キョン「明日は俺の誕生日」 (16)

誕生日は最もメジャーなお祝いの一つだろう。その誕生日を俺は明日に控えているわけだが、どうやら明日はSOS団でパーティーをすることになっているようだ。
ハルヒによれば、団員の誕生日は祝うものだと、そういうことらしい。去年はやらなかったのにな。気まぐれなやつだ。やれやれ。
 今日の団活は無しだとハルヒに言われたので、俺は谷口と国木田と一緒に帰っていた。ま、俺以外の奴らはどうせ集まっているんだろうな。ハルヒはサプライズとかそういうことが好きだろうしな。相手が驚かしてくるのなら、こっちは素直に驚いてやるよ。お前が仕掛けた仕掛けなら驚かないやつもいないだろう。


書き溜めあんまりないからしばらくしたら遅くなるかも

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谷口「キョン、たしかお前、明日誕生日だったよな?」
キョン「そうだが」
谷口「俺たちで祝ってやろうか」
ニヤニヤした顔で聞いてくる。こいつは俺の答えがわかってて聞いてるんだ。
キョン「ふん、俺の明日の予定が空いてないのを知ってて聞いてるんだろ」
谷口「当たり前じゃねぇーか。誰が好き好んで男だけのパーティーなんて開くかよ」
国木田「キョンはちゃんと祝ってくれる人がいていいね」
谷口「だよなぁ、涼宮は性格はアレだが顔は良いし、それに朝比奈さん、長門有希と来た。羨ましいぜ。キョン」
キョン「なら変わってくれよ」
谷口「嫌だね。とてもじゃないが涼宮と同じ部活なんて三日も持つ気がしないぜ」
国木田「でも、真っ直ぐでかっこいいよね。涼宮さん」
谷口「校庭に変な落書きとかしなきゃあいいんだけどよぉ」
その落書き書いたの俺だけどな。
谷口「じゃ、ここらで、また明日な。キョン」
国木田「またあした。キョン」
キョン「おう、じゃーな」
一人で帰路につく。
家の近くの公園を通り過ぎようとした時に突如前に現れる影があった。

キョン「うわっ」
???「あ、キョン君。ごめんなさい」
なんとそこにいたのは朝比奈さん(大)だった。
キョン「どうなさったんですか?」
朝比奈(大)「キョン君に、伝えたいことがあります。時間がないので急ぎますが、キョン君は明日、人生で最も大きな難関にぶつかるでしょう。それでも諦めないでください。道はあります。何があっても。キョン君自身のために」
キョン「は、はぁ」
えーっと、なんのことだろうか。ん?ちょっと待て?今とても大事なこと言わなかったか?

キョン「明日?」

朝比奈(大)「はい、そうです。ごめんね、こんなことしか伝えられなくて」

キョン「まぁ、いつものことですし。ちゃんと乗り越えてきてますから」

朝比奈さんは少し考える素振りを見せてから。

朝比奈(大)「そ、そうよね・・・・。応援してるわ。それじゃあ、またね。キョン君。あ、お誕生日おめでとう」

そう言うと朝比奈さんは草むらへと消えてしまった。

どうやらよっぽど急いでたらしいな


行開けるの忘れてた

次の日、眠くて仕方がないような授業を必死で黒板を取りながら過ごしていたらあっという間に放課後となった。
昨日、朝比奈さんが言っていたようなことは起きそうにないくらい平穏な時間だった。

団室こと文芸部室のドアを開ける。

誰もいない。そんなはずはない。ハルヒは俺よりも先に部室についているはずだし、長門もいないなんてこともめったにない。

どういうことだ。まさか、これが朝比奈さんの言っていた・・・・

ハルヒ「誕生日おめでとー!!」

耳元でクラッカーの音がした。

キョン「うわっ!!」

ハルヒ「あっはっはっはっはっは。うわっ!!!だって。あっはっはっは」

ハルヒが笑い転げている。

古泉「どうやら、涼宮さんのサプライズは成功したようですね」

こっちはそれどころじゃなかったってのに。

長門がなんとなくいつもと表情が違う気がする

キョン「長門、この企画はお前が?」

長門「そう」

キョン「そうか」

俺は席に着く。

キョン「ありがとよ」

ハルヒ「なによ。もっと喜びなさいよ。素直じゃないわね」

キョン「お前のサプライズが効きすぎて腰が抜けちまったんだよ」

ハルヒ「うーん、驚かしすぎるのも良くないのかしらね」

みくる「はぁーい、お茶が入りましたよぉ。今日はケーキにも合うように紅茶にしてみました」

ハルヒ「さっすがみくるちゃん。気が利くわね」

俺たちがケーキを食い終わると朝比奈さんは食器を洗いに行ってしまった。

長門は本を読み、ハルヒはまだ何か企んでいるようだな。古泉は意味ありげな笑顔をこちらに向けている。イラつくな、その顔。

朝比奈さんが食器洗いから戻ってくるなりハルヒがカバンの中から何か出した。

朝比奈さんが食器洗いから戻ってくるなりハルヒがカバンの中から何か出した。

ハルヒ「ほら、誕生日プレゼントよ。高かったんだからね。大事に使わなかったら死刑よ」

キョン「ありがとよ。で、これは何だ?」

包装紙でくるまれているため中が見えない。

ハルヒ「開けて自分で見てみなさいよ」

俺は包装紙を剥がし、箱を開ける。

キョン「万年筆か・・・・」

ハルヒ「そうよ。裏を見てみなさい」

裏にはよくわからない記号が彫ってあった。

キョン「このマークは何だ?」

ハルヒ「SOS団団員である証よ!これからみんなに渡すプレゼントにも必ず掘るからね」

キョン「ありがとよ。高くないのか?こういうのって」

ハルヒ「年に一回の誕生日なのよ!ちょっとくらい弾んだっていいのよ」

古泉「では、次は僕がお渡ししましょう。お誕生日おめでとうございます」

古泉からのプレゼントはハルヒのより少し大きい。

キョン「開けていいか?」

古泉「もちろんいいですよ」

包装紙を破く。そこに入っていたのはナイフだった。

古泉「使いやすいものを用意しました。涼宮さんから実用性のあるものと言われたので、これにさせていただきました」

キョン「ありがとよ。大事に使うよ」

古泉「そうしていただけるとお渡しした甲斐がありますよ」

長門「次は私」

長門がこっちへ来る

長門「これを」

とだけ言って包を差し出す。おそらくこのサイズは本だろう。

キョン「開けるぜ?」

長門「了解」

包を開ける。中には俺でも読めそうなくらいには読みやすそうなSFチックな小説が入っていた。

キョン「ありがとよ、今度はちゃんと読むよ」

長門「そう」

長門が少し揺れた。これが何らかの感情表現なのだろう。

みくる「じゃ、じゃあ今度は私から」

みくる「お茶とかお湯呑みもいいかなと思ったんですがこれにしました」

朝比奈さんが包を差し出す。

キョン「開けていいですか?」

朝比奈「はい、もちろん」

包を開ける。中には腕時計が入っていた。

キョン「ありがとうございます。早速今から使わさしていただきます」

朝比奈「そうしてもらえるとうれしいです」

朝比奈さんが笑う。天使がいる天使だ

ハルヒ「じゃ、パーティーはこれにて終了!みんないつも通り通常運転でいいわよ」

パーティーが終わると俺と古泉はオセロ、朝比奈さんは何やら編み物をしているようだ。

長門は窓辺で本を読んでいる。で、ハルヒは俺たちのオセロを眺めている。ていうような感じで時間が過ぎていった。

不意に長門が本を閉じる。

もうそんな時間か。俺はカバンを取り部室から出る。

ハルヒ「鍵返してくるから、みんな、靴箱のところで待ってて」

古泉「分かりました。では先に行っています」

キョン「前向いて走れよ」

ハルヒ「わかってるわよー!」

わかってるなら前を向いて走れよ。

飯おち

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