拓海「Sprout」 (19)
「最後に笑うのは誰か」をしりたいならGo my wayでStep by step明日を掴め
君にも出来るか決めるのは君だ
転んだって辛くたって先を進め
oh yeah yeah yeah
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皆が寝静まった夜、風を全身に浴びて峠をハイスピードで下る、誰よりも速く速く速く…
「ん?」
目の前に一台のバイクが見える。
「ったくタラタラ走ってんなぁ」
私は思いっきりアクセルを入れて目の前のバイクを追い抜いた。
筈だった、筈だったが気付いたら隣に着かれていた。
「なっ!?」
何だこいつは、私は更にスピードを出して突き放した…突き放せない!
幾ら前に出ようとも直ぐ追い付かれる!しかも抜かそうとする気配は感じない、まるで観察されてるようだ。
堪らなく叫ぶ。
「何なんだあんた!さっきからピッタリ着いてきて!」
ヘルメットのフェイスが開く、それと同時に男が喋る、そして開口一番突拍子もない一言が出る。
「君!アイドルとか興味ない!?」
「…はっ!はぁぁぁあ!?」
これが私のプロデューサーとの出会いだった。
yo 見てるかい?つい数年前は
こんなエンターテイナーになるだろうだなんて誰が思っていた
やるかやらないかあの日の勇気で通ってきた大切な分岐点
そこの君だってそんなチャンスも常に目の前
「まさかあんたが渋谷凜を育てたプロデューサーだなんてな」
結局私はしつこく着いて来るプロデューサーに対して勝負を挑んでそれに負けた代償でアイドルとして活動を始めた。
「あの五連ヘアピンをあんなに体傾けて曲がる奴初めて見たぞ、死ぬのが怖くないのかよ…」
事務仕事を淡々と片付けていくプロデューサーに語り掛ける。
「んー考えてなかったな拓海をアイドルに出来るって思ったら自然とそうなってた」
少し間を開けて出てきた答えがこれだ、もう色々通り越して呆れるしかない。
「はぁこんなプロデューサーで大丈夫なのかよ」
何て不安感を抱いていたが一瞬にしてその不安感は尊敬に変わった。
最初の時こそグラビアやらコンパニオンやら露出の多い仕事が多く反発もした、剰えバレンタインの企画ではあんなヒラヒラな格好で…「たくみせんせーのラヴラブスマイルであまーいチョコケーキ出来ましたよー☆」何て台詞言わせやがって!
だが反発する度にプロデューサーは、
「今に満足なら構わないが、躊躇ばかりじゃ変わらないぞ?」
何て言葉を言ってきて正論過ぎてぐうの音も出なかった。
だが私の予想とは反して人気はうなぎ登り、格好いいより可愛いの声がが多いのが少し癪だが。
そんなある日プロデューサーから思いもよらない話をされた。
「拓海もかなり人気出てきたしそろそろ次のライブとかやってみたい事とかないか?」
「え!?次のライブでやりたい事!?」
「そうそう、何でもいいぞ言ってみろよ」
まさかの展開に心が踊った、色々やりたい事が頭の中に出てきたが一番最初に出てきたのはやっぱり。
「特攻服でライブをやりたい!」
どこで誰とコレを聞いてる これを聞くために何をした
実はもう踏み出してる第一歩
何もないけど最初は皆踏み出したら最後はwinner
特攻服でライブをやる為に来る日も来る日もダンスレッスンが続いた。
何時ものダンス用のライブ衣装とは違う、今までよりキレを良くしなければ格好がつかない。
だが不思議と辛いという気持ちよりも特攻服でライブが出来るというワクワク感やドキドキ感で全く苦に感じなかった。
そして芽は大きく育ち綺麗な綺麗な花を開花しする。
さぁ飛べよなんて言っても出来っこないよな一人では
自分含めた自身無い奴 硬く結んで二人三脚
見てみろ俺らはそうしてるテープ切るならどうしたい?
アンサーは1つだけだDon't Stop速度は落とすな
「プロデューサーには教えられてばっかだな。新しいアタシをよ…」
約束のライブ当日、会場は超満員。
族をやってる時はこんな事想像もしたことなかった、まさか私がこんな人気者になるなんて。
だけどこれで満足してちゃいけない、これがゴールでありスタートなのだから。
「祭り上等ッ!ステージで、デカいの一発かましてくるぜ!最高速度で向こう側へ行こうぜ…プロデューサー!」
「あぁ誰もが持てる夢、素晴らしい理想像」
「「どこまでも行こうぜ!!」」
新しい私の物語の幕が今開いた、突っ込むだけしか脳がなかった私が今ファンと言う舎弟を導くリーダーとして!
「今から唄う歌は私のここまでの軌跡の歌」
そして、アイツのパートナーとして!
「お前ら!しっかり着いてこいよ!」
「Sprout!」
「最後に笑うのは誰か」を知りたいなら
No Way Backでyou don’t stop 明日を掴め
君にも出来るか決めるのは君だ
転んだって辛くたって先を進め oh yeah yeah yeah
おしまい
前回拓海で書くって言ってから期間空きすぎ…
読んで下さった皆様ありがとうございます。
今回はカイワレハンマーさんのSproutを題材に書かせていただきました。
歌詞の内容的にデレマスの殆どのアイドルに当てはまるのでちょっとどのアイドルでやるか悩みましたが
『こんなエンターテイナーになるだろうだなんて誰が思っていた』と言う歌詞から拓海が良いなと思い書きました。
次回は凛か菜々さんでやろうかなと思ってます。
それでは御眼汚し失礼しました。
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