アルミン「進撃のアルレルト兵団!!!」 (208)

原作ネタバレ、キャラ崩壊、オリジナル設定あり


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――――――843



エレン「…でよ、明日そのミカサって女と会いに行く事になっ」

アルミン「女の子だってぇ!?僕も行かせてくれ!!」ガシッ

エレン「うお!?あ、ああ…別にいいけどよ」

アルミン「楽しみだね、エレン!!」キラキラキラ

グリシャ「…で、アルミン君もついて来ることになった」

アルミン「どんな女の子なのかなぁ」

エレン「東洋人らしいよ」

アルミン「東洋人!?まさかヤマトナデシーコ!?」

エレン「訳わかんねぇよ」

グリシャ「可愛い子だよ、ははは」

アルミン「…うっ!!」ピキイィィンッ

グリシャ「!どうした!?」

アルミン「何か…嫌な予感がするぞ!」

エレン「これは、アルミンが何か危険を察知した時の反応だ!!どうしたんだ!?」

アルミン「ヤマトナデシコの家で何か起こりそうな感じがする!!」

グリシャ「なんだって!!」

エレン「アルミンの勘はよく当たるんだ、行こう!!」ダダダダダッ

アルミン「はあ…はあ…待ってくれエレン…」ザッザッ

エレン「ああもう、ホント運動は駄目だな!!」

――――――――

ミカサ「…ねえ、子供ってどうしたら出来るの?」

ミカサ母「さあ…お父さんなら知ってるんじゃないかしら」ニコッ

ミカサ父「ああ、知ってるぞ。子供はS…」

コンコン

ミカサ父「お、先生が来たのかな?」

ミカサ母「いま何を言おうとしたの」

ミカサ「??」


強盗「強盗だ、動くな!!」バンッ

ミカサ父「ひっ!」

強盗2「父親はコロせ」

ミカサ母「あなた!!」

ミカサ「え…あ…あ」オロオロ

強盗「しね!!」

ミカサ父「うわあああああ!!!」

ミカサ母「あなたあああ!!!」

ミカサ「お父さん!!」



「やらせねぇぜ!!!」

バキッ!!ドゴッ!!


強盗「ぐふぉっ!?」ドサッ

ミカサ父「!!」

ミカサ母「!!」

ミカサ「!!!」


エレン「助けに来た!!」

グリシャ「大丈夫ですか、アッカーマンさん!!!」

アルミン「危機一髪でしたね!!」


強盗2「このガキ…」

エレン「うるさいうるさい!!」ドゴッドゴッ


強盗2「いだあああ」
強盗3「負けちまったぜえ!!」

グリシャ「エレンの格闘術は大人の格闘家並みの実力があるのだ」

アルミン「後は憲兵を呼んで逮捕してもらおう」


エレン「…大丈夫か?お前がミカサだな。もう心配ないぞ」

ミカサ「!!」ズキュウウウウンッ

ミカサ「ありがとう///」

アルミン「お、君がミカサだね!みんな怪我が無くて良かった」

エレン「アルミンが危険を察知したから助けに来れたんだ。感謝するんだぞ」

ミカサ「ありがとう。アルミン」

アルミン「あっはっは!照れちゃうなぁ!!」

エレン「ほら、最近寒くなってきたし…マフラーやるよ」シュルッ

ミカサ「!」ドキンッ

エレン「温かいだろ?」

ミカサ「うん…温かい」

アルミン「お、これはいい雰囲気じゃないかな!?」

―――――――844

ミカサ「行ってきまーす」

ミカサ母「エレン君とアルミン君と遊びに行くの?」

ミカサ父「気を付けてな」

ミカサ「うん!」



―――

アルミン「うひょおおお、スゲェ!!これは凄いぞおお!!!」

エレン「どうした、アルミン?」

ミカサ「今日も元気いっぱい」

アルミン「この本を見てくれ、外の世界だよ!!」

エレン「外の世界!?」

ミカサ「??」

アルミン「外の世界のほとんどは海と呼ばれる水に覆われていて…しかも大量の塩が含まれているんだよ!!!」

エレン「なんだって!?塩って凄く貴重なんだろ!!商人が取り尽くしちゃうよ!!!」

ミカサ「大変、なら早く私達の分も取って来なきゃ…」オロオロ

アルミン「いや、取り尽くせないほど海は広いんだ!!!」

エレン「んな訳…」

アルミン「広いんだ!!!!!」キラキラキラキラキラキラ

エレン「…!!」

ミカサ「凄く輝いてる」

アルミン「…炎の水、氷ね大地、砂の雪原。きっと外の世界には僕らの知らないワンダーランドが無限に広がっているんだ!!」

エレン「外の世界か…何だかワクワクしてきたな!!」

ミカサ「ワクワクする!」

アルミン「いつか外の世界を…探検出来るといいなあ!!!」

――――――

子供「オラオラ、あっち行けよ気持ち悪い!!」
子供「ギャハハハ!!」

ヒストリア「…!!」ヨロッ


ヒストリア「…」


(どうしてこんな事になっているんだろう)


(私は産まれた時から生きることを望まれていなかった。お母さんからも愛されていなかった)

ヒストリア「…」

馬「ブルル…」

ヒストリア「…」グスッ

(私は何の為に生きているんだろう…)

――――――845 ウォール・マリア陥落の日


ライナー「…いよいよだな」

ベルトルト「うん、壁を破壊して戦士としての役目を果たすんだ!!」

アニ「…」

ライナー「アニ、不安か?」

アニ「…私、疑問に思ってるんだ、ずっと……壁内には悪魔が住んでるって教えられてきたけど…本当にそうなのだろうかって」

ライナー「……」

ベルトルト「…」


ライナー「そんなはずは無い、きっと住んでるのは悪魔だ!!人間じゃない!!そうでなけりゃ俺達は…何の為に…」

ベルトルト「…」

アニ「…」

ライナー「…くっ。気にしたら駄目だ、俺達は戦士なんだから」


…たぶんそれは皆が疑問に思っていただろう。でも故郷で教えられてきた通り、壁内には悪魔が住んでると思い込もうとしていたんだ。
そうでもしないと…壁を破壊するなんて出来ないから。



―――その時、人類は思い出した。奴等に支配されていた恐怖を


鳥籠の中に囚われていた屈辱を………


ドオオオオオオオンッ!!!!!


超大型巨人「…」ブシュウウウウウッ


エレン「あ……奴だ…」

アルミン「ベルトルト・フーバーだ!!!」

エレン「え?」

ミカサ「」ガクガクブルブル

ベルトルト(いま何か僕の名前が聞こえたけど気のせいだよね?)


アルミン「くっそぉ、ベルトルトめ!!よくも壁を壊してくれたな!!」

エレン「いや、誰だよベルトルトって!?」

アルミン「超大型巨人の名前だ!おじいちゃんの本に書いてあった!!」

エレン「おじいちゃんの本スゴいな!!!」

ミカサ「」

アルミン「ほら、ミカサ!逃げるぞ!!」

ミカサ「」

エレン「駄目だ、恐怖のあまり立ったまま気絶してる!!」

アルミン「くっ、普通のか弱い女の子だから仕方ない!!!」

ミカサ「」

そうですよ。あっちはどんどん自分のやりたい事と違う方向に進んでしまって気に入らなかったので書き直しです。
今回は短く書きたいとこだけまとめてやります


エレン「…あ!壁の破片が俺んちの方向に!!」

ミカサ「…っ!!!え!?ど、どうしよう」オロオロ

アルミン「大丈夫だ、今計算してみたが…あの破片の飛び方ならエレンの自宅よりギリギリ三センチ横くらいに落ちたはずだ!きっとオバサンは大丈夫さ!!」

エレン「本当か!?なら良かった…」

アルミン「でも巨人が侵入してるから危ない事に変わりはない!早くカルラオバサンのとこに行こう!!」

エレン「おう!!!」ダダダダダッ

アルミン「うわ、エレン早い!!」

ミカサ「待って~」トテテッ

エレン「二人とも遅いぞ!」


ボガアアアアアアンッ!!!

鎧の巨人「…」シュウウウウウッ

エレン「ぐっ、また巨人が…」

ミカサ「え…あ…」オロオロオロオロオロオロ

アルミン「ぐっ、あいつはライナー・ブラウンか!!おじいちゃんの本に書いてあったぞ!!!」

エレン「お前のおじいちゃん何者だよ!!?」



………こうして、ウォール・マリアは巨人により制圧され、人類はウォール・ローゼへの後退を余儀なくされた。
カルラ、ハンネスらは生存していたが、グリシャは行方不明…
人類は二割の人口と3分の1の領土を失った。

波乱の時代の幕開けである。



エレン「くそ……巨人どもめ、駆逐してやる!!この世から…一匹、残らず!!!」

アルミン「待てエレン!巨人を駆逐したところで解決しない、巨人は無理やり変えられた元人間なんだ!!!」

エレン「は!?」

ミカサ「ふあっ!?」

アルミン「…と、思う!!!」

エレン「予想かよ!!」

アルミン「巨人は何かの目的の為に作られた存在だ!と思う!!だからきっと本当の敵は人間なんだ!たぶん!!」

エレン「んん…アルミンが言うならそんな気がしてきたな。だが、やはり巨人の存在が脅威である事に変わりはない」

アルミン「ああそうだ!だから巨人が襲って来るなら迎え撃たなきゃならない!僕が言いたいのは、憎しみや怒りだけで戦うなって事さ!!」

エレン「なるほどな…わかったぜアルミン。冷静さも必要だよな」

ミカサ「アルミンってやっぱり凄い」

アルミン「まあ…本当の敵とかどうでもいいんだよ。僕らはただ…外の世界を探検したいだけだからね!!」

エレン「ああ!この世界を巨人のいない自由な世界に変えて…外の世界を探検する!その為に俺は兵士になってやる!!」

アルミン「僕も行くぜ、友よ!!」

ミカサ「私も!」

エレン「ミカサは心配だなぁ…普通のか弱い女の子だから」

ミカサ「やだ、私も兵士になる!」

アルミン「まあ、ミカサがなりたいって言ってるならいいじゃないか。本人の意思を尊重しよう」

エレン「そうだな…わかったよ。無茶はするなよ」

ミカサ「うん!」



――――――二年後



キース「貴様は何者だ!?」

アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!!」

キース「そうか!バカみたいな名前だな!!」

アルミン「じっちゃんが付けてくれた名前をバカにするな!!!」

キース「そうか!お前には巨人の餌にでもなって貰おうか!!はい次!!」グルッ

アルミン「なんてスパルタ教育なんだ!!!」


キース「貴様は何者だ!?」

ミカサ「ひっ!!?」ビクッ

キース「いや、ひっじゃなくて何者だって!?」

ミカサ「し…シガンシナ区出身!ミカサ・アッカーマンです!!」ビクビク

キース「何しにここへ来た!?」

ミカサ「へ、兵士になって…自由を手にして、外を探検する為です!!」ビクビク

キース「…涙目でビクビクするな。なんか私が悪いみたいだ」

ミカサ「うう…」

エレン(やっぱり心配だ…)

キース「貴様…本当に兵士になれるのか?」

ミカサ「が…頑張ります!」

キース「……何か特技はあるのか?」

ミカサ「………えっと………野菜作り…?」

キース「…」

エレン「…」



キース「そうか、頑張れよ」ポンッ

ミカサ「はいっ!!」ビシッ


アルミン「教官、アッカーマン家の野菜は美味しいですよ!!!」

キース「静かにしていろ」

キース「貴様は何者だ!?」

クリスタ「……クリスタ・レンズです」

ユミル「…」ジロッ


アルミン「嘘つけえええええええ!!!!!」

クリスタ「!?」ビクッ

エレン「ちょっ…コラ」

キース「うるさいぞアルレルト!!!」

ユミル(なんだあいつ)


アルミン「僕の天才頭脳、人類最強の観察力を甘く見るな!!!君が出身地と名前を言うときに一瞬なにか考え事をして暗い顔になっていた!!更には声のトーンや顔の表情や雰囲気からも何となく察する事が出来る!!!僕はしっかり見ていたぞ!!!」

アルミン「君は自分を偽って生きているな!!!」

ミカサ「アルミン……そんなこと言ったら失礼…」

エレン「いや、俺も何となくわかるぞ」

クリスタ「…」

アルミン「何があったのかは知らないが、恐らく辛い過去があったのだろう…だが、いつまでも何かに縛られてちゃダメだぞ!!!」

クリスタ「…」

アルミン「何かあればいつでも僕に相談してくれ!僕は天才頭脳のアルミン・アルレルトだ!!僕の人生経験を甘く見ないでくれよな!!!」

ミカサ「アルミンはまだ十代…」

クリスタ「…ありがとう」クスッ

ユミル「笑った!?」

アルミン「あとそこでさっきからクリスタちゃんをジロジロ見てるソバカスレズビアン!!!」

ユミル「はあ!?誰がレズビアンだテメェ!!!」

アルミン「アルミンジョークさ!!許してくれ!!」

ミカサ「アルミン…物凄く失礼。あの……ごめんなさい」オロオロ

ユミル「…」

アルミン「クリスタちゃんはまだ生まれたての赤ん坊みたいな存在だ!お世話は頼んだよ!!」

ユミル「はあああ!? 」

エレン「おい…アルミン。そろそろ静かにしないと、教官が…」

アルミン「え?」

キース「…アルレルト…」ゴゴゴゴゴ


アルミン「すいませんしたああああああ!!!」

―――――

サシャ「はあ…はあ…」ザッザッザッ


コニー「あの芋女まだ走らされてるぜ」

アルミン「確かに彼女の食べていた蒸かし芋は美味しそうだったからね。つまみ食いしたい気持ちは痛いほどわかるよ」

コニー「そういえば、お前名前呼ばれてなかったけど…」

エレン「ああ。俺はエレン・イェーガーだ。こいつらと同じ出身のシガンシナ区だ」

アルミン「僕は天才頭脳アルミン・アルレルトさ!!!」ビシッ

ミカサ「ミカサ・アッカーマンです」ペコッ

ジャン(可愛い)

コニー「って事は見たのか!?超大型巨人!!」

エレン「ああ。鎧の巨人も見た」

アルミン「奴等の本名はベルトルト・フーバーとライナー・ブラウンと言うんだ!!おじいちゃんの本に書いてあったんだ!!」

ミカサ「おじいちゃんの本って凄い」

ベルトルト「!?」

ライナー「!?」

マルコ「え…ベルトルトとライナーって…」

ベルトルト「あはは、まさか同姓同名だなんてねぇ…」

ライナー「ビックリだな!あはははは…」

アルミン「まあ、同じ名前の人くらい探せばいるさ!!気にしなくていいよ、あははは!!」

エレン「そうそう、気にすんな二人とも!!」ポンッ

ベルトルト「そうだよねぇ…あはは」

ライナー(その優しさが更に辛い)

アニ「…」

アルミン「そう言えばあのソバカスちゃんも名前呼ばれてなかったね」

コニー「あいつはユミルとかいうらしいぞ」

アルミン「ユミル?何かそれもおじいちゃんの本で見たような…」

ライナー「お前のじいさん本当に何なんだよ」


―――――食堂


ジャン「な、なあ…あんた」

ミカサ「!えっと…」

ジャン「ジャンだ……その、綺麗な黒髪だな」

ミカサ「?ありがとう」

ジャン「良かったらよ…今夜一緒に食じ」


アルミン「おいコラそこの!!!ウチのミカサに何してんだ!!!」ビシイッ

ジャン「!?」ビクッ

ミカサ「あ、アルミン」

エレン「ミカサ!知らない人には付いていくなっていつも行ってるだろ!!戻って来い!!」

ミカサ「うん、わかった」トトトッ

ジャン「」



エレン「…サシャ、まだ走らされてるな」

ミカサ「可哀想だからご飯持って行ってあげようよ」オロオロ

アルミン「ダメだよミカサ。サシャが悪いんだから」





クリスタ「…」


クリスタ「…」ゴソゴソ



ユミル「…」ジーッ


アルミン「…」ジイイイイイイイッ


ライナー(クリスタ可愛い)ジイイイイイイイッ



コニー(クリスタの奴3人からジーっと見られてるぜ)

―――外

サシャ(はあ…はあ…まさか、本当に死ぬ寸前まで走らされるなんて………)

サシャ(村を出たら美味しいものがいっぱい食べられると思っていたのに)フラフラ

サシャ(もっと…色んなものを……食べたかっ…た…)


ドサッ



タッタッタ…



サシャノーズ「ピクリッ」



サシャ「がああああああっ!!!」シュバッ!!

クリスタ「キャアアアアアッ!!?」

ドシャアッ!

サシャ「こ…これはパアンッ!!!」


クリスタ「それだけだけど取っておいたの……でも、その前に水飲まなきゃ」

サシャ「…!!!」

クリスタ「?」


神様っ!!?

サシャ「貴女が、貴女が神様ですか!?」

クリスタ「え!?」


ユミル「お前何やってんだ?」


クリスタ「えっ!?」ビクッ

アルミン「なにしてんだクリスタ!?」

クリスタ「ひゃっ!?」ビクッ


ユミル「何でテメェまでいるんだよ!?」


アルミン「大丈夫…君と目的は同じだ」

ユミル「…そうかい」


クリスタ「あの…」

ユミル「お前、いいことしようとしてただろ?」

クリスタ「え?」


アルミン「いいことしようとしてただろ!?」

クリスタ「ひっ!?」

ユミル「…晩飯でパンを隠してるときからイラついてた。親に内緒でペットを飼ってるみたいでな」

クリスタ「…え?」

アルミン「僕もお腹空かしてるから僕にもパンをくれ!!!」

クリスタ「え、あ、あの…ごめんなさい、パンはあれしか無くて…」オロオロ

ユミル「それは本当に芋女の為にやったのか?お前が得た達成感や高翌揚感はその労力に見合ったか?」

クリスタ「え…」


クリスタ「…私がこうしたかったのは……」


クリスタ「役に立つ人間だと思われたいから……なのかな?」

ユミル「は?知るかよ」

アルミン「クリスタ、いいのかい?君のした事が原因でサシャがパンを食べた事が教官にバレて…サシャが更に罰を受ける可能性もあるんだよ」

クリスタ「…!あ…」

アルミン「ああ。もしそうなったら大変だ……最悪、開拓地送り………」

クリスタ「…!!」ジワッ

アルミン「それに君は自分のパンをあげたんだろ?明日の訓練ちゃんと出来るのかな?途中で空腹で事故でもしたら…」

クリスタ「…」

アルミン「…」ジイイイイイイイッ


アルミン「あはははは!!ごめんごめん!!そう泣きそうな顔しないの!!」ポンッ

クリスタ「え?」

アルミン「いやいや、別に君がした事を責めてる訳じゃないんだ。気持ちは分かるし…優しいのはいいことだよ」

アルミン「ただ、わかったよ…君は優し過ぎる」

クリスタ「え?」

アルミン「…もう少し自分の為に生きてもいいんじゃないかな」

クリスタ「…」

ユミル「…」

アルミン「じゃ、ユミル。後は頼んだよ」

ユミル「…何しに来たんだお前は」

アルミン「あははははは!!」ザッザッ

クリスタ「…」


アルミン(……いけないな、あれは重症だ。恐らく誰からも愛されず生きてきたんだろう………後先考えず行動してる感じから、人との接し方も分かってないんだ。だからとにかく良い事をして他人から嫌われたくないって雰囲気だな)

アルミン(しかもそれが本来の優しさとごちゃ混ぜになって自己犠牲的になっている。自覚も無いみたいだし…あのままじゃいずれ早死にするぞ)

アルミン(まあ…でも、ここには良い人が多いし…ユミルも口は悪いが頼りになりそうだし…そして)

アルミン「この僕がいる!!だから大丈夫だ!!!」






ユミル「…芋女を運ぶぞ。お前じゃこいつ持ち運べないだろ」

クリスタ「…貴女はなんで、いいことをするの?」

ユミル「こいつに恩を着せて利用する為だ」


アルミン「んな事言ってユミルもサシャが心配なんだろう!?優しいなあユミルも!!あははは、女神様が二人だ!!」

ユミル「うっせぇボケ!!つかさっさと帰れ!!」

クリスタ「…」

サシャ「グガー…グガー…」

――――――翌日

キース「今日は適性検査を行う。ただ、体勢を維持したままロープにぶら下がるだけだ。これすら出来ん者は囮にすら使えん」

アルミン「囮になどなるつもりは、ないっ!!!」ドオンッ

キース「わかったわかった、お前は開拓地行きだ」

アルミン「そんな!?」

エレン「教官、すみません…こいつ変な発言するけど頭はいいんです…必ず役に立ちます。どうか開拓地送りだけは……」

ミカサ「あの…許してあげて下さい」オロオロ

キース「…ふ、心配するな。ただの脅しだ、本気ではない。まあ、あまり度を越すと本気で開拓地送りにするが」

アルミン「はっ!以後気を付けます!!」

キース「いい友人達だな」

アルミン「彼等はマイベストフレンドリーです!!!」

キース「?」



キース「…と、言うわけで、ブラウス。さっそくお前が先にやってみろ」

サシャ「あ、私ですか?」

キース「昨日の失態を取り返せ!!」

サシャ「は!はい!!」

クリスタ「サシャ、頑張って」

ユミル「下手すんじゃねぇぞ」

ブラーン…

サシャ「出来ました!!!」

キース(うむ……初めてにしては上手いな。食欲が激しすぎる事に目を瞑れば優秀な人材だ)

キース「よくやった。お前達もこのようにするだけだ。さあ、他の者もやってみろ!!」



エレン「よし…出来た!!」ブラーン

アルミン「ふっ、僕のを見たまえ!!」ピーンッ

エレン「うお、すげぇ!全くブレが無い!!」

アルミン「ははは!僕は運動は苦手だが、どの体勢なら完璧な姿勢を維持出来るかはちょちょいのちょいと計算出来るのさ!!」

ミカサ「アルミンってやっぱり凄い」


クリスタ「…う、で、出来た…」ブラーン

アルミン「よっ、クリスタも出来てるみたいだね!!」

クリスタ「あ、アルミン…うん。アルミンも…上手だね」

アルミン「ははは、照れるなぁオイ!!」

ユミル「オイ、クリスタ!私も上手いぞ!!」

クリスタ「本当だ、凄い!」

アルミン「本当に初めて使ったのか疑わしい上手さだね!」

エレン「アルミン、あの二人と仲良くなったのか?いつの間に…」

アルミン「昨日ちょっとね!!!」

キース「今期は出来る者が多いみたいだ…」ザッザッ



「キャアアアアアアッ!!」グルンッ



キース「!!」



エレン「あああ!?」

アルミン「えらいこっちゃああ!!」


ミカサ「…あ…」ブラーン

ミカサ(嘘…皆みたいに体勢が維持できない)ブラーン

アルミン「ミカサがまっ逆さまになってしまったあああ!!!」

エレン「頑張れ、立て直せ!!」

ミカサ(駄目、できない…)


ミカサ(このままじゃ…)


―――――


アルミン「………で、右足を五センチ前に出し、左足を2、5センチちょうど南南東の方角に下げて脇の間を31度ちょうど、1ミリもズレが無いように開けながら背筋を伸ばしロープに掛かる力を……」

ミカサ「…そんな説明じゃわからない…」

アルミン「なんでわからないのさ、もう!!」

エレン「俺もわかんねぇよ」

アルミン「まあ、もう一度やってみよう!!」

エレン「冷静になれば出来る。もう一度やってみよう」

ミカサ「うん」

アルミン「行くぞ!」ギコギコ…

エレン「よし、頑張れ!」

ミカサ「う…うっ」プルプル


ミカサ「わああああっ!?」グルンッ

ゴチーーンッ


エレン「ああああああっ!?」

アルミン「ミカサあああ!!!」


ミカサ「…痛い…」ヒリヒリ

エレン「大丈夫かオイ!?」

ミカサ「うん」ヒリヒリ

アルミン「何でだろうなぁ…まあ、いったん休もう。無理しすぎも良くない」

エレン「そうだな」

ミカサ「…」


ミカサ「やっぱり私には…無理なのかも知れない」

ミカサ「私は…エレンみたいに運動も上手じゃないし…アルミンみたいに頭も良くない」シュンッ

アルミン「人と比べるのは良くないぞ。だいたい僕は運動が出来ない」

エレン「俺はアルミンほど頭良くないしすぐに感情的になっちまう。皆それぞれ欠点はある…完璧な人間なんかいないよ」

ミカサ「…でも、このままじゃ私は兵士になれない」

エレン「俺はそれでもいいと思うぞ。お前にはやっぱり向いてなかって事だ」

アルミン「厳しいなぁ」

エレン「ミカサは怖がりだし、虫も殺せないような奴だ。兵士には向いてない。人それぞれ向き不向きはある」

ミカサ「…」

ミカサ「でも…私は……やっぱり、皆と外を探検したい。一緒に夢を目指したい」


エレン「…そう思ってるなら諦めるな。頑張れ。お前はやるときはやる奴だから…できるはずだ」

アルミン「僕達は応援しているぞ!!」

ミカサ「うん、ありがとう」

―――女子寮


サシャ「…でねぇ、ですからこうブランコに乗る感じでブラブラとすれば…」

ミカサ(サシャは明るくて良い子。いい友達になれそう…たまに何を言ってるのかわからないけど)

サシャ「そうそう、そこにいるアニって人が上手でしたよ」

ミカサ「!」

アニ「…」

ミカサ「あそこの人?」

サシャ「はい、聞いてみたらどうですか?」

ミカサ「うん、わかった」トトッ



アニ「…」


ミカサ「あの…」

アニ「…なに?」ジロッ

ミカサ(目付き怖い)ビクッ

アニ「…何か用なの?」

ミカサ「あ、あの…ぶら下がり方を聞きたくて…」オロオロ

アニ「…適性検査の話?」

ミカサ「うん、それ」

アニ「…」

ミカサ「それで…上手なやり方を聞きたいんだけど……迷惑じゃないなら…」オロオロ


アニ「…別に相談に乗ってあげてもいいけど…何でそんなオロオロしてるの」

ミカサ「あ、ありがとう」

ミカサ(あれ?顔怖いけど良い人なのかな)

―――男子寮


エレン「…で、ミカサの為に上手なやり方を聞きたいんだ…」

ベルトルト「んー、姿勢制御の仕方か…」

ライナー「…すまんが、あれに特別な技術がいるとは思えん。とても期待するような助言は出来そうに無いぞ」

エレン「やっぱりそうだよな…」

アルミン「僕の説明もわからないって言うし…」

エレン「あれは俺もわかんねぇよ」

ベルトルト「…ねぇ…君たちは、シガンシナ区出身なんだよね?」

アルミン「ああ、マイホームシガンシナだ!!」

ベルトルト「じゃあ知ってるはずだ。巨人の恐ろしさを…なのにどうして、兵士になろうと思ったの?」

ライナー「…」

エレン「…最初は巨人への憎しみがあった、家族や友人は生きてたが、それでも多数の犠牲者が出たからな」

ライナー「…ああ…」

アルミン「…」

エレン「でも…俺は今は違う。確かに巨人は脅威だが…それよりも俺は、自分の夢の為に兵士になることを誓ったんだ」

アルミン「ああ!巨人のいない自由な世界にして…外の世界を探検する!それが僕達の夢なんだ!!」

ライナー「…カッコいいじゃねぇか、自分の夢の為に生きるなんてな」

ベルトルト「…羨ましいな、自分の意志で生きていて」

ライナー「…俺にもあるぜ、絶対に曲げられないものが」

アルミン「!」

ライナー「帰れなくなった故郷に帰る…俺達にあるのはそれだけだ」

ライナー「絶対に…なんとしてもだ」

エレン「…」

アルミン「ん?迷子になって帰れなくなったって事?」

ライナー「いや、そうじゃなくてだな」


ライナー「…まあいい。明日はベルトの点検からしてみろ。次は上手く行くはずだ」

―――翌日

ミカサ「…」

アニ「…上手くやりなよ」

サシャ「応援してますよ」

クリスタ「頑張ってね」

ミカサ「うん、ありがとう」

キース「…覚悟はいいな」

ミカサ「はっ!!」

キース「さあ、やれ」

エレン「ミカサ!お前ならやれる!!」

アルミン「行っけえええ、ミカサアア!!!」

ミカサ「…」


ミカサ(私には…兵士になれる素質なんか無いかも知れない…でも)

ミカサ(それでも、エレンやアルミンと一緒に夢を目指したいから!!!)


グラッ…グラッ

アニ「…!」

ミカサ「で、出来た…」

エレン「おお!!」

アルミン「ナイスミカサ!!」

ミカサ「…エレン!アルミン!」


グルンッ


ミカサ「あ…」


エレン「あ!」

アニ「ああっ!?」


ゴチーーンッ!!!

ミカサ「…!!?」


サシャ「ミカサアア!!」

クリスタ「あ…!」

アルミン「なんてこったあああ!?」

ミカサ(え…嘘…)

キース「…降ろせ」

ミカサ「ま、待ってください…まだ…」

キース「…ブラウス、アッカーマンと装備を交換してみろ」

サシャ「え?」



ブラーン…

ミカサ「…あれ?できた…」

キース「…ベルトの金具が破損していた。こんな場所が破損するなど聞いたことが無いが…」

ミカサ「じゃ、じゃあ…適性検査は…」

キース「問題ない。修練に励め」

ミカサ「やった!」


エレン「ミカサ!やったじゃねぇか!!」

アルミン「今夜はパーティーじゃ!!」


アニ「ふっ…」



キース(アッカーマン…正直、兵士には向いてなさそうな人間だが………破損した装備で一時的にでも体勢を維持するとは)


キース(もしかするとこいつは…化けるかも知れんな)


―――――対人格闘訓練
ライナー「はああ!!」ドシンドシン

エレン「危なっ!!お返しだ!!」バシュシュッ

ライナー「うおおっ!!?」ドシャアッ

エレン「…へへ、また俺の勝ちだなライナー」

ライナー「ぐっ…お前強いな本当」

エレン「ライナーも強いよ。あのタックルは強烈だった…まるで鎧の巨じ」
ライナー「おっと、そういやいつも一緒にいるアルミンとミカサは?」

エレン「そこにいるよ」

アルミン「いくぞ、ミカサアア!!」ペチン

ミカサ「負けないよ!」ペチペチ

ライナー「…」

エレン「お前ら…そんなペチペチやっても訓練にならねぇよ」

アルミン「いやあ、運動は苦手だけど楽しいね」

ミカサ「わたし強くなったかな?」

エレン「いや、だからあれじゃ訓練にならねぇって」

ライナー「…俺達が教えてやるか」

エレン「そうだな…不安だし」

キース「全員、いったん休憩だ。五分後また対人格闘訓練を再開する」

ライナー「おっ、休憩か」

アルミン「喉が乾いたなー」

ミカサ「お水欲しい」

エレン「お前らあの運動でそんな疲れた顔するなよ…ちゃんと体力つけろよ」

クリスタ「…あの、みんな…水」

アルミン「おっ、サンキュー、クリスタ」

ミカサ「ありがとう」

ライナー「おう、わざわざ水配ってくれてるのか。優しいな」

クリスタ「ん…みんな疲れてるだろうし」

アルミン「…クリスタもちゃんと休めよ」

クリスタ「え?」

アルミン「いやいや。ありがとう、今度はクリスタも一緒にしようぜ!」

クリスタ「うん、じゃあね」トトトッ

ユミル「おい、クリスタ…またお前は…」

クリスタ「え?あ…だって…みんな疲れてるだろうから水が欲しいと思って…」

ユミル「…まあ…別に悪いことではないんだがな…もう皆ガキじゃないんだから水くらい自分で飲みに行けるだろ」

クリスタ「う、うん…」

ユミル「だいたいお前も疲れてる癖によ。休憩時間くらい自分の疲れ取る為に使えよ」

クリスタ「で、でも…」

ユミル「はあ~…ったく良い子ちゃんもほどほどにしろ」



アルミン(やっぱりユミルに絡まれたな)

ライナー「クリスタは女神だな…可愛いし優しいし…結婚したい」

エレン「…そうか?俺は苦手だなあいつ。なんか…気持ち悪い」

ライナー「んな、気持ち悪いだとお!?」バンッ

ミカサ「!?」ビクッ

アルミン「落ち着けライナー!ミカサがビックリしちゃうだろ!」

ライナー「ん、ああ…すまん」

ライナー「しかし、いくら友人とはいえ今の発言は納得できんな…何が気持ち悪いんだ」

エレン「なんかよ…無理してる感じがしてな。顔も作ったような表情だ」

ライナー「んなあっ!!?あの顔を可愛いと思わないのか!?」

ミカサ「クリスタは可愛い」

ライナー「だよな!?」

ミカサ「でも無理してると思う」

ライナー「な!?」

アルミン「まあ落ち着けライナー…クリスタは元々優しい子なんだろうが……何か辛い過去があって、自分を偽って生きてる感じだ。周りに受け入れられたくて必死に自分を作ってるよ」

ライナー「…」

アルミン「あれは無理してるね。エレンが言いたい事もわかるよ」

エレン「ああ…俺は自分を正直に出すやつがいい」

アルミン「まあ、ここは良い人もたくさんいるから……いつかクリスタも自分をさらけ出して生きていけるようになれたらいいね」

エレン「ああ」

ミカサ(…そういえば…寝てる時のクリスタは……何か幸せそうな顔をしてたな)

キース「休憩は終わりだ、再開する!!」

ライナー「…よし、始めるか」

エレン「おう」

ライナー「そうだ、あそこにアニってのがいるだろ?」

エレン「ん?」


アニ「…」ウロウロ


アルミン「ありゃ上手い具合にサボってるね」

ミカサ「怒られちゃうよ…」

ライナー「おい、アニ!エレンとやってみろよ!!」

アニ「!」

エレン「でも、女の子相手はちょっとなぁ…」

ライナー「心配するな、俺でもおっかないと思ってるくらいだ。男より強いぞあいつは」


アニ「…」イラッ


アルミン「お!アニ…今ちょっとイラッとしたね!?眉間にシワが3本増えたのがわかるよ!!!」

アニ「…」イラッ

アルミン「ん?やらないの?もしかしてエレンが怖いのかなぁ?サボっていいのかなぁ?教官に怒られちゃうよ?ん?そしたら憲兵団いけなくなっちゃうレオンハート!?」


アニ「ふんっ!!!」バシュシュッ

ライナー「ぐあああああ!?」グルングルングルングルングルン

エレン「ライナーが五回転した!?」

アニ「…いいよ。やってやるさ」ザッ

エレン「お前…本当に強いんだな」ワクワク


ミカサ「アルミン…どうしてアニにあんな事言ったの?謝らなきゃ…」

アルミン「ああ、わかってるさ。僕だって適当に暴言吐いた訳じゃない。考えがあったのさ!!」

ミカサ「?」

アルミン「アニがエレンより強いのは一目でわかった。エレンがライナーに勝ったとこを見ても『だから何?私の方が強いわ』って表情だったからね。そして本心は格闘訓練がしたくてウズウズしてそうな雰囲気だった!だからあえてエレンとアニを戦わせてエレンに格闘術を教え込ませる…そしてエレンを更なるイケメン兵士に成長させる!!それが僕の目的なのさ!!」

ミカサ「やっぱりアルミンって凄い!」

エレン「行くぞ!」ダダッ

アニ「…」スッ

エレン「とりゃあっ!!!」
ビシュンッ!!

バッ!バッ!

アニ「遅いよ」ダッ

エレン「な!?」

アルミン「早い!」

ミカサ「がんばれー」

アニ「ふんっ!!!」バシィンッ!!!


エレン「うあああ!!?」グルン

ドシャアアアッ!!!

アニ「…これでいいかい?」

エレン「ってて……お前、本当に強いんだな」

アニ「どうも」

エレン「その技術教えてくれ!!」バッ

アニ「え?」

アルミン「僕の予想通りの展開だ!」

アニ「…まあ、気になったなら…教えてあげてもいいけど」

ミカサ「私も覚えたい!」

エレン「こいつらにもよろしく頼むよ。弱くて不安だからさ」

アニ「うん、いいよ。ミカサもよろしく」

ミカサ「よろしくね!」

アルミン「ははは、頼むよ!レオンハート師匠!!」

アニ「…アルミン、ちょっと来て」

アルミン「ん?」


アニ「ふんっ!!!」バシィンッ!!

アルミン「あいだああぁぁぁ!!!」グルングルングルン

エレン「アルミンが三回転した…」

ミカサ「…」オロオロ


ライナー「ふっ、友達ができてよかったな」

―――夜


エレン「ふう…食った食った」

アルミン「今日もいっぱい訓練していっぱいご飯食べた!楽しかったね!」

ミカサ「楽しかった」

エレン「うん、楽しかったのはいいけどもっと訓練頑張ろうな」

コニー「おーい、寝る時間まで外でかくれんぼしようぜ!」

サシャ「賛成ー!」

ジャン「かくれんぼってお前らな…ガキじゃないんだからよ…」

ライナー「はは、楽しそうでいいじゃないか」

ベルトルト「…僕はやめておくよ」

ライナー「え?」

ベルトルト「ライナー…わかってるだろ?あまり仲良くならない方が……いいんだ」

ライナー「!!…そう…だな」


アルミン「僕もやるぞー!」

ミカサ「かくれんぼしたい!」

エレン「元気な奴等だな…俺も参加するか」

コニー「おう、皆でやろう!」

サシャ「クリスタとユミルも!」

ユミル「私は行かねぇ」

クリスタ「あ…私は…」

アルミン「クリスタも来いよ!」

クリスタ「…いいの?」

サシャ「なんでそんな事聞くんですか、私から誘ってるのに」

アルミン「誘われてるからいいんだよ!ほら、クリスタも行こう、皆で合流を深めようじゃないか!!」ポンッ

クリスタ「う、うん」


ミカサ「アニも行こうよ」

アニ「私はいいよ」

ミカサ「残念…また別の誘うね?」

アニ「…うん、悪いね」


アニ(…深く関わりすぎたらダメだ…戦士に戻れなくなる)

…こうして104期生達は日に日に絆が深まって行った。
クリスタも少しずつ皆と仲良くなってきた。それでもまだやはり何か抱え込んでいる様子だが…


そして、入団1年目の最後に…クリスタを大きく変えていく事件が起こる。

それは雪山での訓練からが始まりだった。





―――雪山―――


キース「これより雪山での訓練を行う。この訓練ではそれぞれ班ごとに分かれて貰うことになる」

エレン「ふう…寒っ」

アルミン「冬は苦手なんだ!」

ミカサ(雪楽しい)コネコネ


キース「では、班を発表する!!」


1班 エレン ミカサ ライナー ベルトルト アニ マルコ

2班 アルミン クリスタ ユミル ジャン サシャ コニー



アルミン「他にも班は色々あるけど関係ないから省略だ!」

1班

エレン「…お、お前らと同じ班か」

ミカサ「エレンと一緒」

ライナー「だいたい、よく一緒にいるメンバーだな。頑張ろうぜ」

エレン「心強いメンバーで嬉しいよ。頼りにしてるぜ、ライナーもベルトルトもマルコも」

ベルトルト「うん、よろしく頼むよ」

マルコ「よかった、僕は忘れられてなかった!」

エレン「当たり前だろ!」ポンッ

アニ「…」

ミカサ「アニも頑張ろうね」

アニ「そうだね」

ミカサ「…格闘訓練以外でももう少し皆と話せばいいのに」

アニ「…まあ…色々あるんだよ」

ミカサ「?」

アニ「それよりあんた何してるの?」

ミカサ「小さい雪だるま作ってる」コネコネ

アニ「…そう…」

アニ(ちょっと楽しそう)

エレン「何してるんだ、早くいくぞー!」

2班


アルミン「愉快なメンバーなってしまったあぁっはっはっは!!!」

コニー「くらえ、俺の雪玉を!!!」ビシュンッ

サシャ「甘いですね、私の雪の弾丸の方が一味も二味も上ですよ!!!」ビシュンッ

クリスタ「ま、真面目にしようよ二人とも…」

ユミル「寒いなぁクリスタちゃんよ」ギュッ

クリスタ「わっ、突然抱き締めないで…」

ボカアアアアアンッ!!!

ユミル「っでえぇぇ!!?」

クリスタ「ユミルウゥゥ!?」

コニー「あ、すまん!雪玉そっちに行っちまった!!悪い!!」

サシャ「すみません、許してください!!」

クリスタ「もう、だから止めようって…」

ユミル「こんのクソガキどもがぁぁぁ!!!」ブンッブンッブンッ

クリスタ「ってユミルまで!?」

コニー「あだあっ!!」ボカッ

サシャ「ユミルの魔球は強烈ですぅ!!」ボカッ

アルミン「あっはっはっは!!」

クリスタ「アルミンも笑って無いで止めるの手伝ってよ!!」

ジャン(…騒がしい班に来ちまったよ…心配だな。ユミルはいつもクリスタにベッタリしてて何か嫌だし。ミカサもマルコもいないし………はぁ、この班で一番マトモそうなのはクリスタくらいか)

ジャン(これでもし、クリスタまで騒がしい奴になっちまったらもうおしまいだな。いや、まさかそんな事はならないと思うが…)

アルミン「さあ、ジャンも雪合戦に参加しよう!!」ポンッ

ジャン「やらねぇよ!!」

クリスタ「真面目にやってよアルミン!!」

今日はここまで

しまった、1つ書き忘れてた話があった。
まあ明日書きます

アルミン「まったく…ミカサが居ないからって怒らないの」

ジャン「は!?何でミカサが出てくるんだバカやろ」

アルミン「分かりやすいなぁ、ねぇクリスタ?」

クリスタ「え?あぁ…うん」

ジャン「」

アルミン「残念ながらエレンと同じ班だよ」ポンッ

ジャン「ぐっ…ええい、テメェも死に急ぎ野郎も気に食わねぇ、チクショウ」

アルミン「ミカサと仲良しだから?」

ジャン「テメっ…」

クリスタ「落ち着いて落ち着いて」オロオロ

ジャン「…はあ…確かに死に急ぎ野郎は嫌いだが…別にミカサだけが理由じゃねぇ。根本的に考え方も合わない」

アルミン「だろうなぁ、あのときも…」
ポワワ~ン

ジャン「回想行くのかよ!?」

クリスタ「…」


―――訓練兵団食堂

エレン「…そして、巨人のいない世界に変えて…外の世界を探検するのが俺達の夢だ!!」

ライナー「ほう」

コニー「カッコいいな!!」

ミカサ「カッコいい!」

アルミン「ははは、僕の天才頭脳でこの世界をひっくり返すのさ!!」

ジャン「ふん…この世界を変えるだ?」

エレン「!」

ジャン「本当にそんなこと出来ると思ってるのかよ」

エレン「…お前は憲兵に入って楽したいんだっけ?」

ジャン「ああ。お前みたいな内心びびって強がってる奴よりよっぽど正直でさわやかだと思うがな。安全で快適な内地に暮らす方が利口な選択だ」

アルミン「まあ、それも間違ってないな」

エレン「…内地が安全だって?お前も聞いてるだろ、超大型巨人は突然現れて壁を破壊した…いつどこに現れるのかわからないんだ。人類に安全な場所なんかない……お前の脳内の方がよっぽど快適だと思うぞ」

アルミン「コラコラ」

ミカサ「エレン…喧嘩腰はダメだよ」オロオロ

ジャン「…」

ジャン「俺がめでたい奴だと言いたいのか?…それは違うな…俺は誰よりも現実を見てる」

ジャン「巨人に奪われた領土を奪還するため人口の二割を投入し総攻撃を仕掛けた事があっただろ」

ジャン「だが…そのほとんどがそのまま巨人の胃袋に直行した…あと何割か足せば領土は奪還できたのか?巨人を一体倒すまでに平均で30人は死んだ。しかしこの地上を支配する巨人の数は人類の30分の1ではすまないぞ」

ジャン「…人類は…巨人に勝てない」


エレン「…」

エレン「そもそも、巨人に物量戦を挑んで負けるのは当たり前だ。人類の今までの敗因は巨人に対しての無知だ。お前は戦術の発達を放棄してまで巨人の飯になりたいのか?冗談だろ?」

ジャン「…」

エレン「例えどれだけ時間がかかっても…この世界を変えてみせる…そして皆が自由に暮らせるようにする。全てが終わったら外の世界を探検するんだ」

ジャン「…はっ、結局は目標だけ決まっててやり方は何も考えて無いんだろ?」

エレン「…」

ジャン「何言ってんだよ、めでたい頭してんのはやっぱりお前の方じゃねぇか」

エレン「…ぐっ、ああ…そうだな…わかったから……さっさと内地に行けよ…テメェみたいな奴がいたら士気に関わるんだ」

ジャン「もちろんそのつもりだが。お前こそ外に出たいんだろ?早く行けよ、巨人がお前を待ってるぜ」

ミカサ「エレン…喧嘩は良くない…」オロオロ

ジャン「…てかよ…」

ジャン「うらやましいんだよテメェ!!!」グイッ

エレン「はああ!!?」

アルミン「あちゃー」

エレン「テメ…いい加減にしろ!!」ブンッ

ジャン「やんのかコラァ!!」

エレン「お前から来たんだろうが!!!」ググッ
ライナー「おい、止めとけって教官が来るぞ」

ミカサ「あ…えっと…喧嘩は…」オロオロオロオロオロオロオロオロオロオロ

アニ「オロオロし過ぎだよ」

アルミン「サシャ、これはなんだい?」スッ

サシャ「それはパンです!!」

アルミン「さあ、取ってこーい!」ポイッ

サシャ「パアアアンッ!!」タタタッ

ジャン「おら、どうした!人間に手間取ってるようじゃ…」

エレン「ぐっ…」

ヒュウゥゥゥ…

パァンッ…

ジャン「あ、なんだ!?」

エレン「これは…パン!?」

サシャ「パアアアンッ!!!」タタタタタタッ

ズザザザザーッ!!!

エレン「うおっ!?」

ジャン「テメ、邪魔すんな!!」

サシャ「モガモガ」


コニー「さすがアルミン。喧嘩を止めちまった!」

アルミン「あっはっはっはっは!!」

アルミン「ジャン…君の言うことも最もだ」

ジャン「!」

エレン「アルミン!」

アルミン「まだ世界を変える方法なんか…わかってない。それをこの世界そのものの事をわかって無いからだ」

エレン「…」

ジャン「…」

アルミン「そして…僕の考えが正しければ恐らく巨人は人工的に作られたもので、その秘密は中央の権力者たちが握っているはずだ」

ジャン「なんだと?」

ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」

ユミル「…」

アルミン「だから訓練兵団を卒業したらまずは壁内から情報を集める…そしてこの世界の秘密を解き明かした時……僕らの反撃は始まる」

アルミン「イッツ ア レッツ アルレルトタイムだ!!!」ドオオオッ



「…???」



エレン「さすがアルミン。頼りになるぜ!」

ミカサ「さすがアルミン!」

アルミン「それにジャン……君の生き方に口出しする権利は僕らに無いが、君に僕らの生き方を否定する権利も無いよ」

ジャン「…ちっ…ああ。そうだな………」

―――――雪山

アルミン「…なんて事があったね」

ジャン「…ああ…あったな…」

アルミン「まあ、なんだかんだでジャンも頭は良く回るんだから、頼りにしてんだぜぃ!?」

ジャン「そうかい…」

クリスタ「…ねえ…早く行かなきゃ教官に怒られちゃうよ…」

ユミル「おらああああ」ブンッブンッ

コニー「わー!」
サシャ「キャーッ!」







ザッザッザッ…

????「…クリスタの様子はどうだ」

????「大丈夫です、言われた通りに余計な事はせず慎ましく生きてますよ」

????「そうか、だがもし余計な事を喋ったり変な行動をしたときは………始末しろ」






アルミン「…んん!?」ピキイィィィンッ

ジャン「どうした?」

アルミン「いや、何か…嫌な予感が」

クリスタ「嫌な予感?」


1班


エレン「ふう…吹雪が強くなって来たな」ザッザッ

ミカサ「手が痛い…」

マルコ「みんな、一番体力の無いミカサに合わせて歩こう」

ライナー「そうだな…無理させる訳にはいかん」

ミカサ「ありがとう…ごめん」

エレン「謝る事は無いよ。こういうので大事なのは体力や速さより集団での団結力だ」

マルコ「そうそう、体力や速さがあってもチームワークが無かったらどうにもならない」

ライナー「まあ、分かりやすい例えを出すなら…エレンとジャンの二人組だったら実力はあってもチームワークは皆無っぽいだろ?」

ミカサ「ああ…納得した」

エレン「納得すんなよ!!」

アニ「…ベルトルト」ボソッ

ベルトルト「!」

アニ「前からクリスタの周りをうろついてた連中…この雪山でも見たよ」

ベルトルト「…やはり何者かに監視されてるのか」

アニ「ああ。もし重要人物だったら故郷に連れて帰る」

ベルトルト「…そうだね」

文句垂れたい気持ちもわかるけど
そうやってここに書き込んで荒らしの片棒担ぐのはおやめになって
なんなら↓をNGワード登録しとくといいざんす

変な艦これ劇場 -鎮守府狂騒曲- - SSまとめ速報
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変な艦これ劇場 - SSまとめ速報
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変な艦これ劇場

―――2班

アルミン「しまった!他の班より出発が5分遅れてしまった!!」

ジャン「無駄話してるからだろうが」

クリスタ「だから早く行こうって言ったのに………」

サシャ「きゃー!吹雪が強くなって来ました!」ザッザッ

コニー「やべー!あははは!」

ジャン「あいつらは相変わらず暢気だし…」

アルミン「ジャン…あれこそ快適だと思わないかい?でも僕はああいう人間が好きだ」

ジャン「お前が言ってもあんま説得力が無いな」

ユミル「寒いなあ、おい。くっついて行くか!」ギュウッ

クリスタ「ちょっ…恥ずかしいから、もう!」

ユミル「可愛い奴め」

アルミン「うん、そのまま引っ付いてなよユミル。クリスタは小さいから簡単に飛ばされちゃうから」

クリスタ「もう!アルミン!」

ユミル(…あいつ、気づいてるな)

アルミン「ジャン…気づいてる?さっきから視線を凄く感じるの」

ジャン「あ?」

アルミン「まあ、前からクリスタといる時はたまに感じてけど………やっぱ誰かに監視されてるようだね。クリスタ。しかも今回は何か…いつもと違う。凄く強い戦闘力を持った人間がいるかも知れない」

ジャン「なんだと?」

アルミン「まあ、何事もなく済めばいいけど…もしもの時の為にユミルには引っ付いてもらってた方がいいのさ」

>>61


たぶん投下するスレを間違えてますよ

1班


ライナー「…お、小屋があるぞ」

マルコ「みんな体力がなくなってきてる…いったん休もう」

エレン「そうだな。ミカサもしっかり休んでおけよ」

ミカサ「うん」

アニ「…と、坂になって滑りそうだね…」

ミカサ「わっ!!」ズルッ

アニ「って、言ってる側から滑るんじゃないよ、危ない!」ガシッ

ミカサ「あ、ありがとう…助かったよ」

ベルトルト「うわあああっ!!!」ズルッ

ベシャアッ

エレン「ベルトルト!?」

ライナー「なに滑ってんだお前は…」

ベルトルト「…」

小屋の中

エレン「ふう…まるで天国だ」

マルコ「休憩する場所くらいは無いと命に関わるからね」

ライナー「今のうちに飯も食っておこう」

ベルトルト「うん」

ミカサ「…」オロオロ

アニ「どうしたの、今日は何にオロオロしてるの?」

ミカサ「マフラーが無い…エレンからもらったマフラー」

エレン「ええ?どっかに落としたか?」

ミカサ「ちょっと見てくる」ガラッ

エレン「迷子になるなよ」

ミカサ「遠くまでは行かない」

ライナー「すぐ戻れよ」

アニ「近く探しても無かったら一緒に遠くまで探してやるよ」

ミカサ「うん、ありがとう」

ミカサ「えっと………あった!」トトトッ

マフラー

ミカサ「近くにあって良かった………」

「………だ」

ミカサ「!」

「~~~」

ミカサ(声?なんだろう……まさか、誰か遭難してるのかな!?)

ミカサ(急いで行ってみよう!)トトトッ


女憲兵「…で、わかったな。クリスタの同期は他にも何かありそうな連中が多い。警戒しておきないさい」

中央憲兵「はっ!!」

女憲兵「もしもの時はクリスタも処分…」



ミカサ「えええ!!?」


中央憲兵「え!?」

女憲兵「誰だっ!?」


ミカサ「え…いや、あの…」オロオロ


ミカサ「大変なところに遭遇しちゃった」

中央憲兵「聞かれてしまいましたよ…」

女憲兵「仕方ない、始末する」


ミカサ(こ、こういう時は……そうだ!大きな声を出すんだ!!)


ミカサ「わああああああ!!!」

中央憲兵「うわ…こいつ!」

女憲兵「他の人間にもバレると不味い…一瞬で楽にしてやる」ガチャッ

ミカサ「エエエェェレエエエエエンッ!!!」

女憲兵「…!エレンだと?」

中央憲兵「…どうしたんですか?」

女憲兵「そうか…思い出した、貴様は確かエレン・イェーガーの友人だったな」

ミカサ「…え?なんでエレンを…」

女憲兵「……前に、グリシャ・イェーガーに持ち逃げされた座標がエレンの中にあると思われている。だからエレンも監視対象なんだ。まだ確証は得られていないがな」

ミカサ「??」

女憲兵「この娘は利用価値がありそうだ」グイッ


ミカサ「わ、ひ…ひとさらいーー!!」バタバタ

女憲兵「大声出すな!暴れるな!」


ザッザッザッ

「おい、誰だその女は」

女憲兵「エレン・イェーガーの友人です。隊長」

ケニー「エレン?あいつが本当に座標を持ってるかはわかんねぇぞ」

女憲兵「ええ、なので彼女を餌に確かめてみようかと」

ミカサ「んー!んー!」バタバタ




―――――

エレン「ミカサ!!!」ザッザッザッ

ライナー「おい、エレン!ちょっと落ち着け!!」

エレン「だが、さっきミカサの声が…」

マルコ「焦るのはわかるけど…その場任せで適当に動けばいいって訳じゃない。まずは冷静になって」

エレン「…!そう…だな、すまん」

ベルトルト「…人さらいとも聞こえたね」

ライナー「なら、何かの目的で連れ去られたか…」

マルコ「もしそうなら、とりあえずミカサの命は大丈夫なはずだ」

エレン「…ああ」

アニ「ったく…誘拐されるなんて、なにやってんの…」

アニ(…やっぱり初めから一緒に行ってやれば良かったか)

―――――2班

ジャン「吹雪がまた強くなってきた…」ザッザッザッ

アルミン「どこか休憩できる場所があればいいけどね。さすがに体力なキツいよ。休まなきゃ体が限界だ…これじゃ僕の天才頭脳も回転しない…そんな事になったら大変だ。僕の天才頭脳が使えなくなるなんてそれはもう人類のピンチ…」

クリスタ「口は元気だね」

サシャ「お、あそこにつり橋があります!」

コニー「お!誰が早く渡れるか競争だ…」ダダッ

ユミル「待てバカども!!」

サシャ「わ、なんですかユミル!?」

コニー「俺は天才だ!!」

ユミル「バタバタ突っ走ってると落ちるぞお前ら」

アルミン「…ユミルの言う通りだね、このつり橋ボロボロだ。雪も積もってるし吹雪も強い…無理に渡れば真下に急降下してしまうよ」

サシャ「え!?」

コニー「危なかった…」

ジャン「だが…違う道を通るなら遠回りしなきゃいけないな」

アルミン「まあ、1人ずつならゆっくり行けば大丈夫さ、まずは僕が行くよ」ギシッ

ジャン「ああ、落ちんなよ」

クリスタ「気をつけて」

アルミン「ん~、高い場所から見る下の景色もいいもんだ」ギシッギシッ

ビュウウウウウウッ!!!!!


アルミン「どわあっ!!?」

ジャン「うっわ!?なんて突風だ!?」

クリスタ「こんなタイミングで!!」


アルミン「うわあああっ!!!」グラッ


クリスタ「アルミン!」

ガシッ!!

アルミン「…あっぶな……」グラッグラッ

アルミン(落ちそうなとこでなんとかギリギリ橋に捕まれたが、不味い…ぶら下がり状態のまま動けない!!)

アルミン「人間は…天候には勝てない!!」


サシャ「アルミン!!どうしましょう…あのままじゃいずれ落ちちゃいますよ!?」

コニー「早く助けに行かねぇと!!」

ユミル「待て、下手に行けば橋ごと一緒に落っこちるぞ」

ジャン「…ユミルの言う通りだ。そうなったら元も子も無い」

コニー「じゃあ、どうするんだよ!?」

クリスタ「…」

ヒュウウゥゥゥ…

クリスタ(下…雪がたくさん積もってるけど…落ちたら死んじゃうかも知れない…)

クリスタ(…死…)


クリスタ「…」

ユミル「!」

クリスタ「私が行くよ、私なら軽いから…落ちないかも知れない」ザッ

ユミル「おいおい待てよ、もし落ちたら…」

クリスタ「…その時は私がクッションがわりになれば大丈夫だよ」

ユミル「…は?お前…」

クリスタ「あのままじゃアルミンは危ない、私の命で助かるなら…」ザッザッザッ

ユミル「おい、待て馬鹿!!!」

アルミン「…クリスタ、君の言う通りだ。このままじゃいずれ落ちる…それなら小さな可能性にでもすがるしか無い」

クリスタ「うん」

ユミル「…ぐっ、ああ、そうだな。確かにそうするしかない。こんな場所じゃ立体機動も出来ないからな」

ジャン「…気をつけて行けよ」

サシャ「ちゃんと二人で帰ってきてくださいね!!」

コニー「約束だぞ!!」


クリスタ「…うん、ありがとう」


アルミン「ゆっくり来いよクリスタ」

クリスタ「うん、アルミンも動かないでね」ギシッ…ギシッ

クリスタ(高い…怖い…落ちたら死んじゃう…落ちないようにしなきゃ……)ギシッギシッ


クリスタ(…)


クリスタ(…死んだら、もう…昔のような嫌な目にあわなくて済むのかな……)

クリスタ(…っ!?え、何を考えてたの私…いけない、アルミンを助けなきゃ…)

クリスタ(…自分の命が犠牲になってもいいから助けなきゃ)

アルミン「クリスタ、余計な考えはするなよ」

クリスタ「!!」ビクッ

アルミン「僕だけじゃなく君も生きて帰るんだ」

クリスタ「…うん」

ジャン「お、近くまで行った!」

サシャ「行けるんじゃないですか!?」

コニー「ゆっくりだ、焦るなよ!」

ユミル「…」


クリスタ「…アルミン…つかまって」

アルミン「ああ、危ないところだった…ありがとうクリスタ」ガシッ

クリスタ「うっ…以外と重いね」

アルミン「ははは!クリスタも力付けなきゃいけないね!!さ、戻ろう」ザッ

クリスタ「うん」

ピシッ…ピシッ

アルミン「!!」

ジャン「あ、橋が!?」

ピシッピシッピシッ!!


コニー「壊れる!!?」

サシャ「アルミン!クリスタ!」


アルミン「うわあああっ!!!なんてこったぁ!!!」ヒュウウゥゥゥ

クリスタ「…!!!」ガシッ

アルミン「クリスタ!?」

クリスタ「大丈夫、私が下になるから…アルミンは生きて帰れるから」

アルミン「おい、待て!?」

ユミル「…ちっ!!!」ダダッ!

サシャ「ユミル!?」

コニー「なにする気だよ!?」

ユミル「私が助ける!!!」バッ

ジャン「助けるってどうやって…」

ユミル「お前らは危ないから来んなよ!!」バヒュッ


ガリッ


―――――――


「すごいねぇ、ヒストリア!もうこんな文字が読めるんだ!」

ヒストリア「うん、お姉ちゃんが教えてくれるから!!」

黒髪「ヒストリアも…この絵本の女の子みたいに優しい子になってね。この世界は酷い事ばかりだから…皆に愛される人になるんだよ」

ヒストリア「じゃあ、私…お姉ちゃんみたいになりたい」

黒髪「え!?」

ヒストリア「私、お姉ちゃんみたいになれるかなぁ?」

黒髪「い、いいよ、ならなくていいよ!ヒストリアは今のままでいいから!」ギュッ

ヒストリア「わっ!?」

黒髪「…」



黒髪「じゃあ…そろそろ時間だから」

黒髪「私の事は忘れてね、また会う日まで」

ヒストリア「え?」


ピリッ

―――――森

クリスタ「…あ?」パチッ

クリスタ「…!!アルミンは!?」バッ

ユミル「そこに寝てるよ、無事だ」

アルミン「…」

クリスタ「…良かった…」

ユミル「…」

クリスタ「…なんでユミルがいるの!?」

ユミル「私がお前らを助けたんだよ」

クリスタ「え?助けたって…どうやって」

ユミル「…それはいい。それよりお前…」

ユミル「死のうとしただろ?」

クリスタ「…え?」

ユミル「なんだ?人の命を救う口実で自殺しようとしたのか?」

クリスタ「ち、違う!私はそんなこと…!!」

ユミル「…ああ、だろうな。お前は本気でアルミンを助けたいと思ってたんだろう…バカみたいに優しい奴だからな。だが、端から見りゃお前は自殺したい様にしか見えない」

クリスタ「…」

ユミル「それに…例え助けたかったのが本心だとしても心の隅で少しでも思ってただろ?死んだら楽になれるって」

クリスタ「…!」

アルミン「…」

クリスタ「…」

ユミル「お前だろ?レイス家から追い出された妾の娘ってのは」

クリスタ「…え?なんでそれを…」

ユミル「…お前は、自分をここまで追い詰めた奴等を…利用しようとしている奴等を憎いと思わないのか?悔しくないのか?」

クリスタ「く、悔しいよ………でも、どうする事も出来ないじゃない!!」

クリスタ「私は…生まれてきた時から生きる事を望まれてなかった。誰からも愛情をもらえなかった。本当の私は空っぽな人間なんだよ。だから…周りに流される事しか出来ない…私には何も出来ない」

ユミル「だから…解放されたくて死にたがってんのか」

クリスタ「わ、私は…!」

ユミル「ちょっと黙れ!いいか、私はな…お前と同じような境遇にあった。周りからは生まれてきた事を望まれず生きて…一度死んだ」

ユミル「だがな、たまたま第2の人生を手に入れ私は変わったんだ、今度は自分の為に生きてやるってな」

ユミル「お前も…命かけてまで人の命を救おうとするような勇気があるなら、もっと他の事も出来るだろ!!何が私には何も出来ないだアホタレ!!」

クリスタ「ど、どうすればいいのよ!私なんか…こんな無力で…」

アルミン「…聞いてたよ、クリスタ」

クリスタ「!」

ユミル「!」

アルミン「…まあ、君の境遇は予想通りだったみたいだ。確かにそれなら逃げようとしてしまっても無理はない。むしろクリスタは頑張ってる方だと思う…が」

アルミン「それでも、もう少し前向きに生きたっていいんじゃないかな。ユミルの言う通りだよ」

クリスタ「…」

アルミン「…正直に答えてくれよ。レイス家が憎いか?」

クリスタ「…憎い」

アルミン「流されるだけのこんな状況は嫌か?」

クリスタ「…嫌だ」

アルミン「じゃあ、なんで何もしないんだい?」

クリスタ「私は無力で、何も出来ないから…」

アルミン「じゃあ何で僕を助けのにはあんなに命をかけれたんだ?」

クリスタ「それは…助けたかったから」

アルミン「じゃあ、クリスタも、自分自身の命の為に本気で戦えよ!!!」

クリスタ「え!?」

アルミン「やっぱりだ。君は自分の命を軽く見すぎている」

クリスタ「…!」

ユミル「そうだな。もっと自分を大事にしろ…自分の為に生きろ」

ユミル「他人の為に命をかける勇気があるなら、自分の為にだって本気で生きられるはずだ」

クリスタ「…うん」

アルミン「あのさ…みんな、君の事が好きなんだ。ユミルも僕もサシャもコニーもミカサも他の皆も……エレンも口じゃ君を無理してて気持ち悪いとは言ってるが、頭の中じゃ今の無理してる君が心配なんだよ」

アルミン「君が死んだら悲しむ人がたくさんいる…」

クリスタ「っ!!」

サシャ「その通りです」ザッザッ

コニー「だからさ…自分の命なんかどうでもいいみたいな事いうなよ」ザッザッ

クリスタ「!!」

ユミル「お前らも来たのか」

ジャン「ああ、後から追ってきた…ずっと聞いてたよ。クリスタ…辛いだろうが、もっと自分を大事に生きるんだ」

アルミン「ね、みんな君が心配なんだよ!!」

クリスタ「…みんな…ごめん、ありがとう」グスッ

ユミル「…泣いてんじゃねぇよ、まったく」ポンッ


ユミル「…あと、クリスタって偽名だろ?」

クリスタ「!」

アルミン「そうそう、聞いてた皆に教えてあげなよ…僕も知りたいし」

クリスタ「…私は…ヒストリアって言うの」



ケニー「…クリスタ…偽名を使い慎ましく生きるという約束はどうなった?」ザッザッ


アルミン「!!」

ユミル「しまった、接近に気がつかなかった!」

クリスタ「…!!」


ケニー「しかも自分の出生の事までベラベラ周りに話しちまうとは…困ったガキだぜ。お仕置きが必要だな」

サシャ「なんですか貴方は!?」

コニー「クリスタになにする気だ!」

ジャン「…まさか、ころすのか?」

ケニー「最初はそのつもりだったが事情が変わった。クリスタはこっちに来てもらう……その他大勢はここで消えてもらうがな」スチャッ


アルミン「…!!みんな逃げろ、あいつには勝てない!!!」


クリスタ「…あ…」ブルブル

サシャ「どうしたんですか!?」

クリスタ「あの男…私のお母さんを殺した人だ…」ガチガチ

アルミン「…!!」

ユミル「お前ら…先に行け。私が食い止める」

クリスタ「ユミル!?」

ジャン「何言ってんだよ!!」

サシャ「ユミルも一緒に逃げ…」

ユミル「うっさい、アルミン!さっさとクリスタ連れてけ!!」

アルミン「…!わかった!!」

クリスタ「そんな…待って!やだ、ユミルが…」

アルミン「大丈夫だ、ユミルは死なない…あれは死ぬ気なんか無い目だ」

アルミン「それに………いや、何でもない。とにかくユミルを信じて逃げるんだ」

クリスタ「…うん…」

クリスタ「絶対に帰って来てね!!」


ユミル「…あぁ…」

ケニー「なんだ?まずはテメェからやんのか?バンッ!バンッ!」

ユミル「腹立つ構えだな…」ガリッ



カアアッ!!!

ケニー「な!?」


ユミル巨人「…」シュウウウ…


―――――


ミカサ「んー!んー!」ジタバタ

女憲兵「…エレンはお前だな」ザッ


マルコ「ミカサ!?」

エレン「てめえ、何が目的だ!!」ザッ

女憲兵「動くな、動けば女の命は無い」

エレン「!!」

ライナー「ぐっ…」

アニ「…」ギリッ

ベルトルト「…」

女憲兵「正直に答えてくれれば何も…お前は、座標を持っているのか?」

エレン「は!?」

ライナー「!?」
ベルトルト「!?」
アニ「!?」

マルコ「何を言ってんだこの人…」


ミカサ「え、エレンは立派な筋肉は持ってるけどザヒョーなんてもの持ってない!!」

女憲兵「静かにしろ!」

エレン「何を言ってんだ…意味がわからねぇ」

女憲兵「…グリシャに口止めされているのか?」

エレン「は!?なんで父さんが…」

女憲兵「なら父親の行方は?」

エレン「それも知らねぇよ。さっきから何なんだお前は…」

女憲兵「本当に知らないのか?まぁいい…この女に傷を付ければわかる」

ミカサ「!?」ビクウゥッ

女憲兵「それでも喋らないなら知らないのだろう」スチャッ

エレン「テメェ、それは…」

アニ「くそっ!!」ザッ

ライナー「あいつ、もう我慢ならん!」スッ

ベルトルト「ライナー!?まさか…」


エレン「…!!!」


エレン「やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


ビリビリビリビリビリビリ!!!!!


ライナー「!!」ビリビリ

ベルトルト「!!」ビリビリ

アニ「!!」ビリビリ


女憲兵「ぐううっ!?」ビリビリ


女憲兵(なんだ…体が動かん!まさか…)


エレン「うおおおおおおお!!!」ダダダッ

女憲兵「!!」


バヒュヒュンッ!!!


女憲兵「ぐああっ!!!」
ドシャアッ


ミカサ「エレン!」

エレン「早く離れるぞ…皆も!!」

ライナー「あ、ああ!」

ベルトルト「…」

アニ(まさか、本当に…)



女憲兵「…ぐっ、やはり持っていたのか……報告しなければ」

―――――

アルミン「はあ…はあ…」ザッザッザッ

クリスタ「…」

アルミン「ユミルが気になってしょうがないようだな」

クリスタ「!」

アルミン「まあ、君に取ったら…家族のような存在だろうからね」

クリスタ「…うん」

アルミン「そんな大切な存在もいるんだから、もう死んでもいいとか考えるなよ」

クリスタ「うん、そうだよね」

サシャ「クリスタ!私達もずっと友達ですからね!」

コニー「おう、何かあれば頼れよ!」

ジャン「自分の中に溜め込みすぎるのも良くないからな…」

クリスタ「…みんなも、ありがとう」

アルミン「ユミルを信じて今はとにかく逃げ…教官に報告する!まずはそれを考えろ!!」

クリスタ「うん!」


ジャン「…お、あれは…」ザッザッ


エレン「アルミン!お前ら!」

ミカサ「あれ、ユミルは!?」

ライナー「何かあったのか?」

アルミン「ああ…クリスタを狙う奴が居てね。ユミルが足止めしてくれてるから大丈夫だと思うが…」

アルミン「とにかく今は逃げて教官のとこまで行く!」

エレン「ああ!」

「無駄だ、お前たちは包囲されている」

エレン「!!」

アルミン「んな!?」ザッ


ザッザッザッザッザッ…


女憲兵「…私と多数の部下たちがお前たちを囲んでいる。逃げ場は無い」

ライナー「あいつ、まだ動けたのか!?」

アルミン「目的はなんだ!?」

女憲兵「エレンとクリスタを渡して貰おう。悪いが残りの者達には消えてもらうがな」

女憲兵「お前たちはいずれ我々の危険分子になる可能性がある…」スチャッ

クリスタ「ま、待ってください!大人しく捕まるから、みんなは…」

女憲兵「ダメだ…私も申し訳ないとは思うんだ。だが仕方ない」ザッザッ

クリスタ「…みんな、ごめんなさい…私のせいで、こんな事に巻き込んで…」ガクッ

エレン「!?」

アルミン「おい、落ち着け!」

サシャ「クリスタ…」

クリスタ「……私は悪い子だね、本当にごめんなさい」

アルミン「おい、何を言ってんだアホタレ!!」

コニー「お前は悪くないだろうが!!」

ジャン「まだ諦めんなよ!!」

クリスタ「やっぱり、私は…生きてたらみんなを不幸にする…」

ミカサ「そんなこと無いよ…」オロオロ

エレン「いい加減にしろ!!!」

クリスタ「!!」ビクッ

アルミン「エレン…」

エレン「…さっき会った時は…マシな顔になってたから見ない間に成長したのかと思ったが…また気持ち悪い顔つきに戻りやがって」

クリスタ「…だって…」

エレン「立て、クリスタ」

クリスタ「え?」

エレン「いい加減に目ぇ覚ませ!!!」ゴチンッ

クリスタ「!!?」


ビリビリ!!!

「…ヒストリア……」


クリスタ「…!!!」ドクンッ


ドクンッ!


「今日の事は忘れてね…また会う日まで」




…お姉ちゃん!!!



ドクンッ!!!






クリスタ「うおおおおおおお!!!!!」ザッ!!!

女憲兵「!?」


エレン「うおっ!?」

アルミン「ビッ…クリした…」


クリスタ「…思い出した、思い出したよ」


クリスタ「みんな…ごめん、私…また変な事言ってて…」ゴシッ

サシャ「…もうあんな事言わないでくださいよ」

クリスタ「うん!」

エレン「…なんか、いきなり別人みたいに雰囲気変わったな」

アルミン「思い出したって?」

クリスタ「…後で話すよ」


クリスタ「とにかく今は、このピンチを切り抜けよう」


女憲兵「ふん、この状況でどうする気だ?クリスタ…」


クリスタ「クリスタクリスタうるさい!!!私の名前はヒストリア…ヒストリア・レイス!!!」

クリスタ「今、ここにいる私が……本物の私だあああああああ!!!!!」ドオオオンッ


ミカサ「クリスタ…鼻水出てる」

クリスタ「あら本当だ!」タラー

コニー「ほら、かめよ」

クリスタ「ヂイイイイインッ!!!」

サシャ「寒いですからねぇ」


女憲兵「…」

ジャン「だが…確かにどうするんだ?この状況…」

アルミン「…!」

ヒュウウウウ…

アルミン(…よし、もうすぐだな)

アルミン「クリスタにもう少し暴れてもらって時間稼ぎだ!!」

ジャン「は?」

アルミン「いやあ、クリスタ!何があっとのか知らないが今の君は最高だよ!!」ポンッ

クリスタ「えへへ、どうも。早くユミルにも会いたい!」

エレン「前のお前は気持ち悪いって思ってたけど…今のお前はいい感じだぜ」

クリスタ「照れるなぁ」

女憲兵「いつまでお喋りしている、早くクリスタをこっちに…」

クリスタ「んなこと言われてついてく訳ないでしょうが!!バカー!アホー!」

ミカサ「今のクリスタは寝てる時の幸せな感じと同じ雰囲気の顔をしている」

アルミン「クリスタ、あの女の人何かに似てない?」

クリスタ「え?」

アルミン「まあ、彼女はとある人物にパッと見似てるから仮にザボスと名付けようか」

ジャン「誰だよ…」

アルミン「わかる人だけ分かればいいよ」

ザボス「貴様ら!いい加減にしろ!!本気で撃つぞ!!」

クリスタ「ふんだ、あっかんべー!」

ザボス「ぐっ…」

部下「あの、名前がザボスになってますが」

ザボス「ええい、知らん!!!」

「何をしている!!!」ザッザッザッ

アルミン「…来た!!」

エレン「!!」

キース「む、なんだこれは!?」

ザボス「しまった!?教官連中が来てしまったか!?」

アルミン「ふっ…実は少し前、遭難した時の為に使う信煙弾を打ち上げていた」

ザボス「!!」

アルミン「そして今、近くに…教官たちが遭難者に見せる為に打ち上げる信煙弾が見えたんだ。だからもうすぐに来るとわかっていた!!」

ザボス「それで…クリスタとのコントで時間を稼いでいた訳か!!!」

アルミン「はっはっは!!!僕に掛かればどんな困難も乗り越えてしまうのさ!!もう自分が怖い!!」

クリスタ「さすがアルミン!」

エレン「やっぱり頼りになるぜ」

ミカサ「このアルミンがすごい!」


ザボス「分が悪いな…引き上げるぞ」

部下「はっ!!」

クリスタ「待てぇー!!!」

ユミル「止めとけ馬鹿」ガシッ

クリスタ「うあっ!!って、ユミル!?」

ユミル「さっき教官方と一緒に来た…もう大丈夫だ」

クリスタ「良かった、ユミル!!」ギュッ

ユミル「…どうしたお前。なんかいつもと違うぞ」

アルミン「ああ、それはね…」


アルミン「…という訳なのさ」

エレン「…なんか、俺が頭突きしたら記憶が戻ったみたいでな」

クリスタ「ショック療法って奴かな?」

ユミル「…そうか」


ユミル「まあ、お前が元気になって良かったよ」

クリスタ「うん、改めてよろしくね!」


アルミン「だが、ちょっと冷静さが無くなったのが問題だね。逃げる奴等を深追いしようとするし」

クリスタ「はい、すみませんでした」ペコッ

アルミン「でも、そういうハチャメチャな感じもいいと思うよ!僕は好きだ!!」


クリスタ「…っ!!?」

クリスタ「ちょっ…す、すすす…好きだなんて//」

ユミル「おい、コラ」

クリスタ「恥ずかしいよ馬鹿!!//」パシンッ!

アルミン「いった!!?」

ユミル「馬鹿はお前だよ…」

エレン「はっはっは!!」

ミカサ「これで一件落着」






ケニー「…ちっ…いきなり巨人になるとは予想外だった…」


ケニー「…だが、もし次に会うときは……」





今日はここまで

ああ、読み返したらなんか途中から展開急ぎすぎましたかね…もう少しゆっくり書いても良かったか


…こうして、雪山でのエレンとクリスタを狙う謎の集団との戦いは無事に終わった。

気のいい仲間達の存在と、一部の記憶を取り戻した事にクリスタは本来の明るい性格に戻る。
彼女は雪山から戻った後に自分の生い立ちを話し、そして初めて仲間達に本物の笑顔を見せた。



………しかし、まだ『クリスタ』の試練は終わっていない。








クリスタ(みんながイイ人で良かった………皆と出会ってなければ私は、例え記憶が戻ったとしても明るく居られなかったと思う)


クリスタ(…お姉ちゃんは今、どこにいるんだろう)



クリスタ(………)




ライナー「…エレンが座標を持っていたみたいだな」

ベルトルト「ああ…つまりエレンは、巨人化の力も持っている可能性もある」

アニ「…どうする?予定より早く実行する?」

ライナー「………」

ライナー「いや、まだ早いんじゃないか…もう少し後でもいいだろう」

ベルトルト「…」

アニ「…」


ベルトルト(ライナー…同期達と仲良くなってしまったから、迷ってるんだろうな)

ベルトルト「…君の気持ちもわかるけど、いずれは敵になるんだよ、皆と」

ライナー「!!…ああ、わかってるよ」

アニ「…」

―――立体機動訓練―――

アルミン「ふおおおおおっ!!!」ギュイイイイイイイッ

アルミン「てりゃああああ!!」ザクッ!!

ミカサ「すごい、アルミンの立体機動、動きにブレが無い!」

エレン「ああ、ブレは無いが」

アルミン「斬撃が浅すぎるぜチクショー!!」

グルングルン!

アルミン「ちょわあああ!!!」ズザザッ

エレン「あと着地も下手くそだ!もう!」

ミカサ「やあ!」ザクッ


ミカサ「っとっと」ストンッ

エレン「…ミカサの方が上手いな。ぎこちないけど」

アルミン「はっはっは!運動音痴なのが唯一の欠点だよ!!」

エレン「うん。でももうちょっとうまくなった方がいいよ」

アルミン「いやいや、情けない!はっはっは!」


ジャン「…訓練中なのにうるさい奴だな」

アルミン「お!キルシュタインジャン!」

ジャン「あ?」

エレン「悪い、ジャン」

ミカサ(エレンがジャンに謝ってる)

アルミン「いいとこに来た!こっち来てくれ!!」

ジャン「なんだよ、コントには付き合う気ねぇぞ」

アルミン「立体機動を教えてくれ!エレンとミカサにも!」

ジャン「はあ?」

エレン「俺はジャンなんかに教えてもらわなくたって…」

アルミン「エレン!正直君よりジャンの方が立体機動は上だ!上手い人の技術は取り入れていくべきだ!そして更なるイケメン兵士へとレベルアアアップさ!!」

ミカサ「レベルアアアップ!」

エレン「うん…そうだな、お前の言う通りだぜ」

ジャン「ふん、死に急ぎ野郎なんかに教えて貰う気は…」

アルミン(ミカサ、ジャンに君から頼んでくれ)ボソッ

ミカサ「…あの、皆に立体機動を教えて欲しい」

アルミン(私にも)ボソッ

ミカサ「私にも」

ジャン「…わかったよ、仕方ない。教えてやってもいいぜ」

エレン「わかりやすい奴だなお前」

ジャン「ふん、死に急ぎ野郎なんかに教えてやる気は…」

アルミン(ミカサ、ジャンに君から頼んでくれ)ボソッ

ミカサ「…あの、皆に立体機動を教えて欲しい」

アルミン(私にも)ボソッ

ミカサ「私にも」

ジャン「…わかったよ、仕方ない。教えてやってもいいぜ」

エレン「わかりやすい奴だなお前」

アルミン「はっはっは!!」


ギュイイイイイイイッ!!!

クリスタ「やあああっ!!!」ザクッ

ズザザッ!!

クリスタ「はあ…はあ…どう?」

ユミル「へえ…短い間にかなり上達したな」

サシャ「さすが神様っ!!!」

クリスタ「えへへっ!」

ライナー「ふっ、この俺が教えてやってたおかげだな」

アニ「私も教えたよライナー」

クリスタ「ライナーもアニもありがとね!」

ベルトルト「…雪山以来、訓練に本気になってるね」

クリスタ「うん、私は強くなるよ…もっともっと!!」ザッ

コニー「カッコいいぜ!」


ユミル「…」


ユミル(…クリスタ、何かに焦ってる感じがするが…気のせいか?)

クリスタ「ユミル!ボーッとしてないで一緒に行こ!!」ガシッ

ユミル「うお!?」

クリスタ「やっほーっ!!」ビューンッ

ユミル「待て待て落ち着け!」

―――――――1年目最後の日

キース「では、これより現時点の成績を評価する、総合テストを行う!!!」







ザッザッザッザッザッ


アルミン「はあ…はあ…こいつあ、キッツイぜぇ!!」

キース「どうしたアルレルト!貴様だけ遅れているぞ!!貴様には重たいか!?貴様だけ荷物をおろすか!?」

アルミン「くうぅぅっ!言ってくれるじゃないか教官シャーディス!!」ビシャッビシャッ


ライナー「…アルミン、俺に貸せ!!このままじゃ不合格だぞ!!」

アルミン「ライナー!しかし、そんなことしたらライナーが不合格に…」

ライナー「バレないように尽くせ!俺の気が変わらない内にな!!」

アルミン「…!!」ギリッ


アルミン「お荷物なんか死んでもごめんさ!!天才頭脳の名に掛けて!!」ザッザッザッザッザッ!!

ライナー「うおっ!?」


「アルミン・アルレルト」
体力面は兵士の基準に達していないものの、回転の早い思考を持っており、自称驚異の観察力と人類最強の超大型頭脳を持つらしい。根性も人一倍強い。

「ライナー・ブラウン」屈強な肉体と精神を持ち、仲間からの信頼も厚い。彼のタックルは誰にも止められない。今期の首席候補。

ジャン「よし、的を見つけた!!」

ギュンッ ギュンッ

ジャン「…!」

ザクッ! ザクッ!

ベルトルト「…」

アニ「…」

ジャン「くっ、またあいつらか!」


エレン「すげぇな二人とも!俺も負けねぇ!!」ザクッ

ミカサ「みんなスゴいなー」ピューン


クリスタ「わあ、的取られちゃってるよ…」ザッ

ジャン「くそっ、憲兵団になるのは俺だ!!」バシュッ

アルミン「ようし、クリスタ!ジャン!僕が君達を勝利に導いてやる!!僕の言う通りにするんだ!!」

クリスタ「え、アルミンは!?」

アルミン「僕は僕に出来る事をやるだけだ!!!」ドンッ

ジャン「いやでもこれ、立体機動で巨人倒す訓練だからな!?」

アルミン「ああ!知ってる!!」

アルミン「とにかく、二人とも僕の言う通りにやれ!」

クリスタ「わかった!!」

ジャン「なんか突っ込みたいとこは色々あるが頼らせてもらうぜ!!!」

「ジャン・キルシュタイン」
立体機動の理解が深く、成績も良いのだが性格と口が悪く人と喧嘩になりやすい。現状認識能力が高い。
アルミンとクリスタによく絡まれている。


「クリスタ・レンズ」
入団当初は平凡な成績だったが、雪山以来、積極的に訓練に取り組むようになりぐんぐん成績を伸ばしている。性格は本来の明るい性格に戻っているが…


「エレン・イェーガー」
運動神経抜群、努力家で成績の伸びも早い。幼少期から格闘術は大人を倒すほどの実力があったらしい。
仲間思いだが感情的になりやすいのが欠点。首席候補その2


「ミカサ・アッカーマン」
どこにでもいる平凡な少女。特技は野菜作り。訓練は頑張っているのだがあまり成績の伸びは良くない。しかし高い潜在能力を感じさせる一面もある。


「ベルトルト・フーバー」
ライナーの後ろでよく汗をかいておりアニをよく見ている。成績は良いのだがもう少し積極的になった方がよろしい。


「アニ・レオンハート」
成績が良く格闘能力は群を抜いて高い。対人があまり良くなく、格闘訓練以外ではあまり同期と接しない。ミカサは気に掛けてよく話しかけているようだ。


キース(…他にもサシャ、コニー、マルコなど成績の高い者は多いが……特に今挙げた人間達はいずれ優秀な人材に育ちそうだ)

キース(後はユミル…彼女も何か他の者とは違うものを感じた)





ユミル「…ふう…終わったなぁ、クリスタ」ガシッ

クリスタ「わああ、暑いよユミル~」

アルミン「よっ!二人とも相変わらずだな。どうだった?」

クリスタ「えへへ、なかなか上手く出来たと思うよ。特にアルミンとの連携プレーはもう……最高だった!」

クリスタ「ね!?ジャン!!」

ジャン「何で俺に振るんだよ!?」

クリスタ「ジャンも一緒にやったジャン」

ジャン「ああ、まあ確かにアルミンの言う通りに動いたらたくさん的取れたが…アルミンよ。お前はそれで良かったのか?」

アルミン「ああ!!全く気にしてないから問題ナッスィングさ!!!」ドンッ

ジャン「…うん、本当にいいみたいだな。ならいいよ別に」

クリスタ「アルミンのそういう所がカッコいい!」

ユミル「そうか?」

―――男子寮


コニー「お、家族から1年目の祝いの手紙が来てる!」

エレン「俺もこの前、母さんから来てたよ。嬉しいよな」

アルミン「家族は大切なコミュニティだからね!!」

マルコ「ジャン、キルシュタインって書いてあるけど、君の家族からかい?」

ジャン「ん?ああ…たぶん俺の母ちゃんからの手紙…」

アルミン「マジで!?見せて見せて!!」

ジャン「なんでだよ!!!」

エレン「そういえば、ライナーとベルトルトは家族からは…」

ライナー「…ん、俺達は…」

ベルトルト「…家族とは会えないんだ…」

エレン「あ、悪い事聞いたか?」

ライナー「いや、気にするな…生きてはいるはずなんだ」

ベルトルト「でも…色々あって会えないんだよ」

エレン「そうか…なにも知らずにすまんな」

ライナー「だから気にしなくていいんだよ」

コニー「そういえばライナー達の故郷は…」

ライナー「…ローゼの向こうの森の奥の小さな村だった…自然に囲まれていていい場所だったよ」

ベルトルト「また帰りたいね」

ライナー「ああ…必ず帰る。故郷に」

エレン「…」

コニー「…」

アルミン「…」

ライナー「お前たちも、家族を大事にするんだぞ」

―――――

サシャ「…」コソコソ

「サシャ」

サシャ「!!」ビクッ

ミカサ「なにしてるの」ゴシゴシ

サシャ「えへへ、少し小腹が空いたので…本能には勝てません」」

ミカサ「もう、ちょっとだけだよ」

サシャ「申し訳ないです。では」コソコソコソコソ

ミカサ「相変わらずだなぁ…」トコトコ

ミカサ「!」

アニ「…」

ミカサ「何をしてるの?」

アニ「眠れないから…星を見てた」

ミカサ「…」

アニ「…」

アニ「私は…故郷が好きだった」

ミカサ「!」

アニ「何もない自然に囲まれていた場所だった…私はそれが好きだった。それこそが世界のあるべき姿のような気がしてね」

ミカサ「…故郷には帰れないの?」

アニ「うん、帰れないんだよ………ねえ、ミカサ」

ミカサ「なに?」

アニ「仮にさ…仮にだよ。私が人類の敵だったら…どうする?」

ミカサ「?なんでそんな質問をするのかわからない…」

アニ「なんでもいいじゃないか、もしもの話だから」

ミカサ「…仮に敵だったとしても信じたくない、戦いたくない」

アニ「…そう」

ミカサ「…」

アニ「悪いね、急に変な質問して」

ミカサ「気にしないで」

―――――女子寮


クリスタ「ユミル~ 近くで寝よ!」

ユミル「なんだよ、最近たまに隣で寝たがるよなお前」

クリスタ「えへへ、いいじゃんいいじゃん友達なんだから!」

ユミル「…」

クリスタ「よっと!」バフンッ

クリスタ「あ~、布団気持ちいい」


ユミル「……おい、クリスタ…」

クリスタ「どうしたの?」





ユミル「お前、何か怖がって無いか?」

クリスタ「…」

クリスタ「え?」


ユミル「やけにおかしいと思ったんだ。よく引っ付きたがるし、常に一緒にいようとする。前はお前からはそんな事しなかったのにな」

クリスタ「…」

ユミル「お前………家族を失うのが怖いんだな?」


ユミル「まあ、家族からろくに愛情をもらえなかったんだ。お前にとったら私や同期は新しい家族みたいなもんだろう」

クリスタ「…うん…」

ユミル「それはいいんだけどよ…お前、今もちょっと無理してるとこがあるからな。訓練中でも無理な動きをしようとする」

クリスタ「それは…早く強くなりたいから!」

ユミル「ああ、どうせ皆を守りたいから、とか言う理由だろ。それは立派だがな…体に無理させればいいってもんじゃ無いぞ」

クリスタ「でも…」

ユミル「あと、自分の過去から逃げようとしてる風にも見えるな…確かに明るい性格は元からだろうがそれを前面に出しすぎだ」

クリスタ「!!」

ユミル「まあ、それも別にいいんだ…簡単に忘れられるもんじゃないしウジウジしてても仕方ないからな。とにかく、自分の命を第一に大事にしろ。今のお前は前とは別方向に死に急ぎだ」

クリスタ「……わかった」

ユミル(ふう…本当、子供みたいな奴だ…)

――――――

ライナー「クリスタと結婚したい」

ベルトルト「アニと結婚したい」

ジャン「ミカサと結婚したい」

マルコ「出番が欲しい」

アルミン「あっははっはっはぁい!!!」



エレン「…何してんだお前ら?」

アルミン「よっ!エレンも雑談しようじゃないか!!」

コニー「女子で誰が一番可愛いか話してたらこうなったんだ」

ライナー「クリスタだ!」バンッ

ベルトルト「アニだ!」バンッ

ジャン「ミカサだ!」バンッ

マルコ「出番が欲しい!!!」バンッ

アルミン「議論は熾烈を極めているよ」

エレン「マルコだけ違うこと話してないか?」

エレン「皆でどっか行こうぜ、訓練も休みだし」

ライナー「おお、そうだな。皆で飯でも食いに行くか」

コニー「よっしゃあ!」

ライナー「いい店をこの前見つけてな…お前らにも教えてやるよ」

エレン「さすがライナー、太っ腹だぜ!」

アルミン「筋肉兄貴は一味違うぜ!」

ライナー「ははは!」

ベルトルト「…」

ベルトルト(ライナーは日に日に皆と仲良くなって行く…大丈夫なのだろうか……)

ジャン「どうした?ベルトルト」

ベルトルト「え?いや、なんでもないよ」

―――訓練兵団食堂

ミカサ「あ、皆おはよう」

サシャ「おはようございます!」

エレン「おう、おはよう」

コニー「いい朝だぜ!」

アルミン「グッッモーニンッ!!!」

クリスタ「グモーニン!」

アルミン「違う、クリスタ!『グッッモーニンッ!!!』だ!!」

クリスタ「グッモーニンッ!」

アルミン「惜しい!」

ユミル「何やってんだお前ら」

アニ「…」

ライナー「ほら、アニも無愛想にしてないでおはようくらい言ったらどうだ」

アニ「…おはよ」

アニ(ライナー……だんだん戦士でなくなって来てないか?)

アルミン「レオンハート!もっと元気よく!」

アニ「…あんたは朝からうるさいんだよ」

ミカサ「アルミン、アニはあまり騒がしいのは好きじゃないみたいだから…」オロオロ

アルミン「おうよ!!」

アニ「…はぁ…なんか調子狂うよ」

ガチャッ!

キース「クリスタ・レンズ訓練兵はいるか!?」

クリスタ「はっ!」バッ

キース「後で教官室に来い。お前に会いたいと言っている人物がいる」

クリスタ「え?」

ユミル「…」

アルミン「誰がくるんだい?クリスタ」

クリスタ「え?いや…私も知らない……誰だろう」

ライナー「まあ、クリスタは可愛い訓練兵のアイドルだからな。一般人がサインをもらいに来ても不思議ではない」

ベルトルト「んな真面目な顔で変なこと言わないでくれ、ライナー」

クリスタ「わあああ!どうしよう!私サインなんて書いたことない!緊張するよー!!」

エレン「いや、真に受けるなよお前」

アルミン「ああ、大変だね。きっと百人くらいがサインに押し掛けてくるね」

クリスタ「わきゃああ!休日1日つぶれちゃうよー!!どうしよー!」

ミカサ「クリスタってそんなに人気者だったんだ……クリスタってスゴい!」キラキラ

エレン「お前まで真に受けるなよ!?」

マルコ「今日も平和だなぁ」

クリスタ「朝ごはん食べたし、教官室に行ってくるよ」ガタッ

ミカサ「後で私にもサイン書いて」

サシャ「車に気をつけて下さいね~」

コニー「クリスタも兵士からアイドルなんて、出世したなぁ」モグモグ


エレン「なあ、突っ込むのも疲れて来たんだが」

ジャン「もういいだろ、無視すれば」

ライナー(まさか本当に真に受けるなんて思わなかった)


ユミル「…」ザッザッ

アルミン「お、ユミルどこに行くんだい?」

ユミル「トイレ」

アルミン「よし、僕も行こう!連れションだ!!」

ユミル「何が連れションだ変態野郎!!」

アルミン「まあまあ、目的地はどうせ同じだからさ」

ユミル「…!ったく好きにしな」

クリスタ「失礼しまーす」

キース「ああ、クリスタ…別室でお前に会いたいようだ。ついてこい」

クリスタ「はい!」

クリスタ(…誰だろう…………お姉ちゃん?…だったらいいなぁ……)

ガチャッ

「久しぶりだ、クリスタ」

クリスタ「!!!」

キース「では、私は失礼する」

「いや、ヒストリア」

クリスタ「…お前は…」ギロッ

ロッド「…今まですまなかった。ヒストリア」

ギュッ

クリスタ「…!」

え?なにこれ…

ロッド「私はお前を捨てるような事をして一人にさせた…辛かっただろう。本当にすまなかった」

クリスタ「…っ」

お父…さ……


クリスタ「…!ぐっ…」

ドンッ!!

ロッド「うっ!?」ドサッ

クリスタ「気安く触らないでよ!今さら何しに来たの!!」

ロッド「…ああ、怒りたいのは当たり前だろうな…でも私は、お前の事がずっと心配で仕方なかったんだ」

クリスタ「…心配するくらいなら、初めから捨てるなって話よ」

ロッド「ああ、だが、仕方なかったんだ」

クリスタ「………目的は何?」

ロッド「レイス家に来て欲しい。一緒に暮らそう。私がついているから…周りから昔のような酷い事はやらせない」

クリスタ「…」

ロッド「一人じゃ心細いか?なら、同じ訓練兵のエレン君にも来てもらおう…一緒に暮らしていた子もいるなら安心だろ?」

クリスタ「は?何でエレンが…」

ロッド「ここだけの話、彼は親戚のようなものなんだ」

クリスタ「え?」

ロッド「彼と彼の母親も連れてきて、ヒストリアも一緒にシーナで暮らそう。一番中央にいれば、巨人が来ても安心だ」

クリスタ「…そんなこと言われて、ノコノコついてくと思う?」

ロッド「…そうだな」

ロッド「困ったよ。今のお前は反抗的で」

クリスタ「!」

ロッド「…少し調べさせてもらったが…ユミルと言ったかな」

クリスタ「ユミル?」

ロッド「彼女は今のヒストリアにとって一番の家族のような存在だ…やはりその存在が邪魔なのか」

クリスタ「…!?」ガタッ


クリスタ「テメェ、ユミルに何かしてみろ!!ボコボコにして歯ぁ全部へし折って壁外に放り捨てるぞこの野郎!!!」ダンッ

ロッド「…はは、嘘だよ。すまない…」

クリスタ「やっぱり信用できない、ここでボコボコにし」ガタッ


ケニー「まあ、落ち着けよ」ガシッ


クリスタ「!?」ビクッ

クリスタ(え、いつから居たの?気づかなかった…)

ケニー「今はまだなにもする気は無い…様子見に来たんだ。今はな」

―――――

クリスタ「…はあ…」トボトボ

ユミル「お、終わったか。クリスタ」

クリスタ「うん」

アルミン「…何があったんだい?クリスタ」

クリスタ「なにもないよ、気にしな…」

アルミン「嘘つけえええ!!!」ダンッ

クリスタ「!!」ビクッ

アルミン「悪いことがあると誤魔化そうとするのは止めろ!!正直に話せ!!!僕の人類最強の観察力を甘く見るなよっ!!!」

クリスタ「あはは…アルミンにはかなわないよ」

ユミル「…親父でも来たのか?」

クリスタ「…うん」

クリスタ「一緒に暮らそうって……」

アルミン「…確実に怪しいね。怪しすぎて臭いよもう」

ユミル「ああ、利用しようとしてるんだろうな…」

クリスタ「…ユミル!今度からなるべく1人にならないで!」

ユミル「あ?」

クリスタ「…もしかしたら、ユミルが利用されるかも知れないから…」

ユミル「ふん、お前みたいな貧弱と一緒にするな。私は強い」

アルミン「こりゃ、みんなに話して…対策を練る必要があるな」

クリスタ「うん、ありがとう」

―――――

ロッド「では、失礼する」

キース「…何の話をしていたんですかな?」

ロッド「お前には関係ないことだ…それに、あまり深く関わらない方がいいぞ」

キース(…やはり、レイス家には何かありそうだ。だが私にはどうすることも出来ん…下手に手を出せば、関係の無い訓練兵にまで被害が及ぶかも知れんからな)

キース(…そろそろ、伝えておくべきか)



ロッド「…困ったな…ヒストリアは反抗的で言うことを聞いてくれない…」

ケニー「やっぱりユミルを使うしか無いでしょう。あんたがユミルの名を出した時の取り乱しよう…」

ケニー「ありゃ、表面上じゃ強気でしょうが…ユミルに何かあれば簡単に壊れちまうでしょうね」

―――――数日後、馬術訓練

クリスタ「いっけえええええ!!!!!!」

馬「ブルルルルルヒヒイィィィンッ!!!!!」

ズダダダダダダダダダダダダダダダダ…


ユミル「早すぎだアホスタ!!!」

クリスタ「えっへへーだ!」


エレン「スゲェなあいつ…一体どうやったらあんな馬早く走らせれるんだよ」

アルミン「牧場経験者はやっぱり違うね!!」

ミカサ「あれはそういう問題では無いと思う」

アニ(女型の巨人より速いなあれ)


サシャ「ふう、良い汗かいた」

コニー「馬は最高の友達だぜ!」


ジャン「おい、コニー」

コニー「あ、ジャンに言った訳じゃ無いからな」

ジャン「んなことわざわざ言わなくてもわかってるよバカ野郎!!!」

コニー「で、どうした?」

ジャン「なんかさっき、眼鏡の教官から手紙渡されてさ…コニー宛に届いてたってよ」

コニー「俺に?」ペリッ

ジャン「何の手紙かは知らないが…」

コニー「………」


コニー「はああ!?ふっざけんな!!!」バンッ

ジャン「!?」

サシャ「コニー!どうしたんですか!?」

コニー「くっそ…何で、何でこんな事に…」


『コニーの家族は人質として預かった。3日以内にクリスタとエレンをウトガルド城へ連れてこい。連れてこなかった場合、またはこの事を教官や大人たち、他の人間に伝えた場合はコニーの家族の命は無い。』

アルミン「コニー!!どうした!?」シュダダンッ

コニー「…俺の家族が…」

クリスタ「どうしたの!?」ザッ

エレン「その手紙は?」

アルミン「…!!!なんってこった…」

コニー「え、まだ見せてないのにわかったのか!?」

アルミン「ああ。コニーの目に反射している手紙の文字が見えた」

ジャン「すごいなお前」

アルミン「…どこで誰が見てるかわからないから大きな声では言えないが、エレンとクリスタを狙う連中にコニーの家族が人質に取られた」

エレン「…なんだって?」

ミカサ「どうしてそんなこと…」オロオロ

クリスタ「…!!!」ギリッ

ユミル「クリスタ、変なことは考えるなよ」

クリスタ「…」

―――

ライナー「コニーの家族が!?」

エレン「ああ…くそ!いったい何が目的なんだよ」

アルミン「…とりあえず、これは信用できる同期にだけ声を掛けておいた。敵の息のかかった人間が訓練生や教官の中にいるかも知れないからね」

コニー「…くそぉ…!」ギリッ

サシャ「…なんで、コニーの家族を狙ったんでしょうか。向こうの狙いはクリスタとエレンでしょう?」

アルミン「まあ、こっちの性格を知ってるからだろうね…エレンもクリスタも、同期の家族が人質に取られたら見捨てられないだろう」

エレン「そりゃあな」

クリスタ「…早く皆で助けに行こうよ!こうしてる間にも…」

ユミル「バカが!感情的にすぐ行動すりゃ言い訳じゃない。焦らずゆっくり確実に作戦を練る方がいい」

クリスタ「…」

アルミン「とにかく、勝手な行動はしないこと。作戦は考えておくし、案があれば言ってくれ…」


アルミン「あと、アニ。話がある」

アニ「え?」

―――――

アニ「…なんだい?こんなとこに呼び出して」

アルミン「ここなら誰もいない…さて、さっそく単刀直入に聞こう」

アニ「…」

アルミン「クリスタやエレンを狙ってる連中はなんだ?」

アニ「は?んなの知らないよ…」

アルミン「しらばっくれるなよ巨人め!!!」

アニ「!?」ビクッ

アルミン「なあんてね!あははははは!!」

アニ「…」

アルミン「アニ…君は知ってるはずだ。クリスタを監視してた人間をアニが監視してた場面も見た!!!」

アニ(いつの間に!?)

アルミン「知ってること全て話せレオンハート!!!」

アニ「ふん、私は帰…」

アルミン「話せえええええ!!!」ガシイッ

アニ「うわ!?ちょっコラ…」

アルミン「話すまで離さないぞ!!食事中も入浴中もトイレ中も寝てる時も常に離さないぞ!!!」

アニ「ただのストーカーじゃないか!!!」

アルミン「じゃあ話せ!!!」

アニ「ああもう!あいつらは中央第一憲兵団と壁教!王直属で働く奴等さ!」

アルミン「やっぱりそうか!おじいちゃんの本にそれらしい事が書いてあったからな!」

アニ「おじいちゃんの本なんなんだよ!?」

アルミン「じゃあ何でエレンとクリスタを狙うんだ!!ワアッツ!?」

アニ「…知らないよ」

アルミン「わかった!!」

アニ「納得するの早いな」

アルミン「まあいいさ。要はエレンとクリスタを守ればいいんだ」

ライナー「おい、アルミン!」

アルミン「おっと、忙しいな!なんだ!?」

ライナー「大変だ、狙われたのはコニーの家族だけじゃねえ!エレンの母ちゃんも…」

―――――

バタンッ!!

ケニー「バアンッ!見いいいつけたあああ!!」

カルラ「え、誰っ!?」ビクッ

ケニー「くく、あんたがエレンの母親だな……動くなよ。助けを求めても周りには誰もいないぜ」

中央憲兵「おとなしくついてきてもらおう」ガチャッ

カルラ「…あなた達の目的は何かしら?」

ケニー「なに、ちょっとエレンに用があったんだがね。だがあいつは言うこと聞いちゃくれねぇからこうするしか無いのさ」

カルラ「そう、確かにエレンなら…私が人質に取られたらおとなしく降伏するかもね」

ケニー「だろ?」

カルラ「…でもね、あなた達にはそんな事は出来ないわ」

ケニー「なに?」

中央憲兵「お前、おとなしく黙っていろ…」

パアンッ!!!

ケニー「!?」

中央憲兵2「!?」

シュウウウ…

カルラ「あなた達の誤算は…私を甘く見ていた事ね」カチャッ

中央憲兵2「こいつ!いつの間に銃を!?」

ケニー「ちっ!どっかで見たことあると思ってたが…まさか、奴か!?」

カルラ「やっとわかったようね」ザッ

パアンッ!パアンッ!

中央憲兵2「ギャッ!」

中央憲兵3「な…何者ですか?あの主婦は!!」

ケニー「思い出したぜ…既に死んだと聞いていたが、こんな場所で生きていたとは」


カルラ「覚悟はいいかしら?切り裂きケニー」カチャッ

ケニー「奴はレイスの血を引き……かつて対人制圧部隊の隊長だった女!」

ケニー「ラフィング・イェーガー《笑う狩人》、カルラ・レイスだ!!!」

中央憲兵3「!?」

ケニー「またの名をウィッチ・オブ・ウォール《壁の黒魔女》……まさかこんな場所でお目にかかれるとは」

中央憲兵3(なんか物凄く中二くさいなぁ)

カルラ「憲兵を殺し回ったあなたが憲兵にいるとはどういう事?」

ケニー「あんたにゃ関係のない話さ!バキュウゥゥゥンッ!!!」

カルラ「あなたは動きが大きくて読みやすいわ!!」シュッ

パアンッ!パアンッ!

ケニー「ぐっ!肩にかすった!!」

カルラ「さあ!まだよ!」パアンッ!

ケニー「対人立体機動装置も無いんじゃ分が悪い!引き上げるぞ!!」

中央憲兵3「はっ!」

ケニー「カルラ!次会った時は…バキュウゥゥゥンッ!!」ダダダダダッ


カルラ「……ふう……久しぶりに動くと疲れるわね」ガタッ

カルラ(対人制圧部隊まで動き出すなんて…そろそろ私も黙ってる訳にはいかないか)


女憲兵「…隊長、大変です」

ケニー「あ?なんだ!?」

女憲兵「人質に捕らえていたスプリンガー一家が何者かに奪い返されました……まあ、我々中央憲兵でなく地下のならず者に依頼してやっていたから…我々の被害は無く済みましたが」

ケニー「なんだあ!?誰だ!?どこの奴等がやった!?」

女憲兵「相手は1人です」

ケニー「1人だと!?」

女憲兵「何でも…通りすがりの医者だと名乗っていたそうですが」

ケニー「ちっ!次から次へと…」

―――時は少し戻る


サニー「うわあああん!」

マーティン「くっそ、離せよオッサン!」

ならず者「うっせえガキどもが、無理やり黙らせるぞ」

コニー母「子供にはやめてください!」

コニー父「君たちの目的はなんだ?」

ならず者「ある人から大金をやるからお前ら一家を捕まえろって頼まれてよ。まあ、理由は知らねぇが金さえ貰えれば何でもいいさ」

コニー母「どうしてこんな事に…」

ならず者「しかしこの娘…いい面してんじゃねえか」

ならず者「おいおい、ガキがいいのかよ趣味悪いな」

サニー「ひっ!?」

マーティン「やめろこの野郎!」

コニー母「何をする気ですか、やめてください!!」

ならず者「ちょっとくらい楽しんでもいいだろ?なあ?」

ならず者「仕方ないな、すぐ済ませろよ」

コニー父「くそっ!離せ!くそっ!!」

「……醜い連中だな……」ザッ

コニー父「!」

ならず者「誰だ!?」

「…この世界は残酷だ……目的を果たすためには鬼にならねばいけない事も、手を汚さなければならない事もあるだろう…」

「だが、巻き込まなくてもよい無関係な人間を巻き込み…更には幼い子供に手を出そうとするとは、外道以下だよ」


ならず者「なんだテメェは、失せろや!!」ジャキッ

「…フッ…」

バシュシュシュッ!!!

ならず者「ぐああああ!?」ドシャアアッ

ならず者「な、なんだ!?」

ならず者「何者だテメェはぁ!!!」ガチャッ


「なに、通りすがりの医者だ……」タンッ

ならず者「くっそぉ、なんだこの髭眼鏡ー!」

ならず者「全員でかかれぇい!!」

「おとなしく逃げていれば良いものを…」

ザッ!!

バシュッ! ギュンッ! ビュビュンッ!!

ならず者×3「いやあああああ!!」ズドーーン

コニー父「…あ、ありがとう…ございます」

コニー母「あの…あなたは?」

「先ほども申した通り、ただの通りすがりの医者ですよ」

マーティン・サニー「通りすがりの医者ってすごい!」

「………」



…エレン、アルミン、ミカサ、ヒストリア、愉快な104期の若者たちよ……私が今手を貸せるのはここまでだ。君たちにはこれから様々な辛い経験が訪れるであろう。

特に、エレンとヒストリア…お前たちはまだ精神的にも未熟だ。まだまだ成長しなければならん。
その為には…どんな厳しい試練であろうと自力で乗り越えなくてはいけないのだ。私は静かに見守っておこう…


ケニー「ロッド・レイスに言われてやっていたが…回りくどいやり方じゃやっぱりダメだな。そもそも俺の性には合わねぇ」

女憲兵「訓練兵団に直接乗り込み無理矢理奪いますか?」

ケニー「そうしたいところだが、騒ぎを大きくし過ぎたらマズイだろ」

ケニー「やっぱりあのユミルとかいう女を利用するしかないか。この世界について色々知ってそうだったし、あいつを上手く使えば…」ザッザッ

―――――

ライナー「…エレンの母親まで人質に取ると…」

エレン「くっそ!ふざけやがって!」

クリスタ「…でも、奴等憲兵団でしょう?こんな事やってたら色々不味いんじゃないの…」

アルミン「ああ、だから直接行動してるのは雇われたならず者とかその辺りだろう」

ジャン「なるほどな」

アルミン「困ったな…どうするか…」

ヒュウウウウウ…

アルミン「ん?」

サシャ「気をつけてください!何か来ます!」

パコーンッ☆

ライナー「あうちっ!」

ベルトルト「ライナー!!!」

ミカサ「何か飛んできてライナーに理不尽に当たった!」

コニー「大丈夫かよオイ!」

アルミン「大丈夫だよ、これ紙の塊だから」クシャクシャ

ミカサ「な、なに?」オロオロ

エレン「なんだ?また何か…」

アルミン「…いや、『スプリンガー一家は解放した。カルラも大丈夫だろう、後は君たちで頑張りたまえ』…だとさ」

コニー「!?」

エレン「はあ!?」

ライナー「だ、誰がこんなの…」

ジャン「罠じゃないのか?」

アルミン「いや、そんな事は無いさ…この字、見覚えがあるよ」

エレン「…え?あれ、これ………」

ミカサ「…あ!」


エレン「親父!?これ親父の字じゃないか!?」

アルミン「うん、物凄く特徴的な字だから覚えてる」

アニ(どんな字だよ)

ミカサ「おじさん…いったい今まで何をしていたんだろう」オロリンオロリン

アルミン「面白い効果音だね、ミカサ」

エレン「わからん…だが、とりあえず母さんやコニーの家族が無事なら」

コニー「…あああぁぁ…良かった、本当に良かった…」

サシャ「コニー!」

クリスタ「これで一安心だね!」

ユミル「…」

―――――――夜・女子寮

ミカサ「ふあああ…おやすみぃ」フラフラ

サシャ「ありゃ、もう寝ちゃうんですか?」

ミカサ「うん、眠たい」ボサッ

アニ「私もそろそろ寝ようかな」

サシャ「ええええ、みんなで夜食パーティーしましょうよ!!」

ユミル「お前の食料つまみ食いに私らまで巻き込もうとすんな!」

クリスタ「もう…私だって本当は夜食パーティーしたいしいっぱい夜食食べたいし夜食と行きたいところだけど、我慢しなきゃ駄目でしょ!」

サシャ「はい…」シュンッ

クリスタ「明日は私のパンわけてあげるからさ」

サシャ「神様あっ!!」

ユミル「分けなくていいぞ、オイ」

クリスタ「あ、そういえばユミル…今日、馬小屋の管理の当番だったよね。就寝前のチェックした?」

ユミル「っと、本当だな…まあいいだろ、どうせ何もねぇよ」

クリスタ「でも一応なにか無いか見てこなきゃ…教官が怒っちゃうよ」

ユミル「はいはい、行ってくりゃいいんだろ」ガバッ

―――――

ユミル「…ああ、めんどくせ。さっさと終わらせて寝よう…」

ザッ ザッ

ユミル「…」


ユミル「誰だ?後ろに居るのは」

ケニー「おう、さすがだ…久しぶりだな」

ユミル「なにしに来た」

ケニー「なに、お前に話があってな……単刀直入に言おう」

ケニー「クリスタをこっちに引き渡せ」

ユミル「…はっ。んなこと言われて簡単に渡すと思うか」

ケニー「…お前は…この壁の中に未来があると思うか?」

ユミル「!」

ケニー「お前にいいことを教えてやる…850年の最後の日に、壁内人類は滅亡する」

ユミル「…!!まさか、あれが出るのか…」

ケニー「ああ。お前はもしかして知っているんじゃないか?もしあれが姿を現せば…もう壁内人類には未来は無い」

ユミル「ぐっ…そんな早くに…」

ケニー「だが、ユミル…お前としては。クリスタだけは絶対に守りたいだろ?」

ユミル「!」

ケニー「ならば俺達に引き渡すんだな。こんなところで暢気に過ごしてるより…そっちの方が確実に命の保証はできる」

ユミル「…」


クリスタ「あ!馬小屋に髪止め忘れてた!」ガバッ

サシャ「ぬああんですってええ!」

クリスタ「行って来る!」パピューン

ミカサ「気を付けて」ゴシゴシ

アニ(パピューン…)

―――――


ユミル「…くく…」

ケニー「!」

ユミル「んなこと言われても無理だな。どうせ操り人形のようにされるんだろう?それじゃ死んでるのと同じだ」

ユミル「クリスタはお前らにはやらん」

ケニー「そうか…そいつは残念だ…」


クリスタ「あああああああ!!?」


ユミル「!」
ケニー「!」

クリスタ「お前は…ケニー!!!」ギリイッ

ケニー「よう、クリスタ…探す手間が省けたぜ」

クリスタ「ユミルに何してた!ええ!?」

ケニー「別に何もしてねぇよ」

ユミル「おいクリスタ!早く逃げろ!!」

クリスタ「こんな奴から逃げるなんて嫌だ!ここでボコボコにしてやる!!」ダダダッ

ユミル「アホタレッ!!」

ケニー「ったく、血の気の濃いガキだ」スッ

シャッ!

ユミル「…!!!」ブシュウッ

クリスタ「ユミルウウウ!!?」

ケニー「おっと、あんまり調子乗ってるとまたユミルを切っちまうぜ?」

クリスタ「な…っ」ヨロッ

ガシッ!!

クリスタ「…!?んー!んー!」ジタバタ

女憲兵「クリスタは確保しました」

クリスタ(ちっくしょおおお!!!離せ!離せ!今ここであいつをギタンギタンにしてやるんだあああああああ!!!)

クリスタ「んうううんんんんん!!!」バタバタバタバタ

ケニー「俺はユミルを連れて帰る。その後はじっくりクリスタを教育してやらねぇとな」ザッ

ユミル(くそっ、どうする……)

サシャ「…クリスタ!?」ガバッ



アルミン「むむっ!!?」キュゥピリリリリリリイイィィィンッ



サシャ「皆さん、いまクリスタの悲鳴が!!」



アルミン「クリスタの声をキャッチしたぞ!!みんな起床しろ!!!」



バタバタバタバタ………


――――――


エレン「…クリスタとユミルが…どこにも居ない?」

サシャ「はい、二人とも馬小屋に行ったはずなんですが…」

コニー「サシャもアルミンも外からクリスタの声が聞こえたんだろ?」

アルミン「ああ、それによく見てみろ。この辺りにある靴の足跡、訓練生や教官に支給されているものとは別物だ」

ベルトルト「良くわかるね」

アルミン「つまり、中央憲兵がここまで来て…」

ライナー「ユミルとクリスタを連れ去ったのか!?おい、どうするんだよ!早く助けに行かねぇと…」

アルミン「ああ、わかってるさ!ユミルも一緒にだなんて凄く嫌な予感がプンプン匂う!!急いで行くぞ、今日はもう訓練は休みだ!!!」

ミカサ「でも、どこにいるのかわかるの?」オロオロオロオロ

アルミン「わかる!最初の手紙に書いてあった場所…ウトガルド城跡地だ!!!」

――――――

ヒストリア「ええい、ヒストリアアタッーク!」ポフッ

黒髪「あははは!ほらほら、お返しだあ!!」こちょこちょ

ヒストリア「くすぐったーーい!」キャッキャッ

黒髪「…あ、ごめんヒストリア…そろそろ時間だから…」

ヒストリア「ええ~もっと遊ぼうよ…」シュンッ

黒髪「ごめんね、また来てあげるからね」ポンッ

ヒストリア「うん!」

黒髪「……それに、これから先…ヒストリアにはもっと辛い事があると思うから……」

ヒストリア「え?」

黒髪「…その時は、誰かを憎んだりする事もあるかも知れない、けど……憎しみや怒りだけに振り回されちゃ駄目だよ。どんなに辛い事があっても、前を向いて生きてたらいつか楽しい事があるから…」

ヒストリア「??私はいま楽しいよ!」ニコニコ

黒髪「ふふ、ありがとう……」ポンッ


また、会いましょう



ピリッ


――――――

クリスタ「…う…」パチッ

ケニー「よう、目が覚めたか?」

ユミル「ぐっ…」ボロッ

クリスタ「ユミル!!!」

クリスタ「ユミル!どうしたのその怪我!!」

ユミル「私は…大丈夫だ、気にするな」

サネス「この女…どうしてもクリスタを渡したくないらしい。美しい友情だなぁ、ええ?」

クリスタ「…!ユミルを傷付けたのはお前かぁ!!」ギチッ ギチッ

クリスタ(体が縛られてて動けない!?)

ケニー「なあ…クリスタ。友達がこれ以上ボロボロになるのは見たくないだろ?」

クリスタ「!」

ケニー「だったら、おとなしく俺達に従え…そうすりゃユミルは解放してやる」

クリスタ「黙れ!!誰がテメェらに従うもんか!!!」

ケニー「そうか…」

サネス「爪を一枚剥ぐ」グググッ

ユミル「…っ!!」

ベリベリッ…

ユミル「ぐうううううっ!!!」

クリスタ「…っ!!!ユミル!!」

クリスタ「お前らやめろ、ユミルには手ぇ出すな!!本気でぶっ飛ばすぞオラァ、くそぉ!!!」ギシッギシッギシッ

クリスタ「ふう…ふう…っ!」

ケニー「無駄だよ、お前の力じゃその縄はほどけん」

ケニー「俺達のとこに来るだけでいいんだ、クリスタ…そうすりゃユミルにも他の仲間にも手は出さないんだよ」

ユミル「私は…気にするな、抗えクリスタ」ギロッ

クリスタ「…!!」

クリスタ「何て言われようが、あんたらなんかに屈するわけ…」

サネス「…」ググッ

ベリベリッ!!

ユミル「ぐあああぁぁっ!!!」

クリスタ「…っゆ、ユミル!!!」ビクッ

ケニー「もう一枚剥がしとけ」

ユミル「ぐっ…」

クリスタ「や、やめろ!本当にやめろ!!」

ユミル「クリスタ!私は大丈夫だ…」

ベリッ!!

ユミル「がああああっ!!?」

クリスタ「ひっ、いや…もうやめて、お願いだからやめて!!!」

ユミル「クリスタ!?」

サネス(もう少しか)

ケニー「やめて欲しいか…もうこれ以上はユミルもお前も辛いだけだ。このままだと他の仲間まで同じ目に会うぞ……お前がこっちに来るだけでいいんだ」

ユミル「クリスタ…ダメだ…」

クリスタ「………」

ケニー「そうそう、あと、お前が小さい頃に慕っていた姉がいたな」

クリスタ「!」

ケニー「あいつはもう居ないぞ、既にこの世から去った」

クリスタ「…え…」

ユミル「クリスタ!聞く耳を持つな!」

ケニー「家族をこれ以上失いたくないだろ?なあ?」

ユミル「クリスタ!反抗しろ!」

クリスタ「わ、私……は……」

ケニー「仕方ない、指も切り落としておくか」スッ

ユミル「!!」

ギリッ…

ユミル「ぐうっ!?」

ケニー「ほら、クリスタ…早くしねぇと」

クリスタ「わ、わかりました!!従います!!何でもしますから…ユミルは解放してください!!!」

ユミル「…!!」

ケニー「いい返事だ」

ユミル「クリスタ!?お前…」

クリスタ「だって……ユミルまでいなくなったら、私……どうすればいいの……」

ユミル「馬鹿言ってんじゃねぇよ!!お前にはもう友達もいるし大好きなアルミンもいるだろうが!!!」

クリスタ「た、確かにそうだけど……家族はもうユミルだけだもん!!!」

ユミル「…っ!」

クリスタ「お願いだから、ユミルまで私を置いていかないでよ!!!」

ユミル「くそっ…馬鹿野郎が……」

ケニー「よし、なら…ユミルには消えてもらうかな」

ユミル「なっ…」

クリスタ「え、な…んで…」

ケニー(ここでユミルもいなくなればクリスタはまた昔に逆戻りだ)スチャッ

サネス「…」

ケニー「見てろよ、クリスタ…お別れの言葉でも言っておけ」スッ

クリスタ「あ、いやだ…やめて……」

ユミル「クリスタ!見るな…」

ケニー「じゃあな」

ユミル(くそ!暗い建物の中じゃ巨人化もできん、もうダメか!?)

クリスタ「いやあああああああああ!!!」

ドシュッ!!!

クリスタ「…!」

ユミル「え…」

ケニー「…!」


ビイィィィンッ…

ケニー「ぐっ、腕に弓矢が!?」ズキンッ


サシャ「なに晒しとんじゃボケェ!!!」ザンッ

アルミン「よし、全員行けええええ!!!」

クリスタ「み、みんな…」

ライナー「うおおおおお!!!」

エレン「っらあああああああ!!!」

バシュッ!!

ケニー「ちっ!」ガキイイイインッ

エレン「ぐっ!ブレードをナイフで止めやがった!!」

ライナー「貴様…二人をボロボロにし…許さんぞ」

アルミン「後ろから対人制圧部隊の増援が来る!迎え撃つぞ!!」

ジャン・マルコ・ベルトルト・アニ「任せておけ!」

アルミン「コニー、サシャ、ミカサ!クリスタとユミルを助けに行くぞ…」

ミカサ「…」プルプル

アルミン「おい、ミカサ!?」

ミカサ「クリスタ…ユミル………よくも…」

ミカサ「許さない」ギラッ

ギュンッ!!!

アルミン「うおお!?」

ケニー「はっ!どうしたガキども…その程度じゃ」

ギュンッ!!!

ケニー「!!」

ミカサ「はああっ!!」

ザシュッ!ザシュッ!!

ケニー「ってえええ!?」フラッ

ミカサ「…」ズザザッ!

ライナー「ミカサ!?」

エレン「な、なんだ今の動き…早くて見えなかった」

ケニー(ちっ、意外と深くいったな…あの女…この前会った時は貧弱な奴だと思っていたが)

ミカサ「はあ…はあ…」ガクッ

エレン「おい、ミカサ!」

ミカサ「…あ…れ?」

エレン「おい、どうした!?」

ミカサ「わ、私…今のどうやったの?」

エレン「は!?」

ライナー「…」

サネス「ちっ、テメェら動くな、ユミルを切るぞ…」

アルミン「アルミンチョオオオップ!!!」スコーンッ!!

サネス「はうっ!?」ドサッ

ユミル「…お前の非力でよく気絶させれたな」

アルミン「ああ!僕ほどの天才頭脳なら人間の急所にチョップを当てるくらい余裕さ!ろくに戦闘訓練してないオッサンくらいならイチコロさ!」

アルミン「…クリスタ!!」ダダッ

クリスタ「…ありがとう…本当、ありがとう…」ボロボロ

アルミン「ユミルも命に別状はない…早く終わらせて皆で帰ろう!」

サシャ「だから泣かないでくださいよ!」

コニー「ああ、後は俺達に任せとけ!」

クリスタ「…ごめんなさい…私のせいで…」

ユミル「…なに言ってんだ、私の不注意が悪かったんだ」

ジャン「…そもそも、あいつらが勝手に狙ってきてるんだ、お前に非は無いだろ」

アルミン「そうだぞ、クリスタ。ほら立って!」

クリスタ「でも、私がユミルの言うことを聞かずに…向かって行ったから…」

ユミル「…気にすんな、冷静でいられないのも普通の人間だ」

クリスタ「でも、やっぱり私が悪いんだよ……そもそも私がいなければ、ユミルにも皆にも迷惑はかからなかった」

ユミル「…おい…お前…」

アルミン「クリスタ…ちょっと…何でもかんでも自分を責めるのは良くない」

クリスタ「私なんか居ない方が良かったんだ…やっぱ産まれてきたらダメだったんだよ」

ユミル「…!!」

パシイイインッ!!

クリスタ「…っ!?」ヨロッ

ユミル「いい加減にしろ。二度とそんな事は言うなアホタレが」

クリスタ「だって、もう嫌なんだよ…ユミルや皆が巻き込まれるのが…!」

ユミル「ああ、だろうな。なのにお前は逃げるのか?」

クリスタ「え?」

ユミル「嫌なら抗えよ、今までも嫌だから、あいつらに抗ってきたんだろうが」

クリスタ「でも、もう…私には、何も出来ないって、わかっちゃったから…」

アルミン「まだ十代の餓鬼がなに言ってんだ馬鹿!ガキに何も出来ないのは当然だろぉ!!」

クリスタ「え!?」ビクッ

アルミン「いいかクリスタ!君だけじゃない…みんな非力で何も出来ないんだ!でもそれだけじゃ嫌だろう!だから、自分に出来る事だけでもやろうと必死になるし努力するし、前に突き進むんだ!!!」

クリスタ「…!」

ユミル「…お前は色々と経験して辛いだろう…だが、諦めたっていいことはない。今のお前は自暴自棄になって逃げてるだけだ。どうしようもない厳しい現実からな」

クリスタ「!!」

ジャン「お前はやっぱり、元気で前向きな方がいいと思うぜ…いつまでも下を向くなよ」

ユミル「みんなが巻き込まれたり誰かが不幸になるのが嫌なら、もっと強くなれ。前を向け。自分の邪魔をする奴等の思い通りにさせないよう…全力で生きるんだよ」

クリスタ「…うん…」グスッ

ユミル「…胸張って生きろよ………ヒストリア」

ドサッ

クリスタ「!!」

アルミン「大丈夫だ、ちょっと気を失っただけだよ」

クリスタ「…」

ジャン「…とりあえずユミルとクリスタを外に避難させておくか」

アルミン「そうだね、立てるか?クリスタ」

サシャ「大丈夫ですか?」

クリスタ「……うん、もう…大丈夫」ゴシゴシ


コニー「クリスタ…」

クリスタ「違うよ」

コニー「!」

アルミン「!」

ジャン「え?」

サシャ「どうしたんですか?」


クリスタ「…クリスタじゃないよ…」






ヒストリア「私は、ヒストリア」

女憲兵「隊長、先に戻っていてください。我々が時間を稼ぎます」

ケニー「ああ、そうしよう…あの小娘が予想外にやりやがった」

ケニー「あばよ!!」パシュッ!

エレン「あ!あいつ逃げやがった!!」

ライナー「待てエレン。俺達の目的はあいつを倒すことじゃない。ユミルとクリスタの救出だ」

エレン「…ああ、そうだな。悪いライナー」


アルミン「ぬぬ、ケニー…どうやら立ち去るみたいだな」

ジャン「深追いはやめておくか」

ヒストリア「…」



ヒストリア「馬はある?」

ジャン「ん?ああ…俺達が乗ってきた馬なら」

ヒストリア「私に貸して。私が操る馬ならすぐに追い付ける」

コニー「ヒストリア、まさか」

サシャ「あの隊長を追い付かるつもりですか!?」

アルミン「…」

ヒストリア「大丈夫だよアルミン。憎しみや怒りで追いかける訳じゃない」

ヒストリア「私の人生を…私の進む道を邪魔する奴を、今からやっつけてやるんだ。私自身の為に!!」

アルミン「ふっ…いい目になったな、ヒストリア」

アルミン「いいだろう!この僕の天才頭脳で…君を勝利に導いてやろう!!!」ドンッ

――――――外

ケニー(…クリスタをこっちに連れてくるのは失敗したが、まあいい…あれなら当分は立ち直れないはず…)

ズドドドドドッ…

ケニー「ん?何の音だ?」

ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドドドッ!!!


馬「ブルルヒヒイイインッ!!!」


ヒストリア「逃げられると思うなぁっ!!!」


ケニー「なんだと!!?」

ジャン「おい、三人のりで大丈夫なのか?」

アルミン「大丈夫さ!ヒストリアの操る馬だからね!!」


ケニー「諦めの悪い奴だな、クリスタ!!!」


ヒストリア「あははははは!!クリスタ!?」



ヒストリア「クリスタは…もうやめた!!!」ドンッ

ケニー「…ほう…」

ヒストリア「私は…今まで、あんたらを怒りに任せてぶっ潰す事だけを考え目標にしていた。でも、それじゃダメなんだ!」

ヒストリア「悪感情をすて!前を向いて!自分が楽しく暮らせる世界を目指す事を目標とする!お前らなんか私の道に転がっているただの邪魔な石ころだ!!!」

ケニー「その石ころ相手にお前らは何が出来ている!?笑わせるな、お前らは何も出来ていないだろう!!石ころ以下の虫けらが!!!」

ヒストリア「虫けらで結構!!虫だって毎日必死に生きてんだ!!!」

馬「ブルルヒヒイイインッ!!!」ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドドドッ

ヒストリア「アルミン!ジャン!」ジャキンッ

アルミン「よし、全力でサポートするぞ!ヒストリア!」

ジャン「おう。やってやらぁ」

ケニー「来るか!!」


ヒストリア「行くよ!!不本意な現状を変えるのは…戦う意志だ!!」



数々の苦難を乗り越え…
仲間と…大事な人達と楽しく平和に暮らせる世界を目指すため

これからどれだけ泣く事になろうとも、諦めることだけは絶対にしない!!
血反吐吐こうが手足がもげようが地面這いつくばってでも生き抜いてやる!!!





クリスタという名の殻を突き破り



再びこの大地に立ち上がる





今…!ここに!!








ヒ  ス  ト  リ  ア 降  臨    !  !  !








ヒストリア「いざ、参る!!!」






ケニー「女の言う台詞じゃねぇぜ!!!」






アルミン「進   撃   ! ! !」



明 日  へ  続



アルミン「よぉし、ヒストリア!ジャン!作戦通りに行くぞ!」

ヒストリア「イェッサァ!」

ジャン「立体機動に移るぞ!」パシュッ


ケニー「訓練兵のガキが…俺に勝てると思ってんのかよ!」ガチャン

ケニー「バキュウウウウウウンッ!!!」

アルミン「頭を伏せろぉ!!!」

ジャン「っぶねぇ!!」サッ

ケニー「バンッ!バンッ!」

ヒストリア「わった!」サッ

ケニー「ああ?当たんねぇな」

アルミン(思った通りだ…あいつは頭を狙って撃ってくる!)

アルミン(そして後は背後を取られないようにヒストリアとジャンの二人でケニーを挟み周り続ける!!)

アルミン「果たして僕の作戦は上手くいくのか!緊張の瞬間だぁ!!」

ジャン「なに独り言言ってんだお前は!!」

ケニー「ふん、なかなか勘はいいようだが、なあ!!!」「バアンッ!!」

ジャン「っと…今だ!!」ギュンッ

ケニー「!!」

ガキイイイイインッ!!

ジャン「ちっ…」ギリギリ

ケニー「俺の攻撃したあとの隙をついて来ると思ったぜ」グググッ

ケニー「おらよ!!」ゲシッ!

ジャン「ぐああっ!!」フラッ

ケニー「…そして、後ろから来ることも予想できている」クルッ

ヒストリア「うっ!?」ギュイイイッ!

ケニー「ふん!!」ドフッ!

ヒストリア「かはぁっ!」ドサッ

ケニー「訓練兵にしてはなかなかやるな」ザッ

ジャン「くっ、強い…」ザッ

ヒストリア「さすがは隊長…やるじゃないのよさ」

ケニー「まさかこの程度がお前らの作戦か?だとしたら見くびられたもんだ、その程度で俺に勝てると思っていたとはな…」

ケニー「確かにお前らはガキにしちゃいい腕だが、相手が悪かったな。そもそも飛び道具もないお前らが俺に勝とうなんざ無謀なんだよ」

ヒストリア「…」

ジャン「…」

ケニー「まあいい。俺も暇じゃないんでな…さっさと終わらせて」

バシュンッ!!!

ケニー「っ!!」


ドシュッ!!


ケニー「なにぃっ!!?腕に何かが刺さっ……これは!!」


アルミン「ケニー・アッカーマン!!僕らには飛び道具もないと言ったな!?だが、それは……大きな間違いだ!!」

ケニー「ぐっ……見ないと思ったら、このチャンスを待っていたのか!?」


アルミン「立体機動装置のワイヤーは武器としても使えるんだ!!!」


ジャン「よし、良くやったぜ!!」

ヒストリア「さっすがアルミン!」

ケニー「ちっ!右腕はもう使えんな」ダダッ

アルミン「ようし!もう一発、アァルミンシューートッ!!!」バシュンッ

ケニー「同じ手を二度も喰うか!!」ガキンッ

ジャン「逃がすか!!」バシュンッ

ヒストリア「ワイヤーショットォ!!」バシュンッ

ケニー「ギュイイイッ!!ギュンッ!!」ギュイイイッ

ジャン「くっ、逃げられたか!」

ヒストリア「でも、アルミンの攻撃がけっこう効いてるはず!」

アルミン「ああ!あとミカサから受けたダメージもある。このまま押し切るぞ!!」

ケニー「バァァキュキュキュキュウウウウウウンッ!!!」

アルミン「連射が来るぞ!近くの建物の陰に避難しろ!!」

ジャン「おう!」パシュッ

ヒストリア「緊急回避ー!!」ササッ

ケニー「あの金髪小僧…俺が撃つより早く予測してやがる」

アルミン「お前の視線や銃口の向きでどこを狙うかはお見通しだ!!」

ケニー「厄介な奴だぜ!!」

アルミン「光栄だあぁ!バシュウウウウンッ!!」バシュウウウウンッ

ジャン「アルミンに続いてワイヤーを撃つ!」バシュンッ

ヒストリア「はいさぁ!!」バシュンッ

ケニー「揃いも揃ってワイヤーワイヤーかい、ワイヤー村の村人かっての!!」ガキンッガキンッ

ケニー「反撃のバキュウウウウウウンッ!!!」

アルミン「近くの建物に回避っ!!」シャッ

ジャン「おう!」シャッ

ヒストリア「ほらほら当たんないよ!!」シャッ

アルミン「再びワイヤーアタアアアアアック!!」

ヒストリア「アターーーック!!」バシュンッ

ジャン「おら!」バシュンッ

ケニー「一度喰らったのを何度も食らうかよ、もう無駄だぜ!!」ガチッ

アルミン「撃ってくるぞ、近くの建物に隠れろ!!」

「バキュウウウウウウンッ!!」



ケニー「…」

ケニー(妙だな…さっきからワイヤーを撃ち、避けられ、こっちの攻撃からは建物に隠れ避け続ける。こんなこと繰り返したって無駄なはずだが…)

ケニー「!!」

ガチッ

ケニー「…くく、ははは!なるほどな!!」

ヒストリア「!!」

ケニー「無駄な行動を繰り返しこちらの弾切れを狙っていたのか!!おもしれぇガキだ!!」

アルミン「バレたか、第2作戦に切り替えるぞ!!!」

ジャン「なんだそりゃ!?」

アルミン「これから考える!!」

ヒストリア「大丈夫なの!?」

ケニー「残弾もあと二発か……気づかなかったぜ。こういう少しおっちょこちょいな面が俺の弱点だな!」

ヒストリア「ケニー、今の私はあんたのそういう冗談聞くと凄く腹立つ気分なの!!」

ケニー「おっと怖い怖い!」スチャッ

アルミン「!」

ジャン「ナイフを出した!!」

ケニー「ヒストリア!邪魔だどけ!!」ギュンッ

ヒストリア「うわっ!!?」ビクッ

ガキンッ!!!!!

ヒストリア「うそ、ナイフでブレード払われた!?」

ケニー「寝てろ!」ドフッ

ヒストリア「いいいっ!!!」ガクッ

ジャン「こいつ!!」ザッ

ケニー「ふん!」ズシャッ

ジャン「ぐあっ、足が!?」

アルミン「ヒストリア!ジャン!下がれ!!」

ヒストリア「!?」
ジャン「!?」

ケニー「お前から片付けてやる、アルレルト小僧!!!」ギュンッ

アルミン「やはり狙いは僕だったか、アッカーマン!!天才は辛いよっ!!!」

ヒストリア「アルミン!!」ダッ

アルミン「動くなヒストリア!!!僕が活路を切り開いてやる!!!」ドンッ

ケニー「なにが活路だてやんでい!!!」ジャキンッ

アルミン(ケニーの視線、ナイフの構え方……心の臓を狙う気だな!!!)キュピイィィンッ


ケニー「しねぇっ!!!」

アルミン「活きる!!!」


ドシュッ!!!


ジャン「!!」

ヒストリア「あ!」


アルミン「いってえええぇぇっ!!!」

ケニー「自分の腕を盾にしやがった!!」

アルミン「捨て身のアルミンブレエェェード!!!」

ズシャアッ!!!

ケニー「ぬぁに!!?」ガクッ

アルミン「こんだけ近けりゃ、運動音痴な僕でも斬撃を正確に当てられるぞ!!!」

ケニー「ちっ!このガキ!!」ドガァッ

アルミン「いだあっ!!」ドサッ

ヒストリア「やああああっ!!」ギュンッ

ジャン「そこどけやがれ!!」ギュンッ


ケニー「!!」タンッ


ヒストリア「くっ、すばしっこい奴だ」

ジャン「大丈夫か!?」

アルミン「ああ、腕に深い傷を負ったが命には別状ナッシングさ」

ヒストリア「命に別状はナッシングでも、もう休んでた方がいいよ」

アルミン「そうしよう」

ケニー「くっ…左腕もやられたか、何とかまだ動かせるが…」ヨロッ

アルミン「ケニーはだいぶ弱っている。もう少しだ!!」

ヒストリア「…うん、後は私に任せて!!」

アルミン「一人でやる気か?」

ヒストリア「うん、後は私がやる!ジャンはアルミンを頼んだよ」

ジャン「一人で大丈夫なのか?」

ヒストリア「大丈夫だよ……だって私は」


ヒストリア「ヒストリアだからねっ!!!」ジャキイィィンッ

ケニー「ふん……ちょっとの間に立派な目付きになりやがって」ザッ

ヒストリア「ユミルや皆がいるからさ!!!」ドオォンッ

ケニー「成長してるようだな……身長以外は」

ヒストリア「チビで悪かったわねぇ!!!」

ジャン「落ち着け」

ケニー「ま、ここでお前が敗れたらどうなるか分かるな?」

ケニー「お前はレイス家に連れていかれ…後ろの二人はユミル以上の苦痛を受けるだろう。お前の目の前で見せてやるよ」

ヒストリア「…」ピクッ


ヒストリア「んだオラアアアアアアッ!!!」ズギュンッ!!

ジャン「ってオイコラ!挑発に乗んな…」

アルミン「いや、よく見てなよジャン」

ジャン「え?」

ケニー「ははは!この程度の挑発に乗るとは所詮まだケツの青いクソガキ…」


ヒストリア「なあんちゃってね!!!」ギュルンッ

ケニー「なに!?」

ズシャッ!!

ケニー「ちい!?やられたか!」

ヒストリア「へへーんだ!!」ズザザッ

ジャン「まさか、怒り叫んで突っ込んだのは相手を油断させる為のフェイントだったのか!?」

アルミン「そうだ!!以前のヒストリアなら本当に怒り狂って突っ込むだけだっただろうが、今の彼女は違う!冷静に自分の感情もコントロール出来るようになった!!」

アルミン「とは言ってもやっぱりあんなこと言われたら腹立つのは腹立つからね。叫ぶ事で心の中の鬱憤も晴らせるし一石二鳥って奴さ!!」

ヒストリア「ケニーに負傷させれたから一石三鳥だ!!!」

ケニー「調子に乗るなよ!!」

ヒストリア「えへへ、もうこのまま余裕でいけるんじゃ…」

ケニー「隙ありだぜバキュウウウウウウンッ!!!」

ヒストリア「ちょわー!?あっぶなあぁぁっ!!!」ズザザーッ

アルミン「バカトリア!相手を油断させた後に自分が油断してちゃダメだろうが!!」

ヒストリア「すんませんでしたあっ!!」ガバッ

ジャン「やっぱり心配だ…」

ケニー「お前に勝てるかぁ!?」ダンッ

ヒストリア「勝ってやろうじゃないのさ!!!」

ガキンッ!!!

ヒストリア「うううううっ!!」ギリギリ

ケニー「非力だなぁ、ええ!?またナイフにブレード払われちまうぜぇ!?」

ヒストリア「キイイィィィック!!!」バシィンッ

ケニー「どわっ!?」ガクッ

ヒストリア「アニ直伝の極め技!!とくと味わえ!!」ギチイッ!

ケニー「ぐっ…こいつ!」

ドシュッ!!

ヒストリア「いいいっ!!肩に!?」ヨロッ

ケニー「いい加減におとなしくしろ!!」ドフッ

ヒストリア「うああっ!!」ドサッ

ケニー「ったく、お前はころしたらいけないんだからよ…」

ヒストリア「なら尚更好都合!何度でも突っ込んでやるわ!!」ダダッ

ケニー「仕方ない、足一本くらいならロッドも許してくれるだろう」スチャッ

ヒストリア「やれるもんならやってみろぉっ!!!」ブンッ

ケニー「うおっ!?」

ヒストリア「頭突きで攻めてやる!!」ブンッブンッ

アルミン「なるほど、あんな頭突きブンブンされちゃ誤って頭に攻撃しちまうかも知れないから困るな」

ケニー「くそっ!んなカッコ悪い戦い方で恥ずかしくないのか!!」

ヒストリア「恥ずかしくない!!」ドンッ

ケニー「このっ!!」ガシッ

ヒストリア「あだっ!頭掴まれた!!」

ケニー「いい加減諦めたらどうだ!!」

ヒストリア「離せえええ!!!」ジタバタジタバタ

ケニー「このっ!!」ドフッ バガッ!!

ヒストリア「いでっ、ぐううっ!」


ジャン「おい、不味いだろ!加勢に…」

アルミン「いや、まだだ!ヒストリアはまだ…」

ケニー「うるさい小娘が…足一本落としゃ静かになるだろ」スッ

ヒストリア「はあ…はあ……へへへ…」ボロッ

ケニー「まだ笑ってられる余裕があんのか?」

ヒストリア「私はまだ…負けてないよ」



ヒストリア「ピイイイイイィィィッ!!!」

ケニー「!!」


ドドドドドド



馬「ブルルルルルヒヒイイイィィッ!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドドドッ!!!

ケニー「なに!?」


ドガアアアアアッ!!!!!


ケニー「ぐあああああ!!?」ズザザザザッ!!


ヒストリア「へへんだ!馬術トップの実力を舐めないでよね!!」ザッ


馬「ブルルルルル」

ケニー「ちっ、あんの馬が!!バキュウウウウウウンッ!!」

ヒストリア「あ、逃げてお馬さん!!」


ドンッ!!

お馬さん「ヒヒイイイィィッ!!」ドサッ

ヒストリア「ああっ!お馬さんの足が!!」

ケニー「もうそいつは走れまい。俺も弾が切れちまったがな」

ヒストリア「…よくも!」ザッ

ケニー「俺も時間がねえ…決着を着けるぞ」スチャッ

ヒストリア「…」ヨロッ

ヒストリア(ケニーのナイフ一本でも私より強い…まともに切りあっても勝てないだろう。ワイヤー攻撃も見破られるし…どうする…)

ケニー「行くぜ!」ダンッ

ヒストリア「…やあああっ!」バシュッ

ケニー「ワイヤーは無駄だ!」ガキンッ

ヒストリア「せやあっ!!」ビュンッ

ケニー「っと、ブレードまで投げてきたか!!」サッ

ヒストリア「はあああ!!!」ダダダッ

ケニー「お前じゃ勝てないのはわかってるだろ!!」キイインッ!!

カランッ

ヒストリア「!」

ケニー「ブレードは無くなった!どうする!?」

ヒストリア「パンチッ!!!」バッ

ケニー「当たるか!!」バシンッ

ヒストリア「ぐううっ!」ズザザッ

ケニー「ふん!!」ドフッ

ヒストリア「かはっ!!」

ケニー「蹴られるのは痛いだろ…いい加減に降参したらどうだ」

ヒストリア「…はあ、はあ…わかったよ…もう勝てない。降参…」

ケニー「…」



ヒストリア「するわけ無いだろおぉぉっ!!!」ドスッ!!

ケニー「んなっ!!?」ガクンッ

ケニー「ブレードだと、いつの間に……」


ヒストリア「はあ…はあ…へへへ。さっき投げた奴さ」


ケニー「…!ははは、ここまで考えていたとはな……甘く見てたぜ」

ケニー「だが、まだだ」スチャッ

ビュンッ!!

ヒストリア「動きが鈍ってるよケニー!!」サッ

ケニー「ちいっ!!」


ヒストリア「私は負けない!あんたに勝って…未来へと真っ直ぐ突き進むんだあああっ!!!」ドウッ

ケニー「…!!」ヨロッ

ケニー(ちっ、なんてこった…手足が言うこと聞かねぇ…)

ヒストリア「トドメの………ヒストリアキイイイイイイック!!!!!」


ズガアアアアアッ!!!

ケニー(ちっ…まさか……あんな、無力だったガキに、やられちまうとはな………)


ドサアアアッ………


ジャン「…!」


アルミン「決まったな」


ヒストリア「はあ…はあ…」フラッ

ドサッ!


ヒストリア「や、やった……私が、私がやれたぁ!!」


ジャン「ヒストリア!」ダダダッ

アルミン「よくやったぞ、オイ!!」ダダダッ

ヒストリア「…みんなのおかげだよ…私1人じゃ勝てなかった…」


中央憲兵「隊長!!」

ヒストリア「!」

アルミン「まずい、他の連中も来たのか!!」

ジャン「さっさと引き返すぞ!!」

ヒストリア「うん…」ヨロッ

馬「ブルルルルル…」ヨロッ

ヒストリア「!走れるの?」

馬「…」コクッ

ヒストリア「無理させてごめんね。頼むよ」



パカラッパカラッパカラッ!!



女憲兵「…」

中央憲兵「隊長…奴等にやられたのか……どうします?追いますか?」

女憲兵「いい。我々は隊長を回収し帰還する」

ケニー「…」

女憲兵「立てますか?それともやっとくたばりましたか?」

ケニー「バカ言え、まだ生きている」

女憲兵「あんな子供達に負けるなんて恥ずかしいですな」

ケニー「まあ、油断もしてたからな。今回の敗因は俺の心構えが原因だったな」

女憲兵「…怪我が治ったらリベンジするつもりですか?」

ケニー「さあな…その時までには俺の気分も変わってるかも知れん」


ヒストリア「怪我が酷くならない程度でいいからね!」

馬「ブルルルルル!」パカラッパカラッ


ジャン「…隊長は倒した…さっきの奴等の様子を見るにエレンやライナー達も勝ったんだろう。とりあえずしばらくは狙われることは無いのだろうか?」

アルミン「まあ、しばらくはね。中央憲兵からは…」

ジャン「ん?」

アルミン「他にもエレンとヒストリアを狙ってそうな奴が三人いるから…そいつらがどうでるかだね」

ヒストリア「え?」

アルミン「ま、いいよ。今はそれより勝利を祝い皆でパーティーだ!」

ヒストリア「いいねいいね!ユミルや皆ともたくさん話したい事あるんだ!!!」


パカラッパカラッパカラッ…





グリシャ「…」



グリシャ(いざとなったら助けに出ようかと思ったが、そんな必要はなかったみたいだな)

グリシャ(…貴女の妹は…頼れる仲間たちと元気にやっていますよ)


―――時は少し戻り ウトガルド城


エレン「クリスタとアルミンとジャンがケニーを追った!?」

ミカサ「うん」オロオロ

エレン「…そうか、残ったこいつらは俺達が相手だな」

女憲兵「行くぞ、対人制圧部隊!!」

中央憲兵「はっ!!」

ユミル「あの武器は気を付けろ。食らえば一発であの世行きだ」

ライナー「わかった。ユミルは安全な場所にいてくれ」

ベルトルト「…」

ライナー「頼むぞ、ベルトルト」

ベルトルト「ああ…ここまで来たらやるしかないね」

サシャ「ユミルのぶん!!」バキッ

コニー「ヒストリアのぶん!」バキッ

マルコ「そしてこれが皆の仲間を傷つけられた心の痛みだあっ!!」バキッ

中央憲兵「ぎゃああ!!」


女憲兵「行くぞ、子供とて容赦はしない」ガチャン

バアンッ!!バアンッ!!

ライナー「ぐっ、あぶねぇ!」

エレン「行くぞアニ!」

アニ「接近戦に持ち込めば!」

女憲兵「甘いな」ビュンッ!ビュンッ!

エレン「うおっと!?」ズザザッ

アニ「こいつ、接近戦でも強い!?」

女憲兵「私は対人制圧部隊のナンバー2…舐めてもらっては困るな」

ライナー「他の皆も苦戦しているぞ!」

エレン「くっ…やっぱりキツいか!」

ミカサ「やー!」ポカポカ

中央憲兵「…下がってなお嬢ちゃん」

女憲兵「1人残らず殲滅し…」

バキューンッ!!

女憲兵「ぐうう!?腕に!?」

エレン「!!!」

ミカサ「え!?」

ライナー「銃撃!?誰だ!?」


女憲兵「何者だっ!!」


ザッ…ザッ

「遅れてごめんね…でも、もう大丈夫よ」


エレン「え………え!?」

ミカサ「!?!?!?」


カルラ「私が助けに来たからね。エレン、ミカサと…仲間のみんな」

エレン「か、母さ………え!?」

ミカサ「何してるの!?」

ライナー「エレンの母さん!?」

ベルトルト(!?)


カルラ「さあ、中央憲兵…ここまでよ、命が欲しいなら大人しく引き下がりなさい」ガチャン

中央憲兵「舐めるな、ただの主婦ごとき…」ガチャッ

パァンッ!!!

中央憲兵「ぐあああっ!!?」ドサァッ

エレン「!?」


カルラ「言ったでしょう?命が欲しいなら大人しく引き下がりなさいと…」ザッ

アニ「なに今の銃撃…見えなかった」

サシャ「私のお父さんくらいの早撃ちやないか…えらいこっちゃな」

コニー「訛りが出てるぞ、サシャ」

女憲兵「…!!貴様…まさか」

カルラ「…」ガチャン


女憲兵「元対人制圧部隊隊長…カルラ!またの名を笑う狩人《ラフィング・イェーガー》か!!!」


エレン「はああっ!!?」

ミカサ「カルラさん何してたの!?」

カルラ「黙っててごめんなさいね…エレン」

エレン「いや……もう、開いた口が塞がらないです」

カルラ「確かに私は昔…対人制圧部隊の隊長だったわ。でも今は、母親として…息子の手助けをしているだけ」

女憲兵「くっ!!」パァンッ!!!

カルラ「ふん!」パンッ!パンッ!

ガキンッ!ガキンッ!

ライナー「銃弾を銃弾で撃ち落とした!?」

ベルトルト「壁内人類ヤベェなオイ」

カルラ「そこね!」バキューンッ!

女憲兵「ちいっ!!」シュッ

女憲兵「くっ…かすったか」

カルラ「…すんでで避けるなんて、やるじゃない」

中央憲兵「どうしましょう!?」

女憲兵「くっ…カルラがいるという事は奴も近くに居るかも知れん。ここは帰還するぞ!!」

中央憲兵「はっ!!」

バシュッ!バシュッ!

アニ「逃げてくね…」

カルラ「深追いはダメよ」

エレン「ああ………で、母さん…その…」

カルラ「…ゆっくり話したいところだけど、私…やらなきゃいけない事があるの」

エレン「え?」

ミカサ「?」

カルラ「だから…また会えた時に、ゆっくり話そうね」

―――――


ヒストリア「…ユミル…怪我…大丈夫?」

ユミル「ああ、心配すんな……つーかお前こそボロボロじゃねぇか」

ヒストリア「ユミルに比べたら…」

ユミル「ふん、お前みたいな貧弱と一緒にすんな。私は丈夫な体なんだよ」

ヒストリア「ふふ…」

ユミル「あ?」

ヒストリア「いつものユミルで安心した」

ユミル「お前こそ、元気になって…やっとちゃんと本名で通すようになって安心したよ」

ヒストリア「…これからも家族でいてね、ユミル!」

ユミル「はっ、また毎日騒がしくなりそうだ」


サシャ「良かっだ…二人とも良かっだでずうぅ…」ボロボロ

ミカサ「どうなるかと思ってたよぉ…」ボロボロオロオロ

ヒストリア「あはは…二人とも泣きすぎだよ、もう」

コニー「ま、これで一安心だな」

エレン「ああ…良かっぜ、本当に」

ヒストリア「皆も……アルミンとジャンも、ありがとうね!」

ジャン「おう」

アルミン「また何かあれば、僕の天才頭脳に頼ってくれたまえ!!」




ライナー「…とりあえず、ヒストリアはレイス家の人間で……重要人物だと確信した」

ベルトルト「ああ」

アニ「どうするの?」

ライナー「…」

ベルトルト「ライナー…悩んでる様子だね」

ライナー「当たり前だ、ずっと一緒に暮らしてきてたんだ」

ライナー「俺は…あいつらと戦うのが辛い」

アニ「…私だってそうさ」

ベルトルト「…」

ベルトルト「訓練生三年目の最初の日…その日に作戦を実行しよう」

アニ「!」

ライナー「待てよ、最後まで待っても…」

ベルトルト「ダメだ…このままじゃ僕らは、戦士で無くなるか、無理をし過ぎて精神を壊してしまう」

ライナー「…」

アニ「そうだね…」

ベルトルト「僕だって辛いんだ。でも、やらなきゃいけない」

ベルトルト「…まあ突然敵対するのも辛いだろうから、来年の初めまで待つ。その日までに覚悟を決め………エレンとヒストリアを故郷に連れて帰る」

ライナー「そうだな…連れて帰れば、人をころす必要も無いんだ」

アニ「わかった、それまでに覚悟を決めよう」

ベルトルト「皆とは敵になる。いいね?」

ライナー「ああ……戦士として、責任を果たしてみせよう」



一年後………

壁内に三体の巨人が出現する。



今日はここまで

―――――数年前、故郷



「ベリック・×××!ライナー・ブラウン!ベルトルト・フーバー!アニ・レオンハート!」

「以上四名を新たな戦士として迎え入れる。諸君らには一週間の後、壁の破壊と壁内人類の殲滅…そして、数年の間スパイ活動を担当してもらう」

「はっ!!」



…僕らのしていることは正しい事なのだと

壁内人類を滅ぼす事が正義なのだと

ずっと信じていた………


ドオオオオオンッ!!!!!

僕らはたくさんの人間の命を奪った…
もう戻れないんだ、二度と


―――――

「おい!ベルトルト!」

ベルトルト「!!」ビクッ


エレン「どうした、うなされてたぞ…」

コニー「大丈夫か?どっか痛いのか?」

ベルトルト「いや…大丈夫だ、心配いらないよ」

エレン「そうか…じゃあ行こうぜ、朝飯の時間だ」

ベルトルト「うん」


ライナー「…ベルトルト…またあの時の夢を見たのか」

ベルトルト「…ああ…でも、ここまで来て後戻りなんか出来ない」

ライナー「そうだ…ここにいる奴等もみんな好きだが…」

ライナー「俺達は故郷だって好きなんだ。絶対にいつか帰るぞ」

―――食堂


アルミン「ふうう!やっぱり早寝早起きは頭がスッキリクルクル大回転だぜ!!!」

アニ「朝からうるさいよアンタ」

ミカサ「おはよう。エレンは?」

アルミン「僕が起きた頃にはまだみんな熟睡していたからね、まあ寝たいときは寝させるのが一番だから起こさずに来たわけよ。まあ、そろそろ起きるんじゃないかなぁ!?どうかなぁ!?どう思うジャン!?」

ジャン「朝から絡んで来んなよ…」

マルコ「ははは」


ヒストリア「あ、みんなおはよー!」

ユミル「おう」


アルミン「おう!二人ともグッモーーニンガール!!!」

ヒストリア「グッモーーニン!!」

ミカサ「おはよー」

ヒストリア「おはよー!」

ジャン「よう」

ヒストリア「お、キルシュタインジャン!おはよー!」

ジャン「お前らは俺をどうしたいんだこの野郎」

マルコ「ははは」

エレン「おう、早いなお前ら」

ライナー「よう、おはよう」

アルミン「グッッモーニンッ!エブリバディイィィ!!」

ミカサ「ぐっどもーにんぐ!」

コニー「エブリバディーだぜ!」

アルミン「む、どうしたベルトルト!元気が無いぞ!!」

ベルトルト「ちょっと悪い夢を見てね…でも皆を見てたら少しは落ち着いたよ。あはは…」

アニ「…」

―――――対人格闘訓練


ミカサ「いくよ、手加減はしないからね」

アルミン「よし、本気で来いミカサアアア!!!」

ミカサ「アニキーック!やーっ!」ブインッ

ズルッ

ミカサ「ぅわああ!!」ベシャアアアッ

アルミン「大変だ!!アッカーマン訓練兵が滑って転けなすったぁ!!」

エレン「ミカサ…運動音痴にも程があるぞ……」

アニ「キックして自分で滑るだなんて……せっかく教えてやったのに」ハァッ

ミカサ「かたじけない…」シュンッ

エレン「まあ落ち込むな。俺も付き合ってやるからよ、一緒に頑張ろうぜ」

ミカサ「うん!」

アルミン「よし、レオンハート師匠も!僕とミカサをもっともっとみっちりがっつり強くしてくれ!!へいへい!!」

アニ「うん、いま蹴ってやろうか悩んだけど我慢して教えてやるよ」

エレン「じゃあ、まずは俺とアニがやるから動きをよく見てろよ」

アルミン「見ることに関してなら僕は無敵さ!」

ミカサ「見る!」ジーッ

アニ(本当に大丈夫かこの二人は)

ジャン「はあ!」

マルコ「うわぁ!」ドンッ

ジャン「また俺の勝ちだな」

マルコ「いてて……ジャン、格闘訓練真面目にやるようになったね」

ジャン「…まあ…このままじゃダメかなって思ってよ……気にすんな」


サシャ「タッタラタッタータッ」

コニー「タッタラタッタータッタ」


ジャン「ん?」

マルコ「ヒストリア達のグループか…何か騒がしいね」

ジャン「またバカな事でもやってんだろ」



ヒストリア「わったっしーーは、ヒストリアー!」

サシャ・コニー「いっけいっけ、ヒストリアー!」

ヒストリア「HEY!HEY!HEY!」パンパンパンッ

サシャ・コニー「超絶・最強!ヒストリアー!」

ヒストリア「わったしが、ヒストリアーー!!」

サシャ・コニー・ヒストリア「HEY!HEY!HEY!」パンパンパンッ


ユミル「うっせぇな、何だその変な歌は!!」

ヒストリア「私のテーマソングだよ!」エヘヘッ

サシャ「ヒストリア選手の入場です!」

コニー「相手は世界チャンピオンのユミル!彼女に打ち勝ち…全国制覇なるか!?」

ユミル「はあ…なんで私はこんなバカどもに付き合ってんだ」

―――1分後


ヒストリア「」チーンッ


サシャ「あああ、やっぱりヒストリアが負けました!!

コニー「ヒストリアの一勝十敗!!」

ユミル「…ったく、威勢だけだなお前は」


ヒストリア「…やっぱりユミルは強いな~」パンパンッ

ユミル「お前はスピードはあるんだが…動きが単調過ぎて読みやすいな」

ヒストリア「ん~…まだまだ訓練積まなきゃダメかな!」

ヒュウウウ……


サシャ「あ!避けてください!何か飛んできます…」

ヒストリア「へ?」



アルミン「ぎゃあああす!!!」ベシャアアアッ

ヒストリア「きゃわあああ!?」ベシャアアアッ

コニー「ヒストリアが下敷きになったあぁ!!」

アルミン「いててて…アニめ、吹っ飛ばしすぎだぞ」

ヒストリア「え!?へ!?あ、ちょちょちょ!アアアアルミン積極的過ぎるよぉぉ!!///」

アルミン「ん?うわぁっと!!僕の下に金髪美少女が!!?」

ユミル「何やってんだお前らは」

アニ「悪い。ちょっと吹っ飛ばしすぎたよ」

アルミン「邪魔してすまんね、アニちゃんは格闘訓練好きだからハシャギ過ぎたみたいだ」

ヒストリア「あ、アニに飛ばされたんだ。ビックリしたぁ…てっきり自分から私にダイブしてきたのかと」

ユミル「んなわきゃねぇだろ」


ミカサ「やー!」

アニ「まだまだ遅いよ、そんなんじゃ」ブンッ

ミカサ「わあっ!?」グルンッ

パシッ

アニ「全く危なっかしいねあんた」

ミカサ「行けると思ったのになぁ…」


アルミン「コラア、アニ!なんだその僕との扱いの違いは!!僕はこんな吹っ飛ばしすぎたのにミカサには優しいなオイ!!」

アニ「吹っ飛ばしすぎたら可哀想でしょ」

アルミン「僕は可哀想じゃないのかぁ!?」

エレン「また喧嘩かお前らは…」

ミカサ「仲良くしようよ」オロオロ

忙しくてなかなか更新できませんでした。また途中でしばらく来ないときがあると思います

―――昼食時

カチャカチャ


アルミン「ふう、腹いっぱい夢いっぱいだぜ」

ミカサ「ごちそうさまでした」

エレン「さて、ちょっと広場に行って来るわ」

アルミン「おう!僕は読書をしてくるよ!本を読むと書いて読書さ!」

コニー「アルミンって頭いいんだな!」

アルミン「…ん?何しに広場に行くんだい?」

エレン「ああ、なんかライナーとベルトルトに呼ばれてな」

ミカサ「恋の相談かな?」

エレン「ははは、そりゃ無いだろ!行ってくるよ」

アルミン「おお、親好を深めてこいよ!」

ヒストリア「…」ザッザッ

アルミン「お、ヒストリアもどこ行くんだい?」

ヒストリア「ん、なんかアニに呼ばれて」

アルミン「…へえ」

ヒストリア「そうそう、昼からの座学わかんないとこあるから教えてね!」

アルミン「おう!もう勘弁してくれってくらい教えてやるよ!!」ドオンッ

ヒストリア「望むところじゃないのさ!またね~!」

アルミン「覚悟してろよう!」

ヒストリア「ユミル待ってー!」ドカッ

ユミル「ぐほ!」

ミカサ「…二人ともとてもいい感じだね」

アルミン「ああ、ユミルとヒストリアはもう友情を越えそうだね」

ミカサ「…え、いや、うん…その二人もだけど…私が言ってるのは…」オロオロ

アルミン「ところでヒストリアよく僕に絡んでる気がするけどなんでかね?」

ミカサ「…アルミン…」

―――広場

エレン「…で、話ってなんだ?」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

アニ「…」

ヒストリア「アニ…あれ、ライナーとベルトルトもいる。…何だか三人とも様子が変だよ?」

ライナー「来たか」

アニ「ヒストリアもこっちに来て」

ヒストリア「へ?なにこれ?」

エレン「俺もわからん」

ベルトルト「落ち着いて聞いてくれ」

エレン「落ち着いてるよ…様子が変なのはお前らの方だろ?」

アニ「…」

ヒストリア「どうしたのよさ?」

ベルトルト「その…何から話せばいいのか…」





ライナー「…俺が鎧の巨人で、こいつが超大型巨人って奴だ」


エレン「…」

ヒストリア「…」


エレン「は!?」
ヒストリア「ふあっ!?」

ベルトルト「ら、ライナー!?」

アニ「な…いきなりそれを…」

ライナー「俺達は五年前…人類への攻撃を開始した。最初の目的はこの人類すべてに消えてもらうことだったんだ。だが、そうする必要は無くなった」

ベルトルト「何を言って…」

アニ「………」

ライナー「エレン、お前が俺達と一緒に来てくれるならもう壁を壊さなくていいんだ。わかるだろ?」


エレン「は!?」

ヒストリア「なにそれ、新手のプロポーズ!?」

エレン「いや、全然わかんねえぞ!」

ライナー「急な話ですまんが今からだ」

エレン「今から!?どこに行くんだよ!?」

ライナー「そりゃ言えんが…まあ、俺達の故郷って奴だな」

ヒストリア「なんて強引すぎるプロポーズなの!」

ライナー「で、どうなんだよエレン。ひとまず危機が去るんだから悪い話じゃないだろ?」

エレン「う~ん…どうだろうな…」

ヒストリア「ライナー…大胆な人…」

エレン(まいったな…意味不明すぎて頭が限界だ…)

ヒストリア「あの…言っていいのかわからないけど…その……エレンは男だよ?いや、そういうのが駄目って訳じゃないんだけど…」

エレン(ヒストリアはなんかずれてるし)

ベルトルト(くっ…やはりライナーはここに居すぎたせいで…)

アニ(もう少しやり方ってのがあるだろライナー…)

ライナー「…」

エレン「お前さあ、疲れてんだよ」

ライナー「え!?」

エレン「なあ?こうなってもおかしくねぇくらい大変だったんだろ?」

アニ「!?」

ベルトルト「あ、ああ…そうだよ!ライナーは疲れてるんだ!」

エレン「だいたいなあ、お前が本当に鎧の巨人なら何でそんな相談を俺にしなくちゃなんねぇんだ。そんなこと言われて、はい行きますって頷くわけがねぇだろ」

ヒストリア「うん…そうだよね」

ライナー「!!」

ライナー「…」

エレン「とにかくさっさと帰るぞ」

ヒストリア「疲れてるんならちゃんと休まなきゃ駄目だよ、ライナー」

ライナー「…そうか…その通りだよな、何を考えているんだ俺は…本当におかしくなっちまったのか?」

ヒストリア「!」

エレン「おい、ライナー…」


アルミン「やっぱり巨人だったのか」ザッザッ

ライナー「!!」

エレン「アルミン!」

ヒストリア「いたの!」

ベルトルト「な、いつの間に…」

アルミン「他のみんなも聞いてたよ」

ミカサ「さ…三人とも、嘘だよね?」オロオロ

ジャン「つまらねぇ冗談言ってんじゃねぇぞ…」

コニー「俺は信じねぇぞ!!」

サシャ「何かの間違いですよね!?」

ベルトルト「…!」

ライナー「みんな…」

アニ「…アルミン…あんた、前から私達の正体に気づいてたんだろ?なのに何でなにもしなかったの?」

アルミン「君たちから後悔の念や罪悪感を感じたからさ…自分の罪を認めてる人間に何かしてやろうと思うほど傲慢ではないからね。それに何より君たちを信じたかったからさ」

アルミン「だが…まさか、こうなるとはね」

ライナー「…っ」

ベルトルト「僕達だって…本当は、こんなこと…」

アニ「でも、やるしかないんだよ…」

ミカサ「待ってよ…やだよ…」オロオロ

コニー「本当だとしても、やめようぜ!争いあうのは!話せばわかるって!」

サシャ「そうですよ!仲間じゃないですか!」

エレン「…バカなこと言ってないで戻るぞ…三人とも」

ヒストリア「今まで通り普通に暮らそうよ!」

ライナー「…」


ライナー「きっとここに長く居すぎてしまったんだな。バカな奴等に囲まれて暮らしてきたせいだ」

エレン「…!」

ライナー「俺達は…ガキで、なにひとつ知らなかったんだよ。こんな奴等がいるなんて知らずにいれば…俺は…こんな半端なクソ野郎にならずにすんだのに…」

ヒストリア「ライナー?」

エレン「………」

ライナー「もう俺には…何が正しいことなのかわからん。ただ…俺がすべきことは、自分がした行いや選択した結果に対し…」



ライナー「戦士として、最後まで責任を果たすことだ」シュウウウウウウウ


エレン「!!」

ヒストリア「!!」



アニ「ライナー…」

ベルトルト「やるんだ!?今、ここで!」

ライナー「ああ!!勝負は今!!ここで決める!!」ザッ


アルミン「エレン!ヒストリア!逃げろ!」ダダダッ


エレン「な…っ」

ヒストリア「嘘っ…」

ゴゴゴゴゴゴゴ…



ドオオオオオオオンッ!!!!!



鎧の巨人「…」ズウウウンッ



超大型巨人「…」ズウウウンッ



女型の巨人「…」ズウウウンッ


このSSまとめへのコメント

1 :  凪   2014年12月19日 (金) 16:44:58   ID: W1RAaz7m


ミカサ可愛いwもっと覚醒してほしい!

2 :  SS好きの774さん   2016年02月07日 (日) 13:34:31   ID: JeUOn27K

え?続きは?

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