「かなり重要な話なんだ。が、あくまでこれは一高校生同士の話でもある。できれば誰にも聞かれたくないんだが」
「…ふむ、なるほど。では少し外に出ませんか?」
「ん」
「それで、話というのは?」
「ああ、ハルヒのことなんだが」
「んっふ。あなたがたはまさしく相思相愛なんですね」
「おい。…まあ今はそれはいい。もう察しはついていると思うが今日はおまえに親友として相談したいことがある」
「ええ、あなたからそういったことを持ち掛けられるなんて大変光栄です」
「以前おまえは、ハルヒには願望実現能力があると言ったな」
「あなたもその目で何度も確認されているでしょう」
「ああ、それについては何も疑う余地はない」
「で、だ。おまえはハルヒは常識人だとも言ったな」
「はい。ああ見えて涼宮さんはごく普通の女の子だと言えます。これは僕が、いわゆる超能力を手にしてからの経験によるものですが間違いないでしょう」
「おまえらみたいな奴がいてほしいと思う反面、いるわけないと思ってるんだよな」
「じゃあなんでお前らはここにいるんだ?」
「それは涼宮さんが、まだ子どもであり、なおかつ願望実現能力を手にしているからでしょう」
「要するに、いてほしいという思いの方が強かったってことか」
「ええ、その通りです」
「じゃあ、俺には本当に何の属性もないんだろうな?」
「ええ、涼宮さんの気を引くようなものは特に。属性など関係なしに、あなたは本当に涼宮さんに気に入られているんですよ」
「…それは要するに、ハルヒが俺のこと好きだってことか?」
「んっふ。どうでしょう」
「実はな、俺、ハルヒのことが好きなんだ」
「それでしたら、僕としては早く告白なさることをお勧めしますよ」
「そうじゃないだ古泉。俺がハルヒのことを好きなのはハルヒがそう望んだからだとは言えないか?」
「涼宮さんは常識人ですからね」
「ああ、しかし高校生でもある」
「…以前、人間原理について話したのを覚えていらっしゃいますか?」
「ああ」
「つまりは、涼宮さんが当事者にとっては創造主であると、そう認めなさることになりますが」
「この際なりふりは構ってられないんだ」
「不自由の中にこそ自由がある、と誰かが仰っていましたが、おそらく借り物の世界の方が幸せなのかもしれませんよ」
「おまえは随分とあっさりしているんだな」
「僕らはどの世界にいようとも籠の中の鳥でしかない。諦めた方が賢明だと、そう思っているだけですよ」
「…おまえ、ハルヒが好きなんだろう?」
「……そうですね、涼宮さんに力の自覚と消滅を促せばあるいは…。いや、いずれにせよ涼宮さんは力が無自覚であることを望んでいらっしゃるでしょう」
「…そうか」
「それに…僕はあなたにも、友人として好意を抱いていますよ」
「顔が近いんだよ」
「んっふ」
「すまんが今日はもう帰るよ、ハルヒに伝えておいてくれ」
「わかりました」
「それからな…ありがとよ古泉」
終わり。
>>18
口調全然違うじゃん
>>19
まあまあ
色んな人がいるから
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