達也・キリト・当麻「この中でいったい誰が一番強いかだって?」 (96)


司波達也「魔法師としての才能のない俺にそんな事を言われてもな」(魔法科高校の劣等生)

キリト「俺なんてちょっと他の人よりゲームが得意なだけだしね」(ソードアート・オンライン)

上条当麻「無能力者の俺に期待されてもね……ハァ、不幸だ……」(とある魔術の禁書目録)


深雪「いいえ、お兄様ならばけして誰にも負けたりはしません」

アスナ「大丈夫! キリトくんならきっと負けないよ!」

美琴「こんな奴等に私を負かしたアンタがやられちゃ立つ瀬がないじゃない!いいから勝ちなさいよ!」

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達・キ・当「………………」

達也「まぁいい、深雪がそこまで言うのなら仕方ない……」

キリト「異存は無いけど……勝負方法はどうするんだ? まさか命を賭けた殺し合いってワケにもいかないだろう」

当麻「なんでもいいよ……さっさと終わらせて帰らせてくれ」

深雪「では公平を規す為に、この【ランダムに適切な勝負方法を決めてくれるマシーン】を使います」

深雪「ですが、例えどのような勝負になろうとも勝つのはお兄様ですがね!」

達也「よさないか深雪」

深雪「ですがお兄様……」

美琴「んな茶番はいいからさっさと勝負方法を決めなさいよ」

アスナ「それじゃあえーっと……このボタンを押せばいいのかな。えいっ!」

ダララララララララララ――(ドラムロール)

_人人人人人人_
> ババ抜き <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

モブ1「ババ抜き……ババ抜きで最強を決めるのか?」

モブ2「いや……そもそもババ抜きってなんなんだ……?」

モブ3「お、おい見ろ!マシーンから何かカードの束のようなものが出てきたぞ!?」

達也「これは……トランプ、だな」

モブズ「トランプ……だって!!??」

深雪「お兄様……トランプとはいったいなんなのですか!?」

達也「……トランプとは、主にゲームなどで使われる幾つかの数字が書かれたカードの事さ」

モブ1「な、なんてこった……≪破壊神≫はそんな事まで知ってるなんて……なんて知識量だ……」

達也「なお、トランプには主に1から13までの数字が割り振られている」

キリト「……ちなみにだけど、正確には1から10までの数字札とJ,Q,Kの三種の絵札、だけどね」

アスナ「キリトくん!? 貴方もトランプについて知っているの!?」

キリト「なぁに……ちょっと昔カードゲームをプレイしたことがあってね……」

キリト「ゲームに関しては、他の人より少しだけ得意なのさ」

モブ2「す、すげぇ……あの≪黒の剣士≫……完全にトランプについて熟知してやがるぜ!」

キリト「更に言えばトランプにはそれぞれ四つの印が付けられている」

キリト「ダイヤ!ハート!クラブ!スペード!各々が13枚存在する……それがトランプ!」

モブ3「13枚が……4種類……だ、ダメだ、そんなの複雑すぎる、覚えられっこねぇ……」

キリト「つまり、全部で52枚!!」

モブ3「全枚数を把握してるのか!? な……なんて奴なんだ……」

モブ1「だがこうなってくると≪幻想殺し≫が明らかに不利だ!これじゃあ勝負になんねぇ!!」

美琴「ちょ、ちょっと大丈夫なの……って、アンタ……その手に持ってるのは……?」

当麻「……フッ。ジョーカーって、知ってるか……?」

モブ2「な、なんだアイツが持っているカードは……数字が何も描かれてねぇ!?」

モブ2「カードに描かれてるのは……人だ!? それもなんかフザけた格好をした人間の絵だ!?」

当麻「こいつはジョーカー。今まで説明されたトランプの例外にあたるカード……通称、ババ!!」

モブ3「バ、ババだって!? ちょ、ちょっと待てよ……確か今からやるゲームの名前は――」

_人人人人人人_
> ババ抜き <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

モブ1「なんてこった……つまり、あのカードこそが勝負を決める鍵、ということか!?」

モブ2「ヒュゥ……こいつはおったまげた……≪幻想殺し≫のヤツ、勝つ気だぜ……」

達也「相手にとって不足なし、といったところか……」

キリト「一方的なゲームほど詰まらないものはないからね、これは楽しくなってきたな」

当麻「まぁ、やるからには本気で行かせてもらうぜ」

深雪「さすがはお兄様ですわ……」

アスナ「キリトくん……カッコいい……」

美琴「ま、まぁ、このくらいは当然やってもらわないとね……」

モブ2「ここに立っているだけで、あの三人のパワーをひしひしと感じるぜ……」

モブ3「つ、ついに決戦の火蓋が落とされるのか!?」

モブ1「ああ……始まるんだ……ババ抜きが!!」

達・キ・当「行くぜ!! D・U・E・L!!」バーン!!

達也「………………」

キリト「………………」

当麻「………………」

モブ3「ど、どうなってんだ……3人ともピクリとも動かねえぜ!?」

モブ1「なんて緊張感なんだ……これは……先に動いた方が負ける!」

モブ3「な、なんだって!? そういうものなのか!?」

深雪「フフ……浅はかですね……兵は神速を尊ぶもの。つまり、勝つのはお兄様です!」

モブ2「う、動いた!? ≪破壊神≫が動いたぞ!? トランプを……手に取るつもりだ!?」

モブ3「ま、まさか……〝抜く”つもりなのか!? ババを!?」

モブ1「いや待て……あれは……≪黒の剣士≫が、後から動いた筈の≪黒の剣士≫が≪破壊神≫よりも早くトランプを手に取ったァー!?」

アスナ「兵は神速を尊ぶ……なるほど、いい言葉ね。だけど、AGI(素早さ)ならキリトくんの独壇場よ!」

モブ2「あ、圧倒的だぜ……だが、ま、まさかこれで≪黒の剣士≫の勝ちなのか……?」

モブ1「……!? いいや、まだだ!? 見ろ!≪幻想殺し≫の余裕の表情を!」

モブ3「なんだあの顔は……まるで『まだ勝負は始まってもいねえぜ』とでも言いたげな顔は!?」

モブ2「ま、まさかここから逆転する手があるって言うのか……!?」

美琴「当然よ……なにせ、アイツは諦めの悪さだけは天下一品なんだからね」

モブ1「ま、まさに一進一退の攻防ってヤツか……いったいこの勝負どうなってしまうんだ……」

キリト「それじゃあ……〝シャッフル”させて頂きますよ」

モブズ「シャ、〝シャッフル”、だってー!!??」

達・当「…………ッ!?」ガタタッ!

モブ2「≪破壊神≫と≪幻想殺し≫が身構えた!? い、いったい何が始まろうとしてるんだ!?」

モブ3「……ちょ、ちょっと待て!? 見ろ、≪黒の剣士≫のあの動きを!?」

モブ1「な、なんなんだあれは!? 〝トランプ”の〝束”を〝高速”で〝動かして”……〝混ぜている”!? カードを〝混ぜている”のか!? あれは!?」

モブ2「ば、バカな!? そんなことをすれば、ジョーカーが……〝ババ”がどこにあるのか解らなくなっちまう!?」

モブ2「そうなっちまえば、簡単に〝ババ”を抜けなくなるんだぞォー!?」

アスナ「『死んでもいいゲームなんて、ヌルすぎるぜ』……キリトくんの言葉よ!」

モブ3「な、なんだそりゃあ!? つまりあれは……あえて! あえて自ら難易度を上げてるって事なのか!?」

モブ1「なるほどな……ただババを抜くだけなんて、あの化け物連中にとっちゃあ何でもない事なんだろうさ……」

モブ2「し、信じられねぇ……あいつら、本当に俺達と同じ人間なのか……?」

モブ3「お、おい見ろっ! シャッフルが終わったぞ……」

キリト「ふぅ……まぁ、こんなものかな……さて、お二人さん。〝カット”はしておくかい?」

モブ2「カット……? なんだ、カットっていったい……?」

モブ1「しっ! 静かにしろ!!」

達也「いや……別に構わん。君の腕前を信用しよう」

当麻「右に同じくってヤツだ……さぁ、勝負の続きと行こうじゃねえか!」ガッ

モブ3「お、おい見ろ! 今度は≪幻想殺し≫がトランプの束を手に取ったぞ!?」

美琴「まったく……変なところで対抗意識燃やしちゃって、子供なんだから……」

当麻「俺だけ何もしないってワケにはいかなからな……このくらいはやらせてもらうぜ!」

モブ2「な、なんだぁっ!? カードを、配り始めたぞ!? そ、それも……〝時計周り”にだ!」

モブ1「し、しかも見ろッ! アイツ、配られているのが何のカードか解らないように、すべてのカードを裏向きにしたまま配ってるぞ!?」

モブ3「ぜ、全部のカードをか!? な、なんてテクニックなんだ……神業じゃねえか!?」

モブ2「見る見るうちにトランプが配られてやがる……こ、このままじゃ全部配り終えちまうぞ!?」

当麻「ふぅ……まぁ、こんなもんかな……」

残りカード枚数

達也:13枚

キリト:13枚

当麻:13枚

モブ3:14枚

達也「準備はできたようだな……それでは、行かせてもらうぞ!」ズバァッ!

キリト「ああ、ようやくエンジンが暖まってきたところだ!」ズバァッ!

当麻「やれやれ……けど、ここから本領発揮させてもらうぜ!」ズバァッ!

モブ2「それぞれがカードを持ったぞ!? それも自分だけに見えるようにだ!?」

モブ3「え、なんだこれ……とりあえず俺もカードを持てばいいのか?」ズバァッ!

モブ1「な、なにやってんだモブさん!? 巻き込まれるぞ!?」

モブ3「い、いやだって目の前にあったから……つい……」

達也「獅子は兎を狩るにも全力を尽くす……遠慮なく行かせてもらうぞ!!」バシィッ!!

モブ2「くぅ……なんて風圧だ!? いったい≪破壊神≫は何をやったんだ!?」

モブ1「あれは……カードだ!? 2のカードを二枚! テーブルの上に置いたんだ!?」

モブ2「たったそれだけの行動なのにこの気迫……解っちゃいたが侮れねえ!」

キリト「さすがだな……だけど、これならどうかなッ!」バシバシッィ!!

モブ2「なっ、2セット……4枚同時だって!? 今度は5が2枚と10が2枚だ!」

モブ1「なるほど……これが≪二刀流(トゥーソード)≫の異名を持つ男の真の実力か!!」

モブ3「お、おい! どうすりゃいいんだ!? どうすりゃいいんだコリゃぁ!?」

当麻「落ち着けよ……同じ数字だ。手札に同じ数字が揃っているカードがあれば、場に出すんだ」パシィッ

モブ1「さすがだな≪幻想殺し≫……この状況でも余裕の表情だぜ……」

モブ2「いいかモブさん、落ち着くんだ。ゆっくりでいい、一枚づつ確実に確認していくんだ……」

モブ3「む、無理だぁ……頭がパンクしちまうよぅ……こいつらとは出来が違うんだ!」

モブ1「泣き言を言ってんじゃねえ! ゲームはもう始まってんだ!」

モブ3「チクショウ! チクショウ!!」パシッ

残りカード数

達也:7枚

キリト:7枚

当麻:7枚

モブ3:4枚


モブ3「お、おい!? どうなってんだこりゃあ!? 同じ数字のカードを抜いていったら、俺だけ……俺だけ手持ちのカードが〝少ねぇ”ぞ!?」

モブ1「落ち着け! それが……凡人と天才の、どうしようもない格の違いってヤツなんだよ! 今更慌ててんじゃねえ!」

達也「………………」

キリト「………………」

当麻「………………」

モブ2「モブさん以外だと、今のところ≪幻想殺し≫がほんの僅かながらリードってところか……完全に実力が拮抗してやがるな……」

※すみません、>>39 ミスりました。再投稿します

モブ3「お、おい!? どうなってんだこりゃあ!? 同じ数字のカードを抜いていったら、俺だけ……俺だけ手持ちのカードが〝少ねぇ”ぞ!?」

モブ1「落ち着け! それが……凡人と天才の、どうしようもない格の違いってヤツなんだよ! 今更慌ててんじゃねえ!」

達也「………………」

キリト「………………」

当麻「………………」

モブ2「モブさん以外は完全に実力が拮抗してやがる……流石としか言いようが無いぜ……」

達也「…………では、俺から行かせてもらう」ズアッ!

モブ2「≪破壊神≫が動いた!? 狙いは……≪黒の剣士≫か!?」

モブ1「随分と警戒していると見える……だがいったい何をするつもりなんだ……?」

モブ2「なんだ……あれは……カードだ!? ≪破壊神≫が≪黒の剣士≫の持っているカードを……引き抜いた!?」

モブ1「ま、まさか≪破壊神≫は相手の持っているカードを奪えるのか!? な、なんて凄まじい能力なんだ!?」

達也「6……か……ならば、このカードを捨てさせてもらう!」バシッ!

モブ2「なんだ……たった今引いてきた6のカードと……手持ちの6のカードを、同時に捨てた!?」

深雪「衝突(コンフリクション)……同じ数字のカード同士が揃えば……消滅する!」

モブ1「そうか……薄々だが……ババ抜きのルールが読めてきたぜ!」

モブ3「な、なぁ……俺は、俺はいったいどうすりゃあいいんだッ!?」

キリト「ぐっ……さすがは≪破壊神≫と言ったところですね……けど、俺もゲームと名の付くもので負けるわけにはいかない!」

モブ1「≪黒の剣士≫のターンだ!狙いは……≪幻想殺し≫か!」

モブ2「そんなまさか……≪黒の剣士≫も持っているのか!? 相手のカードを奪う、力を!?」

キリト「これだぁっ!!」ズバッ!

モブ2「決まったァッ! 流石は≪黒の剣士≫だぜ!」

モブ1「……? い、いや待て!? よく見ろ、あの≪幻想殺し≫の表情を……わ、笑ってる!?」

当麻「そいつぁ……愚策だったな。≪黒の剣士≫さん」ニヤリ

キリト「うぐぁぁッッ!!」

アスナ「き、キリトくん!!??」


モブ2「な、なんだぁ!? いったい何が起こったんだ!?

モブ1「わ、わからん!? 確かにカードを奪ったのは≪黒の剣士≫の方だったのに……」

モブ2「こ、これが高次元の戦いってヤツなのか……なにが起きているのかまったくわからねえ!?」

当麻「さて、それじゃあ俺の番、だな……」

モブ3「ひ、ひぃっ!?」

モブ1「≪幻想殺し≫の狙いはモブさんなのか!? そ、そんな、アイツが対抗できるわけがねぇ!?」

モブ2「俺達には為すすべなく、やられるところを見てるしかないって言うのかよ!」

モブ3「い、いやだぁ……だ、誰か……助けてくれぇ……」

当麻「安心しな……決着がつく時は、一瞬だ!」ズバッ!

モブ3「ひいいっ!!??」

モブ2「くっ…………な、なんだ、何も起こらねえぞ……?」

美琴「まったく……本当にお人好しなんだから……」

モブ1「まさか……≪幻想殺し≫のヤツ、手を抜いたのか……」

モブ2「なんて野郎だ……この真剣勝負の最中に、そこまで出来るのか……!?」

モブ3「た……助かったのか……?」

当麻「………………」

モブ1「いや、まだ安心するのは早い! 勝負は終わってないんだぞモブさん!」

モブ3「そ、そんなこと言ったって……俺にはどうすりゃいいのか……」

モブ1「落ち着くんだモブさん。ここまでの勝負を見ていてなんとなく解った……これはきっとターン製のバトルなんだ……」

モブ2「ターン製バトル……だって?」

モブ1「ああ、そして今は、モブさんのターン……」

モブ3「お、俺の……? で、でもいったいどうすれば……」

モブ1「考えろ! 俺達凡人に出来る事なんてそれくらいしかねえんだ! 諦めたら……そこで死ぬぞ!?」

モブ3「死ぬの!? 俺、死んじゃうの!?」

モブ3「く、くそぅ……こうなりゃヤケだ! ええい、ままよ!!」ズバァッ

モブ2「な……あ、あいつ、やりやがった!?≪破壊神≫の手札を、奪いやがった!?」

達也「…………」

モブ1「まさか……あいつも見逃してくれたのか……いや、そうか、これは結局あの三人の真剣勝負」

モブ1「モブさんは結局のところ数合わせに過ぎないって事か……」

モブ3「ひあああああ!!??」

モブ2「な、ど、どうしたんだモブさん!?」

モブ3「な、なんてこった……今ので、1のカードが揃っちまった!?」

モブ2「なんだってー!!??」

モブ3「こ、これって……捨てなきゃいけねえのかな……」

モブ1「ああ……衝突(コンフリクション)ってヤツだ……」

モブ3「くそぅ……ちくしょう……せっかく命拾いできたって言うのによぅ……」パシッ

残りカード数

達也:5枚

キリト:7枚

当麻:7枚

モブ3:2枚

モブ3「ひあああああっ! お、俺の残りカードが、に、2枚になっちまった……」

モブ1「お、落ち着け! 勝つことなんて考えなくていい! 今は生き残る事だけを考えるんだ!」

モブ3「あ、当たり前だ! そもそもこんな化け物連中に勝てるわけがねえだろう!!」

達也「……では、俺の番だな」

モブ2「静かにしろ!≪破壊神≫が動くぞ!」

モブ1「ヤツの狙いは……やはり≪黒の剣士≫……」

深雪「お兄様……負けないで……」

モブ2「…………な、なぁ……なにか、おかしくないか?」

モブ1「……いや、慎重にカードを選別しているようだが、特におかしな部分は……?」

モブ2「なんか、違和感を感じるっていうか……さっきと何かが…………なっ、あ、あれはまさかッッ!!??」

モブ1「ど、どうした何を見たんだ……なっ!? バ、バカな……アレは……!?」

モブズ「う、浮いている!!??」

モブ1「椅子からほんの数センチだが、浮いている!? まさかアレは飛行魔法……!? 完成していたのか!?」

モブ2「あ、あんなこと人類に可能なのかよ……勝てっこねえ……あんなのに勝てっこねえよ!」

深雪「あの程度……お兄様の力をもってすれば些細な事です」


達也「見えた! これだ!!」ズバッ!

モブ2「………………特に、何も起きない……?」

モブ1「すげぇな……うまく衝突(コンフリクション)を回避したのか……さすがだぜ……」

モブ2「となると……次は≪黒の剣士≫のターンだが……」

当麻「さぁ、次はアンタの番だぜ?」

モブ1「≪幻想殺し≫自ら迎え撃った!? 正面から戦うつもりか……!?」

モブ2「なんて度胸なんだ…………けど、どうしたんだ……≪黒の剣士≫が動かない……?」

アスナ「……フフ、もうキリトくんったら……」

モブ1「……? いったいなにが……ッッ!!?? み、見ろ≪黒の剣士≫の手を!?」

モブ2「……ん、なにもおかしなところは……!? カ、カードを既に引いている!?」

キリト「素早さにも、多少は自信があってね」

モブ1「ま、まさか……目にも留まらない速さで、カードを既に引いていたのか!?」

モブ2「い、いったい何時の間に……俺達はずっとヤツの挙動に注視していたのに!?」

モブ1「知覚外の速さ……只者ではないと思っていたが、まさかここまでとは!?」

当麻「……それじゃあ、次は俺の番だな」

モブ2「すげぇ……対する≪幻想殺し≫もまったく動揺してねぇ……」

モブ1「このぐらいのこと、奴らにとっちゃあどうでもいい事なのか……?」

美琴「ったく、そろそろ真剣にやりなさいよね……」

当麻「仕方ねえか……こういう場所ではあまり使いたくなかったんだけどな……」ズズズズズ

モブ1「なんてプレッシャーだ……≪幻想殺し≫のヤツ、今まで本気じゃなかったっていうのか!?」

モブ2「な、なぁ……≪幻想殺し≫のヤツ、さっきまで〝左手”で、カードを引いていたよな……?」

モブ1「……そう、だったか……?」

モブ2「ああ、ずっと見ていたから解るんだ。ああ、コイツは左利きなんだなぁ、って思っていたから……」

モブ1「な、なんだって……だ、だが、今の奴は〝右手”でカードを引こうとしているぞ!?」

モブ2「ま、まさか……アイツ、本当は右利きなんじゃ!?」

モブ1「お、落ち着け! カード勝負だぞ!? 利き手がどっちかなんて関係ある筈がないだろう!?」

当麻「ああ、その通り。俺の右手はちょいと特殊でね……魔法だろうと超能力だろうと、触れた異能をすべて消し去る事ができるのさ」

モブ1「完全無効化能力……!? ま、マズい!? モブさんが危ない!?」

モブ3「う、うわあああああああああッッ!!」

当麻「そこだぁっ!!」ズバァッ!

モブ2「も、モブさぁぁぁぁん!!??」

モブ3「は……はぁはぁはぁ……」

モブ1「だ、大丈夫かモブさん!? 身体はなんともないか!?」

モブ3「あ、ああ……い、生きている……生きている、のか……俺は?」

モブ1「ああ、大丈夫みたいだな……どうやらモブさんが凡人だったおかげで≪幻想殺し≫の無効化能力が発揮されなかったみたいだな……」

モブ3「へ、へへっ……何の取り柄もない事が、こんなところで幸いするなんてな……」

モブ2「安心するのはまだ早いぜ……モブさん、おまえのターンだ……」

モブ1「くっ……モブさんの手札は残りたった1枚……こんなので戦えるのか……いや、生き残れるのか!」

モブ3「へへっ……こうなったらもう覚悟を決めるだけさ……凡人には凡人なりの力があるってこと……見せてやるぜ!」ズバッ!

モブズ「モブさん!!??」

達也「…………」

モブ2「モブさんの手持ちのカードは〝5”! そして引いたのは……」

モブ1「〝5”のカード……だ。つまり、衝突(コンフリクション)……!!」

モブ3「へへ……まぁ、解っていたさ……こうなることはよ……」

モブ3「凡人が天才にゃあ……敵いっこないって事ぁよ……」ガクッ

モブズ「モブさぁぁぁぁぁぁんっ!!??」

達也「………………」

キリト「………………」

当麻「………………」

残りカード数

達也:5枚

キリト:7枚

当麻:7枚

モブ3:0枚

モブ3は倒れた!

だがしかし、戦いは続く

史上最強の男が決まる、その日まで……


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月29日 (金) 01:08:43   ID: qBy2svSI

誰1人としてババ抜きのルールを理解して無いとゆう件について

2 :  SS好きの774さん   2014年08月29日 (金) 18:40:16   ID: HfVmh5da

他の近未来の人たちはともかく上条さんは流石に知ってるよな。

3 :  SS好きの774さん   2015年02月13日 (金) 00:42:21   ID: BPTQJJcu

ババ抜きってなんだっけ(哲学)

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