこへ光太郎とジョーは先ほど麻生が言っていた望月博士が残したというファイルを読んでいた。
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「なるほど、これが望月博士が残したファイルか。」


ジョー「確かにネオ・生命体についての記述があるな!」


そのファイルにはネオ・生命体第1号である仮面ライダーZOやそしてドラスに関する資料があった。
確かに資料にはネオ・生命体に関する興味深い記述が載っていたが光太郎はそれ以上に気になる事を発見する。
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「このファイルNo.1の日付…1987年10月4日と書いてあるぞ!
望月博士はこの日にドラスの開発をゴルゴムから命じられたと記述されてある!」


ジョー「今から彼此6年前か、それがどうかしたのかい?」


光太郎(俺はこの日を一生忘れやしない…そうだ!この日は…!)


そう、光太郎にとって1987年10月4日は忘れるわけにはいかない日であった。
何故なら6年前のその日、光太郎と信彦はゴルゴムの世紀王になるための改造手術を受けた日だからだ!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「これは偶然か?それとも…」


光太郎が疑問に思う中で一人の老人が光太郎たちに尋ねてきた。



それは先程説明した宏と一緒にこの家に住む祖父の望月清吉だ。


清吉「なぁ…キミたち…息子は…本当に生きているのか?」


光太郎「…ハイ…」


ジョー「だが安心してくれ爺さん!宏くんは俺たちが必ず…!」


清吉を励ますジョー。
だが清吉の心情は複雑だ、それもそうだろう。
実の息子が孫を殺そうとしている、こんな事実が受け入れられるわけがない…
(ナレーション:政宗一成)


清吉「ハァ…どうしてこんな事に…」


光太郎「あの、実はひとつだけ聞きたい事があるのですが…」


清吉「あん?」


光太郎「何故望月博士はネオ・生命体の研究などを始めたのですか?
何か理由があるのなら教えてほしいのですが…」


清吉「理由か…ワシが知る限りでは息子の嫁が原因だろうな。」


光太郎「息子の嫁…つまり宏くんのお母さん?」



清吉「そうじゃ、アンタも察してるのかもしれんがこの家には女手がないじゃろ。
それはのぅ、宏が幼い頃に死んでもうたからじゃ…」


光太郎「…」


清吉「そう、あれは宏が生まれてすぐの事じゃ。
嫁が死んでしまったのぅ、その悲しみのあまり息子は研究に没頭する日々じゃったよ…」


光太郎「そうか、奥さんが…」


清吉「そんな時じゃった、息子の研究を融資したいという妙な連中が現れてな。
名前はわからんがなんというか怪しそうなヤツだったのぅ…」


光太郎「それがゴルゴム!
そうか、ゴルゴムは奥さんを失い悲しみに暮れる望月博士に援助を持ちかけた!
だがヤツらは何故ネオ・生命体の研究に注目したんだ…?」


((ガッシャーン!))


その時だ!奥の部屋から物音が!?
慌てて駆けつけてみるとそこでは宏少年が父親との思い出の写真を壊そうとしていた!
(ナレーション:政宗一成)



宏「このっ!」


玲子「宏くんやめなさい!」


光太郎「一体何をしているんだ!?」


宏「だって…僕のパパが…道場のみんなを傷つけたんだ…」


ジョー「だから親父さんの写真を…そりゃ気持ちはわかるが…」


父である望月博士の行いにより道場のみんなが傷つけられた。
その事を気に病んだ宏少年は家にあった父親との写真を全部壊そうとするのだが…
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「宏くん!確かに俺を襲ったのは望月博士だ!
しかしキミのお父さんは本当にそんな悪事を働くような人だったと思うのかい?」


宏「そんなの…そんなわけない!パパは僕に音楽を教えてくれた優しい人だよ!」


光太郎「それならキミが知っている心優しい父親を信じてあげてくれ。」


宏「でも…それじゃあ何でみんなを襲ったりしたんだよ!?」


光太郎「それは…」


(♪♬♫♪♬♫♪♬♫)


ジョー「オルゴール…?」


宏「このオルゴールは…?」


光太郎「あぁ…これは…」


その時、突然オルゴールが鳴り響いた。
それは光太郎が先程廃墟で手に入れたオルゴールであった。



宏「これ…パパが僕にくれたオルゴールだ!」


光太郎「そうか、これが…」


宏「僕、これをあいつにも聞かせた事があるんだ…」


光太郎「あいつって…?」


宏「昔…一度だけパパの研究室に入ってそこでドラスにオルゴールを聞かせたんだ。
そしたらあいつ喜んでさ、きっとあいつもこのオルゴールの音が好きなんだろうな…」


光太郎「ドラスが音楽を…?」


ドラスがこのオルゴールの曲を好きだったとは…
光太郎はその意外な返答に驚きを隠せなかった。
それから光太郎は宏にこのオルゴールを返そうとするのだが、その時!
(ナレーション:政宗一成)



((ドッガァァァァン!))


光太郎「この爆発は何だ!?」


宏「これは…外からだよ!」


急いで外に出るとそこには…


ロボ・ドラス「アハハ、宏くん。ここにいたんだね。それともうひとり…パパの邪魔をするヤツが…」


光太郎「お前は…ドラス!?」


ジョー「チクショー!こんなとこまで嗅ぎつけてきやがるとは!」


ロボ・ドラス「ブラック・ドラスを倒したのは黒のお兄ちゃんだね。
酷いよね、僕の半身を倒しちゃうんだもん。悪いけど黒のお兄ちゃんには消えてもらうよ!」


ジョー「ケッ!先に仕掛けておいてよく言うぜ!兄貴、こんなヤツさっさと倒して…あれ?兄貴?」


光太郎「うぅ…」


急に蹲る光太郎、実は光太郎は万全な状態などではなかった…
体内にあるキングストーンを無理矢理奪われた事により光太郎の身体を激痛が襲っていた。
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「実は望月博士にキングストーンを奪われてから身体の調子が…
だがそんな弱音を吐いている場合じゃない!
今はこのロボ・ドラスをどうにかしないと…ここにいるみんなが危ない!」


ジョー「そんな…だがあいつはロボライダーの力を持っているんだぜ!
そんなボロボロの身体じゃ逆にやられちまうぞ!?」


光太郎「それでも…やるしかないんだ!変身!」


光太郎はボロボロの身体を押して仮面ライダーBLACKへと変身!


ジョー「しょうがねえ!俺も付き合うぜ!」


BLACK「ありがとうジョー!よし、行くぞ!ロボ・ドラス!」


ロボ・ドラス「フフ、僕はブラック・ドラスのようにはいかないよ!ボルティックシューター!!」


((ドシュゥッ!))


「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


傷ついた体を押して戦いに挑む仮面ライダーBLACK!
それにジョーも得意の釵を持ちライダーと共にロボ・ドラスに挑んだ!
だが非情にもロボ・ドラスのボルティックシューターがライダーとジョーを狙い撃ってきた!!
(ナレーション:政宗一成)



~道場~


その頃、道場では麻生が黒田たちの看病をしていた。
するとそこへ玲子が!
(ナレーション:政宗一成)


玲子「麻生さん大変なの!すぐに来て!」


麻生「玲子さん、落ち着いて!一体何があったんだ!?」


慌てて道場に駆けつけた玲子。その訳は…


玲子「宏くんの家にさっきの化物が現れたのよ!それで光太郎さんたちが襲われているの!!」


麻生「なんだって!?」


望月邸から急ぎ駆けつけた玲子!
光太郎は仮面ライダーBLACKに変身したものの激痛に襲われ満足に戦う事ができず、
おまけにジョーも先の戦いでの怪我が原因で二人とも劣勢に追い込まれているとの事だった。
麻生にもすぐに駆けつけてほしいと玲子は訴えるのだが…
(ナレーション:政宗一成)



麻生「…悪いが…俺は…行けない…」


玲子「何でよ!?」


麻生の心にある蟠り…
本当は麻生にも光太郎が悪いわけではないという事は分かっている、
それでも心のどこかで納得できない部分があった。
そんな時…!
(ナレーション:政宗一成)



黒田「バカヤロウ!」


麻生「うわっ!?」


なんと今まで横たわっていた黒田が起き上がり麻生を殴りつけたではないか!
(ナレーション:政宗一成)


麻生「うぅ…何を…?」


黒田「何を…じゃない!人が助けを求めているのに何を戸惑っている!?」


麻生「あなたたちにはわからないかもしれないが…俺は…」


黒田「この意気地なしめ!」


麻生「意気地なしだと…!事情を知らずによくもそんな事を!?」



黒田「フンッ!それだけ戦える力を持ちながら…子供の助けを拒む男の事情なんぞ聞きたくもない!
おいお前たち、いつまでも寝ている場合じゃないぞ!起きろ!!」


西村「ハ…ハイ…!」

宮崎「痛てて…」


黒田の号令で安静にしてた西村と宮崎まで起き上がろうとしていた。
彼ら三人はまだ傷が癒えていない状態、こんな身体で行けば間違いなく命を落とすだろう…
(ナレーション:政宗一成)


麻生「やめるんだ!そんな身体で行けば死んでしまうかもしれないんだぞ!」


西村「だがそれでも…ジッとしているよりはマシだ!」


宮崎「俺たちが稽古をしているのは人々を守るためなんだ!」


麻生「人々を…守るため…?」


麻生は自らの拳を見てその言葉を呟いた。
望んで手に入れた力などではない…
だがそれでも助けを求める人々を無視する事などできるはずがなかった!
(ナレーション:政宗一成)



麻生「よし!」


玲子「宏さん行くのね!」


麻生「あぁ、今はまだ納得ができない。
だが…だからといってネオ・生命体からの驚異から人々を救わなければ!」


((ブオオン!))


そしてバイクを走らせ麻生は望月邸へと急いだ!
(ナレーション:政宗一成)



~望月邸~


ロボ・ドラス「ロボパンチ!」


BLACK「ぐはっ!?」


ジョー「兄貴!?」


宏「このままじゃライダーがやられちゃうよ!」


同じ頃、望月邸では仮面ライダーBLACKとロボ・ドラスの戦いが行われていた。
しかしその戦いはライダーの圧倒的なまでの不利な状況であった…
(ナレーション:政宗一成)


BLACK「うぅ…やはりキングストーンを抜き取られた影響が…」


ロボ・ドラス「アハハ、どうしたのお兄ちゃん?本気を出してよ!じゃないと死んじゃうよ?」


ロボ・ドラスはまるで戯れるかのようにライダーを攻撃していた。
このままでは危ない!どうするライダー!?
(ナレーション:政宗一成)



((ブオオオオン!))


ZO「トゥッ!」


ロボ・ドラス「うわっ!?」


BLACK「あれは…ZO!」


宏「ZOだ!ZOが来てくれたぞ!」


ZO「仮面ライダーBLACK、大丈夫だったか?」


そこへ駆けつけたのはなんとZブリンガーに乗った仮面ライダーZOであった!


BLACK「だがZO、キミは…」


ZO「BLACK…今は何も聞かないでくれ。こいつを倒す事だけに集中するんだ!」


BLACK「ありがとう…ZO!」


ZO「これでさっきの借りは返したぜ!」


BLACK「あぁ!これで貸し借りは無しだ!」


そして仮面ライダーBLACK!それに仮面ライダーZOの二大ライダーの共闘が始まる!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「トゥァッ!」


ZO「ハァッ!」


((ドガッ!)) ((バシッ!))


ロボ・ドラス「くっ…!捉えきれない!?」


BLACKとZOの連携攻撃は互いの改造手術の元となったバッタの脚力を活かした速さであった!
対するロボ・ドラスはパワーと攻撃力、それに装甲はあるモノの反面スピードは彼らよりも劣っていた。
(ナレーション:政宗一成)


ロボ・ドラス「お兄ちゃんたち止まってよ!これじゃあ攻撃できない!?」


ジョー「スゲー!二人とも目にも止まらぬ速さで攻撃を出している!これなら…!」


BLACK「よし、今だZO!」


ZO「オゥッ!」


BLACK、ZO「「ライダ―――ッ!ダブル!パ―――ンチッ!!」」


((ドガァッ!!))


ロボ・ドラス「ゴファァァァァァァッ!?」


そしてBLACKとZOの連携技であるライダーダブルパンチをまともに喰らいロボ・ドラスは吹っ飛ばされた!
(ナレーション:政宗一成)



ジョー「やったぜ!ダブルライダーの連携技でドラスを倒せた!」


宏「お兄ちゃん!」


二人の勝利を喜ぶジョーと宏!だが…


ロボ・ドラス「まだだ!」


((ガバッ!))


宏「うわぁぁぁぁ!?」


ZO「宏くん!?」


BLACK「人質とは卑怯な!宏くんを離せ!」


ロボ・ドラス「悪いけど宏くんは預かったよ。
宏くんを返してほしければ僕たちの居る場所まで追って来るんだね!」


((バッ!))


そう言い残すとロボ・ドラスは宏を連れて空へと飛び去ってしまう。
(ナレーション:政宗一成)



ZO「おのれドラス!よくも宏くんを!」


ジョー「あの野郎…追いかけろって言いやがったけど一体何処に行けってんだよ!?」


確かにロボ・ドラスは追いかけて来いとは言ったもののその場所については何一つ教えなかった。
これでは追いかけようにも無茶な話なのだが…


BLACK「いや、あいつらの居場所については心当たりがある!」


ZO「本当か!一体宏くんは何処に連れて行かれたんだ!?」


ジョー「ていうか何でそんな事がわかるんだ…?
ひょっとして兄貴は今回ドラスたちを蘇らせたヤツについて既に見当が付いているんじゃ!?」



BLACK「あぁ、実は俺がキングストーンを奪われた時の事だ。ヤツはこう言っていた。」


『フハハハハ!やったぞ!遂にこの力を取り戻した!』


BLACK「この言葉を聞いて俺はひとつ疑問に思った事がある。
ヤツは俺のキングストーンの力を手に入れて取り戻したと言ったんだ。」


ZO「取り戻した…だと?」


ジョー「まるで自分が本当のキングストーンの持ち主みたいな事を言うんだな?」


BLACK「そうだ!そいつは以前キングストーンを持っていた事があるんだ!
そんなヤツは俺と信彦を除いてはこの世で唯一人しかいない!そう…ヤツは…」


そしてライダーは口にした。今回の事件の真の首謀者の名を!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「ヤツの名は創世王!
かつて暗黒結社ゴルゴムを率いて俺と信彦を戦わせる宿命を背負わせた張本人!
その創世王が今回の事件の黒幕とみて間違いない!!」


ZO「創世王…そいつが…!?」


創世王とは…
5万年の寿命を生きるゴルゴムの守護神にして支配者の事である。
かつて仮面ライダーBLACKとの戦いでその命を落としたはずなのだが…
その創世王が何故生きていたのだろうか!?
(ナレーション:政宗一成)



~廃墟~


ロボ・ドラス「ゴメンねパパ、こんな夜まで遅くなっちゃって。けど宏くんを連れてきたよ!」


宏「この…離せよ!」


望月『ご苦労だったな、下がってよろしい。
フフフ、これで餌の準備は整った。
さて、あとはこの餌で大物が引き寄せられるかが問題だな…』


ロボ・ドラスによりかつてのゴルゴム神殿、今は廃墟となった場所に連れてこられた宏少年。
そこで実の父親である望月博士と対面するのだが…
(ナレーション:政宗一成)



宏「お前…パパじゃないな!?」


望月『フフフ、そうだ!我はお前の父などではない!
今は少々不便だがこの肉体を借りているにしか過ぎんのだ!』


宏「お前がパパに悪い事をさせたんだな!
酷いや!お前の所為でパパやみんなが!この!よくも!?」


宏少年は父親に憑りついているであろうこの何者かにあらん限り罵った。
すると…


望月『フン、何も知らぬ無知な小僧め!
お前のように何も知らぬ無知な人間を我らが影ながら救ってきたのが誰だかわからぬようだな!』


宏「え…?それってどういう事…?」


そして望月博士はこの廃墟に広がる夜空を見上げた。
そこには満点の星空が輝いているのだが…ただ一点だけ…気になる凶兆が…!
(ナレーション:政宗一成)


望月『やはりこの星へやってくるか、破滅の元凶め…
かつては敗れはしたが…だが…此度は…此度こそ貴様らからこの星を…!』


拳を握り締めまるで何か強大な存在に対してそう呟く望月博士。
その言葉は一体何を意味するのだろうか…?
(ナレーション:政宗一成)



RX・ドラス「パパ、一体どうしたの?」


望月「おぉ、RX・ドラスよ。いいところへ来た。今よりお前の肉体を…」


((オォォォォォ!))


RX・ドラス「こ…これは…パパの身体から何かが出てくる…?」


そう、望月博士に憑いていた何者かが博士の身体から抜け出ようとする。
それは何故か?
新しい宿主を見つけたからだ、その新しい宿主とは…
(ナレーション:政宗一成)



~山中~


((ブロロロロロロ!))


その頃、山中のハイウィエを二台のマシンが駆けていた!


ZO「BLACK!本当にここでいいのか?」


BLACK「あぁ、間違いない!ヤツらはこの近くにいるはずだ!」


一台は仮面ライダーBLACKの愛車であるバトルホッパー!
そしてもう一台は仮面ライダーZOが駆るZブリンガー!
バトルホッパーを先頭にして二台のマシンはある場所まで趣いていた、そこは…
(ナレーション:政宗一成)



~ゴルゴム神殿跡地~


BLACK「付いたぞ、ここだ!」


ZO「ここが…ゴルゴムの本拠地…だった場所か!」


ここはゴルゴム神殿、かつて存在していた暗黒結社ゴルゴムの本拠地である。
だが今から4年前、このゴルゴム本拠地に仮面ライダーBLACKが攻め込んだ事によりゴルゴムは崩壊。
怪人たちも全滅したと思われていたのだが…
(ナレーション:政宗一成)


「「ケケーッ!」」


「「キキーッ!」」


ZO「何だこの怪人の大群は!?」


BLACK「どういう事だ!ゴルゴムの怪人たちは滅んだはずでは!?」


クモ怪人「バカめ!ゴルゴムが滅ぼうとも怪人は不滅だ!」


コウモリ怪人「あのお方が現れた事により生き残った我らは再起をかけこうして再び集まったのだ!」


現れたのはなんとかつてのゴルゴムの怪人たちであった!
彼らはゴルゴム壊滅後も密かに生き残り散り散りとなっていたが、
今回の騒動を聞きつけ集まってきていた!?
(ナレーション:政宗一成)




「「殺れ―――ッ!!」」



その号令と共に怪人たちが一斉にライダーたちに襲いかかってきた!
一体二体ならなんという事もないが無数の怪人たちに襲いかかれてはさすがのライダーたちもお手上げだ!
(ナレーション:政宗一成)


BLACK「くっ…!このままでは!?」


ZO「俺たちはなんとしても宏くんを救わなければいけないのに!」


まさに多勢に無勢なこの状態、だがその時!
(ナレーション:政宗一成)



ジョー「ハァッ!加勢に来たぜ兄貴!」


BLACK「ジョー!?」


黒田「俺たちもいるぞ!」


西村「でやぁっ!」


宮崎「おりゃーっ!」


ZO「あなたたちは!」


玲子「ここは私たちが食い止めるわ!あなたたちは行って!」


なんとそこに駆けつけたのは霞のジョーと宏の通う道場の師範たちであった!
彼らの救援を受けてライダーたちは自らのバイクに乗り込み怪人たちに突っ込んだ!!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「ダイナミックスマッシュ!!」


ZO「Zブリンガーアタック!!」


「「ギャァァァァァァッ!?」」



玲子「ライダーたちは行ってくれたようね!」


ジョー「頼んだぜ仮面ライダー!」


そして怪人軍団の軍勢をバイクで蹴散らし仮面ライダーたちはゴルゴム神殿内部へと突入する!
(ナレーション:政宗一成)



~ゴルゴム神殿~


ZO「ここがゴルゴム神殿か、不気味な場所だ。」


BLACK「気をつけろ、敵は何処に潜んでいるのかわからないぞ!」


無事にゴルゴム神殿に潜入したライダーたち、だが…


ロボ・ドラス「よく来たね、お兄ちゃんたち。悪いけどここから先には行かせないよ。」


宏「お兄ちゃん!」


ZO「お前はロボ・ドラス!それに宏くんも!」


BLACK「俺たち二人を相手に挑んでくるとはいい度胸だな!」


ロボ・ドラス「確かに僕が相手するけどそっちの黒いお兄ちゃんの相手は僕じゃないよ。」


BLACK「なんだと!?」



その時であった!


((シュワァァァ!))


BLACK「何だこの液体は!?」


ZO「大変だ!BLACKの身体を奇妙な液体が包んでいくぞ!?」


ZOの言うように突然液体がBLACKを包み込んだ!
そしてBLACKを包み込んだ液体はそのまま地下へと流れ落ちていった!
(ナレーション:政宗一成)


宏「あぁ…仮面ライダーBLACKが…」


ZO「待ってろ!今助けに…!」


ロボ・ドラス「おっと、そうはさせないよ。お兄ちゃんの相手は僕なんだからね。」


ZO「このっ!」


ロボ・ドラスに行く手を阻まれるZO…
そして謎の液体に襲われた仮面ライダーBLACKは一体どうなってしまうのか!?
(ナレーション:政宗一成)



~地下~


BLACK「うぅ…ここは一体…?」


地下に落とされたライダー、気づくとそこにはあの謎の液体が!
しかもその液体はまるで人の形に変えていくではないか!?
(ナレーション:政宗一成)


バイオ・ドラス「初めましてだよね、僕はバイオ・ドラス。」


BLACK「バイオ・ドラスだと?
そうか…俺のバイオライダーの力を得たヤツか!
なんという事だ…もしかしたらこいつが一番苦戦するかもしれないな…!」


ライダーの不安は的中する…


((ブンッ!)) ((スカッ!))


BLACK「クッ!攻撃がまるで当たらない!?」


バイオ・ドラス「フフフ、無駄だよ黒のお兄ちゃん♪ほら、バイオブレード!」


((ズバッ!))


BLACK「ぐはぁっ!?」


ライダーは徒手空拳でバイオ・ドラスを攻撃するのだがバイオ・ドラスは体を液体化させてその攻撃を無効化させていた。
そしてバイオ・ドラスはその都度バイオ・ブレードでライダーに斬撃を与えていた!
これでは勝ち目が…
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「おのれ…
今更ながら俺と戦っていたクライシス帝国の怪人たちの苦労が今ならわかる気がしてきたな…」


バイオ・ドラス「ハハハ、無駄だよ黒のお兄ちゃん。僕の身体は自由に液体になれるんだ。
だから黒のお兄ちゃんがいくら攻撃しても液体になれば防げちゃうんだから。」


BLACK「バイオ・ドラスの言う通りだ…
かつて俺もバイオライダーの力でクライシス帝国の怪人たちの攻撃をその力を持って回避していた。
この力が敵に回る事がこれほど恐ろしい事だとは思わなかったが…」


まさに絶体絶命の危機!だがその時!?
(ナレーション:政宗一成)



??「配線だー!この地下にある電気配線を使うんだー!!」


BLACK「今の声は…だが電気配線…?そうか!?トゥァッ!!」


突然謎の声がこの地下に響いた。
ライダーは急ぎこの地下に流れる電気配線を見つけその配線を引き千切りバイオ・ドラスに当ててみせた!
(ナレーション:政宗一成)


BLACK「喰らえー!!」


((バチバチッ!))


バイオ・ドラス「「ギャァァァァァ!?」」


バイオ・ドラスの身体に高圧電流が流れ込んできた!
そう、感電である!
身体が液体であるバイオ・ドラス、だがバイオ・ドラスはどんなに強靭でも生命体である。
その液体状の身体に高圧電流を流し込めば大ダメージを受ける事は確実であった!!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「今だ、キングストーンフラッシュ!!」


バイオ・ドラス「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
何でだよ…何でだよパパ!?何で僕を虐めるんだよパパァァァァァァァァ!!??」


ライダーのキングストーンフラッシュにより液体と化していたバイオ・ドラスの身体が蒸発していった!
断末魔の悲鳴を上げながら恨み言を遺して散るバイオ・ドラス。
その場にはバイオライダーのベルトだけが残されていた…
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「うぅ…なんとか勝てた…だがかなり際どかった。
あの助言がなければ恐らく負けていただろう…
それにしても俺に助言をくれた人は一体誰なんだ?」


バイオ・ドラスとの戦いで変身が解けた光太郎は自分に助言を与えてくれた人物を探す。
すると一人だけ、まるでゴミのごとく打ち捨てられていた人間を発見する。
そう、その人物は…!
(ナレーション:政宗一成)



望月「う…うぅ…宏…」


光太郎「あなたは…望月…!望月博士!?」


なんと光太郎が発見した人物は望月博士であった!
何故このような場所に望月博士が?一体何があったというのか!?
(ナレーション:政宗一成)



~ゴルゴム神殿~


ZO「ZOパンチ!」


ロボ・ライダー「うわぁぁぁぁ!?」


仮面ライダーZO対ロボ・ドラスの戦い。
だがそれは戦いというモノではなく、ロボ・ドラスは一方的にZOに負けていた…
(ナレーション:政宗一成)


ロボ・ドラス「な、何で僕が負けるんだよ…?一体どうして!?」


ZO「まだわからないのか?
お前はさっき宏くんを拐いに俺たちと戦った時、既に大ダメージを負っていたんだ!
そのダメージが癒えない内に俺と戦うなんて無茶もいいところだ。
だがもう勝負は付いた、諦めて降参しろ。そうすれば命までは取らない!」


ZOはロボ・ドラスに降伏を勧めた。
ロボ・ドラスも観念したのかそれに応じようとするのだが…
(ナレーション:政宗一成)



((ドバッ!))


ロボ・ドラス「がはっ!?」


ZO「なにぃっ!?」


RX・ドラス「この裏切り者め!降伏など許すものか!!」


なんと仲間であるRX・ドラスが突然現れ背後からロボ・ドラスを突き刺したではないか!
そしてロボ・ドラスの生命の源であるロボライダーのベルトを抜き取ってしまった!?
(ナレーション:政宗一成)


ロボ・ドラス「そんな…パパ…」


((ズシャッ!))


RX・ドラス「フンッ、愚か者め!」


生命源であるキングストーンを失ったロボ・ドラスはそのまま消滅してしまった。
(ナレーション:政宗一成)



ZO「おい!ロボ・ドラスはお前にとっては兄弟同然のはず!
それをこうも簡単に殺すなど…一体どういうつもりだ!?」


RX・ドラス「何を怒っておる?我は裏切り者を処分しただけよ。
むしろ感謝してほしいものだ、お前の敵を倒したのだからな!!」


ZO「貴様ぁぁぁぁぁ!!」


この光景に激怒したZOは怒りに任せてRX・ドラスに拳を振るった!
(ナレーション:政宗一成)



~地下~


光太郎「望月博士、しっかりしてください!」


望月「うぅ…キミは確か…そうだ資料で見た事があるぞ!
南光太郎!世紀王ブラックサンに選ばれた男じゃないか!?
だがキミはゴルゴムを裏切り脱走したはず…待て!ここはどこだ!?
宏…宏はどうなった!?」


光太郎の問いかけに意識を取り戻した望月博士。
だが彼は混乱していた、今の現状について何も理解していないようであった。
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「しっかりしてください望月博士!
あなたがネオ・生命体ドラスを作ったんじゃないんですか!?」


望月「ネオ・生命体ドラス…?そうだ思い出したぞ!?
私はゴルゴムに命じられてドラスを製造していたんだ!
そして創世王に殺されたはずじゃ…?
そうか…操られた時にヤツは私の肉体を修復したからこうして生き返られたのか。」



光太郎「教えてください博士!あなたの身に一体何があったというんですか!?」


望月「そうだ…私は…かつてゴルゴムに援助を求めた…
そしてゴルゴムメンバーで唯一創世王に謁見が許されたんだ。」


光太郎「なんだって!
創世王の正体は謎に包まれていて、
ゴルゴムの三神官たちですらそれを把握出来なかったはずなのにどうして…!?」


かつてあの創世王に謁見が許されていたという望月博士。
その理由は果たして一体…?
(ナレーション:政宗一成)



~ゴルゴム神殿~


RX・ドラス「リボルケイン!」


ZO「ぐぉぉぉぉぉ!?」


RX・ドラス「どうした、その程度か?」


ZO「こいつ…前に戦った時とは明らかに戦い方が違う…まるで別人だ!」


RX・ドラス「別人か…そうに決まっておるだろう!
なにせ…我はこのRX・ドラスの身体を奪った…いや違うな。
本来の持ち主である我の手に還ったのだからなぁっ!!」



((ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ!!))


その時、突如地鳴りが起きた!
それはRX・ドラスが起こした地鳴り、その影響は凄まじくこの場にいるZOですら立っているのがやっとな状態だ!
(ナレーション:政宗一成)


ZO「ドラスじゃないだと…?するとお前は!?」


RX・ドラス「フフフ、ZOが現れた今こそ絶好の機会よ!ハァッ!!」


RX・ドラスの身体のエネルギーが次第に高まっていった!
それから戦いに敗れたロボ・ドラス、それにバイオ・ドラスのキングストーンを吸収していくではないか!?
(ナレーション:政宗一成)


RX・ドラス「やはり…力はひとつの場所に在るべきだ…そう思わんか?」


((ガシッ!))


ZO「こいつ…!?」


そして最後にZOの身体を掴み、なんとZOを…


((シュゴォォォォ!))


ZO「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


宏「お兄ちゃん!お兄ちゃぁぁぁぁぁん!?」


吸収してしまった!
ネオ・生命体ドラスはRX、ロボライダー、バイオライダー、そしてZOと最強のライダーの力を全て飲み込んでしまった!
そしてRX・ドラスの姿が変貌していく…
それも赤く…まるで血のような真紅の色に染まっていった…
(ナレーション:政宗一成)



~地下~


光太郎「すると望月博士、あなたはゴルゴムに命じられてネオ・生命体の製造を?」


望月「そうだ、ゴルゴムメンバーの中で私だけが創世王と直に会う事が許された。
その理由は最強の肉体を生み出すためだそうだ…」


光太郎「最強の肉体…?」


望月「キミも知っているだろう。創世王の正体を…」


光太郎「創世王の正体…」


創世王の正体…
それは光太郎もかつて目撃していた。その正体は巨大な心臓であった。
5万年の永き時を生きた創世王の寿命は尽きかけており当時の創世王の肉体は既に朽ち果てていた…
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「そうだ、あの時既に創世王の肉体は…」


望月「そう、だから創世王は新たな肉体を欲していた!それがキミたち世紀王だったんだ!」


光太郎「なっ!?」


望月「キミも薄々は気づいていたはずだ、世紀王とは…創世王とは何者なのか…」


望月博士の言葉に光太郎も以前から薄々は疑惑を持っていた。
創世王は本当に世紀王である光太郎と信彦にその王の座を渡す気などなかった。
唯、肉体が欲しかっただけ…それも永き時を生き続ける事の出来る最強の肉体が…!
(ナレーション:政宗一成)



望月「キミがゴルゴムを脱走した直後、創世王から直々に命令が下った。
自分のための最強の肉体を作れとな!
ゴルゴムがネオ・生命体の研究に注目したのは、
創世王がもしものために世紀王たちとは違う別の肉体を用意しようとしていたからなんだ!」


光太郎「なるほど、創世王は自分の意に反する寄り代よりも意のままに操れる存在を作ろうと…
おのれ創世王め!」


望月「そしてそれはキミが創世王を倒した後も変わらなかった。
ゴルゴム壊滅後、ヤツは私の精神に憑依してネオ・生命体に関する研究を続けさせた。
妻を失い悲観に暮れていた私はヤツが操るには打って付けだったわけだ。
そして麻生を改造手術の手に掛け、私はドラスの製造に成功したのだが…」


光太郎「それを仮面ライダーZOに打ち砕かれたというわけですね。」


望月「そうだ、そして南光太郎。キミがあの廃工場に現れた!
ヤツはキミからキングストーンを奪い取りドラスの強化に成功した。
その後は用済みとなった私から抜け出して…
そして今頃はドラスの身体に憑依してその力を使って麻生…いや仮面ライダーZOを…!」



その時であった!


((ガラガラ!ガッシャーン!))


光太郎「なっ!瓦礫が崩れたぞ!?」


望月「一体何が…?」


((ブワッ!))


光太郎と望月博士の前に一体の紅い身体をした異型の生命体が現れた。
その生命体を見て博士はこう呟く…


望月「お前は…ドラス…それも完全体の!?」


光太郎「なんだって!?」


宏「パパー!」


望月「お前は宏…!これはどういうことなんだ!?」


宏「ドラスが…ZOを…お兄ちゃんを吸収しちゃったんだよ!」


光太郎「そんな…バカな!?」


そう、RX・ドラスはロボライダーとバイオライダーだけではなく仮面ライダーZOの力まで吸収してしまった!
そして完全体であるレッド・ドラスに再び進化を遂げた!!
(ナレーション:政宗一成)



レッド・ドラス「フハハハハ!遂に…遂に手に入れたぞ!これぞ最強の肉体!!
これで我が肉体は5万年を過ぎようとも朽ち果てたりはしない!
いや、それだけではない!地球だけでなくこの宇宙全てを支配しそして…そしてあやつを!!」


そう高らかに宣言するレッド・ドラス!いや、創世王!
この戦い…一体どうなってしまうのか!?
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「創世王…!」


レッド・ドラス「ククク、こうして直に会うのは久しいなブラックサン。
本来ならお前は最既に用済み!…なのだが…
だがお前の体内にあるキングストーンの欠片はまだ我に必要だ…返してもらおうか!」


光太郎「創世王!そこまでして力に拘る理由は己の満足の為か!?」


レッド・ドラス「己の満足の為だと…?ふざけるな!!」


((カッ!))


光太郎「うわぁっ!?」


レッド・ドラスの手から放たれた衝撃波を喰らい光太郎は吹っ飛ばされてしまう!
何故今の言葉に創世王が怒りを感じたのか光太郎にはわからなかった…
(ナレーション:政宗一成)



レッド・ドラス「この我が己が満足の為だけだと…?
我は…いや!我らゴルゴムこそがこの美しい地球を守っている事が何故わからんのだ!?」


光太郎「何を言っているんだ!?」


宏「そんな…パパ…!こいつは悪者じゃないの…?」


望月「いや、それは間違いない…だが…
そういえばとり憑かれている間の事だが創世王は何か焦っているように思えた…
まるで何かの驚異に恐れと焦りを感じていたように私には思えてならない…!」


光太郎「焦りだって…?」


創世王の焦り、それはとり憑かれていた望月博士にしかわからない事であった。
しかしあの創世王が一体何を恐るというのか…?
(ナレーション:政宗一成)



レッド・ドラス「よく聞けブラックサン!
古の時代、この地球はある者たちに侵略を受けていた!
我らゴルゴムはその時代よりヤツらの魔の手から地球を守っていたのだ!!」


光太郎「ゴルゴムが地球を守っていただと…?バカな!
仮にそれが本当の話だとして一体何処の誰がこの地球を侵略しようとしたんだ!?」


創世王が語る真実に光太郎は驚きを隠せずにいた。
あの地球支配を企んだゴルゴムが過去に地球を守ろうとしてたとは…
しかし遥か太古の時代に地球を侵略しようとした者たちとは一体何者なのだろうか?
(ナレーション:政宗一成)



レッド・ドラス「その者たちの名はフォッグ!機械獣母艦フォッグ・マザー!!
彼奴らは母艦を率いて7000万年の昔に恐竜たちを滅ぼし、さらにはこの地球において破壊の限りを尽くした!
あのような事は二度と起こしてはならぬ!その為にゴルゴムは存在していたのだ!!」


光太郎「フォッグ…そいつらが…!」


今明かされる衝撃の真実、地球は遥か太古の時代に宇宙からの侵略者フォッグなる存在に攻められていた!
そしてそんなフォッグから地球を守ったのがゴルゴムであったとはなんとも皮肉な話であるのだが…
(ナレーション:政宗一成)


レッド・ドラス「そしてそう遠くない未来においてヤツらは再び地球に戻ってくる!
千年に一度の大孵化を行うための生贄をこの地球に求めるであろうからな!
彼奴らに備えるために我はブラックサンとシャドームーンを戦わせ最強の肉体を得ようとした!
だが…」


光太郎「それを俺が阻止した…」


レッド・ドラス「そうだ!お前はシャドームーンを倒したにも関わらず我を…ゴルゴムを滅ぼした!
その結果、ゴルゴムは壊滅しフォッグに対抗する手段が無くなってしまった…
だが我は諦めなかった!望月博士を操りネオ・生命体ドラスを作り出した!
だがそれもまさかプロトタイプのZOが阻むとは…」


光太郎「そこへ俺が現れお前は俺のキングストーンを…」


レッド・ドラス「そうだ!運命は我を見放さなかったようだ!
キングストーンの力を再び得た我はこうして新たな肉体を得て蘇った!!」


レッド・ドラス「「フハハハハハハハハハハハハハハ!!」」


まるで勝利宣言をするかの如く勝ち誇る創世王、一方その内部では…






……


………


麻生「…ここは…そうか…俺はドラスに取り込まれてしまったのか…」


ドラスに取り込まれた麻生。
そこはドラスの肉体内部で身動きひとつ取れずに囚われていた…
(ナレーション:政宗一成)


『う…うぅ…ひっく…ぐすっ…』


麻生「これは…子供の泣き声…宏くん…?いや違うぞ、もっと幼い声だ!」


気が付けば麻生の目の前に一人の青白い顔をした少年がいた。
その少年は宏にも似ているが宏よりも幼く見えた…
麻生はこの少年の正体について何故か確信が持てた、それは…
(ナレーション:政宗一成)



麻生「ドラス…キミはドラスなのか…?」


ドラス『お兄ちゃん?ひょっとしてお兄ちゃんなの!?』


麻生「何故こんなところで泣いている?そうかお前は…」


ドラス『わかんないよ!パパがいきなり僕に…
いや…あれはパパじゃない!あいつは僕の身体を奪ったんだ!?』


麻生「やはり…ヤツはお前の肉体だけが目的だったのか…」


理由を聞き納得する麻生、だがドラスはそれでも泣き喚いていた。
ネオ・生命体とは感情を超越した存在、そんなドラスが何故泣くのか…
麻生はその理由をなんとなくではあるが察していた。
(ナレーション:政宗一成)



麻生「お前…寂しかったんだな…」


ドラス「……僕の兄弟たち…みんな…みんな…死んじゃった…また一人ぼっちだよ……
僕は…ただ家族が欲しかっただけなのに…どうして…こんな事に…」


麻生「家族…か…」


そう、ドラスは家族が欲しかっただけだ。
感情を超越する事ができるネオ・生命体だがドラスはまだ誕生してから精神年齢は極めて幼い。
そのために善悪のつかない子供でしかない…
(ナレーション:政宗一成)


麻生「泣くな…」


ドラス「え…?」


麻生「俺が…俺たちがいる…!」


ドラス「お兄…ちゃん?」


麻生は泣き続けるドラスにそっと手を伸ばした。
それは今までのように戦いで向ける敵意などではない、むしろそれは…
(ナレーション:政宗一成)



一方、外の世界では…


レッド・ドラス「フハハハハハハ!この最強の肉体の前に敵はいない!
だがまだ足りぬ!まだなぁっ!ブラックサン!お前の肉体を吸収した後は…
そうだな、もうひとつのキングストーンの持ち主であるシャドームーンを吸収せねばな!」


光太郎「なんだって!信彦をだと!?」


レッド・ドラス「そうだ、あの者が既に死んだ事くらい我も知っておる。
しかしその肉体にあるキングストーンは未だに手付かずの状態のはず…
二つのキングストーン、そしてお前により強化された太陽の石!
さらにはこのネオ・生命体の肉体!それが揃えば…想像してみるがいい…!
この全宇宙を統べる事すら可能になるのだぞ!ハーッハハハハハハハハハハハ!!」


光太郎「…」


宇宙からの侵略者であるフォッグに備えるために最強の肉体を手に入れようとする創世王。
だが光太郎はそんな創世王を吐き捨てるようにこう呟いた…
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「醜いな…」


レッド・ドラス「何?」


光太郎「醜いと言ったんだ!創世王!!」


レッド・ドラス「我が醜いだと?この地球を守るために凡ゆる手を尽くした我を醜いと罵るか!?」


光太郎「そうだ、確かに昔のお前は善意で地球を守ろうとしたのかもしれない!
しかし、今のお前はどうだ?
地球を守るという目的ではなく、単に己の力を…いや!
最強の肉体を手に入れようという目的にすり替わってしまったんじゃないのか?
そんなお前を醜いと言わずになんと言うんだ!?」


レッド・ドラス「き…貴様!?」


望月「そうだ!あなたはドラスに自分が父親だと偽りドラスの身体を乗っ取った!」


宏「そんなお前なんかが地球を守ってくれるわけないだろ!
今までこの地球を守ってくれたのは仮面ライダーたちなんだぞ!!」


レッド・ドラス「おのれ…人間めがぁぁぁぁぁ!!」



その時であった!


((ドクンッ!))


レッド・ドラス「ぐっ!?な…なんだこれは!?」


光太郎「ドラスが苦しんでいる…どういう事だ?」


望月「これは…そうか!
創世王に吸収されたドラスと…麻生が内部で戦っているんだ!!」


宏「そっか!頑張れお兄ちゃん!それに…ドラス!!」


レッド・ドラス「グゥゥゥゥ!?」


宏少年の声援を受けて創世王はさらに苦しみ出した。
そして光太郎も今がチャンスと胸元からある物を取り出した、それは…
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「ドラス!これを聞くんだ!」


(♪♬♫♪♬♫♪♬♫)


レッド・ドラス「ぐぬぬ…何だこれは!?」


望月「それはオルゴール?」


宏「僕がドラスに聞かせた曲だよ!」


光太郎「ドラス、キミはずっと孤独で一人ぼっちだったのが嫌だったんだな。
だがキミはもう一人ぼっちなんかじゃない!
宏くんや望月博士、それに麻生、そして俺がいる!!」


((カッ!!))


その言葉を聞いたドラスは体内からあるモノを分離させた。それは…



麻生「トゥッ!」


望月「麻生!」


宏「お兄ちゃん!」


レッド・ドラス「お…おのれ…ZOが分離してしまったか…戻れ!もう一度我とひとつになれ!!」


麻生「断る、命を弄んだお前を許す気はない!」


完全体であるレッド・ドラスから分離した麻生。
彼は目の前にいるドラスではなくとり憑いている創世王に敵意を向けた!
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「行くぞ麻生!この戦いに決着をつけるぞ!」


麻生「あぁ、創世王を倒しドラスを解放させるんだ!!」


宏「お兄ちゃんたちが変身する!」


そう、南光太郎と麻生勝!
二人の男たちがこの永き時を生きる怪物を今こそ倒すのだ!!
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「変…んん…身!!」


麻生「変身…!!」


((プシュゥゥゥゥ!))


BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」


ZO「「仮面ライダーZO!!」」


変身完了、両者の身体から変身に使われた余剰エネルギーの蒸気を出しながら二人の仮面ライダーが名乗りを上げた!!
(ナレーション:政宗一成)



レッド・ドラス「ライダーどもめ!返り討ちにしてくれる!ボルティックシューター!」


ZO「なんの!ZOパンチ!」


レッド・ドラス「くっ!ならばバイオブレード!」


BLACK「させん!ライダーチョップ!」


レッド・ドラス「がはっ!バイオブレードが!?」


宏「今だライダーたち!」


望月「ヤツに止めを!」


BLACK、ZO「「ライダ―――ッ!ダブルッ!キ―――ック!!」」


レッド・ドラス「うぬぅっ!何故だ…力が上手く引き出せん…?」


二大ライダーの攻撃を喰らい吹っ飛ばされる創世王…
確かに創世王の言う通りいくら二大ライダーが相手とはいえ何故こうも力を発揮できないのか?
それはBLACKはこう言ってのけた!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「創世王、俺のRXとしての力は太陽の光を源としているんだ!
こんな太陽の光が届かないゴルゴム神殿の地下ではお前の力が半減されて当然だ!!」


レッド・ドラス「なるほど、そういう事か。ならば…ハァッ!」


宏「大変だ!お兄ちゃんたちが!?」


「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


望月「ライダーたちを持ち上げて天井を突き破ったぞ!」


仮面ライダーたちを持ち上げて天井を突き破る創世王!
果たしてその目的は!?
(ナレーション:政宗一成)



~外~


((ドドドドドド!))


BLACK「くっ…外か!」


ZO「まずいぞBLACK!空を見ろ!夜明けだ!」


レッド・ドラス「そうだ、太陽の力が足りぬというなら得ればいいだけの事よ!」


ゴルゴム神殿の天井を突き破り外へと出た創世王!
その目的は太陽の光を吸収する事であった!!
(ナレーション:政宗一成)



レッド・ドラス「リボルケイン!喰らえ!!」


ZO「リボルケインだと!いかん!?」


((バシュッ!))


リボルケインの光の刃が突き刺さった!その刃に突き刺された相手は…


BLACK「う…うぅ…がはっ!?」


ZO「BLACK―――ッ!?」


レッド・ドラス「やったぞ!この忌々しいブラックサンを遂に…
これでもう我の邪魔をする者はいなくなった!後は…お前だZO!」


仮面ライダーBLACKにリボルケインの光の刃が突き刺さった!
腹部より火花が散り苦しみ悶えるライダー、だが…!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「この時を…この時を待っていた!!」


((ガシッ!))


レッド・ドラス「こ、こいつ…我の身体を…離せ!離さぬか!?」


ZO「BLACKが創世王を掴んだ!どうする気だ?」


BLACK「キングストーン!そして太陽よ!
俺は太陽の子!今こそ全てを在るべき場所に還してくれぇぇぇぇぇ!!」


仮面ライダーBLACKはリボルクラッシュを受けながら自らのキングストーンに…
そして太陽に向かい叫んだ!
その時、不思議な事が起こった!!
(ナレーション:政宗一成)



((パァァァァァァ!))


レッド・ドラス「な、何だこの光は!?」


ZO「BLACKのベルトが光り輝いている…!
それにドラスの体内も…そうか!これはキングストーンが互いに共鳴し合っているんだな!」


レッド・ドラス「なんだこれは!や、やめろ!?我の体内をかき乱すな!?」


((シュバッ!))


その時であった!ドラスの体内から三つの光が出てきた!
それは創世王が吸収したはずのRX、ロボライダー、バイオライダーのベルトであった!
そのベルトはまるで引き寄せられるかのように仮面ライダーBLACKの体内へと還っていくではないか!!
(ナレーション:政宗一成)



BLACK「返してもらったぞ!キングストーンを!俺の本当の力を!!」


レッド・ドラス「うがぁぁぁぁ!?やめろ!力が…力が抜けていく!?」


ZO「ドラスの身体が赤い完全体から元の身体に戻りつつある…
そうか!体内にあるキングストーンを取られてあの完全体を維持できなくなったんだな!」


創世王(こうなれば最早こんな身体に用はない…要らぬわ!)


そしてドラスの身体から暗黒な塊が抜け落ちようとした!
それこそが創世王の邪悪な魂の正体であった!!
(ナレーション:政宗一成)


BLACK「逃がさんぞ創世王!お前は今日ここで倒されるんだ!変身!!」


仮面ライダーBLACKの身体が太陽の光を発した!
それと同時にBLACKとは違う一人の戦士が邪悪な創世王の魂を目掛けて大ジャンプする!
(ナレーション:政宗一成)



RX「創世王!もう俺をブラックサンと呼ぶな!
今の…俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK!RX!!
創世王…貴様は最強の肉体を得るために今まで大勢の人々を犠牲にした!
俺の両親…秋月の義父さん…それに親友の信彦を!そんなお前を俺は絶対に許さん!!」


創世王(こうなればRX!お前の身体を乗っ取ってやる!)


ドラスに代わり今度はRXの肉体に乗り移ろうとする創世王!だがそうさせなかった!!
(ナレーション:政宗一成)


RX「させるか!リボルケイン!!」


((ドシュッ!))


創世王(グォォォォォ!?)


RX「創世王!今度こそ最期だ!」


創世王(やめろRX!我が死ねば誰がフォッグを…)


RX「それは今を生きる俺たちの務めだ!
この美しい地球は俺たち人間がこの手で守ってみせる!!」


創世王(ならば守ってみせるがいい…地球をヤツらから…)


((ドッガァァァァァァン!!))


RXのリボルケインによるリボルクラッシュが創世王の邪悪な魂を打ち砕いた!
これにより創世王は今度こそこの地上から消え去った…
(ナレーション:政宗一成)



ドラス「う…うぅ…」


ZO「ドラス!」


創世王の呪縛から解き放たれたドラス…
だがキングストーンの力が無くなり、
本来なら生体プールに浸からなければならないその命が保てなくなってしまった。
(ナレーション:政宗一成)


ドラス「苦しい…苦しいよお兄ちゃん!」


ZO「ドラス…わかった…今楽にしてやる!」


そしてZOはこれ以上苦しませないために必殺のキックを放った!
(ナレーション:政宗一成)



ZO「ZOキ―――ック!!」


((バシィッ!))


ドラス「あぁ…痛みが引いていく…ありがとう…お兄ちゃん…」


ZO「ドラス!諦めるな!大自然よ!この子を助け給え!」


自らの力の源である大自然に懇願するZO!その力が奇跡を起こした!!
(ナレーション:政宗一成)




そして戦いが終わった…



宏「みんなー!」


黒田「おぉー!宏くん無事だったか!」


玲子「これで全部終わったのね…」


西村「あぁ、怪人たちも親玉が死んだのを知ったのか何処かに消えちまったからな!」


宮崎「もうこんな戦いはゴメンだけどね!」


望月「いや、まだライダーたちの姿が見えないんだが…」


ジョー「そうだ、兄貴たちはどうなったんだ?」


ゴルゴムの怪人たちを蹴散らしたジョーと黒田たち。
そんな彼らの下に光太郎、それに麻生が駆け寄ってきた!
(ナレーション:政宗一成)



光太郎「お~い!みんな!」


麻生「みんな大丈夫だったか!」


ジョー「兄貴!よかった無事だったんだな!」


宏「それにお兄ちゃんも!あれ?お兄ちゃん何を抱いてるの?」


宏の言う通り麻生は胸元に何かを抱いていた。
それはまるで人間の赤ん坊のような小さなモノであった…
(ナレーション:政宗一成)



麻生「この子はドラスだよ。」


ジョー「ドラス!?こ、これが…?」


宏「どういう事なのお兄ちゃん!?」


麻生「ドラスに吸収された俺はその体内でドラスの真意を知った。
だから俺は大自然の力を借りてドラスを人間の赤ん坊に…
ドラスは支配とかそんなモノを望んではいなかった…ドラスが望んでいたのは家族だったんだ!」


望月「家族…?」


麻生「そうです、ドラスはただ寂しかっただけだ。
その孤独な想いは改造人間である俺には痛いほどわかる…」


光太郎「そうだな、ドラスもある意味では俺たちみたいな被害者だったのかもしれないな…」


望月「そんな…ドラス…」


望月博士はその事実を知り思わずその場で泣き崩れてしまう…
だが麻生はそんな望月博士に向かい、こう問い詰めた。
(ナレーション:政宗一成)



麻生「博士、あなたの行いは許されるべきではない!
俺を改造手術の実験台にしてさらにはネオ・生命体という人工的な生命体を作り命を弄んだ!
そんなあなたを俺は絶対に許せない!!」


望月「覚悟はしている、ひと思いにやってくれ…」


宏「そんな…お兄ちゃんやめて!?」


光太郎「…」


既に望月博士は麻生に殺されるのを覚悟していた。
だが麻生は…
(ナレーション:政宗一成)



麻生「だが俺は幼い二人の子供たちから父親を奪う事はできない…
博士、もしあなたが罪を償う気があるのなら今度こそ父親としての責務を全うしてほしい…」


黒田「うむ!」


ジョー「けど…二人って?望月博士には宏くんしか息子がいないはずじゃ?」


光太郎「ドラスだよ、この子も望月博士の息子なんだよ。」


望月「あぁ、わかった…この子も私の大切な息子だ…!」


宏「ドラス!お前は僕の弟だ!」


麻生「ハハ!」


赤ん坊となったドラスを抱いて喜ぶ宏。
本当なら許されなかったであろう望月博士を恨むよりも、
そんな博士を許し宏少年に笑顔を取り戻せた麻生勝こと仮面ライダーZO!
そんな彼らを傍から見て光太郎は満足な思いであった。
(ナレーション:政宗一成)


光太郎「ゴルゴムが残した爪跡は確かに大きかった。
だが憎しみや恨みを抱えて生きていくよりもそれを許し人々を笑顔に変える。
俺たち仮面ライダーとはそういう存在なんだ!」


新たな仮面ライダーZOが望月親子に希望の光を取り戻させた。
光太郎はそんな仮面ライダーZOを新しい仮面ライダーとして認めたのであった!
(ナレーション:政宗一成)



ジョー「これで全部終わったんだな兄貴!」


光太郎「いや、これはむしろ始まりに過ぎない。本当の戦いはこれからだろう!」


麻生「そうだな、この宇宙から新たな敵がやってくるはずだ!」


そう言って光太郎と麻生は空を見上げた。
それと同じく宇宙ではある異変が起きつつあった!
(ナレーション:政宗一成)



~機械獣母艦フォッグ・マザー~


ここは機械獣母艦フォッグ・マザー、その艦内である。
その中にいるフォッグの首領、フォッグマザーは創世王の死を察知した!
(ナレーション:政宗一成)


フォッグマザー「子供たちよ、あの忌まわしい創世王が死にました。」


コブラ男ガライ「ようやく壊れたか、まったくしぶとい男だった!」


ハチ女ズー「それではいよいよ地球へ!」


トカゲ男アギト「ガゥゥ!」


フォッグマザー「さぁ、行きますよ!地球へ!新たな子供たちを産むために…!」


そして機械獣母艦フォッグ・マザーは地球を目指して進行する!
これより一年後、地球はフォッグマザーの驚異に晒される事になる。そして…
(ナレーション:政宗一成)



一年後…


<1994年>


~湖~


加那「お兄ちゃん暖かいコーヒー持ってきたよ!」


瀬川「ありがとう加那ちゃん。」


ここは湖周辺の森林、
そこでは瀬川耕司というフリーカメラマンが木村可那という少女と一緒に野営をしながら、
夜空に浮かぶ星を眺めていた。
(ナレーション:政宗一成)



可那「今夜も星が綺麗だね。」


瀬川「あぁ、本当にね…」


満天に輝く夜空の星を見上げる二人。
今はまだ束の間の平和だが、これよりこの二人がやがて起こる壮絶な戦いの渦中に巻き込まれるとは…
この時、誰が予想したであろうか…?
そう、この瀬川耕司こそ後に仮面ライダーJとなり機械獣母艦フォッグ・マザーに立ち向かう戦士であった!!
(ナレーション:政宗一成)


南光太郎vs仮面ライダーZO【完】

これで終わりです。

かなり駆け足で終わらせてしまいました。

ゴルゴムがフォッグと戦っていたとかこのssのオリジナル設定ですので本気になさらないでください。

それとなんでバトルホッパーが出てるのかといえばまあ光太郎さんがBLACKに戻ったから、
バイクもアクロバッターのままじゃおかしいなと思い退化させてもらいました。
RXに戻ったので一応バトルホッパーもアクロバッターに戻ってます。

さて、それではいずれ書く続編…南光太郎vs仮面ライダーJをやってみたいなとか…

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