直斗「それでですね、今度は僕の方かr……っ! んっ……ちゅっ……んん……」
直斗「な、ななななにしゅるんですかっ!」
鳴上「落ち着け」
直斗「こっ、これが落ち着いていられますか! いきなり、キ、キ、キスするなんて!」
鳴上「……嫌だったか?」
直斗「い、嫌だとかそんなんじゃなくて……その、理由も無くキスするって言うのは……」
鳴上「好きな人にキスするのに、理由が必要?」
直斗「す、好きだからって、突然されたら……先輩とキスするのはその、こっ心の準備ってものが必要で……」
鳴上「直斗の唇、柔らかかった」
直斗「っ! だから! そういう事じゃなくって……」
鳴上「顔真っ赤にしてドギマギしてる直斗かわいい」
直斗「かっ、かわっ……」
鳴上「かわいいよ」ナデナデ
直斗「ほ、頬を撫でながら……そんな目で、見ないで下さい……恥ずかしい、ですから……」
鳴上「かわいい」
直斗「うっ……い、一旦整理しましょう! そうしましょう!」
鳴上「整理?」
直斗「はい。先輩がこんな……こんなおかしな事をするにはそれなりの動機があるはずです」
鳴上「?」
直斗「何邪気の無い顔で首かしげてるんですか、加害者のくせに」
鳴上「はあ」
直斗「全く……じゃあまず状況から。先輩がいきなりキスする前は、ただ普通に会話をしていただけですよね」
鳴上「そうだな」
直斗「えぇ、取り留めもないごく普通の会話でした。花村先輩が自転車でウィリーしてゴミバケツに突っ込んだとか、
天城先輩が持ってきたお弁当を食べたらパンシロンの箱が空いたとか」
鳴上「そうだな」
直斗「……今思うと普通じゃないような気がしますが……まぁ、それはどうでもいいことです」
鳴上「あぁ」
直斗「ここからが問題です。先輩がこの前作って来てくれたお弁当のお返しに、何か作ってきましょうかという話をしようとしました」
鳴上「あぁ、そうだったのか」
直斗「そうです。そ、そしたら……先輩が僕にいきなりキs……んっ! はっ……ふぁ……」
鳴上「……」
直斗「ま、また! また、キキキスしましたね!? また!」
鳴上「あぁしたな」
直斗「したな、じゃなくって! なんで脈絡も無くキスしたのかって聞いてるんです! し、しかも、あんな……」
鳴上「あんな?」
直斗「あ、あんな……あんな……や、やらしい感じの……」
鳴上(思いだして顔真っ赤にして、恥ずかしがりながら状況説明しようとしてる直斗かわいい)
直斗「聞いてるんですか!?」
鳴上「あぁ。俺がいきなりやらしいキスしたんだよな」
直斗「っ……そ、そうです。状況を解ってもらえて良かったです」
鳴上「……それで?」
直斗「そ、それで、って?」
鳴上「いや、状況はわかったけど、何が問題なのかなって」
直斗「問題って、問題有り過ぎですよ」
鳴上「俺達は恋人同士、だよね?」
直斗「は、はい」
鳴上「恋人に……好きな人にキスしちゃ、ダメ?」
直斗「い、いえ……恋人になら、キスしても……」
鳴上「……直斗は俺の事嫌いだったの?」
直斗「ち、違います! ただ、突然キスされて驚いたというか、何と言うか……」
鳴上「じゃあ、好き?」
直斗「うっ……そ、それは……」
鳴上「……」
直斗「す、好き、です……」
鳴上(恥ずかしくて目を伏せてる直斗もかわいい)
鳴上「じゃあ、問題無いじゃないか」
直斗「そ、そうかもしれませんけど……」
鳴上「じゃあ良いじゃないか」
直斗「ろ、論点がズレてますっ。好き嫌いじゃなく、どうしてあのタイミングでキスしたのかが問題なんです」
鳴上「さすがに流されないか」
直斗「流されません!」
鳴上「そっか」
直斗「っ~~! きょ、今日の先輩は変です!」
鳴上「今日の直斗は一々噛むな」
直斗「誰のせいだと思ってるんですか!」
鳴上「噛む直斗も、かわいい」
直斗「っ! や、やっぱり先輩はっ、僕をからかってあs……んっ……」
鳴上(帽子落としちゃったけど、このまま……)
直斗「せんぱっ……んっ……だめっ……」
鳴上(手を頭に回して……撫でながら……もう片方の手はお互いのを絡めて……)
直斗「ちゅっ……ふぁ……んっ……」
鳴上「……ふぅ」
直斗「はぁ……はぁ……」
鳴上(とろんとした直斗かわいい)
直斗「はぁ……ちょっと、待って下さい……」
鳴上(力が抜けて俺の胸にもたれ掛かる直斗かわいい)ナデナデ
直斗「んっ……」
鳴上「……」ナデナデ
直斗「……ずるい、ですよ」
鳴上「何が?」ナデナデ
直斗「そうやって、思いもよらないような行動ばっかりとって……怒る気も起こさせないように、丸めこんで……」
鳴上「やっぱり、嫌だった?」ピタッ
直斗「あっ……い、嫌じゃないですけど……」
鳴上「けど?」
直斗「……ずるいです」
鳴上「ウブなのね」
直斗「もう、茶化さないで下さい」
鳴上「ナオチャンはカワイイクマねー(裏声)」
直斗「……判断に困るようなレベルの物真似はやめて下さい」
鳴上「ゴメンゴメン」
直斗「……全く、貴方と言う人は……」
鳴上「……」
直斗「……」
鳴上「……」ジーッ
直斗「……あのっ」
鳴上「何?」
直斗「も、もう、しないんですか?」
鳴上「何を?」
直斗「……分かってる癖に……」
鳴上「言ってくれないとわからないよ」
直斗「ぼ、僕をからかって楽しんd……んん……」
鳴上(今度は勢い付いて押し倒してしまったが……)
直斗「せんぱっ……んっ……」
鳴上「ぷはっ……」
直斗「はぁ……はぁ……」
鳴上(完全なマウントポジション……)
直斗「……せん、ぱい……」
鳴上(顔も紅潮して、目も潤んでる……少しだけはだけた服も……)
直斗「あ、あの……わ……」
鳴上「……」
直斗「わ、私……」
鳴上(……ん?)
直斗「わたしっ、そのっ……」
鳴上(わたし……か……。退いてみよう)スッ
直斗「……あっ」
鳴上「ゴメン、いきなりでビックリしたよな……(ここはあえて退く事で、今後の布石にしてみよう)」
直斗「え、あの……」
鳴上「いきなりのしかかったり、キスしたりしてゴメンな(動揺してる動揺してる。かわいいなぁ)」
直斗「え、えぇ?」
鳴上「……あ、もうこんな時間か。家まで送ってくよ」
直斗「……」
鳴上「どうした?」
直斗「だって、途中で……い、いえ、なんでも、ないです……」
鳴上「……忘れ物、無いようにな」
直斗「……はい」
――
鳴上(実に幸先の良いスタートだった)
鳴上(奥手なのに最後は自分から求めようとしてた所なんて最高だったな……)
花村「おーす相棒」
鳴上「おはよう陽介」
花村「いやーしっかし、今日も冷えるなぁー」
鳴上「そうだな。里中とクマが羨ましい」
花村「いや、ペルソナの耐性は現実じゃ意味ないだろ」
鳴上「ですよねー」
花村「……そういや直斗とは最近どうよ」
鳴上「どうも何も普通だ。家で遊んだり、一緒にご飯食べたり」
花村「ふーん……」
鳴上「……他の皆には言ってないだろうな」
花村「あぁ言ってねぇよ。二人が付き合ってるのは」
鳴上「そうか」
花村「知られてなんか不都合があるのかよ。別に、俺達の仲なんだから気にすることもねぇと思う……いや、どうだろうな。主にりせと完二とかが……」
鳴上「俺は別に良いんだが、直斗がな」
花村「あぁー……まぁ、ただ単に恥ずかしいのか」
鳴上「そういうことだ」
花村「可愛い所あるなぁ」
鳴上「その癖恥ずかしがり屋だけど、部屋だと結構甘えてくれる」
花村「……ダァーッハッ! 俺も彼女欲しいぃーっ!」
鳴上「落ち着け陽介! 考えるんだ……もう一度。真実を知るために……」
花村「生田目落とそうとした時の深刻なセリフ言うんじゃねぇ! ……やっぱお前俺が彼女できねぇと思ってんじゃねぇか!」
鳴上「可哀そうに……」
花村「河原に行こうぜ。久しぶりにキレちまったよ」
里中「……朝っぱらから何騒いでんのさ」
天城「鳴上君、花村君おはよう」
鳴上「おはよう二人とも」
里中「花村は何叫んでんの?」
鳴上「寒いから体を温めてるんだろ」
天城「そうだね、今日も寒いもんね」
花村「違うわ!」
里中「はいはい馬鹿は放っておいて行こうよ」
花村「お前だって人の事言えない程度に馬鹿だろうが!」
天城「馬鹿となんとかは寒い所が好きって言葉あるよね」
花村「馬鹿と煙は高い所が好き、な!」
鳴上「そんなに叫んでたら頭に血が上ってクラクラするぞ」
花村「誰のせいだ!」
里中「あーあー、雪子何さっきの言葉でツボに入ってんの……」
雪子「だって……くふっ……馬鹿と煙って……ぶふっ……」
花村「はぁはぁ……」
鳴上「……」
直斗「……朝から元気ですね、先輩達は」
里中「あ、直斗君おはよー」
鳴上「おはよう直斗」
天城「馬鹿と煙が同じ扱いって……あははっ……」
直斗「……何に笑ってるんですか?」
花村「お前は知らなくていい……これ以上カオスにしたくない……」
鳴上「だそうだ」
直斗「はぁ……」
里中「そういえば、最近朝によく直斗君と会うよね」
直斗「そ、そうでしょうか……というかいつも巽君や久慈川さんも合流してるじゃないですか。いつものメンバーですよ」
里中「いや、何と言うか……合流するタイミングが早いというか……」
直斗「そ、そんなことは……」
花村「そういえば、よく知らないけど直斗の家って確かあっち方面だったな。あの道だってもっと先で合流すんのに、なんで方向違うその道から来たんだ?」
直斗「えっ、そ、それは……」チラッ
鳴上「……?」
直斗「……///」
花村(ほーん……)
天城「あははっ……お腹、痛いっ……」
里中「雪子いつまで笑ってるの……」
花村「まっ、まだこの辺慣れてないってのがあんだろ。一回通った道とかじゃないと、不安でそっち通りたくなるよな?(フォローしとくか)」
直斗「そ、そうなんです……恥ずかしながら……」
里中「あぁーそれなんとなくわかる。なんか一回行った道に愛着わいちゃうんだよね」
花村「……愛着とは、また違うんじゃないか?」
天城「はぁ……はぁ……あぁーおかしい……」
鳴上「大丈夫か?」
天城「うん、もう大丈夫。花村君がおかしなこと言うからつい」
花村「ついであそこまで笑える天城もスゲェよ……」
里中「あ、そういえばさ。今日放課後皆で勉強しない? 期末対策でさ」
花村「お前は勉強じゃなくてお恵みが欲しいんだろ……」
里中「なっ! アンタだって人のノートせびるくせに!」
花村「あれは等価交換だろうが」
里中「たったジュース一杯じゃん! もっと食べ物よこしなさいって!」
花村「この前たこやき余計に買わせやがったろ! 文句言うな!」
里中「だったらもっとあのフードコートに肉出させなさいよ!」
ンダトコノニクセンシャ!!
ンナッ!? イマナンツッタコノカエルニンジャ!!
鳴上「……そうか、もう期末だったな」
天城「あ、直斗君はどうする? 完二君とりせちゃん呼んだら一緒に来る?」
鳴上「完二とりせ、か……」
直斗「それは、なんか僕が教える一方になりそうですけど……」
鳴上(一回……)
天城「あぁーそっか……確かにそうかも」
直斗「えっと……鳴上先輩はどうするんですか?」
鳴上「俺か? 一応対策は終わってるけど、良い復習になるから行くよ」
直斗「そ、そうですか」
天城「じゃあ花村君も来るとして、一応四人だね。後で完二君とりせちゃんにも聞いてみようか」
鳴上「そうだな」
直斗「あ、あの……」
天城「ん、何?」
直斗「やっぱり、僕も行きます」
鳴上(二回)
天城「あ、やっぱり来る?」
直斗「はい。一人で根を詰めるのも、あまり効率的ではないでしょうから」
天城「じゃあこれで五人だね」
花村「……あれ、なんか話勝手に進んでる感じ?」
里中「今日はマトモな食べ物出しなさいよ」
花村「フードコート前提かよ……たまには図書室とかにしないのか? なんかあそこだと遊びにシフトしそうなんだが」
直斗「図書室は僕らが行ったら確実に迷惑でしょうね」
鳴上(三回)
花村「それもそうだな……あぁ、貯金が……」
鳴上「……」
りせ「せんぱーい!」
完二「ウィースッ……」
花村「お、来た来た」
りせ「先輩! おはよう!」
鳴上「あぁおはよう」
完二「なんの話してたんすか?」
天城「今日はフードコートに集まって、皆で勉強しようかって話してたんだけど、二人も来る?」
完二「あぁー……そういや、期末だなんて思い出したくもねぇのがあったんすね」
りせ「……数学やってない」
鳴上「じゃあ、俺が教えようか?」
りせ「ホントに!?」
鳴上「一応やった範囲だし、覚えてると思うから」
りせ「やった! さすが先輩!」ダキッ
鳴上「腕掴むと歩きにくいよ」
りせ「ふふっ、人間湯たんぽですよぉ先輩」
直斗「……」ジーッ
花村(睨んでやきもち焼いちゃって、可愛い事可愛い事……)
天城「じゃあ全員参加だね」
完二「天城先輩、俺まだ何も言ってないっす」
鳴上「完二も出ろ。俺が教える」
完二「……うす」
花村(完二の舎弟ぶりも板についたな)
里中「よーし、今度こそは全部平均点超えてやる……」
花村「無理無理」
鳴上「数学のⅠとa、どっちがわからないんだ?」
りせ「えっと……両方……」
完二「俺もっす……」
鳴上「……」
天城「私も手伝うから、頑張ろう」
直斗「……」
鳴上「あ、直斗」コソコソ
直斗「は、はい。なんですか」
鳴上「昼休み時間空いてる?」
直斗「あ、空いてます」
鳴上「じゃあ、あそこで」
直斗「……はい」
りせ「あ、直斗君先輩とと内緒話してる」
鳴上「直斗に参考書持ってきてもらうように頼んだだけだよ」
りせ「参考書……ほ、本気ですね」
鳴上「やるからには本気だ。まさか、また皆でご飯食べるだけになるなんて甘い考えしてたのか?」
りせ「うっ、読まれてた……」
完二「まぁ、俺はもう飯食いに行くのが目的みたいなもんすから」
里中「ビフテキ何人前で足りるかな?」
天城「千枝……目的、忘れてない?」
花村「あのなぁ……大体の金は俺が出してんだぞお前ら」
直斗「……」
――
寝る
書き溜めしたはずなのに誤字確認しながらでやってるから遅いの
ごめんね
鳴上「お、来た」
直斗「全く、皆の前で誘うなんて……」
鳴上「ちゃんと上手く誤魔化せてただろ?」
直斗「そ、そうですけど」
鳴上「大丈夫だって。知ってるのは陽介だけだし、アイツもなんだかんだ言って協力的だし」
直斗「……本当ですか?」
鳴上「大丈夫。それに、俺も細心の注意を払ってる」
直斗「ならいいですけど……」
鳴上「さっ、じゃあご飯食べようか」
直斗「はい……あ、あの……」
鳴上「うん?」
直斗「えっと……昨日は、色々あり過ぎてちゃんと言えなかったんですけど……これ……」
鳴上「……一人分のお弁当箱にしては、少しデカイな」
直斗「あの、先輩の分も作ってきたんですけど……良い、でしょうか」
鳴上(パンシロンは、いらないよな?)
直斗「一応レシピ本も読んで、火加減も注意して、味付けも本に書いてある通りにしたので、失敗はしてないと思うんですが……」
鳴上「……ありがとう直斗」
直斗「あ、あの、とんでもないです……この前のお礼ですから……」
鳴上「じゃあ直斗が作って来てくれたお弁当を食べようか。まだ冬だしそう腐る事もないから、俺の弁当は帰ってから食べる事にするよ」
直斗「すみません。昨日お伝えできれば良かったんですけど、恥ずかしくて……」
鳴上「大丈夫。直斗が一生懸命作ってくれたお弁当」
直斗「本当に口が上手いんですから……」
鳴上「さて中身は……からあげ、卵焼き、タコさんウィンナー……」
直斗「あの、所謂定番と言われるものを抑えてみたんですが……」
鳴上「どれもおいしそうだ」
鳴上(さて、キス三回分ストックをどう消化していこうか……)
直斗「そう言って頂けると嬉しいです」
鳴上「それじゃあ、あーっ……」
直斗「……?」
鳴上「あー」
直斗「……口なんて開けて、なんですか?」
鳴上「いや、直斗が食べさせてくれるのかと思って待機してるんだ」
直斗「はっ?」
鳴上「知らないのか? あーんってやつだ」
直斗「……」
鳴上「……」
直斗「はぁっ!?///」
鳴上「ほら、あーっ」
直斗「ちょ、ちょっと何言ってるんですか! そ、そんなのできる訳ないでしょう!」
鳴上「いや、ただ箸で掴んで俺の口に入れてくれればいいだけだぞ」
直斗「そういう問題じゃなく、こんな学校でそんな恥ずかしい真似できる訳ないじゃないですか!」
鳴上「大丈夫だよ。扉には鍵かけたし」
直斗「か、鍵かけちゃダメですよ。ここは皆が使う場所なんですから!」
鳴上「でも、せっかく直斗が作ってきたくれた初めてのお弁当だから。直斗の手で食べさせて欲しいな」
直斗「な、流されませんよ……」
鳴上「だから、あーっ……」
直斗「し、しませんって……」
鳴上「あーっ……」
直斗「……」
鳴上「あーっ……」
直斗「うぅ……」
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くそ萌えた
直斗がッ…直斗がッ…くそ萌えたッ…