ことり「あっ、かよちゃんだ~♪」 (31)
「ふふっ、だーれだ♪」
って耳元で囁かれました。
耳に当たった吐息がくすぐったくて…ドキドキしちゃいました。
花陽「は、はわわ…」
「もしかして難しかったかな~?」
「えへへっ、正解はぁ~…」
ことり「ことりでした~♪」
振り向くと、ことりちゃんの笑顔がすぐ近くにあって…
花陽「こ、ことりちゃん…!」
ことり「かよちゃんの事を見つけたからついイタズラしちゃった♪」
そう言いながら、そっと私を抱きよせてくれました。
ことりちゃんのフワッと甘い空気と、柔らかい感触で私…もう…
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花陽「ぁ…うぅ~…」
ことり「やわらかーい♪」
花陽「だ、だめだよぉ…」
ことり「……ごめんね」
花陽「ち、違うのっ!ことりちゃんに…抱きしめられると……」
花陽「そ、その、ちょっと恥ずかしくって…でも嬉しくって!」
ことり「あははっ♪かよちゃんかわいい~♪」
ことりちゃんが優しく頭を撫でてくれました。
花陽「うぅっ…」
花陽「(ドキドキするよぉ…)」
心が落ち着かない…。
どうにかなってしまいそう…。
ことり「かよちゃん、これから部室?」
花陽「う、うん」
ことり「あのね、お願いがあるんだけど…衣装作りのお手伝いをしてくれないかな?」
花陽「わ、私で良ければ…」
ことり「ほんと?ありがと~♪」
花陽「えへへ…」
ことり「先に部屋で待ってて。私、みんなにかよちゃん借りていくよーって言ってくるから!」
花陽「は、はい!」
ことり「じゃあ、行ってくるねー」
花陽「(ことりちゃん、行っちゃった…)」
花陽「(うぅぅ~っ…まだ、ドキドキする…)」
花陽「(でも、ことりちゃんとふたりきり……)」
花陽「…ふふふっ」
ことりちゃんが来るのを待っている間、さっきの事を思い出してしまいます。
ことりちゃんに、抱きしめられちゃったなぁ♪
花陽「でも、私だって…」
ことりちゃんと手を繋ぎたいなぁ…とか
ことりちゃん可愛い♪って言ってナデナデしてあげたりとかしたいなぁ…。
花陽「もうっ!…こんな事ばっかり考えてちゃダメなのに!」
ことり「おまたせ♪なに考えてたの?」
花陽「ぴゃあああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
ことり「きゃっ、ど、どうしたの?」
花陽「ご、ごめんなさい…。び、びっくりしちゃって…」
ことり「驚かせてごめんね」
花陽「う、ううん。私が勝手に驚いただけだから…」
さっきからビックリしすぎだよぉ…ことりちゃんを困らせちゃった…
って落ち込んでいると
ことり「いきなり始めるのも、ねっ?…少しお話してから始めよっか♪」
花陽「大丈夫なの?」
ことり「うん♪かよちゃんにアイドルのお話してほしいな♪」
花陽「い、いいの!?」
ことり「いろいろ聞かせてほしいな」
花陽「喜んで!えっとね…」
花陽「…これがね、今注目のアイドルグループの…………」
花陽「それで……だから………」
花陽「……こういうところが魅力的なんです!」
ことり「そうなんだぁ~」
ことり「かよちゃんがいま一番好きなアイドルもその人達のグループ?」
花陽「いいえ!私はやっぱりA-RISEです!」
花陽「ツバサさんが格好良くて………」
花陽「あんじゅさんが~……」
花陽「英玲奈さんが~………」
花陽「はっ、ごめんなさい!私ばっかり喋って…」
ことり「ううん、気にしないで。私が聞いたんだし」
ことり「それに、アイドルのお話をしてくれる時のかよちゃん…」
ことり「イキイキしてて、わたし好きだよ」
花陽「す、すす、好きっ!?………えへへへっ…」
花陽「で、でもね…私っ!!」
花陽「こ、ことりちゃんに…すっごく憧れているの!!」
花陽「ずっとずっと!ことりちゃん…いいなって!」
ことり「わ、わたし!?…私はみんなよりたいした事してないよ?」
ことり「(でも、かよちゃんがそんな風に想ってくれていたなんて、なんだか…ちょっと恥ずかしい…)」
ことり「そ、そろそろ始めよっか!待ってて、準備するから…」
花陽「ことりちゃん…。やっぱり素敵だなぁ…」
無意識につぶやいてしまう。
ことりちゃんに聞こえないように、小さな声で。
花陽「…」
ことり「…」
作業が始まり静かな時間が続く。
横目で見ると、ことりちゃんが集中しているのがわかる。
表情でわかる。
いつものほんわかーってしたことりちゃんと違ってキリッとした真剣なことりちゃん。
すてき…。
はっ!
私も頑張らなきゃ!
失敗してことりちゃんを困らせちゃダメだもん!
集中、集中!
ことり「ふぅっ、ちょっと疲れちゃった」
ことり「休憩しよっか♪」
ことりちゃんは、かばんの中からなにかの袋を取り出しました。
その袋を開けると、中から可愛いマカロンさんが出てきました。
ことり「はい、あーん♪」
花陽「へっ、た、食べてもいいの…?」
ことり「うん!手伝ってくれてるお礼♪」
ことり「かよちゃんに食べてほしいな、はいあ~ん♪」
花陽「あ、あ~ん…」
ことりちゃんが食べさせてくれた
口の中にはあまーいマカロン…と
ことり「…ふふっ、わたしの指はおやつじゃないですよ~」
それと…ことりちゃんの指も咥えてたみたいで…
花陽「ふぉ、ふぉふぇんふぇ~…」
恥ずかしくって、ことりちゃんの顔が見られません…。
ことり「噛まれたわけじゃないから平気だよ」
良かった、怒ってない…
マカロンと一緒にことりちゃんの指まで口に入れちゃうなんて…
ことりちゃんの指、ちょっと舐めちゃった…
もう少し、もう少しだけ……
味わいたかったなぁ…
ことり「私も食べよっと」
ことり「うん、おいしぃ♪」
こ、ことりちゃん!?私が咥えた方の指でマカロンを…
これって……間接キス
…ことりちゃんとキス…。
ことり「かよちゃん、また考え事?」
花陽「ぴゃあ!あ、あのその!」
ことり「何か悩みとかあるの?」
ことり「私、なんでも聞いてあげるよ?」
花陽「ち、違うよ!今日のご飯は何かなーって考えてたの!」
ことり「あはは、かよちゃんらしいねぇ」
花陽「あ、あははは…」
ことり「んーっ!さて、再開しよっか!」
花陽「う、うん!」
作業を再開して、ことりちゃんはすぐにスイッチを切り替えたようです。
凛々しくて素敵なことりちゃん。
そんなあなたの事が…。
…。
私も切り替えていかなきゃ…。
ことり「2人だとやっぱり速いね、助かっちゃった♪」
花陽「ううん、私で良ければいつでもお手伝いするよ!」
ことり「わぁ~、ほんと?ありがと~かよちゃ~ん♪」
花陽「ふあぁっ!!こ、ことりちゃんっ!!!」
花陽「(ま、また抱きしめてくれたぁ…)」
ことり「もう!びっくりしすぎだよー!」
花陽「ご、ごめんね!ことりちゃんに抱きしめられるとドキドキして…」
ことり「ふふふっ、許しませーん!罰として~」
ことり「ひざまくらだー!」
花陽「ぴゃあ!」
ことり「かよちゃんスベスベー♪」
花陽「あぁぁ~っ!」
花陽「(太ももに…ことりちゃんのほっぺの感触がー!)」
花陽「だ、だれか…」
ことり「……助けてほしいくらい…嫌だった?」
花陽「へっ!?あ、ち、違うの!!今のは…!」
ことり「ごめんね…」
花陽「い、嫌じゃないよ!すっごく嬉しかったの!でも、あの、ドキドキして…つい…」
ことり「…えへへ、冗談だよ」
ことり「本当にかよちゃんは可愛いなぁ~♪」
花陽「あ、手…」
花陽「(指、絡めて…)」
ことり「あったかいね~」
花陽「…うん♪」
ことり「ねえ」
ことり「かよちゃん」
花陽「は、はい!」
ことり「…」
ことり「えい!」
花陽「ぴあっ!?」
ことり「ほっぺ、触りたかったの♪」
花陽「は、はわわわ…」
ことり「ぷにぷにー♪」
花陽「ううぅ~…」
ことり「幸せ~」
花陽「ふぉ、ふぉんふぉ?」
ことり「うん♪」
花陽「(幸せって思ってくれるんだ…うれしい…)」
花陽「あの………」
花陽「(好き、ことりちゃん…)」
花陽「……ことりちゃん…好き」
ことり「ぴぃっ!?」
花陽「!」
花陽「(い、言っちゃった!言葉に出すつもり、なかったのに…)」
花陽「(だ、誰か……ど、どうしよう!?)」
花陽「あっ!そ、そのっ、手の事だよ!!私のほっぺを優しく包んでくれて!!」
ことり「…そ、そうなんだ………ビックリしちゃった」
花陽「ご、ごめんなさい!驚かせて…」
ことり「ううん、すっごく嬉しいよ!さっきの言葉♪」
花陽「(嬉しいって思ってくれてる…)」
花陽「(ことりちゃん…)」
ことり「か、かよちゃん!?」
ことり「(だ、抱きしめられちゃった…)」
ことり「(いいにおい…やわらかくて、安心しちゃう…)」
花陽「…わ、わたしから…抱きしめた事ってあんまりなかったから…」
ことり「そ、そうだね…」
花陽「ことりちゃん…いいにおい」
ことり「か、かよちゃんだって…いいにおいだよ…?」
花陽「そ、そんな…」
ことり「心が落ち着いてね、すっごく安心するの…」
花陽「…えへへへっ、ほんとぉ?」
ことり「あのね、かよちゃんに…もっと触ってほしいな…」
花陽「さ、触っ!へっ!?」
ことり「だって、かよちゃんって遠慮しがちなんだもん…」
ことり「私だってかよちゃんに抱きしめられたり、触ってほしいって思ってるのっ!」
花陽「……だって私なんかが…ことりちゃんを…」
ことり「どうして?」
花陽「ことりちゃんはぷわぷわっとしてて可愛いし…それにっ!あのミナリンスキーさん!」
花陽「だからわたし、すっごく憧れてて…おそれ多くて…!!」
ことり「…むぅ…わしわし~♪」
花陽「ぴゃああぁぁっ!それっ!希ちゃんの!!」
ことり「普通に接してくれないバツです!」
花陽「あっ…だ、だめぇ…」
ことり「かよちゃん大きいねぇ♪」
花陽「うぅっ…こ、ことりちゃん…これ以上はぁ……」
ことり「ちゅんちゅん♪」
花陽「…ぁぅ………っ…」
ことり「!」
花陽「…ひぁっ………ゃぁ……」
ことり「(あっ…や、やりすぎちゃった…かも)」
ことり「ごめんね…。調子に乗っちゃって…」
花陽「…い、いいの…ことりちゃんになら…」
ことり「えっ…」
花陽「ひゃっ!い、今のはその…」
花陽「…うぅ~っ」
ことり「(…そ、そんな上目使いで見つめるなんて…反則だよぉ)」
ことり「(…でも)」
ことり「…かよちゃん、ほら…」
花陽「ことりちゃんっ!?あの、あのっ!」
花陽「(わ、私の手がことりちゃんの胸に!)」
ことり「伝わるかな…私もね、さっきからずっとドキドキしてるの」
ことり「かよちゃんの…せいだよ?」
花陽「わ、わたし…わたしっ!」
ことり「!」
花陽「(勢い余って…揉んじゃった!)」
ことり「ゃあっ…かよちゃん…」
花陽「あっ!そ、そんなつもりじゃ」
ことり「…だ、大丈夫だよ」
ことり「…あのね…ほんとにね、胸が痛いの」
花陽「…ご、ごめんなさい…」
ことり「あっ、今のじゃなくてね?」
ことり「かよちゃんと一緒にいるとね…胸の奥のほうが苦しくって辛いの…」
ことり「もっと、かよちゃんを知りたい!もっと一緒にいたいって…思うの…」
花陽「……」
ことり「…ごめんね、こんなの…おかしいよね…」
花陽「わ、私も、同じ…」
ことり「!」
花陽「私もことりちゃんともっと一緒にいたい!私だけを見てほしいって思ってるよ!」
花陽「でも…穂乃果ちゃんと海未ちゃんみたいに…なれないなって思ってて…」
花陽「……わたし、自信なくって…」
ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんは大好きだよ。でもね、それはかよちゃんへの気持ちとは違う好きなの…」
ことり「…それにわたしもね…凛ちゃんの事、羨ましいなって思ってたんだ」
ことり「一緒だね…わたしたち」
花陽「ほ、ほんと?本当にわたしのこと…?」
ことり「……」
恥ずかしそうな表情で、静かにコクンと頷いてくれて…本当なんだなってわかる。
私達だけの…今のこの空間が…すっごく
花陽「嬉しい…でも、いいのかな?」
花陽「女の子同士で…」
そう、私達は女の子同士…
だから…あと一歩、たった一歩踏み込む勇気が…持てない
自分の気持ち…わかってるのに…
ことり「…女の子同士でも、かよちゃんを好きな気持ちに変わりはないよ」
ことり「周りから見たら間違ってる事かもしれないけど…それでも私は、もう自分の気持ちにウソはつきたくない」
ことり「あの留学の話の時に…穂乃果ちゃんと海未ちゃんに教えてもらったんだ」
花陽「ことりちゃん…」
ことり「かよちゃんは…こんな私でも、好きでいてくれる…?」
花陽「あ、当たり前だよっ!」
花陽「私もことりちゃんが好きっ!」
花陽「間違っていてもいい!ことりちゃんと一緒ならっ!」
花陽「私の大好きな…人だから…」
だから、私も一歩踏み出せるの!
ことり「…あ、ぁりがとう…」
ことり「わたしなんかを……受け入れてくれて…」
花陽「…夢みたい」
花陽「私とことりちゃんが…夢じゃないよね?」
花陽「幸せすぎて…はうぅ~…」
なんて幸せを感じていると、ことりちゃんの手が私のほっぺに添えられ…
ことり「……ねぇ」
ことり「花陽ちゃん」
ことり「少しの間、目を閉じて?」
花陽「こ、ことりちゃん?」
ことり「……怖がらなくても大丈夫。私に任せてほしいな」
ことり「ねっ?」
花陽「……うん、ことりちゃんになら…わたし、ぜんぶ…」
あげられるから。
ことり「…ふふっ、ありがとう」
ことり「大好きだよ、花陽ちゃん…」
花陽「ことりちゃ……んぅ…」
ことり「…かよっ…ひゃ…ん……」
ことり「(愛してるよ、かよちゃん…)」
ことり「(…これからも、一緒にいようね♪)」
おわり
おやすみ
このSSまとめへのコメント
ことぱなは最高やね