女「お疲れー」男「いや本当お疲れだわ、もう辞めるわ」 (22)

女「おお、どうした、いつになく荒んでるね」

男「どうしたもこうしたもないよ、日常生活を心配しちゃうよ」

女「また変なお客さんがきたのね」

男「同じ奴じゃないけどな」

女「接客はねー仕方ないよねー」

男「仕方ないとかで済ませてよくないと思う」

女「そんな?」

男「うちさ、書籍とかコミックの取り扱いしてるじゃん」

女「ああ、してるね」

男「だからってわけじゃないけどさ、飲食物の持ち込みは禁止してるわけよ」

女「言ってたね」

男「まあさ、インショップだしさ、近くにカフェだとかクレープだとかあるからさ、わからないでもないわけよ」

女「大手のデパートだとやっちゃうかもね」

男「それでさ、注意するわけじゃん、当店では飲食物の持ち込みはご遠慮させて頂いておりますってさ」

女「当然だね」

俺「ちくわ大明神」

女「なにいまの」ちらっ>>3

男「見ちゃいけません」

女「いや、だって……」

男「だから、とにかく……とりあえず話を戻すね」

女「……うん」ちらっ>>3

男「駄目だってば……で、大体の人はさ、すいませーんとかって出てくれるわけ」

女「そりゃあね」

男「で、今日はね、逆ギレしてきたわけよ」

女「逆ギレ?」

男「は?!」

女「」びくっ

男「じゃあこれどうしたらいいんすか?!」

女「」びくっ

男「て」

女「怖い、なんなの……」

男「意味わかんないよ、意味わかんない、なんなの、逆にどうしたらいいのよ」

女「じゃあ外で食べてきて下さいって言うしかないよね……」

男「そう、それをもっと丁寧な感じで伝えたよ、だって許可できないんだもん」

女「だろうね」

男「彼女連れだかなんだか知らないけどさ、店員に対して威張り散らすのってどうなのよ」

女「私は嫌だな、でも前のバイト先の先輩がそんなんだった」

男「先輩?」

俺「むきー!!!!」

男「」ちらっ>>8

女「」ちらっ>>8

男「……ちょっと場所移そうか」

女「うん、なんか怖い……」



女「このカフェいいよね!」

男「このデパートだとショップ割引が効くからね、あそこのカウンターのお兄さんとか休憩室でよく話すんだ、年も同じだよ」

女「へー……あっどうも」ぺこっ

男「ん、ああ、お疲れ様でーす……いや、いやいやいや、彼女じゃないですよwwwww」

女「むっ」

http://i.imgur.com/53QXwof.jpg

男「はいwwwはい、あーwwwwwお疲れ様でーすwwwはい、わかりましたって!wwwww」

女「」むっすー

男「はー……で、先輩が……なんだっけ?」

女「」むっすー

男「……どうした?またなんかしちゃった?ごめんな?」

女「……別に男は悪くないからいいよ……うん、ごめん」

男「そっか、でもごめんな」

女「ありがと……で、先輩がね、店員に当たる人だったの」

男「おお」

女「先輩が言うには、俺もそうやって鍛えられてきたから同じように鍛えてやってる、みたいな」

男「……わからないでもないけどさ……どうなのよ」

女「私だってわからないよ、そんなの八つ当たりじゃんって思っちゃうもん」

男「な、飲食とかやると食器重ねたりテーブル拭いたりしちゃうもん」

女「オーダーは分かりやすくまとめたりね」

男「正直そういう時駄目な店員がいると余計に目に付くってのもあるけどね」

俺「あはああん///」アヘアヘ

男「接客やらないと客としての態度とか気にしないかもしれないけどさ、やった上でそうする人もいるのかー」

女「うん、それに同調してる人もいたからね」

男「あーでも体育会系の部活とかだとそんなんあるかもね」

女「そうなんだ」

男「ほとんどイジメみたいなシゴキとかね、やられたよ」

女「あー女バスの友達もそんなん言ってたなー」

男「そのノリなのかねー」

女「ねー」

店員「すみません、誠に申し訳ありませんが、他のお客様もいらっしゃいますので店内ではお静かにお願い致します」>>12



男「……大変だなー」

女「ね」

男「あ、後さー」

女「どうしたー?」

男「わかんないよ?個人経営とかならわかんないよ?」

女「うん?」

男「チェーン店で値引き交渉ってどうなのよ」

女「ああーいる、いるわーいるわーそんな奴、いたー」

男「全店一律だから!なんなの!ラス不良ならまだしも!サンプル現品ならまだしも!在庫もあるような商品で値引きって!」

女「ゴネ得ね……あんまり酷いと店長とかは許可しちゃうからね……」

男「だから付け上がるんだろうなー得は得でも正直みっともないよねー」

女「さっきの店員に威張る系と並ぶね、一緒に歩きたくない」

男「縁切るわ……」

女「そんなお金がもったいないなら使わなきゃいいのに」

男「お金がもったいないっていうか、他の人より得してるってのが大事なのかね、優越感っていうかさ……」

女「よくわかんないよ……」

ドヤ顔しながら文庫本読んでる俺「」

求人誌をパシャッパシャッパシャッ

女「……女騎士さん、ジャスコ行こうよ……?」じっ>>15

男「んっ……ああ、MF文庫の新作でしょ」ちらっ>>15

女「女騎士の人気もどうなんだろうね、執筆中は確かに賑わっていたんだろうけど」

男「まあね、そこからどうもって行くかは作者次第でしょ、もうちょい前とかならPOP書いて積んだかもしれないけど」

女「やらないの?」

男「うーん、配本でくる分で十分かな、一応POPは書くし人気出たら積むけど……正直目新しいものではないからね」

店員「申し訳ありません、店内での撮影はご遠慮頂けますでしょうか……?」>>16



男「……小売も大変だけど飲食のがやっぱり大変そうだなー」

女「居酒屋やったけどあれはやんない方がいいね、うん」

男「あーゲロとかね、酔っ払いのセクハラとかね」

女「お酒も入る分気が緩むんだろうね、ちょっと……ちょっと常識を忘れがちっていうか……」

男「ああ、うちにくるようなクレーマーが酔ったらと思うと……考えたくもないわ……」

女「ていうかさ、サブカルコーナー増やしたよね」

男「あ、気付いた?」

女「気付くよ!そりゃ気付くよ!だって一棚全部あんなんなってたら気付かざるを得ないよ!」

男「照れるなー」

女「男んちの本棚みたいになってたじゃん、売れるの?」

男「わかんない、でも売りたい」

女「やりたい事は売上出してからやれって前に言われてたじゃん」

男「だからコーナー替えと称してやってみた、うちサブカル弱かったじゃん?」

女「うん」

男「ないものは売れないじゃん、置いときゃ売れるかもしれないじゃん、充実させたらファン出来るかもしれないじゃん、あそこすげー品揃えいいんだよ、みたいな」

女「お、おお」

男「だから」

女「……置いたって売れないよ!青○工藝はそんな馬鹿売れする出版社じゃないよ!○尾も○越も○籠も入門には厳し過ぎるよ!」

男「大○は古いけどフィギッシュのジャケ買いとかまだあるし駕○だってそうだよ!丸○なんて安易なエログロなんかじゃないんだからな!むしろイラストレーターの横○が出してるあの辺なんかよりはずっと入りやすいわ!」

女「○山馬鹿にすんな!そんの気軽に入られたくないわ!ニュー土○もトラベ○もアウトド○ーもベビーブー○も最高だわ!特典欲しかったわ!同級生の兎○が羨ましいわ!」

男「お、おお……」

エルサ「レリゴー」
アナ「」

女「はあ…はあ…ありのままの姿を見せ過ぎたわ……」

男「うん、ちょっと怖かったわ……うちでサブカル担当やってくれ」

女「前に別の書店で働いて破産しかけたからやめとく、客としていくのがいちばんだわ……」

男「そっか、今それを体験してる真っ最中だわ……」

女「欲しい物を仕入れる事も出来るし情報もいち早く入ってくるし編集さんからごにょごにょだし」

男「やめられないわ、給料全部持っていかれるわ……」

女「あれ、辞めないの?」

男「こんな天職辞められるわけないだろ!!!!!」

女「聞いて損した」



おしり

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