狐娘「いらっしゃいませー」(133)

男「・・・・・・・・ちぇんg・・・」

狐娘「おっと!その言葉ストップです!」

男「まだ何も言ってないぞ」

狐娘「あなた、不動産屋さんでいわくつきですけどいいですかと言われたはずですよ」

男「いわくつきとは聞いてたけど人間がついてくるとは聞いていないぞ」

狐娘「まぁ・・・それはそうですけど」

狐娘「というか私人間じゃないですよ!ほら!この耳!しっぽ!」

男「最近のコスプレ衣装はよく出来てるなぁ」ッポイ!

狐娘「ちょ、ちょっと!放り出すなんてひどいじゃないd・・・」

バタンッ!ガチャッ!

狐娘「え・・・ちょ、ちょっとぉ!」ガチャガチャ!

男「南無阿弥陀仏・・・南無阿弥陀仏」

狐娘「幽霊じゃねーよ!」

狐娘「・・・・・・・・」ピンポーン

男「間に合ってます」

狐娘「間に合ってません!いわくつきのはずなのにいわく無しになっちゃいますよ!」ドンドン!

男「その方が世の中のためですから」

狐娘「世の中のためになっても私のためになりません!却下です!」

男(うるっせぇなぁ・・・・)

男「・・・・・・・・」

狐娘「もしもーし・・・・」ピンポーン

男(黙ってるのが吉だな)

狐娘「いるのはわかってるんですからねー」ピンポーン

男「さて・・・・荷ほどきするか」

狐娘「・・・・・・」ピンポーン

男「・・・・・・・・・」

ピンポーン・・・・・ピンポーン・・・・ピンポーン・・・ピン・・

~深夜~

ピピピピピピピピピピピピピピピピ・・・・

男「ぐが~・・・・ぐが~・・・」

ピピピピピンポピピンピンピピピ・・・・

男「ぐぅ・・・・・ぐぅ・・・」

ピンポピンポーピンポーンピンポーン・・・・

男「ぐがー・・・・・」

~翌朝~

男「ふぁぁあ・・・・・」

ピンポーン・・・・・・・・ピンポーン

男「おいしょっと」ポンッ

ピンポーン・・・・・

男「うん、やっぱり耳腺しといて正解だったな」

ガチャッ

狐娘「・・・うぁ!?」

男「・・・・・・大丈夫か?」

狐娘「・・・うぁぁああぁ・・・・」ヨロヨロヨロ

男「何どさくさにまぎれて家に入ろうとしてるんだよ」

狐娘「お、お願いします。休ませてください・・・人差し指が骨折しそうなんです・・・」

男「眠いからじゃなくてそっちかよ」

狐娘「いやまぁ・・・眠いんですけど」

狐娘「いざ夢の世界へー・・・・」

男「起きたら出てけよ」

狐娘「そうですか、では起きませんので出ていきません。おやすみなさーい・・・」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「くー・・くー・・・すやすや」

男「・・・・・・・・飯でもつくるか」

~3時間後~

男「・・・・・・・」ペラッ

狐娘「・・・・・・んぅ・・・・・」

男「・・・・・・・・」

狐娘「・・・・トイレ・・・・」

男「・・・・・・・・・・・」ポイッ

狐娘「・・・・・・・・・・・・・・・ん?」

バタンッ!ガチャッ!

狐娘「・・・・・・あ」

狐娘「お、お願いします!開けてください!」ガンガンガン!

男「起きたら出て行くって言っただろ」

狐娘「い、言ってません!言ってませんよ!」ピンポンピンポンピピピ・・・

男「起きないから出ていかないんだっけ?起きたんだから出て行けよ」

狐娘「いえ・・・そんなことよりも・・・・」

男「ん?」

狐娘「と・・・・といれ・・・・」

ジャー

狐娘「ふぅー・・・・・危なかったですー」

男「ほら、用も足しただろ?さっさとでt・・・」

狐娘「おいしそうな匂いですねー」

男「あげないぞ?」

狐娘「別にくださいなんて言ってませんよ」

男「そうか」

狐娘「おいしそうですねー」グギュルルルル

狐娘「・・・・・・・」グギュルルルルル

男「あげないぞ」

狐娘「・・・えっ?」ムシャムシャ

男「何食ってんだよ」

狐娘「生き物は極限の飢餓状態に陥ると・・・・」

男「そんなこと聞いてるんじゃないんだよ」

狐娘「おいしいですねこの肉じゃが!」

男「お前やってることは泥棒とおんなじだぞ」

狐娘「失礼な!私なにも盗んでません!」ムシャムシャ

男「さりげに茶碗に飯までよそうな」

狐娘「はふはふ」ムシャムシャ

男「不法侵入と窃盗だな。警察呼んでいいか?」

狐娘「呼ぶならこっちにしてください」

男「・・・・なんでピザ屋のチラシを渡す」

狐娘「はむはむ」ムシャムシャ

男「ほれ、飯食って満足しただろ?早く出てけよ」

狐娘「そうはいかんざきです」ズズー

男「なに茶まですすってんだよ!」スパンッ!

狐娘「はぅっ!」

男「ったく、ほれさっさとでてけ!」

狐娘「わ、わかりました!ではこうしましょう!」

男「ん?」

狐娘「私、こう見えても家事ができる方・・・なんだと思います」

男「ほう・・・・で?」

狐娘「ですから、こちらでお手伝いという形でおいていたd・・・」

男「却下」

狐娘「な、なぜですか!」

男「手伝いなんか必要ないしな。身の回りのことくらい俺一人でできる」

狐娘「そ、そんな・・・!」

男「ほら、もういいだろ?とっとと・・・」

狐娘「・・・わかりました」

男「おう、それじゃあな」

狐娘「・・・・・・・」シュルシュル

男「・・・・なに服脱いでるんだ?」

狐娘「やっぱり男の人ってフケツです!」

男「は?」

狐娘「結局は体が目的なんでへぶっ!」スパンッ!

男「んなわけあるか!」

狐娘「あたた・・・・・ここまでしてもダメだなんて・・・」

男「いや、結局お前がやってるのって駄々をこねてるだけだからな?」

狐娘「お願いしますよぉ・・・私ここ以外に頼れる場所も行ける場所もないんですよぉ」

男「・・・・・・・・」

狐娘(うふふ・・・ちょっと同情してますね、もう少しです)

狐娘「お願いします。この通りです」ドゲザァ

男「・・・・よし、わかった」

狐娘「い、いいんですか!」パァァ

狐娘(やりました!やりましたよぉ!)ピポッパッポ

男「あ、もしもし保健所さんですか?じつは・・・」

狐娘「その電話ストップです!!」

男「冗談だよ」

狐娘「そう言いながらも電話を切らないのはなぜなんですか?」

男「ばれたか」ピッ

狐娘「あぁ・・・やっと安定した生活が送れるんですね」ポロポロ

男「さっき言ってたけどお前、家事はそこそこできるんだろ?」

狐娘「はい!でき・・・・(るような気がし)ます!」

男「小声でいってもちゃんと聞こえてるからな?」

男「ちなみに何ができるんだ?」

狐娘「えーっと・・・・・あっ!お米を炊けます!」

男「他には?」

狐娘「えーっと・・・・掃除?」

男「疑問形で返されてもな・・・ほかには?」

狐娘「えーっと・・・・・・トイレ掃除?」

男「それって掃除に入るんじゃないのか?」

男「・・・・まぁいい。火事については後々決めるとして」

狐娘「?」

男「お前名前は?」

狐娘「人にものを尋ねるときはまふひふんふぁふぁ」グニー

男「んなこと言える立場かおい」

狐娘「ひはひへふー!ははひへふははい!」

男「ったく」

狐娘「私は狐娘といいます」

男「俺は男っていうんだ」

狐娘「狐ちゃんとかフォックスとかって呼んでくださいね!」

男「お前なんか居候で十分だ」

狐娘「・・・それって愛称じゃないですよね?」

男「そうだな。どっちかっていうと哀称だな」

狐娘「そんな愛称は却下です!」

男「うるさいな。居候は居候らしくとっとと出てけ」

狐娘「あ、あれ?置いてくれるんじゃ・・・」

男「ハハハ、冗談だよ冗談」

狐娘(・・・わかりましたって言ってたら本気で追い出そうとしてた目です)

男「それはそうと、ひとつ聞きたいんだが」

狐娘「なんでしょう?」

男「お前なんでこの部屋にいんの?」

狐娘「それは今さっき男さんが居ていいと言ってくださったから・・・また出てけというんですか?!」

男「いや、そうじゃなくて・・・まぁ出ていってほしいけど」

狐娘「うぐっ・・・」

男「俺が言いたいのはなんでお前がこの部屋のいわくつきになったのかってこと」

狐娘「あ、あー!そのことですか!」

男「居候するんだからそんくらいのことは教えろよ」

狐娘「いいでしょういいでしょう!そこまで言うならお話しましょう!」

男「あ、やっぱり聞かなくていいや」

狐娘「な、なぜです!?」

男「得意げなお前の顔が気に入らない」

狐娘「何気に5・7・5で返さないでください!」

男「いや、別にそんなこと考えてなかったけど・・・たしかに5・7・5だな」

狐娘「まぁそんなことはどうでもいいんです!今は私の悲しくて辛い過去のお話を・・・」

男「悲しくて辛い話ならなおさら聞かなくていいや」

狐娘「聞いてもらわないと話が進みません!」

男「いいよ聞かなくて、だいたい聞いたところで何かが変わるわけでもないし」

狐娘「いーえ!変わります!」

男「なにが?」

狐娘「男さんの私に対する気持ちが変わるはずです!」

男「同情してくれと?」

狐娘「同情してください!」

男「おことわりします」

~夜~

男「結局お前が肉じゃが食っちまったからまたなんか作んないといけないのか」

狐娘「お味噌汁は油揚げがいいですよ男さん」

男「うるせぇ。居候は食事に文句垂れるな」

狐娘「食事は日々の生活を支える大切なものなんですよ!」

男「いや、そんな熱弁されてもな」トントントントン、ガチャッ

狐娘「油揚げ発見です!」

男「なんか新居2日目にしてすごい疲労感だ・・・」

狐娘「むぅ・・・結局油揚げを入れてくれませんでしたね」

男「居候は黙って食え」

狐娘「・・・・・むぅ」

男「ん?」

狐娘「・・・・・・・よし!」

男「よしじゃねぇ。ニンジン残すな」

狐娘「・・・?何飲んでるんですか?」

男「酒」

狐娘「ほほう・・・実は私もお酒いける口なんですよ」

男「へー・・・・だから?」

狐娘「お酒っていうのはみんなでワイワイ飲んだ方が楽しいんですよ!」

男「なにコップ持ってきてんだよ」

狐娘「まぁまぁ、これから一緒に暮すんですから、その祝い酒ですよぉ」

男「なんにもめでたくないけどな」

狐娘「・・・うぇぇ」

男「全然いける口じゃねーじゃん」

狐娘「こんなの飲む人の気がしれません!」

男「しるか」

狐娘「だいたいこんなのを飲む人の気がしれません!」

男「それさっきも聞いた」グビグビ

狐娘「・・・・・」ポー

男「お前顔真っ赤だぞ」

狐娘「え~?そうですか~?」フラフラフラ

男「立つな、座ってろ」

狐娘「は~い~・・・」ペタン

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「はにゃ~・・・」フラフラフラフラ

狐娘「くかー・・・・・・」

男(なんだってこいつにベッドを譲らにゃならんのだ)

狐娘「くー・・・・くー・・・・」

男「・・・なんか面白くないな」

男「・・・よし」

男「・・・・マジックはどこだっけな」ゴソゴソ

男「んー・・・・なんて書いとくかな」

狐娘「ぐかー・・・・・・」

男「まぁ適当でいいか・・・よし」

キュキュ・・・

狐娘「んぅ・・・・・・」ゴロン

キュキュッキュ!

男「あっ、やべ・・・・」

狐娘「・・・くかー・・・」

男「・・・・まぁいいか・・・・・俺も寝よう・・・」

~翌朝~

狐娘「・・・・・・」ムクッ

狐娘「・・・・・・・・・」チラッ

男「ぐー・・・・・ぐー・・・・」

狐娘「・・・・・おしっこ」トタトタ

ジャー

狐娘「今は何時なんでしょう・・・久々にぐっすり眠れた気が・・・」チラッ

狐娘「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「な、なんですかこれは?!」

狐娘「男さん!男さん!!」ユッサユッサ!

男「・・・んー・・・あんだよ・・・うるっせぇな・・・」

狐娘「これは・・男さんがやったんですか?」ゴゴゴゴゴゴ

男「はは、お前そういう効果音全くにあわねーな」

狐娘「なんてことをしてくれるんですか!私のかわいい顔が台無しじゃないですか!」

男「自分を可愛いというやつはたいして可愛くないうえに心がブスだっていうから気をつけた方がいいぞ」

狐娘「あ、それは御親切にどうm・・・って違う!そうじゃない!」

狐娘「だいたい何なんですか!このおでこのタヌキって!私は狐ですよキツネ!」

男「いや、なんかタヌキって書きたくなっただけだ」

狐娘「それに何でほっぺにまで変な線が描かれてるんですか!」

男「それは書いてる時にお前が寝返りうったからだろ。俺は悪くない」ボリボリ

狐娘「う・・・そういわれると私が悪いような・・・いや違います!私悪くない!むしろ被害者です!」

男「あー・・・お前がうるさいから本格的に眼がさめちまったよ。どうしてくれんだよこの野郎」

狐娘「そんなの知ったことではありません!今の問題は私への落書きについてです!」

男「そんなもん洗えばとれるだろ」

狐娘「そういう問題ではありません!誠意の問題です!」

男「・・・・わかったよ。ちょっとまってろ」

狐娘「ふふん!わかればいいのです!わかれば!」

男(腹立つなぁ)

男「ほれ、目つぶってろ」

狐娘「?。こおですか?」

男「そうそう・・・」キュポッ

キュキュキュキュキュッ

狐娘「・・・って!何書いてんですか!」

男「いや、タヌキが気にいらねっていうから」

タタタタタ!

狐娘「・・・・あぁーー!?」

おでこ(タヌキツネ)

狐娘「余計ひどいです!なんですかタヌキツネって!」

男「んー・・・単純に考えればタヌキとキツネの子供じゃね?」

狐娘「私はタヌキの子供じゃありません!」

男(怒るのはそこに関してなのか)

男「まぁいいや、とりあえず風呂入ってくるわ」

狐娘「ちょ、ちょっと!お話はまだ終わってはいませんよ!」

男「もういいだろ、とりあえずトイレと風呂で水に流してくる」

狐娘「そんなので流れれば警察なんかいらないんです!」

~風呂~

男「・・・あ~・・・朝風呂はいいなぁ」チャプ

ガラッ

男「ん?」

狐娘「お邪魔しますよー」

男「早く出てってくれ」

狐娘「それが落書きをした人への言葉ですか!」

男「・・・・・?」

狐娘「なになかったことにしようとしてるんですか!」

男「んな洗えばとれるようなもんでがたがた言うな。さっさと出てけ」

狐娘「ところがどっこいそうはいきません!なぜなら久々のお風呂なのですから!」

男「そういやお前くさかったもんな。軽く2年位風呂入って無かったんじゃないか?」

狐娘「・・・男さん、私も女の子だということをお忘れなく」

男「ん?」

狐娘「今の言葉は結構ぐさっときました・・・心に」

男「わかったよ。さっさと体洗ってこの部屋から出て行け」

狐娘「体は洗いますけど、この部屋からは出ていきません」

男(引っ掛からなかったか)

狐娘「~~♪」ジャー

男「・・・はー・・・」

狐娘「男さん、シャンプーお借りしますね」

男「後で返せよ」

狐娘「じゃあ、このまま髪を洗わない私がいる部屋と、髪を洗ったきれいな私のいる部屋そっちがいいですか?」

男「お前がいない部屋なら髪を洗ってようがいまいがどっちでもいい」

狐娘「そうですか!やっぱりきれいなほうがいいですよね!」

男(きいちゃいねぇ)

狐娘「というわけでいただきます」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「男さーん」

男「あんだ?」

狐娘「背中を洗っていただけませんか?」

男「めんどい」

狐娘「あとで私もお流ししますから」

男「・・・・・めんどいな」

男「・・・・・・」ゴッシゴッシ

狐娘「はー・・・やぱりお風呂は多数ではいるに限りますね!」

男「・・・・そうか?」ゴッシゴッシ

狐娘「そうですよ!だってこうやって背中の流しっこもできるじゃないですか!」

男「背中くらい自分一人でも洗えるだろ」ゴシゴシ

狐娘「チッチッチ!わかってませんねぇ男さんは」

男(腹立つなぁ)

狐娘「こうして日々仲よくすることで、私を追い出そうという考えがなくなるという・・・」

男「心の声がそのまま出てるぞ」

狐娘「あっ!い、いまのは無しです!」

男「いやいや、無くさなくていい。そうだよなぁもっと仲良くならないとな」ゴシゴシゴシゴシ!

狐娘「イタタタタ?!お、男さん!?激しすぎです!?背中があああ!?」

男「・・・・・」ゴシゴシゴシ!

狐娘「みぎゃあああああああああああああああ!?」

狐娘「うぅ・・・背中がひりひりしますよぉ・・・・」

男「きれいになってよかったな」

狐娘「く、このぉ・・!そ、そうだ!次は男さんの番ですよね!ささっ!どうぞお座りになってください!」

男「いや、俺お前が入ってくる前に自分で洗ったから」

狐娘「なっ!?」

狐娘「あたたた・・・うぅ・・・お風呂に入るだけでさらにひりひりします・・・」

男「・・・・・・・・・」

狐娘「男さん、もうちょっとつめてもらえます?」

男「・・・なぁ」

狐娘「?。どうなされました?」

男「無理に二人で入ることないだろ」

狐娘「なにをいってるんですか男さん!」

男「ん?」

狐娘「二人で入ることによって少ないお湯でも二人ともちゃんとあったまることができるんですよ!」

男「そりゃそうかもしれないが」

狐娘「そうですよ。ほらこの通り!」チャポン

ザアアアアアア!

男「そうだな。どんどんお湯が無駄になっていくな」

狐娘「・・・・・こんなこともありますよね」 

男「お前はもう少し回りを確認してから行動に移せ」

狐娘「ま、まぁでも今後はこれくらいのお湯で足りることがわかったじゃないですか!」

男「・・・・また一緒に入る気だったのか?」

狐娘「はぇ?」

男「ん?」

~脱衣所~

男「・・・・」フキフキフキ

洗濯機「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

狐娘「・・・あれ?男さん、私の服はどこですか?」

男「きったねーから洗ってる最中だ」

狐娘「え゛?じゃあ私は何を着てればいいんですか?!」

男「ほかの服ないのか?」

狐娘「ほかのがあったら今洗ってる服、あんなに汚れませんよ!」

男「そこでキレられても・・・」

狐娘「男さん、ご洋服をかしていただ・・・は・・はくっち!」

男「しょうがねーな・・・風邪ひかれてもこまるしな。ちょっとまってろ」

狐娘「はい」

男「ほら、こんなのでどうだ」

狐娘「・・・なんですかこの恰好は」

男「これで帽子をこう被れば・・・うん」

狐娘「・・・・・・・・・」

男「すごいな・・ダボダボな服と帽子だけで完璧なラッパーみたいに見える」

狐娘「・・・ほかの服を所望します」

男「一番小さいのがそれなんだよ」

男「ためしになんかラップでもやってみれば?」

狐娘「らっぷってどうやるんですか?」

男「俺もよくはしらないからこの曲でも聞いてみればわかるだろ」

pc「~~~♪~~~~~♪」

男「こんな感じに韻を踏めばいいんだ・・・とおもう」

狐娘「なるほど。ノリノリで韻を踏めばいいんですね。わかりました!」

狐娘「イエーーイ!」

男「・・・・・・・・」

狐娘「この家住み憑きはや5年、追い出すお前に俺失念♪」

男(以外にノリノリだな)

狐娘「先日寝不足すぐ爆睡、起きて肉じゃが超うまい!」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「俺の職業居候、俺の主人はすごい早漏!」

男「てめぇ!ぶっ殺すぞ!」

狐娘「ご主人憤慨、超怖い!?」

男「もういい、やめろ」スッ

狐娘「あっ、帽子が・・・」

男「思いのほかハマってたな」

狐娘「はい!男さんを小馬鹿に出来て楽しかったで・・・・す」

男「てめぇ・・・・」

狐娘「鬼の形相!俺逃走!」

男「まてこのやろう!」

~昼~

狐娘「きょーおのおっひるはなーんでっしょねー」

男「・・・おまえさぁ」トントントントン

狐娘「はい?」

男「居候だったら「私が作りましょうか?」くらいのこと言えないのか?」

狐娘「私が作りましょうか?」

男「・・・なんかいざ言われてみるとすごい不安だ」

狐娘「なんなんですかもう・・・・」

狐娘「あっ・・・男さん、私が料理が全くできないと思っていますね?」

男「あぁ」

狐娘「そんな素直にバッサリ言うなんて失礼です!」

男「じゃあできるのか?」トントントン

狐娘「できま・・・・すん」

男「どっちなんだよ」ザザッ

狐娘「あれ?男さん、今日もお味噌汁に・・・・」

男「あれは違うもんに使うために買ってきたんだよ」ズズー

狐娘「・・むぅ」

男「いいから文句言わないで食え」

狐娘「・・・・む、むぅ」ススッ

男「ピーマンもちゃんと食え」

~食後~

男「・・・・・・暇だ」

狐娘「・・げぷっ」

男「食いすぎだ」

狐娘「そ、そのようです・・・・」

男「少し横になってろ」

狐娘「男さん知らないんですか?食後すぐに横になると牛になるんですよ?」

男「いいんじゃないか?」

狐娘「?」

男「そうすりゃお前の平らな乳もすこしはまともになるだろ」

狐娘「なっ?!」

男「・・・・・・・・」ペラッ

狐娘「男さん・・・いま私の逆鱗に触れちゃいましたね・・・」

男「ん?なんだ?胸がないって言われたのがそんなに気に障ったのか?」

狐娘「ありますよ!ほら!最近(ほんとに)ちょっとですけどちゃんと膨らんできたんですよ!」

男「赤裸々にいうなや」

狐娘「ほらっ!ほらほらっ!!」ムギュッ

男「ははっ、寄せてもその程度かよ」

狐娘「う・・ぐっ・・・こ、このぉ・・・・」

男「・・・・・・・・」ペラッ

狐娘「う、うぅぅぅぅぅ!!」ダッ!

ガチャッ!

狐娘「・・・!」ゴクゴクッゴクッ

男「勝手に牛乳飲むなよ」

狐娘「ぷはっ・・・・ふ、ふふん、そんなこと言ってられるのも今のうちです!」

男「ん?」

狐娘「そのうち男さんが負けを認めるくらいのおっきいおっぱいになってやります!」ゴクゴクゴク

男「・・・・まぁがんばれ」

~30分後~

狐娘「・・・・・・・」グルグルグル

男「あんなに一気に飲むからだアホ」

狐娘「・・・よくよく考えると・・・私、牛乳ダメでした・・」

男「・・・・さっさとトイレ行って来い」

狐娘「・・・うぅ」ヨロヨロ

~トイレ~

狐娘「・・・うぅ・・・・」

狐娘「・・・・・・・あれ?そういえば・・・・」

狐娘「あっ!」

狐娘「ぐふふ・・・・男さん・・・今に見ててくださいよ・・・ぐふふふ」

ギュルルルルル!

狐娘「はぅっ?!」

~15分後・玄関~

狐娘「うふふ・・・この私ともあろうものがこんなことを忘れているなんて」

狐娘「・・・・ふっ!てりゃっ!」バババッ

狐娘「へん・・・・しんっ!とうっ!」ボワッ!

ガラッ

男「うるせーぞー・・・・なにして・・・ん・・・だ」

モクモクモクモク・・・・

モクモクモクモク・・・・

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「へんちんかんりょう!」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「ありぇ?おとこしゃん?いつのまにおおきくなったんでしゅか?」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「というかうごきづらいでしゅ・・・・ふくが・・・・・ってありぇ?」

男「最初に失敗したって気付けよ」

~5分後~

狐娘「あっ、元に戻りました」

男「お前変身なんてできたのか」

狐娘「そりゃあ私は狐ですから、人を化かすのなんて簡単ですよ!」

男「さっき思いっきり失敗してるように見えたが?」

狐娘「あ、あれは・・・その・・・そう!子供の姿に化けて心を惑わそうかと思ったんですよ!」

男「あんなんでだまされるかよ」

狐娘「あ、あんなのとはなんですか!仮にもあれは私の幼少期ですよ!」

男「ふーん・・・・」

狐娘「可愛かったでしょう?可愛かったですよねぇ?!」

男「まぁ、あのくらいの子供ってみんな可愛いもんじゃないか?」

狐娘「いいえ!その中でも群を抜いて可愛かったはずです!」

男「お前自画自賛しすぎだろ」

狐娘「自分の画を素晴らしいと思えなかったら人前になんか出せません!」

男「・・・・まぁそうかもしれんけど」

男「んー・・・・」ジロジロ

狐娘「ん?なんですか?」

男「いや、お前幼少期からこっちはあんまり成長してないのな」

狐娘「なっ、なんですと!?」

男「・・・・・・・・」

狐娘「冗談はやめてください!あんなペチャパイと比べるなんて失礼です!」

男「おい、自画自賛はどこへ行った」

~夕飯の支度~

男「んー・・・」ガチャッ

男「何作るかな・・・・」

狐娘「お悩みですね男さん!」ヒョコッ

男「・・・思いから乗るな」

狐娘「今夜の晩御飯を何にするか悩んでおられるようですね!」

男「・・・・・・・・」

狐娘「そんなときはこの私、狐娘にどどーんとおまk・・・」

男「カレーにしよう」

狐娘「ちょっ!無視しないでくださいよぅ!」

男「・・・・じゃあ、何が食べたいんだ?」

狐娘「私が所望するのはただ一つ!ずばりその冷蔵庫に眠っている油揚げです!」

男「で?このままでいいのか?」

狐娘「こんなこともあろうかと、こちらに七輪を用意してあります!」

男「・・・・どうでもいいけど焼くなら外で焼けよ」

狐娘「では行ってきます!」

男「・・・・・・・・・・・・・」

~外~

狐娘「~~♪」パタパタパタ

カラス「・・・・・・・・・・・」

狐娘「七輪は温まるまでが大変ですねぇ・・・」パタパタ

カラス「・・・・・・・・・・・・・」

狐娘「~~~♪」

カラス「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

~台所~

男「・・・・・」トントン

ガチャッ・・・バタンッ

男「・・・・・ん?戻ったか・・・・どうした?」

狐娘「・・・・・・・」

男「ん?油揚げは?」

狐娘「・・・・・」ヒシッ

男「・・・おい」

狐娘「・・・おおぅ・・・・うぅぅぅぅ」

男「何泣いてるんだよ・・・」

狐娘「うああぁあぁ・・・・・・ああああああああん!」

男(・・・・服がぬれる)

~10分後~

男「次からはもう少し回りに目を配ってからやるんだな」

狐娘「私の油揚げが・・・・・油揚げが・・・」

男「・・・・はー」

コトッ

男「ほれ」

狐娘「・・・・・・・あぁ!」

狐娘「油揚げのお味噌汁!」

男「どうせこうなるだろうと思ってな」

狐娘「お、男さん・・・・」ジワァ

男「ほら、ほかのもん運ぶの手伝え」

狐娘「は、はいっ!」

~食後~

男「・・・・・・・・ん?」

男「・・・・・なんだこれ?お札?」

男「・・・・おーい狐娘」

狐娘「はいはい。なんでしょうか?げぷっ」

男「食いすぎだ。お前妊婦みたいだぞその腹」

狐娘「失礼です!女の子のプロポーションにとやかく言うのは男の人として失格でげふっ」

男「プロポーション云々の話よりもお前はもう少し女としての自覚を持った方がいい」

男「まぁそんなことはどうでもいいんだが」

狐娘「そ、そんなことっ!?」

男「ここに張ってあるこの札はなんの札なんだ?」

狐娘「あー、それですか!それは私をここにつなぎとめているお札ですね」

男「・・・・・・・・・」ガリガリガリガリ

狐娘「ど、どうして聞いたとたん、一心不乱にはがそうとするんですか!」

男「なんだこれ、はがれないぞ」

狐娘「なんだかそこまで必死にはがそうとされると少し傷つきます・・・」

男「そうか。で?どうやったらはがせるんだ?」

狐娘「全然罪悪感を感じていない!?」

男「これがはがれればお前は出ていけるし、俺も一人で暮らせる。一挙両得じゃないか」

狐娘「ところがどっこい!そううまくはいかないんですよ!」

男「あん?」

狐娘「まぁそのためにはこのお話を聞いてもらうしかありませんね」

~30分後~

狐娘「・・・というわけなのです」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘「私も、居たくてここにいるわけではないのです・・・・うぅぅ」

男「・・・・・・・・・・・・」

狐娘(・・・ふふふ揺れ動いてますねぇ・・・嘘泣きもあいまって陥落までもう少しですね!)

男「なぁ、ひとつ聞いていいか?」

狐娘「・・・・なんでしょう?」

男「いや、お札擦ってたら葉っぱに変わったんだが」

狐娘「えっ!?」

男「・・・・・・・・」

狐娘「そ、そんなはずは!私の術が解けるなんてありえな・・・あ」

男「・・・・・・・・・・・」

男「お前・・・また俺を騙そうと・・・・」

狐娘「い、いえ・・・その・・・い、いや・・・・」

男「そういえばお前、居たくてこんなとこにいるわけじゃないって言ってたよな?」

狐娘「いいいいいってません!いってませんよぉ!」

男「遠慮すんなって」

狐娘「こ、今回のは男さんがまだ私を追い出そうとしているから・・その・・ね?」

男「ね?じゃねーよ」

狐娘(こ、このままでは本当に追い出されてしまいます!こ、こうなったら!)

狐娘「へんっしんっ!」ボワッ

男「・・・・・・・」

狐娘「ふふふ、このしゅがたならおとこしゃんもおいだしぇないでしょう!」

男「・・・・」ガッシリ

狐娘「わわっ!?な、なにしゅるんでしゅか!?おろちてくだしゃい!」

男「・・・・・・・」

パシーン!

狐娘「いひゃいっ!?」

パシーン!

狐娘「あうっ!?」

パシーン!

狐娘「ぎゃぅっ!?」

~風呂~

狐娘「あぅぅ・・・・お尻が・・・・」ヒリヒリ

男「お前いい加減にしないと本気で追い出すぞ?」

狐娘「だったらもう少しやさしくしてくださいよぉ!」

男「・・・十分やさしいと思うが」

狐娘「・・・・・・あれ?」

男「ん?」

狐娘「いい加減にしないと本気で追い出すってことは、今までは本気じゃなかったってことですか!?」

男「・・・・・・」

狐娘「追い出す気は元々なかったってことですよね!?」

男「確かに追い出す気はないが」

狐娘「ほ、ほんとうですか!?」

男「出ていってほしくないわけじゃないからな」

狐娘「まったく、男さんは素直じゃないですねぇ♪」

男「・・・なんかむかつくなぁ」

狐娘「まぁでも、私みたいな可愛い女の子と一緒に暮らせるんですからそりゃそうですよね~♪」ゴッシゴシ

男「・・・・・・」

狐娘「わざわざ追い出したりしませんよねー♪」ワシャワシャ

男「・・・・もうそれでいいよ」

狐娘「・・・・・・あの、大丈夫ですか?男さん?」

男「何が?」

狐娘「私の言うことを肯定するなんてなんだか気持ち悪いです・・何か変なものでも食べられました?」

男「お前やっぱり今すぐ出てけ」

~脱衣所~

男「あー・・・そういえばお前寝間着もねーのか」

狐娘「今朝も言ったじゃないですか!」

男「しょうがねーな・・・ほれ、これでも着てろ」

狐娘「男さんのはどうなさるんです?」

男「この時期に寝巻き着ないくらい平気だよ」

狐娘「そうですか。ではありがたくお借りします!」

狐娘「このパジャマ男さんのにおいがしますね」

男「俺のなんだからそりゃ俺のにおいがするだろ」

狐娘「やっぱりダボダボですね」

男「すこしまくっとけ」

狐娘「・・・・・っしょ」クルクルクル

男「さて、布団敷くか」

男「じゃー、おやす・・・・・・」

狐娘「お休みなさいです」

男「何でお前もこっちの布団に入ってんだよ。せっかく譲ってやったんだからベッドに行けよ」

狐娘「?。じゃあ男さんもベッドで寝ますか?」

男「いや、だからなんで一緒に寝ること前提なんだよ」

狐娘「一緒に寝ちゃダメなんですか?」

男「は?」

狐娘「え?」

狐娘「男さんはおかしいです!お風呂の時もそうでしたけど、なんで一緒にすることが嫌いなんですか?」

男「一緒にすることがっていうよりも、色々とまずいだろ」

狐娘「なにがですか?」

男「・・・お前も一応女の子なんだろ?そういうの気にならねーの?」

狐娘「?」

男(こいつさんざん自分は可愛いとかいうくせに、こういうことには疎いのかよ)

狐娘「男さんのお話は難しいです!一緒に寝るくらいいいじゃないですか」

男「・・・・・わかったよ」

狐娘「んー・・・・」モゾモゾ

男「ん?」

狐娘「・・・・・・」タタタタ

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「おまたせしましたー!」タタタタ

男「なんだ?トイレか?」

狐娘「いえいえ、ただ尻尾が窮屈だったもので」

男「・・・・っておい!なに穴開けてんだよ!」

狐娘「男さん男さん!」

男「なんだよ」

狐娘「腕枕してください!」

男「しない。だいたい枕あんだろ」

狐娘「むぅ・・・いいじゃないですか!そのくらい!」

男「腕疲れる、以上」

狐娘「むぅ・・・じゃあいいです!男さんの足枕を使わせてもらいますから!」

男「やめろ」

狐娘「・・・すね毛がザリザリしてて気持ち悪いです」

男「俺だって嫌だよ。てかやめろや」

狐娘「ね?だから腕枕やってくださいよぉ」ユサユサ

男「お前なんでそこまで俺にかまってくるんだよ」

狐娘「え?。一緒に住むとこういうことするもんなんじゃないんですか?」

男「は?」

狐娘「一緒に御飯食べて、一緒にお風呂入って、一緒に寝るんじゃないんですか?」

男「それは一般的な家庭の話じゃないのか?」

狐娘「一般的・・・・え、私達は一般的な家庭じゃないんですか?」

男「主人と居候の関係だろ」

狐娘「私が主人ですか!」

男「・・・・・・・・」ベシッ

狐娘「あたっ!?」

~深夜~

男「・・・ぐー・・・・・ぐー・・・・」

狐娘「・・・・・・・・・・・・・」

男「・・・ぐー・・・・ぐ・・・・・・」

狐娘「主人と居候ですか」

男「ぐー・・・・・・」

狐娘「・・・男さんはやっぱりお姉ちゃんとは違いますね」

男「・・・ん・・・んあ?」

狐娘「・・!?」ビクッ

男「・・なんだ・・・・まだ起きてたのか?」

狐娘「え・・・えぇっと・・・」

男「・・・ほれ」

狐娘「・・え?」

男「腕枕」

狐娘「・・・・・・・」

パフッ

~朝~

チュンチュン・・・

男「・・・・ん・・・んん・・・・・んんんんんー・・・・はぁ」

狐娘「あ、おはようございます男さん!」

男「・・・・・なにやってんだ?」

狐娘「見てわかりませんか!朝ごはんを作っているのです!」

男「・・・・・・・・・・・・・」

~朝食~

狐娘「さぁ!いただきましょう!」

男「・・・・・・おい」

狐娘「?。どうなさいました?お醤油ですか?」

男「何に使うんだよ。醤油使うもんがなにもねーじゃねーか」

狐娘「言われてみれば・・・・そうですね」

男「なんでおにぎりしかねーんだよ」

狐娘「男さん、出された食べ物に文句を言うのは男の子としてかっこ悪いですよ!」

男「・・・・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・」ガタッ

狐娘「あぁっ!?だ、だめですよ!男子厨房に入らずって昔から・・」

男「・・・・・・これは・・・・」

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