のび太「ドラえもん、絵本入り込み靴とスペアポケットを貸して!」 (10)

ドラえもん「のび太くん、なんでまたそんなものを・・・・まさか!」

ドラえもん「僕は今まで君のことを信じてきた。確かに君は愚図だし頭は悪いしスポーツも苦手の駄目人間だ。
だけど、君には優しさという唯一自慢できることがあった。他者の苦しみを理解し、過酷な状況であっても
他人を助けることができるっていうすばらしいやさしさが。」

ドラえもん「だけど、そのやさしさも失ってしまったのかい!君は秘密道具を貸して悪用することはあっても、
それでも優しい人間であることに変わりはない。ただ間がさしただけだ。
だけど、今回スペアポケットと絵本入り込み靴を貸してほしいなんてよからぬことをたくらんでいるとしか思えない。
絵本の世界に入ってヒーローを気取るつもりならいい。だけどスペアポケットを貸してほしいってことはヒーローに
なるために使うつもりかもしれないけど、場合によっちゃあ絵本の中の住民を最悪甚振ってうさをはらそうとし
しているんじゃないのかい。」

ドラえもん「君はいつもヒーローになるとするときは、さっさと飛び込むか自分で道具を用意するからね。」


のび太「ドラえもん、かんぐりすぎだよ。僕は正義の味方になりたいんだ。例えそれが自己満足であれ偽善であってもね。」

のび太「絵本入り込み靴は、絵本に入れる道具だ、だけど絵本というだけじゃなく同じ性質なら小説や漫画にもはいれるんだろう?
流石にゲームやアニメの世界には入れないんだろうけど。」



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のび太「君の言うように僕はヒーローを気取って、自分がヒーローになったつもりでいい気になりたいのかもしれない。
だけど、僕が絵本入り込み靴をつかって絵本の中に入りたいのは絵本の中の世界を変えたいからだ。
子供向けの絵本じゃなく、小説や漫画にでてくる悲惨な結末、それを絵本の中に入って助けたいんだ!」

のび太「たとえフィクションの存在に過ぎないと分かっていても、悲惨な目に合う人を助けたいとおもうのはおかしいことかい。
それを助けられる力があるのにそれを振るわないのはあくじゃないのかな?」

のび太「勿論現実に力で人を助けようなんてのは思い上がりに過ぎないかもしれないし、力を元に人をすく王なんてやっているうち日
独善的になって正義を自称する正義の元に大量殺戮さえ行う人間になってしまうかもしれない。それでも僕は
悲惨な末路を迎える人を助けたいんだ。」

のび太「駄目だって言うなら駄目っていっていいよ。スペアポケットをだまして悪用するかもしれないしね。」

ドラえもん「の、のび太くん・・・・・・君がまさかそこまで立派な考えを持っていたなんて・・・・
人は日々成長するって言うんだけどそこまで君も成長していたんだね・・・・」ウルウル





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