【グリザイアの果実】天音「あづぅ~い」 (36)

グリザイアの果実アニメ化記念に初SS

です


約9000文字

です



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409151137

2011年7月21日14時30分・学園・教室


今年の夏は冷夏でしょう。というニュースアナウンサーの声を耳にした夏の事。
例年からすれば実際涼しさだろう。だが体感としてはやはり暑いことに変わりはなく、
うちのクラスメイト共(特に一名)は日も登りきった午後の授業が終わると口々に暑さに対する不満を漏らしていた。




ノートの文字をガラケから手打ちコピーなので更新遅めです。

ちょっとウンコしててケツ拭いたら血だらけで焦ってましたが今からまた書きます

天音「あづぅ~い」

みちる「もう、うるさいわよ!天音」

蒔菜「まぁ天音ぇの気持ちもわからんでもないけどな」

幸「天音さんは暑いのが苦手ですからね」

みちる「暑いのに暑いって言うと余計に暑くなるでしょうがぁ!」

天音「だってあづいんだも~ん、ん゛~、う゛ぁ~」グデー

蒔菜「おっ?ちるちる、それは駄洒落か?」

幸「…マキちゃん、今のは普通に喋っただけじゃないかな」

蒔菜「そっか。ちるちるにそんな頭あるわけないもんね。そんじゃどっか行こうぜ!暑いし!」

みちる「あんたの発言は相変わらず脈絡ないわね。そしてあたしをディスったわね!」

幸「行くとすれざどこがいいかな?もうすぐ夏休みだしバリ島とかいいかもね」

雄二「夏休み、暑いからバリ島か……やるな幸、洒落が効いている」

みちる「は?なんで?」

蒔菜「バリ島は赤道が通ってるのよさ」

みちる「赤道ぉ!?なんでまた暑い時に暑いとこに行きたがるかなぁ。そんなことしたら天音が死んじゃうわよ」

雄二「ッ!?」ガタッ

雄二「みちる、赤道が分かるのか……?みちるもやるな」

みちる「え?私の評価するとこ低くない?」

由美子「前に海に行ったばかりじゃない。いやよ、わたし」

雄二「ほう、由美子も乗り気になってきたようだな。これは真剣に考えなくてはなるまい」

由美子「ちょっと、私はイヤって言ったでしょ?」

雄二「俺に任せておけ。人生経験の足りないお前たちに最高の旅をさせてやろう」

由美子「ねぇ!聞いてる!?私の話!」

蒔菜「やった~!さすがお兄ちゃんなのよさ」

幸「風見さん何か私に出来ることがあればいつでもいってくださいね」

みちる「なんで雄二はそんな乗り気なの?」

由美子「……きっと暑さで頭が沸いたのね」ハナシキイテ

天音「…水風呂」グデデー

千鶴「はいは~い、皆さん席に着いて~。SHRやるわよぉ~」

雄二「いいタイミングだ千鶴。話がある、学園長室で会議だ」グイ

千鶴「えっ?なになに!?ちょっと!引っ張らないで!やぁ~」

雄二「もしもし、JB。休暇の申請をする」

千鶴「なんなのよもぉ~~」ヒキズラレー

みちる蒔菜幸由美子「……」ポカーン

天音「……かき氷」グデーン

翌日


千鶴「えぇ~。急遽、修学旅行に行くことになりました」

5人「は?」

雄二「ウム」

千鶴「行き先はフランスです」

5人「っえーー!?」

千鶴「期間は今週末から一週間。要するに出発は明日です。皆さん用意しといてくださいね」

5人「あした!?」

雄二「ウム」



翌日

 修学旅行1日目・フランス・パリ



天音「ほんとに来ちゃった…」

蒔菜「さすがお兄ちゃん!やれば出来る子!」ワーイ

幸「私海外なんて初めてです」ワクワク

由美子「なんで…」グデーン

みちる「先住民に話しかけられたらどうしよう!?私ヨーロッパ語できないよ!」ワタワタ

幸「みちる様、ヨーロッパは国ではないですよ」

千鶴「みなさぁーん、行きますよー」

蒔菜「イヤッホォー!東京タワーみたいなやつ見に行くのよさ!」

みちる「ピザノシャ塔ねっ!」ドヤァ

幸「さすがみちる様です。この小嶺幸みちる様の博識さに腰を抜かしております」

天音「さっちゃんって時々残酷よね」

幸「天音さん、人は自分で間違いに気付き、己が力で間違いを正すことにより人間的に成長出来るのです」

天音「さっちゃんは何者で、みちるのなんなのよ…」

幸「私は小嶺幸で、みちる様のメイドですよ?」キョトン

幸「いえ、むしろ皆さんのメイドです!皆さんのお役人立つべくわたくし、より一層の努力をしていく所存です!」

天音「あー、うん、ありがと。ごめん、良く分かったからそんなに興奮しないで?」

蒔菜「さすがさっちんなのよさ!これはもう世界メイド選手権優勝も秒読みじゃね?」

雄二「見上げた奉仕精神だ。幸よ、俺も微力ながらレベルアップの手助けをしよう。帰ったら稽古でもつけてやろう」

幸「はいっ!全力で頑張ります!」

天音「ちょっとちょっと雄二。さっちんにあんまり変なこと教えないでよね」

雄二「何を言う失礼な。それでは俺が今まで幸に何かいかがわしい事を教えたようではないか」

天音「当たらずしも遠からずなことした前科があるっちゅうの!ってかモロ前科ありじゃない!?」

由美子「喋ってばかりいないで行きましょうよ。ほら、学園長が泣きそうじゃない」

千鶴「泣いてません!まだ!」

天音「まだ…なんだ」



そうして俺たちは1日目のパリ観光を楽しんだ。



翌日

千鶴「今日は申し訳ないけど丸1日移動です」

5人「はーい」

雄二「……」ケータイイジリ


 修学旅行2日目・フランス・ローゼン県・山村


千鶴「今日はここに泊まります」

由美子「なんだか凄く貧相ね。宿も街も」

蒔菜「昨日のホテルは凄かったのよさ!個室だし、眺め良いし、ベッドも回るし!」

みちる「回らんわっ!でもほんとここまで落差があるとねぇ」

天音「個室でも結局蒔菜はあたしの部屋だったけどね」

千鶴「ごめんなさいねぇ。移動もレンタカーで。なんせ急だったものだからお金が……ね?」

幸「午前中にヘリをチャーターしたのが高かったのでしょうか?」

千鶴「今日だけだから我慢して頂戴。明日からまたおいしい料理食べれるから期待してていいわよぉ」

千鶴「じゃあ夕食後は消灯時間まで自由。でも外には出ちゃ駄目よ?おやすみなさぁ~い」スタスタ

天音「あれ?学園長もう寝ちゃうのかな?」

幸「学園長さんは今日ほとんど1日車を運転してましたからお疲れなんでしょう」

天音「それもそうね。そういえば雄二ももう部屋かしら?」

蒔菜「よーし皆のもの共お風呂に入ったら猥談会だ!」

みちる「この子はまたそんなこと」

蒔菜「修学旅行の夜と言ったら猥談と相場は決まっとる!」

天音「決まってるかなぁ…」

幸「だよね?マキちゃん分かってるよ!」

由美子「私はいやよ。先に部屋で休むわね」

蒔菜「さっちん、ゆみちんを確保!」

幸「まかせてマキちゃん」

由美子「え?ちょっと!離してっ」

蒔菜「ゆみちゃん猥談得意でしょ?日夜ネットでネタを仕入れてるもんね」

由美子「仕入れてないわよ!」

由美子「そういう話なら天音の方が得意でしょ!」

天音「イヤー、榊さんにはかなわないかなー」

由美子「ハァ?」

天音「常読してる『淫乱OLユキコのブログ』夜のテクニック編の内容教えてよ」

由美子「エッ!?し、しししっし、知らないわよそんなブログ!私の部屋勝手に入ったの!?」

幸「榊さん、往生際が悪いですよ。というか自爆です」

由美子「小嶺さんっ!?あなた……っ」

蒔菜「ゆみちゃんの容疑も固まったこところだし、お風呂行くのよさ」

みちる「そうね~」

由美子「そんなブログ知らないんだからぁ~っ」



翌日

【1日目】
風見雄二が無残な姿で発見されました。

ちょっと休憩

咲見たらまた書きます

天音「なんで…雄二…」

5人「……」

千鶴「みんな悲しんでる隙もなさそうだわ。聞いて」

千鶴「私たちが移動に使ってきた車が破壊されているわ。それだけじゃない、他の移動に使えそうなものも全て」

由美子「どういうことですか!?」

千鶴「どうもこうもないわ。いった通りよ。私たちはこの村から出る手段を失ったわ」

幸「近くの街に避難するのは?」

千鶴「ここは昔からある小さな村でトラック運転手が立ち寄るくらいなの。だから近くに街はないわ」

みちる「電話で助けを呼べば良いじゃない!」ピポパ……プープープー…

みちる「繋がらない!?なんで!?」

千鶴「分からないわ電話もネットも繋がらないの」

みちる「そんな…」

蒔菜「…グス、お兄ちゃん」

天音「……」ヨシヨシ

由美子「先の学園長の話だったトラックがここを通るんですよね?その車に乗せてもらえば」

千鶴「最近はあまり使われないそうで次の定期便は5日後だそうよ」

由美子「……5日も」

千鶴「そこで村の人たちから話があるそうよ」

訂正

千鶴「悲しんでる隙もなさそう~」



千鶴「悲しんでる暇もなさそう~」



あと半分くらい
指がしんどい
今度からはPCにしよう

(村人との会話は千鶴が通訳していたり筆談しているものだと解釈してください)

村人1「それでは現状を確認していきます。今この村にいるのは村人5人あなた方6人」

村人1「殺されたのはそちらのご友人。遺体のそばにこの手紙がありました。読み上げます」
村人2「『我は人狼なり。人ならざる人なり。我はこの村にいる者なり。』」
村人2「『毎日一人ずつ黄泉への案内を仕る。人の子らが最後の一人になる前に我を見つけ出せれば人の子らの勝。これより我と人の子らの戦を始める』」

村人3「よってこれより犠牲者を増やさない為に毎日一人ずつ議論ののち多数決にやり処刑していくものとする」

5人「ッ!?」

由美子「く、狂ってるわ」

千鶴「どうやらこの地方の伝説が関係しているらしいわ。隔絶された村だからいまだに伝説とか信じているのね」

千鶴「この方法も昔人狼を語る犯人を倒すために実際に行われた方法らしいわ」

由美子「そんな…だからって」

千鶴「私たちは全員女性で力もないし土地勘もない……なんとか処刑されないように立ち回るしかないわね」

幸「でも犯人がいるグループははっきりしていますよね」

みちる「そう…そうじゃない!私たちの中にいるはずないじゃないっ」

千鶴「向こうもそう思っていりでしょうね」

天音「しかも多数決で上回っているからこちらは処刑されないということね」

由美子「向こうには悪いけど言い出した以上責任を負って全員いなくなってもらうしかないわね」

村人4「公平を期すためこれからはひとりひとり違う建物で泊まり議論以外の時間は外出しないでください」

村人5「それでは議論を開始します」

 【1日目・議論】

みちる「私たちの中に犯人がいないのは分かってるんだし私たちのの票をまとめて向こうの誰か一人に投票すればいいのよ!」

由美子「私もそれに賛成ね。どうせ向こうもこちらの誰かに絞ってくるでしょうしね」

千鶴「ちょっと待ってみんな、それはあまりに短絡的で人間的ではないわ」

千鶴「1日目は今座っている円卓の左隣の人に投票して様子を見るっていうのはどうかしら?」

千鶴「ほんとは犯人は猪の一番に逃げ出してる可能性もあるでしょ?向こうに提案してみるわ」

幸「なるほど、この円卓を囲んでいる人みんなで隣の人を指名するわけですね」

幸「それだと誰がこの提案を破ったのか明白になり、その人が不信感を集めるので提案を破れないと」

千鶴「ええ。私もこの地方の語学に精通しているわけでもないし」

千鶴「今現在村人たちが何を話しているのか全てを把握できる訳でもないしね」

蒔菜「でも村の人たち全員がこの提案を飲む振りだけしていたとしたらどうするのよさ?」

千鶴「そうね。じゃあ1日目だけは私たちと村人たち交互にその場で書いてその票を自ら開票するようにしましょう」

千鶴「じゃあ提案してみるわね」

ハナシチュウ

千鶴「さっきの提案を飲むそうよ」

天音「とりあえずこれで初日は処刑者を出さずに済みそうね」


【投票結果】
各1票ずつ
処刑者なし


【2日目・朝】
松島みちるが無残な姿で発見されました。


【議論会】

蒔菜「い、いやぁ……そんなのいやなのよさ!チルチルぅぅーーっ!!」ウワァーン

幸「みちる様…幸はまだみちる様に受けた恩を返し切れてませんのに」

天音「犯人はまだこの中にいるってことね」

由美子「そのようね」

蒔菜「ど、どうするのよさ?」

由美子「私は予定通り私たちで村人の誰か一人に票を集めることを提案するわ」

千鶴「そうね。でもそれだと向こうも同じ数だから今日も処刑はなさそうね」

幸「問題はこの均衡が崩れたあとですね。でもそれが犯人の狙いなのでしょうか?」

由美子「わからないわ。でもこの体制は向こうもこちらも崩せそうにないわね」

天音「当たり前じゃない。誰が仲間を裏切れるっていうの?私はもう誰かを置いて生き延びるのはごめんなのっ」


【投票結果】
村人4:5
千鶴 :5

処刑者なし


【3日目・朝】
村人1が無残な姿で発見されました。


由美子「どういうことかしら?」

幸「と、言いますと?」

由美子「私は村人全てが犯人でこちらを全て排除することを目的としたものだと思っていたの」

由美子「これまでもそういう風にやってきていて、人を殺す快楽殺人集団だと思っていたわ」

幸「なるほど、その前提が崩れたわけですね」

天音「となると考えられるのは一人の殺人鬼がいるということね」

幸「実際にはこの中にいなくてどこか別の場所にいるというのは考えられませんか?」

由美子「手紙の内容を聞く限りでは犯人はこれを戦だと言っているわ。多分この手の犯人は殺人をゲーム感覚で楽しんでいるのではないかしら」

由美子「たぶん自分も危険に身を置くことで得られるスリルも含めて楽しんでいるのだと思うわ」

千鶴「さすが榊さんね。推理が早いわ」

由美子「以前犯罪心理学のサイトを読んだことがあっただけです」

千鶴「それに一応1日目に村人たちと私で村の中と周り、犯人を捜しだのけれど見つからなかったわ」

千鶴「どっちにしろこの体制は崩せないわね」

蒔菜「チルチルの仇をとるのよさ」


【投票結果】
村人4:5
千鶴 :4

投票の結果、村人4が処刑されました。

【4日目・朝】
入巣蒔菜が無残な姿で発見されました。


【議論会】

天音「……蒔菜」

幸「今日で4日目…明日定期便がくるはずなので今日で最後ということになりますね」

天音「やっと終わるのね」

由美子「……」

千鶴「これ以上私の子たちから犠牲者を出すことはできないわ。今日も村人ひとりに投票を集中させましょう」

由美子「いえ、待って」

由美子「本当にこの中に犯人がいるとすれば今なんとかして明日の朝までの犠牲者を減らすために議論すべきじゃないかしら?」

千鶴「それはどういうことですか榊さん?もっと村人の誰を指名するか議論したいってことかしら?」

由美子「いえ。私たちを含めた、です」

天音「!」

幸「!」

千鶴「!」ゾクッ

千鶴「あ、あなたは私たちの中に犯人がいるって言いたいんですか?!」

由美子「可能性としてのはなしです」

由美子「この希有っ危機的な状況に飲み込まれず冷静な判断をしたいということです」

由美子「事件が起きたのは私たちがこの村を訪れてからです」

由美子「村人の話によると人狼を語った殺人があったのは80年以上前だといいます」

由美子「そんな近年平和な村でなぜ事件が起こったのか?私たちが訪れたこのタイミングで」

天音「……そうだけど。やめて。友人同士で殺し合う可能性を考えるのは嫌なの!」

幸「あ、天音さん?落ちついてください。いませんよそんな一人」

幸「知り合ってからの期間は短いですし互いにすべてを知りあった仲でもありません」

幸「でもこれだけは言えます。私たちは互いを信じ合っています!絆は世界中の誰にだって負けません!」

幸「だから安心してください。ね?」

天音「うん……」

由美子「あくまで第三者的な思考も必要だと思ったからよ。ごめんなさい周防さん」

千鶴「では投票は昨日と同じように。いいですね?」

由美子「えぇ」


【投票結果】
村人3:3
千鶴 :2
天音 :1
幸  :1

投票の結果、村人3が処刑されました。


【5日目・朝】
村人2が無残な姿で発見されました。
トラック運転手が無残な姿で発見されました。


【議論会】

天音「車が燃えてる…」

由美子「……」

千鶴「そんなっ!!」

村人5「運転手の遺体のそばにこれが」

手紙『ころは我らの戦である。他の者が入る余地はなく、勝利か敗北かそれのみが結果として許される』

由美子「ここから逃げましょう。地図とコンパスがあれば何日か森の中を歩いていけるわ」

天音「い、いやっ!!それだけは……いやや!!」

幸「天音さん…。大丈夫ですよ私たちが付いています」

千鶴「そんなことしなくても今日で終わるわ。だってそうでしょ!?残った村人は一人なんだから」

由美子「そうかし…そうね」


【投票結果】
村人5:3
千鶴 :2

投票により村人5が処刑されました。


【6日目・朝】
小嶺幸が無残な姿で発見されました。


【議論会】

天音「そ、そんな。なんで…なんでなんよ!?」

天音「村人は全員おらへんなったやん!?それやなのになんでなんよ!?……さっちゃんが」グス

千鶴「やっぱりどこかに潜んでいるのよ!!村人でもない誰かが」

由美子「そうでしょうか?」

天音「え?」

由美子「これまで標的は私たちと村人交互でした」

千鶴「それは私たちに不安と不信感を与えるためでしょ?」

由美子「そうだとすれば先にどちらかの勢力をなくした方がよくないですか?」

由美子「そうすれば残った勢力は仲間内でより不信感と不安を煽られます」

天音「じゃあなに?由美子は私らの中に犯人がおる言うん!?この状況で!!」

由美子「やはり犯人はこれを楽しんでいるのだと思うわ。その対象には私たちだけじゃなく村人も含まれる」

由美子「そして犯人は殺人だけを楽しんでいるんじゃない。状況も含めて楽しんでいるの」

由美子「そいつが一番この状況を楽しめるのはどこ?犯人は現場に現れると言うけどその現場はどこ?」

千鶴「榊さんやめなさい!どうしてそんなことを言うの!?もう誰かを処刑する必要もないのよ」

由美子「……」

千鶴「明日の朝一番でここを出ましょう。いいわね?周防さん」

天音「……はい」

千鶴「今日はもう休んで明日に備えましょう。周防さん心配しないで。今日はみんな一緒に寝ましょう?」

天音「由美子……」

由美子「ごめんなさい周防さん。嫌なこと言ったわ」


【7日目・深夜】

グサ

グサ

ゴリュ

天音「ん、んぅ。なに?由美子?トイレなの?」

由美子「……」

千鶴「あら……起きたのね周防さん」

天音「学園長……なにしてるんです……か?」

千鶴「榊さんてとても優秀なのね。ヒントをあげないと誰も気付かないと思っていたわ」

千鶴「なのに途中で私に一票入れるんだもの。びっくりしたし、興奮したわ。ゾクゾクした」

千鶴「だってあと一人気付かないていたら私が処刑されていたんですもの」

天音「なに、言ってるんです?ねぇ‥由美…ヒッ」

由美子だったもの「」グチャア

千鶴「でも殺さなかったわ。だってやっと気付いてくれたんだもの。もっと楽しくしたいじゃない?」

天音「い、いや……そんな…由美子ぉ」ブルブル

千鶴「でもやっぱり最後まではだぁめ。やっぱり最後は恐怖に怯えて、どうして!?なんで!?みたいな最高の顔をみたいじゃない?」

天音「ひぃぃいいっ!いや‥いややぁ!誰か誰か誰かぁーっ!!」

千鶴「だぁれも来ないし、いないのは知ってるでしょぉ?周防さん」

千鶴「よいしょっと」ズルゥ

由美子「」ドサ

天音「ぁ、ぁ……雄二…一姫…」

千鶴「そぉ。その顔よぉ。よくできまし……たぁぁっっ!!」ガバァ

天音「いやぁぁぁーーーー





照明「パチ」




幸みちる蒔菜由美子千鶴「「「「「おつかれ~~!!」」」」」ドンドンパフパフ


天音 ぁぁーーーー……あ?」

雄二「おつかれ、天音。どうだった、一週間にも及ぶ肝試しは?夏にぴったりで涼しくなっただろう?」

天音「あ゛?……ぁ?」

雄二「死体もそっくりだったろう?一体100万もしたからな。なに、学園の裏貯金箱の額したら大した出費ではなかったがな」ハハハ

雄二「携帯や衛星電話の電波をブロックするのには少々手こずったがな。後でJBに絞られそうだ。ちなみに村人役はホテルの従業員だ」

雄二「そして修学旅行だからな。歴史についても少し触れてみた」

雄二「この地方はジェヴォーダン地方と言ってな、ジェヴォーダンの野獣と呼ばれる事件が有名だ」

雄二「そして当時フランスはカトリックとプロテスタントとの戦争が激しく、この辺りに逃げてきた人たちもまた宗派の違いから互いに不信感を持ち、対立もあった」

雄二「つまり村人とお前たちがカトリックとプロテスタント。犯人がジェヴォーダンの獣というわけだ」

雄二「まぁ実際の事件は獣によるものだったか人によるものだったか不明という未解決事件なのだがな」

雄二「ともあれ、ジェヴォーダン地方で時代の背景をも再現した状況による人狼ゲーム。この贅沢な状況を満喫できたか?勉強にもなって良かっただろう」

天音「…」

雄二「ちなみに当時の宗派による内戦をユグノー戦争という」

雄二「内戦の後には増殖した狼がパリを取り囲んだ、なんて話もあったそうだ。当時の獣に対してのイメージもわかるな」

天音「…」

雄二「天音?…そうか、なぜ狼が増えたかに疑問が残るのだな」

雄二「内戦が起こった場所は荒廃する。そこに死体もあると言えばわかるか?つまり狼にとっての餌が」

幸「そういうことではないと思いますよ、風見さん」

千鶴「脅かしてごめんなさいね周防さん」

幸「すみません天音さん。先においしい料理を満喫してしまって」

由美子「山の向こうに古城を利用したホテルがあるの。私たちそこに泊まっていたのよ」

蒔菜「プール超デケェの!天姉ぇも一緒に泳ごーぜー」

みちる「一番はじめからホテルを満喫してる私は勝ち組ね!でもなんで一番はじめが私だったの?」

雄二「」メソラシ

幸「みちる様、みちる様は凄いですね。飴を差し上げます」

みちる「え?凄いの?まぁ私だしね!」モグモグ

天音「……」

雄二「天音?」

天音「フンッ」

雄二「グボォッ」ミギフックサクレツ

天音「グス…ふぇぇ~~ん恐かったよぉ~」エェーン

蒔菜「ご、ごめんよぉ。天姉ぇ泣かないで?」ヨシヨシ

幸「明後日からはまた観光ですから元気出してください」

千鶴「一週間っていってたけどホントは二週間の予定なの」

由美子「くだらないことしてないで観光だけしてれば一週間で良かったのに」モウ




こうして夏休みを利用した二週間の修学旅行は終わった。
1日にしてこれだけの予定を考え、準備も行ったというのに旅行後半、なぜか皆は俺に冷たかった。

そして天音が暑いと言うこともなくなった。



【終】

初ssだから聞きたいんだけど
終わったらすぐHTML化依頼したほうがいい?

HTML化依頼しました

読んでくれた人
あざした

グリザイアのシリーズ大好きで果実は10周くらいした。

キャラはみちるが好きなんだが正直チルチルミチルは買うかどうか迷ってる

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