真姫「とうとう手に入れたわ」 (32)
――部室
真姫「にこちゃんのスク水!」
真姫「練習とかいろいろ忙しくて、ぎりぎりになったけど」
真姫「ふふふ……見れば見るほどかわいい」
真姫「さすが私のアイドルにこちゃんだわ」
真姫「海未もそう思うでしょ?」
海未「」
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真姫「海未?」
海未「え、ええ。そうですね」
真姫「でもだめよ」
海未「何がですか?」
真姫「にこちゃんは私だけのアイドルなんだから」
海未(何を言ってるんでしょう……)
真姫「え? にこちゃんのかわいさがわからない?」
海未「何も言ってませんが」
真姫「しょうがないわね、宇宙ナンバー1アイドルにこちゃんのかわいさを教えてあげるわ」
海未「さっきと矛盾してませんか?」
真姫「このスク水にこちゃんを例に見ていくわ」
海未(あぁ、私の意見など関係ないと)
真姫「まず目に付くのは何と言っても、この華奢な身体を包み込むスク水ね」
海未「はぁ」
真姫「名前が矢澤なのがちょっと残念だけど」
海未「関係あるんですか?」
真姫「あるわよ!」
海未「」ビクッ
真姫「漢字で『矢澤』ってのとひらがなで『にこ』では全く印象が違うでしょ!」
真姫「もう一つ注目すべきはウエストからお尻にかけてのラインよ」
海未「これがなにか……」
真姫「よく見て。これを実際に着てると想像すると、かなりお尻が見えてるはずよ」
海未「確かにそう見えなくもないですけど、これはポーズの関係もあるのでは?」
真姫「そうなると、かなりの割合で食い込んでいるとも考えられる」
海未(やっぱり無視された)
真姫「当然、にこちゃんの魅力はスク水だけじゃないわ」
海未「まぁ、そうなのでしょうね」
真姫「ちゃんと聞きなさいよ!」
海未「す、すみません」
真姫「次はこの表情。海未の目にはどう映る?」
海未「どうと言われましても……泳いだ後で一息ついているのではないですか?」
真姫「当たらずとも遠からず、ね。さすが海未よ」
海未「はぁ……」
真姫「ここにはちょっとしたギャップがあるのよ」
海未「と言いますと」
真姫「普段は笑顔を絶やすことのないにこちゃん」
真姫「でも、ちょっとした1シーンにうかがえるこんな表情がまたぐっとくるのよ」
海未「なるほど」
にこ「」
にこ(なんか真姫ちゃんのテンション高い声がすると思ったら)
にこ(なんで部室であんな話してんのよ!)
真姫「そのうえ頬を伝う水が輝いて、よりにこちゃんの魅力を引き立てているのよ」
海未「よく見てますね、全然気づきませんでした」
にこ(海未もそこは止めなさいよ!)
真姫「この赤いシュシュも似合ってるでしょ?」
海未「いつものリボンとは違って、これはこれでいいですね」
真姫「海未もわかってきたじゃない」
海未「まぁ、なんだかんだ言ってにこはかわいいですからね」
にこ「」
にこ(あれ、海未もそっちに行っちゃうの?)
真姫「ここで私が思うこのスク水写真の最大のポイントを教えるわ」
海未「まだあるというのですか?」
にこ(まだあるの……)
真姫「それは、見せてしかるべきところを見せていないのよ!」
海未「どういう……ことですか?」
にこ(どういうことよ)
真姫「スク水と言えば、その形状から他人に見られる部分が多くなるわ」
海未「ええ、普段見えないところまで見られ……はっ」
真姫「ふふ……気付いたみたいね」
にこ(え、なに、なんなの?)
真姫「そう、このにこちゃんは、腋、お尻、さらには一番大事なところを完全に見せていないのよ!」
にこ(な、なんだってー)
海未「なるほど……たしかに、脚もカメラアングルのせいで左の太ももが大きく見えるだけで……」
真姫「右の太ももはたいして映ってない」
海未「左腋はしめているせいで見えなくて」
真姫「右腋はタオルがうまく隠してくれている」
にこ(……帰っていいかしら)
真姫「一番は局部を水着の一片も見せていないことよ」
海未「……その心は?」
真姫「妄想が捗る」
海未「それはちょっとわからないですね」
真姫「はぁ? 意味わかんない」
海未「ですよね、にこ?」
にこ「」ビクッ
真姫「に、ににににこちゃん? いつ、いつからそこに……?」
海未「ギャップがどうこうのあたりからいましたよね」
にこ「え、ええ。っていうか、気付いてたんなら真姫ちゃんのこと止めなさいよ」
海未「すみません、真姫の勢いに押されてしまって……」
真姫「にこちゃんに嫌われた……絶対嫌われた……」
海未「……さっきまでの威勢はどこに」
にこ「……ほんとよね」
にこ「はぁ、真姫ちゃん。にこは別に怒ってないわ」
真姫「ほ、ほんと?」グスッ
海未(涙目になるほどならやめておけばいいのに……)
にこ「ええ、にこのかわいさを広めてくれたんでしょ? それなら許してあげる」
真姫「ありがと……にこちゃん」
にこ「でも……にこがいないとこだとちょっと恥ずかしいから、ほどほどに、ね?」
真姫「うん……わかった」
真姫「じゃあ、にこちゃんと一緒ならいいわけね」
にこ「あれ? にこの言い方が悪かったかな?」
真姫「そういうことなら、海未! 今日の練習は休むわ、にこちゃんも!」
海未「え? どういう……」
真姫「にこちゃんのかわいさを広めまくるわよ! さぁ、にこちゃんも早く!」
にこ「え、なんで? あ、ちょっと、引っ張んないでって……いやぁぁああぁぁぁああ!」
海未「……さて、練習の準備でも始めますかね」
――終わり
ついさっきやっとスク水にこを入手したので勢いで立てました。
キャラ崩壊ごめんなさい。にこのスク水は盗まれてません。ご安心ください。
真姫「ふんふふ~ん」テクテク
これも私です。こちらもキャラ崩壊気味です。ごめんなさい。
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