【抗えぬ快感】寂しがりやのインデックス (44)

独りで街にいるインデックスが超能力者の少年二人に騙され能力を使われて快楽責めされるものです。
凌辱・NTR・鬱要素がありほとんどがエロ描写になります。

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「とうまが、また外国にいっちゃったんだよ」
「学校はお休みだから別にいいんですけれど、上条ちゃんはいつもどこかに行ってますねー」

とある昼下がり、ボロアパートの部屋でインデックスが小萌へと何度目かになる愚痴を吐き出した。
例によって上条は事件絡みで海外へ行ってしまい、留守番になってしまったのだ。

「そう。いっつもなの。作り置きしてくれてたご飯も無くなっちゃうかも」

薄汚れた畳に座っているインデックスがぷりぷりと頬を膨らませる。

「……先生は上条ちゃんのお家で、シスターちゃんが何しているかのほうが気になりますねー」
「んーとね、テレビ見たり、ご飯食べたり、漫画を読んだり、スフィンクスと遊んだりしてるんだよ」
「そうなんですねー……」

公然の秘密とでも言おうか。
男子の住む学生寮に生徒外の、しかも外人シスター少女が暮らしてるっぽい言動に、暑くもないのに小萌の額から一筋の汗が流れた。

「たまにまいかも来てご飯作ってくれたり遊んだりしてるんだけど、メイドさんの学校で忙しいみたい」
「なるほどー、ではシスターちゃんが今日来たのはどうしてでしょうかー」
「暇だからきたのかも」

「……頼もしいほど素直で先生感心しちゃいます。けれど今日は学校に行かないといけないんですー」
「休みじゃないの?」
「教職は生徒が休みの時こそ、忙しいものなのです。今日は午後からなので楽なほうなんですけどねー」
「そうなんだ……」

インデックスは顔を伏せた。
実の所、姫神や風斬とも会えなくて街をうろついていた最中なのだ。
携帯を持ってはいるがインデックスは上手く使えないし、番号の交換もしていない。

「本当にすみませんねシスターちゃん。今度お詫びにお食事にでも行きましょう」
「うん……またね。こもえ」

お別れしてインデックスはアパートから退出する。
小萌は、食事の誘いでもテンションが低いインデックスの様子に少しだけ疑問を覚えたが、仕事もあり深くは考えなかった。


「むー。とうまは五日もいないし、誰も遊んでくれないし……」

家にただいるだけなのもつまらないし、テレビを見るのもいい加減飽きる。
スフィンクスも退屈なのか、寝ている事が多くて連れてきていない。

「今日もとうまに会えないのかなあ……」

不満を上条のせいにしてはいけないのはわかっている。
上条が誰かを助けるために国外へ旅立っているのを、他ならぬインデックスが一番知っている。
それでも置いて行かれるのは寂しくて、ままならない思いがあった。
溜息をつき、明るい日差しとは裏腹に重い足取りで歩くインデックスはいつしか第六学区に辿り着く。

娯楽施設が多い六区は、多数の店が構えられていて、人通りが賑やかだ。
誰も彼も二人以上のグループで歩いているか、インデックスとは違い目的が決まっているのか、足取りが早い。
インデックスも歩き回るもののピンとこなかった。

お小遣いも多少はあるが精々買い食いできる程度の金額で、たいした買い物はできなかったりするし
なにより一人でうろついても、楽しいものではないからだ。

「……そうだ。図書館に行くんだよ」

学園都市というだけあって、そういった公共施設は学区の何処ででも事欠かない。
本を読むのが大好きなインデックスにとっては、これ以上ない娯楽施設であったろう。
難点は学生である上条がいないと本を借りる事が出来ないところだが、少なくとも夕方までは楽しめる。

『あ……』

そう考えたインデックスがくるりと振り向いた。そこに二人の少年がいた。
目を引くのは二人共が同じ容姿をしている事だ。
幼く整った二つの顔が、突然に振り向いたインデックスを見つめ驚いている。

ぴくしぶ?

「……双子の女の子?」
『違うよ!』

呟きを否定する二人は148cmのインデックスよりも幾分か小さな背丈で細い。
よく見ると男の子なのだが中性的で整った容姿はボーイッシュな女の子のようだ。
一人は黒髪をナチュラルにふわりと遊ばせていて、もう一人は薄く染めた茶髪を肩の位置まで長く伸ばしている。
髪や服装以外はそっくりで、二人が双子であるというのが容易に推測できた。

「勘違いしちゃうかも」
「ねーねー」
「ちょっとまってよ」

インデックスが呟き通り過ぎようとすると、引き止められる。

「なにかな?」

するとあまり興味なさげなインデックスの様子に少年達は少しひるんだようだ。
可愛らしい容姿のためか、女の子に話しかけて無碍にされた経験があまりないらしいが
生憎インデックスは図書館のほうに関心がある。

『お姉ちゃん、一緒に遊ぼ!』
「んー?」

動揺に負けじと二人は、予め決めていたらしい言葉を放つ。
自身への呼称に、インデックスは疑問符を浮かべた。


「一緒に遊ぶつもりだった奴がさー、彼女できたとかで遊べなくてさー」
「暇してたら、お姉ちゃんが歩いてたから、遊べないかなって」
「ふーん」

少年達の努力により、一応は話を聞いているインデックスは生返事を返す。
図書館に行こうと決めたので、そちらに意識が割かれているのだ。
それでも話を聞いていると彼らは小学生の高学年らしい。

少年らからインデックスが聞き慣れていない単語がちらほら放たれる。
服のブランドとか人気があるお店だとかは、学園都市に何ヶ月も在住しているがそのどれも縁のないものだ。

「ねーお姉ちゃん、僕思ったんだけどさー、もしかしてナンパされてるって気付いてないー?」
「ふぇ!?」

茶髪のほうの聞き慣れていない所ではない問いに、変な声を上げてしまう。

「あーやっぱりー」
「お姉ちゃん天然って奴?」
「え、だって、君達小学生だし……」

インデックスはナンパの意味ぐらいは知ってはいるが、それが自分を対象とする可能性と
小学生がそれを行う発想には及ばなかったようだった。

「さっき彼女ができた奴がいるって、言ったっしょ。それぐらい当たり前だよ」

やれやれとばかりに黒髪のほうが首を振る。

「どうしても忙しいならしょうがないけどさー。お姉ちゃんと遊びたいなー。
 ナンパって初めてなんでしょ? 遊ぶだけだから記念だと思ってさーお願いー!」

茶髪の少年が、頭の上で両手を合わせて頼み込んできた。
軽薄でひょうきんな拝み方だが、そうまでされると悪い気分になってくる。
忙しくもないし、暇だから

「…………別にいいかも」
『やったー!』

そう答えて、大げさに喜んでくれると、それは少しだけ嬉しい気分だったかもしれない。

>>3
はい。転載になります。

「お姉ちゃん可愛いのに、今までナンパされてないの不思議だねー」
「か、可愛……!」

連れられて通りを歩いていると、茶髪の少年がさらりと呟く。
異性から言われた覚えのない言葉にインデックスは動揺して少しだけ顔を赤らめた。

「空柾(うろまさ)、お姉ちゃんの格好見てりゃわかるだろ。シスターだから……うーん、ナンパされたりしないんじゃ?」

黒髪の少年が適当な事を言って

「そ、そういうものかも」

インデックスも乗っかった。
もちろんシスターの格好が敬遠されるというのもあるが、交友・移動範囲の狭さが主な原因である。
学園都市にはインデックスとさほど歳が変わらないくせ、ナンパを通り越した誘いを受けやすい女子中学生がいたりするものだ。

「それじゃー彼氏はいるのー?」
「ふぇ……! シ、シ、シスターは主に仕えるものだから……!」
「だからやめとけって」
「そんな事よりも! 二人の名前聞いてなかったんだよ。私はインデックスって言うんだよ」

誤魔化すように自己紹介するインデックスに二人の少年が答える。

「へー面白い名前ー、僕は室拡空柾ー(むろかくうろまさ)、インデックスお姉ちゃんよろしくねー」
茶髪の少年が間延びした語尾でそう言って
「俺は室拡千草(むろかくちぐさ)、インデックスって呼んでいい?」
黒髪の少年が少しぶっきらぼうに続く。
「よろしくかも、うろまさ。別にいいんだよ、ちぐさ。……ちなみにどっちがお兄さんなの?」
二人共が自分を指差し、お互いをむっとした目で睨んだ。


どちらが兄かは置いといて、三人は夕方になるまで六区を散策していた。
アミューズメントセンターでゲームをする時は、店の会員になっている少年らのおかげで
カードを通すだけで無料で遊んだりできた。
インデックスときたら、少年らをほっといて上条の家にある数十年以上前に
作られたゲーム機の筐体版を、一時間はプレイしたものである。

おやつどきでお腹が空けば、食べ物を奢るぐらいは兄弟にとって些細の事だ。
能力者である二人は学園都市から援助がある。
インデックスは相手が年下というのもあって、少しは遠慮はしていたが押し付けられるように
渡されると、捨てるわけにもいかずペロリと十品は食べたものだった。
流石に、服やアクセサリーまで買おうとしてくるのは断ったが。

歩き回り店を見る度に、インデックスは少し外れてしまった事を言ってしまい、少年らが笑いながら返事をする。
どちらが年下かわからないような会話は終始笑顔のまま、楽しく時間が過ぎていった。

「そろそろ遅いから帰るかも」
「えーまだいいじゃんー」
「俺もまだインデックスと遊びたいよ。門限とか早いの?」
「えーと、そういうのは無いんだけれど……」

帰ろうとするインデックスを引き止める室拡兄弟。
困るインデックスだったが家に帰ってもあまりやる事はないし、上条から連絡も無い。
一緒にいてニコニコと、嬉しそうに楽しそうにしている二人に、少しだけ離れがたい気持ちもあった。
自覚はないのかもしれないが、デートを楽しんで終わってしまうのを惜しむような気分だ。
お姉ちゃんと言われたためか、本当に弟がいたらこういうものなのかも、とも思ってしまう。

「……それじゃあ、あと一つだけどこか行くんだよ」
『やったー!』

喜ぶ兄弟に連れられて行った所はカラオケボックスだった。

「こういうとこ初めてきたのかも」
「ゲームセンター以外知らなかったし、シスターさんはあんまり遊んだりできないんだねー」
「……それほどでもないかも」

実際の所、六区であるような遊びをしていないだけなのだったが。

「えっと……」
「僕ここー」
「こら、てめぇ」
「むー。狭いかも」

インデックスが座ろうとすると空柾がささっと横に行こうとし、千草が押しのけ座ろうとする
おしくら饅頭が起きようとした結果、腕置きのない二人掛けのソファに、インデックスを中心に三人が座る事になった。
テーブルの周りにはソファが三つあるが二つは空っぽの状態だ。
異性に挟まれている状態だが、子供ということもあってインデックスは意識しておらず、二人に問うた。

「カラオケって歌う所なんだよね? どういう風にするのかな」
「ふふー」
「すぐわかるって」

少年らの瞳に、遊んでいた時とは別種の輝きが宿ったのにインデックスは気付いていない。
もしもインデックスが、自分の容姿や魅力にもう少し自覚があれば。
もしくは少年達に、少しでも警戒心を持っていれば、このように無防備な状態にはならなかっただろう。

「ねーお姉ちゃん、僕の事好きー?」
「え」

右側から、まだ声変わりもしていない女の子のような空柾の声。
言葉の意味よりも、声そのものに含まれた何かにインデックスの胸が少しだけ鼓動を早める。

「ねーってば」
「ん……それは……」

右手を握られる。鼓動の影響か、何故か顔まで血が昇り熱く感じた。
空柾に特別な感情を持っているはずもないのに、ほんの少しの好意が突然に膨れ上がったかのようだ。

「……そ、そんなのわかんないんだよ」

何かがおかしいと立ち上がろうとしたら

「待ってよインデックス」
「ひゃんっ」

左手を千草に握られた。
ただそれだけなのに、声をあげてしまった。
まるで皮膚をめくられて、神経を直接触られたかのような刺激だ。
しかしそれは痛みではなく、くすぐったさにも似たもので、インデックスを束縛する。

「俺達、インデックスが好きになっちゃって。インデックスのキモチも知りたい」
「ぅ……ぁ、んんっ……」

千草の指が左手首から、撫でるように袖の中へと登っていく。
そうすると、触られた部分全部の皮膚が塗り替えられていくようだ。
味わった事のない刺激に立っていられずインデックスはソファに腰を下ろしてしまった。

「空柾どうしたんだ?」
「なんかねー効きが悪いかもー。お姉ちゃんは超能力者じゃないよねー?」
「ち、ちがう……んだよ……」

単なる問いすら心地よく感じて、恋人に愛を囁かれているような多幸感がインデックスを襲う。
トクン、トクンと心臓が波打って、隣の少年を愛しく思ってしまう。

「効いてきた効いてきたーほらこっち向いてー」

空柾が顔を寄せてくると、自分もそうしないといけない気分になってくる。
まるでこれは、寓話であるような恋心を操る魔術の効果にも似ていて―――
そうインデックスが認識した瞬間、少年の頬でパシッと肌を打つ音が響いた。

「うっそー……」
「うろまさっ、私に超能力をかけたんだね!」

声を媒体とした精神操作を破って、叩いたのだ。
インデックスは禁書目録を保管する身であり、脳に防壁を持っている。
超能力という慣れぬ力とはいえど、精神に働きかける効果には、自覚できれば強い抵抗力があった。

「離して! 君達とはもう会いたくない!」

振りほどき、今度こそ立ち上がろうとするが

「無理だよ」
「ぅっ、や……!」

千草の手がインデックスの足に触れると、電気ショックでも受けたかのようだ。
腰が落ちソファに尻を付けて、這い回る指からは痺れにも似た感覚が広がっていく。

「インデックスの服はスカスカでエロいから、触りやすいんだよね」
「っエロいって……」

触られ辱められてインデックスの顔が羞恥に染まる。
そんな風に思われていたなんて考えてもいなかった。
着ている修道服は、白いシーツを大きな安全ピンで繋げ合わせたような形になっていて
子供の手なら簡単に隙間へ入れられるのだ。

「空柾のは頭の中弄れる能力で、俺の能力は身体を弄れるから、こんな風にするだけで……」
「んんぅっ!」

横から服の中に忍び込んだ指が、脇腹辺りをつーっと撫でる。
ぞくぞくぞくっと、またも微電流を感じてインデックスは声を出してしまう。
肉体的にはなんの力もないインデックスは、触れる事を媒体にした超能力に逆らう術はない。

「こんなの……へん、なんだよ……」
「千草の能力いいよねーこんな簡単に感じさせてー」
「空柾の能力だって、簡単に恋人になれるからいいだろ。インデックスには効かないみたいだけど」
「……おねがい、だから……やめて……こんな事しちゃいけないんだから……」

切なげな顔で懇願するインデックス。しかし能力で身勝手を通す兄弟が聞き入れるはずもない。
元々の性質もあろうが、高レベル相当の能力者である二人は能力を使う事により歪んでしまっている。

「すべすべー」
「いやっ! んっぅ……!」

空柾が脇辺りの安全ピンを幾つか外し、服の中へ手を入れる。
脇から腹にかけて無遠慮に撫でられると、千草の能力の影響か、空柾でも同じような強い感覚があった。
カラオケボックスの薄暗い室内でも、白い肌にほんのりと赤みが差していくのがわかる。

「ひやぁっ……!」

続く千草が襟元を開いて首筋を撫でた。
触れた所の感覚がまた鋭敏になり感じやすくなっていく。
指から逃れるように仰け反った首筋には、しっとりと汗が滲み出ていた。

「気持ちいい?」

言われてインデックスは、この感覚が快感だと言うものに初めて気付いた。
そういう風に肌が反応する事すら知らないのだ。

「……きもちよくなんてないんだよ!」

それでも否定する。
今日出会ったばかりの少年らに与えられる快感など、心には不快しか生み出さない。
とはいえこの状況では、強がりなどなんの意味もなかった。

「千草ーやっぱり本気でやらないとダメだよー」
「みたいだな」
「やっ、な、なにしてるのっ!」

千草はソファを降りインデックスの足元に屈むと、修道服の長い裾をめくって入り込んだ。
抵抗しようとするがろくに力は入らず、簡単に足を開かれてしまう。

「地味だなぁ」
「やっ……!」

インデックスの顔は羞恥で真っ赤だ。
千草が飾り気のない薄緑の下着に顔を寄せると、頭でスカートの部分が歪に盛り上がって見えた。

「動いちゃダメー」

インデックスは千草を叩こうと手をあげるが、それは空柾に止められる。
動揺しているためか、能力を帯びた言葉はインデックスの動きをわずかに束縛し
同時に抱きつかれれば、体格がさほど変わらない空柾に抗する事はできない。

「いい匂い……」
「いやぁあぅっ……!」

インデックスは千草の行動が信じられなかった。
太股を割り開いた少年が、股間に顔を埋めてきたのだ。
香にも似た甘いインデックスの匂いを嗅いで、千草は口元を緩ませる。

「ひぁっ……!」

いやいやと首を振るインデックスの下着を下ろし、千草が鼻先で触れると高い声が上がる。

「インデックスはここも可愛いね。前のとは大違いだ」
「あの女の人のグロかったし、ちょっと臭かったよねー」

ぷっくりと柔らかく盛り上がった、毛も生えていない幼く一本の線のようなそこを見て呟く千草。
兄弟がこういった事を常習的にやっているのがわかり、インデックスはぎゅっと目を瞑った。
子供という外見に騙されたというのもあるが、悪意に気付かなかったのだ。
しかしインデックスに自省する時間は与えられない。

「ちょっと強くするよ」
「え……ひっ、ああぁあぁっっ……!」

敏感なそこを舐められた瞬間、頭の中まで突き上がるような快感が走った。
足に力が勝手に入り、挟み込んだ顔をぎゅっと圧迫し、千草は柔らかさと反応に笑う。
しばらく経っても快感は後を引き、インデックスの全身を苛んでいる。

「少しイっちゃったみたいだねー」
「いっちゃっ……て……?」

言葉の意味も起きた現象もわからないインデックスは蕩けた顔で復唱した。

「すっごく気持ちよくなったってことー。イったお姉ちゃん可愛いー、ちゅーしちゃおー」
「……! んっ! んんっ……!」

焦点が定まっていないインデックスへと、空柾は不意にキスをする。
子供染みた物言いながらも手馴れているのだろう。
能力による快感で満たされた身体は、敏感な粘膜同士を擦り合わせる行為を快楽と受け取ってしまう。
空柾の両手で顔をしっかりと掴まれ、舌で口内を掻き回される行為を気持ちよく思ってしまう。

「……ひぅ、うっ……」

瞳に涙が溜まった。胸の内に悲しみが広がっていく。
年頃の少女らしく、インデックスはキスという行為について、一種の信仰めいたものを持っている。
それを大好きな上条としたいとまでは思っていなくとも、心のどこかで近い事は考えていただろう。

以前、上条に噛み付こうとして、偶然に頬へと唇が触れてしまった時は恥ずかしさでいっぱいいっぱいになってしまった。
それからは噛み付く時も、意識してそうはならないようにしていた。
キスするにしても、怒っている時や事故なんかでしたいとは誰だって思わないだろう。

しかしそうして守っていたものは、あっさりと空柾に奪われた。
失意とショックで噛み付く事もできない――心理的にも上条以外には抵抗がある――まま
好き放題に口内を嬲られて、それを気持ちいいと感じてしまう。

「べーってしてよー」
「……っ」

ショックを受けているインデックスには空柾の要求に答えられない。
例え答えられてもそんな気にはならない。けれども相手は空柾だけではなかった。

「ひゃっぅ……!」

千草がじゅじゅっと音を立てながらすじのようなそこを舐めしゃぶったのだ。
薄く全身に広がっていた快感が腹の下へ集中し、千草の舌の動きを嫌でも感じさせられる。

「……んっあっああ! んんっ……んぇ、んぶぶ……」

そうして悲鳴と共に突き出してしまった舌を空柾に吸われた。
空柾の口内に舌が飲みこまれている様子はインデックスがディープキスを望んでいるように見える。
ジュースと少女の味が残る甘い柔らかな舌を吸い、粘膜を絡めあう快感を空柾はたっぷりと味わっている。

「ん、やぁっ、んんっ……!」

キスだけではなく千草からの刺激によって、くぐもった喘ぎ声が空柾の口中に響いた。
包皮に覆われた、未熟ながらも固くなっている陰核を舌で弄ばれている。
意識して触れた事がないそこは、自分にそんな部分があったと信じられないほどに気持ちがいい。

千草がただ舌で転がすだけで腹の中まで電流が走り、音を立てて吸われれば
集中した快感に、意識ごと持っていかれそう。
襞がほとんどない幼い膣口は、そうされるのを喜んでいるかのように粘る透明な液を零していた。

「すっげぇ濡れてる。インデックス感じやすくてエロい」
「おっぱいもすっごく尖ってるよー」

気付かないうちに胸元の安全ピンはほとんど外されており、肌が露になっている。
飾り気のない白いブラも同じく外され、少年の掌中に囚われていた。

「ちっちゃいけど、思ったよりはあるかもー」
「あぁ! ぅん……さ、さわら、ぅぅっん……!」

白人であるインデックスの、陽に当たらない乳房は白磁の陶器のように白い。
空柾の指が、淡い膨らみに食い込むと肌の質の違いがよくわかった。
くすぐるように指先が肌で踊ると、その白が熱を持ち、うっすらとした朱の色へ変わる。
中心にある小さな乳首が人差し指と中指に摘まれて、一際鮮やかな紅へ染まりつつあった。

「うっわー、すっごくいやらしー。外人の女の子、っていうか、お姉ちゃんの身体きれいー」

異国の少女を相手にしたのはインデックスが初めてなのだろう。
感嘆しながらも、少年は少女の胸を思う存分に弄っている。

「おっぱいちゅー」
「ふっ、ぁあっ……! か、噛まな……ひぃぁあぁっ……!」

空柾は覆い被さってインデックスの左胸を吸った。
快感の強さを表しているかのように、固く主張する乳首を唇で啄まれ舌で転がされる。
固くしこった乳首を甘噛みされれば、嬌声をあげ快感の涙が零れ落ちる。
インデックスは意思表示でしかなかった噛むという行為が、甘美な快楽に繋がるというのを初めて知った。

「一緒にやろうかー」
「オッケー」

そして、それを同時にされれば、もっともっと気持ちがいいと思い知らされる。

「ひぃ、あはあああぁあっぁぁ……!!!」

身体の中で、もっとも柔らかく敏感な乳首とクリを兄弟に食まれ、大きく仰け反った。
ぞくぞくぞくっと全身が震えて、蕩けた顔で堪えようもなく喘ぐ。

無意識に力み暴れる身体を空柾に抱きしめられた。
同時に手で右胸を優しく撫でられ、時には強く揉まれて、単調にならないように責められた。
千草が暴れるのを舐めにくいとでも言うように、下からさし上げた両腕で太腿をしっかりと抱き抱える。
小さく固くなった陰核を唇と歯で刺激して、たまに舌で膣口を舐め解される。

二人の少年に、強弱を交えながら舌と歯で丹念に愛撫される快感。
拘束されるように抱きしめられている事すら、被虐的な快楽へと繋がっている。
能力の影響とはいえ、インデックスの様子を見ればこれが無理矢理にされているとは思えなかっただろう。

「そろそろいいか」
「そろそろいいよー」
「ぁ……」

合図と共に兄弟の長い愛撫が終わって、抱きしめられていた身体が放される。
インデックスは小さく吐息を吐いて、崩れ落ちるようにソファへ倒れこんだ。
表情は陶然となったままぼやけていて、淡い白熱灯の光を照り返す碧眼は虚ろに輝いている。
ふっくらとした頬は赤く染まっており、涙の跡で作られた道が唇の端に続いて、自身と空柾の涎と混ざって零れ落ちていた。

フードは脱ぎ捨てられ、安全ピンが幾つも外された修道服は、もうただの布切れにしか見えず、服という用途を果たせていない。
露出した素肌は、高められた快感によって薄桃色になっており、しゃぶられツンと尖った
小粒の乳首は、インデックスの荒い呼吸に合わせ上下して、汗の珠が流れていた。
少し強めに噛まれた乳房には、歯形がうっすらと残っており、茫洋とした意識の中で
痛みにも似た、じんじんとした快感が胸に残っているのを感じている。

幼くすじのようだった膣も陰唇が唇を開けていて、何かを欲しがっているよう。
覗かせた膣口や、まだまだ成長していない襞は分泌した液で艶めいたピンク色を晒している。
淫核も散々に弄られたためか、包皮は唾液と愛液でふやけて、わずかに実を露出させていた。
息も絶え絶えのインデックスは、時間の感覚もわからないくらいに、何度もイカされ続けたのだった。

「千草が先でいいよー」
「ああ」

インデックスは、服を脱ぎだす兄弟から発せられる言葉の意味がわかっていない。
痺れとくすぐったさと小さな痛みをカクテルした感覚が全身に染み付いている。
酔いが優しく溶けていくような心地よさで、耳から脳へと情報を伝えきれていないのだ。
千草が腰辺りに跨るように座り、脚を開かせると感じやすい内股がぴくりと動いた。

「……?」

インデックスの眼差しが見慣れないモノに反応する。
ズボンとパンツを脱いだ千草は、大人の中指ほどの太さと長さを持つ、毛も生えていない肌色の性器を張り詰めさせていたのだ。
少年らしくなく、皮はしっかりと捲りあがっていて亀頭を剥き出しにしている。
インデックスは上条と一緒に生活をしているが、インデックスが上条に全裸を見られる事は多々あっても、その逆はほとんどない。
小学生と言えども、男としての機能を十分に持ち合わせた性器を見たのは初めてだ。

「あ、ぁ……だ、だめ……」

それがぴとりとインデックスに当てられ、いやいやと首を振る。
インデックスは見かけのように幼い少女だが、今行われているものが
何を意味しているかわからないほどに子供ではない。

「大丈夫だって。絶対気持ちいいから」
「……だめ、ああっ、や、やだ、たすけてと、とうっ―――ぁん、んんぁぁぁっっっ……!」

制止する間もなく、千草は腰を推し進めていった。
インデックスは激感に悲鳴をあげ、上半身ごと大きく頭を仰け反らせた。
熱く、硬いモノが裡を貫く感覚に息すらできなくなる。

「うわっ……すげぇいいよ……」

小さなインデックスの小さな膣へと、肉の竿が飲み込まれていき、千草は思わずと言った様子で呟く。
ぬめる柔らかな肉襞は、千草に至上の悦楽を送っていた。

「インデックスのすっげぇきつくて、ぎゅってしてきて……その癖柔らかくて……最高……」

呆けたように呟く千草が、閉じていた膣を押し開き、どんどんと侵入してきた。
能力によって丹念に解されたそこは痛みもなく、初めての挿入でも歓ぶように蜜を流している。

「……ひゃぅっ!」

モノが根元まで挿入されて、インデックスから裏返った悲鳴。
まだ陰毛も生えていない未熟な性器がぴったりとくっつきあい、ぐりぐりと擦りつけられる。
亀頭のくびれの所まで引き抜かれ、また根元まで突っ込まれて。

「ふぁ、あっ、んぅ、あ、あ、あ、んんっ!」

千草の腰の動きに合わせるようなリズミカルな声。
ぐちゅりっ、ぶちゅりっ、と結合部から湿った音を響かせて
インデックスの甘い喘ぎと千草の荒い息が、部屋の中で唱和している。

この二人上条さんに殺されるぞ……

「気持ちよすぎ……もう……」

インデックスは自分の中で千草のモノがビクビクと震えているのを感じた。
それが何を意味しているのか理解できず、振動が気持ちいいとだけぼんやりと思う。
インデックスの意識とは関係なく、膣内は千草のモノを気持ちよくさせていって

「いくっ……!」
「……! ぁあっ……! ぅぁぁあっぁっ!」

あっさりと射精された。
未熟ながらも肉棒はびゅくびゅくと精液を撃ち出し、インデックスの中を白濁で満たしていく。
熱い迸りに答えるようにインデックスの身体が痙攣するように震えた。
膣内部も千草の肉棒を絞るように蠢いて、精液を搾り取っている。

「あっっ―――――!」

止めのように千草が腰を突き出し最奥で射精。
インデックスは掠れるぐらいまで高く高くソプラノを響かせた。
貫かれて、熱くて、声が止まらなくて、苦しくて。
酸欠で頭の中が煙るように白くぼやけてくる。
なのに繋がった感覚だけは、火花のように強く激しく弾けていて、絶え間なくインデックスを苛んでいた。

「あーあ、いきなり中出ししちゃってー」
「あ、……ああ、ごめん。インデックス可愛いし、今までの女よりもよくてさ……」

我に返った千草は言い訳をして、身を離した。
ぬちゃりとした音が抜く時に響き、インデックスの身体が震えている。
しどけなく開かれた脚の中心から、呼吸に合わせて白く濁った液が溢れ出していた。
能力で自身の身体を強化しているのか、量がかなり多いようだ。

「いーけどねー。お姉ちゃん落ちそうになってるよー」

ソファの縁から首がはみ出て、小さな頭と長い銀髪がだらりと垂れ下がっている。
はぁはぁっと荒く息をつき、なおも残る快感の残滓によって、自分の体勢など気にしていられないようだ。
空柾はインデックスの身体を引いてから、双子のためか千草とそっくりな肉棒を取り出す。

「ん、あぁっ!」

前置きもなく、あっさりと少女に二人目の男を刻み付けた。

「ほんとにお姉ちゃんのあそこ気持ちいいねー。きついのにぐちゃぐちゃでトロトロしてて凄いやー。」

楽しげに、空柾はインデックスの状態を味わっている。
絶頂を何度も迎えているインデックスの膣内は、先程まで処女だったとは
思えないほどにこなれてきて、空柾に快感を与えている。

「ふぅ、んんっ……だ、だめなんだよ……や、やめてっ……赤ちゃんできちゃう……」
「えー?」

貫かれてから、ろくに言葉も出せなかったインデックスが、空柾の腹辺りを押すように手を伸ばす。
快感に負けじと口元を引き締めて、潤んだ瞳ながらも空柾を睨みつけている。

「ふーん。僕の能力効かないし、千草みたいにお姉ちゃんを気持ちよくできないから余裕あるんだねー」
「……っん、うぅっ……」

空柾を拒否しようとするが、快楽で弱った手では子供を押し退ける事すらできない。
そんなインデックスは空柾を面白くなさそうに見る。

「じゃあテクで対抗だー」
「おねが、いだから……き、きいて……ほしいん、ぁっ……!」

単純に抜き差していた空柾が肉棒を先端付近まで引き抜き、インデックスの腰辺りを抱き上げた。
頭と背中がソファに接したまま、腰と尻を浮き上がらせる姿勢になる。

「ん、んぅっ……!?」

空柾は深くまでは挿入せず、浅い所をこねくるように腰を回した。
そうすると亀頭の丸みが膣の腹側を擦ってきて、先程とは別種の快感があった。

「ここ気持ちいいでしょー? ほら、ぐりぐりー」
「……っぁ! んぁぁあぁぁぁぁぁぁっ……!」

快感が、もっと深い所まで掘り進んでくるような感覚に、インデックスの口があの形に開かれ長い嬌声をあげる。
尻が高く腹が低い位置にあるため、上向きの亀頭がクリトリスの裏側を押すように擦ってきているのだ。
今までのが粘膜の摩擦だとしたら、快感を生み出す内臓そのものを責められているように感じてしまう。

(こ、んなの……で、気持ちよくなっちゃ、いけないのに!)

心中とは裏腹に、インデックスは快感のあまり、自身を抱く空柾の腕を強く握りしめていた。
握った腕を支点にして、空柾の腰の捻りや抽送で、浮いた丸い尻が揺れている。
裸足の指がソファの背もたれに引っかかって、合皮から鈍く擦れる音が響く。
そんな風に喘いでいるインデックスの様子は、押し退けたり逃げようとしているようには見えない。
すでに、空柾の責めを受け入れ、合わせているようにすら見えた。

「じゃー僕も一回出すかなー。ちゅー」
「え……んむっ……!? んんぅっ……!」

空柾が姿勢を変えて本格的に犯しにかかった。
上から覆い被さるように、少年の細い身体が少女の身体に密着して、淡い乳房を押し潰す。
キスをしながら、撃ち付けるように腰を振り始めた。

「ふ、んぅぅっ! んっぇ!」

ぐじゅ、ぶじゅっ、じゅぶゅっ、と速いペースで濁った音が続いている。
インデックスは、自分より小さいのに激しい空柾のセックスに、翻弄されるがままだ。
膣を掘削する肉棒は、ピストンの度に気持ちよく、頭の中がいっぱいになる。
ただ腰を振っているようで、インデックスの反応を見ているのだろう、微細に動きを変えて責めてくる。

キスもまた気持ちがいい。
空柾の舌で縦横無尽に口内を掻き回されると、頭の中までぐちゅぐちゅといやらしい音がする。
舌を触れ合わせたくないと、縮こまらせようとしても舌が長いのか絡み取られる。
犯され喘ぐ呼吸すらも空柾に吸われて、快楽の材料にされてしまう。

腹の中を貫かれ、キスでひたすらに貪られて、粘膜を触れ合わせる快感を、ひたすら身体に刻み付けられていた。

「イくねー」
「、んぅっー……!」

合図と共に、キスをされながら深い所まで肉竿が沈められ、精液が放たれた。
インデックスはぎゅっと目を瞑ったまま、必死に快感と精液の奔流に耐えている。

股間ではびくん、びくん、と肉が脈動しており、膣も締め付けながら精液を飲み込んでいる。
口のほうでは、絡めた舌を通じ送られてくる唾液を飲み込まされていた。
二つの穴を犯され、両方から注ぎ込まれて、インデックスはただ受け入れる事しかできなかった。

「すっきりー」
「……ひく、うぇ……う、うぅぅぅぅうぅぅ……!」

ようやくといってもいいほどの時間が流れて、空柾が身を離した。
徹底的に犯され汚されたインデックスは嗚咽をあげ泣き出してしまう。

「あっちゃー泣いちゃったー」
「やっぱり空柾の能力もないとダメだな」
「お互い気持ちいいからWin-Winって奴なのにねー」

兄弟のやり口は、空柾の精神操作で二人を恋人のように誤認させて、千草の肉体操作でどんな女だろうと感じさせるものだ。
そのため陥れた女から、このように泣きじゃくられた経験が無かった。
ただあまり気にしてはおらず、面倒くさいぐらいにしか思っていない。
超能力で人を陥れる事に、些細な罪悪感すら持ち合わせていない。

「ひぅ、ひっく……もう、やだ、よう……助け、て……、とうまぁ……」

助けてほしくとも彼はいない。日本にすらいないのに、言葉が届くはずもない。
空柾はすすり泣くインデックスを見つめ、何かを考えているようだ。

「……えー、男の名前ー? ナンパされてないし彼氏いないんじゃなかったのー?
 うーん、お姉ちゃんは能力も効きづらいし、そういうのちょっと面倒なんだよねー
 それじゃ、あと少し言う事聞いたら帰してあげるー」
「ん……ほんとに……?」
「いいのかよ」

空柾は可愛らしいと評してもいい笑顔を浮かべて指を振る。

「ふぁ……!」

その手で不意にインデックスの胸を掴むように揉むと携帯を取り出して、インデックスの痴態をカメラで撮り始めた。

「えっ……あ、……ぃやっ……!」

機械に疎く、すぐに判断できなかったインデックスが慌てて身体を隠そうとするが、遅かった。
シャッター音が続き、未だ行為の残滓が残る裸体を、余すところ無くデジタルデータに収められてしまう。

「ただし、終わる前に今度は僕らを気持ちよくしてねー」
「……や、やだっ! もうこんなの―――」
「お姉ちゃんはよくわかってないみたいだけどー
 今の写真はインターネットのクラウドサーバーに送ったからねー。
 学園都市、ううん、世界中にばらまいちゃうこともできるんだよー」
「え……」

赤かった顔がみるみる青ざめていく。
インデックスの保管する知識は科学に関してはなんの役にも立たず、データを奪い取る事も消去する事もできない。
単語の意味もわからない。
わかるのは、そうなれば今日遭った出来事が他人に知られてしまう事だけ。
そしてなによりも。

(とうまにも知られちゃう……!)
「彼にも知られたくないんなら、わかるよねー。ほらー」

蒼白になった顔へと、体液がこびり付いた肉棒が突きつけられても、背ける事はできなかった。

中断
SS速報でも読んでもらいたいので転載です
インデックスの薄い本を読みたい気持ちが書いた原動力でした

自己顕示欲が半端ないな
とりあえずこういうのは既に元があるなら、さっさと全部投下した方が良いと思うよ

超能力者って言うからてっきり一方通行や垣根かと思ったがオリジナルか

なんか知らんけど、こういうネタって双子結構見るような気もする

>>17
すみません。投下します

>>18
凌辱する奴はモブのほうがそれっぽい気がしますね

「……ど、どうすればいいの?」

まだ涙で瞳を濡らしているインデックスは、ほとんど全裸のまま床にかしづいて兄弟に問うた。
一応は腕で身体を隠そうとしているが、恥ずかしげな様子が逆に少年達の劣情を煽っているのに気付いていない。

インデックスの左前に空柾が、右前に千草が立っていて、目の前にある
ぬらついた爬虫類の幼生のような二本の肉棒を、不安げに見つめている。
呼吸をすれば、生臭さと青臭さと汗臭さが混じった嗅ぎ慣れない匂いがした。

「まず手コキしてみてー」
「てこき……?」
「こうだって」
「ひぅっ!」

我慢できなかったのか、千草がインデックスの右手首を掴みモノを無理矢理握らせる。
申し訳程度に隠していた胸が曝け出されるが、それを恥ずかしく思う暇すらなかった。

「力を入れすぎないようにして、擦ってよ」
「こ、こんなことしちゃいけな―――」
「早く!」
「わ、わ、わかったから……!」

千草の剣幕に圧され約十cmほどある男性器を掌中に収めたまま、インデックスは焦りの表情で、手首を前後に動かし始める。

「僕もしてねー」

次いで空柾にも要求されて、二本の肉棒を両手で握り扱き始めた。
しゅしゅしゅっと乾いた千草の幹から擦れる音がして、気持ちよさそうな吐息を吐くのが聞こえた。
空柾のモノからはぐじゅっぐじゅっと、インデックスの愛液と混じり合った液が濡れた音を響かせている。
行為の時は意識できなかったが、表面はゴムに似た柔らかさがあり、中は骨のような硬い独特の触感があった。

「こっち向きながら、やってよ」
「そーそー、嫌そうにしないで笑って嬉しそうにしてよー」
「そんな風に、言われたって……」

俯いていたインデックスが悲しげに見上げると、携帯に映った自分の姿。
無言の脅迫に、唇の端を無理矢理に上げ、目だけを細めた、泣き笑いのような表情を作る。
奉仕をしながら愛想笑いにも似た、媚びた笑みを浮かべさせられる。

「ちょっと変だけど、なかなかいいねー」
「俺を見ながら穴のとこを指で擦って」
「ぅっ、ゃ……! やってるんだよ……!」

ニヤニヤする空柾に、ただ奉仕を要求する千草。
手コキが滞ると、千草が催促するように腰を押し付けてきて、頬へと先端が触れた。
言うとおり尿道を親指の腹で擦りながら見上げる。
そうすると、小さな呻きが聞こえて、千草が気持ちよくなっているというのがなんとなくわかった。

「僕もまあまあ気持ちいいよーお姉ちゃんわりと要領いいかもー」

空柾も同じようにして擦り、褒められるが嬉しいわけもない。
できるだけ表情には出さないように、手コキを続けている。

「インデックス、次は舐めてよ。俺達がさっきやってたからわかるだろ」
「な、舐め……? う、嘘……」

自分がされていたのを思い出し、兄弟の性器を注視する。
性行為は知っていても、手で扱いたり舌で舐めたりなど想像すらしたことがない。
性交の残滓による匂いが漂ってきて、忌避感を感じ瞳は躊躇いで揺れている。
だとしても脅迫に逆らえるはずもなく

「……………………んぇ」

長い間があって、千草の亀頭をちろりと一舐めする。
苦味と汗っぽい塩辛さが混じったような味。
ほんの少しだけ、上条に噛み付いたときに似てるかもしれないと考え、それを凄く嫌だと思った。

「もっとちゃんと舐めて。噛まないように」
「ちなみにねーこれはフェラチオっていうんだよー、とうまって人にしてあげると
 きっと喜んでくれるから、練習しようねー」
「そん、なこと……」

無茶な言葉を聞いて脳裏に上条を思い浮かべるが、背を向けていて表情は見えなかった。
こんな事をしているインデックスを責めているのか、怒っているのか、悲しんでいるのか
どちらでもない何かなのか、インデックスにはわからない。

(でも、やらないと……写真が……)

想像を振り払い、棒の部分を握ったまま、何度も何度も舌を舐めあげるように動かす。

「ちゃんと手も使って」
「僕のも忘れないでねー」
「……うぅん、れろ、れろ、れろ、れろ……」

言われてもフェラチオと二人分の手コキなど、当然上手くはできない。
初めてで、しかも知らない少年らに対して、奉仕を熱心に行えるわけもないだろう。

「うーん、やっぱり無理か」
「そだねー」

やけくそのように、亀頭を舐めながら手首を前後させるインデックスの行為は
気持ちよくないわけでもないが、幾人もの女性を手篭めにしている少年らには物足りないようだった。

「一回ストップ」
「ん……?」

千草がインデックスの銀髪を両手で掴み制止した。
これで終わりなのかと、一瞬インデックスの瞳に喜びが灯る。

「その前に、お互い気持ちよくなれるようにしてやるから」

しかし言葉と共に、口の中へ差し込まれた指の力によって、澱んだ光へと変わった。

「……んぁあっ、んんっ、んぐぅっ!」

少年の細い右中指と人差し指が、口内を無遠慮に掻きまわす。それだけで快感が溢れだした。
乱暴なのにディープキスをしている時よりも気持ちがいい。

「んーお姉ちゃんすっごく食いしん坊だったしねー口の中弱いのかもー」
「じゃあもっとしてやる」
「ひゃ、ひゃめ……! んふぁっ! んぁぁっ!?」
(嘘! なんで、こんなに甘いの!?)

千草の指が、歯茎の裏側や頬の内肉を擦りくすぐってきて、広がる甘美な味わいにインデックスは身悶えた。
触れている指先から、糖度の高い果肉のような味わいがあった。
美味しい食事をしているかのよう舌が蕩けて悦んでしまっている。
触覚神経と味覚神経を同時に弄られる、感じた事もない快楽によって
とろとろの唾液が勝手に溢れ出して、千草の指をしとどに濡らした。

「ん、ちゅぅっ、ふっっ、んんっ、じゅじゅ……」
「そうそう。気持ちいい……って、噛むなよ」

知らず知らずの内に、千草の指をしゃぶりながら、味を確かめようとするように甘噛みをしてしまう。
強く噛みたかったのか、噛みたくないから甘噛みで済ましたのか、インデックス本人もよくわかっていない。

「ふぇっ、んんぁっ、んぇえぇっ、んあぁー……」
「あははーお姉ちゃんの顔面白いー」

叱られ舌を摘まれて、擦るように扱われて引っぱり出される。
犬のように口を開けたまま舌をさらけ出す姿は間が抜けていて
そのくせ、細められた瞳はどこかうっとりとしているように思えた。

「ほら、フェラチオでよくしてやるから。でも絶対噛むなよ」

また突き出される千草の肉棒。
嫌なのに、おぞましいはずなのに、目が離せなかった。

(な、なんで……気持ち、悪い……はずなんだよ……)

インデックスの大切なものを奪い取った、卑劣な少年の汚らしいモノ。
なのに香り高い果実が目の前にあるかのように、すんすんと鼻が鳴る。
鈴口から滲む先走りは、滴り落ちる果汁に思えて喉がこくりと動いた。
硬直してるうちに、千草のほうが待ちきれないと、先端を近づけてくる。

「あ………………むぅっ……ん、んっっ…………!」

インデックスは視線を固定したまま、肉が自分の唇を割り開いていくのをそのまま見送った。

「うっわ……さっきと違って唾出てて、すげぇぐちゃぐちゃしてる」

細身の肉棒を収めたインデックスは動かない。
しかし碧眼は美味しさのあまり、霞がかかったかのようにぼやけていて、美味な料理の一口目を堪能しているかのようだ。

「唾溜めたまま舐めてよ」
「……ふぅっ、んぇ、ん、じゅるぅ……れろおぉぉ……」
「ぅお、い、いいよ……! やればできるじゃん」

命令に従ったのか、自分の意思でやったのか、柔らかな舌がたっぷりの唾液を乗せたまま肉竿へ絡みつく。
粘度の高い涎を纏わせた舌が、幹の半ば辺りを舐め回した。

「なーんだ、最初からこうしてればよかったんだねー。千草のちんちん美味しいー?」
「んっちゅ、れぉっ……ん、ちゅるっ、うっ……ちゅじゅるるっっ……!」

インデックスは空柾の問いには答えず、じゅじゅっと音を立て、ストローでジュースを飲むかのように唇を尖らせ吸う。
体液の混合物を少しだけ飲み下すと、酒でも飲んだかのような陶酔感があった。

(ど、うしよう……美味しくて……気持ちがよくて……もっと舐めたい、のかも……)

それは千草の能力によって、口内粘膜を弄られてしまっているせいだ。
こうしてフェラしてる最中も肉棒や手を通して、粘膜も神経も味蕾も現在進行形で変えられている。
味覚と触覚から同時に伝わる快楽は、元々強い食欲も刺激していて、いやがおうにもインデックスを昂ぶらせる。
そのうえ性欲は、食欲と違って底があるとも限らない。

「やばい、インデックスのフェラチオいい……」

千草が快感に喘ぎながら、インデックスの頭を掴み腰を使いながら乱暴に揺さぶった。
唇の端から涎がぶじゅりと飛び散り、亀頭が内頬を丸く膨らませる。
細身とはいえ、それなりの長さがある肉棒が舌の根元を手荒く擦った。
口内を縦横無尽に駆け巡って、左右の頬が竿の形に浮き出ては歪んでいる。

「ん、……えっ! んぶぶぅ、えろぉっ……! んっぶ、んぇぇ……」

けれども、インデックスはえづきながらも、感じる所を新たに発見したかのように、瞳をとろりと瞬かせていた。
成人男性よりは小さく、子供にしては大きい。
そんな肉棒によって口の中を荒らし回られて、苦しさもあろうが、それ以上に強い快感を味わっているのだ。

指を咥えていた時は垂れ下がっていた両手も、今は千草の太ももにあてられていて
大きく揺れる二人の身体を繋ぎとめる支点になっていた。

「こら、噛むなよインデックス」
「ぐじゅっるぅ……! んんっ!? ぶっ、んじゅぅ……!」
「そうそう、そのまま舐めてろよ」

美味しさのあまり甘噛みするインデックスを叱るために、千草は顎を開かせて腰を押し付ける。
インデックスが濁った呻き声を出すが、構わずに千草は抜き差しを繰り返す。
単調なリズムながらも、力強い前後の動き。
舐めようとする舌をねじ伏せて、インデックスの口を射精のための道具のように扱っている。
涎と先走りでドロドロの口内を肉竿が攪拌し、下品なほどの水音が響いた。

「んっぐぅっ、ふっごぉっ、んんぅ……! んっ、んっ、んぶぅ、ぐぶぅっ!」

苦しげな声を漏らすインデックスの顔は赤い。
鼻が千草の下腹に触れるほど深く、肉竿を口の中いっぱいに詰められては、唇がめくれそうなほど引き抜かれる。
速い抜き差しの度、涎と汗と先走りが混じったものが唇から飛び散り、艶やかな銀髪や滑らかな肌を汚していく。
そんな状態でも、嬉しそうに目を細め、口を開いたまま千草を受け入れ続けている。

「お腹いっぱいにしてやるから、全部飲めよ!」
「ふっ、んっうぉぉぉぉぉぉっ……!」

宣言と共に口内で爆発が起こり、濃い液体が口中全てを白く染めた。
びゅるっびゅるるっと勢い良く撃ちだされた液が、舌に叩きつけられていく。
餌を詰めたハムスターのように、頬袋がぷくりと膨らむほどの量が放出されていく。

「あ、あ、あっ、気持ちいいぃ……」
「ん、じゅるぅ……こくっ、んぅっ……んぐっ、こくこくっ……」

インデックスは生臭さと苦味があるはずの大量の精液を、喉を鳴らし飲み込み続けていた。
どれほどの美味と快感を味わっているのだろうか。

飲み下しながらも、潤った瞳は酔っているようにぼやけていて、笑みを含んでいる。
吐き出される粘液を逃がさないと、唇でしっかりと肉棒を締め付けている。
受け止めながらも、舌を舐め回し、脈動する肉棒の射精を助け、味わい続けている。
今のインデックスにとって男の精液は、高級な蜂蜜よりもなお勝る甘露であったろう。

「こくっこくっ……んく、ずず、じゅるぅっ…………ちゅぽんっ! ふぁ……」

千草が欲望を吐き出しきって、口内から腰を引くときには、音が響くほど吸い付いていて離れた。
インデックスは射精が終わってもなお、舌で口腔に残っている快楽とミルクの甘い味わいを堪能し微笑んでいる。

「ずるーい千草ばっかり先にやっちゃってさー」
「ごめんってば。お前もやっていいよ。ほらインデックス」

千草が玩具でも手渡すように、インデックスの頭を掴み空柾へと向きなおさせる。
微笑んでいたインデックスはおかわりがきたと口を開き、そして止まる。

「どしたのーお姉ちゃん?」

今更のように、夢現だった表情に理性が戻ってきて、口元を抑えた。

(わ、私……あんな事を平気で……)

正気を失っていたと言ってもおかしくないほどに、少年の精に夢中になっていたのだ。
口の中に融けた飴玉のような甘さが残っているのが、美味しくて、美味しいから気持ちが悪い。
それなのに、空柾の勃起したモノから視線を外せなかった。

唇を閉じようとしているのに、匂いを嗅ぎ、味を思い返すと、上手くいかない。
半開きになった唇から遠慮がちに覗く舌は、誘うかのように艶かしい。
そんなインデックスの様子に、空柾は目を細め笑みを浮かべると

「むぐぅっ……!」

いきなり肉棒を突っ込んだ。
そうされただけで涎がまた溢れ出してインデックスの口内がトロトロになる。

「ぐちゃぐちゃだねー」
「んぶじゅっ……! んんぅ、んっばぁぁ……」

少しの間掻き回し、ズルリと音がするほど涎塗れになった肉棒を引き抜くと
インデックスの瞳がまた靄がかかったかのようにぼやけてしまっていた。

「んーっとねー帰りたいんならぼーっとしてないで早く終わらせなきゃねー」

それにさー、と携帯を取り出し写真を見せながら続ける。

「お姉ちゃんはやるって言ったでしょー。約束は守らないとー」

約束を守る、その言葉が戸惑う頭の中に染み入っていくようだった。
それが超能力によるものなのか、ただの音でしかないのかインデックスに区別はつかない。

「だから一緒に気持ちよくなろうねー、ほら今度はお姉ちゃんからぺろぺろしてー」
「わ、わかったんだよ……約束し……たもん、ね……」

それは約束というよりは脅迫だったのだが、従順に肉竿へと口付けするように舌を伸ばす。
ほんの少し舌を這わせただけで、ぞくぞくと身体を震わせる。
空柾が眼下にいるインデックスと携帯の写真を見比べてみると、泣き顔のインデックスと
口奉仕に勤しむインデックスは、同じ少女と思えないほどに表情が違って見えた。


「いいよー、そこだけじゃなく色んなとこ舐めてねー」
「あ、むぅ……れろ、ちゅぶるっ、じゅじゅっ、れおれお……」

膝立ちになったインデックスは丸い亀頭を唇で挟みカリの部分に舌を当てて回すように動かす所から始めた。
そうして時折鈴口のほうへと舌を向けて、とがらせた舌で穴をほじるようにする。
舐めている内に先走りが分泌されてくるのに気付いていて、含むと目だけで微笑みを作る。
千草でなくても、美味しいと感じるほどに舌の神経が変わってきているのだ。

「こっちもー」
「ん、えぉ、んろぉ~……」

空柾は肉棒の先を上に向けて、幹の所をインデックスに押し付けた。
それが当然のように舌を這わせていく。

細身ながらも血管が生々しく浮き出たそこを、上下にゆっくりと舐めると
今までしっかりと舐めていなかったためか、味を濃く感じ、より熱心に行為を進める。

「お姉ちゃんのフェラチオ気持ちいいよー」
「ちゅるっ、んるぅ、んじゅじゅっ……」

褒めるように頭を撫でる空柾。
テクニックというほどのものはないが、インデックス自身が感じながら舐めているため
必然、熱心なフェラチオとなって快感も強くなってきている。
器用な事ができなくとも従順に、情熱的にやっているというのが伝わっているからだ。

「そこもきもちいいー」
「んちゅ、れろり、れろぉ~、んうぅ、えぅ……」

首を動かし顔を傾け、根元付近まで舌を走らせるインデックス。
額や頬に先端が触れて粘液が付着しているのも気にしていない。
時折、新たな味わいを見つけてうっすらと笑みを浮かべる様子は
自分の意思でフェラチオを行っているようにしか見えなかった。

「うん、そこもいいよー優しくしてねー」
「れろん……ちゅぷぅっ、じゅぷぷ……んふぅ……」

その証拠に指示をされずとも、空柾をより味わうため、玉袋のほうへ唇をすべらせたのだ。
皺が少ない袋を唇で食み、舌でたっぷりの涎をまぶす。

「ぐっじゅるっ、ん、えぇっ……れろ……れろれろぅっ」
「わぅわ、くすぐったいー」

熱い涎と舌でソフトクリームみたいに睾丸部を舐められて空柾が変な声をあげた。

「んぇ、れろぉ……ここってなんだかゆで卵とソーセージみたいなんだよ……ちゅぅぅっ、んぶっ」
「た、食べちゃダメだよー」
「……我慢するかも」

睾丸を咥えて吸い付きながら肉棒を見るインデックス。
連想するものが生々しく、本当に食べられないかと焦ってしまう。
同時に、話しかけてきたインデックスの立ち位置がブレてきているのがわかった。

いかなる形であれ会話をしようとするのは、インデックスが気を許してきているということだ。
千草の能力による快感もあるが、継続している空柾の能力も効果を発揮しているということだ。

インデックスの精神と心を守る防壁があったとしても、精神は肉体に影響される。
快感を与えてくれる兄弟への警戒はいつまでも続けれない。
ましてやインデックスの自制心はそう高いものでもなく、快楽に強いというほどでもなかった。
空柾と千草は目配せして洗脳が上手くいっている事に笑っている。

「今度は全部飲み込んでねー」
「うん……ふぁ……ぁんっく……」

指示を聞いて、嬉しそうに口を開いたインデックスはまっすぐ向けられた先端を飲み込んでいく。
棒と玉の境目である根元が唇にくっつくまで飲み込んでも、平気なようだ。

「違うよーもっとー」
「んっ……? んごっ……!? んぼぁっ!?」

空柾はインデックスの唇を両指で開かせながら顔を掴むと、強く腰を押し付け始めた。
そうするとより密着が深まっていき、ついには、肉竿だけではなく
玉袋全てまでもインデックスの口内に収まってしまう。

「お姉ちゃん食いしん坊だからできると思ったんだよねーふふー変な顔ー」
「んぶぶっ……ぐっ、んんっ……」
「うわぁ……」

千草も空柾がやった事に驚く。
柔らかく丸みのある頬の輪郭は、ぷっくりと膨れて肉が詰められていた。
幾ら食いしん坊のインデックスとはいえ、子供の空柾のモノでなければこうも口の中に納まらなかっただろう。
深く入れた分だけ亀頭が奥まで入り込んでおり、喉まで届いていた。

「あったかいー」
「んぉぉぅっ……んんー」

インデックスの口内は肉棒と玉袋とでいっぱいになっていて、隙間がほとんどない。
唇も嫌でも締め付けてしまって、涎が零れる事もない。
空柾はそんな窮屈で、涎溢れている暖かな口腔を風呂でも浸かるように性器で味わっている。

「ほいっとー」
「んっ、ぶぉっっ……! んっ、けほっ! けほっ!」

引き抜かれると流石に苦しかったのか、インデックスは涙を流し咳き込んだ。
ただし、咳と共に、空柾の汁が混じった涎が床に零れ落ちるのが気になる程度には余裕があるようだった。

「……ん、けほっ、ひどいんだよ……」

しばらくたってから、空柾を非難の眼差しでインデックスは見上げた。
強姦魔に等しい少年が、酷い事をするのは当然な事であり、今更非難する行為自体に意味がない。
しかし、インデックスはお互いを気持ちよくするのが当然であるかのような感情を持っている。
空柾に言われたとはいえ、価値観がおかしくなっている事に気付いてはいないようだ。

「だってさー、お姉ちゃん本当に食べちゃいそうだからねー
 お腹いっぱいにしてあげたいなーって」

嘘ではないが、本当でもない。
気持ちよく、気持ちよくさせたいという気持ちと同じくらい、可愛らしい少女の顔が
自分のモノによって歪むのが面白いからだ。

「気持ちもいいけど喉が痛くなるかも……」

インデックスが首元を擦った。
千草の能力はまだ喉までは及んでいないらしい。

「じゃあ俺がよくしてやるから、口開けて」
「うん……それじゃあ、お願いするんだよ」

千草が左手で首越しに喉に触れて、続けて右指を口内へ差し入れていく。

「んっえ……んぁ……」

えづいてもおかしくないぐらい指が入り込んでいき、ほんの少しだけ傷めた粘膜を癒し、作り変えていく。
口蓋睡に指が触れると、ピクンとインデックスの身体が動いた。
撫でるような指から発せられる力で、喉が気持ちよくなってきているのだ。
喉に触れている人差し指と中指にお礼を返すよう舐めている。

「よし、じゃあ俺が……」
「僕の番だろー」

どさくさに紛れようとした千草を空柾が軽く叩くと、インデックスはまだぽーっとした顔のままだった。

「んー? お姉ちゃんどうしたのー?」
「あ……えっと、……あんまり覚えてないんだけど……前にあった事を思い出したかも……
 私が、とても苦しくて……死にそうだった時……とうまが右手で、助けてくれたんだよ……」
「苦しくて死にそうなのに俺みたく? 気分悪くて彼氏が吐かせでもしたの?」

インデックスの、意味が通らない言葉に疑問符を浮かべる千草と空柾。
本当の意味で死にそうな事があったとは思いもよらないだろう。
そしてインデックスは、上条との思い出を兄弟に話した事に疑問を覚えていない。
快楽に茹だり、精神操作で融けた心は、大切な想いすら壊してしまう。

「それじゃ、今度は僕が助けてあげるねー」
「むぉ……! ん、んむぅ~~ん!」

空柾がインデックスの唇の端を、また親指で開かせるようにして掴むと、乱暴に股間を押し付けた。
先程と同じく、竿も玉も含ませて亀頭の先がのどちんこ、口蓋睡より奥に入ってしまうほどに挿入する。
舌が幹に張り付く柔らかさと、玉袋が涎まみれの唇と頬粘膜や歯に乗っかった感触があった。

「ふぁーやっぱり気持ちいいー」
「……ふぉ、んぉ……んっぶぅ……」

そんな無茶な状態だと言うのに、インデックスは粘膜に触れている肉竿の硬い感触を
味わって、鼻息を荒立てながら目を細めていた。
えづきも抑えられているのか、嘔吐反応もほとんどない。

空柾のほうもろくに動く事ができないが、温泉のような熱い涎が湧き出てくる
柔らかく窮屈な洞穴の気持ちよさで、満足げに息を吐いている。

「僕のピクピクしてるでしょー、そのまま飲み込むようにしてみてー」
「……んぉぉ、こく……んっっく……んくっ! ん!」
「ぅわ、すっごくいいー!」

亀頭が喉にくっぽりとハマったまま、快感に震えているのをインデックスは嚥下で出迎えた。
ごくんっと音がして、膣内に入れているかのような強烈な締め付けで空柾は歓声をあげる。
インデックスの喉が見てわかるほどに動き、半ば首元に埋まっている肉棒がぐいぐいと搾られていく。

(飲み込めないのに……お腹の中がいっぱいになってくるかも……)

カリの辺りまでを食道粘膜で包み込み、嚥下を繰り返していると、美味しい物を
何度も味わっているかのような満足感がある。
息苦しさもあるのだが、口内と喉から生まれる欲求を満たす事を止められない。

「すげぇな……」

千草が横から見ているインデックスの様子は、異様ながらもいやらしい。
空柾の前で膝をつき屈んで、大きく開いた唇をぴったりと股間にくっつけている。
頬をぷっくりと張らせ、肉棒を喉越しで感じて、音が出るほどに飲み込み続けている。
咥えながら空柾の腰を抱いている体勢で、柔らかさと尖りのある小粒の乳首を空柾の脚に擦れさせるようにしていた。

動きはほとんどないながらも、喉を犯され貪欲に快楽を貪っている様子に
千草もまた込み上げる欲求を感じていた。

「そろそろいくねー」
「っふ、んぶっ、ひゃぃひぃて、ほひぃんやぉ……」
「あ、喋るのちょっと気持ちいー」

埋められたモノが邪魔してろくに発音できていないが、望んでいるというのがわかる。

「んおっ! んぶぉっ……んおぉっ……! んく、んく、んぐぅっ!」

空柾がインデックスの頭を両手でしっかりと掴むと、腰に押し付けたまま軽く揺するように動かした。
食道の首側や背中側、あらゆる所に亀頭が擦れ、先走りをなすりつけていく。
インデックスも肉を飲み込もうとする喉の動きでぐいぐいと射精を煽っていく。

「全部飲んでー!」
「……! んっじゅぅっ! っごっくっ! んくぐぅっ!」

直接胃に届けとばかりに空柾が喉深い所で射精した。
インデックスは目を見開いたまま、食道を叩き粘膜を灼く白濁液を飲み込んでいく。
迸りを受けるたびに、喉がごくりと動いて、尿道から追加の精を搾り取っていく。
空柾がまだ足りないとばかりに、ぐっと腰を押し出しインデックスの口へと更に吐き出していく。

そうしてるうちにびくびくっとインデックスの身体が震えた。
飲精でイったのだ。
空柾の脚を掴む両腕にも力が入って、より深く喉奥で擦らせるように抱きしめている。

そうして脈動する肉竿は十秒ほどかけてから、欲望を出し切り終えた。
千草と違い、異常な射精量というほどでもないがインデックスの快感にとろけた眼差しを見れば
十分に満足しているというのがわかっただろう。

「舐めて綺麗にしてー」

腰を引き、お掃除を要求する。

「はふぅ……あむっ、んっじゅ、れろぉ、ちゅるるっ……」
「イッたばかりだと、くすぐったいー」
「んぇ……んぶっ、じゅじゅっ……んおぉ……!」

舐めさせてる間もインデックスの頭を掴んで、頬を内側から突いたり
ピストンさせるように動かしたりと、ぞんざいに扱う。

(ふふっ……おちんちんって硬くなったり、柔らかくなったりするんだよ……)

しかしインデックスは口内の色々な所に当たるのが気持ちいいのか
笑みを浮かべ、柔らかくなった肉棒の食感を味わう余裕すらあった。

「よかったよー美味しかったー?」

あらかた舐め取らせ終えて腰を引くと楽しそうに空柾は問う。

「けぷっ……ごちそう、さまなんだよ……」

小さなげっぷをするインデックスは、精液を飲んだぶんだけ感じているらしく
太腿から膝まで愛液が垂れているのがわかるほどに、濡れていた。
男の性を味わい飲み込んで、快楽を貪っている姿は淫乱と評するのが相応しかっただろう。
もはや、食欲と性欲の境目すら曖昧になっているのかもしれない。

「じゃあ次は三人でしようかーお姉ちゃんも物足りないよねー?」
「アソコもぐちゃぐちゃだし」
「ん、ひゃっぅ! そ、そこよりも、美味しいし気持ちいいから、お口がいいのかも」
「えーだって僕ら二人いるんだよー」
「えっと……手コキって言うのも今度は頑張るし。赤ちゃんできちゃうんだよ」

千草に裸足で股間を撫でられながらも、インデックスは拒否の姿勢を見せる。
空柾と千草は首を傾げた。
空柾の能力が効いていれば大抵のお願いは通じるのだが、能力が効き辛いためか完全ではないらしい。
快楽と能力に精神を犯されながらも、セックスは否定している。
兄弟と子供は作れないと主張している。
幾人もの女性を餌食にしている兄弟には面白い物ではなかった。

「ちょっと生意気だねー」
「……空柾、望み通りにしてやろうよ―――」

これからやろうとする行為を千草が耳打ちした。

「うん? ……うわー千草の変態ー」
「さっきのすげぇ興奮したんだ」
「気持ち悪い気もするけど、まあ、いっかー」

(うろまさとちぐさを気持ちよくしてあげないと、帰れないし
 気持ちいいのは嬉しいけど、赤ちゃんできちゃうのは困るんだよ)

兄弟が会話をしている間、インデックスの思考は常軌を逸していた所にあった。
性行為をするのは前提となっており、いかにそれをするのかが焦点になっている。
妊娠を否定するのは、子供を作るのが駄目なのか、兄弟とは駄目なのか
他の誰かならばいいのか、そういったものは思考の範囲外だ。

「それじゃーフェラチオしようかー。まだ精液飲みたいよねー?」
「うん。幾らでもせーえき飲めるのかも」
「それじゃ飲ませてやる」

兄弟がインデックスの前に立つと

「んー? どっちが『ふぇらちお』するの?」
「黙って口開けとけよ」
「いいから座っててあーんってしててー」

異口同音に告げてきて、インデックスはぺたんと女の子座りをしたまま二人を見上げ、口を開けたまま待った。

「あーん………………んっっおぉっ!?」

直後の出来事にインデックスは驚愕の呻き声をあげた。
兄弟二人がインデックスの口へと同時に挿入したのだ。

「んーちょっとアレだけど、お姉ちゃん面白いー」
「顔がぐちゃぐちゃになっててやっぱエロいな」

兄弟の強引な挿入で、インデックスの愛らしくも整った顔は大きく歪まされていた。
唇は二本の肉棒で横へ引き伸ばされて、左右の頬が二つの亀頭でぽっこりと膨らんでいる。
少年二人が頭を掴みながら腰を押し付けているため、ツンとしていた鼻も上向きに潰されぺっちゃりとしている。

「ん、ごっ……んぶっぅぅ……んぉぉ……」
「なになにー?」
「じゅるぅ……んー、おっひぅ、んひゃへひょりょいひゃも……」
「何言ってるかわかんないよ」

美味しいけど酷いかもと余裕の台詞だった。
二人分の味わいを啜っていると涙を流しながらも、すぐにとろんとした瞳になる。
ぐりぐりと内側から突き捏ねられる頬も、肉でサンドイッチされている舌も心地いい。

「ん、えっ……れろぉる……んじゅぅ! ……んおっぅ、ぐじゅじゅ!」

咥えたまま、美味しそうに吸い付き始めている。
咥内のほとんどが肉棒に占有されているため、舌の動きはスムーズとはいえないが
在り得ない口奉仕を好んで行うインデックスの姿は兄弟の興奮を煽った。

見ていればわかるし、兄弟には能力による調教に確信があるのだ。
二本の肉棒を咥え込まされているのに、本当によがっているのが。
兄弟はインデックスの違う顔も見たくて、行為を進めていく。

「もっとぺろぺろしてよー」
「んえっ……! えぇぇぅー、んぁあぁっ……」

空柾が腰を外向きに捻ると、棒が唇を引っ張っているような形になって
肉竿が内頬の中でくっきりとしたシルエットを浮かせる。
そうして膨らんだところを手で擦るように動かすと、頬肉を使って自慰をしているようでなかなか気持ちがいい。

「全然ダメ。ちゃんとやれよ」
「んぐぅ……、んぶぶっ……んじゅるぅ……」

千草はただでさえ口の中がいっぱいに詰まっている状態なのにインデックスの顔を
引き寄せるようにして、舐めようとする舌を肉竿で押し潰し、喉を突こうとする。
その度に涎が唇の端から飛び散って、インデックスの顔と二人の股間を汚す。

「もーやりにくいよー」
「こっちの台詞だって」
「んん、んんんっ……! ぶっぐぅ……んっじゅるっ! んっぶぅぅ……」

二人に無茶をされながらも懸命に舐めようとするインデックスが、愚かで可愛らしくて
兄弟はインデックスの顔を、一つしかない携帯ゲーム機でも奪い合うように使っていた。
二人分の性器で、みっちりと咥内を犯し尽くしていた。


「そろそろ終わらせちゃおうかー」
「そうだな。いい加減近いし熱いし」

散々に弄ばれ、体液と汗と熱でインデックスの顔は汁で塗れたぐちゃぐちゃになってしまっていた。
流石に酸欠気味なのか、二本の肉竿をみっちりと口内に詰められたまま
虚ろな眼差しの端から涙を流して、されるがままになっている。

「ん、ちゅるるっ……れお、れおっ……ぴちゃ、んちゅぅ……」

それでも動きをやめれば、棒アイスでも舐めているかのように舌を動かすのだから、なかなかのものだったが。

「シンプルにやろー」
「おう」

二つの亀頭のカリ辺りまでをインデックスの口内に納めると

「んうっ!? んんーっ、んじゅじゅぅっ! ずずずっ!」

がっしりと二人で頭を掴み、前後へ速い速度で動かし始めた。
唇から飛び出ない程度に引き、舌で吸い付ける程度に押し込む。
双子だけあって息のあった手の動き。

「僕使った事ないけどさーお姉ちゃんってもうオナホールだよねー」
「じゃあ俺が作ったんだな」
「んぐぐぅっ……! んぐっ! ぐぷっ……!? んふううんっ!」

軽口を叩きながらも、段々と射精に至る快感の密度を高めていく。
言うとおりインデックスは性処理のための道具にしかなっていない。
細身ながら柔らかい肢体や、整った容姿も、性欲を促進させる材料にしか過ぎない。
男のモノを二本も咥え込む、よくできた大人のオモチャだ。
インデックスはオナホールの意味もわからず、頭が痛みそうなほど早く揺らされたまま

「でるから飲んでー!」
「俺も!」

同時に放たれた欲望を口腔で受け止め、三人一緒に絶頂を迎えた。

「んぶぅっ……!!!」

三度目の射精だと言うのに蛇口を開いたかのように量が多い。
特に千草は異常なほど多く、ごぶりごぶりっとした音は口内を通じ耳から脳まで反響するほどだ。
二つの肉竿が舌の上で脈動して射精が続き、惑わされるほどの甘さが広がっていく。
粘りが強く、濃くて、飲もうとしてもなかなか飲みきれない。

「こぼしちゃだめー」
「んんっ、んぐぅっ……」
「ちゃんと身体支えろよ」

唇から粘った白い液がはみ出ようとした所で、空柾と千草がインデックスの頭を押さえた。
まるでヨガのストレッチでもしているかのように、女の子座りのまま上体を反らさせて、後ろ手にした両手を地面につけさせる。
より低い位置から、ほとんど真上を見上げているような姿勢で、零さないように口の器へと汚濁を注ぎ込んでいく。
先程までインデックスがオナホールだとしたならば、今は汚物を吐き捨てられる便所といったところだろう。

「んぉ、んぉ、んくぅっ……んぶぶっ、ぐじゅぅっ……」

真上を向いたまま、後ろ手にした両手で身体を支えるインデックスの肩と頭に
跨るように射精している兄弟の図は、便器で用を足している姿にも似ていた。
もっとも排水する量より放出される量が多いためか、詰まっているようにも見えたが。

「ストップー千草出しすぎだって」
「あー、つい」
「んあぁ……んぶぅ……」

しばらく経ち、空柾の制止で口腔から肉棒が引き抜かれた。
二人の射精の残りがインデックスの顔に幾つも降りかかる。
そうして兄弟を見上げている顔はいやらしくも無残なものだ。
大きな碧眼は兄弟の腹で擦られ、零れた涙で目蓋から頬まで真っ赤になり白濁と体液に塗れている。
開いた口には少年らの白濁がたっぷりと溜まっていて、精液で溺れてしまいそう。
味わい飲み込もうにも、顎が度重なる口虐で馬鹿になってしまっているのか、開かれたまま閉じられない。

「飲める?」
「っふー、っふー、んぅ……んばぁ……んくっ、っふー……んくくっ……こくっ……じゅぶぅ、んぅ……」

インデックスが荒く鼻で呼吸しながら頷き、ゆっくりと苦労しながら唇を閉じると、溜まった精液で頬が丸く膨らむ。
口元を軽く引き締め、ゼラチンのごとき濃い固形の塊を歯でくちゅっと潰し
舌で舐め溶かすと官能的な甘さを感じて、無意識の内に頬を緩ませる。
じゅるり、ごくっと濁った音を響かせながら、緩やかに精を嚥下していき、酔っているかのように瞳を潤ませた。
飲み干していく様子を見ている兄弟は、射精したばかりだというのに性器をピクリと反応させる。

「綺麗にしてー」
「うん……んちゅるっ……ぺろ、れろっ、ちゅぅぅ……」

インデックスは身を起こし蕩けた眼差しで、差し出された肉棒を空柾から千草へと咥え舐め取った。
柔らかくなってきているそれを、口内で泳がすように舌と唾液でしゃぶり清めていく。
丹念で熱心な動きを見れば、今日初めて口奉仕を覚えたとは誰も思わないだろう。

「どうだった?」
「けふっ、ん……と……気持ちよくて……美味しかったけど、無茶苦茶かも…………
 ちぐさも……うろまさも……はぁ、んちゅっ、んくっ……私の口をなんだと思っているんだよ……」

抗弁しているようで、頬を擦っているインデックスの表情はいやらしい。
舌で口内に残る精を反芻してる様には、快楽がしっとりと色づいている。

「インデックスが可愛いから、色々したくなっちゃってさ」
「そうそうーごめんねー」
「……わかればいいかも」

軽い謝罪に返事をするインデックスは、やんちゃを少し咎めただけと言った様子。
またお願いすれば受け入れてしまいそうな気軽さがあった。
まるで、気心の知れた長い付き合いがあるかのようだ。
二本同時のフェラチオが異常だという認識はあっても、もう兄弟との性行為に違和感などないように思える。

「じゃあねーお詫びに今度は僕達がしてあげるー」
「セックスも気持ちいいよ」
「え……」

だから空柾と千草がそう言ってくるのに、ほんの僅かにしか戸惑ってしかいない。
気持ちよくさせたら帰っていいという話を忘れているはずはないのに。
騙されて襲われた。そういう認識そのものが歪められている。

「もう、帰らないといけないから……」

そう言いながらも、視線はちらちらと少年達の股間を彷徨っている。
覚えたての身体は、精神の変化に伴って新たな快楽を欲しがっているのだ。

「拭いてあげるー」
「わぷっ……」
「口もベタベタしてるでしょー」

空柾が棚から水やタオルを取り出して、インデックスの顔や身体を拭き始めた。
そんなものがあるのは、このカラオケボックスが最初からそういう用途のために
あるという事だが、インデックスにはそこまで思い当たらない。

「交代しないと不公平だろ。ほらインデックスもさ」
「ひゃぅっ! で、でも……」

千草はそう言いながらも、インデックスの横に座って乳首に触れた。
小粒で薄桃色のそこはツンと尖っていて、クリクリと摘まれ弄られるだけで、快感を生み出している。
フェラチオしていた時からこんな風に主張していたのだ。

「お姉ちゃんも僕の触ってみてよー」
「わわっ……! また、堅くなってるんだね」
「これはねー僕もお姉ちゃんとしたいってことなんだよー」
「そうなんだ……」

インデックスは掌中にある堅く暖かな肉を感じるだけで胸が高鳴るのを感じている。
また貫かれたら、それがどんなに気持ちいいか頭の中で思い描いてしまう。

「んー次はお姉ちゃんの番だってー」
「むむ。手が勝手に動いてたかも」

夢想してるうちに空柾のモノを軽く握って手コキしていたのだ。
体液でねばるそれを擦ると気持ちがいいのか、顔が少しだけ引きつっている。
そんな顔を見るのがわるくないと思う。

「インデックスもやる気だよね」

見れば千草のほうも勃起しており、準備万端といった所だ。

「えっと……そんなにまだしたいの?」
「当然ー!」
「当たり前じゃん」

インデックスは迷うように、それとも困ったような表情を浮かべる。
でもその瞳には隠しきれない悦びがあって。

「むー。しょうがないんだから。……ちゃんと気持ちよくしてほしいんだよ」
『もちろん!』

普段からそういう関係かのように、インデックスは小生意気で
それでいて男のお願いを仕方なく聞いてあげている、そんな女の顔をしていた。



「ここで寝ててねー」
「えっと、これでいいの?」
「そうそう」

兄弟は用意されていたマットを地面に敷いて、インデックスを寝かせる。
マットは十分の広さがあり、インデックスと兄弟が使う分にはなんの問題もない。

「凄いの見せてやるよ」
「なにかな?」

仰向けのインデックスの前に千草が立つと、能力を使うために念を集中させる。
そうすると子供にしては大きいといったぐらいの肉竿が少しずつ、その嵩を増していく。
睾丸のほうはそのままで、海綿体だけが血液で大きく、逞しくなっていく。

「ほ、本当に凄いんだよっ……!」

二回りは大きくなって、カリも張り出した大人の男性器へと変わった。
小さいままでもあれだけ苦しくて気持ちよかったのに、あんなモノだったらどうなってしまうのか。
インデックスは訪れるだろう快感への期待で胸をときめかせている。
千草は、血を急速に股間へと集中させたためか、少しだけフラフラとしていた。

「僕もー」
「わかってる」

千草が空柾の腹辺りに手を当てて、同じように血の流れを変えてやる。
ほどなく少年に似つかわしくないサイズのモノが二本分できあがった。
小学生にしては成長している肉棒は、このように拡張していたためだろう。

「すぐ入れてやるから」
「うん……楽しみ……なんだよ……」

千草が跨ってくるのに合わせて、インデックスはしどけなく両脚を開く。
男を誘う、というには幼さが残る仕草だが、少女をそう変えてしまった少年達には達成感がある。
期待に満ちた瞳で欲しがるインデックスへゆっくりと挿入していく。

「ふ、あっ……! ん、んんんっっ!」

お腹の中が押し上げられそうな圧迫感にインデックスは篭った悲鳴をあげる。
大きくなる前の状態でも、苦しくなるほど感じていたのに、今は比べ物にならない。

「やっぱ、すげぇ気持ちいい……」

千草もインデックスの中を味わって間延びした息を吐いた。
先程以上に締め付けてきて、快感を送り返してくる。
気持ちよくて、血がさらに股間へ集中しているのがわかるほどだ。

「わ、たしも……んんぅっ! き、きもちが、いいんだよっ!」
「もっとしてやるから……!」

瞳を潤ませたまま千草を見上げる表情は、恋人を見るそれと同じで、とても幸せそう。
突き入れる度甘い声をあげ、細い身体をしならせ応えてくる。
千草も開いた脚を腕で抱いて、大きくなった肉竿で膣壁をこねるように、より感じさせる。

「もー僕もやるんだよー」
「あ、ああ、わかってるって」
「ふぁ、んん……うろまさは『ふぇらちお』するの?」

小顔のインデックスに向けられた肉棒は額から首にまで届くくらいの長さがあり、太さも今までとは段違いだ。
それが自分を気持ちよくしてくれるというのをインデックスはよくわかっていて、嬉しそうに微笑んでいる。

「うん。ほらー舐めてー」
「ん、れろぅ……んちゅぅ、大きくて、咥えにくいん、だよっ……れおれおっ……
 あ、裏側は、じゅるっ、なんか変で面白いかも……」

インデックスは仰向けのまま上向いて、逆さまに見える肉棒を舐めながら呟く。
今まで舐めながらも気付かなかった、尿道の筋張った部分に舌を這わせて笑っている。

「おっぱいもしてあげるねー」
「んぁっ! 胸も気持ち、いいんだよっ。ちゅじゅぅっ、ちゅちゅるっ」
「俺もいいだろ」
「んんっあ、あ、ぅんっ! ちぐさのおちんちんもとってもいいんだよ!」

空柾は薄くも柔らかい胸を撫でるようにすると、汗が油のようにてかって指に纏わりついた。
お返しに太くなった亀頭を開いた唇で吸うと、千草が子宮口を小突き成果を主張する。
二人の少年に挟まれたインデックスは快感で幸せそう。
こうしているだけでイッているのか、抱かれている脚はたまに震えて伸びきって、ぽわっとした瞳は宙を泳いでいる。

「うわっ、ちょ、ちょっとよすぎ……!」

千草が入れている膣もインデックスの感度に合わせて変化する。
襞が少なく幼い陰唇は太いモノで痛々しく見えるほどに開ききっていて、ピンクの内臓を晒していた。
なのに抽挿の度に愛液を滲ませ肉棒をいつまでも濡らし、摩擦を手助けしている。

膣粘膜はまだまだ成長しきっていないのに、入れる時は迎えるように
抜く時は逃がしたくないとでも言うように絡みつく。
それが絶頂によってぐにゅぐにゅっと複雑に蠢いて千草を気持ちよくするのだ。

「っう、わー、お姉ちゃん上手くなってるー」

空柾のモノを咥えたインデックスは今まで気持ちいいと言った部分を的確に舐めていた。
太くなったそれは咥えるにもいっぱいいっぱいなのだが、そのぶんだけ口内粘膜に触れやすい。
もごもごと唇で締め付け、舌全体で磨くように押し付けたまま、ちゅぅっと吸い出し味わった。
そうするとすぼめた頬肉の内側が亀頭を包み込み優しく締め付ける。
仰向けに寝た体勢で動きにくいにも関わらず、舌奉仕をしっかりこなしている。

前後から太い肉竿で貫かれているインデックスは責められているようで責め返している。
能力による影響は過大だが、インデックス自身もセックスへの適性があるように思えた。

「ちゅっ、んむっ、っじゅぶっ! んぇ、んあっ……ん、ああっ、んはぁ……」
「これは負けられないよー」
「わかってる」

兄弟は一度挿入を止めるとインデックスに負けじと準備をする。

「背中ちょっとあげてー」
「ふ、んぅ……なにしてるの……?」
「お姉ちゃんのお口をまたいっぱいにしてあげるんだよー」
「ふふっ……それは嬉しいかも……」

空柾が二重にしたクッションを、インデックスの背中に敷くと
仰向けで胸元だけが上がっているため、頭が垂れた形になる。
喉元が曝け出されており、いつでも口に挿入できる体勢だ。

空柾が二重にしたクッションを、インデックスの背中に敷くと
仰向けで胸元だけが上がっているため、頭が垂れた形になる。
喉元が曝け出されており、いつでも口に挿入できる体勢だ。

「ふぇっ……なんかお腹がピリピリするんだよ」
「すげぇ気持ちよくしてやるから」
「うん! すっごく、楽しみなんだよ」

千草はよく食べるわりには細いインデックスの腹を触っている。
臍の下辺りに両指を付けてから、触診でもしているようだ。
よりインデックスを感じさせるための、とっておきの力を練っている。

「千草が先にやってよーショックで噛まれるのもやだしー」
「んぅ? 噛んじゃ駄目なんだよね。我慢するかも」
「絶対噛めないって。いくよ」

千草は膣口に亀頭を当てたまま、挿入すると同時に

「――――っっっぁあぁっ!」

肉付きの薄い腹越しから子宮へと、力を叩き込んだ。
インデックスの視界は明滅し、頭の中が真っ白になって消えてしまいそう。
瞳は大きく見開かれ、叫んだままの大きく開いた口からは涎が零れて頬に流れる。

「ふぁ、ぁぁあ、ひゅご、いんだよっ……! おにゃかのにゃか……とけひゃい……そぅ……!」

あまりの快楽で舌足らずになったまま、強い悦びを訴えてくる。

「うわやべっ……うおぁっ!」
「んぅ! んんんぁっん……!」

膣内が激しく絡みついてきて、思わず千草は子宮口に先端をくっつけたまま射精してしまう。
インデックスの中が手で握っているように肉を締め付け、放出する千草を離さなかった。
貪欲に、胎の裡へ子種を飲み込んでいく。
千草が射精しながらも筋肉がろくについていない細い下腹に指を軽く沈み込ませた。

「ひ、あぁあぁぅっっっ!」

そして貫かれるような強い快感。悲鳴のごとき嬌声。
送りこまれている力と精液が子宮内で反応して、また絶頂に至ったのだ。
四肢全てが無意識に力み、脚で千草の腰をぎゅっと強く抱きしめた。
白濁したもので子宮内を塗り潰されていき、胎児を慈しみ育てるための神聖な場所が快楽器官へと変えられる。

「よーし、喉でも気持ちよくしてあげるよー」
「あっぁあ、むおっ……んんっ……! ん、ああっっぐ!」

責めはさらに続けられる。
大きくなった空柾のモノが、口腔の、今までよりも深まった所まで挿入された。
ろくに抵抗もなく食道まで入り込んで、亀頭の丸みが喉元を押し上げているのがわかるほどだ。
仰向けで背を反らすような姿勢のため、唇から喉までがまっすぐの穴となって、突き入れた肉棒全部が納まってしまった。

「僕もいっちゃいそうなぐらい気持ちいいー」
「んぼぉぅ……! んぅ、ごっおぉぉ……んふぅ……」

空柾はインデックスの後頭部と首を掴むようにして満面の笑みを浮かべている。
触れた親指には、喉越しでも伝わる自身の堅い肉棒。
後頭部を軽く揺すれば亀頭が粘膜を擦っているのが伝わる。
逆さまになった鼻から玉袋へと、苦しげな息が吹き付けてきて、くすぐったくも心地いい。
口蓋垂を潰し、喉肉を抉じ開けた肉棒が、食道に至る道筋を完全に征服してしまっている。

「後で呼吸させてあげるから頑張ってねー」
「んっっぐっ! んっじゅ、うぶっ! おごっ、んおおぉっ!」

ぐっちゅる、ごちゅる、と肉棒が唾液と一緒に喉の中で擦りつけられる音。
鈴の音にも似た澄んだインデックスの声が濁りを持って放たれる。
セックスしているのと変わらないぐらいの速度で空柾が腰を振り始めたのだ。

唇が肉竿と一緒にめくれてしまいそうなぐらい腰を引き、棒の根元が唇にくっつくほどに突き入れる。
見下ろす空柾からはインデックスが身体を捩じらせて、細い首が挿入の度にわずかに膨らんではへこむ様子が見える。
フェラチオとはまた違う、食物の消化をするための喉粘膜を、射精のために扱う性行為だ。

(苦しくて、気絶しちゃい、そうなのに……すっごく気持ち、いいんだよっ……!)

涙は止らず、圧迫感を通り越して身体の内側から生き埋めにされているような状態でも
インデックスはなお感じてしまっている。
肉に喉を埋められたまま呻くように喘ぐ。
意識が飛んでしまわないのはあまりに刺激が強すぎるから。
口だけではなく、腹の中もどうにかなってしまいそうなほど気持ちがよかった。

触れている指が臍の下をつぷっと押してくると、内部を擦られているような感覚。
子宮内が形の無い何かに撫でられて、注がれた精液を掻き乱している。
能力を使った普通ではありえないセックスによって、内臓を直接愛撫されている。

「また中出ししてやる!」
「お腹いっぱいにしてあげるー!」
「んっ、んぅ……ひゃ、ひゃひてっ! んぶっ、ほっひぃんらょっ!」

言葉になっていないが、催促しているというのは兄弟に伝わり、動きの速度が増した。
口と膣を串刺しにされているインデックスは、少年らの肉竿に挟まれたまま
嵐に揉まれる帆船のごとく、揺さぶられている。
千草の力と肉がインデックスの子宮内までも侵していく。

『いく!』
「…………っ!!!」

兄弟の唱和と共に精液がどっとインデックスを満たした。
すでに開ききった子宮口は抵抗なく受け入れて、お互いの脈動によって
ひたすらに精液を飲み込んでいく。
奔流が力と反応し、一回の射出の度インデックスは何度も絶頂して、全身をしならせた。

インデックスの唇へと、限界まで腰を押し付けたまま空柾は射精する。
喉の中で放たれていくそれは、飲む、飲ませるというよりは胃に注いでいくという表現が相応しい。
空柾は喉奥まで腰を使った前後運動で突き捏ねつつ、両手を伸ばして
薄く、それでいて柔らかな胸を強く握るようにしながら、出し切るまで決して腰を離さない。

インデックスは涙と汗を垂れ流し、尿すら漏らしながら男の欲を受け入れ絶頂を味わい続けていた。

「……ふぁーきもちよかったー」
「あーインデックス漏らしてるな」

十数秒の時間が流れて、兄弟が身を引いた。
千草はどれだけ出したのか、まだ開いたままの膣口からは白濁したものが溢れており、失禁した尿道が洗い流していた。

「んーお姉ちゃん大丈夫ー?」
「ちょっとやりすぎたかも」

兄弟が離れた後もインデックスはぽっーとしたままだった。
瞳の焦点が合っていくと、ようやく呼吸困難だったのを思い出したかのように咳き込む。

「……げふっ! げふっ! けふっ………はぁっはぁっはぁっ、すぅぅっ……
 はぁ、あっ、はあー……とってもね、気持ちがよかったんだよ」

息を何度も吸って吐いて呼吸を整えてから、インデックスは緩やかに微笑んだ。
全身、汗と体液塗れで身体も動かせない。
けれど満足感と多幸感で勝手に笑みが浮かんだ。

「どういたしましてー」
「でも、中出ししてよかった?」

千草がニヤニヤしながら問う。

「うん。性行為する時は避妊しちゃいけないんだよ。聖書にもそう記されてるんだから。
 そうじゃないと罰せられちゃうかも」
「エロいな神様」
「じゃあさー、エッチはしていいのー?」
「それは……えっと…………修行中の身だから主も許してくれるのかも……」

シスターでなくとも、イギリス清教の教えでは不道徳な姦淫そのものが罪で
性交で快楽を貪るなどもってのほかだが、今のインデックスには関係がなかった。
清められた純白の布も、汚泥に浸かれば汚れた黒へと染まってしまう。
少年らが笑いながらもまた圧し掛かってくるのを、インデックスは期待に満ちた顔で見返していた。





芳しき匂いとジュゥーとした音でインデックスはベッドの上で目を覚ます。
そこはとある学園寮の、日々生活を営んでいる上条の自宅だ。
起きてキョロキョロと部屋を見渡すと

「なんだよ。今日は起きるの遅いじゃねえか。俺が居ない間、自堕落に暮らしてたのかよ」
「とうまっ!」

上条が当たり前のようにいて、フライパンでハムエッグを作っている最中だった。
六日ぶりの再開に、インデックスは布団を跳ね飛ばし、だっと上条の背に抱きつく。

「危ないって。朝ご飯こぼしちゃいますよ」
「それは一大事かも!」

そう言いながらもインデックスは上条の背中から離れようとしない。
別れの長さを埋めるかのように顔をグリグリと押し付けている。
一緒に起きたらしいスフィンクスも脚に同じ事をしていた。
よく似た飼い主とペットであった。

「とうまはいつ帰ってきてたの? ずーっと寂しかったんだから」
「朝だよ。……悪い、今回は時間かけちまったな」
「ううん。帰ってきてくれたんだからいいよ」

上条は恥ずかしそうな、むず痒そうな顔をしながらも、敢えてさせるがままになっていたが
背後のインデックスを見てギョっとした顔になる。

「……インデックスさんや。上条さんがお料理中で火を使っている事を鑑みて、冷静に聞いてくださいな」
「んーなにかなー」

子供が親に甘えているようなゆったりとした表情。抱きついたまま安らいでいる。
しかし今の状態がどうかと言うと。

「オマエ、パジャマ着てないから、パンツ見えてる」
「な……!」

インデックスはベージュのキャミソールとお揃いの色をした下着だけの、あられもない格好をしていたのだ。

「お、落ち着けようっ! ハムエッグがこぼれちゃっても……! いや違う!
 この流れは俺の顔にジャストフィットする未来がきちゃうっ!?」

戦々恐々としながらも、俯いたインデックスが飛び掛ってくる前に
フライパンを置いてガスを消し、火の元から離れる上条。
予想する運命を回避したいのか、受け入れているのか、二律背反的行動を終えた後

「……とうまのエッチ」
「へっ?」

実際起きた出来事は、女の子が恥ずかしげに着替えを取りにいく、そんななんでもないものであった。
インデックスらしからぬ、恥ずかしげに囁くような声音で上条は一時顔を赤くして混乱していた。

「もうっ。昨日はシャワー浴びた後、着替えるの忘れてただけなんだから」
「わかったって。食べようぜ」

インデックスはいつもの修道服ではなくパジャマになり、上条は不在の埋め合わせを
するように色々と料理を用意して、スフィンクスにも塩分控えめな料理を振舞っている。
時間や食材の兼ね合いで出来合いのものもあったが、それは二人と一匹に取って問題ではないのだろう。
手を合わせて礼とお祈りをした後に少し遅めの朝食を食べ始めた。

「美味しいんだよっ! お腹空いてたから幾らでも入るかも!」
「そっか。まだまだあるからいっぱい食えよ」
「うん! ―――――ん? とうま。どうしたの?」
「な、なんでもないでございますよ!」

幸せそうに食べているインデックスを優しい目で見つめていた上条は、問われて慌てて箸を進めていく。
疲れてはいたが家でインデックスと一緒にご飯を食べる、それだけで身体も心も癒やされているという実感があった。

「ふっ、んっ……とっても……美味しいんだよ……んっく」
「食べ過ぎで喉に詰まらせるなよ」
「だ、大丈夫かも。ごくっごくっ、はぁ……」

コップから水を飲んだインデックスはブルリと身体を震わせた。
何故だろうか、熱でもあるかのように頬が赤い。

「風邪でも引いてるのかよ? …………んー熱は無いな」
「あっ……」

上条は箸を持っていた右手ではなく左手でインデックスの額に触れた。
少しだけ体温が低くて冷たく感じた。
もし、この時食事中でなければ。それとも上条が右利きではなければ。
インデックスに起きている異常と、暴かれざる事実を上条は知り得たかもしれない。
しかし上条の左手にはなんの力もなく、右手はまだ箸を握ったままだ。

「とうまの手暖かいね……」
「イ、インデックス?」

上条の手へとインデックスは頬ずりするように手を重ねて握る。
うっとりとした見たことのない表情。
インデックスが食べている途中だと言うのに、立ち上がり上条の背へおぶさった。

頭に顎を乗せて背後から抱きしめられると、いつもこうしているのに
上条は胸の鼓動が不思議と速くなるのを感じた。

「やっぱり……とうまが居てくれるのが一番嬉しくて、気持ちがよくて、安心するんだよ……」
「あ、ああ……」

上条はドキマギとしていて、言葉に含まれた意味に気付いていない。
類稀な戦闘センスや状況判断能力があったとしても、インデックスが何を考えているかなんてわからない。
食事をしているだけで裡からの欲求に耐え切れなくなり、耐えるつもりもなく
上条を抱きしめたなどと、想像できるわけもなかった。

「あのね、とうま……」
「な、な、なんでしょうかっ」

耳元の囁き。どこか甘いインデックスの香りもいつもと違って大輪の華が咲いているかのよう。
目の前にある料理の匂いより、ずっと強く、強く、上条へ染みていく。
触れている柔らかくて軽い身体を、これ以上なく意識してしまう。
そうしてインデックスが更に言葉を紡ごうとして。

響いた携帯の着信音が、漂っていた雰囲気をバラバラに切り裂いた。

「あ、そっか、もうこんな時間か」
「えっ、とうま。もしかして……また行っちゃうの?」
「ああ。行かないといけないんだ。ごめん」

上条は電話に出て誰かと会話を始めた。
ほんの数秒前の、同居している女の子にドキマギしていた少年の顔はもうない。
信念と決意が双眸に満ちた戦士の表情だった。
上条は知っているのだ。

国も世界も確固たるものではなく、力と野望を持つ人間の前には、儚く壊されてしまうものだということを。
一週間に満たぬ時間と言えど、上条が一つの地に留まっていたために、どこかでまた危機が迫っている。
上条は見過ごす事はできない。
それでも学園都市に帰ってきたのは、無理を推してのことだった。

「とうま、その―――」
「大丈夫。今度はすぐ帰ってくる」
「………………うん……待ってるんだよ……」

言おうとした台詞の続きは、頼もしい上条の言葉に圧されて別なものに変わった。
時間が本当に無いのだろう。
手を振ってから、振り向きもせずに上条は部屋を出て行ってしまった。

「とうま行っちゃったね……」
「にゃぁ……」
「ご飯食べよっか」

スフィンクスの声も寂しげで、一人と一匹になったまま食べ始める。

「私も行くって言えばよかったのかな……?」
「にゃうっ」

問うような独り言。理解しているのかいないのかスフィンクスの返事は簡潔だ。
でも本当はそうしなかった理由をインデックス自身がよくわかっていた。

上条当麻がインデックスにとって一番大切な人というのは間違いない。
上条のやりたい事はわかっているし、尊重したい。
けれどもインデックスの中にある、今にも火が付きそうな欲望に逆らう事はできなかった。
もしも上条についていったとしても、それが燃え滾る暇などありはしないとわかっていた。計算していた。

インデックスは、ふぅっと悩ましげな吐息を何度も吐き出し
噛み砕いた食べ物を飲み込む度に身悶えしては瞳を揺らめかせている。
身体が火照ってきたのか、パジャマのボタンを幾つか外して、しどけない格好のまま食事を続ける。

「……ご飯だけじゃなくてとうまのおちんちんも食べさせてほしかったんだよ」

口内は敏感な性器そのものとなっていて、幼くも確固としてあった貞操観念などもはや存在しない。

「とうまはしたいことなんでも私にしていいし。私もしたいし」

病毒のように巣食った能力は肉体も精神も侵して、異常な言動を当たり前とする。

「私よりも、知らない誰かを助けるほうが大事なのかな」

比べるべきではないものを天秤にかけて、不満を吐き捨てる。

しかもその不満の理由は、寂しさや心配や愛情だったはずなのに、今は性欲のほうが先にきているのだ。
その歪みに本人は気付いていない。
空腹の怒りや、上条の近くにいた女の子への嫉妬とはまた違ったインデックスの感情にスフィンクスが毛を逆立てていた。

その時近くに置いてあった携帯電話が着信音を鳴らす。

これ知ったら原因の相手をなぐり殺しそうだな、上条さん
土御門あたりに止められそうだが

「とうまっ!」

喜びの顔で勢いよくインデックスは電話を取った。

『ちがうよーうろまさだよー』
「あっ……」

昨夜は何度も行為を重ねていて、兄弟が呼んだタクシーに乗せられて学園寮へ帰ったのは日付が変わる頃だ。
その過程で携帯の番号ぐらい幾らでも知りえただろう。

『彼氏まだ帰ってないんだねー』
「……帰ってきたけど、また出かけちゃったんだよ」
『そーなんだ。予定はあるのー?』
「……ううん」
『それじゃ暇だよねー今日もエッチしようよー』

トクンと鼓動が高鳴った。
超能力の影響で価値観がずれているインデックスにとって、性行為は禁忌に含まれていない。

「……ダメだよ。私がいやらしいことしたいのはとうまだもん」

だが拒否をする。
何があろうとも一番大事な人はインデックスの中で決まっている。
洗脳による価値観の狂いも、上条との再会で幾らかマシになっていた。
写真のデータもインデックスにはよくわからなかったが、ネットとメモリーから抹消されているので付き合う理由もない。

『えーあんなに僕らとエロい事をいっぱーいしたのにー』
「気持ちよかったけどとうまがいいの」
『でもさー本当にお姉ちゃん大丈夫? 身体辛くない? 彼氏いないんでしょー?』
「それは……」

満腹になるまで食べて満足しているはずなのに、半端に刺激された欲求が、澱のように身体の底で溜まっている。
人は腹を満たし、好きな人と一緒に生きていければ幸せだろう。
けれども上条はおらず、食べているだけでは今のインデックスは満足できない。

『彼氏が帰ってくるまでさー、僕らがほんのすこーし代わりにお手伝いしてあげるだけだって。ね、いいでしょー』
「でも……」
『それにもう彼氏じゃ満足できないかもねー。僕達しか気持ちよくしてあげられないかもー』
「そんなこと、ないもん」

昨夜がどれだけ異常な性行為だったのか、正確にインデックスは理解していない。
肉と肉の結びつきに関して、兄弟がどれだけの力をあるのかもわからない。

『じゃ試してみよっかー。一時間後に初めて会った場所で待ってるよー。いなかったら泣いちゃうかもー』
「あっ」

空柾は返事も聞かずに切ってしまった。
かけ直そうにも、非通知になっているようだ。

「そうだ。とうまに……」

自分ではあまり機械を触りたくないのだが、機能が少ない携帯電話を操作する。
十分以上も時間をかけてから、上条当麻の宛名を探し通話のボタンを押した。
せめて声だけでも聞ければ。纏わりついている欲を振り払える。我慢ができる。

「とうまっ……!」
『おかけになった電話番号は電波の―――』

そんな想いはすでに遅かったようだ。
飛行機か何かに乗り込んでいるのか、もっと遠くへいるのか。
機械音声のガイダンスが流れて聞き終わってから、繋がっていないのを確信して電話を切った。

「……………………待たせちゃいけないよね。……断ればいいんだし」

長い沈黙の後、言い訳するように独りごちる。
飢餓にも似た欲求が鎌首をもたげている。抑えきれない狂おしいものが滲み出てきている。

「スフィンクス、お留守番しててね」

返事も待たずにゆらりと立ち上がった。
昨日汚れたまま洗濯できていない修道服はほったらかしで、普段着る事のない簡素なブラウスとスカートに着替えて玄関を出る。
渇望した表情には、迷いや躊躇いよりも、もっと強い何かがあるように見えた。

終了
自分の好きなものを詰め込んだSSです。でも普通の上インも好きだったりします

>>12 >>38
続きでそんな感じのも考えてはいたんですが、エロというより鬱展開バッドエンドになってしまいそうなので断念しました。

美琴が食蜂さんに洗脳されてビッチになったり、心は美琴で身体だけが操られたまま
そこらの不良に身体を許しちゃうといったSSも書いてるので、いつか投稿すると思います

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