ほのまげ長者 (55)

昔 昔 あるところに貧乏な少女がおりました


にこ「誰が貧乏よ?ちょっとアイドルグッズを買いすぎて生活費が足りなくなっただけなんだから」

にこ「ほらリテイクよ、リテイク。にこが書いた台本貸してあげるから今度こそちゃんとやんなさい」

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昔 昔 あるところに大銀河宇宙No.1アイドルを目指すとびきりの美少女がおりました

にこ「にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこにー♪笑顔届ける矢澤にこにー♪にこにーって覚えてラブにこ♪」

…………

にこ「何よ、もうさっさと続きやんなさいよ」

にこにーは毎日一生懸命アイ活を続けていましたがなかなか有名にはなれません

にこ「アイドルの世界は厳しいのよ。にこ程の美貌と才能があっても…」

ついにはお金が尽きてしまい行き倒れ寸前の状態になってしまったのでした

にこ「ちょっと、私が話している途中でしょ」

にこ「はぁ、2日も何も食べないとナレーションという名の幻聴まで聞こえてくるようね…」

にこにーが空腹でフラフラになりながら歩いていると小さな祠を見つけました

にこ「あんなところに祠が…何かお供え物でも置いて無いかしら」

お供え物を狙うにこにー 汚いさすがにこにーきたない

にこ「お供え物は誰か処分しないと腐ったり野生動物の餌付けになったりで問題あるんだから慈善活動よ」

良い子は自分の持ってきたお供え物はちゃんと持ち帰ろうね

にこ「・・・ケチねー何も置いて無いじゃない」

にこ「お供え物の無い祠なんて興味無いわ。本当に神様なら私のお腹をふくらまして欲しいものね」

その時です 祠が光に包まれたかと思うと 中からたわわな胸を揺らす女神様が現れました


希 「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん」

にこ「古い」

古い

希 「ちょっと傷つくやん」グスン


にこ「突然現れて、あんた何者よ?」

希 「ウチは女神のんたん。にこっちに幸せをお届けに来ましたー」

にこ「女神?胡散臭いわね。その女神様が何してくれんのよ?」

希 「のんたん♪って呼んで」

にこ「…………」

希 「のんたん♪って呼んで!」

にこ「の、のんたんは私に何してくれるの?」

希 「へへへぇー、ウチのカードで幸せになる未来を占ってあげましょう」

にこ(凄い嬉しそうだけど女神が占いって有り難味に欠けるわね)

希 「いくよー、ホシノチカラヲヒメシカギヨ シンノチカラヲワガマエニシメセ ケイヤクノモトノンタンガメイジル 希パワー注入!はーい、ぷしゅ!」

いただきましたぁぁぁぁぁぁ!!!!

希 「占いの結果がでましたー次ににこっちが触ったものを大切にして旅に出なさい。きっと幸せがみつかるでしょう」

にこ「触ったもの?そんな事で幸せになれるって言うの?」

希 「ウチの占いは的中率100%や」

にこ「それ占いじゃなくて予言って言うんじゃないのかしら?」

希 「ということで、にこっち握手しようか」

にこ「私は先を急ぐのでこれで失礼します。サヨウナラー」

希 「あぁ~ん、にこっちのいけずー」

にこにーは乳神と別れ、旅を始めました


にこ「さっきの女神の言ったこと本当なのかしら」

にこ「本当なら触るものを考えないといけないわねぇ。変なもの触ったら大変だわ・・・・・・あっ!」バタン


フラグを立てたにこにーは見事に石でつまずいてしまい偶然落ちているものに触れてしまいます


にこ「いたた、こんなところで転ぶだなんて、空腹も限界かしら。あれ、この手に触れているものは…」


マゲ \ホノカダヨ/

何とにこにーが触れていたのは綺麗なオレンジ色をした毛の束でした


にこ「ぎゃー!何でこんなところに髪の毛の束が落ちてるのよ」

マゲ \ワタシ コウサカホノカ ケ ダヨ/

にこ「触っちゃったって事はコレを持って旅をするの?きもちわるいわね……」

マゲ \ファイトダヨ/

にこ「仕方ないわ、あの女神を信じてコレを持って旅をするしか無さそうね」

マゲ \ダッテカノウセイカンジタンダ ソウダススメ/

ほのまげを拾ったにこにーは更に旅を続けます


にこ「そういえばあても無く旅を始めたけれど何処に行けばいいのかしら」

マゲ \メノマエニ ボクラノミチハアル レッツゴー/

にこ「もうお家に帰りたくなってきた」



『あ!あれはもしかしてほのまげ!?ハラショー私が頂いてやるわぁー!!』

にこ「あれ?何かこっちに飛んできてるような」

ブーーーン

にこ「うわぁ、でかいハエ」

アブ『ハエじゃないチカ!私はアブチカ!!』

アブ『アブのように舞いアブのように刺す私の動き見せてやるチカ』

アブ『アブアブアブアブアブアブーーーーッ!!』

シューーッ

にこ「携帯用の虫よけスプレー持ってて良かったわ」

アブ『ちかぁ………』ポテ

にこ「こいつ変わった虫ね。標本にしたら高く売れるかもしれないしこの毛で縛って持って行きましょ」

マゲ\ヒミツノブランコ アナタトユレナガラ/

飛んでいたアブをほのまげに縛り付けたにこにー 次に彼女を待つものとは



にこ「こんな毛と虫を持って歩いて本当に幸せになれるのかしら」

マゲ\ガンバッテガンバッテソノサキデ ステキナコトガオキルヨ/

アブ『ハイ!!』

にこ「もしかしてあの巨乳女神に騙されてるんじゃないの?何であんな占い信じちゃったのかしら」

マゲ\ソウダヨ シンジルダケデ/

アブ『ぐんぐん 前に進むよ』

マゲアブ\『君が!!』/


にこ(何故かイライラしてきたわね)

一人(?)旅を続けるにこにーの前から元気なショートカット女の子と大きな荷物を背負った大人しそうな女の子の二人組みが歩いて来ました


凛 「見て見て、かよちん。あのちっちゃい子変な虫持ってるよ」

花陽「凛ちゃん、知らない人を指差したら駄目だよ」

にこ「だーーれがちっちゃいですって!これでも私は花も恥らう18歳の乙女なのよ!!」

花陽(まさかの年上だった)

凛 「まさかの年上だったにゃー」

凛 「年上のおちびさん、その手に持ってるのはなあに?」

にこ「何よその言い方は!にこにーって呼びなさい」

凛 「どうでもいいから質問に答えるにゃ」

にこ「こいつは………ただの髪の毛で縛った虫よ」

マゲ \スゴイコトヲシタイ アタラシサヲミタイヨネ/

アブ『慌てないで直感は間違っちゃいない』

凛 「かよちん、これ面白いよ。家に持って帰ろう」

花陽「えぇ!?でもそれはにこにーちゃんのだよ」

にこ(あーもう疲れたし帰りたいからあげちゃってもいいかな)

にこ「仕方ないわねぇ。本当は大切なものなんだけどそんなに欲しいならあげても良いわよ」

凛 「本当!?にこにーちゃんやっさしいにゃー」

花陽「アゲチャッタノォ!?」

マゲ \ジンセイキブンデジョウゲサユウ ウンメイトキニキュウテンカイ/

アブ『いつでも一緒に一緒がいいね』

にこ(さて、さっさと帰ってまたアイ活始めないと)

凛 「じゃあにこにーちゃんに何かお礼しないと」

花陽「それなら私のしょってるこれをあげるね」

にこ(ずいぶん大きな荷物ね。もしかして結構なお値打ち品?)

花陽「どうぞ、うちで取れたお米一俵です」

にこ「」

凛 「かよちんのお米はすーっごく美味しいんだよー」

花陽「えへへ、そんなこともあるよ。それじゃあ私達はそろそろ行きますね」

凛 「にこにーちゃんありがとねー、ばいばーい」

マゲ \アイシテルバンザーイ/

にこ「あ、ちょっと!…行っちゃったわ」

にこ「どうしよう米一俵とか持てるわけ無いじゃない……」

とりあえずここまで、続きは後ほど

マゲ\ゼンカイノ ホノマゲ/
にこにーはほのまげとアブを生贄に米一俵を手に入れた



にこ「うーーん、うーーん。はぁはぁはぁ……」

にこ「どう考えても無理、米一俵なんて持てるわけ無いじゃない」

にこ「これ私の体重の1.5倍くらいあるのよ、さっきの子はいったいどうやって持ち歩いてたのかしら」

にこ「せめてお腹が膨れれば引きずってでも持って帰るのに・・・これ生で食べれないわよね」

にこ「………」

にこ(ずっと一人だったのに何故か急に静かになった気がして寂しいわ)

にこにーが米俵の前で途方に暮れているとそこに女剣客が現れました


海未「すいません、少し宜しいでしょうか」

にこ「ん、何か用かしら?」

海未「恥ずかしながら家のお米が切れてしまいまして、明日御前試合があるというのに道場の門下生が空腹で参ってしまったのです」

海未「出来ればその米俵をお譲り頂けないでしょうか」

にこ(私も空腹で倒れそうなんだけど…生米じゃどうしようも無いし)

にこ「別にいいけど、町に行けばいくらでも買えるんじゃないの?」

海未「実はその……ちょっと今は手持ちが無くてですね…」

にこ(こいつ文無しか!)

にこ「あんたそれは流石に都合が良過ぎるんじゃないの?」

海未「そ、その代わりこの露西亜の知人の妹から頂いた給仕服を差し上げますんでどうかお願いします」

にこ「何これ、フリフリで可愛いわね。生地もかなり良いもの使ってるみたい」

海未「冥土服というらしいのですが、私はこういう服はちょっと着れないので……」

にこ「見た目に反して不吉な名前ね・・・」

にこ(どうせ重くて持てなかったし、これならアイ活衣装に使えそうね)

にこ「良いわよ、仕方ないから譲ってあげるわ」

海未「ありがとうございます!!それでは頂いて帰りますね」ヨイショ

にこ(片手で持ち上げた!?)

海未「急ぎますので私はこれで失礼します、御機嫌よう」タッタッタッタ

にこ「米俵持って走って帰るって…何者なのよあの子は」

にこにーは謎の怪力女から お米一俵と冥土服を交換してもらいました


にこ「とりあえずこれで身軽になったし旅が続けられるわね」

にこ「そうだ、試しにこの冥土服を着てみよっと」

ダラーン

にこ「全体的にブカブカだわ、袖も裾も丈が長過ぎるし……胸も少し余ってるし…」

にこ「はー、先に確認するべきだったわ。これを直すの流石に難しそうね」

にこにーが自分の幼児体系振りをしみじみ感じていると頭にトサカを乗せた少女がやってきました


ことり「やんやん、その服かわいぃ」

にこ「何よ突然、あんた何者?」

ことり「始めまして、私は南ことりといいます」

ことり「近くで呉服屋を営んでいるんですがあなたの服がとーーってもかわいぃのでどうか見せてもらえませんか?」

にこ「別に良いけど、脱ぐからちょっと待ちなさい」

ことり「いえ!是非着たままで!!!」

にこ「え、どういう…」

にこ(何この迫力、見た目に反して怖いんですけど)

ことり「このままお持ち帰りしておやつにしてもいいですか?ガラスの花園的な意味で」

にこ「イミワカンナイ、駄目に決まってんでしょうが!!」

ことり「ざんねん、じゃあこの服だけでも譲ってくれませんか?」

にこ(うーん、サイズ直しも厳しいしあげちゃっても良いかな。逆らうと怖そうだし)

にこ「仕方ないわね、とっても高価な品なんだから感謝しなさい」

ことり「わーありがとー。じゃあ代わりにかわいいかわいいアルパカさんをあげるね」

にこ「え?」

アルパカ「メェ~」

ことり「大切に育ててくださいね。それではさようならー」

にこ「え、ちょっと。何なのよこの生き物は!!」

アルパカ「メェ~」

冥土服とアルパカを交換したにこにーは更に旅を続けます


にこ「よく考えたら拾った毛を手放した時点で私の旅は終わってたんだったわ」

にこ「思えば遠くにきたもんだ。家に帰るのも大変ねぇ」

パカ「メェ~」

にこ「ん、何よ?」

パカ「メェ~メェ~」

にこ「もしかして背中に乗れって言うの?」

パカ「さっさと乗れよ」

にこ「」

パカ「メェ~」

にこ(え?空耳?幻聴?疲れてるのかしら…)

にこ「とりあえず乗ってみましょう」ヨッコイショ

パカ「メェ~~~!!」

にこ「なっ!急に走り出した!?そっち家と逆、ちょっ待ってー!!」

突然走り出したアルパカは大きなお屋敷の前で止まり草を食べ始めました


パカ「メェ~」ムシャムシャ

にこ「やっと止まった…まったく酷い目にあったわ」

にこ「それにしても立派なお屋敷ね、どうせ成金のいけ好かない奴が住んでるに違いないわ」

真姫「いけ好かなくて悪かったわね」

にこ「うわぁ!?」

真姫「あなたこそ何者よ、人の家の前で何やってるわけ?」

にこ「に、にっこにこにー♪世界のアイドル矢澤にこにーですっ♪」

真姫「寒いわね、今時流行らないわよ」

にこ「余計なお世話よっ!!」

真姫「それでにこにーさん、うちの庭で草を食べてるその生き物は貴方のものかしら?」

にこ「何のことかわからないにこー♪」

真姫「なら私の好きにしても良いって事ね」

にこ「すいません、私の持ち物です」ドゲザー

真姫「別に怒ってるわけじゃないわ、ちょっと急ぎの用があるんだけど乗り物が無くて困っていたの」

にこ「急ぎの用?」

真姫「隣町で珍しい昆虫が見つかったみたいなので調査に行くのよ」

にこ「へー、興味無いわね」

真姫「そういう事でこのアルパカを貸して欲しいのよ」

にこ「何で私がそんな事を…」

真姫「庭の草の件、怒っては無いけど許したわけじゃないのよ?」

にこ「どうぞ心行くまでお使いください」

真姫「ふふっありがと、代わりと言っちゃ何だけど私が戻るまでこの家を使っていいわよ」

にこ「え?本当に?」

真姫「研究で次はいつ帰れるかわかんないしどうぞ好きに使って」

真姫「じゃあ私はさっそく出かけるから。またね」

ハイヨー メェ~ パカラッパカラッパカラッ

にこ「まさかにこがこのお屋敷の主に…あの女神が言った事は本当だったのね」

にこにーは拾ったほのまげから交換を続け ついには大きなお屋敷の主人となったのでした


めでたしめでたし

にこ「さーて、じゃあさっそく豪邸を堪能させて貰いましょうか」


嬉々としてお屋敷に入ったにこを待っていたもの

それはゴミ・ゴミ・ゴミの山

真姫は研究に没頭する余り掃除とは無縁の生活を続けていたのでした


にこ「」

真姫「三日完徹は流石にきついわね…」

真姫「でもおかげでかなり研究が進んだわ」

真姫「まさか新種の昆虫と謎の髪の毛が音楽に反応するだなんて、これは歴史的発見になるわね」

海未「おや、真姫じゃないですか。こんな所でどうしたのですか?」

真姫「あら久しぶりね。仕事の都合でちょっとね」

真姫「貴方の噂も聞いているわよ。御前試合で優勝ですってね、凄いわ」

海未「恥ずかしながら前日に食べたご飯が美味しく、いつも以上の力が出せたようです」

真姫「その噂も聞いたわ。今じゃ予約いっぱいで数年待ちらしいわね」

海未「本当に美味しいので一度食べてみてください。今度持って行きます」

真姫「楽しみにしてるわ。それじゃ悪いけどこれで失礼するわね、寝不足で倒れそうなの」

海未「呼び止めてしまいすいません、それではまた顔を見せに行きますね」

真姫「謝る事は無いわよ。それじゃまたね」

にこ「やっと掃除が終わったわ…三日もかかるとかどんだけ汚せば気が済むのよ」

にこ「でもこんな事で立派なお屋敷が手に入ったんだから安いもんよね」

にこ「冷蔵庫にも見たこと無い食材がいっぱいだったし飢える事も無いわ」

にこ「それにしてもこの黒い魚卵美味しいわね」

にこ「露西亜産って書いてあるから最初腐ってるのかと思ったけど食べて正解だったわ」

にこ「地下にあったロマネエとかチャテアウとかって葡萄ジュースもいけるわね」

にこ「あーこんな幸せな生活が送れるなんてあの巨乳女神様様よね」


ガチャ タダイマー

にこ「え?」

真姫「あれ?出かける前より少し綺麗になったかしら?」

にこ「ちょ、ちょっとあんた何で帰ってきてるのよ!?」

真姫「私の家に帰ってきて何が悪いのよ、ってかあなたまだいたの?」

にこ「台本だと帰って来ない事になってるんだから!」

真姫「いや、他人に家を預けて帰って来ない人の方がおかしいから」

にこ「ごもっともです」

真姫「アルパカは返すし、私はもう寝るから帰ってくれない?」

にこ「け、結局頑張って掃除しただけで追い出されるのね…」

真姫「あれ……そのテーブルに置いてある物ってまさか…」ワナワナ

にこ「これ?美味しく頂いてるわよ」

真姫「私は家は使って良いって言ったけど勝手に飲み食いまでして良いなんて言ってないんですけど…」

にこ「何よ金持ちの癖にセコイのね。弁償しろっていうの?」

真姫「そうね…だいたいこのくらいの値段かしら」カキカキ

にこ「えっと、一・十・百・千・万・十万・ひゃ……これ桁2つくらいおかしくない?」

真姫「それ、そこに転がってる瓶一本分の値段だから。あなたいったい何本開けたのかしらね?」

にこ「」

真姫「最近お手伝いさんが辞めて大変だったのよねぇ」

真姫「これはお土産、最近大人気の呉服店で売っていた冥土っていう給仕服よ」

真姫「何十年かかってでもちゃんと返して貰うから」

真姫「これからよろしくね♪」

にこ「」



にこにー立派なお屋敷で一生幸せに暮らしましたとさ

めでたしめでたし

馬の代わりに家なんて貰えねぇよって考えで作りました

最後に海未だけ出したのは出さずに上手く絡める方法が思い浮かばなかったから
相変わらず閉めは雑だけど許して欲しい

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