春香「はい、そうなんです」
伊織「別にあんなの寄付すればいいんでしょ、被る必要無いわ」
春香「でもALSという病気を今回これで知りました。
この難病に対する認知と支援のため、私も寄付させていただきたいと思います」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408895225
P「ふむ…」チラッ
小鳥「!」
P「つまりお前たちは寄付はするが氷水を被るつもりはないと」
伊織「まあそうね、支援のための寄付はやぶさかではないわ」
P「確かにあれには批判的な声もあるな」
小鳥「春香ちゃん、伊織ちゃん。はい、冷たい紅茶とオレンジジュース」
春香「あ、ありがとうございます!」
伊織「ん、ありがと小鳥」
P「だがお前らそもそもなんで氷水を被るか知っているのか?」
春香「え?えーと……」
伊織「パフォーマンスにしてもつまらないわよね」
P「アメリカのスポーツ界では氷水は祝福を意味する、アイスバケツチャレンジは元気を与えるという意味があるんだ」
伊織「……へー」チュゴゴゴゴ
P「」チラッ
小鳥「」グッ
春香「一応意味はあるんですね?」
P「ん、ああ……そしてルールとしては指名された人は氷水を被るか100ドル以上の寄付をするか
または両方行うかを24時間以内に表明する事になっているな」
春香「その様子を動画で撮ってSNSにアップして完了ですよね?」
伊織「悪趣味だわ、寄付するなら黙って寄付するだけでいいじゃない」
P「そこだ。そこが海外と日本の文化の違いだ」
P「海外ではこういった寄付文化が当たり前のように根付いている。有名人は節税対策で多少なりともみんな寄付している」
P「だからどこそこに寄付したって言うのは話題にもならないんだ」
P「だからこういったゲームにして話題にすることで病気の知名度もあげようってことなんだな」
伊織「じゃあますますこの国で真似することはないじゃない」
P「では聞くがさっき春香も言っていたがお前らALSって知っていたか?」
春香「うーん……確かに今回の件で知りましたけど」
P「こういった難病に対する理解というのは当事者や関係者じゃない限り難しい」
P「ただこういった病気もあるんだよって名前だけでも広がったことはいいことじゃないか?」
伊織「それにしたってただの売名行為じゃない」
小鳥「確かにネットではチャレンジしている人達のほうが叩かれているわね」
P「ま、政治家がパフォーマンスに使っているのはどうかとは思うがな」
P「アメリカ政府は高官達に対して禁止令を出しているくらいだ」
春香「それってなぜなんですか?」
P「政府として他の色々な難病に対しても支援しているのにALSだけ特別扱いされていると見られるのが問題有りと言う事だ」
伊織「コレ自体を非難してるわけじゃないのね」
P「米ALS協会は病気の認知度があがらず寄付も集まらなかったのがこんな形で話題になるとは感激と声明出しているしな」
P「とは言えアメリカでも日本でもALS協会が主導しているわけではないし、無理をしない範囲で支援してくれればとも言っている」
伊織「じゃあやっぱり氷水被る必要無いわね」
P「ところでお前らはなんだ?」
伊織「え?なんだって言われても……」
春香「アイドル……でいいですよね?」
P「ああアイドルだ。天海春香、水瀬伊織個人であると同時にアイドルだ」
P「お前たちがその年齢で自分自身を持って物事を判断し、寄付だけをしようと考える……」
P「それはとても素晴らしいことだと俺は思う、だが……」
P「同時にアイドルとしてはどうなんだ?」
伊織「アイドルは氷水被らなきゃダメだっていうの?」
春香「でも……さっき小鳥さんが言った通り被らない人のほうが好感度上がっているんですよね?」
P「ああ、『ネット』ではな」
P「ネットでは確かに武井壮さんや金城武さん、ダルビッシュ選手のような人のが株を上げている」
小鳥「海外ではチャーリー・シーンさんが札束浴びてそれを寄付すると表明したりしてますね」
P「じゃあ聞くがネットでこういう時に騒ぐ連中と、TVで見て知ったよって連中とどっちが母体が大きい?」
春香「え?」
P「そしてどっちがお前らにとってお金を落とす存在だ?」
伊織「な、なによそれ……」
P「ネイマール選手がチャレンジしたあとスニガ選手を指名したがあれを好感度目的と取るか粋な行為ととるか
それはその人次第だが、俺達の商売の相手になるのは後者だ」
P「身も蓋も無い言い方をするが俺達はそういうところで判断して行動しなければならない」
P「日本国民全員がネットに張り付いているかと言ったらそれは違うぞ」
春香「そ、そうかも知れませんけど……」
伊織「TVで取り上げてもらう目的なら寄付の表明だけでいいじゃない……」
春香「う、うん……金城武さんとかの映像もTVで見ましたし……」
伊織「あんたそんなに私達に氷水被ってほしいわけ?」
P「それにあのルール、払う余裕が無い人は氷水、お金がある人は寄付と言われているが本来の意図は違う」
P「脅しに屈せず氷水を被ってから寄付したからこれは善意の寄付ですよって事なんだ」
P「ただ100ドル払うだけっていうのは脅しに屈して払った善意の寄付ではないと捉えられるんだ」
伊織「そ、それはアメリカでの話でしょ……」(アレ……なんか……
春香「そ、そもそもプロデューサーさんってアイスバケツチャレンジにどう思っているんですか?」(オシッコしたく……
P「ん?こんなの偽善だろ」
春香「え?」
P「だが偽善でもなんでも何億ものお金が集まり、病名だけでも知れ渡ったんだ」
P「正論だろうが偽善だろうが世の中キレイ事じゃないってのが俺の考えだ」
P「確かに自分の信念に基づいて行動している人たちは素晴らしい事だと思う」
P「俺個人の考えとしてはそういう人たちのほうに好感を持っている」
春香「先程名前が上がったよう人たちですね?」
P「ああ、だが偽善だろうが騒ぎに乗じて行動している人たちも役には立っている」
P「俺は従姉妹にダウン症児が居たんだが、こういう流行的な支援を嫌う当事者もいれば喜ぶ人たちも居るのを目の当たりにしてきた」
P「だから俺は偽善をも否定する気はないね」
P「ところで一方俺はお祭り騒ぎが大好きだ」
P「そして世間はお前らが白いシャツを着て氷水を被るのを待っているんだ!」
伊織「で、アンタはそう言う理由で私達に氷水被って欲しいわけね……」モジモジ
春香「なんだかんだ長々と語っておいてそれが本音ですか……」モジモジ
伊織「世間じゃなくてアンタがみたいだけでしょうが!この変態!」
小鳥「白いTシャツと氷水とカメラの準備が出来たわよ!」
伊織「小鳥……アンタも大概よね……」モジモジ
春香「わ、わかりましたから……やるなら早くしましょう……」(早く済ませて早くおトイレに……
ガチャ
美希「ただいまなのー……暑いの……」
亜美「外暑~い!」
真美「ん?兄ちゃん達何してんの?」
P「ちょうどいい、今から春香と伊織がアイスバケツチャレンジするから手伝ってくれ」
亜美真美「「なになにー?面白そー!」」
小鳥「屋上に運びますよ!」
美希「えー……また外に出るの……?」
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春香「じゃ、早くやっちゃって下さい!」モジモジ
伊織「ちゃっちゃと済ませるわよ!」モジモジ
P「」チラッ
小鳥「」コクリ
小鳥「こういうこともあろうかと買っておいた私のSONYのFDR-AX100が火を噴くわ!」
美希「これってビデオカメラ?」
小鳥「そうよ!4K高画質でバッチリ撮影するわよ!」
春香「ネットに流すのにそんなカメラ必要なのかな……?
亜美「うっしっし~!じゃあはるるんいくよー!」
真美「いおりん準備はいい?」
伊織「早くして頂戴!」(早くしてトイレに……
亜美真美「「それー!」」バッシャーン!
春香「キャー!」
伊織「冷たっ!ちょっと!ホントに冷たい!」
春香「あ、足元が……氷で……」ドンガラガッシャーン
亜美真美「「あはははは!」」
伊織「笑い事じゃないわよ!」
春香「私達にこんなことさせたんだから……」
伊織「そうね……次はアンタがやりなさいよ!」
P「俺か?ああいいぞ……だが俺が浴びるのは氷水じゃない」
伊織「は?」
P「氷水のシャワーじゃなくお前らの黄金シャワーだ」
春香「……はい?」
伊織「何言ってんの!?この変態!ド変態!」
P「利尿剤の効果に氷水で冷えてそろそろ我慢の限界だろう?」
伊織「え?アンタまさか……」
春香「これってもしかして……」
小鳥「ふふふふふ……」
伊織「小鳥!アンタねえ!」
春香「なんかおかしいと思ったんですよ!」
亜美「うわぁ……」
真美「いくらなんでも……」
美希「ちょっとどころじゃなくドン引きなの……」
P「よし!さあお前ら!思う存分浴びせてくれ!」
小鳥「よっしゃあああ!私のFDR-AX100の本領発揮ィィィィ!」
P「カモーン!カァァァムヒァァァァ!ウヒョー!」
伊織「しないわよ馬鹿ァ!変態!変態!」ドゲシ!
春香「プロデューサーさん、最低ですっ!」ガッ!
P「ぬぐぉ!こ、これはこれで……」
小鳥「良い!良い前振り!さあ!ここから!一気に!」
ガチャ
律子「事務所に帰ってきて誰も居ないと思ったら……」
亜美「あ、律っちゃん!」
律子「春香……伊織……早くトイレに行きなさい」
春香「う、うん」
伊織「全く……なんなのよもう……!」
律子「プロデューサー……小鳥さん……仕事もしないで何をやっているんですか?」ゴゴゴゴゴ
P「あの……律子……」
小鳥「こ、これはですね……」
美希「あの手この手で春香と伊織のオシッコを浴びようとしてたみたいなの」
亜美「亜美達ハタ坊ダジョーを担がされたんだよー!」
真美「オシッコだけにジョーってね!」
律子「それを言うなら片棒ね……それで……」
律子「一部始終は見てましたがどういうことかもう一度キッチリ説明してもらいましょうか?」ゴゴゴゴゴ
P「あの……スンマセンっした」
小鳥「……ピヨ」
律子「言い訳無用!」
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千早「あのプロデューサー……アイスバケツチャレンジに指名されたのですが」
雪歩「私と千早ちゃんみたいなんですけど……」
P「!」チラッ
小鳥「!」
続かない
けどIF
春香「う、も……もうダメ……!」
伊織「で、出ちゃうッ!」
チョロッ…ジョ…ジョワー
P「ムホー!いおりんとはるるんの黄金シャワーマジ最高!」
小鳥「これが……4K解像度で残せる日が来るとは……!ありがとう!技術の進歩!」
真美「サイッテー……」
亜美「兄ちゃん気持ち悪い……」
P「ウヒョー!その目!その言葉!ありがとうございます!ありがとうございます!」
美希「デコちゃん……」
伊織「ううっ……なんなの……」
春香「サイテー……ホントにサイテーですね……」
P「ハア……ハア……思い残すことはもうない……」
伊織「ビデオにもこんな姿撮られて……私どうしたら……」
美希「」ガッ
ブン!ガシャン!
小鳥「ああ!私のFDR-AX100が!」
美希「春香、デコちゃん大丈夫。ビデオは壊したから」
伊織「美希……アンタ……」
美希「美希達も何も見なかった。ね?亜美、真美」
亜美「うん、そうだね」
真美「誰かさんがサイッテーなのだけは忘れないけど」
春香「亜美、真美……」
美希「そもそもこんな騒ぎ自体がおかしいの、ミキ達が躍らされることなんかないの」
亜美「ところでなんでこうなったの?」
春香「そ、それは……」
美希「ふーん……そこの人の口車に乗せられちゃったんだ」
伊織「そ!それは……まあ……」
美希「春香とデコちゃんの最初の考え通りで良かったんじゃないの?ってミキは思うな」
美希「寄付をしようとした二人の思いは良いと思うし立派だと思うけど……」
美希「最初に思った通り、するなら黙って寄付すればそれでいいんじゃないかなって」
伊織「そうよね……なんか押し切られて馬鹿みたい」
春香「こんなサイテーな人の言葉に押されてたなんて……」
P「い、言ったじゃないか……個人としては信念に基づいて行動している人たちの方が好感を持っている……と」
春香「で、プロデューサーさんの信念は私達のオシッコを浴びたい事だと……」
伊織「会話している様子もなかったのになんなの?アンタ達の連携は……」
真美「兄ちゃんとピヨちゃんはチャレンジしてる人たちよりサイッテーだね」
美希「さ、あんな人達ほっといてシャワー浴びに行くの」
亜美「でも最初に氷水で濡れてて良かったね」
伊織「良くないわよ!」
もう続かない
言いたいことは最後の美希が言ってくれた
このSSまとめへのコメント
海外は基本上から目線だから見習わないで良い
脅しに屈さず寄付したぞ!(涙目)