暑い夏がやってきたところで日々の生活にさして変化があるわけではない。
退屈な授業が終われば熱射病みたいなハルヒに引きずられて部室へ直行。
古泉とオセロやら将棋をして時間を潰すことが大半ではあるが、たまにハルヒに相手をさせられることもある。
そんな時は少々アレなのだが、比較的穏やかな日々を送っている。
さてさて、そんなある日のことである。
今日は掃除のせいで部室に行くのが遅れてしまった。
ハルヒはそういうことに対してもう少し寛大になるべきなのだが、掃除なんかサボれなどとあるまじきことを宣う
。いや、別に掃除をそこまで一生懸命にしているわけではないのだが、調和を乱す行為を嫌う日本人としては当たり前である。
「どうかしたのか?」
「な、何でもないわよ!」
視線を感じてハルヒの方に顔を向けると、顔を思いっきりそらされてしまった。
その横顔は暑さのせいかいささか紅潮しているようだった。
「本当に暑いですよねぇ」
朝比奈さんも何やら胸元に風を――って、待て待て待て!ハルヒ熱湯はマジでヤバイ!
「覗いてんじゃないわよ!ホントエロキョンは隙があったもんじゃないわ。みくるちゃんはあっちに行ってなさい。
みくるちゃんのこと襲わないようにあたしが付きっきりでエロキョンの面倒は見とくから」
酷い言われようである。
今回のことも不可抗力だと言い張りたいのだが、付きっきりとかなんとかで俺の腕にしがみついているハルヒのせいで正常な思考が出来ない。
別に柔らかいんだなとか思っているわけではない。ただ、脳ミソが溶けそうなくらい暑いのだ。
朝比奈さんが入れてくださった熱々のお茶にも負けないのではなかろうか。
もしかすると沸騰しているんじゃないかと少し心配になる。
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