宥「玄豚のハンバーグ」 (77)



とある東京のアパート。



『402号室』


宥「ねぇ菫ちゃん……」

菫「ん?どうしたんだ宥?」

宥「あのね…私が上京して、菫ちゃんとお付き合いする様になってから…もうすぐ二年になるんだよね……」

菫「ああ…そうか。そう言えば…もうそんなになるんだな……」ふむ


宥「…………」


菫「でも、それがどうしたんだ?」

宥「……うん…それでね――――」


菫「あっ!?」

宥「どうしたの?菫ちゃん…」

菫「済まない。これから、ちょっと出掛ける用事があったんだ」

宥「そう…なの……」

菫「帰りは遅くなる。と言うか…私はそのまま自分の部屋に帰るから、宥は私の帰りを気にしないで好きにしてくれたらいい」

宥「…………うん。分かったよ菫ちゃん……」


菫「じゃあおやすみ」

宥「うん。おやすみなさい」


パタン…


宥「………………」




ギリィ……


 

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とある東京のアパート。


『401号室』


ガチャ。


菫「済まない。少し遅くなった」

玄「いいんですよ菫さん。判ってましたから」

菫「判ってたって…君は超能力者か何かなのか?」

玄「ふふ…まぁ…そんなところですよ?ささ…冗談言ってないで入って下さい」

菫「ああ。それでは失礼する」すっ…



―――。


玄「菫さん。もうご飯出来てますよ」

菫「そうか…では早速いただこうかな」

玄「はいなのです」


菫・玄「「いただきます」」


 




―――。


菫「ご馳走様」

玄「お粗末様なのです」


菫「しかし…いつも思うのだが、玄さんは本当に料理上手だな。私はあまり料理は得意ではないから感心するよ」

玄「それって…お姉ちゃんよりもですか?」

菫「えっ!?」ドキッ



玄「で…どうなんですか?菫さん」じっ…

菫「うっ……それは…あ…ああ。勿論、玄さんの方が上手だよ」

玄「えへへ…嬉しい」にっこにこっ

菫(……ふふ…玄さんのこの無邪気な笑顔を見るとホッとするな……)

玄「これでも奈良にいた頃は、専ら私がごはんを作っていたのです」

菫「そうなのか……」


玄「はい。お姉ちゃんは夏場に素麺…といってもお姉ちゃんは、にゅう麺しか作らなかったですから」

菫「はは…宥らしいな」


 



――。

菫「それにしても。今日の料理は山芋でいいのかな?と鰻だなんて久し振りに食べた気がするよ」

玄「ふふ…自然薯って云うんですよこの山芋。この前、実家から送られてきたんです」

菫「自然薯か…聞いた事はあるな。実際に食べたのは初めてだが……」

玄「自然薯も鰻も食べると、とっても元気になるんですよ。ふふ…菫さんも元気になったんじゃないですか?」

菫「―――――!!!」

菫「ふふ…そういう事か」ニヤリ…

玄「はい。そういうコトです」にこぉ…


菫「まったく…君って人は……」ぐいっ

玄「あっ……///////」

菫「いつもみたいに…こうして欲しかったんだろ?」

玄「はい……いつもみたいに…………優しくしてください……/////」


 
 



―――。


ベッドの上のお布団の中。


玄「あっーーー////!!菫さん!!…・・・…・菫さん!!!////////」

ぎゅうっ!!

菫「……く…玄さん」

玄「どうしたんですか菫さん?私…良くないですか?」はぁはぁ

菫「いや…そういう訳ではないのだが…その少し声を抑えた方が……」

玄「どうしてですか?こんなに気持ち良くて、幸せな気持ちになっているのに、それを抑えるなんて……」

菫「玄さん……」

玄「菫さんだって…白い肌がこんなに上気して赤くなってるのに……」

菫「それは私だって……だが、このベッドは壁際に置かれているし……何といっても隣の部屋は……」

玄「何だそんな事ですか……」

菫「そんな事って…宥は私の……」


玄「それがいいんじゃないですか?スリルがあって」ニコリ…


菫(!!――――この人は…なんて妖しくて艶やかな笑顔を見せるんだ……)

菫(これがついさっき、あんなに無邪気な笑顔を浮かべていた、あの玄さんと同じ人なのか……?)ゾクッ…

玄「ふふ…冗談ですよ?このマンションの壁って結構厚いから、大きい声を出しても聞こえませんよ?」

菫「そ…そうなのか?」

玄「ええ。そうです」にこ

菫「そうか……なら…遠慮なく――――」すっ

玄「あっ…/////////」ピクン…



玄(フフフ…ヘタレで、ちょっとちょろめの菫さんもカワイイ……)



 



同時刻。

壁に向こう側。



―――――――――――――――――――――の壁際。




《――――慮なく――――》

《あっ…////////――――》


ガリ…


ガリガリガリガリ――――――



宥「……………」ギリィ…


ギリィ……



宥「…………玄―――――ちゃん……」



 



翌日。


『402号室』


宥「ねぇ菫ちゃん、昨日の話なんだけど……」

菫「ん?えっと…何だったかな?」

宥「もうっ私たちがお付き合いして、もうすぐ二年になるって話……」

菫「ああ、そうだったな。じゃあ記念に何か……そうだなどこかのレストランで――――」

宥「うん。その事なんだけど、今日…私の部屋でやりたいの」

菫「え?どうして」

宥「菫ちゃんに私の料理を食べて貰いたくて……」

菫「料理っていつも頂いていると思うが」

宥「そうだけど…この日の為に、特別な料理を出したいと思ってるの。ねえ…どうかな菫ちゃん?」

菫「そうか…そこまで言うのなら、楽しみにしてるって……ん?宥どうしたんだその指?」

宥「えへへ…ちょっとお料理中に怪我しちゃって……」

菫「そうか…気を付けてくれよ。宥が私の為に料理してくれるのは嬉しいけど、その所為で宥に怪我なんてして貰いたくはないよ」



 



宥「うん。ありがとう菫ちゃん。菫ちゃんはやっぱり優しいね」にこ

菫「そんな事はないさ。それじゃあ。今日は少し遅くなるけど、それでも大丈夫かな?」

宥「うん。下拵えに時間が掛かるから、むしろ遅めの方がいいくらい」

菫「そうか…じゃあ楽しみにしているよ」

宥「はい。期待してて下さいね」にこ

菫(宥…こんな笑顔を私に向けて……)

菫(それなのに私は昨日…いやこれまでも何回もあの壁の向こうで―――――)

菫(ん?何だ…?何か壁に赤黒い染みみたいなモノが……)


宥「ん?どうしたの菫ちゃん。ぼうっとして……」

菫「いや…何でもない。それじゃあ行って来るよ」

宥「はい。行ってらっしゃい」



バタン…



宥「フフ…それじゃあメインディッシュの【お肉】の準備をしないとね……」ニタァ…



 



『402号室』


玄「どうしたのお姉ちゃん?急にわざわざ私の部屋まで来て、自分の部屋に呼び出したりして。携帯とか使えばよかったのに」

宥「……来てくれてありがとう、玄ちゃん。言っても部屋は隣同士なんだけどね」

玄「そんなことはどうでもいいよ。それで、私に何の用なの?」

宥「…………玄ちゃん…本当に分らないの?何故…私に呼ばれたのか……」

玄「うん…全く分からないよお姉ちゃん」しれっ

宥「……そう。なら単刀直入に言うね」



宥「玄ちゃん。もう菫ちゃんを、誑かすのは止めてくれないかな?」



玄「誑かす?私がいつ菫さんに誑かしたって言うの?お姉ちゃん」

宥「……昨日だって、よりによって隣の部屋で…あんな事……」

玄「あんな事?ああ…やっぱり聞こえていたんだ?薄いもんね…このマンションの壁」ニヤニヤ

宥「やっぱり!!……わざと聞こえる様に……」

玄「だって……………その方が…聞かれてるって思ってヤッた方が、キモチいいんだもん」しれっ


宥「――――――!!!」

ギリィ…


 



玄「……ま、それだけじゃないんだけどね?」

宥「それだけじゃない?」

玄「うん。誰が菫さんにとっての『一番』なのかを、お姉ちゃんに分らせてあげる為でもあったんだよ?」

宥「……やっぱり……」

ギリィ…

玄「お姉ちゃん。最近、菫さんとシテないでしょ?私なんて此処のところ殆ど毎日……ってお姉ちゃんは知ってるか……」

宥「―――――!!」

玄「だって、殆ど毎日…聞いてたんでしょ?私と菫さんの愛し合ってるところ」

玄「お姉ちゃんの事だから、どうせその壁に、これでもかって言う位に、耳を張り付ける様に聞き耳立てて…自分を慰めてたんじゃないの?」クス

クス

宥「―――――!!?///////」かぁぁぁ

玄「その貌…図星みたいだね?お姉ちゃん」

宥「……………」わなわな…


 



玄「アハハ…そりゃそうだよね?だってお姉ちゃんに聞かせてあげる為に、わざわざベッドの位置を、そっちの部屋側の壁際に替えたんだもん」

宥「!!!!?」

玄「アハハ…私の思った通りだったね。寂しい出歯亀のお姉ちゃん?」

宥「…………玄―――――ちゃん……」ギリィ…

玄「お姉ちゃんの怒りと屈辱で歪んだ貌…もしかして初めて見たかも?でもそんな貌もカワイイよ、お姉ちゃん?」クスクス

宥「――――――!!」

ギリィ…

宥「…………でも……どうして…菫ちゃんは玄ちゃんなんかと……」

玄「……はぁ!?そんな事も分からないの?お姉ちゃん」

宥「!?」

玄「菫さんが言ってたよ」





玄「宥の字の中の有は鮪の有だって――――」ニヤリ





宥「―――――!!?」



 
 



玄「菫さん可哀想…だっていくらお姉ちゃんの為に頑張っても、愛し合おうとしても,肝心のお姉ちゃんが、反応も殆ど無い、寝てるだけの冷凍マグロじゃどうしようもないもんね」

宥「…………」

玄「その点、私はそんな事は…菫さんにそんな想いは絶対にさせないし…菫さんが愛してくれるなら、私も精一杯にその想いに応えてる」



玄「何時までも、菫さんのココロが自分にあると思い込んでる、お目出度いお姉ちゃんと違ってね」



宥「玄―――――ちゃん……」

玄「分った?お姉ちゃん。菫さんのココロは…愛はもうとっくにお姉ちゃんの元には無いんだよ?」

宥「………………」

玄「最初はお姉ちゃんが卒業して、奈良に帰ってから徐々にやっていく心算だったけど、こうなったらもう待てないよ」

玄「今度は私が単刀直入に言うね…お姉ちゃん」



玄「菫さんと別れて。もうあのヒトのココロは私の元あるのだから――――」



宥「!!?」


玄「これでもう判ったでしょ?分ったらさっさと菫さんと別れt―――――」


宥「ドロボー猫……」ぼそ…


玄「えっ!?」



 



宥「ねぇ玄ちゃん。人のモノを盗っちゃイケナイって…小さい頃、お母さんに教えて貰わなかった?」

玄「いまさら…何を言って……?それに私はドロボー猫なんかじゃ――――――」

宥「いいえ。違ってたわ……」

玄「!?」

宥「ごめんね玄ちゃん。玄ちゃんは猫なんかじゃない…お姉ちゃん間違ってた」

玄「お姉ちゃん……」

宥「玄ちゃんは猫なんかじゃなくて、人のモノに臆面もなく手を付けて…浅ましく貪る、言うなれば意地汚い玄豚だったわ」にこ

玄「―――――!!?」

ギリィ!!!


玄「おっお姉――――――!!!」

宥「ふふ…まぁ、どっちにしても、人のモノを盗っちゃう様な悪い妹には、お姉ちゃんからのお仕置きが必要ね」

すっ――――

玄(えっ!?いつの間にか、お姉ちゃんが目の前に――――――)



ブスッ…



玄「あ"っ――――――!!!?」

じわぁぁ・……・・……・・…

玄(……私…お姉…ちゃんに…刺され…たの……?)


 


宥「フフ…ここをこうやって刺すと、殆ど出血させなくて済むのよ?」

グリグリ……ぐりゅ…

玄「あ…あがぁ……あ――――お姉ちゃ―――――」パクパク…

がくがく…


宥「バイバイ玄ちゃん。人の一番大切なモノを盗っちゃう、玄ちゃんが悪いんだからね?」ニコリ

玄「そ…んな事d――――――」

ズズズ……………


バタン……


玄「――――――――――――――――――」


宥「…………ふふ…さて…準備しようかな。早くしないと菫ちゃん帰って来ちゃうし……」

宥「玄ちゃん……最期に菫ちゃんに会わせてあげるからね」にこ


宥「フフ…嬉しいでしょ?でも菫ちゃんは…【ソレ】が玄ちゃんだって気付かないでしょうけど……」



 



その日の夜。


ガチャ…


菫「ただいまー」

菫(ん?明かりが付いて無いな……)

すたすた

菫「…って。おーい宥いないのか?……まったく呼び出したのは宥だって言うのに。これだったらk―――――」


?「お帰りなさい。菫ちゃん」

ぼぅ……


菫「うわっ!!?」

びくっ!!!

ばっ!!

菫「なっ……何だ宥か……突然真っ暗な所で後ろから、いきなり声を掛けて来るなんて吃驚したじゃないか……」


宥「ふふ…驚かせちゃってごめんなさい。いま下準備が終わって、ちょっと疲れちゃったから休んでたの」

菫「そ…そうか……少し早く帰ってきてしまったかな……」

宥「ううん。大丈夫。あとは焼くだけだから」

菫「そ…そうか……」



 



…。


宥「じゃあ菫ちゃん。ここに座って待ってってね」

菫「ああ。そうさせてもらおう」

すっ…

宥「じゃあすぐに準備しちゃうからね」

菫「ああ。楽しみにしてるよ」



宥「あっあと菫ちゃん……」

菫「まだ何か?」



宥「お風呂が今故障してちょっと【大変な事】になってるから、入っちゃ駄目だよ?」



菫「お風呂場?」

宥「うん。明日、業者さんに修理に来てもらうけど、近づいて何かあってもいけないから」


菫「わ…わかった……」

宥「勿論。トイレには行っていいからね」


菫「そうか…では食事前に行っておくかな……」

すっ…


 



トイレの中。

ジャー

菫「ふう…さっぱりした……」

すくっ…


お風呂場の前。

菫(……そういえば故障してるから近づくなって言ってたな……でも、そう言われるとちょっと気になるな……)


菫(まあ少しなら―――――)




菫「!!?」

菫(何だこれ…………)





菫(扉の開ける所が、厳重に縛り付けられてる……これじゃとても開けられないし、中の様子m―――――)





 








?「菫ちゃん」



 



ドギンッ!!!!!


菫「ゆ…宥…………」ドキドキドキドキ…

はーはー

菫「きゅ…急に真後ろから声を掛けないでくれ…驚いたじゃないか……」

菫(お…驚き過ぎて、ど…動悸が止まらない……)

ドクドクドクドク…


宥「ごめんなさい菫ちゃん…fでも、駄目だって言ってるのに、覗こうとした菫ちゃんも悪いんだからね?」

菫「ああ…済まない……つい魔が差して……」


宥「そんな事より。もう出来たから食べようよ」

菫「ああ…そうだな」

菫(……今日の宥は…何時もの宥と、どこか違う気がする……どこがどうとは言えないが、触れてはいけない『何か』を感じる……)


菫(そう…このお風呂場からも…それと同じものを感じる……って流石に考え過ぎか……)



 



食卓。


宥「うふふ…今日は菫ちゃんの好きなハンバーグにしてみたの」

菫「そ…そうか……」

宥「ん?やっぱりもう少し特別なものの方が、良かった?」

菫「い…いや。そんな事は無いよ。宥が作ってくれるものなら、なんだって嬉しいさ」にこ…

宥「ふふ…有り難う菫ちゃん大好き」にこ

菫「ああ。有り難う。宥」


宥「…………じゃあ乾杯しよっか」

菫「ああ。私たちが付き合ってから2年経ち…そして3年目に入った記念に―――――」


宥・菫「「かんぱーい」」

カチャン…


カチャカチャ…

もぐもぐ


宥「どう?美味しいかな?」


菫「ああ。とってもおいしいよ…でも……」

宥「でも?」

菫「このハンバーグは一体何の肉を使ってるんだ?食べた事の無い感じなんだが……」

宥「菫ちゃん……」






宥「シリタイノ?コレガナンノオニクカ?」




 



菫「うっ!!」

ゾクッ―――

菫(何故だ?今一瞬寒気が……)


宥「ん?どうしたの菫ちゃん?さっきからちょっとおかしいよ?」

菫「い…いや……何でもない……」


宥「このお肉は玄豚のお肉だよ」

宥「そう…これは―――――――」



宥「玄豚のハンバーグ」



宥「――――――――なの」



 


菫「黒豚?……あまり豚肉って感じはしなかったが……」

宥「流石…菫ちゃんね」

菫「えっ?」

宥「……この玄豚のお肉は、私の郷里にしかいない、とっても貴重な豚のお肉なの。食感や味も他の豚とは全然違うんだから」

菫「そうか……そんな貴重なものを、私なんかが食べてしまっても良かったのかな?」

宥「勿論だよ菫ちゃん。このお肉は菫ちゃんに食べて貰う為に、用意したんだもん」

菫「そうか…では有り難く頂くとするよ。こんなお肉を宥と一緒に食べられて…私は幸せだよ」

宥「うん…私も菫ちゃんと一緒にいられて幸せ……」

宥(……ホントはこんな汚らわしい汚肉なんて、菫ちゃんに食べさせたくはないし……)

宥(私はとても…こんなお肉は食べられなかったから、私のは本物の黒豚のハンバーグなんだけど……)

宥(でもこれは…私が姉として玄ちゃんにしてあげられる、最大級の供養。玄ちゃんも最後に菫ちゃんに食べて貰えて嬉しいよね?)

宥(ホントは玄ちゃんが菫ちゃんの一部になるなんて耐え難い事だけど、これくらいはしてあげないと……)

宥(それに……これは玄ちゃんに唆されたとはいえ、私を裏切った菫ちゃんへの罰――――)

宥(でも…それでも私は菫ちゃんが好きだから……これくらいで赦しちゃう)

宥(だってこれで菫ちゃんは…………また私だけの菫ちゃんに戻ってくれるんだもん////////)

ニコニコ…


菫「どうした宥?そんなニコニコした顔をして?私の顔に何か付いてるのか?」


宥「ううん。何でもないよ?何でも」

ニコニコ…


菫「ふふ…おかしな人だな」


 



―――――。


宥「ねえ菫ちゃん…今日はお風呂も使えないし……その…今日は久しぶりに菫ちゃんの部屋で…………ね?//////////」かぁぁぁ

菫「ん?……そうだな。もう結構遅い時間だけど……」

宥「ダメ…なの……?」

菫「いや…宥がそうしたいと言うのなら……」

宥「有り難う菫ちゃん。大好き」

ぎゅっ

菫「まったく…しょうがない人だな……」フフ…



バタン…


菫「じゃあ…行こうか?」

宥「うん」

ぎゅっ


 



菫(ん?来た時もそうだったけど…玄さんの部屋、暗いままだな……暫く前に電話しても出なかったし、飲み会にでも行っているのか?)

宥「……どうしたの?菫ちゃん」

菫「いや…玄さんがまだ帰ってないなと思って…宥は何か聞いてないか?」

宥「うーん。聞いてはいないよ。でも一体――――クロチャンハ【ドコニイル】ノカナ?」

菫「!!?」ゾクッ…

菫(また原因不明の寒気が……)

宥「玄ちゃんの事だから、大丈夫だよ。それに今日くらいは、私以外の女の子の事なんて考えないでほしいな?」

菫「あ…ああ。そうだな…済まなかった。じゃあ行こうか?」

宥「うん」

ぎゅっ


菫(………何か判らないけど……今日の宥からは時折、違和感の様なものを感じる・……気のせいだとは思うが……)


  


―――――――――。


それから幾日が経っても、玄さんが姿を見せる事はなかった。

携帯に連絡しても、着信はしても一度も彼女が出る事はなかった。

メールも同様で、一度も返信される事はなかった。


流石に異常事態と判断し、私は彼女の姉と共に警察に捜索願を出しに行った。


彼女は…松実 玄は、この時から行方不明者になった。


その日から誘拐、監禁の疑いで捜査が開始された。


玄さんの携帯は自室から見付かった。

そして着信履歴やメールも調べられたが、警察は詳しくは教えてくれなかったけど、手掛かりになる様な有益な情報は得られなかったらしい。


代わりにと言っては何だが、メールや通話で、何度も私と連絡を取り合っていたのが知られて。私も警察の事情聴取を受けう羽目になった。



  



だが幸いにして、彼女と関係を持った時から、メールの内容は慎重にする様にしていたので、私たちの関係まで知られる事はなかった。


そして彼女と仲良し姉妹で有名だった宥も早々と捜査線上から外され、その彼女と一緒にいた私も同様に外された様だ。



よくある原因不明の失踪であると判断されて、捜査はほぼ打ち切りとなり、彼女の件は迷宮入りとなった。



私にも何が何だか分らない。どうして玄さんは突然に失踪してしまったのか?


何か悩みがあったのであれば、どうして私に相談してくれなかったのか?


そして何よりも…いま彼女がどこで何をしているのか?




全てが判らずじまいだった……。



 



だが、この時、私にある一つの事が、ふと頭によぎる。


もし宥が私と玄さんの関係を知っていたら?


最期に会った時の…私と関係した時の玄さんは、まるで宥に私との関係を、見せ付けようとしている様にさえ見えた。


それに宥が気付いていたとしたら――――?


そして思い詰めた宥が玄さんを――――――


いや……たとえ、それを知ったところで、彼女があの宥がそれで玄さんに何かをするとは思えない……。


菫「はは…私の考え過ぎだな……」はぁ


私は自身の考えたシナリオの…あまりの荒唐無稽さに馬鹿らしくなって、溜め息交じりに自嘲気味に苦笑する。



だが私は…あの時から…玄さんが居なくなった日から何故だろうか?宥に対して言い様のない不安と言うか、違和感の様なものを感じる様になった。


本来ならば私は宥を慰め、支えていかなければならない立場なのに…私は言い様のない自己嫌悪に苛まされていた。




 

取り敢えずここまで書くつもりだったのにうっかり寝てしまった。
また午前中に再開します。



大学のキャンパス。


菫(私は…どうしたらいいんだ……もう宥を支えていく自信がない……こんなんじゃ何時か、頭がおかしくなってしまいそうだ……)



?「――――pい……先輩」


菫「!!?」はっ


?「どうしたんですか?弘世先輩。そんなぼうっとして先輩らしくないですよ?」



菫「……なんだ渋谷か?まったく…驚かさないでくれ」はぁ

尭深「済みません先輩。最近あまり話す事がなかったものですからつい……」

菫「いや…いいんだ。私も色々あってな。最近ぼーと、考え事をしてしまう事が多いんだ……」


尭深「…………もしかして…松実さんの事ですか?」


 



菫「……知っていたのか?」

尭深「ええ。ニュースで視て……松実さんも大学に来ない日もあるみたいですし……」

菫(確かに…あまり大々的には報道しなかった様だが、確かに少しだけ流していたな……)


菫「……ああ。彼女の事は勿論だが、失踪した妹さんとも色々あってな…彼女たちの事を考えると、どうしてもこうなってしまうんだ……」

尭深「そうですか……それでしたら、もし宜しかったら…これから、私の部屋に来ませんか?」

菫「お前の部屋にか?」

尭深「ええ。心の落ち着くお茶があるんですけど、飲んでみませんか?少しは…ほっとする事が出来ると思うのですが……」

菫「…………そうだな。今は何にでも縋り付きたい気分なんだ。こちらからお願いするよ」

ぺこり

尭深「はい。畏まりました」にこ



 



尭深さんの部屋。



尭深「どうぞ……」

コト…

菫「有り難う。頂くよ」

すっ…


尭深「…………」

菫「……はぁ…美味しいよ。それに確かにほっとして、落ち着いた気分になった」

尭深「このお茶は気分を落ち着かせる、リラックス成分が入っているんですよ」

菫「そうか…味もいいし。これはいいな」

尭深「でも、やっぱり心が休まる場所で、出来れば毎日飲んだ方が効果的なんです」

菫「それはそうだろうな…なぁ渋谷。これはどこd――――」

尭深「ですから―――――」

がば…

菫(えっ!?いきなり渋谷が後ろから抱き着いて――――)


尭深「ここで…毎日飲みに来てくれませんか?//////////」


菫「そっそれって……」


尭深「私は…ずっと…白糸台の頃から先輩を事が…………好きでした…ううん今でも好きなんです」



 



菫「えっ!?」

尭深「私が先輩と同じ大学に入ったのも…先輩を諦め切れなくて追っ掛けて来たんです……」

菫「そうだったのか……そんな事思いもよらなかった……」

尭深「でも…そんな先輩が…日々憔悴していく姿を見ていて…我慢できなくなって……」

菫「渋谷……」

尭深「弘世先輩…私が貴方を好きになっても…貴女を癒させて差し上げてもいいですか?」じ・…

菫「……それは…………」

尭深「先輩が、松実さんとお付き合いされている事は勿論…知ってます……それでも私は―――――」

菫「…………有り難う渋谷。私には宥と知り合う前から、こんなにも私を慕い、愛してくれている後輩(ひと)がいてくれていたのだな……」

尭深「先輩……」

菫「……渋谷…こんな私でも……本当にいいのか?」

尭深「もうっ今さら何を云ってるんですか?駄目だったら先輩にこんな告白なんてしてませんよ///////」

菫「……そうだな。では改めて私から言わせてもらう。渋谷……これからは私の恋人として支えてほしい」

尭深「私が弘世先輩の恋人……嬉しい……」

ぽろぽろ…

尭深「えへへ…嬉しいのに…涙が止まりません……///////」にこ

菫「そうか…私も嬉しいよ。お前と言う…掛け替えのない存在に気付く事が出来て」にこ

尭深「でも…まだ信じられません…………だから証拠を下さい……///////」



 



菫「証拠?」

尭深「はい……///////」

すっ…

菫「!!」はっ

菫「……分ったよ」

すっ…


ちゅっ…


尭深「…………////////」


菫「……ん。これで信じてもらえるかな?」


尭深「……まだです///////」


菫「まだ足りないのか?」

尭深「はい///////」



尭深「今から…弘世先輩の愛を私の心と肢体(カラダ)に…………刻み付けて下さい……////////」



 



―――――。


お布団の中。


尭深「……わ…私……その良かったですか?//////その…初めてでよく分からなくて……//////」かぁぁ

菫「ああ。とっても良かったよ。渋谷の私に対しての愛と頑張りが、とても伝わってきた……こんなに良かったのは初めてだよ」にこ

尭深「――――!!先輩……嬉しい……」じわ…

菫「ふふ…かわいいやつだ」

なでなで

尭深「――――!!」

きゅーん///////

尭深「……先輩」

菫「何だ?」

尭深「その…私の事……これからは尭深って名前で呼んで下さい。その…私たち…もう……こ…恋人同士なんですから―――/////////」

菫「ああ。分ったよ。そうだな…じゃあこれから私の事も名前で呼んでくれればいい」

尭深「はいっ……分りました。す…菫先輩//////」

菫「……ん?先輩は変わらないんだな?」

尭深「はい。先輩はずっと前から…そしてずっとずっとこれからも、私の先輩であることに変わりはありませんから」

菫「そうか」

尭深「はい」



菫「ふふふ…」

尭深「えへへ…」


菫・尭深「「あはははははは――――」」



 


――――。


菫「その…一か月待ってほしい」

尭深「一か月…ですか?」

菫「ああ。流石に今の状況で宥を一人にはさせられない……」

尭深「…………そうですね」

菫「でも…一か月経って、彼女の心身が落ち着いたら、私はけじめを必ず着ける――――」

菫「その時初めて私たちは晴れて、本当の恋人同士になれる」

尭深「はい」


菫「だからその時まで…二人でいる時以外は呼び方も含めて、今まで通りでいてほしい」

尭深「はい。菫先輩」こく

尭深は嬉しそうに頷く。私はそんな健気でいじらしい彼女を本当に愛おしく思った。



そう…恋人『だった』宥よりも……。



尭深「私は先輩の帰りを待ちます……だから必ず…私の元に帰って来て下さい。私は先輩を信じてますから……」

菫「ああ。分かった。私を信じて待っていてほしい」

尭深「はい」にこ

菫「!!」

尭深の少しはにかんだ微笑みに、私は改めて尭深に心を奪われる。



そして私は感極まって、半ば無意識の内に尭深を自分の胸に、再び抱き寄せていた―――――。



 



―――――――。


それから――――。


玄さんは依然行方不明のままだった。


私自身、彼女に少なからず関係を持ち、特別な感情を抱いていた者として、彼女の安否が心配でならなかった。

もし尭深の存在が無かったら、と思うと…この身が張り裂ける思いだった。


この私でさえそうなのだから、実の姉である宥の感情はこんなモノではないはずだ。


私はそう思い、宥に付き添いながら、彼女が少しでも早く立ち直るように努めた。

だが宥は思ったよりも憔悴している様子はなく、最初こそ疲れた表情を見せていたけど、少し経つと落ち着いたのか、今までとあまり変わらないように見えた。




【あんな事】があったというのに……。




 



そして、あの事件から、彼女と私は彼女の部屋ではなく、専ら私の部屋で過ごす事が多くなっていた。


それまでは彼女の部屋で会う事が多かったのだが、自身の部屋が玄さんの部屋の隣りなのだから、仕方のない事だと思った。


だが宥は長時間私の部屋にいる事はなく、その日の内に帰る事が殆どだった。


そして私の部屋を訪ねる度に、「これ私がいない時に食べて」とあの肉を使った料理を持ってきてくれた。


貴重な肉である筈なのに……とは思ったが、彼女の好意と思い私は有り難く受け取っていた。


よくよく考えると彼女が【この肉】を食べているのを見た事が無い事に気付くが、些細な事だと思って、私はあまり心に留めていなかった。



そして宥は今までよりも強く…私を求める様になっていた。



私はその思いに応え、彼女を支え、抱き締めていたが、抱けば抱く程に私の心は彼女から少しづつ離れていくのを感じずにはいられなかった。





――――――――いや。





玄さんと関係を持った時から、私の心はもう宥の元から離れていたのかもしれない……。



 


 




 

どうにか目途が立ってきました。
夜に再開します。



そして一月後。


私は宥の部屋にいた。


私が彼女と大事な話があると伝えると、彼女が自分の部屋で聞きたいという事だった。


菫「…………」


私は…ほぼ一月振りに彼女の部屋に入った事に気付き、半ば無意識に部屋を見渡し、ある物がその目に留まる。


あの事件後に買ったという、一人暮らしには…些か大きすぎる冷蔵庫。一般用ではあるが、大家族用と言っても差支えが無い程の大きさ……。

彼女曰く「前のが壊れてしまったので、新しいのに買い換えた」らしい。


菫(でも…どうして買い換えるとしても、あんなに大きいものを――――)



そんな事をぼんやり考えている時だった。



 



?「菫ちゃん」


菫「!!?」ビクッ!!


菫「何だ宥か…ってそれはそうだよな……だけど…また後ろから突然声を掛けてきて……吃驚したじゃないか」

宥「ふふ…御免ね菫ちゃん。菫ちゃんがぼーとしてたからつい……」


菫「まったく……」

宥「それで菫ちゃん」

宥「話って何なの?」

菫「――――!!あ…ああ…その事なんだが……宥」

宥「…………」









菫「……………私と…別れてほしい」




 




宥「!?」


宥「ど…どういう事なの?別れたいって……」


菫「そのままの意味だ。もう終わりにしたいんだ」

宥「…………ど…どうして……」

菫「済まない……あんな事があって私も…疲れてしまったんだ……それに私は今の宥が判らないんだ……」

宥「判らない?」

菫「玄さんが居なくなってしまってからの宥は…どこか私の知っている宥と違う様な気がして……そう思ったら……それに……」

宥「それに?」

菫「いや…何でもない…何でも……」

宥「…………どうしても駄目なの?」

菫「……ああ。済まない」


宥「……そうか…そうなんだ……」

菫「宥……」


宥「お茶…淹れて来るね。気持ちの整理を付けたいの。そしたらもう一度話し合いましょ」

菫「ああ。そうだな……」

宥「ちょっとまっててね」

すっ






宥「…………せっかく…玄ちゃんを排除したのに―――――」ぼそ…



菫「!!!?」



 



菫(いま…去り際に…何か……?)


菫(玄さんを…はいj………?)

はっ!!


菫(……玄さんが居なくなってしまったというのに…宥は今までと、そんなに変わらない様に見えた……)

菫(あの時から…宥は私に頻りに肉料理を振る舞う様になり、だけど自身は一度も【ソレ】を口に付けようとしなかった……)

菫(少なくても私は…宥が【ソレ】を口にするのを一度も見た事がない)

菫(それに……)


私の視線はある物を見詰め、離れなくなる。


菫(あの時の…玄さんが居なくなってしまった日の、雁字搦めにされた風呂場の扉……そして、あの冷蔵庫に替えたのは、あの事件があった直後だった……)




菫(!!!!)



 





【ある仮説】に辿り着いた私の足は、半ば無意識に冷蔵庫に向かって動き出していた。


菫(ま…まさかな……)


菫(だ…だが確かめなければ……)

ゴクリ…


私は何かを振り解くかのように二、三度頭を振ると、意を決して冷凍庫のドアを開ける。


ガサガサ…


中は何かを隠すかの様に中には冷凍食品に溢れていた。そして私の目と手はその中にある、不自然な袋を見付け、止まる。


私の心拍数が過去に一度も無い程に上がっていくのが、自分でも判る。


ガサガサ…


そして私は戸惑いながらも、その袋の中身を確かめる。


菫(――――この黒くて長いのは…髪の毛?………!!!!?)

菫(!!!あ…ああ…………)

ガクガク…




【ソレ】を見た瞬間。私はすべてを悟り、体がガクガクと震え…戦慄する。




 



菫「!?」はっ!!


その時!!私は後ろに気配を感じて振り返った瞬間――――――


グサッ!!


菫(!!!!!!!!?)

胸部に今まで感じた事の無い衝撃を受け、私は一瞬で呼吸が出来なくなる。


菫「ゆ…宥……」


宥「………………ダメじゃない菫ちゃん。人のおうちの冷蔵庫を勝手に開けちゃあ」


菫「―・・…――・……―――…」

この時…既に、私は何も言う事が出来ず、ただ口をパクパクさせる事しか出来なくなっていた。




   




宥「御免なさい菫ちゃん。もう…こうするしかなかったの……でも――――――」


菫(――――――!!)


宥は泣いていた。大粒の涙を流して…………………そしてその貌は笑っていた。



まるで欲しくて欲しくて、しょうがなかった玩具を手に入れた…子どもの様な無邪気な笑顔――――。



薄れ逝く意識の中で…それが私が最期に見た宥(もの)だった……。




そして私は―――――。







そのまま意識を……光を…………そして命を失った――――――――――。





 





――――――。



宥「…………いただきます」

…ぱく。



宥「……美味しい…美味しいよ菫ちゃん。玄ちゃんなんかとは比べモノにならないくらい……ううん比べるだけで失礼だよね?ごめんね菫ちゃん」


宥「玄ちゃんみたいにハンバーグなんかにしたら、勿体無いからステーキにしてみたけど、ステーキにしてよかった…ホントに素敵な美味しさね」



宥「ステーキだけに」



宥「なんちゃってフフフ……」




 




かちゃかちゃ


宥「コレで菫ちゃんは…ずっとずっと私と一緒だからね。もう誰にも渡さない……菫ちゃんは私の体内(ナカ)で私と一緒になったんだから……」


宥「菫ちゃんはもう…私だけのもの――――――」


宥「こんなに嬉しい事は…あったかい事は無いよ……」

ぎゅっ……





宥「愛してます菫さん。玄ちゃんよりも…他に誰よりも。ずっとずっと……」




宥「でも――――」


宥「せっかく…玄ちゃんが減ってきたのに……菫ちゃんは全部…私の胎内(ナカ)に入れないといけないからもう冷凍室に入り切らないよ……」



宥「もう。しょうがないな……」




宥「また新しい…………ふふ…今度は冷凍庫を買っちゃおうかな?」

クスッ…





おしまい。




 

夏と言えばNO涼!という事で
これを読んでもまったく涼しくはなりませんが
どうにか終わらせられて良かったです。

正直、書いていてハンバーグ成分の無い方が
面白く出来たんじゃね?とか思ったのですが
それではこのSSの書く意味がなくなってしまうので
そのまま書かせて頂きました。

あとハンバーグって挽肉に塩コショウと小麦粉を
適当に入れて捏ねてフライパンで蒸す様に焼くだけで
取り敢えず食べられる物なるところがいいと思います。


少し長くなりましたが、ここまで読んで頂いて


ありがとうございました。


それでは。

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