凛「μ'sと学ぶ英語! 不定詞と動名詞」 (56)

真姫「……ん~……新曲が思いつかないわね……」

真姫「どういう詩にしようかっていうコンセプトもぜんぜん……」

凛「真姫ちゃーん!」

真姫「きゃっ!? り、凛!? どうしたのよ?」

凛「凛に英語を教えてほしいにゃ!」

真姫「…………え?」

凛「お願い真姫ちゃん!」

真姫「……大丈夫?」

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凛「むっ、何その大丈夫って? 凛がまるで英語を勉強するのがおかしいみたいじゃん」

真姫「実際その通りよ」

凛「……じゃあ、訳を説明すると、実は昨日、外国人に声をかけられたんだにゃ」

真姫「ふむ」

――――――――――――――

Can you speak English?

凛「…………え?」

Can you speak English?

凛「…………あ、え、えと……」

Oh sorry. Thank you.

――――――――――――――

凛「とにかくそれが、何だか凛の胸をチクチクさせるんだよね」

真姫「なるほど、英語で何を聞かれたのかが全く分からなかったのね」

凛「そう! だから次に外国の方に声をかけられたときは、絶対にちゃんと答えられるようにしようって思って、英語の勉強を始めたの!」

真姫(なんというか、凛らしい動機ね)

凛「だからね、真姫ちゃん、凛に英語を教えて!」

真姫「そういう事なら、別にいいけど……どこ?」

凛「全部わかんないけど、特によくわからないところを教えてほしいにゃー」

真姫「……わかったわ、不定詞と動名詞ね。ただ、明日でいい? 私少し用事があるから……」

凛「むぅ、しょうがないね。かよちんにも明日できるかどうか頼んでみよーっと!」

―翌日 昼休みの部室―

真姫「はい、それじゃあ花陽にも手伝ってもらいながら、お勉強しましょう」

凛「お願いしまーす」

花陽「凛ちゃんがついにお勉強を始めてくれた! それも自分の意志で……これはチャンス!!」

真姫「それじゃあ、まずは不定詞から始めていくわね。そもそも不定詞って何かわかる?」

凛「……わかんない」

真姫「まあ、そうよね……いろいろな参考書に、いろいろな風に書いてあるんだけど、要は省略するための物だと思ってね」

凛「省略?」

真姫「まず、日本語でのこんな日常を見てみましょうか」

――――――――――――――――――

にこ「にこさぁ、もっとダンスを丁寧に練習したほうがいいと思うのよね」

にこ「だって、もっとダンスを丁寧に練習して、本番で観客にかっこいいって思わせたいじゃない」

――――――――――――――――――

真姫「どう? ちょっと鬱陶しいわよね?」

凛「確かにそうだね。凛ならきっと、『観客にかっこいいって思わせるために、ダンスを丁寧に練習したい!』とか言うよ」

花陽「うん、それの役割をしてくれるのが「to 不定詞」なんだよね」

凛「え? そうだったの?」

真姫「そうよ、文と文をつないでくれるの。まあ、いろいろと条件があるんだけど、その辺は後でわかってくると思うわ」

凛「わかった! それでそれで、動名詞は?」

花陽「り、凛ちゃん、ぱっぱと進みすぎだよ……」

真姫「……花陽の言うとおり。もっと丁寧に見ていくわよ? じゃあ、不定詞の解説をしていくわね」

凛「……はーい」

真姫「不定詞には、おもに3つの役割があるわ。これよ」

凛「おお! 真姫ちゃんノート!」

花陽(わざわざ昨日作ったんだろうなぁ……)

『不定詞の3つの役割

①名詞的用法 ②形容詞的用法 ③副詞的用法』

凛「この数字で書かれると、遊戯王のカード効果みたいだね!」

真姫「スルーしていくわね。まず名詞的用法から見ていくわよ」

花陽「じゃあ、これね!」

『Our plan is to play the piano tomorrow』

真姫「はい、これどういう意味だ?」

凛「えーっと……えーっと……私達のプラン……は……ん~?」

真姫「なんなら『to』を一回抜いて考えてみましょ? そうすると文としては通らないけど、やりやすくなるはずよ」

凛「え!? えっと、じゃあ……」

『Our plan is』

凛「私達のプランはあります……」

花陽「一度「to」を省略して?」

『play the piano tomorrow』

凛「明日ピアノを弾く……」

真姫「あわせて考えると?」

凛「私達のプランはあります! 明日ピアノを弾く!」

真姫「うん、正解」

花陽「すごいよ凛ちゃん!」

凛「えへへ、でも、これじゃあ答えにならないんじゃないの? 「to」が訳せてないし……」

真姫「まあ、英文にするならこれじゃあだめだものね。でも、日本語文ならそれでもまあ9割正解」

凛「ふぇ~」

花陽「じゃあ、この「to」なんだけど、何かっていうとね?」

凛「おねがいかよちん!」

花陽「えーっと、この「to」は、名詞的用法って名前の通り、[名詞を修飾してる]んだよね」

凛「……飾りつけってことかにゃ?」

花陽「そうそう! つまり、「to」の前の文で、名詞は?」

凛「んー……『Our plan』ってこと?」

真姫「そ。私達の計画の部分、じゃあ、「to」より後を見て」

凛「……明日ピアノを弾く……でしょ?」

花陽「つまり、ここでこういう状態が生まれてるんだよね」

『Our plan=toから後の文』

凛「……あ、そっか! 計画って、明日ピアノを弾くことだもんね!」

真姫「そう、つまり「to」から後の文は『Our plan』がどんなplanなのかを、より詳しく説明してるのよ」

凛「なるほど~! わかってきたにゃ!」

花陽「……じゃあ、次はこれだよ! 名詞的用法の別の使い方!」

凛「ん? どれどれ?」

『Honoka finds it easy to make friends』

凛「……穂乃果ちゃん?」

真姫「そう。これの「to」は何を詳しく説明してるのかわかる?」

凛「え~……」

花陽「……この文章は、ちょっとよくわからないポイントが多いんだよね……まずこの「it」がそれってどれなの? って話だし、「to」も分からないし……それと「find」は「見つける」って意味があるけど、「分かる」とか「思う」って意味でも使われるんだよね」

凛「なるほど、じゃあとりあえず、穂乃果ちゃんは何かを思ったってことでいいの?」

真姫「そういう解釈で行きましょう。なんなら英単語をそのまま日本語訳に持っていくのも手よ」

凛「どういうこと?」

真姫「だからね……?」

『Honoka finds it』

『穂乃果は「it」と思う』

凛「……「it」って何!?」

花陽「ふふっ、そう思うでしょ?」

凛「え?」

Can you speak English?

外人はこんなこと聞かん
Doだ

花陽「じゃあ、凛ちゃんにクイズね。「to」ってどういう時に使うもの?」

凛「それは……[toから前の言葉をtoから後の文で詳しく言う時]……かにゃ?」

真姫「そうよ。この言葉だけ見たら、たとえ外国人でも同じことを思うのよ。『Honoka finds it easy』……「it」って、何が簡単なんだってね」

凛「だよね!」

花陽「そういう時にうまく使えるのが、「to」なの! こういう「it」の事を[形式目的語]って言うんだよ! さっきのは、不定詞が名詞を詳しく説明する、つまり[補語]の意味になってたけど、こっちでは、不定詞自体が名詞の働きを、つまり[目的語の働き]をしてるの!」

凛「SVOのOのこと?」

真姫「あら、知ってたのね」

凛「全部の授業を寝てるわけじゃないにゃ!」

花陽「……それで、分かりそう? このtoから後が何とイコールになってるか」

凛「うん、もう答えはでたよね!」

凛「「it」と一緒になってるはずだにゃ!」

花陽「そういうことだよ凛ちゃん!」

真姫「うん、上出来ね」

凛「だから、訳は……」

『穂乃果ちゃんは、友達を作ることは簡単だと思っている。』

凛「こうなるよね!」

花陽「正解! 凛ちゃんすごいね!」

凛「えへへ、それほどでもあるにゃ~」

凛「……でも、1個聞きたいんだけど……」

真姫「ん? 何?」

凛「これ、「to」を使う必要あるの?」

花陽「……鋭いね凛ちゃん」

真姫「そうね。確かにこれをitを使わずに『make friends』でやってもいい気がするでしょ? でもそれは外国の人にとっては面倒なの」

凛「???」

真姫「分かってないみたいだから、この例を出してあげるわね」

―――――――――――――――――

希「それでな? そこの扉を怪しい思って、ゆっくりと開けてみたんよ」

絵里「や、やめなさいよ希!」

希「そしたらなんと、顔色が真っ青で足のない人影が……」

絵里「きゃああああああああああ!!」

希「特にいなかったんよ」

絵里「いなかったのね!?」

―――――――――――――――――

凛「ただの面白話じゃないの?」

真姫「まあ、これは日本流だけど、日本って、最後まで聞かないと「yes」か「no」かわからないのよ」

花陽「たとえば、「私はご飯が大好きです」と、「私はご飯が大好きじゃない」だったら、ほら、最後の「ない」まで聞かないとわからないでしょ?」

凛「確かに」

真姫「そういうの、英語を思い出してみて? じゃあ『Do you like sports?』だったら?」

凛「Yes I do!」

真姫「……ほら、最初に好きかどうか言ってるでしょ?」

凛「あ……なるほど~」

花陽「うん。だからさっきの英文でも、最初に『穂乃果ちゃんは簡単と思ったている』って言っちゃうの。『思っている』のか『思っていない』のかをそこでもうはっきりさせちゃってから、『友達を作ること』っていう文で、あとから詳しくしちゃう」

凛「ふむふむ、英語って奥が深いにゃ~」

真姫「確かに。学べば学ぶほど知識が身に着く強化でもあるわね」

凛「それもなんとなくわかってきたから、次の形容詞適用法にすすむにゃ!」

真姫「……ここが分かれば、もうあまり気にするほどの違いはないわね」

凛「え!? そんなものなの?」

花陽「そんなものだよ。でもまあ、形容詞的用法をチェックしとこっか」

『Do you have anything to write with?』

真姫「まあ、簡単に答えを言っちゃうと……」

凛「待って! ちょっと考えさせてほしいにゃ!」

花陽「おお……凛ちゃんがやる気だ!」

凛「んーっと、えーっと……これは疑問で……『あなたは何か持っていますか? 書くものを』って意味になるんだよね?」

真姫「まあ、そうね」

凛「じゃあ「to」は、この「anything」=「何か」にかかるはずだにゃ!」

真姫「……」

花陽「……」

凛「あれ? 凛、違った?」

真姫「いや、違う事はないのよ? ただ……」

真姫「凛、やればすぐにできるようになるじゃない……なんで英語苦手なのよ」

凛「やってないからね!」

花陽「自信満々に言っちゃうのも凛ちゃんだよね」

真姫「……まあ、そういう事よ」

凛「でも、この「to write with」の「with」って何?」

真姫「まあ、それは書き忘れちゃいけないものよね。この「with」の跡後の「anything」が前に出てるから、ここが省略されるのよ」

凛「……へぇ~……知らなかったにゃー」

花陽「まあ、前置詞が省かれる場合もあるっちゃあるんだけど……それは前置詞を抜いても文意に誤解がない場合のみだから、つけておいた方がいいとは思うよ」

凛「わかった! かよちんを信じるね!」

真姫「それは大げさだけど……まあ、なんにせよ次ね。副詞的用法。これもちょっと厄介者があるのよね……」

凛「厄介者?」

花陽「じゃあ、これ見て!」

『Niko came home to find that the door was unlocked』

凛「……んー?」

真姫「まあ、『にこちゃんが家に帰った』まではいいわよね?」

凛「う、うん……」

花陽「この「to」はどこに行くかわかる?」

凛「全然見当もつかないにゃ~」

真姫「これはまあ、言ってしまえば今までと違うのよね。この「to」がイコールにさせてるのは、[toから前の時間と、toから後の時間]よ」

凛「時間?」

花陽「これが副詞的用法の難所かも……普通に今までみたいに攻略できるところと、こうやって考えなきゃいけないところがあるからね……それを知ってれば、文章を当てはめれば一発なんだけど……」

凛「どうすればいいの?」

真姫「時間がイコールがヒントよ」

凛「時間がイコール……『にこちゃんが家に帰った』のと……『ドアの鍵が開けられていた』のは……イコール……」

凛「あー! わかったにゃ!」

凛「この「find」も、分かったんだよね?」

真姫「そうね」

凛「じゃあ、これはこういう意味であってるかな?」

『にこちゃんが家に帰ると、ドアの鍵が開けられていたのが分かった』

花陽「おお! 大正解!」

凛「やったにゃー! 副詞的用法、つまりこの「to」が[動詞]や[行為]を修飾してる時には、たまにイコールになってるのが時間の時もあるんだね!」

真姫「そういうこと。ついでに副詞的用法の理解もばっちりよ」

花陽「基本の確認だけど、形容詞は[名詞を修飾]して、副詞は[動詞や動作を修飾]するからね!」

凛「うん! もう不定詞はばっちりだよ!」

真姫「まあ、他にもいろいろあるけどね。じゃあ次は動名詞に行きましょう。ちょっと昼休みだと、時間が足りないわね」



動名詞は明日時間が余れば書きたいと思います

>>11
Can you speak English?
↑これは実際に>>1が外国人に声をかけられた時に言われた言葉です。確かに「Do」でも意味は通るかもしれませんが、これが間違いというわけではないと思います

Do→「君英語話せる?」
Can→「能力的にできそうもないけど果たして君に英語が話せるのかなぁ?」
意味は通るけどね…

真姫「動名詞も不定詞と似てるけど、ちょっと違うのよね」

凛「何が違うの?」

花陽「動名詞って、名前の通り[動詞を名詞にしてる]んだよね。そこが違いなんだよ」

凛「動詞を名詞に?」

真姫「ピンと来ないかもしれないけど、実は日本語もかなりこれを日常的に使ってるのよ」

花陽「じゃあ、英文ね」

『Eri's hobby is making accessories.』

凛「……今度は絵里ちゃんかあ」

花陽「……じゃあ、やってみよう!」

凛「ん~……こうかにゃ?」

『絵里ちゃんの趣味はアクセサリーを作っている』

真姫「恐怖ね……」

凛「うん、だよね。この「making」はどう訳せばいいの?」

花陽「これは動名詞だから……そのままこれを名詞として使うんだよ」

凛「……つまり?」

真姫「たとえば、凛の好きなことは?」

凛「走ること!」

真姫「はい、それが動名詞」

凛「?」

花陽「走るっていう動詞に、「~こと」ってつけて名詞にしたでしょ? それが動名詞なの!」

真姫「じゃあ、この「making」は?」

凛「……作ること?」

花陽「うんうん! それならどうなる?」

凛「えーっと……それなら……」

『絵里ちゃんの趣味はアクセサリーを作ることだ。』

凛「……ってこと?」

花陽「凛ちゃんならできるって、私は信じてたよ!」

凛「照れるにゃ~」

真姫「まあ、動名詞も不定詞と同じで、それより前に[イコール]になる部分があるのがふつうね。たとえば簡単なのだと」

『Umi enjoyed playing archery』

凛「……これは動名詞になるなら……『海未ちゃんはアーチェリーをすることを楽しんだ』ってこと?」

真姫「ええ。より正確に訳すと『弓道をすることを楽しんだ』になるけどね」

凛「なるほど! 凛もこれで不定詞と動名詞を使いこなせるね!」

花陽「あ……凛ちゃん、あのね?」

凛「え? 何? もう完全マスターだにゃ!」

真姫「不定詞も動名詞も、まだすべてを完全網羅して教えたわけじゃないわ。少しずつ抜擢して、本当に「きほんの『き』」を教えてる程度なの……」

凛「……じゃ、じゃあ……まだまだ学ぶ必要があるって事?」

花陽「……そうなるね」

凛「……そっか、そうなんだね……」

真姫「……」

凛「でも凛、あきらめないよ! あの時のあの人みたいに、道に迷って困ってた人に道案内を英語でできるくらいにはなりたい!」

真姫「凛……」

凛「そのためには、地図のお勉強もしなきゃだけど……とにかくまずは英語だにゃ!」

凛「真姫ちゃん、かよちん! お馬鹿な凛でも、もう少し覚えられそうな感じのところない!? ちょっとでも早くステップアップしたいよ!」

花陽「……凛ちゃん」

真姫「はぁ……じゃあ、ほとんど英語でトークするにはあんまり関係ないけど……ややこしいところをやってみましょうか」

凛「ま、真姫ちゃん! でも、凛にできるかなぁ?」

真姫「これはセンスだから、凛次第かな?」

凛「……凛、英語は肌に合わないけど……」

花陽「どうだろう? もしかしたら凛ちゃんが、変に英語を苦手だと勘違いしてただけかもしれないよ?」

凛「うーん、そうかにゃあ?」

真姫「それじゃあ、ちょっとややこしいところに入っていくから、よく聞いとくのよ?」

凛「はいっ!」

―動詞で決める不定詞・動名詞―

真姫「……不定詞と動名詞はどちらもほぼ同じ……だからと言って、どっちでもいいってことはないわ。それが暗黙のルールって感じかしらね」

凛「……と、言いますと?」

花陽「つまり、動詞によって、不定詞にするか、動名詞にするかが変わってくるんだね」

凛「……それを覚えなきゃいけないのかにゃ?」

花陽「大丈夫だよ! 覚えやすいようにする言葉があって……」

真姫「花陽、それは人によっては逆に覚えにくいワードになるわ。それに、それだったら私がわざわざセンスなんて言わないわよ」

花陽「……え?」

真姫「凛、こんな感じの会話を想像してみてほしいの」

――――――――――

穂乃果「昨日の夜、どうしてもお腹がすいて、寝る前にカップラーメン食べちゃった……」

海未「やめましょう? 寝る直前に食べるのは避けるべきです」

穂乃果「はーい……」

ことり「穂乃果ちゃん、ちゃんとダイエットしないと……ね?」

海未「ふふ、練習メニューは3倍ですね」

穂乃果「うわぁ~ん! 二度とこんな事しないって約束するから! 許してぇ!」

――――――――――

真姫「……まあ、ただの日常会話なんだけど、ここで不定詞を使うか、動名詞を使うか、①と②の文を比べてみましょう」

①『寝る直前に食べるのは避けるべきです』

②『二度とそんなことをしないと約束します』

凛「……んー……どっちがどっちなの?」

花陽「確かに、これはちょっとノーヒントじゃ難しいんじゃ……」

真姫「まあ、そうね。結論から言っちゃうと、①が動名詞、②が不定詞よ」

凛「え? どうして真姫ちゃんはすぐに分かったの?」

真姫「実は、[不定詞には若干未来的要素]が、[動名詞には若干過去的要素]があるの」

花陽「あ……確かに言われてみれば」

真姫「さっきの二文を英訳するわね」

①『You should avoid eating just before you go to bed.』

②『I promise not to do that again』

真姫「凛、感覚的にどう?」

凛「凛の勘は全然キテないよぉ……」

真姫「……あのね、避けるときにはその前に避ける物が来てるはずでしょ? つまり、avoidには、若干過去的要素があるの」

凛「ん……ん?」

真姫「さらに、約束することって、まだ実行したわけではないでしょ? だから、promiseには、若干未来的要素があるのよ」

凛「……ほほう」

花陽(本当にわかってるのかなぁ?)

凛「……もうちょっと例が欲しいかも……」

真姫「じゃあ、もうちょっと例を出すわね」

『Nozomi want to eat roast』

『Kotori has given up looking for the alpaca』

花陽「上は、『希ちゃんはお肉が食べたい』で、下が『ことりちゃんはそのアルパカを探すのをあきらめた』だね。花陽はご飯が食べたいなぁ」

凛「……あー!!」

真姫「きゃっ!? な、何?」

凛「ピンと来たにゃ! 凛にも才能あるかも!」

凛「つまり、希ちゃんはお肉を食べたいと思ってるから、まだお肉を食べれてないんだよね? そしてここに不定詞が来てるってことは、これが若干未来的要素?」

真姫「ええ、そうね」

凛「で、ことりちゃんはアルパカを探すのをあきらめる前に、アルパカを探していたはずだから、それが若干過去的要素ってことだよね!?」

真姫「冴えてるわね凛。その通りよ」

凛「やったにゃー♪」

花陽「でも、まだそんなにぴょんぴょん跳ねて喜ぶのは早いよ!」

凛「えー?」

真姫「まあ、この若干未来と若干過去が分かった凛なら無双できるわよ。じゃあ、不定詞と動名詞、どっちも使える単語なら、どうなると思う? ちょっと意味が変わってくるのよね。やってみましょうか」

凛「凛にできるかなぁ?」

①『Arisa will never forget meeting her』

②『Don't forget to meet her』

花陽「今度はこの2つ……若干過去と若干未来を意識してみよっか」

凛「……『亜里沙ちゃんは』……動名詞は若干過去だから……『彼女に会ったことを忘れないだろう』かにゃ?」

真姫「そう。もうすでに亜里沙は彼女に会ってるのよね」

凛「……じゃあ、次のはまだ会えてない、これから会う若干未来だから……『彼女に会うことを忘れないで』ってことかにゃ?」

花陽「うんうん! ばっちりだよ!」

真姫「この若干過去と若干未来さえわかっていれば、このくらいの違いなら怖くないわ。他にもいろいろあるから、書き出していくわね」

『remember

若干過去(~ing)なら……~したことを覚えている

若干未来(to 不定詞)なら……~することを覚えておく

regret

若干過去なら……~したことを後悔している

若干未来なら……~することを断る

try

若干過去なら……~することに挑戦してみる←実際にやってみること

若干未来なら……~しようと試みる、努力する←やろうとしたけど、できていないという場合がほとんど』

真姫「まあ、探せばいっぱいあるかもだけど、こんな感じね」

凛「おお~!」

花陽「でも、やっぱりこれだけだと難しいよね……」

凛「え~?」

真姫「そうね……次は覚えるしかない使い分けを4つ行くわよ」

凛「うん……頑張って覚えてみるにゃ!」

『①stop
若干過去……~するのをやめる

若干未来……~するために立ち止まる←to以下のことは実行してない

②be anxious
若干過去(be anxious about)……~を心配している←これからしようとしていることを、実際に心配している

若干未来……~することを望んでいる

③go on
若干過去……~し続ける←過去、現在、未来にわたってそれを実際にし続けている

若干未来……次に~する←過去にやったことを終えて、まだ実行していないことをしようとしている

④be sure
若干過去(be sure of)……~を確信している←ここだけ若干過去だと覚えづらいかも……注意

若干未来……きっと~する←まだ実行していない。若干過去より可能性が少し低い』

真姫「……と、こんな感じかしらね」

凛「……な、なるほどねぇ……わかったにゃ!」

キーンコーンカーンコーン……

真姫「うえぇ? 昼休み終わっちゃったの?」

花陽「まあ仕方ないか……」

凛「今日だけですっごく頭がよくなった気がするにゃー。二人ともありがとう!」

花陽「……凛ちゃん……」

凛「凛、もっと勉強しようと思う! あ、これは若干未来、だよね? えへへ」

真姫「……まあ、その時は、暇なら手伝ってあげる」

凛「本当に!? 真姫ちゃんありがとー!」

真姫「わっ!? ちょ、引っ付かないでよ! 授業に遅れちゃうってばぁ!!」

花陽「えへへ、私も~♪」

真姫「は、花陽まで!? な、何よも~!」

凛「真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃーん!」

真姫「や、やめてってばぁ!」

花陽「まーきちゃーん♪」

真姫「だ、だれか助けて~!」

花陽「あ、真姫ちゃんがそれ言うと、面白いねぇ♪」

凛「えへへ、凛、もっともっとがんばるにゃ!」

―END―

真姫ちゃんこぼれ話

真姫「ちなみに、英語で『ズボンのチャック開いてるよ』と指摘するときは、なんていうか知ってる?」

真姫「なんと、『XYZ(エックスワイゼット)』ってそのまま言うらしいわ」

真姫「これは、『Examine your zipper』つまり『あなたのチャックを調べなさい』のXYZを取ってそう呼ぶようになったんだそうよ」

真姫「たまに英語って、そういう変なものとかあって面白いわよね」

―END―


終わりです。ちょっと知識不足でしたね。反省。

次はもっとうまくやれるよう努力します。

次回は3年生と古文文法を楽しく覚えていく予定です。よろしくお願いします

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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月22日 (金) 20:23:22   ID: cnBHRS4j

やばい。わかりやすい。ちょっと英語好きになった!また機会があったらやってほしい!

2 :  SS好きの774さん   2014年10月06日 (月) 01:09:25   ID: 7iyfM06n

一年生組と同じところを勉強していたからこれは助かった……!

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