エレン「突撃の巨人」(24)
進撃の巨人とガンパレードマーチの中途半端なクロスオーバー的な何か
途中で投げ出すかもしれない
8××年
全人類規模で行われた人間同士の戦いは意外な形で終幕を迎える事になった。
人類の天敵の出現である。
人類の天敵、これを巨人と言う。
本来我々の世界にありえない生物である。
生殖もせずただ生きた人のみを捕食し、死ぬ時死んで幻に帰る。
ただ人を狩る人類の天敵
人はそれがなんであるかを理解する前に、そして人類同士の決着を見る前に、
まず自分自身の生存のため、天敵と戦う事を余儀なくされた。
それから100年――――
戦いはまだ続いている。
8△△年
8△△年から続く巨人との戦いは「壁」への人類の後退という形で続いていた。
人類は4千万人という死者を残して消滅した。
人類の生存権は「壁」の中のみとなる。
壁の外の人類を駆逐した巨人はついにウォールマリアに進行を開始。
ここに人類と巨人の幾度目かの防衛戦争が開始された
8○○年
もはや恒常化した壁内における巨人との戦争において1つの事件が起きる。
記録的な惨敗である。
ウォールマリアで行われたこの回開戦において兵士の数はほぼ全力の48万。
一方巨人の数は―――…
人類は生物兵器を使って同地の8割を焦土にして戦術的勝利をものにしたが同時に30万以上の将校を
一挙に失う事になった
人はこの穴を埋めるためにあがきつづけることになる。
8○○年
壁内の王政において二つの法案が可決された。
1つはウォールローゼを中心としたトロスト区への防衛ラインの設置である
ウォールシーナへの巨人の侵入を絶対阻止を計る時の王政は、時間稼ぎのため、ローゼの中心であったトロスト区の
戦力増強を行う。
こうして単なる壁の一つであったトロスト区はシーナ防衛、最後の砦となった。
例えウォールローゼのすべてが陥落したとしてもローゼを陥せない限りにおいてつねに後背に刃を向けられていることに
なるはずである。
もうひとつの法案は少年兵の強制召集である。
14歳から17歳までの徴兵規定年齢に達してない子どもたちが学箱のまま、かき集められた
その数は10万人。
これを即席の兵士としてトロスト区に投入しシーナ防衛のため「大人の兵士」が練成されるまでの時間を稼ぐ。
これらの少年兵のほとんどが8○○年に中に死亡すると王政は、そう考えていた。
物言わぬ巨人との戦争に巻き込まれた子どもたち。
これから始まる物語は、その子供たちの一人が、主人公である。
エレン・イェーガー。
15歳。性別男。
世界を救う能力があるわけでも、勇者でもない。
しかし、母親が巨人に殺され、誰よりも巨人を憎んでいる。
この物語はエレン・イェーガ―の目を通して描かれる。
未だに兵士にもなっていない。
―――
「エレン、起きて。どうやら着いたみたい」
「思ったより寂れた場所だね」
目を開けると太陽の光が目に入った。
隣を見るとミカサが俺を見下ろしている。
反対隣にはアルミンがいた。
「おじさん、どうもありがとうございました」
アルミンが行儀よく頭を下げた。
ミカサもそれに倣い頭を下げた。
俺も慌てて頭を下げる。
「困った事があったらまた頼ってくれよな。お国のために戦う兵士には誰だって親切さ」
おじさんはケタケタと笑い、馬車を走らせた。
ここに来る道中親切なおじさんが通り道と言う事で荷馬車に乗せてくれた。
それでも思いのほか目的地に辿り着くまで時間がかかってしまったようだ。
「やあ、おはよー!君達は戦車兵志望の子達かな?」
いつの間にか近くに人が立っていた。
この服は…小隊の制服だ。
メガネをかけた男性…女性?は親しげな雰囲気で話しかけてきた。
「は、はい!僕達今日から訓練兵になる予定です!」
「…同じく」
「…はい」
「よかった!もうすぐ入学式が始まる時間だしきっと早く来るだろうと思って早く来るつもりだったんだけど
実は30分ほど遅刻しちゃって誰も来ないから逃げたかなーとか思ってたんだ」
「はぁ…」
「昨日実は士魂号を生で触らせてもらっちゃって…人口筋肉がね…「ハンジ百翼長!」
「ああ、モブリット。どうしたの?」
「どうしたの?じゃ、ありませんよ!もうすぐ入学式が始まりますよ!訓練兵を迎えにどれだけ時間かかってるんですか!」
「え?もうそんな時間?じゃあとりあえず校舎まで案内するね。着いてきて」
そういうとハンジと呼ばれた女性?は背を向け歩きだした。
「自己紹介がまだだったね。私はハンジ。階級は百翼長。ちなみに士魂号の整備士兼君達の先生みたいなもんかなこっちはモブリット」
「よろしくお願いします」
「僕はアルミン・アルレルトです」
「俺はエレン・イェーガ―です」
「ミカサ・アッカーマンです」
「いやあ、生まれて来た時代が悪かったね。まぁ出来るだけ死なないよう色々教えていくからよろしく」
「ようこそ第62高等戦車学校へ」
「「「よろしくお願いします」」」
「なんで戦車学校なんかに入学したんだい?」
「巨人を駆逐して壁の外を探検するのが夢なんです」
「俺は…」
「一匹でも多くの巨人を駆逐したいんです。そのために戦車兵が一番効率がいいと思いました」
「私はそんなエレンを守るため」
「仲がいいねぇ。しかし…シーナの方では徴兵拒否も多いらしいから君達は偉い!」
ハンジは手近にいたアルミンの背中をバンバンと叩く。
…地味に痛そうな音がした。
案内されたのは立派な建物…の隣に設置された少し大きめで、少し立派な掘立小屋だった。
ご丁寧に2階建て仕様、屋上付きだ。
屋上は日当たりが良さそうなので昼寝をしたら気持ちいいだろうな…
ぼんやりどうでもいい事を考えていた。
「思ったよりボロいね」
「こんな所で大丈夫なのか?」
ヒソヒソと話す。
「ここが今日から君達の学び舎だ。存分に生き残る術を学んでくれ」
中に入ると中年の男が一人、俺達と同じ歳くらいの少年がいた。
「これで全員そろったか」
中年の男に促され席に座る。
「急遽編成された速成教育舞台、小さな学校だが。君達を一人前の兵士にしてやる事は保障する」
「私はエルヴィン・スミス千翼長。君達の司令になる予定だ」
これから兵士になるための日々が始まった。
今日はここまでで…
進撃もガンパレも知っている人向け
―――
「よぉ!お前達も戦車兵目指してるんだろ?」
一通り軍や兵士のあり方…授業の後声をかけてきたのは坊主の少年だった。
多分歳は同じくらいだろう。
「あなたは?」
「俺はコニー。コニースプリンガーって言うんだ。よろしくな」
コニーと名乗った少年はニッと笑う。
「しっかし…やっぱ戦車兵ってかっこいいよな。戦車兵になったらきっと母ちゃんも喜ぶぞ!村のみんなも俺を見直す」
「母さん…か」
「お前たちはなんで戦車兵になったんだ?」
「僕は…うーん…多分一番生存率が高そう…と思ったからかな…。あんまり身体能力高くないから。パイロットならもしかしてって思ったんだ」
「私は―…」
ミカサはチラリと俺を見る。
コニーは一瞬怪訝な顔をした後ニヤニヤと意地の悪い表情を浮かべた。
「なんだ?おまえらってもしかしてアレ?彼氏彼女ってやつ?」
「違う。エレンは家族」
「ミカサの両親は殺されたんだ。それで色々あってオレの家にきた」
「ちなみにオレは戦車兵になったらより多くの巨人を駆逐できると思った」
「スカウト(歩兵)だとチマチマとしか殺れねぇ…それに限界がある」
「一匹でも多くの巨人を駆逐して殺された母さんの仇をとる。そして壁の外に行くんだ」
コニーはしばらく考え込んだ後不意に目を逸らした。
「悪い。おまえ達母ちゃんいないんだな…」
「そんな事気にしないで。よくある話だよ。コニーは僕達の分までお母さんに優しくしてあげて」
「そうだな!戦車兵になって親孝行だ!エースになろうぜ!」
―――
「隣の戦車学校と話がついた。今日から練習機とシュミレーターが使えるようになった」
エルヴィンの凛とした声が響く。
「よって明日以降は練習に入る。戦車兵が戦車に乗らないと格好がつかないからな」
「午後の授業でハンジ百翼長から戦車について説明がある。 …操縦以外の話になったらそれとなく止めるように」
「ついにきたのか!」
コニーが拳を握ってわくわくしている。
アルミンを見ると少し緊張した面持ちだ。
…今からそんなんで大丈夫か?
ミカサは…普通だった。
「どうしよう…すごく緊張して眠れない…」
明りを消して暗くなった部屋でアルミンが呟いた。
「落ちつけよ。まだ練習機にも乗ってないしシュミレーターにも触ってないんだぞ」
「…僕達が乗る機体…士魂号っていうんだって」
「らしいな。はじめて会った時ハンジ百翼長が言ってたな。あの時は何言ってるのかわからなかったけど」
「二足歩行の戦車。走る速度は車以下、的の大きさでは戦車以上。使える武器の大きさは重量比で、如何なる戦車にも劣る」
「…よく覚えてるな」
「士今号は人型で素手でも沼に引きずり込み岩場に引きずり込み、奇襲し、そこにある石でトラップを作ったりできる」
「その『戦術』はアルミンの得意分野だろ?」
「…僕には自信がないんだ。僕は身体能力がないから戦車兵になった。でも人型戦車は『僕』も同然だ」
アルミンはシーツをギュッと掴む。
「そんな僕が士魂号を操縦してもだめなんじゃないかな…」
「何言ってんだ。それならおまえは強いだろ。おまえが何か考えて…『戦術』を立ててきたからオレ達はここまで来れた」
「過信しすぎだよ」
「そうでもないさ。明日ミカサにも聞いてみろよ」
「……」
「それじゃあオレは寝るから」
「おやすみ…」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません