真姫?「ニャー」 (266)

真姫ちゃんが猫になるおはなし

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410246866

絵里「海未!!大変よ!!」

海未「なんです!?」

絵里「私達が買い物に行ってる間に…」

海未「行ってる間に…?」

絵里「真姫が猫になっちゃったわ!」

海未「まさか…そんな訳…」

まきねこ「にゃー」ごろごろ

えりうみ(かわいい………)

海未「どうしましょう……」

まきねこ「にゃー」

絵里「とりあえず遊びましょ?」

海未「えっ?それより真姫を元に戻す方が先決じゃ」

絵里「ほーら真姫ちゃーん猫じゃらしですよ~」フリフリ

まきねこ「フニャッフニャッ」シュバッシュバッ

海未「絵里…一応真姫なんですよ…」

絵里「そうはいっても可愛いんだからしょうがないじゃない!!」ドン

まきねこ「フシャー」

絵里「ごめんね~真姫ちゃん怖かったでしょー?海未ちゃんがこわいもんね~」

海未「そ、そうですか…すみませんね…」

まきねこ「フニャ」ポンポン

海未「これは…どういうことでしょう?」

絵里「慰めてあげてるのね~ハラショーよ真姫ちゃ~ん」

海未「そうなんですか?ありがとうございます真姫…」

まきねこ「フニャァァン」

海未「ふふふ…こうやってみると中々猫の真姫も可愛いですね…」





真姫(何やってるのかしらあの二人)

真姫(本気で私が猫に変わったとでも思っているのかしら)

真姫(自室から戻ってきたら絵里がデレデレになった猫と遊んでるし)

真姫(そんなことよりあの絵里はなんなのよ、気色悪いわ)

真姫(海未も海未よ、どう考えても私が猫に変わるわけないのになんで信じてるのよ)

真姫(クールな三人でこの曲を歌おうって事だったのに大丈夫かしら…)

真姫(そういえば随分と私のペットにしては人に懐いてるわ…)

真姫(なにかに惹かれてるのかしら)

絵里「でも普段の真姫と違ってなつっこいわね~そんなとこもハラショーよ~」

まきねこ「にゃぁ」ゴロゴロ

海未「そうですね…普段からこれくらい懐いてくれたらいいんですが…」

真姫(全部聞こえてるわよ…)

まきねこ「!!」シュババ

絵里「あっどこいくのよ真姫!!」

海未「真姫!!今から曲の練習ですよ!!」

まきねこ「ニャァン」ゴロゴロゴロゴロ

真姫「よしよしいいこね」ナデナデ

絵里「あれ?真姫?」

海未「真姫が…二人いますよ!!」

真姫「あなたたち何言ってるのよ…これはぺっとの」

絵里「ほら真姫!!にゃーっていいなさい!!にゃー!!」

真姫「はぁ…イミワカンナイ…」

海未「そうですよ!!従順な真姫に戻ってください!!」

真姫「海未まで……」

まきねこ「ゴロニャー」

絵里「私は真姫のにゃーがききたいのよ!!」

海未「凛だってよく言ってますよ!?恥ずかしくなんかないはずです!!」

真姫「凛は関係ないでしょ…」

絵里「それにほら!!!飼い主はペットに似るのよ!!!!」

海未「そうですよ!!!!」

真姫「飼い主に似るからって鳴く意味がわからないわよ!!!」

絵里「ほら!!はやく!!」

海未「Out with it! 」

真姫「嫌よ!!」

海未「why!?」

真姫「嫌だからよ!!」

絵里「 Быстро Скажите, не говоря придирки!!」

真姫「何言ってるかわからないわよ!!」

絵里「いいからにゃーって鳴きなさいよ!!」

真姫「なんでちょっと怒ってるのよ!!」

絵里「なんとしても聴きたいんだからしょうがないじゃない!!!!」

まきねこ「にゃー」

絵里「こっちの真姫はすぐ鳴いてくれるわよ!!それに比べてこの真姫は鳴かない!!」

海未「鳴く能すらないのですか?」

真姫「…ひどい……ううっ…」

海未「泣けばどうにかなるとでも?」

絵里「泣くぞ?すぅぐ泣くぞ? 絶対泣くぞほぉーーら泣くぞ 」

真姫「うわぁぁあぁぁん!!」

海未「求めていたものと違いますね」

絵里「そうね」

海未「やっぱり飼い主はペットには似ないのでは…?」

絵里「そうかもしれないわね…」

真姫「な゙によあんだだぢぃ……」

まきねこ「ニャァ」ポンポン

真姫「ううう………」

絵里「ちょっとやりすぎたかしら…」

海未「そうかもしれません…あの…真姫?」

まきねこ「マァオ」

真姫「…マァオ……」

絵里「えっ?」

まきねこ「ニャァマオマオニャァ」

真姫「マーーーーーーオ………」

海未「えぇ?」

まきねこ「マァーーーーーーーオォ……」

真姫「マーーーーオ………」

絵里「ちょっとどうしたのよ真姫」

まきねこ「マァーーーーーーーーーーーオォ」

真姫「マァーーーーーーーーーーーーーーオ」

海未「落ち着いてください真姫」

真姫「何よ?邪魔しないでくれる?」

海未「はい」

まきねこ「…………」

絵里「マァーーー」

まきねこ「シャァーーーーーー!!!!」

絵里「ヒィ!?」

真姫「分かったわ…ありがとう」ナデナデ

まきねこ「ゴロゴロ」

真姫「よしよし…」ナデナデ

えりうみ「…………」

海未(これはみんなはに伝えるべきですね)

絵里(そうね、任せたわ)

真姫「あら?どうしたの二人揃って正座なんかして……?」

絵里「いや…あの…真姫って……その猫なんだね…あはは」

海未「μ'sのみんなには伝えてあるので安心してください」

真姫「はい?」

海未「大丈夫ですよ、私達はどんな真姫でも受け入れますから!!!!」

絵里「そうよ?何か困った事があったらいつでも相談してきていいんだからね?」

真姫「え?」

絵里「あっ流石に発情期の相手は無理だから」

海未「そうですね」

真姫「は??え??」

――

穂乃果「真姫ちゃん猫だったんだって!!!」

希「スピリチュアルやね~真姫ちゃんが猫ちゃんだなんて…」

ことり(真姫ちゃんはネコなんだ……タチっぽいのに)

穂乃果「発情期……?ってなんだろう?」

希「あー…それは…うん、アレよ…友達が沢山欲しくなる時期のことをいうんやで!!!」

穂乃果「そうなんだ!!なら穂乃果は年中発情期だね!!!!」

希「それ人前で言ったらアカンよ」

ことり(真姫ちゃんの発情期かぁ…衣装に取り入れたらどうなるんだろう……)


――

――

にこ「真姫がネコねぇ……まぁネコみたいに素直じゃないし確かに言えてるわね」

花陽「あれ?でも凛ちゃんはアレルギー反応起こしてなかったよ?」

凛「真姫ちゃんは特別な猫なんだね!!凛のアレルギーに反応しないしさすが真姫ちゃんだにゃー!!!」

にこ「………発情期?」

花陽「エ゛ッ゛!?」

凛「うわぁ………」

にこ「あんたたちドン引きしないの」

――

真姫「何してくれんのよあなたたち!!!」

海未「いえ事実を伝えただけですが……」

絵里「そうよ!!何も間違ってないわよ!!!」

真姫「私は人間よ!!!」

絵里「さっきの挙動はどう見ても猫だったじゃない!!!そう見えたんだからしょうがないじゃない!!!!」

海未「そうですよ!!!」

まきねこ「にゃー」

真姫「もーー!!!絵里と海未なんで知らない!!!!」

絵里「海未!!!今の聞いた!?」

海未「ええ聞きました…なんて恐ろしい……」

真姫「……え?」

絵里「真姫……あなた牛だったのね……」

真姫「もう!!!バカ!!!!!」




こうして真姫ちゃんはμ'sで動物としての扱いを受けることになったの

おわり(・8・)チュンチュン

こんにちは!makinyanです
真姫ちゃんを動物にしたくなったので書きました
また書きます

荒れないで(´?ω?`)
20時頃に真姫うさぎ書きますね

盛り上げようとしてくれた気持ちは嬉しいです(・8・)
無断転載はダメですけどね!
皆さんが楽しく読んでいただければ幸いです。
更新します。

今日は十五夜!!
ということで穂乃果の家にみんなで集まってもらいました!!!

穂乃果「みんな来てくれてありがとう!!!」

海未「まぁわたしとことりは恒例行事みたいなものですから」

花陽「あぁ~はやくおもちたべたいなぁ~」

凛「かよちん食べ過ぎたらダメだよ!」

にこ「でもこういうのもいいわね…」

希「そうやね…月を見ながらのおだんご…」

絵里「私こういうの初めてだからわからないけど団子ともちって別なんじゃ…」

穂乃果「よーしおもちつきはじめるよ!!!」

ことり「みんなぁ~」

海未「どうしました?ことり?」

ことり「真姫ちゃんにうさぎさんの衣装着せたのに降りてこないの~」

花陽「真姫ちゃんならしょうがないよぉ」

凛「どうせ降りてくるにゃ、はやくおもちつきやるにゃー!!!」

希「ほら玄関から出てきたや……!?」

海未「真姫遅いですよ…」

うさぎ「………」ゴゴゴゴ

絵里(真姫ってこんなに大きかったかな…)

穂乃果「じゃあせっかくだし真姫ちゃんについてもらおうよ!!!はい真姫ちゃん!!!」テワタシー

うさぎ「…………」スッ

穂乃果「じゃあ穂乃果が最初餅をホイーってやるから真姫ちゃんが突いてね!!!いくよー!!!」

うさぎ「………!!」ズドンズドンズドンズドン

穂乃果「えっ」

絵里「餅をスイーってやらないの?」

海未「どうしたんです穂乃果?」

うさぎ「…………」ダンダンダンダン

凛「真姫ちゃん?なんで地団駄してるの?」

花陽「あれはうさぎ特有の地団駄だよぉ~機嫌悪い時とか気に食わないことがあると地団駄するの~」

希(いやこれ真姫ちゃんじゃないでしょ)

にこ(どうみても身長170cmくらいあるし真姫じゃないわよ)

絵里(真姫餅つき上手いなぁ~)

穂乃果「じゃ…じゃあもう一度やってみよっかあはは……」

うさぎ「………」コクリ

ことり「せーのっ」

うさぎ「カッ!!!!」ズドドドズドドドズドド

穂乃果(一度振りおろして三回も突いてるよ…)

穂乃果(恐ろしく早いふりおろし…私じゃなきゃ見逃しちゃうね……)

穂乃果「こんなの無理だよ!!!!」

にこ「なんでよ!!ちゃんとついてるじゃない!!」

穂乃果「早すぎるもん!!」

海未「確かに余裕がないですね…」

凛「真姫ちゃん?もう少しゆっくりでいいんだよ?」

うさぎ「………」コクリダンダン

真姫(あれどうみても二足歩行のうさぎじゃない)

真姫(どうして私に見えるのよ)

真姫(身長からしてどう考えても違うし筋肉質すぎるでしょあれ)

真姫(毎朝プロテインと生卵飲んでる人間の体よあれ)

真姫(ボディービルダーやれば世界進出できるよあれ)

真姫(みんなの元に向かいたいけどもし不審者だったら…)

真姫(どうしたらいいのよ)

トントン

真姫「ヴェッ」

ほのパパ「………」コクリ

真姫「え、えっと……」

スタスタ

真姫「行っちゃった……」

うさぎ「…………」ズンズンズンズンドコ

凛「真姫ちゃんフェイントは危ないよ!!!!」

海未「穂乃果も恐怖のあまり震えて動けないですし…」

穂乃果「ダレカタスケテダレカタスケテダレカタスケテ」

絵里「部長としてにこが行きなさい」

にこ「嫌よ!!」

ことり(真姫ちゃんに作った衣装はこんなにリアルじゃなかったような……)

ツンツン

ことり「ちゅん?」

ほのパパ「………」ゴゴゴゴ

穂乃果「パパぁ………」

ほのパパ「…………」ナデナデ

海未「ついに穂乃果のお父様が出てきましたね…」

花陽「イッタイドウナッヂャウノォ!?」

うさぎ「………………」ゴゴゴゴ

ほのパパ「……………」ゴゴゴゴ

海未「すごい迫力ですね…」

うさぎ「…………」クイックイッ

凛「あれは!!カンフー映画でよくある挑発だにゃ!!!!」

ほのパパ「…………」スッ

希「………始まる」

うさぎ「………」ズドンズドンズドンズドン

ほのパパ「…………」ソイヤソイヤソイヤ

穂乃果「すごいよパパ余裕で追いついてる!!」

うさぎ「……!!……」ズドドドズドドド

ほのパパ「…………!!」ソイイイヤソイイイヤソイイイヤ

絵里「ハラショー………」

うさぎ「……………」ズンズドンズドンズン

ほのパパ「………」ソイソイヤソイヤソイ

凛「フェイントにも対応してるにゃ………」

うさぎ「…………」スッ

ことり「穂乃果ちゃんのお父さんに真姫ちゃんが握手求めてるよぉ」

ほのパパ「…………」グッ

和菓子……いやお餅に対するあつい友情が結ばれた。
うさぎは月から名だたる和菓子職人を何千年と見てきた。
たがここまで和菓子に対する思い、職人技を得ていたものは初めてだった。
この握手はほのパパに対する敬意を示した握手だったのだ!!

うさぎ「…………」スイー

凛「あっ!!真姫ちゃんが飛んだにゃ!!」

うさぎ「………」グッ

絵里「あれは………」

穂乃果「I'll be back………」

花陽「真姫ちゃんはターミネーターだったのォ!?」

凛「それであんなに筋肉質だったの…?」

海未「月へと帰っていきますね…」

ほのパパ「……………」

にこ「真姫…………」

希(真姫ちゃん………)

真姫(どうしよう、本格的に出られなくなった)

穂乃果「そうだ!!真姫ちゃんが最期に作ってくれたこのお餅を食べないと!!」

希「そうやな…真姫ちゃんありがとう」

海未「真姫…」


真姫(私死んだことにされてる?)

真姫(まずいわ……あっ)

真姫(空に戻ったなら、空から来れば………)



花陽「美味しいね…凛ちゃん」

凛「そうだね……」

ことり「ねぇ…このお餅真姫ちゃんのお墓に供えよう?」

海未「そうですね………」

真姫「その必要はないわ!!!!!!!!」

穂乃果「えっ!?」

絵里「今の声は……もしかして……」

真姫「とぅ!!!!」ヒューー

スタッ グギッ

真姫「オ゛マ゛ダゼ」

凛「真姫ちゃん!!!!」

花陽「真姫ちゃん!!!!」

穂乃果「すごいよ……人間やろうと思えばなんでもできるんだよ!!!!」

海未「宇宙から戻ってくるなんて……」

希「スピリチュアルやね……」

ことり(さっきと全然違うような)

にこ(すごく鈍い音がしたけど)

絵里「さすがね真姫!!!!」

真姫「ええ、まぁね」ヒヤアセー

穂乃果「よーし!!!!みんな揃ったし改めて十五夜のお餅会始めよー!!!!」

―――西木野総合病院

真姫「……………」

真姫パパ「右脛骨骨折、左膝蓋骨にヒビ…一体何をしたんだ………」

真姫「不思議だね、今の気持ち♪」

真姫「空から降ってきたみたい~♪」

真姫パパ(真姫…………)



うさぎ編おわり

次なんの動物にしようまきちゃん

パンサー了解チカ

朝起きたら更新します~
豹編はシリアスにしてみました宜しくお願いします!

雨が激しく降る夜
肌に当たるその日の雨粒はいつもより鋭く思えた

絵里「はぁ………はぁ……」

私は今逃げている
肌に濡れて張り付く服の質感が気持ち悪い

私は今何から逃げいるのだろう?

『真姫であって真姫ではないもの?』

自分でも分からなくなってきた。

絵里「……大丈夫よ」


ただ………メンバーのため。
やるしかない

『誰といるの?ダメよダメよ?私以外はダメよ?』

聴こえてくる歌声
数時間前までは心地の良い物だったのに
今となっては最大の恐怖の対象。
私は……

――屋上――

事の発端は真姫が持ってきたある薬だった


海未「動物の気持ちになれる薬ですか?」

真姫「ええ、そうよ」

希「これを飲んだら動物の気持ちがわかるようになるんやな…」

花陽「すごいね!!何がいいかなぁ…」

にこ「にこはぁうさぎさんがいいなぁ」

穂乃果「うさぎ……イヤダダレカタスケテイヤダダレカタスケテ」

ことり「大丈夫だよ穂乃果ちゃん!!」

絵里「もう、にこったらいじめるのはやめなさい!!」

凛「大人気ないにゃ」

にこ「そんなつもりなかったのよ…」

真姫「そうだ、次のBiBiの曲ってたしか女豹がテーマよね?」

絵里「ええ、まぁそうね」

希「女豹の真姫ちゃんかぁ…ええなぁ」

真姫「なにがいいのよ…」

穂乃果「けど曲の雰囲気つかめるんじゃないかな?」

にこ「そうね、せっかくだし作曲者が飲むべきじゃないかしら…」

花陽「でも大丈夫かなぁ…」

凛「なにが?」

花陽「ほら豹って肉食だから…わたし達のことを襲ったりしないかなって…」

真姫「ちょっと人を食べたり私がするわけないじゃない!!」

ことり(女豹の真姫ちゃんかぁ…)

海未「無理して飲まなくてもいいんですよ?」

真姫「いや飲むわよ」

絵里「無理なら私が飲むわよ?」

真姫「大丈夫よ、これくらい」ヒョイーゴクン

凛「あっ飲んじゃったにゃ」

花陽「…………」

真姫「…………」ピョコン

穂乃果「見て海未ちゃん!!耳が生えたよ!!」

海未「しっぽも生えてますね……」

真姫「…………」テクテク

にこ「ちょっとどこ行くのよ!!」テクテク

真姫「………」

花陽(ん?なんか落ちてる…これは…薬の説明書?)

花陽(……………あ………ああ)

花陽「みんな逃げて!!!!!!」

絵里「え?」

花陽「ここに真姫ちゃんを閉じ込めないと!!」

凛「どうしたのかよちん?落ち着いて?」

花陽「落ち着いてる場合じゃないよ!!!!早く逃げないと……あ………」

海未「どうしたのです……か………!?」

花陽が屋上入口を凝視したままかたまっていた。

恐る恐る振り返るわたし達。

そこにいたのはにこの喉元に食らいつく真姫の姿だった


にこ「あ………ああ………」

真姫「ツカマエチャウ♪」


1人真姫を追いかけたにこが襲われていた。
首元からは血を流しそのまま倒れている。

真姫「狙いをつけて密かに背後から~♪」

歌いながらこちらににじり寄る真姫。
その歌声はとても喜びに溢れている様に感じる。
わたし達は立ち尽くすことしかできずにいた。

真姫「ん~……」

真姫は悩んでいた。
品定めをするかのように舌をぺろりとだし舐め回すように私たちを見比べる。

ことり「いや………」

ことりが声を漏らす。

真姫「…ツカマエチャウ♪」

目標を決めた真姫は地を蹴り、こちらに跳んでくる。

ことり「いやぁぁぁ!!!!」

穂乃果「ことりちゃん!!!!」

跳んだ真姫はことりにのしかかる。
余った勢いでことりの首を噛む。

真姫「んふふ♪」

ゆっくりと真姫の口から流れ落ちる鮮血。

穂乃果「真姫ちゃん!!!!許さない!!!!」

海未「落ち着きなさい穂乃果!!!!今は逃げましょう!!!!」

穂乃果「でも……!!でも!!!!」

絵里「行くわよ…希」

希「えりち………」

絵里「このままじゃ全滅してしまうわ…なんとか逃げないと…」

ことりが襲われたおかげで屋上の入口は誰も防いでいる状態ではない。
不幸中の幸いといったところだろうか…

花陽「……………」

凛「かよちん!!かよちん!!」

絵里「…………どうしたらいいの…」

呆然と立ち尽くし現実を飲み込めない仲間とこの場から逃げないといけないという現実に焦る仲間。

足を引っ張る仲間を見捨てるなんて…

窮地に立たされる私たちをさらに追い詰める言葉が聴こえた。




真姫「ツカマエチャウ♪」

穂乃果「やめて!!!!真姫ちゃん!!!!」

海未「穂乃果!!!!ことりから離れてください!!!!」

穂乃果「真姫ちゃん……元に戻って……」

真姫「ダレトイルノ?ダメヨダメヨ?」

穂乃果「真姫ちゃん………」

手を差し延べる穂乃果
それを叩き落とす真姫

真姫「ワタシイガイハダメヨ?」

貪るように噛み付く。
飛び散る肉片、屋上は赤く染まる。

海未「穂乃果!!!!」

決心がついた。
これしか道はない

絵里「海未!!!!逃げるわよ!!!!」

海未「…………はい……」

絵里「凛と花陽も!!!!はやく!!!!」

凛「待って絵里ちゃん!!!!かよちん動かないの!!!!」

花陽「……………」

絵里「……行くわよ……」

凛「待ってよ!!!!置いていくの!?」

希「えりち………」

絵里「逃げるしかないのよ………」

海未「…………」


階段を駆け下りる。
屋上にはこちら側から鍵をかけた。
時間稼ぎにはなるはず……

凛「かよちん………」

希「凛ちゃん……ごめんな……」

絵里「……………」

海未「…どこに…逃げましょう……」

絵里「ひとまず薬を作った元に向かうしかないわよ……」

凛「となると……病院?」

海未「そうですね……特効薬があるかもしれません……」


玄関に向かう私達。
急いで校舎を出る。

絵里「病院はあっちね…徒歩でもそんなに離れてないはず…」

凛「急いで行こうよ……追いつかれるかもしれないし…」

海未「………」

絵里「そうだ、ねぇ希?」




絵里「のぞ………み?」




真姫「ツカマエチャウ♪」


倒れている希の上には真姫がいた。
屋上から飛び降りて希をクッションにした…?

真姫「誰といるの?」

海未「何故です!?扉はあかないはず…」

真姫「ダメよ?ダメよ?」

絵里「……早く逃げましょう………」

真姫「私以外はダメよ?」

凛「…………」

海未「走って!!!!」

凛「真姫ちゃん!!!!こっちだにゃ!!!!!」

絵里「!?」

凛「凛と追いかけっこするにゃ!!!!」

海未「まって凛!!!!」

真姫「うふふ♪」

凛「凛なら大丈夫!!絵里ちゃんたちは早く逃げて!!!!」

真姫「獲物はキミだよ♪」

絵里「行くわよ海未!!!」

海未「………はい!!!!」





凛「真姫ちゃん遅いにゃー!!!!」

私には自転車があった。
スポーツタイプの自転車、逃げ切れる確信があった。

真姫「楽しませてくれるわね♪」

凛「まだまだ余裕だにゃ!!!!」

水分はボトルが一本。
補給食はサドルポーチに入っている。
二、三時間は逃げれるはず。

待っててねかよちん

みんなを助けたら迎えに行くから………



ツカマエチャウ♪



耳元でそう聴こえた。

絵里「病院になんとかついたわね…」

海未「ええ……これも凛のおかげです……」

院内に入り真姫のお父さんに会いにいく。
受付の人に話を通してもらい院長室へ。
言われてから気付いたけどわたし達、返り血で真っ赤だったのね…あはは……

院長「………申し訳ない」

絵里「謝ってもどうしようもないんです……娘さんの治療薬はあるんですか?」

院長「………あるといえばある」

海未「よかった……ならいますぐ呼び戻して…」

院長「だが容易なことじゃないんだ…経口投与でしか効果は得られない」

絵里「口の中に……ですか……」

院長「ああ……」

海未「任せてください」

院長「…………」

海未「娘さんは元に戻してみせます、薬をください」

院長「……わかった……こんな若い子に任せるような形で申し訳ない……」

院長「君達のおかげで真姫は成長できたんだ、もう一度彼女を救ってあげてくれ……」


院長から薬を受け取った。

あとは真姫を探しこれを飲ませるだけだ。

凛が無事ならこちらに来てもらうだけで良いのだ。

早速連絡をする………

絵里「もしもし?凛?」

「……………」

絵里「凛?」

「大丈夫だにゃー」

絵里「本当!?よかった……」

「嘘よ♪獲物はキミだよ♪」

ブツッ

私はみるみる内に表情が崩れた。
恐怖に引き攣り、凛が捕まってしまったことに対する罪悪感。
様々な感情が私の中をかけ巡った。
それを見た海未も状況を理解した。

海未「……私の家に行きましょう、武器が必要です」

絵里「…………ええ」

――海未宅――


絵里「作戦としてはこうよ」

場所は神田明神よ。
まず、私が囮になるの。
真姫が私を襲いかかったら海未が不意打ちを狙って後ろからこの竹刀で何発か殴って気絶をさせる。
そして無理矢理口に薬を突っ込んで飲ませる。
これだけの単純な囮作戦よ。

海未「でもそれだと絵里が…」

絵里「私は大丈夫よ、決行は夜…」

みんなの敵私が取るから……

絵里「真姫出てきなさい!!!!」

私は神田明神から数十メートル離れた所で真姫を挑発していた。
激しい雨に打たれ体力は消耗しつつあった。
雨音の中でもしっかりと聞き取れる憎い声。

『ツカマエチャウ♪』

絵里「逃げないと……」

駆け出す私。
雨に当たっていたが体はいつでも動けるよう温めておいたおかげで自然と走れる。
後ろから聞こえる足音にも、動じずただ走る。

私は今逃げている
肌に濡れて張り付く服の質感が気持ち悪い

私は今何から逃げいるのだろう?

『真姫であって真姫ではないもの?』

自分でも分からなくなってきた。


絵里「……大丈夫よ」

ただ………メンバーのため。
やるしかない

『誰といるの?ダメよダメよ?私以外はダメよ?』

聴こえてくる歌声
数時間前までは心地の良い物だったのに
今となっては最大の恐怖の対象。

私は…最後の力を振り絞り階段を駆け上がる
…まるでレースみたいね



勝った。

神田明神の真ん中についた。

かかってきなさい、真姫

真姫『みぃつけた』

絵里「それはどうかしら?」

真姫『何度も同じことを言わせるの?』

絵里「何を言っているのかしら?」

真姫『誰といるの?ダメよ?ダメよ?私以外はダメよ?』

絵里「私は一人よ?」

真姫『…ツカマエチャウ♪』


私はいつまで経っても姿が見えず声だけが聞こえる真姫に違和感を覚えていた。

雨が止む。
するとひょこっと階段の方から頭が見えた。

真姫「みぃつけた」

絵里「さっきも見つけていたじゃない」

真姫「クスクス……そうね」

絵里「……何がおかしいのよ!!」

真姫「ツカマエチャウ♪」


跳びかかる真姫を私は避けなかった
何故なら海未が真姫を追い詰めるはずだからだ。

首元に感じる痛み。

それは快感にも思えた。

気持ちがいい…

真姫ってテクニシャンなのね…ふふ

私には冗談を言える余裕この時はあった。

助けが来る、そう確信できていたから。



真姫が私の喉に噛み付いてからだいぶ時間がたった。

真姫は美味しそうに私を食べている。

そんなに美味しいのかしら

血が止まらない

確信は不安へと変わりつつあった

ぼやける視界の中で私はあることに気がついてしまった


月明かりに照らされて異様なまでに輝く真姫の手


指に絡みつく長く濃い青髪


数十本は絡みついていた



私はそれを知っていた



見たことがあった





不安は絶望へと変わった。


―――

真姫「って言う『豹変』って話を考えたのだけど…どうかしら?」

絵里「いやよふざけないで!!!!ばか!!!!」

にこ「あたしなんて2回くらいしか喋ってないじゃない!!!!」

真姫「………そう」ショボン





豹編おわり(・8・)

次の動物何にしよう書くの楽しい
読んでくれてありがとうございます

寝ぼけて書いたやつ全部消してしまいましたしにたい
もう少しお待ちください

酉忘れちまった(;´Д`)
テスト

ああああ違うどれだァァァ

これか???

よしきた!!!!!犬編投下します!!!!

真姫犬「わん」

花陽「ワンチャンニナッチャッタノォ!?」

花陽「あっでもパピヨンみたいで可愛い」

凛「散歩に連れていくにゃ」

凛「リードをつけて……」

真姫犬「バァゥ!!」ガブー

凛「痛いにゃー!!」

花陽「落ち着いて真姫ちゃん…」

真姫犬「ハッハッハッ」ハラミセー

凛「なんでかよちんにはなつくの…」

真姫犬「グルルルル」

凛「ご、ごめんね……」

花陽「こら真姫ちゃん!!!!」

真姫犬「クゥン……」

花陽「よしよし散歩行こうね」

真姫犬「ワンワン!!!!」パァ

花陽「……真姫ちゃん何で動物になるんだろうね」

凛「でもちょっとなれてきたにゃ」

花陽「そうかなぁ……」

真姫犬「わんわん」

凛「何か言ってるにゃ」

花陽「私もなれてきた?ってことかな?」

真姫犬「わんわん」

凛「そうみたいだね」

花陽「あっ穂むらだ」

凛「よっていくにゃ」

穂乃果「いらっしゃいませ…あっ凛ちゃんと花陽ちゃんと真姫ちゃんだ!!」

雪穂(真姫さんいないじゃない…綺麗な赤毛の犬はいるけど)

穂乃果「どうしたの三人して?」

凛「近くまで来たから寄ってみたにゃ」

花陽「真姫ちゃん今犬になってるけど大丈夫?」

真姫犬「わん」

穂乃果「たぶん大丈夫じゃないかな?」

雪穂(いやだめでしょ…)

真姫犬「わんわん!!!!」

雪穂「あんまり店の中で吠えないで…真姫…さん?」

真姫犬「ワン」クビフリ

花陽「ごめんね雪穂ちゃん」

雪穂「いやいいんです……あはは」

凛「とりあえずほむまん」

穂乃果「はいよー」

花陽「とりあえずビールって感じだね」

穂乃果「ビールは置いてないよ~」

真姫犬「ワンワン」

穂乃果「犬用のあったかなぁ…きいてみるね!!」

雪穂(いやないでしょ…てか犬っていったよね、いま犬っていったよね)

穂乃果「あったよ~」

真姫犬「ワンワンワンワン」シッポブンブン

雪穂「あるの!?」

穂乃果「うん」

花陽「さすが穂むらだね」

凛「さすがだね」

凛「真姫ちゃ~んあーん」

真姫犬「あーん」

花陽「たべてるね」

凛「凛も食べたい!!」

穂乃果「甘くないよ?」

真姫犬「まぁまぁね」モグモグ

雪穂(あれ…?喋ってる?)

真姫「はぁ……何やってるのよあなたたち…お店に犬を連れて…」

穂乃果「あっ真姫ちゃんいらっしゃいませー」

真姫「ママに頼まれておつかいにきたらこれよ…もう」

花陽「真姫ちゃんが二人いる…」

凛「あっちが偽物にゃ!!」

雪穂「そうなの!?」

真姫「雪穂ちゃんが戸惑ってるじゃない…やめなさいよ」

真姫犬「ワンワン」

花陽「こっちの真姫ちゃんはあれは偽物っていってるよ!!」

真姫犬「!?」

凛「凛が相手になるにゃ!!シャー」

真姫「意味わかんない……」

穂乃果「店の中で暴れないでね?」

真姫「わかってるわよ」

凛「トァー!!!!」

真姫「当て身」ドスッ

凛「コケッ」ドサッ

花陽「凛ちゃん!!!!」

花陽「凛ちゃんがのびたまま動かないよぉ……」

凛「」

真姫「時間が経てば目覚めるわよ、穂乃果」

穂乃果「ん?」

真姫「ほむまんふた箱ちょうだい」

穂乃果「はいよー」サシダシー

真姫「2000円あれば足りるわよね、おつりは凛にあげておいて」

穂乃果「あいあいさー」

真姫「行くわよマキーヌ」

真姫犬「わん!」

花陽「真姫ちゃんが真姫ちゃんに連れていかれちゃった………」

雪穂「あの……店の中で気絶した人を放置しないで……」

穂乃果「部屋に連れていくよ~雪穂手伝って~」

花陽「私も手伝うよ!!」

雪穂(なんで平然としていれるの………)

雪穂(てかマキーヌってなに!?)

真姫「マキーヌ、あなたなんであそこにいたの」

マキーヌ(気がついたら学校にいたのよ)

真姫「あ~それで凛たちに連れていかれたのね…」

マキーヌ(あとはなりゆきであそこにいたの)

真姫「大変だったでしょ?」

マキーヌ(ええまぁね…でもいいわね友達って)

真姫「……そうね、昔の私じゃ考えられないけど今ならわかると思うわ」

マキーヌ(なにが?)

真姫「…友達の温かみとか友情ってもののこと」

マキーヌ(真姫らしくないわね)

真姫「…私の遺伝子から作られてるくせに生意気よ」

マキーヌ(しょうがないじゃない、わたしはあなただもの)

真姫「まぁそうよね、あなたは私だもの」

マキーヌ(姿はだいぶ違うけどね)

真姫「そりゃそうよ、私は人だもの」

マキーヌ(私は犬だけど世界で一番美しい自信があるわよ?)

真姫「もちろん私もそれくらいの自信あるわよ?」

マキーヌ(なんなら友達さん達に訊いてみる?)

真姫「そんなことしても無駄よ」

マキーヌ(なんで?)

真姫「マキーヌごときじゃ私にはかなわないわよ」

マキーヌ(私もあなたなんだけど)

真姫「それもそうね…」

マキーヌ(一番が一人とは限らないんじゃない?)

真姫「そう?私は一番は一人だと思うけど」

マキーヌ(?’sはどうなるのよ)

真姫「?’sは九人揃って一人なのよ」

真姫「だから?’sで一番をとったら九人が一番なの」

マキーヌ(矛盾してない?)

真姫「犬にはわからないことよ」

>>99
ミス >>101が正しいものです

真姫「そんなことしても無駄よ」

マキーヌ(なんで?)

真姫「マキーヌごときじゃ私にはかなわないわよ」

マキーヌ(私もあなたなんだけど)

真姫「それもそうね…」

マキーヌ(一番が一人とは限らないんじゃない?)

真姫「そう?私は一番は一人だと思うけど」

マキーヌ(μ'sはどうなるのよ)

真姫「μ'sは九人揃って一人なのよ」

真姫「だからμ'sの一番は九人が一番なの」

マキーヌ(矛盾してない?)

真姫「犬にはわからないことよ」

真姫「ほらついたわよ」

マキーヌ(ねぇ真姫ひとつお願いしていい?)

真姫「ん?なによ?」

マキーヌ(足洗ってちょうだい)

真姫「……しょうがないわね、今日だけよ?」


開く門をくぐる一人と一匹。
人と動物ではなくまるで姉妹のような絆がそこにはあった。

真姫犬ことマキーヌ編おわり
つぎはハムスターです
読んでくれてありがとうございました!!
宜しくお願いします

凛「真姫ちゃんがハムスターになっちゃった」

ハムスター「プスプフ」

花陽「ちっちゃいね…」

凛「とりあえず籠に入ってもらうにゃ」

ハム「…」トットコ~

花陽「やっぱり真姫ちゃんは動物だったんだね…」

凛「とりあえずみんなを呼んでくるにゃ~」

花陽「じゃあわたしここで待ってるね…」

ハム「…………」


花陽「おひさま……あったかいね……」



ハム「………」ゴソゴソ

マキ「外に出しなさいよ」カッシャコーガラガラ

花陽「あれ…?しゃべれたんだ…そとに出たいの?」

マキ「そうよ」トビラシガミツキー

花陽「……ちょっとだけだよ?」

マキ「ありがとう花陽」ジタバタ

花陽「……可愛い…」

マキ「おなかすいたわ」

花陽「お腹すいたの?ごはんでもいい?」

マキ「いいわよ、熱いのはやめてね」

花陽「冷ますからちょっと待ってね…」

マキ「早くしなさいよぉ~」

花陽「もう怒らないでよ~」

マキ「………」

花陽「はい、どうぞ」

マキ「まぁまぁね」

花陽「お粗末様です」

マキ「……」ウズウズ

花陽「お散歩したいの?」

マキ「まぁそんなところね」

花陽「でもお散歩しようにも………」

マキ「なによ?外はまだ明るいじゃない?」

花陽「そんなこと言ったってお外は危ないんだよ…」

マキ「いいから連れていきなさいよ」

花陽「えー……でも……うーん…」

花陽「えー……でも……うーん…」

マキ「アルパカに乗ってみたいわ」

花陽「私が見ていれば大丈夫かなぁ……」

マキ「大丈夫よ、こんな姿で逃げ出すわけないじゃない…」

花陽「そうだよね……じゃあ服の中入って?」

マキ「えっ?」

花陽「手に乗せてたらみんなに気付かれちゃうでしょ?だから服の中入って?」

マキ「いやそれはちょっと」

花陽「いいからいいから~」プチプチ

マキ「そこに入るの?いやそれはあっ」

花陽「すこし居心地悪いかもしれないけど我慢してね?」

マキ(われ目に沿って体が入ることでアレが布団のような状態、快適ね)

花陽「ついたよ~」

マキ「zzz」

花陽「あれ?真姫ちゃん寝てる…」

アルパカ「グェェ」

花陽「こんにちはアルパカさん~」

アルパカ「ん?そいつなんだ?」

花陽「この子は真姫ちゃんだよぉ」

アルパカ「まき?あのまき?」

花陽「そうそう同級生の真姫ちゃん」

アルパカ「へぇ変わったこともあるもんだね」

マキ「よろしくね」

花陽「あっ起きたの?おはよう真姫ちゃん」

マキ「おはよう花陽、早くアルパカに乗せて?」

花陽「って事なんだけど大丈夫かなぁ?」

アルパカ「おう全然構わんぞ」

花陽「じゃあ真姫ちゃん?許可出たから乗せるね~」

マキ「思ったより高いわね」

花陽「普段見ている景色と違うからね…」

花陽(でもアルパカさんの頭の位置って普段の真姫ちゃんとあまり変わらないような)

マキ「でもこれなら散歩できるじゃない」

花陽「え?」

マキ「アルパカにリードつけて散歩させれば大丈夫よ?」

花陽「いやいやそんなのだめだよぉ!!」

アルパカ「あ~散歩したいなぁ」

マキ「ほらアルパカもこう言ってるし」

花陽「え~……しょうがないなぁ」

絵里「…………」

希「……………」

絵里「気のせいかしら……」

希「いや気のせいじゃないと思う」

絵里「疲れてるのかしら」

花陽「散歩も楽しいなぁ……」

絵里「あの……花陽?」

花陽「あ、絵里ちゃん?どうしたの?」

絵里「その子達は……?」

花陽「アルパカさんと真姫ちゃんだよ~」

希「真姫ちゃん……?」

マキ「?」

希「このハムスターがもしかして?」

マキ「私がマキよ?」

絵里「…………」

希「…………」

花陽「でてきたらあぶないよ~アルパカさんにつかまってて!!」

ハム「はいはい」

絵里「希、帰ろう?私相当疲れてるみたい」

希「そやね…」

アルパカ「つかれた」

マキ「飽きたわ」

花陽「えぇ………」

マキ「早く帰りましょ?」

アルパカ「帰ろう帰ろう」

花陽「は~い」




真姫「あら花陽?どうしたの?」

花陽「あれ?真姫ちゃん?」

真姫「ちょっとマキスターがなんでここにいるのよ…」

花陽「え?」

花陽(マキスターってなに…?)

マキ「見つかっちゃったわね…」

真姫「ごめんね花陽、迷惑かけたでしょ?」

花陽「そんなことないよ!!楽しかったよ!!」

マキ「花陽……」

花陽「ちょっと寂しいけどね……」

マキ「……」

真姫(あなた、花陽とまだいたいんでしょ)

マキ(………うん)

真姫(ただでさえ友達がいないものね…)

マキ(それはあなたもでしょ)

真姫(私にはいるわよ…まったくしょうがないわね)

真姫「あっそうだ、ねぇ花陽?少し預かっててくれる?私まだ用事があるの」

花陽「えっ、うんいいよ!!」

真姫「一年の教室に迎えに行くからそこで待っててくれる?」

花陽「わかったよ!!じゃあいこっかマキちゃん!!」

マキ「うん!!」

マキ(ありがとう真姫)

真姫(これくらいどうってことないわよ)

―教室―

花陽「ケージのなかってどんな気分なの?」

マキ「うーん…自分で出れない家って感じね、慣れたらなんとも思わないわよ」

花陽「そうなんだぁ…ふあぁ……」

マキ「大きいあくびね」

花陽「もうみないでよ…ふふふ」

マキ「真姫が戻ってきたら起こしてあげるからそれまで寝てなさいよ?」

花陽「ほんとう?…じゃあお言葉に甘えて……」

マキ(おやすみ、花陽)

マキ(ばいばい…)



『ガラガラガラガラガラガラ』

んぅ……?

『ガラガラガラガラガラガラ』

すごいおとだなぁ…

『ガラガラガラガラガラガラ』

あぁマキちゃんが起こしてくれてるのか…起きないと……

ハム「…」ガラガラガラガラガラガラ

花陽「……おはよう……マキちゃん」

ハム「…」ピタッ

花陽「あれ?マキちゃん?」

ハム「……」

花陽「あぁ…そっかぁ…」

花陽「……さっきのは夢かぁ……」

ハム「………」

花陽「なんで人と動物は言葉で通じあえないんだろうね…」

ハム「………」

花陽「同じ生き物なのにね…」

ハム「………」

真姫「花陽」

花陽「あっ真姫ちゃん」

真姫「もうこんな時間よ?帰らないといけないわよ」

花陽「そうだね……あはは」

真姫「そうだ、花陽」

花陽「どうしたの?」

真姫「言葉以外で通じ合う物ってあるのよ?」

花陽「さっきの聞いてたの…?恥ずかしい……」

真姫「まぁね…」

花陽「それで言葉以外で通じ合う物って?」

真姫「感情よ」

花陽「感情?」

真姫「そう、愛情とか怒りとか悲しみ……」

真姫「私はそういったものが言葉の話せない動物たちでもしっかりと伝わってると思うのよ」

真姫「伝わってるからこそ動物たちはあんなに人間に懐いてくれるんだと思うわ」

真姫「あくまで私の意見だけど、何考えているかわからない人と仲良くできないもの」

真姫「私らしくない発言だったわね…」

花陽「そんなことないよ…私もそう思うよ!」

花陽「だから私はそばにいてくれる子達に感謝の気持ちを忘れたことはないよ」

花陽「いつもそばにいてくれてありがとうって」

真姫「花陽のことだから動物たちも同じこと考えているわよ」

花陽「そ、そうかなぁ……」

真姫「あのハムスターもアルパカも花陽に感謝してるわよ、きっと」

花陽「…えへへ」

真姫(これでいいのよね)

ハム(…うん、不器用な伝え方だったけどね、ありがとう)

真姫(一言余計よ、はぁ……)

ハム(ため息つくと幸せが逃げるわよ)

真姫(そうかしら?私の幸せたちはそう簡単に逃げたりしないと思うわよ)

ハム(幸せたち?)

真姫(その幸せたちはきっと必死で追いかけてきて逆にため息をはかせるわよ)

真姫(私にはそういう幸せたちがすぐそばにいるのよ)

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「?」

花陽「早く帰ろう?下校時間だよ!」

真姫「そうね……」

真姫「この子は私が連れて帰るわ、会いたくなったら家にくるといいわ」

花陽「…そうだね!!」

――

凛「ただいま戻ったよ!!!!ってあれ!?」

穂乃果「凛ちゃんおいてけぼりにされたね……」

凛「かよちんひどいにゃ………」

海未「いや凛も花陽と真姫のことを忘れて穂乃果達と遊んでたじゃないですか…」

凛「……かえすことばもありません」

――

花陽「あっ!!」

真姫「ん?どうかしたの?」

花陽「凛ちゃんおいてきちゃった……」

真姫「まぁ大丈夫よ、ラーメンおごってあげれば忘れるわよ」

花陽「……そうだね!!」

マキスター編おわり
次なんの動物にするかすら決めてないです…

読んでいただきありがとうございます
よろしくおねがいします おやすみなさい

―教室―

ことり「からーひよこ?」

穂乃果「そうなんだよ!!赤色のひよこがいたんだって!!」

海未「……」

ことり「すごいね!!…あれ?でも最近はみないね……」

海未「それは」

真姫「虐待になるからよ」

ことり「あっ真姫ちゃん!!」

海未「………」

真姫「となりいい?」

ことり「いいよ!!」

穂乃果「なんで虐待になるの?」

真姫「あれは自然な体毛じゃないのよ…」

穂乃果「自然な体毛じゃない?」

真姫「そう、おしゃれで髪の毛を染めたりする人達がいるじゃない?あれと同じ要領だったのよ」

ことり「それってひよこにはあまりよくないんじゃ……」

真姫「あまりどころじゃないわ…とても悪いのよ」

海未「かなりのストレスを与えてしまいますからね…ほとんどのカラーひよこが短命でその生涯を終えていたんです」

穂乃果「そうなんだ…」

真姫「ストレスを与えるスプレーによる着色はもうやっていないんだけどね……」

ことり「あれ?それならどうやって色をつけているの?」

海未「ストレスを与えない方法でならいいと思ったんでしょうね……」

真姫「化学薬品を卵の時点で投与して着色しはじめたの」

穂乃果「えっ…」

ことり「生まれる前から…?」

真姫「卵に直接注射でアンモニアや食品着色料などを入れて成長過程で既に色をつけるのよ」

真姫「そのまま産まれてきたひよこは体毛に色が付いている、これでストレスを感じない着色ができるのよ…」

海未「残酷ですよね…」

穂乃果「そんなの酷いよ!!」

ことり「………」

真姫「勿論、長生きするはずもなく死んでいくのよ」

海未「ですが中にはしぶとく生き」

真姫「そこで私は考えたの」

海未「………」

穂乃果「なにを?」

真姫「ひよこにダメージを与えずに色を変える方法を」

ことり「結局色をつけるんだね…」

真姫「今の状況を辞めさせることはできないのよ…だから打開策として新たな着色を提案したのよ」

真姫「まず知っておいて欲しいのは人間の髪の色はユーメラニンとフェオメラニンによって決まるのよ」

ことり「…ゆーみん?ふぇ?」

真姫「メラニン色素って聞いたことない?あれの種類みたいなものよ」

真姫「この二つの色素の比率によって人の髪の色は決まるのよ」

真姫「そこで私は考えたの、ひよこの色素の比率を調整できたら色は好きなようにできるんじゃないかって」

ことり「あれ、そういえばひよこって鶏になったら毛の色白くなるよね?あれつってどうしてなの?」

真姫「詳しいことはわかってないみたいだけど、餌に含まれるカロチノイドってものが毛色を左右するみたいよ」

真姫「フラミンゴも赤い色素をもつ餌を食べてるいるから赤くなっているのよ」

真姫「なら親鳥にも赤い色素の餌を食べさせたらどうなるか…ってことでやってみたの」

穂乃果「本当!?どうなったの!?」

真姫「まだ生まれてないからわからないけど……多分変わってるじゃないかしら」モゾッ

海未「それが上手くいくとひよこを苦しませずに着色されるわけですね」

真姫「コストとか色々問題はまだあるけどね…」モゾモゾッ

ことり(あれ?…なんか真姫ちゃんの頭がもぞもぞしているような……)





まきひよこ「チュンチュン」

穂乃果「あ!!!これ私が今朝見たやつだ!!」

真姫「あ…出てきちゃった…」

まきぴよ「ウルサイワネェ」

ことり「えっ?」

穂乃果「気のせいかな……今喋ったような……」

まきぴよ「ナニミテンノヨ!!」

海未「喋ってますね」

真姫「あー…これは私の遺伝子を使って作られたいわば私のクローンなのよ…」

穂乃果「えー…それってまずいんじゃ…」

真姫「独り占めはしてないから安心して?」

ことり「そういう問題じゃないと思うなぁ…」

海未「……これって成長したらどうなるんですか」

真姫「鶏になるわね」

海未「やっぱり……」

真姫「大丈夫よ、2年生の分は作ってあるから」フフン

まきぴよ「ソウヨソウヨ」

穂乃果「わたし達の分……?」

ほのぴよ「ファイトダヨ!」

ことりぴよ「チュンチュン」

うみぴよ「シズカニシテクダサイ!!メイワクデスヨ!!」

真姫「ね?」

海未「ね?じゃないですよ!!勝手に何してるんですか!!」

ことり「ほのぴよ…カワイイ!!」

ほのか「ことりのことりちゃんも可愛いね…」

ことりぴよ「ハノケチェン!!」

海未「ことりのは何故か違和感がないですね…」

ことり「ンミチェン…」

海未「でもなんでわたし達の遺伝子を利用したんですか…?」

真姫「髪の色が違うから」

海未「はい?」

真姫「私と髪の色が違うからよ!!」

海未「わかりましたよ…もう…」

うみぴよ「ホノカ!コトリ!チャントツイテクルノデスヨ!」

ほのぴよ「ハーイ」

穂乃果「ということで頭に乗せてみたけど」

ことりぴよ「チュンチュン」

ことり「ちょっとイイかも……」

海未「といってもこの子達成長したら…」

真姫「そうね…毎朝叫ぶメンバーの完成ね…」

穂乃果「朝起こしてくれるなら私引き受けてもいいかも……」

海未「いやダメですよ…」

うみぴよ「ワタシガオコシニイキマス!!」

ほのかぴよ「ワタシヲダレガオコシテクレルノ?」

ことりぴよ「ハノケチェン…」

真姫「あんまり今と変わらないわね」

海未(2週間から3週間するとかなり大きくなるんですよねこれが…)

海未(懐かしいです…)サーッ

穂乃果「そういえば昔海未ちゃん鶏飼ってなかった?」

海未「え゛っ」

ことり「そういえばそうだね、気付いたら居なくなってた…あっ……」

真姫(まさかね……)

海未「その話はやめましょう、鶏肉が数週間食べれなくなります」

穂乃果「はい…」

ほのぴよ(ワタシタチ、タベラレチャウノカナ…)

真姫「この子達どうしたらいいか困ってるのよ…」

穂乃果「鶏になったらどうなるのかなぁ…」

ことり「………」

海未(……精肉……首を……血抜き…)

ほのぴよ「ウミチャンカオイロワルイネ」

うみぴよ「ウミハワタシデスガ?」

ほのぴよ「オオキイウミチャンノハナシ」

真姫「まぁ…案はあるのよ」

一旦ここまで

海未「案?」

真姫「この子達の成長を止める薬があるの」

真姫「これを投与するかどうか…ってこと」

ことり「成長を…止める……」

穂乃果「……」

海未「……」

真姫「この子達の体に負担はかからないよう改良はしてあるの」

真姫「でもこれは生命の進化を否定することになってしまうわね…」

真姫(人間のエゴと生命の進化、どちらかを選べなんて友達にきくことではないわね…やめるべきだったかしら)

真姫「ただ私としては投与するべきだと思っているわ」

真姫「作り出した人間が言うのもアレだけど…私は鶏になった姿を見たくないし……」

穂乃果「うーん…」

真姫「……」

穂乃果「べつに薬はいらないんじゃないかなぁ」

穂乃果「その薬をあげたところでこの子達がいい結果を得れるとは思わないの」

海未「それもそうですね…」

ことり「わたし達のわがままでこの子達の運命を変えるのは嫌だから…」

真姫「正直、そういうと思ってたわよ」

穂乃果「少しにわとりになったわたし達を見てみたいっていうのもあるけどね…」エヘヘ

ことり「私達が大人になるようにこの子達も大人になる権利があるもんね…だから私も薬はダメだと思うなぁ…」

海未「わたし達の分身のようなものですからもしかしたら歌も上手かもしれませんね…」フフッ

真姫(歌……か……)

真姫「とりあえず今日は私がみんな連れて帰るわね…いいこと思いついたし」

穂乃果「いいこと?」

真姫「もちろんヒミツよ?」

ことり「まさか…ひよこたちを食べるの!?」

真姫「そ、そんなわけないじゃない!!いみわかんない!!」

―真姫宅―

真姫「はい、そこに並んで」

ほのぴよ「ココ?」

うみぴよ「譜面台デスカ…」

まきぴよ「ウタヲオシエルノネ」

(・8・)「……」

真姫「教えるといっても…曲すら決めてないけどね…」

(・8・)「………」

真姫「なにか言いたげねことり」

(・8・)「START:DASH」

真姫「…それがいいのね」

まきぴよ「ワタシハ?」

真姫「……三人のコーチ」

まきぴよ「オッケー」

一旦ここまで途切れ途切れで申し訳ない

次の日の朝

―穂むら―

真姫「おはようございます」

ほのママ「あら?どうしたの真姫ちゃん?」

真姫「穂乃果に渡したい物があって…上がってもいいですか?」

ほのママ「まだ寝てると思うけど、それでもいいならどうぞ~」

真姫「ありがとうございます…」

―穂乃果の部屋―

穂乃果「フニャフニャ……」

真姫「ほら、頭から出てきなさい」

ほのぴよ「ラジャー」

真姫(枕元に置いて……)

真姫「せーのっ」

ほのぴよ「アイセーーーーイ!!ヘイヘイヘイスターダッシュ!!」

穂乃果「んー……?」

ほのぴよ「ヘイヘイヘイスターダッシュ!!」

穂乃果「モウタベレナイヨォ……」

ほのぴよ「………」

真姫「ダメね…」

―海未の部屋 ―

真姫(穂乃果はダメだったけど海未なら起きるわよね)

真姫「せーのっ」

うみぴよ「アイセーーーーイ!!ヘイヘイヘイ!!スターダッ」

海未「…………」

うみぴよ「ヘイヘイヘイ!!」

海未「五月蝿いです」キッパリ

うみぴよ「ウブゲノコトリタチガー!!」

海未「…いい加減にしないと焼き鳥にしますよ」ゴゴゴ

うみぴよ「………」

真姫「………」

海未「ふぅ…」スヤスヤ

―ことりの部屋―

真姫(三度目の正直よ……)

真姫「せーのっ」

(・8・)「うぶげのことりーたちもー」

ことり「…」スヤスヤ

(・8・)「…………」

ことり「…」スヤスヤ

(?8?)「スヤスヤ」

真姫「ちょっと…寝ないでよ…」

ことり「……まきちゃん?」

真姫( !? 隠れなきゃ!!)

ことり「きのせい……ってあれ?」

(?8?)スヤスヤ

ことり「なんでここに……?まぁいっか…」スヤァ

真姫(間一髪ね……)

(?8?)は(‐8‐)です、すみません

―真姫宅―

真姫「なかなか強敵ね…」

まきぴよ「せいりょうがたりないのよ」

真姫「……なんか昨日より大きくなってない?」

まきぴよ「そだつのはやいからね」

ほのぴよ「マキチャンオッキィ」

うみぴよ「ソレクライノカラダナラ、オコセソウデスネ…」

真姫「あなたたちが育つのを待ってみるしかないわね……」



にわとり編につづく

だいぶ回復したのでかきまっせ

希「学校裏にヘビがでたんやってな…」

にこ「みんな風邪で休んだりしてるのになんだか物騒ね…」

絵里「ヘビって鶏肉の味がするらしいわね」

にこ「あんた何言ってるのよ……」

希「まぁ昼時だからしゃーないやん?」

にこ「まぁ…そうね、でも今日は唐揚げ作ってきたからなるべくその話はやめてくれる?」

絵里「あぁ…でも油が少ないからササミみたいな味らしいわよ?」

希「えりち…」

にこ「あんたわざとでしょ」

絵里「ヘビかぁ……」

希「そんなに気になるん?」

絵里「ほらよくいうじゃない?ヘビの抜け殻を財布に入れると金持ちになれるとか」

希「スピリチュアルやね」

絵里「ヘビは鶏肉の味がするとか」

希「スピリチュアルやな」

にこ「いや違うでしょ」

絵里「……真姫ってヘビになれるかしら」

にこ「は?」

希「あーこの前ハムスターになってたもんね…」

にこ「え?」

絵里「真姫ってヘビっぽいわよね 」

希「ヘビというよりメデューサって感じやね」

にこ(何言ってるんだろう)

絵里「しゃー!!まきへびだぞー!!」ドタドタ

希「きゃーまきちゃんおちついてー」ドタドタ

絵里「私を怒らせたのが運の尽きよ!!しゃー!!」ドタドタ

希「きゃーまきちゃん気をたしかにもってー」バタバタ

にこ「あんたたちが気を確かにしなさいよ」

絵里「おなかすいたわね」

希「そやなぁ…」

にこ「あんなことやってるからでしょ」

絵里「あれ?にこいたの?」

にこ「最初からずっといるわよ」

希「まきへびの餌食になりに来たんやな…」

絵里「しゃー!!」

真姫「何やってるのよ」

希「あっ真姫ちゃん」

絵里「ねぇ真姫、脱皮してくれる?」

真姫「いきなり何をいうのよ…バカジャナイノ」

にこ(良かった…常識人が増えたしこれで一安心ね)

真姫「残念ながら脱皮なら二日前にしたわよ」

にこ「もういやだ」

絵里「そんなぁ…タイミングが悪かったわね…」

希「皮は残ってないん?」

真姫「残念ながら全部埋めちゃったわ…ごめん」

にこ「地中から人の皮が出てきてら大事件じゃない」

絵里「人の皮?」

真姫「ちょっとにこちゃん何言ってるのよ……」

希「にこっちこわいわぁ…」

にこ(帰りたい)

真姫「そういえばもう一人がそろそろ脱皮のはずよ?」

絵里「もう一人?」

真姫「ええ、もう一人」

希「さては真姫ちゃん…交代で学校に来てるなぁ?」

真姫「そ、そんなわけ…」

絵里「生徒会長としてそれは見過ごす訳には行かないわね…」

真姫「…もう一人に会わせるから許してくれない?」

絵里「わかってるじゃない」フフン

希「にこっちもくる?」

にこ「えっ…私はいかな」

絵里「もちろん行くわよね?」

にこ「………」

ほうかご!まきのいえのどっか!

真姫「ここよ」

絵里「ハラショー……」

希「いかにも研究室ってとこやね…」

にこ(帰りたい)

真姫「この部屋にいるわよ」

絵里「さっそく……」

コンコンッ

絵里「入るわよ~」

ガチャン

希「あれ、えりち入ったら扉しまっちゃった」

にこ(どうやって帰ろうかな)

真姫「あー……」

ギャァァァ!!

希「いまのは?」

真姫「絵里が襲われたんじゃないかしら」

にこ「あんたたち随分と冷静ね」

希「結局は真姫ちゃんなんやし…毒とかないやろ?」

真姫「いやあるといえばあるわよ?」

にこ「一大事じゃないの…」

真姫「症状としては…まぁ見てればわかるわよ…クスクス」

ガチャッ…

絵里「……」トボトボ

希「おかえりえりち」

絵里「………」

にこ「あんた大丈夫?」

絵里「………」

真姫「絵里、跪きなさい」

絵里「まきちゃん」スッ

真姫「私が女王よ?わかってるわよね?」

絵里「まきちゃん」

希「………えりち?」

にこ(なにこれ)

『まきちゃん』

にこ(いまなにかきこえた……)

凜「まきちゃん」

花陽「まきちゃん」

希「なんなん…これ」

真姫「みんな感染しちゃったのよ」

穂乃果「まきちゃん」

真姫「私の言うことだけをきく、いわば人形になったの」

にこ「あんた…何言ってるのよ」

真姫「せっかくだからメンバー全員を私の虜にしようと思ったのよ」

真姫「私が世界で私が掟なの、わかるかしら?」

にこ「ふざけんじゃないわよ!!あんた仲間をなんだと思ってるのよ!!」

真姫「そんなこと言っていいのかしら?」

海未「まきちゃん」ガシッ

にこ「ちょっとはなしなさいよ!!」

真姫「絶対に離しちゃダメよ?」

希「真姫ちゃん…流石にうちも堪忍袋の緒が切れたで…」

真姫「切れたところでなにかあるの?」

希「真姫ちゃんの野望はうちが砕く!!」

真姫「ふぅん…面白い冗談ね」

希「……」

真姫「まだ自分の状況がわかってないのかしら」

ことり「まきちゃん」

穂乃果「まきちゃん」

希「………くっ」

にこ「希!!にげなさい!!」

希「そうはいかないんよ…うちがここで止めんと…」

『いただきます』

希「!?」

ガブッ

マキヘビ「あなたの肉、結構おいしいわね…」モグモグ

希「しまった…」

にこ「ああ……」

真姫「ウフフ♪これで希も私の虜ね♪」

マキヘビ「何言ってるのよ…私の虜よ?」

真姫「どっちでもいいじゃない、私もなんだし」

にこ「あんたたちイカれてるわよ」

希「まきちゃん」

真姫「私ね、にこちゃんは小動物みたいだと思ってるの」

マキヘビ「だからたべてもいいよね?」

にこ「その理屈はおかしいわよ」

真姫「なら味わう事にする?」

マキヘビ「あの今にもちぎれそうな首…」

にこ「……」

マキヘビ「たべてもいいかな」

真姫「落ち着きなさい…ゆっくり食べるのよ」

マキヘビ「わかったわよ…」

そう言うと真姫の姿をした『蛇』は私の首を弄び始めた。

分かれた舌先を器用に使い分け撫でるように這わせる。

『くぅ……ひぃっ…』

声が出てしまった。

「どうしたの?」

『こちょばしかっただけよ』

「そう…ならこんなのはどう?」

そういうと腕で私を抱きしめた。

首に2本の尖ったものが刺さる、噛まれたんだ私。

みるみる力が入るその腕は私の体を破壊していく。

ミシミシと軋む音が聴こえる。

「苦しい?」

「まだしんじゃだめだよ?」

「これからなんだから」

なにがこれからよ、もう限界よ

「限界?」

「それは自分で定めるものじゃないわよ」

「すべてが終わった時、限界がわかるんだから」

意識が遠のく

「終わる前にはわからない」

「だからオシマイにするの♪」

体を巻く腕にさらに力が入る。

全身の筋肉が躍動する、全身がポンプのように跳ねている。

そのポンプから生まれたものはただの悲鳴。

その悲鳴は無力で、絶命する者の儚げな叫びでしかない。

叫びの消えると自らの体の崩れる音とともに意識が崩れ落ちた。

深く沈むように…ゆっくりと…

最後に聞こえたのは楽しげな笑い声と友人を呼ぶ自らの声だった。

にこ「って夢を見たのよ!!」

真姫「にこちゃんは私のことなんだと思ってるのよ…」

花陽「ダレカタスケテ……」

凜「かよちんを怖がせるにこちゃんは許さないにゃ!!」

にこ「一番怖かったのは私よ!!まったく…」

真姫「………ウフフ♪」

にこ「なに、その笑い…」

真姫「ん?別に?可愛いなぁって思って」

凜「真姫ちゃんがにこちゃんを褒めた…」

真姫「別に褒めてなんかいないわよ?」

にこ「そうね、私が可愛いのは当然のことよ?」

真姫「にこちゃん」

にこ「なによ?」


ギュー

にこ「!?」

真姫「よしよし、怖かったね」

にこ「はぁ!?」

花陽「真姫ちゃん……」

凜「どうかしちゃってるにゃ…」

真姫「たまには優しくしてあげないとね?」

凛「なら凜も!!ぎゅー!!」

真姫「ちょっと苦しいわよ」

花陽「あわわ……」

真姫「ほら花陽も」

花陽「いいの…?」

凜「かよちんも早く来るにゃ!!」

花陽「じゃ…じゃあ…ぎゅー」

凜「もう!!かよちんたら遠慮しちゃってー!!ぎゅー!!」

花陽「く、くるしいよ凛ちゃん…」

真姫「あっ…」

凛「ん?どうしたの真姫ちゃん?」

真姫「にこちゃんが気絶してる」

にこ(もう巻かれるのはこりごりよ…)ブクブク

へび編おわり
かきためたらまたきます

近いうちに更新します、止まっててごめんね!

真姫「さて…」

重い腰を上げる。
私はこの子達の親に等しい。

まき「親に等しいって言っても私なんだけどね」

真姫「あなたが一番私に近いんだから語尾にあれをつけなさいよ…まったく」

まき「はいはいわかったにゃしょうがないにゃー」

真姫「…これはこれで凛みたいね」

私のクローン達はそれぞれモチーフとなった動物達と同じサイズまで成長する。
全員に言えることは顔の造形や毛色など一部私と似ている…

たとえばまきすたーことハムスターと私を組み合わせた私のクローン。
この子は毛色が私の髪と同じルージュのような色をしている。

だけど稀に、私の人間としての遺伝子の方が勝る場合がある。

種族の違う動物の遺伝子の融合なんてモラルに反する事は公に調べることが出来ず、どういった要素が絡むことでどちらの種族がベースになるかはまだわからない。

ただ、人間の遺伝子が勝つと今私と話をしている"まきねこ”や"この子達”みたいに人と同じようなサイズまで成長してしまうのだ。

真姫「私のクローンだらけって状況ももう慣れちゃったわね…」

ほのとり「ねぇねぇ早く穂乃果達を起こし行かせてよ~!!」

うみとり「私たちの姿は人ですが…本人に見つかった時が大変ですよ…」

ほのとり「なんで?」

うみとり「考えてみてください、突然自分と同じ顔をした人間が目の前に現れたらどうなると思います?」

ほのとり「そりゃ…びっくりしちゃうね」

うみとり「穂乃果は今それをしようとしているのですね」

ほのとり「ああなるほど…」

ひよこだった2年生組はあれから本人達と変わらないサイズまで成長し、本人達とほとんど変わらない姿になってしまった。

真姫「でもあなたたちには感謝してるわ…私一人じゃここの管理はかなりキツいものがあったし…」

うみとり「いいんですよこれくらい、私達からしたら家を与えてくれたお礼ですから」

ニッコリと笑うその笑顔も本人と変わらない無垢な笑顔。

ほのとり「あのさぁ…」

こととり「穂乃果ちゃんおなかすいたんだって」

ほのとり「なんでわかったの!?」

真姫「さすが幼馴染みね…」

3人…いや3羽?…まぁいいや。
3人の食生活は普通の人間と変わらない物を食べている。
外見は人間ということもあり内臓の位置や数、サイズともに普通の人間と変わらない。

ただ決定的な違いは背中に羽と羽を動かすための発達した筋肉があるということ。
実際に飛んでいるところはまだ見たことがないけど…飛ぶとは思うわね…

真姫「今日は秋刀魚よ」

うみとり「もうそんな季節でしたね…」

ほのとり「食欲の秋だね!!」

うみとり「それなら穂乃果のいる空間は常に秋ですね…」

こととり「そういえば焼き魚の食べ方って人によって違うよね~」

真姫「そうね、私は頭を落とさずに内蔵だけ取って焼いちゃうけど…」

…おかしい
ここのクローン専用の家から出たことが小さい頃の一度しかないのにも何故そんなことがわかるんだろう…

うみとり「料理番組では頭を落としいる人もいましたが、見た目の違いなんでしょうかね…」

真姫「…そうね」

私は心配になる。

このクローンの私達が存在している事が世間にバレたらどうなってしまうのか。
きっと殺処分は逃れられないだろう。
非人道的な事なのはわかっている。

ここまで家族のように関わってしまった今、いざ別れのが来た時私はどうなってしまうのだろう。

クローン専用の家は私の家の敷地内にある。

週に一度、私がいない間にクローンの追加が行われる。

実の所、私はクローンの生まれる過程を知らない。

恐らくパパが作っているのだろうけど何の為に作り何をしているのか私には分からない。

自室に戻り私は自分の健康状態を記録する。

これは私が小さい頃からの日課で、小型の機械を頭や胸、腕などに取り付けて行う。

昔は自分でつけれずママに手伝ってもらっていたけど今は自分一人で行っている。

機械はモニターに繋がっており、表示される数値をノートに書く。
といっても心拍数や血圧を書くだけなんだけどね。

いつも通り学校に向かい、授業を受け、μ’sの活動をして家に帰る。
こんな当たり前の生活を私はしていた。

だけどある日、家の庭に地下へと続く小屋が建った。

何の話も聞かされていない私は興味本位でその小屋に入り地下へと進んでみた。

進んでいくと一つの大きな扉があった。
その扉の横には1つのボタンがある、どえやらエレベーターのようだ。

エレベーターに乗り、さらに地下に進む。
エレベーターはガラス張りで、周囲を見渡せるようになっている。
といってもエレベーター内の証明で照らされて見えるのはただの鉄のような外壁のみで少し不気味だった。

乗り初めて2分ほど経った。
乗り始めた頃に感じていた不気味さは恐怖へと変わり始めていた。

携帯は圏外、いまだに地下へと降りるエレベーター。
もしかしたらこのまま出れないのかもしれない…そう考えていた。
だけどこの考えは直ぐに撤回することになる。


突然、周囲から日が差してきたのだ。


私は思わず瞼を閉じた。

地下なのにとても明るかったのだ。

地下の空に太陽があるかのような、外と何ら変わらない景観がそこにはあった。

今回の更新はここまで、仕事がまた落ち着いて書きためたら来ます!
更新遅れてすみませんでした!

年内に更新できたらします!すみません!

空から生えたエレベーターは私を乗せて地上に降り立とうとしていた。

私は遠い景色ばかりを気にしていたあまり自分の足元に城が建っていることにすぐには気付けず、見つけたときは腰を抜かしてしまった。

そのお城は以前希が一度は行ってみたいと言っていたドラッヘンブルク城に似ていた。
その時の何故か絵里の驚いた顔は今でも忘れない。

真姫「家の地下にこんなのがあったなんて…」

エレベーターはそのまま城の中に沈んでいく。
外から見るととてつもなく長い煙突のように見えているのだろう。

(イメージ)http://i.imgur.com/KkWRoT7.jpg

城の中まで運ばれた箱の扉が開くと、そこは豪華な家具がたくさんあった。
人の気配はなく、印象としては掃除の手が行き通っていてとても綺麗だ、と思った。

真姫「…随分と立派ね」

真姫「持ち主は…パパかしら?」

『あら?お客さんかしら?』

突如聞こえた声に警戒をする
先程までの印象は確実に打ち消された。
ここは見知らぬ人の城なのかもしれないし、なにより私は今侵入者なのだから…

ただ姿がどこにも見当たらない。
確実に人間の声だったしどこかに隠れているのか…

『…もしかしてマキ?』

名前呼ばれ更に警戒をしたと同時に、危機感をおぼえる。
私の事はここの住民に知られている。

『そんなに警戒しなくても大丈夫よ』

『とって食べたりなんかしないから…』

真姫「早く出て来なさいよ!!」

『やっぱりマキなのね…短気でいつもカリカリしてて…』

『みんなと同じじゃない』

真姫「みんなと同じ…?」

私にはその言葉の意味がわからなかった。

『よいしょっと』

少しババ臭い言葉とともに何かが落ちる音がした。

『後ろよ』

どこからともなく落ちてきた彼女には猫耳が生えていた。
そしてもう一つ、気になることがある。

真姫「…は?」

鏡を見ているような気分だった。

まき「はじめまして、まきにゃんこと猫のあなたよ」

真姫「まき…にゃん?」

その彼女は私と同じ顔をしていた。

最近有名か妖怪のようなネーミングは一体誰がしたのだろう?
まさか…パパ?
いやそんなことよりもなんで私がもう1人いるの?
しかも猫耳を生やしてて?
…意味わかんない。

まき「…でも不思議ね、パパはここの事を話していない筈なんだけど…」

真姫「それは…」

とっさに嘘が思いつかずそのまま黙り込み表情を曇らせてしまう。

>>232訂正

最近有名な妖怪のようなネーミングは一体誰がしたのだろう?
まさか…パパ?
いやそんなことよりもなんで私がもう1人いるの?
しかも猫耳を生やしてて?
…意味わかんない。

まき「…でも不思議ね、パパはここの事を話していない筈なんだけど…」

真姫「それは…」

とっさに嘘が思いつかずそのまま黙り込み表情を曇らせてしまう。

まき「まぁいいわよ、秘密にしておいてあげる」

真姫「………」

まき「色々とありすぎて混乱してるのかしら?」

真姫「…まぁそんなところよ」

まき「とりあえずこっちにきなさい、紅茶しかないけどいい?」

真姫「あっ…うん、ありがとう」

まき「そこのソファにでも座って待ってて」

指差した先にある赤いソファ。
家にある白のソファと対照的な色合いをしているそのソファに腰を掛ける。
全身を包み込むような感触に、張り詰めいた緊張の糸がほぐれる。

なんというか…幻想的な空間ね。

今回はここまで、クリスマス辺りに更新できるかも?

未来の私へ落ちちゃったんですね…。
まきにゃんを書き終えたらこのスレは終わりなので、改めて推敲をし直してからスレを立てて投下しようかなと考えてます。
もう1つの陽が消えるときも落ちる前になるべくなら投下したいって考えてます。
計画性がなくてすみません。

まき「それで、何からききたい?」

真姫「訊きたい事がありすぎて何から訊いたらいいかわからないって感じね」

まき「姿形が同じ生物が目の前に突然現れたら…訳分からなくなるわね」

まき(でも流石に落ち着きすぎじゃないかしら?)

まき「とりあえず察しはついていると思うけど、私はあなたのクローンよ」

真姫「やっぱり…あなたを作ったのはパなんでしょ?」

まき「ご名答」

真姫「でも何で作ってるのかしら…」

まき「それは私達にも分からないわよ、わたし達は作られたらここに隔離されてるんだけだし…」

"私達”ってことはこの子一人だけじゃないのね…
パパが意味もなくクローンを作るとは思えないし…

真姫「ここに来る前に何がされたりしてないの?」

まき「なにか?」

真姫「ほら…例えば注射とか、手術とか…」

まき「…正直の所、私達はどう生まれたかすら覚えていないのよ」

まき「誰だってそうでしょ?自分が生まれた瞬間の事を覚えてる人なんていないの、それは私達だって変わらないのよ」

まき「でも決まって言えることはあるの」

真姫「決まって…言えること?」

まき「私達はこの城についた瞬間から記憶をする事が始まる」

真姫「…ちょっと意味が分からないわね」

まき「そのまんまの意味よ、私達はこの城に着くまでの間の記憶は一切無いの」

まき「ただついた時点で貴女と学力や身体能力、知識がほぼあるってことはパパから聞いているわ」

真姫「………そう」

真姫「ところで、あなた以外のクローンはどこにいるの?」

まき「この城の中にほとんどがいるわよ」

真姫「そう…例えばどんなのがいるの?」
まき「うーん…人それぞれって感じ?」

真姫「…もしかしてかなりの数がいるの?」

まき「それについてはノーコメントで」

まき「ただ私としては彼女達には会わない方がいいと思うわよ」

真姫「…なんで?」

まき「例えば……そうね」

「あなたはある家に閉じ込められました」

「その家から出ることは許されない」

「与えられるのは食料と暇をつぶす為の遊具のみ、周りには自分と同じ姿をした同じ境遇の者がいます」

「…そして閉じ込められてから半年後に一言こう言われました」


『実はあなたは複製品で、あなたと全く同じオリジナルは外の世界で楽しく暮らしています 』


「あなたはどう考える?」

真姫「………オリジナルと入れ替わりたい、かしら」

まき「その通りよ」

真姫「つまりそう思っている別の私がいるってこと?」

まき「あくまで例えばの話よ?ほかの私達が何を言われているかは私にもわからないわよ」

まき「…少なからず私はそんなこと考えてないわ」

真姫「そう…それを聞いて少し安心したわ」

まき「ただ私からのアドバイスとしてはいますぐここを…」

私のクローンがそう言いかけた途端、背後のエレベーターが空に向かってのぼっていく。
『来客』のようだ。

まき「………遅かったみたいね」

真姫「えっ?」

まき「あなたも私達になるしかないわよ、本物が混ざってても区別は出来ないでしょう…たぶん」

真姫「いやちょっと待ってよ!!別に来るのはパパなんだしなんの問題も…」

まき「今までここの事を隠していたのは誰だった?」

真姫「それは………」

なんの反論も出来ずに私は言われるがまま彼女に連れていかれる。

城の奥深くへ。

暖炉と燭台に火が灯る。
連れてこられたのはいわゆる食堂と言われる部屋だろう。
私自身お城なんかに入った事なんてないし、部屋の構造なんかなおさら知るわけが無い。

まき「たぶんこの部屋には来ないはずよ」

真姫「さっきから曖昧なことばっかね…」

まき「助けてもらえただけ感謝しなさいよ、危うく見つかってたのよ?」

真姫「…なんでパパは隠すのかしら」

まき「やましいことがあるからじゃない?」

真姫「………」

また否定できない答えが私に刺さる。
いちいち言葉にトゲがあるのよね…
…つまり私もそうってことじゃ?

まき「ねぇ?」

真姫「………」

まき「ねぇってば」

真姫「なによ、考え事してるの」

まき「凛や花陽は元気?」

真姫「え?」

まき「だーかーら、凛と花陽は元気?」

真姫「…なんで知ってるの」

まき「いってなかった?あなたの記憶は共有されてるのよ?」

真姫「共有……?」

また1つ謎ができてしまった。
それも記憶の共有なんて…
そんな近未来的な事あるわけがない。

真姫「からかってるの?」

まき「まさか?」

まき「なにか心当たりはない?そういう機械とかに 」

真姫「心当たり……」

ぽーっと考えていくうちに一つだけ心当たりがあった。

アレだ。

真姫「そうだ…なら早く調べなきゃ…」

まき「あら?帰るの?」

私の考えが正しければ明日私はここに来たら…

真姫「そうよ、帰ってこの記憶をあなた…いやあなたたちに共有するのよ」

まき「………そう」

その時の彼女の表情はどこか悲しげだった。

エレベーターのある部屋まで彼女に案内してもらった。
その部屋に既にパパはいなかった。

真姫「じゃあ…行くから」

まき「気をつけてね」

交わした言葉はこれだけだった。
相変わらず悲しげな顔をしたままの彼女は私を見送る。
私はエレベーターに乗り込み空へ進む。

エレベーターを降りると見慣れた自分の家の庭だった。

真姫「戻ってきたのね…」

私は自室に戻りいつものようにあの装置を自分に取り付ける。

幼い頃からつけているこの装置。
記憶の共有をこの装置がしているのであれば私は明日…

今はどうなるかわからないけど、結局は明日になればわかることよ。
最後には結果だけが残る、何においてもそうよ。

目を開けると朝になった。

私はあの地下の城へ向かう。

普段歩き慣れている自宅の階段、フローリングの質感。

すべてが何故か新しく感じる。
緊張しているせい?

今の私にはもうわからない。

エレベーターに乗り込み地下へ進む。

2度目なのに見慣れたような感覚に陥る。

相変わらず明るい地下の世界。

地下のクセに生意気よ。

重い扉が開く。


「また来たわね」


そこには、彼女達がいた。

真姫「わかっていたわよ、貴方達が待っているって」

「昨日まきにゃんから言われなかった?オリジナルのあなたを憎んでいるであろうクローンがいるかもしれないって」

真姫「言われたわよ」

「それでも来たってことは…覚悟ができているのかしら?」

真姫「提案があるのよ、オリジナルである私からのね」

『その提案、是非聞かせてもらいたいね』

私達とは違う声が聴こえた。
幼い頃から聞きなれているのこの声。
私の夢を変えたこの声。

『どうするつもりだ?真姫』

真姫「パパ…」

『真姫にだけは知られたくなかったんだが…知ってしまったものはしょうがない』

『クローンの真姫達をどうするつもりなんだ?』

『メディアに訴えるか?』

真姫「そんなことする訳ない…わたしはただこの子達と一緒にいたいと思っただけよ」

私達がざわめく。

『一緒にいたい?』

真姫「一緒にいればして欲しいこととか外の知りたいことを教えることだってできるじゃない?あの機械を通せば…ね」

『あの機械についても知ってしまったのか…』

真姫「だから私はここで暮らしたい」

『………』

黙り込むパパが私を光で照らす。

そのまま私は眠ってしまった。

その時のことを思い出そうとすると頭の中が真っ白になる。

でも、どこか懐かしい温かみがある。

その光はまるで太陽の温かみ。

心地良く私を包む温かみ。

……………



まき「記憶の共有を通して外の世界を知ること…それ自体は昔からしていた訳だけど…」

真姫「今となっては皆の中で1人だけが散歩程度に普通に外に出たりするし…貴女達を管理だなんて形だけになってるわね」

真姫「…私、あの時パパにまきにゃんみたいに改造されたりしちゃうかもーなんて…考えてたりしてた」

真姫「でも今は私は何もされず、こうしてここで一緒に居るわけじゃない?結構パパってイイトコあるのかも…ね?」

まき「…そうね」

真姫「あっそうだ、そろそろほのとり達を穂乃果達に会いにいかせないと…」

まき「あの子達の事は伝えてないんじゃなかったの?」

真姫「伝えてきたのよ、ついさっき」

真姫「聞いてなかった?」

真姫「確かに隠してきたけど、もう私のクローンのことはみんなわかってるんだしいいんじゃないかなーって思って…」

まき「そう…」

真姫「一体どんな反応をするのかしら…」

まき「……楽しみね」


私は頭頂部の髪が獣の耳のような形をしている彼女達を見ながらそう一言つぶやいた。

終わりです。
HTML化申請してきます。
長々とお付き合いいただきありがとうございました!

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