狐娘「にゃんにゃん」男「……猫?」 (16)
狐娘「にゃんにゃん?」
男「キツネはコンコンだろう?」
狐娘「クウゥオォォン! クウゥオォォン!」
男「本格的だ!?」
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~ 言葉遣い ~
狐娘「ウチ、油揚げをぎょうさんしこたま食べたいわあどすえ」
男「……無理に京言葉っぽくしなくていいぞ」
狐娘「はらへったー、メシよこせー」
男「やっぱり少しは無理をしよう」
狐娘「お腹が減りました。どうか油揚げを頂けませんでしょうか?」
男「なんか違うなぁ」
狐娘「ぶー、わがまま」
~ 好物 ~
男「あ、冷蔵庫に何も無いや」
狐娘「はうっ!?」
男「インスタント食品も無いや」
狐娘「はうはうっ!?」
男「でも金をおろして来たから財布の中身は暖かいんだ」
狐娘「はうはうはうっ!?」
男「外食する?」
狐娘「外食する!」
男「油揚げ?」
狐娘「カツカレー!」
~ インドカレー ~
バイト「ヘラッシャッ!」
男「うどんとカツカレー」
バイト「オワッシャアッス!」
狐娘「インドカレー店なのにバイトは日本人」
男「料理しているのも日本人で、やっぱりバイトだ」
狐娘「でも内装のセンスだけはインド。あのペナントも」
ゾウ『カルタゴの壁! カルタゴの英雄!』
男「ハンニバルかあ、とことんインドじゃ無いなあ」
狐娘「?」
~ しあわせ ~
狐娘「ハフッハフッ、ムシャムシャ」
男「そんなに急がなくてもいいぞ」
狐娘「しあわせ!」
男「ん?」
狐娘「いま、すごくしあわせ!」
男「……うん、オレも……」
狐娘「こんなに幸せなら、明日の私の誕生日にすごいプレゼントがあるに違いない」
男「……」
狐娘「期待してる!」
男「……Oh」
~ 裏酒場のお仕事 ~
チリリーン
マスター「いらっしゃい、おや?」
男「仕事あるかい?」
マスター「あるよ、そこらのチンピラには任せられない仕事がね」
男「金が欲しい。早急に金が用意出来るヤツを頼む」
マスター「前の分はどうした? 結構あっただろ?」
男「財布の中にあるが、悲しい事に手を付けちゃダメな金なんでね」
マスター「ふう、仕方ないヤツだ。
そんなお前さんの要望に合う仕事はコレくらいか」
サッ
男「ふむふむ、……なるほど。ターゲットの詳しい情報は?」
マスター「情報料がいるな」
男「……もう一度言うが、財布の中身は手を付けちゃいけない金なんだよ」
マスター「金は必要な時、必要な分だけあればいい。
なら仕事を早く終わらせりゃ問題ない」
男「ちぇっ、仕方ないな。ほらよ」
マスター「毎度、コレがターゲットの情報だ。今すぐ動くんだろ?」
男「ああ、今すぐ、な」
~ 都市高 ~
ブロロロー
社長「お前も大きくなったな。好きな男は出来たか?」
娘「もう、パパったら」
社長「ははは、……おや?」
運転手「どうかしましたか?」
社長「いや、あのビルの屋上に何か光る物が……」
ターン……
社長「ぐはあっ!?」
娘「パパッ!?」
運転手「これは!? まさか狙撃!? お嬢様!」
娘「パパッ! 目を開けてよパパッ! パパーッ!」
ターン……
~ ビルの屋上 ~
男「……」
男「…………」
男「………………」
スタタター
~ 深夜・科学者のおうち ~
科学者「……」
妻「あら? まだ起きていらしたの?」
科学者「うん、少し気になる読み物があってね」
妻「ふふふ、コーヒーでもいれて来ますね?」
科学者「ああ頼む。おや? 今日は満月か、空が明るい……」
ターン……
科学者「あっ……」
妻「あなた!?」
ターン……
妻「うっ……」
~ 廃ビル四階 ~
男「……」
男「…………」
男「…………時間が無いな」
スタタタター
~ 朝・地方の議員のおうち ~
ターン……
議員「あぐっ……」
ターン……
娘「ぎゃっ……」
ターン……
息子「がはっ……」
ターン……
犬「きゃうんっ……」
~ 昼・市庁舎 ~
知事「今日、議員が撃たれたそうだね」
秘書「はい。ですがこの庁舎なら大丈夫です」
知事「ガラスは防弾、警備員もたくさんいる。まあ大丈夫だな」
秘書「はい、大丈夫ですよ」
知事「あっはっはっ……」
ターン……
~ 路地裏 ~
男「やっと追いついたぜ、ターゲットさんよ?」
秘書「……」
男「知事の秘書が狙撃手、なんて事は無いだろ? 本物の秘書はどうした?」
秘書「さあな、夢の島にでも聞いてくれ。
お前こそ、なんだ?」
男「悪を粉砕する正義のヒーローさ」
秘書「つまらん戯言を……死ね!」
ターン……
男「奥義、二指なんとか!」
ガシッ
秘書「なにっ! 弾を指で止めた!?」
男「弾筋と弾道さえ見切ればこんなものよ」
秘書「バカな! まさかお前、狐憑き……」
男「話はコレまでだな、鉄拳制裁!!」
ゴスッ
秘書「ぐべらっ!?」
バタッ
男「終わった終わった。
あとはコイツを裏酒場まで運べば……」
ぴーひゃらら、ぴーひゃらら
男「携帯にメール? なんだ?」
『依頼の変更あり。
ターゲットは生け捕りではなく、見付けしだいその口を封じよ』
男「あちゃー、マジか」
ファンファンファンファン
男「警察か、早く逃げないとオレもヤバイな。さて、どうするか」
秘書「…………」
男「すまないな。今回の依頼人はアンタが生きていたら都合が悪いらしい。
しっかり向こうで反省しときな」
ドカッ
~ 夕方・おうち ~
狐娘「ねむねむ」
男「ただいまー」
狐娘「……っ!」
ズダダダダー
狐娘「おかえりー!」
男「お、おう。なんか待たせてしまったようだな」
狐娘「うん、たくさん待ってた。どこ行ってたの?」
男「いや、ちょっと海釣りにな」
狐娘「大物釣れた?」
男「ごめん、ぎりぎりで逃げられた」
狐娘「ぶー、それで私の誕生日プレゼントは?」
男「……川辺で花を摘んできた」
狐娘「……」
男「……」
狐娘「…………」
男「……カ、カツカレー食べに行こうか?」
狐娘「わーい! 行く行くー!」
男「じゃあ準備しよう、今日は特別にフル天ぷらトッピングでいいぞ」
狐娘「やったー!」
テレビ『次のニュースです。
一連の殺人事件の容疑者が捕まりました。
犯人は路地裏で気絶していた所を警戒中の警官に発見され身柄を確保されました。
犯人は犯行に使われたと思われる銃を携帯しており、なぜ気絶していたのかも含めこれから……』
~ 完 ~
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