咲「麻雀で煙草吸うヤツさ、いい加減にしてもらえないですか?」 (35)


雀荘Roof-top

久「ん、それロン。3200」

純「まーた変な待ちだな、おい」

久「こっちの方が不思議と和了れるのよねぇ」カチッ シュボ

一「はい、次オーラスだね。あちゃー、トップ目まで遠いなぁ」

純「満ツモで捲れるか、ラス親は竹井だしなぁ」

久「逃げるわよ―」スパー

純「あっ、煙草切れてた。おーい染谷、いつもの」

まこ「はいはい、セブンのボックスじゃったな。ついでに灰皿変えとくぞ」

咲「……」ワナワナ

久「あら、咲、今日は吸ってないのねぇ」

一「あ、ほんとだ。もしかして禁煙中?」



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ウィーン ガチャガチャ ガッシャン ジャコン (洗牌されて山と手牌が出てくる音)

久「さてオーラスオーラス」パシ

純「うーん……」パシ(以後、打牌の音省略)

一「でさ、咲ちゃんなんで禁煙なんかしてるの?」

久「さては和になんか言われたわね。女子高生が煙草吸うなんてありえません!とか」

純「匂い服につくからなぁ……俺達だって部室じゃ吸わないぜ」

一「ボクは吸わないからわからないけど、なんでみんな麻雀中に煙草吸うの?」

久「うーん、なんでかしら。日本の伝統?」

純「煙草をくゆらせながら、『あンた背中が煤けてるぜ』ってカッコいいからな」

咲「……」ワナワナ


純「お。ここここ、いいトコ来たね、リーチ」リーチダヨ

一「うーん、純君の流れかぁ」

久「まずいところからリーチ入ったわね」カチッ シュボ

純「ガハハ、先制テンパイ即リー、これはトップいけんじゃねーのか」

咲「……」

純「チッ、中々こねーな……」

一「はいロン。8000点。逆転だね、純君」パタン

久「ナイス、はじめ!」

純「おいおいおーい、清澄助けてるんじゃねーぞコラ~」

一「そりゃ目の前に2チャがぶら下がってたら和了るよ。ワンツーだしね。」

久「もう4半荘もしたし、そろそろ場所替えしましょうか……って咲、調子悪いわねぇ」

一「ほんとだ。一人沈みじゃん」

純「ニコチン足りねーんじゃねーの?」スパー

咲「麻雀で煙草数ヤツさ、いい加減にしてもらえないですか?」

純「おいおいどうしたんだよ、急に。先週までスパスパ吹かしてたじゃねーか」

一「禁煙でイライラしてるんじゃない?イライラは美容の敵だよ?」

久「咲らしくないわねー。あ、もしかしてお金ないの?先輩として一箱くらいなら奢ってあげるわよ、浮いてるし!」

咲「……」ワナワナ

まこ「そういえば最近、部活でも調子悪いの―」

久「えっ。そうなの?」

まこ「うむ。絶不調というか……最近派手に和了ってる姿見ないのぉ」

久「もしかして……それ、煙草と何か関係があるのかしら?」

純「ほほう」

咲「はい……実はそれで、先週から禁煙して、なんとか我慢出来てたんですが……」

咲「もう無理です!煙草一本下さい!」


咲「はーっ……美味し~~」結局、純から貰った

純「煙草1本やったんだから、詳しく話せよ」

久「そうねぇ……咲がこのままだと、来年の清澄も危ないし」

一「こっちとしてはラッキーなんだけど」

咲「実はですね、インハイ終わってからずっとなんです」

久「え?」

咲「ほら、うち、部活中は和ちゃんとかうるさいから煙草吸えないじゃないですか

咲「いっつもここで打つときは調子良かったんで、部活の時の不調も全然気になんなかったというか、お金賭けてないから敗けてもそんなに覚えてなかったんですけど

咲「最近、どんどん煙草吸ってない時の調子が悪くなって、1週間前に和ちゃんに指摘されたんです

咲「それで禁煙してたんですが、部活での調子が上がるどころか、今日やってみてわかりました。煙草吸わないで打つと、全然ダメダメなんですよぉ……」


一「そんなオカルトがあったりするのかな」

純「さすがに公式戦は煙草禁止だからな、これはイイこと聞いたっと」

まこ「そうじゃったんか……ワシもここで見る咲は調子いいから、最近まで気が付かんかったけえ」

久「うーん、それは可愛そうねぇ」スパー

咲「で、どうしたら……やっぱ今日は煙草吸って打ちます、まこ部長、赤マル二箱下さい。皆さん、さっきはイライラしてすみませんでした」ペッコリン

純「おいおい、そんな話聞いたあとじゃ、吸ってほしくないぜ……」

まこ「で、どうするんじゃ咲。まだ国麻までも時間あるからまだええが、なんとか改善せんと、清澄高校的にはまずいのぉ」

咲「ど、どうしましょう……」

純「なー竹井はそういう経験あるか?というか、お前いつから吸ってるんだ?」

久「ん?私?高校入った時からだけど?部室がほとんど喫煙所だったわね……」

まこ「ワシが入ってからも、部室で学生議会の仕事しながらずっと吸ってたのぉ。さすがに次の1年生入れるときは禁煙しようということになったんじゃが」


久「結論から言うと、煙草吸ってても吸わなくても私は成績に影響はないわね」

久「でも高校で打つ麻雀は健康麻雀だからあんまりイライラしなくていいからかも。徹麻で煮詰まると、煙草がない状況なんて考えたくもないわ」

咲「ですよねー」

一「ボクは吸ったことないけど、別にそんな事感じないよ」

咲「ああ、吸ってなかった頃の自分に戻りたいっ!」

まこ「で、あんたはいつから吸っとるじゃ。確か入部したすぐ直後に、こそこそ屋上で隠れて吸ってたのぉ」

咲「わわ、私は中学生くらいから……家族みんな吸ってたし……」

久「うわっ、そのせいで胸小さいんじゃない?」

咲「そうかも……」ずーん


純「家族みんな吸ってたかー。確かに麻雀やりながら吸う大人は多いけど、娘の前で吸う両親ってどうよ?」

一「ちょっと非常識だよね」

久「私もお父さんが吸ってた影響かも」

まこ「で、場所替えはせんのか」

純「他に客もいないし、今日は酒でも飲みながらゆっくりこのテーマについて語ろうぜ!」

久「賛成!」

一「二人共、煙草吸った咲ちゃんと打ちたくないだけだよね……」

久「じゃあ須賀くんにでも酒とおつまみ買って来てもらいましょ」

まこ「……ウチは場代はしっかり貰うぞ」


なんだかんだ点1にレートを下げて麻雀を打ちながら……

一「そういえば咲ちゃん家族みんな吸ってたっていうけど、お姉ちゃんも?」

咲「うん。高校行ってからは知らないけど」

久「あー、なんで麻雀やってる時の煙草って美味しいのかしらねー」

純「普段はこんな灰皿山盛りになるほど吸わないよな」

まこ「はたから見てると、根本まで吸わずにすぐ消すからじゃなかろうか」

久「あー、そうかも」

まこ「そうそう、雀荘で煙草を吸う時のマナーについて簡単に解説しよう

   左手で煙草を持ち、席の左にあるテーブルの灰皿を使う。右手は牌を扱うからのぉ

   あと、火の着いた煙草を卓の上に持ってくるのはご法度じゃ。灰が落ちて卓が汚れる上に、万が一火種が落ちたら焦げ付いてしまうからの。

   それに置き煙草も罰符じゃ。だいたい忘れて放置してしまう上に、上家に煙が流れて迷惑じゃ。例え相手が喫煙者でもな。置かずに無意識に消して一人前じゃと思う。
 
   煙草を吸わない人もいると思うが、今日の雀荘ではまだ煙草は市民権を得ておる。
   仲間内で打つ時くらいは煙草が嫌いな人がいたら吸わないように配慮するのもええかもしれないが、中々そういう空気にはならないのも事実じゃな。」

まこ「そして麻雀を打ちながらかっこ良く煙草を吸うのは結構難しいのぉ。まあ何をもってかっこいいとするかはわからんが、吸うタイミングやその一連の流れがスマートなおっさんもたまにおる。

   ま、上記のマナーを守って他人に迷惑さえかけなきゃかっこ悪くてもええんじゃがの」


京太郎「買い出ししてきました―って煙草くさ!」

久「ありがとね、須賀くん。1万円で足りるかしら?お釣りはお駄賃よ」

京太郎「えっ、皆さん煙草吸うんですか?」

一「ボクは吸わないけど」

咲「うん。和ちゃんには内緒だよ!」スパー

純「煙草も吸わずに徹麻やってられっかバーロー」

久「時は大麻雀時代……21世紀初頭には迫害された喫煙者たちも、麻雀が大ブームになると同時に再び市民権を得始めたのよ」

京太郎「あっ、そういう設定なんっすね。」

久「須賀くんも打ってかない?」

京太郎「すんません、服に煙草の匂いつくと親になんて言ったらいいか……ネト麻中ですし、お疲れ様っした―」


一「そういえば最近ニュースであったんだけど、高校球児が煙草吸ってその学校が試合禁止だって」

純「あちゃー、それはご愁傷様だな」

久「スポーツやる人が吸っちゃダメよ、心肺機能見る見る落ちるし」

純「でもよー、プロ野球選手でも吸ってる人とかいるじゃん。まあ流石に陸上選手は吸わないだろうけど」

久「でも煙草吸ったからってプロ失格ってのもおかしいわよね。煙草吸って能力落ちても、それでオリンピックでメダル取れるなら別にいいんじゃないかしら?」

一「そういう問題かな―?応援してくれた人への裏切りだと思うけど。煙草吸わなかったらもっといい記録出せたんでしょ?」

まこ「まあとにかくその話の流れだと、煙草のせいで麻雀のパフォーマンスが落ちた咲は煙草をやめんといかんの」カウンターで新聞読みながら

咲「えぇ!?とばっちりはやめて下さいよぉ……あ、それカン、嶺上開花でーす」

一「むしろ今の咲ちゃんの場合、煙草で能力上がってるよね……」


久「そういえば前にヤスコに聞いたけど、プロもみんな吸ってるらしいわよ」

一「藤田プロといえばキセルだよね。でもあれ麻雀中に葉っぱ入れたりするの面倒じゃないのかな?キセルのことはよくわからないけど……」

久「多分キャラ作りじゃないかしら?せんべいのカードとかでも紙巻き煙草咥えてたらちょっとねぇ……」

咲「キセルなら許される風潮ありますよね。インハイでもキセルなら大丈夫ですかね?傘持ち込んでる人も居ますし……」

純「いや、駄目だろ」

咲「ですよねー」

久「とにかく、咲の問題はなんとかしなくっちゃ!二人共、なんかいいアイデアない?」


純「ねーよ。あっても言わねー」

一「やっぱ禁煙しかないんじゃ。まだ若いし、間に合うよ、きっと!」

久「咲、禁煙出来そう?」

咲「む、無理です……煙草辞めるくらいなら部活やめます……」

久「これは重症ねぇ」

咲「もういいじゃないですか!他の3人が何とかしてくれますよぅ……」

久「ところで非喫煙者のはじめは煙草吸う人のことどう思ってるの?やっぱ副流煙とかあるし、気にしてたりする?」

一「うーん、麻雀一緒にやるくらいなら別にいいかな。お付き合いする人には吸ってほしくないけど」

純「透華は吸ってないよな。むしろ俺達の他に麻雀部で煙草吸ってる人いるのか?」

久「長野ではいなさそうよね。風越はそういうのうるさいらしいし、ゆみも吸わないって言ってたから。あっ、今宮女子とかは吸ってそうだわ」


一「リスナーからアイディアがあったよ!ガムしかあらへんなだって」

咲「えー、ガムですか……対局中にクチャクチャされたら私、大明槓からの嶺上開花狙いに行きますけど」

久「でも口寂しい時はガム便利よね。私も学校ではガムにしてるわ。流石に授業の合間に煙草吸えないし」

純「ニコチンガムなんてものもあるしな。」

一「あと大麻、やろうだって」

咲「えー、大麻ですか。流石にそれはちょっと」

一「でも依存性は煙草よりないらしいよ、癌の危険とかも。オランダとかだと合法だし」

久「でも、麻雀に大麻って……気持ちよくなるために吸ってる訳じゃないからねぇ……」

咲「そうですよね。むしろ覚醒剤でスッキリポンしたいですね。ガン牌出来そうですし」

純「なんで大麻が駄目で煙草はいいんだろな」

まこ「そりゃー、大麻はゲートウェイドラックだからじゃ。大麻に慣れたら次は覚醒剤やヘロイン、地獄の坂道真っ逆さまじゃからな」

久「確かに煙草から覚醒剤に行く人って聞いたことないわね」


一「そういえばこんな話を聞いたことがあるんだけどさ、煙草吸うのって口唇欲求と関係があるんだって」

純「なんだよそれ」

一「つまり、おっぱいを吸いたい赤ちゃんの頃の生理的欲求が大人になっても残っていて、煙草でそれを代替しているって話。まあ依存の原因は明らかにニコチンなんだけど」

久「へー。咲、和に吸わせて貰えば止められるんじゃない?」

咲「和ちゃんは触らせてくれすらしませんよぉ」

一「あと煙草吸う人に寂しがり屋が多いって話も聞いたことあるよ」

純「確かに竹井も宮永も、少しその毛あるよな」

久「あら、そうかしら?」

咲「うーん……」


久「あーえっちしたい」

純「突然どうした」

久「みんなは最近どうなのー?」

純「俺は相手いねーよ」

一「ボクもトーカがヤらせてくれる訳ないし」

咲「私も……で、久さんはどうなんですか?」

久「私だって美穂子がヤらせてくれる訳ないじゃない……」

久「部屋にまで誘えたのに、あの子割りとガード硬いのよね……」

咲「でもえっちの後に煙草吸うシチュエーションって憧れますよね」

久「そうそう!それがしたいのよ!でも本命よりも、ワンナイトの相手と安ホテルで事後に吸う煙草の方が美味しそうだわ……」

純「やっぱり風越のキャプテンは煙草うるさいのか?」

久「そーよ、もう……デートで煙草吸えないし。駄目って言われてるわけじゃないけど、悲しそうな顔で見てくるからね……」


一「リスナーの方からまたお手紙頂きました。実は煙草の入手が値段や年齢確認で難しくなって薬物に走る例は世界的に増えてるんだって」

久「へー……昔は自販機で誰でも買えたのにねぇ」

咲「お父さんに使い走りさせられてましたよ、私は。コンビニでも買えましたし」

純「俺は年齢確認されたことねーな。宮永はどうしてるんだ?お前子供っぽいからなんか言われるだろ」

咲「いっつもここで買ってるから問題無いです。ありがとうまこ部長」

まこ「おいおい、捕まってもここで買ったことは言うんじゃないぞ」

久「でもいくら煙草の入手が難しいからって私の感覚的には薬物のほうが入手難易度高そうに見えるけどねぇ」

純「いや少しコネあれば簡単に手に入るらしーぞ、最近は。昔はネットショップで主婦を中心にドラッグが広がってたって話もあるし。

暴力団との繋がりが無くても手に入るようになってるみたいだからなー、でも煙草より簡単か?」

咲「値上げは辛いですよね。かと言ってわかばとかは好み分かれるし……」





一「でもさ、外国に比べたら安いほうだよ。ヨーロッパやアメリカだと一箱1000円くらいするみたいだし」

純「あー、そりゃドラッグに走るかもなぁ。特に貧困層が。」

久「でも外国で麻薬やって捕まったらヤバイらしいわよ。中国とか死刑だって」

一「難しい問題だね。実際、煙草禁止になったらみんなどうするの?」

純「大正義酒があるから大丈夫じゃね?」

久「でも酒と煙草の相性は抜群だけど、ちょっと違うのよねぇ」

咲「そうですね。酒と煙草は別腹ですよね」

一「酒の歴史は人類の歴史と共にあるけど、実は煙草が西洋世界にもたらされたのはコロンブスがアメリカ大陸発見した以降らしいよ。結構最近まで旧大陸の人は煙草なんて吸ってなかったからね」



まこ「煙草は身体に悪いからやめときんさい」

一「そうだよ。特に未成年の喫煙は、依存性が高まるし、将来の発がんリスク増大、成長発達特に脳の発達を阻害するんだよ」

純「ごもっともで」

久「それを言われちゃ身も蓋もない」

一「特にさ、自分が癌になったり、お金を失ったり、煙草臭くて女に振られたりするのは構わないけど、副流煙で自分の大切な人を傷つけるのはよくないよ。」

まこ「どうしても吸いたいなら分煙じゃな。それは最低限のマナーじゃけぇ」

久「どーして雀荘は喫煙が許されてるのかしらねぇ」

純「客層が喫煙者よりだからじゃないか?禁煙の雀荘はあまり客来ないだろ、多分」

咲「禁煙の居酒屋がないのと同じ理論だね。少なくなってるとはいえまだまだ喫煙者は多いし、酒飲む時だけ煙草解禁している人もいるからね」


咲「ふああ……もう眠いや……」

久「結局、咲どうするの?禁煙してみる?」

咲「そうですね。よく考えたら、昔は煙草吸わなくても別にイライラしなかったんですから……チームに迷惑かけてまで吸うのは間違ってると思いますし」

まこ「その言葉が聞けてよかったけぇ」

純「俺はやめる気ねーからな。まあ分煙はしっかりやるけどよ」

久「私ももう引退したし。でもさ、次は煙草無しで打ってみるのもまた一興ね。咲の禁煙を手伝ってあげなきゃ」

純「まー、たまにはいいか」

一「上手くまとめにかかったね……」

久「煙草なんて百害あって一利なし。そうは言うけど、長生きすることだけが人間の目的じゃない。

他人に迷惑をかけない範囲で、煙草を吸う自由くらいあってもいいじゃないかしら?」

純「そーだそーだ」

一「喫煙者が言っても説得力ないけどね。それじゃあおやすみなさい」


カン!

咲のキャラに自分の意見を言わせてすみません。
ちなみにルーフトップは多分禁煙の雀荘です。あともちろんこれは二次創作です。
映画とかで煙草吸う俳優がかっこ良く見えるけど、あれは煙草がかっこいいんじゃなくて俳優がかっこいいだけだと思います。
煙草がなくてもかっこいい大人になりたいな。おやすみなさい。

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