幼女「結局世の中ってなんなのかな?」 (10)

男「あ?」コタツヌクヌク

幼女「いやだから、世の中」ミカンムキムキ

男「そらお前……知らんが……」

幼女「つかえな」パクッ

男「ほぉ……お前その我が物顔で食らってるみかんは誰の金だと思ってんだくそガキ」

幼女「国の金」

男「死ね」

幼女「そんな事言っちゃだめだ!!」

男「Simejiの予測変換ですねわかります……」

幼女「で、さ。話戻すけど」

男「いや戻さんでええわ」

幼女「戻すし。結局世の中ってなんなのかな?」

男「……ん、まぁ真面目に答えさせてもらうと……人間が生きる世界の総称とでもいいますかね」

幼女「……ま、そんなもんか。わかってましたよ。中卒ドカタの男くんに哲学的なアレは無理ゲーだと」

男「学歴のこたァ言うんじゃねえよ。それに俺が中卒ドカタであろうともおまえよりよっぽど人生経験つんでらぁクソガキ。お前が毎度毎度血も繋がってねえのにこの家に上がりこまさせてもらってるのは誰の寛大な心からだと思ってんだ」

幼女「人生経験だけなら生きてるだけで誰でも積めるよねぇ。大事なのはその中途で何をしたかじゃない?」モッチャモッチャ

男「……あれだ、釘打ちは今や百発百中だぜ」

幼女「15からやっててそれなの?今いくつ?」

男「18です」

幼女「しょっぼ」

男「…………」タバコシュボッ

男「(落ち着け落ち着け相手はガキだぞムカついたりすんなよ落ち着け)」

幼女「法律違反頂きましたー。やっぱドカタなんてやってるとそういう風になっちゃうのね。把握」

幼女「でも、給料はいいんだろね。18にしてはいいとこ住んでるし」

男「ん……まぁ、せやな。1ヶ月で手取り25ってとこか。シフトはギリギリだけど」

幼女「まあ大卒だと君の3分の2ぐらいの稼働時間でそれ以上の給与が望めたりするわけですが」

男「ぐぬぬ」

幼女「でもさ、正直もったいないと思うんだよね」

幼女「ぶっちゃけあなたってそんなに頭悪くないでしょ?」

幼女「中卒で働けるなんて今の時代かなりの少数派だってママも言ってたし」

幼女「多少口は悪かったりするけどガキでもないしね」

幼女「ヤニカスだけど」

男「ほっとけ」

男「……もったいない、っつーか、な。単純にやだったんだよ。高校行って、大学行って、そこまでやらないと人間じゃありません。みたいな世間の態度が」スパー

男「だからまぁ、さ。推薦蹴って、家出て、自分の力だけで生きてやろーかな……ってさ」

男「まぁ、かなり辛かったけど」

男「仕事は自分で見つけたし、ま、俺の親が聞いたら卒倒しそうだけどな」

幼女「厳しかったの?」

男「凄かったぜ。文武両道!!ってさ、塾だの空手教室だのさんざ通わされたよ」

男「……でもま、親父はそこそこいい会社に勤めてたし、習い事なんか散々やってもそれほど生活には苦労してなかったっぽいし、いい家庭だったんだろうな」

幼女「もったいな」

幼女「そんな素晴らしい環境を蹴ってまで世間の常識が気に入らなかったの?」

幼女「私だったらそんなアホらしい事はしないけどなァ」

男「お前がしないからと言って俺がやらない理由にはならない。……なんてな、ま、お前は地頭もいいし、賢くやってけよ」

幼女「言われなくてもさー」

幼女「っと……そろそろ帰る」

男「おう、忘れもんねーよにな」

幼女「あとさ、私ちょっとだけ分かったかも。世の中が何か」

男「……なんだ?言ってみな」

幼女「私たちが生きてる時間。思いっきり私たちであれる時間」

男「……」タバコシュボッ

男「詩人でもやったらどうだ」



Fin

地の文なしのSS初めて書いたわー

見てたぞ

>>9
ありがとう

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