【艦これ】鎮守府大冒険 (33)
オリキャラちょっと出るよ!
友A「なぁ、ジャンケンで負けたやつがあそこに潜り込もうぜ!」
友B「根性試しってやつか、おもしれぇ!乗ったぜ!」
少年「えっ…でもあそこは海軍の人の司令部だよ…?」
少年「それにあそこの鎮守府…とっても怖いって評判だよ…?」
友C「夜な夜な怒号が聞こえてきたり、急に歌や不気味な声が聞こえてきたり、倉庫らしき場所から怪しげな影が出てきて、何かを食べてるのを見た人もいるってさ」
友D「他にもあそこの提督さんが艦娘の人の顔をわしづかみにして拷問してたってことや、無理やりスクール水着を着せてるって噂もあるね」
少年「やめようよぉ…見つかったら絶対怒られるって…」
友A「見つからないようにするのがこの任務の醍醐味じゃねぇか」
友B「大体嫌なら勝てばいいんだしな」
少年「そんなぁ…」
友A「よっし、んじゃぁ…最初はグー!ジャンケン」
「ポン!」
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少年「ああ…負けちゃった…」
友A「うるせぇな、負けたんだからさっさと行ってこいよ」
友D「大丈夫だって。お前足早いし、結構機転効くじゃん」
友C「侵入場所はあそこの金網の隙間だ。この前散歩してる時に見つけたんだ」
友A「さっすがCだ!」
友B「そうだな…日が暮れる頃にいつもの公園に来てくれ。そこで成果を聞こうじゃないか」
少年「うぅ…わかったよ」
友D「じゃあがんばってなー」
鎮守府裏
少年「とりあえず入り込んだけども…ここはどのあたりなんだろう」
少年「みつかったら絶対にダメだから慎重に行動しないと」
少年「持ち物は…お腹がすいたとき用の蜜柑。裏山で遊ぶとき用の殺虫スプレー、この前親戚のおじさんがらもらったラジコンカー…」
少年「あとは風船に学校の授業で余ったマッチ…それと…お祭りで手に入れた可動式のぬいぐるみかぁ…」
少年「とりあえず外周を見て回るだけでいいよね…?」
鎮守府側面~資材備蓄庫前~
少年「それにしても大きいなぁ…この中に艦娘さんが100人くらいいるって噂だけど…」
「誰かそこにいるのですか?」
少年(! まずい!とりあえずそこの木箱の陰に…)
「あれ?確かに声が聞こえた気がしたのだけれど…」
「まぁいいです。早く目的をこなして戻りましょう」
少年(な、なんとか見つからずに済んだ…でも何をしているんだろう…)
「資材庫の鍵は…これですね♪」
「ああ…燃料…ボーキサイト…いっぱい…」
「赤城さん、何をしているのですか?」
「えっ…あっ加賀さん…」
「これで今月に入って4度目です。前のお仕置きでは足りなかったみたいですね」
「そんな!そんなことないですよ!これはただ、その、資材の管理チェックをですね」
「問答無用です。もう一度一航戦の誇りというものを叩き込んであげます」
「いやー!助けてぇ!!」ズザー
少年「…行っちゃった…。なんだったんだろう…」
少年「とにかく、今のうちに移動しよう」
鎮守府北東~演習所~
ドン! ドン! ヒュン!バララララ…
少年「すごい音だ…ここは訓練所なのかな」
少年「あっのぞき窓がある…少し見ていこうかな」
「とぉぉぉぉおう!」
「おお!熊野が戦艦を一撃で倒した!?」
「くまりんこも負けていられませんわ!み…くま!」
「今度は三隈が空母を一撃!?」
「なんで今日そんなに気合入ってるんだろう」
「なんかね、今日は勝った方に間宮アイスクリーム券が進呈されるらしいじゃん」
「へぇ…それなら僕も全力を出そうかな!」
「鈴谷も熊野にゃ負けられないね!」
少年「すごい…初めて艦娘の人たちの戦闘を見るけど、こんなにも激しいものだったなんて」
少年「もっとよく見たい…そこの台に上がって…よいしょっと」
「…ん?なんか今窓に人がいたような…」
「ちょっとモガミン!ぼーっとしないでください!また衝突してしまいますわ!」
「ああ、ごめん!…あれ?いない…気のせいだったかな?」
少年「危なかった…まさかあんな弾幕の中こっちを見てくるなんて…」
少年「とにかく、怪しんでこちらに来ないうちに逃げよう」
鎮守府正面南東~工廠~
少年「ここは…ネジや部品みたいなのがたくさん落ちてるから、開発とかする場所なのかな」
妖精「誰です?」
少年「うわぁ!?なにこれぇ!?」
妖精「妖精さんです?」
少年「よ、妖精?手のひらサイズの君が?」
妖精「正確には建造開発係です」
少年「信じられない…そんなのが鎮守府に居ついていたなんて…」
妖精「ありえない、なんてことはありえないです」
少年「へぇ…そうだ、君が建造開発の妖精ってことは、ここで艦娘さんの武装を作ったりしてるってこと?」
妖精「そうです。折角なので、何か作ってみるです?」
少年「ええ!?そんなことしてもいいの!?」
妖精「何かあなたからは不思議な感じがするです。今なら何でも作れそうです」
少年「で、でも…」
妖精「大丈夫です。ここでは資材が急になくなるなんて日常茶飯事です」
妖精「ささ、こちらのボタンでどれくらい投入するか決めてください」
少年「う、うん」
少年「とりあえず適当に…」4000/6000/6000/2000
妖精「開発の方もやっていきます?」
少年「じゃあ…」10/251/250/10
妖精「ありがとうございまーす。結果は夜に分かるのでまたお知らせしますね」
少年「そ、そっか。じゃあ僕はこれで…」
妖精「さようならですー」ノシ
妖精「あ、夕張さんに明石さんだ。おーい!」
「全く提督もサーモン海域北方の最終ボス編成に全滅勝利したいなんて無茶言うわ…」
「でもやりきったじゃないですか」
「奇跡よ、あんなの。もう二度と行きたくないわ…」
「あれ!?妖精さん、何で建造してるんですか!?」
「しかも大型艦建造!?妖精さんじゃボタンを押せないし、誰の仕業!?」
「さっきまで提督とは話していたから提督ではない…ということは、侵入者ね!警報鳴らして!」
「妖精さん、ここに誰か来たか知ってますか?」
「えーっと…忘れました」
「しっかりして妖精さん!」
少年「日が暮れてきた…そろそろ帰らなきゃ」
ブーブーブー
少年「な、なに!?」
「鎮守府内に侵入者が現た形跡があります。直ちに総員警戒体制にし、哨戒を始めてください」クリカエシマス
少年「まさか…ばれちゃった…」
少年「急いで帰らないと!」
「んん?聞き慣れない声がするで?」
「早速侵入者発見かしら。千代田、索敵機出して」
「分かった!」
少年(ま、まずい!とにかく隠れなきゃ!)
「隠れても無駄や!おとなしく捕まり!」
少年(何か…何かないか!)ゴソゴソ
少年(…これだ!)つ可動式イ級ぬいぐるみ
少年(あとは逃走ルート…あそこに通路がある!)
「さぁて、侵入者とご対面や!」
ヒュッ
「何や!?」
「深海棲艦!?」
「何でこんなところに!?」
「何でもええ!爆撃や!」
キャーキャーワーワー!!
少年「よし、何とか切り抜けた…」
少年「あの爆撃…あんなのをお構いなしで撃ってくるなんて…捕まったら殺されちゃうよ…」
少年「でも、ここはどこに繋がっているのかな…それに通路が迷路みたいだ」
少年「とにかく、裏に出るように進んでいこう」
少年「空気の流れを感じる…外に繋がる出口が近いんだ!」
少年「それにしては熱風を感じるけど…今さら戻れない」
少年「よし、外に出…」
カポーン
「……………」
少年「……………」
「き…きゃあああああああああ!!」
少年「うわあああああああああ!!」
「お、落ち着きなさい!レディは裸を見られたくらいじゃうろたうろろろろ」
「あなたが一番うろたえてるじゃない!」
少年「ご、ごめんなさいいいいい!」
「脱衣所の方に逃げたね。どうする?」
「そもそも今のは誰なのですか?」
「そういえば、さっき侵入者が出たって放送があったね」
「ていうか、あいつが出てきた通路はなんだったのかしら」
「とにかく追いかけるわよ!もう、ゆるさないんだから!」
鎮守府内部~入居施設付近~
少年「あぁ…僕はなんてことをしてしまったんだ…」
少年「不可抗力とはいえ女の子達の裸を見てしまうなんて…」
少年「それに、完全に建物の中に入っちゃったから、もうどうやって逃げればいいんだかもわからないなんて…」
少年「見た目通りすごく大きな建物だし、入り組んでるから方向もわからない…はぁ…」
「!侵入者みーつけた!」
少年「あっもう見つかった!」ダッ
「かけっこするの?負けないよ!」ダッ
少年(とにかく適当に曲がりながら撒くしかない!)
「あなた早いのね!久々に楽しい追いかけっこだよ!」
少年(あまり長く走り回ると他の人に見つかる可能性もある…)
少年(だったら…)
「あれ?こっちに曲がったはずなのに…」
「まさか撒かれちゃったかなぁ…」
「うー…この私が早さで負けるなんて…」
「とにかくまだ遠くには行ってないはずだし、あっちの方に行こ!ね、連装砲ちゃん!」
少年「………行ったかな?」ガタガタ…
少年「しかしあの子、なんて早さなんだ…」
少年「とっさにゴミ箱に隠れたけど、もしあと少し判断が遅ければ追い付かれていたかも」
少年「それにしても、あの歩いていた変な機械は何だったんだろう…連装砲ちゃんとか言われてたけど…」
少年「まぁ、早くここを離れよう」
「あ、天津風ちゃんだ!」
「あら、島風じゃない。侵入者は見つかったの?」
「それがね、見つけて追いかけたけど撒かれちゃったんだ」
「島風を撒くほど足が早いの!?そんなはず…」
「凄かったよね、連装砲ちゃん!ぐんぐん角を曲がって全然追い付けなかったんだから!」
「ふーん…ねぇ島風、侵入者の容姿はわかる?」
「うん!私くらいの年の男の子だった」
「そう…どちらにしても油断できない相手みたいね」
鎮守府内部~渡り廊下~
少年「さて、出口がさっぱり分からないけど、とにかく進まないといけない」
少年「!」サッ
ブーン…
少年「あれは…通路に逃げ切る前に見たような飛行機…」
少年「室内でも取り回せるなんて器用だなぁ…」
「翔鶴姉、こっちはいないよー」
「こっちもいないわ瑞鶴」
「これだけ艦載機を回して見つからないなんて、一体どこにいるのよ…」
「さっき島風ちゃんと会ったんだけど、侵入者は島風ちゃんくらいの男の子らしいわ」
「男の子?翔鶴姉、それもしかして迷い込んだりしたただのイタズラじゃない?」
「私もそう思ったんだけど、その男の子ね、島風ちゃんを振りきったらしいのよ」
「え!?あの陸なら誰よりも早い島風ちゃんを!?」
「ええ、だから見た目に騙されてはいけないわ」
「そっかぁ…なら全力で探して爆撃をお見舞いしてやるわ!」
「あんまり派手にはやっちゃだめよ?」
少年「なんか凄く勘違いされてる…」
少年「でも、これでますます見つかるわけにはいかなくなっちゃったなぁ…」
鎮守府内部~艦娘寮~
少年「待てよ…もしかしたら出口付近を見回る人がいるかもしれない」
少年「幸い見つかってからそう時間は経ってない」
少年「あえて誰かの近くで聞き耳を立てて情報を仕入れよう」
少年「!噂をすれば…」
「はぁ…非番の日に侵入者なんてツイてないクマ」
「でもさっき提督に聞いたら、捕まえたら何でも言うこと聞いてくれるっていってたにゃ」
「それ本当?じゃあ捕まえたら新しい魚雷配備してもらおっかなー」
「北上さん、私も魚雷欲しいです。侵入者に魚雷を撃ちまくりたいわぁ…」
「姉貴、こええよ…俺は甘いもんが食いたいな。特にあのクリスマスのときに食べたケーキとやらは最高だった」
「ふふーん、以外に優秀な球磨ちゃんが捕まえるから関係ないクマ」
「ところで姉貴、俺たちはどこの警備なんだ?」
「外らしいにゃ」
「えー侵入者は中にいるんでしょ?なら中見なきゃ意味無いじゃん」
「退路を絶つ、というのも立派な戦略ですよ北上さん。それに、出口に向かって侵入者が来るかもしれませんよ?」
「まぁしかたないか。いっちょやりますかね」
少年(よし、あの人たち外に行くみたいだ)
少年(後を付いていけば出口に行けるぞ!)
鎮守府玄関前
少年(よし!入り口まで来れた!)
少年(警備を撒く方法は既に考えてある)つラジコンON風船
少年(まずこれを飛び出す方とは反対側に飛び出させる)
ブロロロロ…
「…何か音がするにゃ」
「モーター音か?」
「ラジコンみたいね」
パンッパンッ!
「な、銃撃クマ!」
少年(あらかじめ風船には蜜柑の汁を塗ってある)
少年(そしてこの音に紛れて…飛び出す!)
少年(ト○ビア見ててよかった…)
「!大井っち!こっち!」
少年(恐らく普通の出口は塞がれてる)
少年(だから、最初に入ってきた金網を目指す!)
「クソッ!やられた!」
「予想外クマ」
「そんなことより、早く追いかけるにゃ」
鎮守府裏付近
少年「すっかり暗くなっちゃったなぁ…みんな心配してるかな」
少年「さて、鎮守府の正面があの辺りだから、裏はあそこだ!」
「待つんだ」
少年「!」
「お前が侵入者とやらか」
「あら、あらあら。本当にただの子どもね」
少年「あ、あうう…」
「陸奥よ、あなどるな。空母の索敵機を掻い潜り、ここまでの包囲網を突破してきたんだ。只者ではない」
「分かってるわよ。島風ちゃんを振りきっただけでも十分驚異に値するしね」
少年(どうする…今度は武装してる…万事休すか…!)
「少年よ、悪いことは言わない。おとなしく投降してくれ」
「無駄に痛い目に合いたくないなら…ね」ガチャン
少年(考えるんだ!先生が言ってた!0%でないのなら100%だって!)
少年(持ち物は…マッチに殺虫剤…)
少年(そういえば、授業で習ったけど、たしか陸奥って艦は…よし!)
「そのままじっとしててね。妙なことをしたら…お姉さん、知らないぞ♪」
少年「一つ、聞いてもいいですか?」
「何だ?言い訳なら聞かんぞ」
少年「艦娘の方は普通の人間よりずっと強いんですよね?」
「そんなことか。その通り、我々はこの身と武装を使い深海棲艦どもと戦っている。砲弾を食らっても大丈夫さ」
少年「そうですか…よかったです」
「何を言ってるの?」
少年「なら…これくらいしても大丈夫ですよね!」
シュッボッ
プシューゴォォォォ!
「きゃあ!」
少年「っ熱ぅ…」
「小癪な真似を!…って、不味い!」
「やめて!私の第三砲塔が!」
少年「よし!今のうちに!」
「あっ待て!」ガシャン
「長門姉やめて!今近くで撃たれたら爆発しちゃう!」
「くっ…やってくれたな!」
鎮守府一階~出撃待機所~
少年「ハァ…ハァ…裏への道はあの人たちがいたから行けなかったとはいえ、また鎮守府内に入っちゃったよ…」
少年「おまけにもう使える道具が何もない…」
「いたで!あそこや!」
「さっきはよくもちゃちな人形で騙してくれたわね!」
「お姉、やっちゃおう!」
「「「全機発艦!!!」」」
少年「ああもう!こうなったらもうヤケだ!」ダッ
「うわ、走るのマジで早っ!」
「すぐに追いかけましょう!」
少年「とりあえずここを曲がっ「あっ見つけた!」
「かけっこの続きだよ!」
「今度は私も追いかけるわ!行きましょ、連装砲君!」
少年「くっ!こっちの階段しか逃げ場がないけど仕方ない!」
二階踊り場
「全機発艦!目標、逃走中の侵入者!やっちゃって!」
「全航空隊!発艦始め!」
少年「うわぁ!通路の左右から来た!?」
「大人しく捕まりなさい!」
少年「このまま三階に行くしかない!」
三階踊り場
「あっ見つけたわ!この変態!」
「おねぇちゃん!もうちょっと落ち着くのです!」
少年「さっきのお風呂の子たち!?」
少年「右には行けない…左だ!」
少年「もうとにかく走るしかない!」
三階司令室前
少年「しまった!行き止まり…」
「「「「「待てー!!!」」」」」
少年「もう、この扉に飛び込むしかない!」
ガチャガチャ…ドカ!
少年「ここは…」
「あん?誰だお前」
少年「!」
「あぁ…そうかぁ…お前が侵入者か」
少年(ヒッ!何この人凄く怖い!)
バンッ!
「司令室に入るとは不届きものめ!」
「手を挙げて降伏しろ。もう逃しはせん」
「球磨たちも来たクマ!」
少年「………やるしかない」
「何だと?」
少年「うわぁぁぁぁぁ!」ダッ!
「なっ!?窓から飛び降りたぞ!?」
「何をしているんだ!」
少年(………ああ、終わった…)
少年(でも、あの人たちに苦しめられて死ぬよりはいいかな…)
少年(……………)
トスッ
「よいしょっと」
「急に落ちてきて危ないわね」
「それともこういう鎮守府なのかしら」
「おーい!大丈夫か!?」
「んん?あなたは…」
「あり?なんでアンタがウチの鎮守府に…」
少年(生きてる…?)
「起きたか」
少年「!!」
「大丈夫だって、別に何もしやしねぇよ」
少年「貴方は…」
提督「俺か?俺はここで提督やってるモンだ」
少年「……ごめんなさい」
提督「あ?」
少年「……迷惑なことして、ごめんなさい…うぐっ…ぐすっ」
提督「ああもう泣くな泣くな。言っただろ?別に何もしないって。取って食いも怒りもしねぇよ」
少年「でも…ヒック…ぐすっ」
提督「大体な、俺はお前のこと気に入っちまったんだ」
少年「え…?」
提督「数多の困難を乗り越え、俺の元に成り行きとはいえ辿り着き、最後まで諦めなかったお前を、気に入ったって言ってんだよ」
提督「しかもな、お前にはむしろ感謝しなきゃいけねぇところまである」
少年「感謝…?」
提督「ほれ、入って来い」
「失礼します」
提督「こいつが誰だか分かるか?」
少年「大和…さん?」
提督「そうだ、大和だ!お前、ここに来る前に工廠で建造しただろ?」
少年「あっ…」
提督「それで出来たのがこの大和ってワケだ」
大和「じゃあ、私を作ってくださったのはこちらの子なのですか?」
提督「そういうこと。これでウチの鎮守府に大和型が配備されたってワケだ。いゃぁ嬉しいったらないね!」
提督「それだけじゃねぇ。装備開発でも46cm三連装砲が出来ていた。大和の装備にも困らないのさ」
大和「本当にありがとうね?」
少年「で、でも、僕は他にも色んな迷惑をかけたりしたし…傷付けたりもした…」
提督「傷なんざ風呂入りゃ治る。艦娘ってのはそういうもんだ」
提督「それにお前一人まともに捕まえられないウチの艦隊の練度を見直すいい機会だ」
少年「そう…ですか…」
ガララッ
友A「大丈夫か!?」
友B「うわ、なんだその手の包帯!?」
友C「心配だから来てみたが…」
友D「その手は火傷か?」
少年「みんな…うん、大丈夫。問題ないよ。火傷も軽いものだから」
瑞鶴「提督さん、ごめんね?どうしてもって言うから…」
翔鶴「すごい剣幕で迫られてしまいまして…」
提督「気にすんな瑞鶴、翔鶴。むしろナイスだ」
提督「よし、ガキども。今から大和建造記念も兼ねてパーと宴会開くぞ!」
提督「せっかくの客人もいるんだ!盛大にやろうぜ!」
瑞鶴「やったぁ!久々に美味しいもの食べれる!」
翔鶴「もう、瑞鶴ったら…」
鎮守府内~食事処間宮~
友A「それじゃ、夜な夜な資材庫に現れる妖怪ってのは…」
加賀「この赤城さんでしょうね」
赤城「あははは…」
加賀「次やったら…わかってますね」
赤城「もう提督のアイアンクローは嫌です!」
友B「じゃあ、たまに聞こえてくる不気味な声は?」
神通「姉さんが夜戦夜戦と騒いだり、那珂が歌の練習をしているので、恐らくそれでしょうか」
川内「でも夜戦の時間なんだよ?じっとなんてしてられないよ!」
那珂「アイドルは日々の努力が大事なんだよ!」
神通「それでも人の迷惑になったらダメですよね?」ゴゴゴゴゴ
川内・那珂「ソウデスネ…」
友C「じゃあ、あそこのスクール水着の子たちは?」
大鯨「あれは大本営からの指定の物なんです。見た目に反して動きやすいように調整されているんですよ」
少年「提督さんの趣味じゃなかったんだ…」
大鯨「…すこしそういう面もあるでしょうけどね」
暁「あっあの…」
少年「君は…はっ!ごめんなさい!」
電「いいのです。それにあのときはタオルを巻いていたので、見えていたはずがないのです」
少年「だからって…」
響「裸なら司令官によく見られてるから今更だし」
少年「えっそれって…」
雷「ちょっと響!そういうことは言わないの!」
暁「司令官の覗きにも困っちゃうわ、もう」
島風「あっいたいた!ねーねー!」
少年「あのすごく足の速い…」
島風「ふふん、あなたとっても早いのね!また一緒に追いかけっこして遊ぼう?ねっ天津風ちゃん!」
天津風「そうね、島風と一緒の土台で遊べる子なんてそうはいないものね…あなた、宜しく頼めるかしら?」
少年「も、もちろんだよ!」
友A「俺たちも混ぜろよな!」
友B「いつの間にかあんなにたくさんの女の子と仲良くなりやがって!」
友C「羨ましいもんだよ」
友D「走るのだったら、俺も負けてないぞ?」
島風「本当!?やったぁ!約束だよ?」
長門「ああ、いたか。少年よ」
陸奥「あらあら、さっきはよくもやってくれたわね」
友B「うわっお前こんなお姉さんとも知り合ったのかよ!」
友C「そういうことじゃないだろ…それにしても戦艦タイプの人は迫力が違うなぁ」
陸奥「あら?ありがとうね」
少年「そうだ!あの時の火は大丈夫でしたか!?」
長門「言っただろう?私たちは艦娘。あの程度の攻撃効かんよ」
陸奥「まぁ第三砲塔を的確に狙ってくるなんて驚いたけどね。やるじゃない」
長門「私たちより、君の手の火傷は大丈夫なのか?」
少年「はい、大事には至らなくてよかったです」
長門「ふふ、提督の言うとおり面白い奴だ。あれだけの無茶をしているのにまず私たちの心配をするとはな」
陸奥「さて、長門姉行きましょ?せっかくの豪華な食事なんだから楽しまないと」
長門「そうだな。では私たちはこれで」
少年「はい」
友A「俺たちも食べようぜ!」
友C「ようし、誰が一番食べれるか勝負だ!」
友B「負けられないぜ!」
友D「うっめええええ!」
少年「もう食べてるし!」
龍驤「あっ君!」
少年「このイントネージョンは…」
龍驤「いやぁ悪かったわ!ウチらが爆撃なんて下から殺されるて勘違いしてしまったんやろ?」
少年「いえ、あんなものを投げた僕も悪かったですし」
千代田「そうよねぇ、まさかあんなリアルなイ級のぬいぐるみがあるなんて思わなかったわ」
千歳「見慣れてるはずなのに騙されちゃったわね」
龍驤「せや、あのぬいぐるみの代わりにこれ持っていき!」
少年「ぬいぐるみ?」
龍驤「ただのぬいぐるみやない、ウチの開発部門の艦娘特製のもんや」
千歳「さすがに元のぬいぐるみは消し炭で直せないからね…」
千代田「受けっとってください」
少年「有難う御座います!」
龍驤「ほな、ウチらは行くで」
少年「はい、大事にしますね!」
少年「それにしても、このぬいぐるみ…さっき動いたような…」
少年「それに、すごい目つきで敬礼してて尻尾が生えてる…」
友A「おーい何やってんだ!食べようぜ!」
少年「あ、うん!」
少年(艦娘さんに提督さん…すっごいいい人なんだなぁ…)
鎮守府正門
提督「また遊びに来な。今度は正面からな。お前らなら歓迎しよう」
大和「暗いから気を付けてくださいね」
島風「ぜーったいに来てね!」
少年「ありがとうございます」
友A「ご飯美味しかったです!」
友B「艦娘さんたちともたくさん話せて、楽しかったです!」
友C「これで学校のみんなに自慢できるな!」
友D「その前に母ちゃんたちからのお叱りが待ってるぜ…」
少年「そういえば親に電話とか全然してなかったね…」
友「「「そういえばそうだったぁ!!!」」」
提督「ああそうだ、坊主、ちょっと来い。一つ聞きたいんだが…」
提督「お前、これは見えるか?」
少年「あっ…妖精さん」
提督「やっぱりか…」
提督「なぁ、将来俺みたいな提督にならないか?」
少年「えっ…」
提督「妖精が見え、身体能力があり機転も利く…まさにうってつけの人材だ」
少年「……考えておきます」
提督「ああ、その気になったらいつでも相談しな」
提督「それに、提督ってのも悪くない仕事だぜ?」
少年「…そうですね!」
青葉「みなさん!最後に写真を撮りましょう!」
提督「ほぅ…たまにはマシなことにカメラを使うじゃねぇか」
青葉「何のことでしょう~。ささ、みんな並んで!」
青葉「はい、チーズ!」
カシャッ…
そそれから数年後、ある提督が新しく着任し、瞬く間に戦果を上げていくのだが、それはまた別のお話…
オマケ
球磨「そういえば、今回捕まえた人にはなんでもいうこと聞いてくれるって言ってたクマ」
北上「今回の場合大和さんになるのかぁ。ちぇっ」
多摩「おいしいとこどりをされたにゃ」
大井「大変です北上さん!!」
北上「大井っちと木曾じゃん、どしたの?」
大井「大和さんのお願いが、『もう二度と侵入者なんて出さないように徹底的に訓練しましょう』っていうもので…」
木曾「提督がすごい笑みを浮かべて招集をかけたんだよ…地獄が始めるぜ…」
北上「マジ…?」
球磨「諦めるしかないクマ」
多摩「しばらくは食べる量より吐き出す量の方が多くなりそうにゃ…」
その後1か月、鎮守府からは怒号や泣き叫ぶ声が聞こえてきたそうな
オマケ2
提督「青葉、ちょっと聞いていいかぁ?」
青葉「どうしました司令官?」
提督「あの坊主が逃走したルートなんだが、この通路はなんだ?俺はしらねぇぞ」
青葉「そ、それはぁ…」
提督「また鎮守府に妙な通路を作りやがって…そんなに罰を受けたいか。そうか」
青葉「待って下さい司令官!あれを使ってるのは私だけじゃなくて赤城さんや卯月ちゃんもっていだだだだだ!」
提督「全部悪戯や悪影響にしかつながってねぇだろうが!」
青葉「女の子の顔にアイアンクローとかやめ、ほんとにいた、あああああああ!」
おしまい
投稿スレ用に書いてたのにどうしてこんなに長くなったし
ちなみにホームアローンとか見てて思いついたネタです
ではご拝読ありがとうございました
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