にこ「μ'sと学ぶ古典文法! 助動詞」 (44)

絵里「だーかーらー、基礎がなってないって言ってるの!」

にこ「何よ!? 基礎がなってなくても文章が理解できれぎゃああああああ!!」

希「わしわしわしわし!!」

にこ「ちょ、ギブ! わかった! わかったから!」

絵里「はぁ……ちゃんとやらないと、次のテストでもし10点満点の半分行かなかったら、1週間も放課後の講座にでなくちゃ行けないのよ?」

希「それがどれだけ、練習時間を割くか……わかっとるやんな?」

にこ「わ、分かってるわよぉ……まさかここで、助動詞に阻まれる日が来るなんて思わなかったわ……」

絵里「だから私達がわざわざ教えてあげてるんじゃない」

にこ「本当助かるわ。後でにこのお気に入りの写真、こっそり見せたげる」

絵里「それはいいわ」

にこ「何よ。じゃあチョコあげるわ」

絵里「ありがとう」

希「ウチにはなんにもないの?」

にこ「あ、アンタにもチョコでいいでしょ?」

希「ウチ、今しょっぱいもの食べたいな」

にこ「あ"ー!! イライラするわぁ!!」

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絵里「気を取り直して、行くわよ。助動詞は[その前の動詞の働きを助けるもの]です」

希「まあ、字から想像できるよね」

にこ「そうね……それで、その動詞の[活用形]によって、つく助動詞だったり、形が変化するんでしょ?」

絵里「その辺は大丈夫みたいね……じゃあ、一気に覚えましょうか?」

にこ「え?」

希「一気におぼえられるんよ。勢いつければね」

『未然形接続の助動詞
 「る」「らる」「す」「さす」「しむ」「ずじ」「む」「むず」「まほし」「まし」

連用形接続の助動詞
 「けり」「たり」「つ」「ぬ」「たし」「き」「けむ」

終止形接続の助動詞
 「らむ」「めり」「なり」「べし」「まじ」「らし」』

にこ「こんなの一気に出されても覚えられるわけないでしょ!? それにこんな程度のことなら、普通の冊子にも書いてあるわよ!」

絵里「まあ、そうよね。普通はこれを見ても覚えられないわ」

にこ「はぁ? じゃあなんで見せたわけ」

希「こうするんよ」

希「にこっちの歌『まほうつかいはじめました!』の、最後の歌詞を使うんや」

にこ「……は?」

絵里「頭の中で、未然、連用、終止、どれに接続するかを考えながら、勢いで歌うの」

にこ「……え? ちょっとよくわかんないんだけど」

希「だからね?」

『「る」「らる」「す」「さす」  「む」「ず」「じ」「むず」 「しむ」「まほし」 「まし」未然接続にー
(「え」「がお」「の」「まほー」 「つ」「ぎ」「の」「まほー」「とど」「けまほー」「みん」なを幸せに)』

にこ「……な、なにこれ……」

絵里「勢いで歌えば、自然とメロディーが頭の中で反響する……そうすると覚えるの」

にこ「……へ、へえ……なるほど、ね」

希「同じ部分を使って、連用形と終止形もやっていくよ」

『「けり」「たり」「つ」「ぬ」 「たし」「き」「けむ」 連用形 皆を幸せに
 「えが」「おの」「ま」「ほー」「つぎ」「の」「まほー」』

『「らむ」「めり」「なり」 「べし」「まじ」と 「らし」終止   皆を幸せに
 「えが」「おの」「まほー」「つぎ」「のま」ほー「とど」けまほー』

にこ「……下にあるのを参考に歌って覚えればいいってわけ?」

絵里「そうそう。それで、今はどう活用するのかは置いといていいから、その活用にどういう意味があるのか、を見ていくわよ」

にこ「……信憑性に欠けるけど、確かに覚えやすいかもね……わかったわ」

絵里「じゃあまず、[過去]ね」

にこ「過去……」

希「これに相当するのは「き」と「けり」やね」

絵里「本当は「けり」の方には、詠嘆の意味もあるんだけど、これは『~たのだなあ』という、自分自身の感動を表すというか、昔を懐かしむというか、そんな感じね。結局は過去だし、文脈からある程度、詠嘆の想像は可能よ」

にこ「……まあ、過去っていうくらいだから、『~た』とか、『~した』って訳すのよね?」

希「まあ、そうやね。次行こうか」

にこ「早っ!?」

希「理解できてるところを、無理やり掘り下げる必要もないしね」

絵里「次は[完了]ね……これには、「つ」「ぬ」「たり」「ぬ」と、多くの助動詞が当てはまるわ」

にこ「覚えづらい……」

希「「つ」「り」「たり」「ぬ」で覚えればいいやん」

にこ「なるほど……完了はつりたりぬ……いいわねそれ」

絵里「「つ」と「ぬ」には、完了だけじゃなくて、『きっと~する』という意味を表す[確述]や、『あれしタリ、これしタリ』の『タリ』の意味をもつ、つまり[並列]の関係を表したりできるの」

にこ「……ほう?」

希「まあ、ほとんどのやつをとりあえず、『~た』『~てしまった』って訳したら、文意はつながるわね」

にこ「ふむふむ」

絵里「と、『たり』と『り』ね。特にこの『り』は特殊よ」

にこ「さっき組み込んだ歌にはなかったわね」

絵里「まあ、[サ変動詞の未然形と、四段動詞の已然形にしかくっつかない]からね」

希「その二つの動詞の[命令形]に接続してるんじゃないかとする説もあるらしいけど、どっちでもいいってことやろな」

にこ「どっちでもいい……の?」

絵里「そして、この二つは、完了だけじゃなく、[存続]も表すのよ」

にこ「……存続?」

希「うーん、まあ現代文で言えば、『~している』ってやつ……かな?」

絵里「過去から今、それから未来まで、[続けてそこに存在するから存続]よ? オーケー?」

にこ「オッケーよ……」

希「よし、それじゃあ、[打消]行こうか」

にこ「打消……まあ、否定よね?」

絵里「はい、それにあたるのは?」

にこ「……「ず」だったっけ?」

希「うん、正解♪」

絵里「次に行きましょうか。[推量]ね」

にこ「お……おー」

絵里「推量は、名前の通り、何かを推測するときに使うものね」

希「にこちゃんのバストは74㎝だろう、って感じやね」

にこ「うっさい!!」

絵里「こらこら、希もにこをいじめないの。推量には、「むず」と「む」。それから「べし」があるわ」

希「「む」と「むず」は同じように使うから、一緒に解説していくね」

絵里「推量のほかに、[意志][適当・勧誘][仮定][婉曲]などがあるわ。まあ、ほとんど想像はできるでしょ?」

にこ「まあね……ただ、えんきょくって何?」

希「にこちゃんのような彼女は嫌だ、とかでつかう「ような」やね」

にこ「希、それ以上にこのこと悪く言うと、方乳削るわよ」

希「代償でかいね……」

絵里「ちょっと…ちゃんと覚えられてるの?」

にこ「覚えてるわよー!」

絵里「よし、じゃあ「べし」ね」

にこ「……そういえば、なんで「べし」と「むず」「む」を分けたの?」

希「……確かに、絵里ちが言った通りの使い方なんやけど、更にこれが強くなった感じのイメージなんよ」

にこ「……?」

絵里「分かってないみたいね……じゃあ、一緒に「む」と「べし」の違いを見ていきましょうか」

――――――――――――――
「む」と「べし」の勧誘の違いのイメージ

花陽(μ'sはすごいなぁ……)

穂乃果「ねえ君! μ'sに入るのはどうかな?(勧誘「む」)」

花陽「え!? えーっと……で、でも……」

穂乃果「絶対μ'sに入るべきだよ! うん! そうした方がいい!!(勧誘「べし」)」

花陽「え……えーっと……」

穂乃果「というか入れ!(命令「べし」)」

花陽「誰か助けて……」

―――――――――――――――

にこ「なるほど……確かに強いわね」

希「でしょ? 同じく[意志]にも同じことが言えるんよ」

―――――――――――――
意志のイメージ「む」「むず」と「べし」の違い

「む」「むず」

穂乃果「我、宿題やら「む」!」

「べし」

海未「我、この一矢射る「べし」!!」

―――――――――――――

にこ「なるほど~、そう考えるとよくわかるような、分からないような」

絵里「それと、忘れちゃいけないのが、[意志][勧誘][推量]の見分け方よ」

希「そうそう。これやな」

[意志]…一人称

[勧誘]…二人称

[推量]…三人称

希「覚えとくと、意外と便利なんよ?」

にこ「分かった! 覚える!」

絵里「今の覚えるが「べし」であることを願うわ……他にも、「べし」には『~できる』っていう意味もあるわよ」

絵里「次ね。ちょっと意味が分かりづらいかもしれない、「じ」「まじ」の[打消推量]に入ってくわよ」

にこ「打消推量……とな?」

希「たとえば、こういう事ね。普通の推量は……こう」

真姫『凛はバク転ができるでしょうね』

希「打消は否定だから……打消推量はこうなるんよ」

真姫『花陽はバク転ができないでしょうね』

にこ「……あ、無理なこととかを推量してるってわけね」

絵里「同じく、[打消意志]というものもあるわ。これは、意志を打ち消してるの。だから、こういうことね」

凛『凛は絶対勉強しない!!』

にこ「私もしたくない!」

希「でもするよ」

にこ「うぅ~……」

絵里「でも、にこは割と理解が早い方なんじゃないの? このままいきましょうか」

にこ「うん、じゃあ次のやつに行くの?」

希「それが、ここまでは「じ」も「まじ」も行けるんだけど、「まじ」は他にも用法が3つくらいあるんよね」

にこ「……マジで?」

希「まあ、基本的に[打消]してるっていうのが分かれば、おのずと想像つくやつばっかりやけど……」

絵里「じゃあ、これは使い方を現代風に直した感じので、覚えていきましょうか。これが「まじ」の使い方よ」

―――――――――――――――――
「まじ」はこういう時に使う

海未「絶対……ぜーったいに、誰にも[言わないで]くださいね!?[禁止]」

穂乃果「うんわかったー、海未ちゃんが捨て猫に赤ちゃん言葉でしゃべってたことはだれにもいわないよー」

海未「本当ですか!? 本当に絶対ですよ!?」

穂乃果「大丈夫だよ! 穂乃果がそれを言う[はずない]じゃん![打消当然]」

ことり「穂乃果ちゃーん、海未ちゃーん、待たせてごめんね?」

穂乃果「あ、ことりちゃん! あのね、さっき海未ちゃんが……」

海未「……できそうにありませんね[不可能推量]」

―――――――――――――――――

にこ「……なるほど、確かに否定のオンパレードね」

絵里「でしょ? もうこれで問題ないわ。「じ」よりも「まじ」の方が少し強いっていうのも忘れないでね」

にこ「わかった」

絵里「……それじゃあ次、これも[推量]の仲間よ。その名も……」

希「[現在推量]と[過去推量]や」

絵里「ちょっ、希ぃ……」

にこ「いちゃいちゃしてないで、早く教えなさいよ!」

絵里「いちゃいちゃはしてないわよ」

にこ「……そう」

絵里「まず、[現在推量]ね、これは「らむ」読み方は「らん」ね。これを使って今の推量をするわ」

にこ「今の推量って?」

希「こういうことやな」

花陽『私がちょっと前に炊いたご飯も、[今頃はほかほかの出来立てになってるだろう]なぁ……はあ、家に帰る時間が待ち遠しい!』

絵里「このように、今頃はこうなってるだろうなぁって言うのを推量するものね」

にこ「ほほう、なるほどね」

希「ここから派生して、こういう使い方が「らむ」にはあるんよ」

―――――――――――――――
「らむ」いろいろ

凛「真姫ちゃんおはよー!」

真姫「あら、凛、おはよ」

凛「あ、見て! タンポポ咲いてるよ!」

真姫「きっと[風で種が飛んできたんでしょう]ね」[現在の原因推量]

凛「あ、そういえば聞いた? かよちん今日お休みするんだって」

真姫「え? どうしたの?」

凛「どうやら[今咳が酷いらしい]にゃ……う~、かよちんが心配だよ~」[現在の伝聞]

真姫「花陽……大丈夫かしら?」

凛「かよちん、今も[まるで牛のように苦しんでるような]気がするにゃ~」[現在の婉曲]

真姫「牛のような苦しみ方が、どういうものかわからないけど……気になるならお見舞いに行ってみましょうか」

――――――――――――――――

にこ「ふむふむ、こういう風に現在を軸にした奴が多いのね」

絵里「分かってくれたみたいね。ちなみに、「らむ」で普通に未来を推量することもあるわよ。普通に「む」や「むず」を使う時の推量は、[未来推量]って考えるのもいいかもしれないわね」

にこ「そういう覚え方もあるのね……」

希「そんで、[過去推量]……これは「けむ」やね」

絵里「[過去推量]は、まあ[現在推量]の「今」の部分が「昔」に変わっただけだけど……未来を推量できないっていう違いがあるわね」

にこ「ふ~ん……じゃあ、例を見せてよ」

希「にこっちも欲しがるなぁ~」

にこ「その言い方やめなさいよね!」

―――――――――――――
「けむ」の過去推量

海未「くっ……少し取り乱してしまいましたね……」

ことり「うん、今のは惜しかったね海未ちゃん……」

海未「もう少し力を抜けば、おそらく[矢は真ん中に刺さっただろう]と思います」[過去推量]

ことり「それとたぶん、[別の事考えてたんじゃない]かな?」[過去の原因推量]

海未「……え?」

ことり「たとえば、今度のダンスでやるセクシーポーズとか……」

海未「わあ~!! やめてください! それを知らぬ間に[穂乃果が撮ってたとも聞きました]よ!? あの映像は消されたんですか?」[過去の伝聞]

ことり「消したと思うけどなあ……[何事もなかったかのように]はなってたと思うんだけど……」

海未「し、心配ですね……穂乃果に消すよう、もう一度頼んでおきます」

―――――――――――――

にこ「本当ね。時間の軸が過去になっただけだわ」

希「ね? 簡単でしょ?」

絵里「こうして考えてみると、そんなに難しくないわよね? 半分行ったし、少し休憩にしましょうか」

にこ「ええ、分かったわ……」



また、時間があれば明日か明後日頃に更新します


最後の抜けてるのは[過去の婉曲]だっけか

>>22そうです、すみません

にこ「よーっし、休憩終了! ガンガン行きましょ!」

希「やる気やん」

にこ「さっさと練習行きたいしね」

絵里「よーっし、じゃあ、残り半分はさらにビシバシ行くわね!」

にこ「あ、それはちょっと」

絵里「次の助動詞は[推定]よ。使う言葉は「らし」「めり」「なり」。全部終止形に接続される言葉ね」

にこ「確かにそうね。ところで、推量と推定ってどう違うのよ?」

希「……んー、どう違うんやろうね」

にこ「は?」

絵里「まあ、感覚ではこうかしらね」

真姫『凛がお腹が痛くて早退なんて、何か訳があるのでしょう』[推量]

真姫『凛がお腹が痛くて早退なんて、でもあの雰囲気だと、何かわけがあったに違いないわ』[推定]

にこ「……?」

絵里「んー、何でしょうね? 実際この二つをまとめて推量って書いてあるテキストもあるくらいだし、そこまで大きな違いはないんだけど……」

希「まあ、言うと[根拠のあるなし]やね」

にこ「根拠?」

絵里「推量の方の真姫を見て? 凛がお腹が痛くて早退したのを、真姫は実際に見たわけじゃないのよ」

希「でも、何か訳があるのでは? と想像してるでしょ? これが[推量]」

にこ「ふむふむ」

絵里「対して推定の真姫は、凛がお腹が痛くて早退する現場を見て、あれは他に何か理由があるんだなって思ってるでしょ?」

にこ「たしかにそうっぽいけど……」

希「ほら、推量の方はただの想像。推定では、実際に見たっていう根拠のもと判断してる。違いはそこやね」

にこ「うーん……それで納得するしかないみたいね」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/25(月) 12:02:40.25 ID:l0sedzFUO
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2014/08/20(水) 14:05:14.22 ID:XRBBC/4w0
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73 :ドライさん :2014/08/25(月) 12:06:58.65 ID:l0sedzFUO
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絵里「更にいうと、推定では、『~らしい』という意味がある場合もあるの。これも、他人から聞いた[情報を根拠に推測してる]ことになるわよね?」

にこ「……なるほどね? で、それを表すのが「らし」「めり」「なり」ってわけね」

希「そうそう」

絵里「それじゃあ次、行ってみよー!」

にこ「……何そのキャラ?」

希「ぷぷっ、絵里ちってたまにウチの想像絶することしてくるよね」

絵里「な、何よ……少し雰囲気を和らげようとしただけじゃない」

希「で、次、[反実仮想]の「まし」ってやつだけど……」

にこ「反実仮想?」

絵里「まあ、これはよくにこがやってるやつよ」

にこ「……え?」

希「こういうことや」

にこ『あーあ、[もしもにこがあと3㎝あれば、今頃男子にモテモテなのにな~]』

にこ「なるほど! 実現しないだろうことの空想が反実仮想なのね……ってやかましいわ!」

希「ナイスノリツッコミ!」

にこ「うるさい!! もう希なんて知らない!」

希「そんなに怒らんの。ほら、チョコいる?」

にこ「それさっき私があげた奴でしょうがぁ!!」

絵里「はむっ、もうケンカしないの二人とも」

にこ「なんで希のチョコを絵里ちゃんが食べるのよ!?」

希「そうカッカしないで? ほら、それとこの「まし」の使い方って、チョイ不便なんよ」

にこ「……ちょい不便?」

          ____
           /      \
          /         \    あの謎の外国からの攻撃ね。
        /   (●) (●)  \
        |   (トェェェェェェェェイ)   |  もうどうにもならんわ。
        \  \ェェェェェ/   /
 r、     r、/          ヘ    データや過去ログどっかに移すなりするべきかもしれない。
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
  \>ヽ/ |` }            | |
   ヘ lノ `'ソ             | |
    /´  /             |. |
    \. ィ                |  |

希「例を二つ見せると……」

①『やがてかけこもち[ましかば]、くちをしから[まし]』(徒然草・三十二段より)

②『世の中にたえて桜のなかり[せば]春の心はのどけから[まし]』(古今集・五十三より)

にこ「……なるほど、何か前置きのようなものが必要なのね」

絵里「そうそう。AせばBまし!みたいな感じね」

希「だから、さっきのにこちゃんのを、古文っぽくすると……」

にこ「なんでにこを!?」

『我の背丈後一寸あら[ば]、男侍らせ[まし]』

希「まあ、ちゃんと合ってるかどうかは、即興やし勘弁してほしいんだけど、こんな感じになるかな?」

にこ「これじゃあにこがクソ○ッチみたいじゃない!!」

絵里「そんな汚い言葉使わないの。まあ、そんな感じで、接続助詞って名前のやつが必要なのよ。逆にそれを見れば、反実仮想って一発でわかるって思えば、ありがたい存在っていう認識に変わるはずよ」

にこ「う~……わかったわよぉ」

希「あと、「まし」は[迷い]を表すこともあるんや」

にこ「迷いねぇ……」

絵里「これをどうしたらよいだろうか、みたいな感じのやつね」

希「それじゃあ、次やな。[断定]の例を見てみるで?」

にこ「……わかったわ。ここまで来たら最後までやってやるわよ!」

――――――――――――――――――――――

穂乃果「う~ん! 気持ちいい風[だ]ー!」[断定]

ことり「本当だね……もうとろとろになってきたよ~。眠くなっちゃいそう……」

海未「不思議と、ここ[にある]草花も気持ちよさそうですね……」[存在]

――――――――――――――――――――――

にこ「なるほど……これが、「なり」と「たり」になるわけね……」

絵里「あら、どうしてわかったの?」

にこ「全部の授業を聞いてないわけじゃないにこ~!」

希「その程度でいい気にならないでね?」

にこ「……ごめんなさい」

絵里「で、たぶんここが一番出るでしょうね……一気にこれだけあるわ」

[自発][可能][受身][尊敬]

にこ「……この4つを一気に受け持つスーパー助動詞がいるのね……」

希「いうなれば、助動詞界のアライズやね」

絵里「そいつらが、「る」と「らる」ね」

にこ「すごい奴があらわれたわね……」

希「じゃあ、この4つの意味の雰囲気を抑えようか」

―――――――――――――――
自発

花陽「ああ……こういう白銀の雪景色を見ると、[自然と]ご飯が思い出[される]……」

可能

凛「凛ね、最近バク転[できる]よ!」

受身

ことり「ひーん、ひーん」グスグス

穂乃果「あ、ことりちゃんがカラスに嫌がらせ[されてる]」

尊敬

モブ「いや~、生徒会長さすがですね、私には考え付かないことを[お]考え[になられる]」

絵里「……ドヤチカァ」

――――――――――――――――

希「……まあ、こうよね」

絵里「最後の私に違和感があったんだけど?」

希「あれはかしこくないエリーチカやし、絵里ちとは別次元の絵里ちよ、きっと」

絵里「……?」

にこ「まあイメージはなんとなくつかめたわ。でも、これだけあると判別に困るわね……何かないの? 解決方法みたいな」

絵里「……いいところに気が付いたわね、にこ。これはその前の動詞で判断するのよ」

自発の場合、心情や知覚に関する事柄が多い

例)思はる・見らる・ながめらる・嘆かれる

可能の場合、打消し・反語表現を使って、どちらかというと不可能な場合がほとんど
例)~れず・~れで・いかで~るる

受身の場合、受身の相手が指示されてる
例)にこに討たる・凛にからまるる・海未に捨てらる

尊敬の場合、尊敬の動詞につくことが多い
例)仰せらるなど

にこ「ふむふむ。にこに討たるにつっこみたいけど、気にしないでおきましょうか」

希「まあ、そんな感じやね。いいやん」

絵里「まあ、よく出るからと言って、特別わかりにくいわけではないわ。私的には、推定と推量の違いが難しいなって思ってたし、まあここは楽な方よね」

にこ「じゃあ、後残りの2つも?」

希「ぱぱっと終わらせようやん♪」

にこ「オッケー!」

絵里「それじゃあ次ね。「す」「さす」「しむ」の3つは、[使役]と[尊敬]よ」

にこ「また尊敬~!?」

希「大丈夫よ。尊敬にはだいたい『~給う』とかついてるし。見分け方にはコツがあるんよ」

絵里「これはもう一気に見てみたほうがよさそうね……使役っていうのは、私がよくやるこれよ。希、その本とって」

希「はーい♪」

にこ「……ほう」

絵里「まあ、こうやって誰かに何かをさせることね」

にこ「それで、尊敬と使役の簡単な見分け方って、何よ?」

希「……身分の高い奴がするか、低い奴がするか、やな」

にこ「……ふうん?」

希「まあ、こういう場合は使役、こういう場合は尊敬、みたいなのを覚えておこうか」

―――――――――――――――――

これは使役

ことり「さあ! ひよこちゃんたち! やっておしまい!!」

ひよこ「ピヨヨヨヨヨヨヨヨ」

これは尊敬

ことり「わああああああ! ケツァール様だあああああああ!! ケツァール様がお見えだよおおお!!」

ケツァール「……」

―――――――――――――――――

希「はい♪」

にこ「わかるか!!」

希「ちょっと遊んだだけやん。それに、イメージはこれでもつくやろ? その文章や一文での語り部が、こき使わすか、こき使わされるかの違い。使ってたら使役で、使われてたら尊敬やね」

にこ「ん……ことりの例には悪意しか感じないけど、まあわかったってことにしておくわ。というか、最初からそう説明しなさいよね」

絵里「それじゃあ、次が最後ね☆」

絵里「最後は、「まほし」と「たし」よ」

希「これは、さまざまな[願望]を表すんよ」

にこ「さまざまな?」

希「この3つ、全部がオッケーやねん」

―――――――――――――――
1自己願望

穂乃果「スクールアイドルグループを造りたい!」

2自己以外の願望

穂乃果「海未ちゃんにも、短いスカートを履いてほしい!」

3他に対する願望

穂乃果「廃校はならないでほしい!」
―――――――――――――――

にこ「なるほどね。これは覚えやすいわ」

絵里「……それで、今までの助動詞で何が使われた時に何を意味する、を全部覚えた自信は?」

にこ「ハッキリ言ってゼロよ」

希「あら、素直やん」

にこ「だって、あんたたちが最初に言ったじゃない。活用の方法を覚えるだけでいいからねって」

絵里「よく覚えてたのね……それじゃあ、ぎゅぎゅっとまとめた究極奥義を見せてあげる」

にこ「……へ?」

希「名付けて、『スノーハレーションで覚える、助動詞の用法』や」

にこ「……は?」

絵里「雰囲気では、2番をまるまるカットして、1番を歌った後、ラストのサビに跳ぶわ。まあ、これを見て」

スノーハレーションで覚える、助動詞の用法

助動詞の[過去]は「き」「けり」
「つ」「り」「たり」「ぬ」って着く[完了]
[打消]は「ず」の一文字が未然形に着くよ

「むず」「む」と「べし」で[意志]とか
[適当・勧誘][推量]のどれか
「べし」は少し強め な・ぜ

「じ」「まじ」の助動詞には
[打消推量]と
[打消意志]
「らむ」は[現在推量]
「けむ」はね[過去推量]
これって推量
「らし」「めり」「なり」[推定]も覚えてね
「まし」はね[反実仮想] 覚えてplease!!

2番省略

「なり」「たり」[断定]して
「る」「らる」は[自発][可能]
[受身][尊敬]
「す」と「さす」「しむ」の3つは
未然にくっついて
[使役][尊敬]
「まほし」と「たし」[願望]も覚えてね
このままテストに満点 まもなくstart!!

にこ「……またこれも歌って覚えろと?」

希「なめたらアカンよ? 3回歌えば8割くらいは入ってくるからね?」

にこ「……まあ、覚えてみるわね」

絵里「ええ、でも、古文文法のテストって、これだけじゃないのよね?」

にこ「……ま、まあ……他にもあるけど」

希「じゃあ、分からなかったときは、いつでもおいでよ?」

にこ「え?」

絵里「困ったときはお互い様でしょ? 私も笑顔の練習では、にこに助けられることがやっぱりあるし……その分私は、にこだけに限らず、他の人達を別の形で支えるようにしなくちゃ……ね?」

にこ「え、絵里……うん! わかった!」

希「それじゃあ、今日は解散やね。はぁ、せっかく面白い例文とか考えとったんやけどなぁ」

にこ「それどんな例文よ?」

希「たとえばにこちゃんが……」

にこ「やっぱ聞かないことにするわ」

希「えー?」

絵里「ふふっ、希もにこいじめはその辺にしておきなさいよ?」

にこ「そうよ! にこだって怒るときあるんだからね」

絵里「楽しいのはわかるけど」

希「はーい♪」

にこ「あ、あんたらねぇ……!」

希「お、にこっちが怒った! ふふっ、にーげよっと♪」

にこ「まーてー!!」

―END―

終わりです。呼んでくださった方はありがとうございました

なんだかんだで、歌は耳に残るので、是非口ずさんでみてください

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次回予告

穂乃果「μ'sと学ぶ日本史!邪馬台国」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月14日 (土) 10:54:25   ID: zuR7UA7b

古文が苦手な身としてはとてもありがたい!

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