幼馴染「男君、好き!」 男「僕、幼ちゃんの事大好き!」(119)

幼「私の方が大好きだよ!」
ピトッ

男「いやいやー、僕の方が大好きだよっ」
ぎゅっ

幼「わわっ!」

男「へへ…僕の勝ち?」

幼「…男君、ズルい!」
ぎゅうっ

幼「…でもやっぱり、私の方が好きだもん!」

男「んー、じゃあさ」

幼「何?」

男「同じで良いんじゃない?」

幼「同じ?」

男「僕は世界で一番幼ちゃんの事好きだよ?」

幼「私は宇宙一好きだもん!」

男「って言ってたら、キリが無いからさー」

男「お互い同じくらい好きって事で良いんじゃない?」

幼「…それもそうだね!男君と同じで良いやっ!」
ぎゅうっ

幼「…同じが良いや!」

幼「男君ってあったかいねー」
ぎゅー

男「幼ちゃんの方があったかいよー」
ぎゅうっ

幼「じゃあ、これも同じ?」

男「うん、同じ!」

幼「えへへ…同じってなんだか、嬉しいね!」

男「そうだね!」

男「そろそろ帰ろうか?」

幼「そうだねー」

男「日が落ちるの早くなってきてるからね」

幼「最近、夜はちょっと冷えるよね」

男「手を繋いでいれば、大丈夫だよ」
ぎゅっ

幼「そうだね。あったかいね」
ぎゅっ

男「そうそう、ちょっと早いけど、昨日おこたを出したよ」

幼「ホントに?」

男「ウチの父さんが、今年は早めに出そうって言い出してね」

男「まぁ父さんは今日から出張で、家に居ないんだけどね」

幼「…帰り、男君の家に行っても良い?」

男「もちろん大歓迎だよ!」

幼「えへへー。私、男君のウチのおこた大好きー」

男「ウチのおこた、でっかいからねー」

幼「うん!ウチのは小さいから…」

男「父さんのこだわりの一品だからね」

幼「長方形だから寝っ転がれるもんね」

男「それじゃ、早く帰って、おこたに入ろう!」

幼「うん!」



幼「あー、おこたって世界一幸せな電化製品じゃないかなー」

男「世界一?」

幼「だって、こんなに…こんなに…」

幼「あったかヌクヌクで…」

幼「男君の傍に居られて…」
ピトッ

幼「これ以上の幸せって無いんじゃないかな?」

男「確かに超幸せだねー」

幼「まぁ、私は男君と一緒に居るだけで100%幸せなんだけどね」
ぎゅっ

男「わっと…不意打ちズルいよ、幼ちゃん」

幼「えへへ、さっきのお返し!」
ぎゅーっ

男「お返しのお返しっ」
ぎゅぎゅー

幼「お返しのお返しのお返しーっ」
ぎゅーーーーっ

男「ま、まいった!幼ちゃん、ギブアップ!」

幼「えっへっへ。私の勝ちねー」

男「ふぅ…幼ちゃんには敵わないよ」

男「テレビでも見る?」

幼「んー…今、ニュースしかやってないよね?」

男「じゃ、ゲームでもやる?」

幼「それじゃあ、久しぶりにオセロやらない?」

男「うん!それじゃ部屋から取ってくるね」

幼「うん」

幼「…」

幼「おこた、あったかいなー」

幼「やっぱり私、おこた好きだなー」

幼「ウチのおこたもこれくらい大きければなー」

幼「…」

幼「違うか」

幼「男君の家のおこただから、好きなんだ」

幼「そっかそっか、うんうん」

幼「…」

幼「…」ソワソワ

幼「まだかなー?」

男「はい、お待たせ、それじゃやろっか」

幼「待ってたよー。早くやろっ」



幼「…男君、やっぱり強いね」

幼「4隅は取ったのに、負けちゃった…」

男「幼ちゃん、もっと全体を見ないとね」

幼「隅を取る事に必死で…えへへ」

男「もう一回やる?」

幼「うーん…ちょっと休憩しよー」

男「オッケー」

幼「ね、ミカンの皮むいても良い?」

男「うん。幼ちゃん、ミカンの皮むき上手だよね」

幼「えへへ、褒めても、ミカンしか出ないよー」

男「僕は白いのついたまま食べちゃうから」

幼「だから私が男君の分もむいてあげる!」

男「よろしくお願いします!」

15分経過

幼「…」ムキムキ

男「幼ちゃん?むきおわったミカン食べて良い?」

幼「…」ムキムキ

男(真剣にミカンの皮むいてる幼ちゃん、可愛いなぁ)

幼「…」ムキムキ

男「ふぁぁ…」

男(眠くなってきちゃったな…)

30分経過

幼「ふぅ…我ながら良く出来た!」

幼「男君、ほら、3個もむけたよ!」

男「…」スースー

幼「あっ…寝ちゃったのか…」

幼「…」ソワソワ

幼「じゃあ私も…」

1時間経過

男「…んぁ…寝てた…」

幼「…」スースー

男「あ、幼ちゃんも寝てる…」

男「もう…しばらくこのままでいいか…」

男「…」スースー

さらに1時間経過

男の母「…」

母「こたつの上に綺麗にむかれたミカンが3個」

母「そして腕枕して寝ている我が息子と、幼ちゃん」

母「…ふふっ。幸せそうに寝ちゃって」

母「起こしちゃうのは忍びないけど…」

母「幼ちゃん、起きて」
ユサユサ

幼「ん…」

母「いらっしゃい、幼ちゃん」

幼「あ、おばさん、こんにちは…お邪魔してます」

母「今から晩御飯の準備するんだけど」

母「一緒にやる?」

幼「や、やりますっ!」

男「う…ん」


母「しーっ。起こさないようにね」

幼「はい」



母「そう、包丁を使う時は猫の手ね」

幼「はいっ」

母「ゆっくりで良いからね」

幼「猫の手でゆっくり…」
サクッサクッ

母「そうそう、上手よ」

幼「ありがとうございますっ」

母「絶対によそ見しちゃ駄目よ?」

幼「はいっ」
サクッサクッサクッ

幼「…ふぅ、切り終わりました」

母「だいぶ上手になったわね」

幼「でもおばさんみたいにパパッとはまだ…」

母「やり続けてれば、出来る様になるから」

母「焦らずに、ね?」

幼「はい!」



幼「男君、起きてー」
ユサユサ

男「ん…お早う…幼ちゃん…あれ?今って朝?」

幼「違うよー、まだ夜だよ」

幼「おばさんが晩御飯だって」

男「あー、晩御飯かー」

男「あ…ミカン、皮むいたままだったね」

幼「そう言えば、そうだったね」

幼「これは食後のデザートね!」

男「うんっ!それじゃ御飯食べよう」

幼「美味しそうだったよ」

男「この匂いは…ハンバーグ?」

幼「うん、多分そうだよ」



男「母さんが作ったハンバーグが世界一美味しいと思う」

幼「本当に美味しいよねっ」

男母「ふふっ、2人とも、どうもありがとう」

幼(私もお手伝いしたけど、これは内緒…)

幼(いつか、男君に手作りの料理を食べて貰って)

幼(『私が一人で作った!』って言って、ビックリさせたいから…)

幼(その時、男君は美味しいって言ってくれるかな…)

幼(言って貰えるように、頑張ろう!)

男母「幼ちゃん、今日は泊まって行く?」

幼「えーっと…」

男「泊まって行きなよ!明日お休みなんだし」

幼「それじゃ、お世話になります」

男母「それじゃ、男、お布団の準備よろしくね」

男「速攻で準備するよ」

幼「私、一度家に帰って両親に言って来ます」



幼「だからね…シチューは…御飯にかけて…食べるのが…」

男「幼ちゃん、ひょっとしてもう眠い?」

幼「…うん、ちょっと眠いかも」

男「じゃあ今日はもう寝ちゃおう」

幼「…そうだね」

男「明日早起きして、どこかにお出掛けしようよ」

幼「お出掛け!?」

男「うん、せっかくのお休みだしね」

幼「賛成!賛成!」

男「じゃ、決まりね!」

幼「そ、そうと決まれば、早く寝ようよ、男君っ!」

男「うん。それじゃ、電気消すよー」
パチッ

幼「お休み、男君」

男「お休み、幼ちゃん」

幼「ね、明日、どこに行く?」

男「うーん…いつもの公園とかじゃ代わり映えしないし」

幼「それじゃ隣町まで行かない?」

男「良いね!それじゃ、映画でも観に行く?」

幼「映画!最近観に行ってないもんね!行こう行こう!」

男「それじゃ、2人で映画に決定ね」

幼「そ、そうと決まれば、早く寝よう!」

男「うん!」



幼「…男君、寝た?」

男「ううん、まだ寝てないよ」

幼「ね、明日、何観よっか?」

男「うーん、一つ観たい映画があるんだけど…」

幼「私も!私も一つ、観たいのがあるんだよ」

男「じゃあ同時に言ってみる?」

幼「うん!それじゃ、せーのでね」

男・幼「せーのっ」

男・幼「ダイ・ハード4!」

男・幼「…」

幼「えへへ、同じだったね!」

男「そうだね、やっぱり同じだと嬉しいね?」

幼「うん、嬉しい!」

男「楽しみだね?」

幼「うんっ」

男「それじゃ、今度こそ寝ようかー」

幼「そうだね、寝ないとね」

男・幼「お休み」

男・幼「…」

男「また同じだったね」

幼「嬉しいね!」

男「なんかテンション上がっちゃうね!」

幼「そうだね!」

男「でもちゃんと寝ないと、明日のお出掛けが…」

幼「そ、そうだよね。早い時間からお出掛けしたいもんね」

男「だから今度こそ、お休み」

幼「うん、お休みなさい」

男「うん」



深夜

幼「…う…ん」

幼「トイレ…」
フラフラ…

男「…」スースー



フラフラ
幼「…ちょっと寒い」
ゴソゴソ
ぎゅっ

幼「あったかい…」

幼「…」スースー




男「ん…ん?」

幼「…」スースー

男「幼ちゃん、起きて、幼ちゃん」
ユサユサ

幼「ん…あー、お早う、男君…」

男「幼ちゃん、また僕の布団に入ってるよ」

幼「あー…」ボー

幼「あっ!」
バサッ

幼「私、また男君の布団に潜り込んじゃった…」

幼「ごめんね?」

男「ううん。夜ちょっと寒かったし」

男「幼ちゃんと一緒の布団で寝れて、あったかかったし」

男「ね?」

幼「うん!」



男「それじゃ、行こう!」

幼「うんっ!映画楽しみっ!」

男母「気をつけて行って来なさいね」

男・幼「はい!」

男母「お昼御飯は外で食べて来なさいねー」

男「了解ー」

男「幼ちゃん、迷子にならないように、手を繋ごうよ」

幼「ふふっ。幼稚園児じゃないんだから」

男「幼稚園児じゃないけど、繋ごうよ」

幼「うん」
ぎゅっ

幼「大人っぽく、腕を組んでみる?」

男「うーん…それはちょっと恥ずかしいかも」

幼「そうだよね、私たちにはまだちょっと早いよね」




男「はーっ、映画面白かったね!」

幼「うんっ!観に来て良かったね!」

男「今度dvdを見直そう!」

幼「私も思った!前のやつ見たくなっちゃった」

幼「そうだ!今日は男君が私の家にお泊りってどう?」

男「え?」

幼「お父さんがダイハードのdvd持ってるから」

男「あ、そうか。おじさん持ってたよね」

幼「2人で見ようよ!」

男「うん!1から3まで全部見よう!」

幼「やー!賛成ー!」

男「僕が幼ちゃんの家にお泊りは久しぶりだよねー」

幼「うん。去年の冬以来だよ」

男「それじゃ、お昼御飯食べて、買い物して帰ろう」

幼「買い物?」

男「映画のお供と言えば?」

幼「ポップコーン!」

男「それとコーラを買って帰ろうよ」

幼「うんっ!」

男「お昼は何を食べようか?」

幼「えっと…スパゲティが食べたいかも」

男「あ、確かここの駅ビルにあるよね」

幼「うん、美味しいってウチのお母さんが言ってたんだー」

男「それじゃ、そこに行こう!」

幼「おー!」



男「このカルボナーラ美味しい!」

幼「こっちのキノコとベーコンの和風パスタも美味しいよ!」

男・幼「…」

男「一口…」

幼「うんっ」
カチャカチャ

幼「はい、あーん」

男「あーんっと」
モグモグ
男「ん!美味しい!」

幼「でしょ?ウチのお母さんのオススメなんだよ」

男「それじゃお返し」
カチャカチャ

男「はい、幼ちゃん」

幼「あーんっ」
モグモグ

幼「カルボナーラも美味しいね!」

男「うん!どっちも美味しいね」

男・幼「えへへ」

幼「もう一口欲しいなー」

男「はい、喜んでー」
カチャカチャ
男「はいっ」

幼「ぱくっと」
モグモグ

幼「それじゃお返しー」
カチャカチャ

男「ありがとっ」
モグモグ

男・幼「美味しいね」

男・幼「…」

男「また同じだったね」

幼「嬉しいね!楽しいね!」

男「うん!」



男「買い物は家の近くのコンビニで良いかな?」

幼「あ!買い物と言えば…」

男「うん?」

幼「私ちょっと靴下を買いたいかも」

男「それじゃ靴下屋さんに行こう」

幼「うん!」

幼「付き合ってくれてありがとね」

男「気にしないで。せっかく隣町まで来たんだし」

男「ところで今日は幼ちゃんの靴下を買うの?」

幼「えへへ、実はお父さんのプレゼントなんだー」

男「そっか、おじさんそろそろ誕生日だっけ?」

幼「うん。来週なんだー」

幼「何が欲しい?って聞いたら、靴下って」

男「僕もおじさんに何かプレゼントしようかな?」

幼「え?いいよいいよ」

男「いつもお世話になってるし、感謝の気持ちだから」

男「うーんと…ハンカチとかどうかな?」

幼「いいの?」

男「うん、僕がそうしたいんだよ」

幼「ありがとね、男君っ」



男「良い買い物出来たねー」

幼「うん。お父さんも絶対喜ぶよ」

男「そうだと嬉しいなー」

幼「今日って、すっごく素敵な休日だねっ」

男「そうだねー」

幼「映画見て、食事して、買い物して…」

幼(あれ?これってデートじゃないかな?)

幼(…)

男「それじゃそろそろ帰ろうか」

幼「そ、そうだね。お菓子も買わなきゃだしね」

男「ん?どうかした?」

幼「あの…男君、ちょっとお願いがあるんだけど」

男「なになに?何でも聞くよ?」

幼「う、腕、組んでも良い?」

男「ん?い、良いけど…どうしたの急に」

幼「良く考えたら、2人だけでお出掛けって初めてじゃない?」

男「そう…かな?」

幼「いつもは他の友達も一緒に遊ぶけど」

幼「今日のお出掛けはデートかな…と思って」

男「デ、デート…そ、そうかな?」

幼「だから、その…ちょっと腕組んで歩いてみたいなーって」

幼「…ダメ?」

男「ぼ、僕は幼ちゃんのお願い事を断らないよ!」
ガシッ

幼「わわっ」

男「こ、こんな感じかな?」

幼「う、うん…こんな感じ…」

男・幼「…」

幼「やっぱりちょっと照れるね」

男「ちょこっとね」

男「でも…すっごくデートっぽくなったね!」

幼「うんっ」

男「それじゃ、帰ろうかー」

幼「うんっ!」

幼(やっぱり男君は優しいなー)

幼(男君の隣り、居心地が良いなー)

幼(私、男君の事、大好きだなー)



男「映画館ではキャラメルポップコーンだったから」

男「買って帰るのは普通ので良いよね?」

幼「うん、普通のポップコーンとコーラで!」

男「3まで全部見るなら、もうちょっとお菓子あった方が良いかな?」

幼「じゃあちょっと甘い物が良いなー」

男「それじゃスプーンで食べるロールケーキにしよう」

幼「いいねいいね!美味しいもんね」

男「それじゃ会計してくるね」

幼「私、外で待ってるね」

男「うん」


幼「はぁ…もう夕方か…楽しいと時間も早く感じるなー」

幼「ちょっぴり風が冷たいなぁ」
はーっ

男「お待たせー…ん?手、どうしたの?」

幼「あ、ううん。何でもないよ」

男「ちょっと冷えて来たね」
ぎゅっ

幼「あっ」

男「家までは手を繋いで帰ろうよ」

男「その…今日はデートなんだから」

幼「私たち、デートじゃなくても普段から手は繋いでるけどね」

男「それもそうだね、ふふっ」
ぎゅっ

幼「それじゃー、帰ってdvd観よー!」

男「おー!」



ダイ・ハード
男「マクレーン!そいつがハンスだー!」

幼「騙されないでー!」


ダイ・ハード2
男「マクレーン!そいつらも犯人だー!」

幼「気付いてー!」


ダイ・ハード3
男「マクレーン!犯人の目的は金塊だー!」

幼「ゼウス、気をつけてー!」



男「はぁっ…面白かったねー」

幼「こうして見ると、ブルース・ウィリスって歳取ったよね」

男「4では完全に坊主だったもんね」

幼「ふふふっ、やっぱり髪の毛気になるよね?」

男「1ではふっさふさだもんね」

幼「でも、1が公開されたのって、私たちが生まれる前だよ」

幼「なのにまだアクション映画に出続けてるって凄いよね!」

男「そうだよね…僕もブルースみたいなおじさんになりたいなー」

幼「男君はきっとハゲないと思うなー」

男「そうかな?」

幼「だって、男君のおじいちゃんもお父さんもハゲじゃないし」

男「うーん…僕はハゲても良いんだけどね」

幼「まぁ、うん…」

幼(どんなおじさんになっても、きっと私は…)

幼の母「二人とも、そろそろ寝ないと明日きついんじゃない?」

男「あ!もう11時…そろそろ寝ないと」

幼「それじゃ、部屋に行こうよ」

幼母「その前に、ちゃんと歯を磨いてからね?」

男・幼「はーい」



男「幼ちゃんの部屋で寝るの本当に久しぶりー」

幼「本当に1年ぶりくらいだよね」

男「この布団の匂いも久しぶりー」クンクン

男「幼ちゃんの家の匂いがする」

幼「男君の家のお布団も、男君の家の匂いがするよ」

幼「ウチの匂いはどんな匂いかなー?」
バフッ

男「わっ…幼ちゃん、いきなりダイブは危ないからやめてよー」

幼「えへへ。ごめんごめん」クンクン

幼「…自分の家の匂いはよく解んないやー」

男「お日様の匂いだよ」

幼「干したお布団は全部お日様の匂いじゃない?」

男「そうだけど…この布団は幼ちゃんの家の独特の匂いだよー」

幼「えっと…ひょとして臭い?」

男「すっごく良い匂いだよ」

幼「…良かった」

幼「それならもっとお泊りに来れば良いと思うよ?」

男「うん、考えておくよ」

幼「それじゃ、そろそろ寝よっか」

男「そうだね、明日学校だもんね」

幼「それじゃ、お休みなさい」

男「お休み、幼ちゃん」



深夜

男「…」スースー

幼「…」
ゴソゴソ
ぎゅっ

幼「…やっぱりあったかい」

幼「…」スースー



幼母「…この歳で同じ布団で寝るってどうなのかしら」

幼母「まぁ、幸せそうな顔で寝ちゃって」

幼母「…でもそろそろ起こさなきゃね」

幼母「ほら、二人とも、起きて」
ユサユサ

男「…あ…お早うございます、おばさん」

幼「…」スースー

男「幼ちゃん、朝だよ、起きて」
ユサユサ

幼母「幼、ちゃんと起きなさい」

幼「…ん…あー、お早う、男君、お母さん」

幼母「また男君の布団に潜り込んで…」

幼「あったかいから…つい…」

幼母「とにかく、朝ごはん出来てるからね」

男・幼「はーい」



幼「それじゃ、お母さん、行ってきまーす」

男「お世話になりましたー」

幼母「行ってらっしゃい、二人とも、気をつけてね」

男・幼「はいっ」

男「今日の家庭科の時間、料理だよね」

幼「生姜焼きと豚汁だよね」

男「生姜焼き…美味しいよねぇ」

幼「上手に作れればね」

男「きっと美味しく出来るよ!」

幼「そう…かな?」

男「絶対!大丈夫だよ!」

幼「わかった!私、頑張るよ!」



幼「…」
サクッサクッ

女子a「わー、幼ちゃん、上手だねー」

女子b「私、上手に切れないんだけど…どうすれば良いの?」

幼「えっとね、左手は猫の手で、ゆっくり切るんだよ」

女子b「えっと…こう?」
サクッ

幼「そうそう、ゆっくりだよ」

女子b「うん!」



男「ん…」
モグモグ

幼「…どう?」

男「美味しい!」

幼「本当に?」

男子a「確かに美味しいよな!これ」
モグモグ

男子b「そうだな!」
モグモグ

女子b「幼ちゃんが凄く頑張ったんだよ」

女子a「凄く手際も良いし、幼ちゃん凄いよね」

女子b「教えるのも上手だしね」

幼「そ、そんな事無いよ」

男子b「サラダと豚汁は男が頑張ったんだぜ」

男子a「男、人参の皮剥くの上手だったし」

男「ウチ、母さんが喫茶店の厨房で働いててさ」

男「たまーに料理教えて貰ってるから」

女子a「2人とも凄いねー」

男「僕は凄くないけど、幼ちゃんは凄いね」

男「料理、上手だったんだね」

男「ふふっ、長いこと一緒に居るのに、知らなかったよ」

幼「えへへ…まぁ、女の子ですから、少しはね」



男・幼「ご馳走様でした」

女子a・b「ご馳走様でした」

男子b「美味かったー」

男子a「あー、マジで幼ちゃんの作った生姜焼き美味しかった!」

男子a「おかわり欲しいくらい!」

女子a「残念ながら、おかわりはありません」

男子a「こ、これ、幼ちゃんがお嫁さんになってくれたらー」

男子a「毎日食べられるのかなー」

幼「えっ?」

男子a「幼ちゃん、俺と結婚しない?」

幼「あ、あの…」

男「…」

女子a「ちょっと!アンタ、空気読まなさすぎでしょ」

男子a「何だよ、良いだろ別に」

幼「ご、ごめんね、男子a君」

幼「私、好きな人が居るから…」

男子a「…じ、冗談だよ、本気にしてばっかじゃねーの!」

幼「あぅ…」

女子b「男子a!今のは酷いよ!」

男子a「うっせー!」
タッタッタ

女子a「待ちなさい!後片付けまだでしょ!」

男子b「俺、捕まえてくる!」
タッタッタ



担任「それでは皆さん、そろそろ後片付けに入って下さーい」

女子a「…あの2人、戻って来ないね」

幼「あの…女子aちゃん、女子bちゃん、お願いがあるの」

女子b「なぁに?」

幼「授業が終わる前に、あの2人を探してきて欲しいの」

幼「私、一応班長だし…このままだと2人が怒られちゃうし」

女子a「でも後片付けが…」

男「片付けは僕と幼ちゃんの2人でやっておくよ」

女子b「え?2人で大丈夫なの?」

幼「うん。私たち、後片付けは得意なタイプだから」

女子a「それじゃ、アイツらを探してくるね」

幼「お願いね」

女子a「まっかせといて!」
タッタッタ

男「それじゃ、ぱぱっと片付けちゃおうか、幼ちゃん」

幼「うん、やっちゃおう!」

幼「私が洗っちゃうから、男君は布巾で拭いてってね」

男「了解!僕、食器拭くの得意だよ」

幼「それじゃ、行くよー」

男「おー!」

カチャカチャキュッキュッジャー
幼「はいっ、男君」

男「はい」
キュッキュッカチャッ

幼「ふんふーふんふー♪」
カチャカチャ

男「ふふっ。それって、あれだよね」
キュッキュッカチャッ

幼「ん?」

男「ダイ・ハードで使われてた曲」

男「歓喜の歌だっけ?」

幼「曲名は知らないけど、そう」

幼「なんか、食器洗いしてると、自然と鼻歌が出ちゃうの」

幼「昨日聞いたから、耳に残っちゃって」

男「あー、そう言う事あるよね」

幼「ふふふ、コレ、伝染るよ?」

男「うん、もうすでに頭の中は歓喜の歌で一杯だよ」

男・幼「~♪~~♪」

幼「こうしてると、後片付けも楽しいねっ」

男「うん!」

幼「あ…男君、ちょっとだけしゃがんで」

男「ん?これくらい?」

幼「そう…ちょっと動かないでね」


ちゅっ

男「なっ…えっ?幼ちゃん?」

幼「えっと…あごの所にご飯粒が付いてたんだけど」

幼「私、今両手が塞がってるから」

幼「口で取っちゃった」

男「言ってくれたら、自分で取ったのに」

幼「私が取ってあげたかったの、えへへ」

幼「…嫌だった?」

男「全然嫌じゃないけど、びっくりしちゃったよ」

男「…へへへ」

男(あごだけど…ちゅーされちゃった…)

幼「…えへへ」

幼(勢いで、初めてちゅーしちゃった…あごだけど)

男「…片付け、続けようか」

幼「そ、そうだね」




男子a「………」



次の日の朝

男「おはようー」

幼「おはよう、男子b君」

男子b「男、幼ちゃん、おはよう」

男子b「ところで…昨日、2人でちゅーしたのか?」

男「え?」

男子b「なんか男子aがみんなに言いふらしてるぞ」

男子b「で?マジなんかー?」

男「ちゅーしたって言うか…その…」

男子a「してただろ!家庭科の時間!」

男「あ、男子a…おはよう」

男子a「誤魔化されないぞ!俺、見てたし!」

男「えっと…幼ちゃんが僕に付いてたご飯粒を取ってくれたんだけど…」

男子a「口でだろ!ちゅーしてただろ!」

男「えっと…」

幼「あの…私がやった事だから…男君を責めないで…」

女子a「男子a!なんでアンタがそんな事言うのよ!」

女子b「そうよ!別に良いでしょ!」

女子a「好きな人とちゅーするくらい普通でしょ!」

男子a「う…なんだよっ!俺が悪いみたいに言うなっ!」

男子a「悪いのはちゅーしてた男と幼ちゃんだろ!」


担任「ちょっと、何の騒ぎなの?」

男子a「あ!先生!昨日、男君と幼さんがちゅーしてました!」

女子b「好きな人とちゅーして何が悪いの!?」

男子a「汚いだろ!」

女子b「なんで汚いのよ!意味解んない!」

男子a「他人のつばは汚いって家の母さんが言ってたぞ!」

女子a「そんな訳ないでしょ!ばっかじゃないの!」

男・幼「…」

男子a「先生!こんなの良いんですか?」

担任「幼さんと男君、放課後職員室に来なさい」

幼「…」

担任「ちゅーした事は別にして、ちょっと話しがあるから」

担任「ちゃんと職員室に来てね?」

男・幼「…はい」

担任「みんな、この件はこれでおしまい!」

担任「騒がないようにね。男子a君も」

男子a「……」

担任「ね?」

男子a「…はい」



放課後

幼「先生に怒られちゃう…かな?」

男「手を握っていれば、大丈夫だよ」
ぎゅっ

幼「そ、そうだね」
ぎゅっ

男「じゃあ行こう!」

幼「うんっ!」
ガラッ

男「先生、来ました」

担任「うん、ちょっとこっちに…」

幼「あの…すみませんでした、先生」

幼「私があんな事したせいで…」

幼「悪いのは私なんで、男君を叱らないで下さい」

男「幼ちゃんは、僕のあごに付いてたご飯粒を取ってくれただけです」

男「僕が悪いんで、幼ちゃんを叱らないで下さい」

担任「…まずはその繋いでいる手を放しなさい」

男・幼「…」
パッ

担任「男の子と女の子が、そんなにベタベタしてちゃいけません」

担任「もうそんな年でも無いでしょう?」

男「でも先生、好きな人同士は一緒に居るものですよね?」

幼「そうです!ウチのお母さんも言ってました!」

男「僕、幼ちゃんの事が大好きなんで、ずっと一緒に居たいです!」

幼「私もです!それは駄目な事なんですか?」

担任「人の事を好きになるのは悪い事じゃないわ」

担任「とっても素晴らしい事よ」

担任「でも今日みたいな事があったら困るでしょう?」

担任「あなたたちはベタベタし過ぎなの」

担任「何でも、やりすぎはいけない事なの」

男・幼「…」ショボン

担任(とは言え、助け舟も出さないと…)

担任「だからね、2人とも」

男・幼「はい…」

担任「んー、そうね」

担任「20歳まで、ベタベタするの我慢しなさい」

男「20歳まで?」

幼「そ、それまで男君としゃべっちゃダメなんですか?」

担任「そうでは無いわ」

担任「ただ、今までみたいにずーっとベッタリするのは禁止」

幼「ベッタリしなければ、男君と一緒に居ていいんですね?」

担任「そうね。一緒に居る事は悪くないし、駄目じゃないわ」

担任「高校も卒業して、20歳になってからなら」

担任「誰にも何も言われないと思うわ」

担任「20歳になれば、自分達の意思で結婚も出来るしね」

幼「結婚…」

幼「…わかりました!そうします!」

男「幼ちゃん…良いの?」

幼「私、男君の事、本当に本当に好きだから」

幼「明日から20歳になるまで絶対に我慢する!」

男「幼ちゃんがそう言うなら、僕も…我慢する」

担任「うん、解ってくれたみたいで、先生も嬉しいわ」

担任「それじゃ、気をつけて帰りなさい」

男・幼「はい!」



幼「明日から、ベタベタしないって事は…」

幼「今日はセーフだよね?」

男「先生も見てないし、セーフだよ!」

幼「手、繋いでも良い?」

男「もちろん!」
ぎゅっ

幼「男君の手、やっぱりあったかいね」
ぎゅっ

男「幼ちゃんの手もね」
ぎゅうっ

男・幼「…」

幼「ベタベタしないってどうすれば良いんだろ…」

男「こうやって手を繋ぐのも、ダメ…なんだろうね」

幼「…うん」

男「でも、一緒に居るのはダメじゃないから」

男「僕はいつでも幼ちゃんの隣りに居るからね!」

幼「うん!」

幼「20歳って随分先の事だけど…」

幼「20歳になったら…その時は…ね」

男「うん!」

幼「…取り敢えず、明日からはベタベタしないって、約束ね!」

男「うん!約束!」



幼「…と言う訳なんだけど」

幼の姉「ふむふむ」

幼「私、明日からどうすれば良いと思う?」

姉「うーん…無視…は違うよね」

幼「男君の事、無視なんて出来ないよぉ…」

姉「一緒に居て、ベッタリしない…」

姉「そだ!いっそ、ツンツンしてみるって言うのはどうかな?」

幼「ツンツン?」

姉「そう。幼ちゃんが男君の傍を離れるなんて出来ないんだから」

姉「ツンとした態度で接してみるの」

幼「例えばどんな?」

姉「そうねぇ、例えば…」



次の日の朝

幼「さ、さっさと起きなさいよ、男っ」
ユサユサ

男「ん…あ、幼ちゃん、お早うー」

男「起こしてくれてありがとう」

幼「べ、別にお礼なんていいわよ」

幼「おばさんに頼まれて、仕方なく起こしに来たんだから」

男「幼ちゃん?」

幼「今日から私、男君の事、男…って呼び捨てにするから!」

男「えっ?どうしたの?」

幼「うぅ…その…ベッタリしない様にする為に…」

男「なるほど、そっか、わかったよ、幼ちゃん」

幼「私の事も、幼って呼び捨てにして!」

男「え?僕も?」

幼「呼び方から変えて行った方が…」

幼「…その…大人っぽくした方が良いかなって…」

男「解ったよ、お、幼………ちゃん」

男・幼「…」

幼「と、とにかく今日からは、私ツンツンした態度で男君とお話しするからね!」

幼「でもずっと男君の傍に居るからね?いい?」

男(男君って呼んだ事に気付いてない幼ちゃん、可愛いなぁ)

男(僕、やっぱり幼ちゃんの事、大好きだなぁ)

男(幼ちゃんがやりたいようにやって、僕はそれに付き合おうっと)

ツン幼「わ、解ったの?」

男「うん、解ったよ、幼………ちゃん」



保育園の頃から仲良しで、いつも隣りに居るのが当たり前で、お互いいつまでも一緒に居ると思ってたけど、小5の頃、ベタベタがあまりにも度が過ぎている事を担任に怒られてしまい、20歳になったら結婚する約束をして、距離を置く為にツンツンした態度を取るようになったけど、高校3年の夏、ついに我慢出来なくなって男女として付き合う事になったけど、今度は男の事が好き過ぎて、軽くヤンでしまったりしたけど、男の優しさと真剣さで、更に男の事を好きになってデレデレした態度に戻り、お互いの両親を説得して男の18歳の誕生日に結婚する事になり、それを証明する為、クラス全員の前でキスしたら、担任に見られてしまい、停学3日というペナルティを食らってしまいちょっと凹んだが、もう誰はばかる事無く男とラブラブ出来る事に気付き、テンションが最っ高にハイになっちゃったスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルデレデレになった幼馴染「と言う事が、小5の時にあってね」

幼友「前置き長いし!」

ハイデレ幼「あなたが聞きたいって言ったんじゃないの」



おわり

これで終わりです
最後まで読んで貰えたら嬉しいです

このssは
ツン幼馴染「はぁ?」男「いや、だから…」
ツン幼馴染「はぁ?」男「いや、だから…」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1339339850.html)

デレた幼馴染「男、大好きよ」 男「うん」
デレた幼馴染「男、大好きよ」 男「うん」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1359243022/)
の、前日談でした

甘甘のやつを書こうと試みたんですが、ちょっと…
やっぱ師匠には敵わないっす

次のスレは
幼馴染「バレンタインのお返しに」
ってタイトルで立てると思います
けど、ホワイトデーには間に合わないかも

では。


>>1
久しぶり乙

>>113 >>114
あれじゃない
最近甘~い幼馴染みssばっか書いてる人
このssも甘いなと思いながら読んだけど
あの人のと比べるとあんまり甘くない気がする不思議
まぁひょっとしたら>>1にはなんらかの師匠がいるのかもしれんけど

>>115
その通り。
あの人の書く甘甘イチャラブ幼馴染ssには遠く及ばないっていうか
だから勝手に甘ラブ師匠って呼んでるだけでした

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