凛「ラーメン食べ歩きは最高にゃ!」 (122)
・ラブライブ!ss
ラーメン類を食べ歩くだけのssです
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海未「……はい! 今日の練習はここまでです!」
穂乃果「はうー、疲れたよー……海未ちゃん最近厳しすぎない?」
海未「何言ってるんですか穂乃果、これくらいは平気でこなせるようにならないと、ラブライブ優勝なんて夢のまた夢ですよ!」
ことり「そ、そうなんだけどね……」
絵里「今日は皆しっかり休んで、明日に響かないようにするのよ」
希「えりちー、支度できたら一緒帰ろうや」
絵里「ええ、帰りましょうか希。そういえば、この前言ってたクレープ屋さんなんだけどね……」スタスタ
にこ「真姫ちゃん、にこつ?か?れ?た?」
真姫「ええ……今日はいつにもましてハードだったわね……お疲れ、にこちゃん」
にこ「ま、真姫ちゃんが素直になってる……はわわ、これは一体……!?」アタフタ
真姫「それだけ疲れてるってことよ……ほら、帰るわよ、にこちゃん」スタスタ
にこ「ま、待ってよー! 待ってってばー!」タタタ
>>4
にこ「真姫ちゃん、にこつーかーれーたー」
です
穂乃果「ううー……早く帰って寝たい……海未ちゃん、帰る準備まだー?」
海未「今終わりましたよ、穂乃果。さ、今日はまっすぐ帰ってしまいましょう」
ことり「体中が痛いよー……ことり、明日は体がカチコチになってるかも……」
海未「そうならないように、ちゃんと今日の夜は筋肉のケアを忘れないでくださいね。それでは凛、花陽、また明日」スタスタ
凛「うん、皆お疲れにゃー! さ、かよちん! 凛達も帰ろう?」
花陽「り、凛ちゃんは元気だね……花陽はお米を早くチャージしたいです……」ガックリ
凛「どこか寄ってく? 凛もお腹すいたにゃ!」
花陽「うーん……今日は早く帰っちゃいたいな……また今度行こう? 凛ちゃん」
凛「分かったにゃ! かよちんがそう言うなら凛は全然構わないにゃー! 今日のところは勘弁するにゃ!」
花陽「ふふ、なにそれ……」クスクス
凛「ほら、早く帰るよ! かよちん!」
………………………………………………
花陽「それじゃ、花陽はこっちだから。 今日はごめんね、凛ちゃん」
凛「全然気にしてないってばー。 また今度一緒に行けばいいにゃ! ね、かよちん?」
花陽「ふふ、ありがとう! 凛ちゃんも今日はゆっくり休んでね! また明日!」
凛「了解にゃ! じゃーねーかよちーん!」フリフリ
………………
凛「…………とは言ったものの」
凛「凛はすごくお腹が減ってるんだよー……どこかで少し食べてかないと、家まで持ちそうに無いにゃ……」
凛「ラーメン……そうだ、ラーメンが食べたい …………今日はいつも行ってるラーメン屋さんじゃないところに行ってみるかにゃ?」
凛「そうと決まれば即実行にゃ! なんか元気出てきたぞー!」メラメラ-
…………………………………………
凛「さてと……この辺に一件あったと思うんだけどにゃ……あ、あれにゃ! 早く入りたいにゃ!……ってあれ?」
??「……………………」キョロキョロ
??「……………………ふぅ」カミノケクルクル
凛「なんかすごい見覚えがある人がいるけど……すごい挙動不信にゃ」
??「…………………………」オミセハイリー
凛「あ、ラーメン屋さんに入った! 凛も早速入るにゃ!」
……………………………………
真姫「ふう、なんとか誰にも会わずに済んだわね……ふふ、冷静に考えたら、こんな遠いところに来る知り合いも思い付かないわね」
凛「そうでも無いにゃ?」
真姫「そうでもあるわよ。ここ、高校からは結構距離あるし、そもそもラーメン屋さんに女子高生なんて、」
凛「二人もいたにゃ?」
真姫「ふふ、そうね、二人もいたわね…………ってうぇええええ!?」
凛「こんばんは! 真姫ちゃんもこういうところ来るんだね!」
真姫「え、えーと、私はその、あれよ! ちょっとこっち方面に用事があって、それで、たまたま」
凛「ラーメンが食べたくなった?」
真姫「……うん」
凛「最初からそう言えばいいのにー! 真姫ちゃんも素直じゃないにゃ!」
真姫「そ、そんなことないわよ!」
凛「そういえば、にこちゃんはどうしたの? 今日は一緒に帰ってたんじゃないかにゃ?」
真姫「あ、あのねえ、私とにこちゃんは凛と花陽みたいな関係じゃないのよ?」
凛「え! 真姫ちゃんとにこちゃんって実は仲悪いの……?」
真姫「そ、そうじゃなくて! その……」
凛「その?」
真姫「あの……」
凛「あの?」
真姫「さっきも言ったけど……女子高生がラーメン屋さん行きたいなんて言ったら……にこちゃん、引いちゃうんじゃないかなって」
凛「ははーん! 凛、分かっちゃったにゃー!」
真姫「な、なにがよ!」
凛「んー? なんだろにゃー?」
真姫「く、くう……」
凛「真姫ちゃんは可愛いにゃ!」
凛(あれ……でも真姫ちゃん、「女子高生がラーメン屋さんなんて」って……それ、凛はどうなるの?)
真姫「い、意味わかんないし! ほら、さっさと頼むわよ!」
凛「そうだね! 真姫ちゃんは何食べるの?」
真姫「……ぶらそば」
凛「え?」
真姫「あ、油そばよ! なにか悪い!?」
凛「そ、そんなことないにゃ! 好きなものを食べるのが一番にゃ!…………ところで、油そばってどんなの?」
真姫「もう……油そばっていうのは、平たく言えばスープがすごく少ないラーメンよ。ていうかほとんど無いわね」
凛「な、なんかいまいち想像出来ないにゃ……それって美味しいの?」
真姫「美味しいわよ。そうじゃなきゃこんな遠いとこまでわざわざ来たりしないわ」
凛(やっぱりラーメンを食べにここまで来たんだ……)
凛「そうなんだー……どうしよう、凛も食べてみようかにゃ?」
真姫「味は保証するわ。トッピングで自由に変えられるし……」
凛「トッピングなんてあるのかにゃ!? なんだか楽しそうにゃ! よし、決めた! すいませーん、油そば2つください!」
真姫「お店ごとに色々違って中々楽しいわよ……ところで凛、マスクとかは持ってる?」
凛「マスク? 持ってないにゃ」
真姫「じゃあ、はいこれ。多分後で必要になるわ」
凛「?? ありがとにゃ……??」
オマタセシマシタ、アブラソバッス
マヨネーズハ、オツカイニナラレマスカ?
真姫「私はマヨネーズはいらないです……凛は?」
凛(え!? ラーメンにマヨネーズ!?)
凛「い、いえ、大丈夫です……」
凛(マヨラーって奴かにゃ……? 凛には良く分からないにゃ)
肝心の実食部分は明日書きます
お腹すいたなあ
お姫ちんは二十郎行きまくってるけど、ニンニクの匂いとかとうなんだろう
続き書いていきます
ヨケレバコチラモドウゾ
ヨクマゼテカラオメシアガリクダサーイ
真姫「ありがとうございます」
凛「ね、ねえ、真姫ちゃん? 麺と具が別のお皿で来ちゃったけど、これどうやって食べるのー……?」
真姫「あ、そうね、初めてだもんね。基本的には具を麺の上に載せてから、思いっきり混ぜて食べるの」
凛「ま、混ぜっ!? 知らなかったにゃ?……」
真姫「その食べ方から『混ぜそば』って呼ばれることもあるのよ。それで、好みで調味料を入れる!」ラーユドバー
凛「ま、真姫ちゃん!? そんなに一気に入れて大丈夫なの!?」
真姫「大丈夫よ。えーと、後は酢と……」
凛「も、もしかして、さっき店員さんが「これもどうぞ」って置いてったのも……」
真姫「そうよ。それも好みで油そばに入れるの。私は……これかしらね」ニンニク、エビパウダードバー
凛「り、凛は……う、うーん……」
真姫「初心者はラー油と酢が一番無難かしらね? あとはニンニクね」マゼマゼ
凛「ど、どうしようかにゃ……迷うにゃ?」
真姫「冷めたら美味しさも半減しちゃうわよ。じゃ、私はお先にいただきます」ハシワリー
凛「ま、待ってよぅ! 凛も一緒に食べるー!」
凛(えっと……ラー油とお酢はこれくらいでいいのかにゃ? ニンニクは……すり下ろしてあるにゃ。 これも真姫ちゃんの見様見真似で入れて……)
凛「混ぜるにゃ! うにゃにゃー!」マゼマゼ
真姫「こら、凛。こぼれないように注意しないとテーブルが汚れるわよ?」
凛「大丈夫にゃ! ちゃーんと気を付けてるよ!」
真姫「ならいいけど……そう、混ぜるのはそれくらいで大丈夫よ」
凛「分かったにゃ! それじゃ……」ハシワリー
凛&真姫「いただきまーす!」
ズルズル……
凛「は、はわわー! うんまいにゃー!!」
真姫「でしょー? この近くだとここしかやってないのよ」
凛「確かに油そばの為だけにここまで来る価値はあるにゃ! 新はっけーん!」
真姫「しかもこのお店はお肉も柔らかくて……」
凛「脂っぽいのとニンニクってすごく合うんだね! 麺も太くて凛の好みにゃ!」
真姫「ふふ、気に入ってくれたようで嬉しいわ。それに油そばはね……」
凛「ん? なになに……って、七味唐辛子!? 今から更に入れるのかにゃ!?」
真姫「そ。途中で味を変えることも簡単に出来るから飽きがこないのよ。おかげでハマっちゃって」
凛「な、なるほど?! 奥が深いにゃ……!」
真姫「そうなのよ。調味料の配分でも変わるからね。最初の頃は丁度いい量が分からなくて、ラー油でギトギトになったり、酢を入れすぎてすすれなくなったりしたわねー……」カミノケクルクル
凛「はー、美味しかったにゃ! 完食ぅ!」
真姫「って、もう食べちゃったの!? 私も今食べちゃうから、ちょっと待ってなさい……!」
凛「ねえ、真姫ちゃん? これってここにある調味料全部使っていいんだよね?」
真姫「? んっ……そうよ。 テーブルに置いてあるなら使っていいに決まってるじゃない」
凛「じゃあさじゃあさ! 凛、まだまだ試してない組み合わせがいっぱーいあるってことだよね!?」
真姫「まあそうね……かくいう私もマヨネーズだけは試したことが無いし」
凛「真姫ちゃん、またここに来ようよ! 何回でもここに来て、凛だけの油そばを研究するにゃ!」
真姫「凛らしいわね……いいわよ、気が向いたら付き合ってあげる」
凛「やったー! 真姫ちゃん大好きにゃ!」ダキツキッ
真姫「ちょ、離れなさいよ! 息がニンニク臭ーーーい!!!」ジタバタ
…………………………………………
真姫「じゃ、私はこっちだから。また明日ね、凛」
凛「また明日ねっ! じゃーねーまきちゃーん!」フリフリ
凛(ふぅ……エネルギー補給完了にゃ)
凛(真姫ちゃんが最初にマスクをくれたのって、ニンニク食べるからだったんだね……すぐ歯を磨かないと臭くて我慢出来ないにゃ)
凛(それにしても、真姫ちゃんが油そばなんて意外だなあ)
凛(もしかしたら?’sの皆もそういう意外な好物があったりするのかにゃ?)
凛(探ってみる価値はあるにゃ……そうと決まれば早速明日から調査開始にゃ!)
…………………………………………………………
>>28
凛(もしかしたらц’sのみんなも?)です
初投稿なもので、記号の使い勝手がいまいちわからない……
翌日
穂乃果「うー、今日も疲れたー!」
海未「穂乃果、今日はステップのキレがとてもよかったですよ。練習の成果ですね!」
穂乃果「ほんと!? やったー!! もっと褒めて褒めて!」
ことり「穂乃果ちゃん偉い♪」
穂乃果「ふっふー、やれば出来る子高坂穂乃果! 今日は上機嫌だから二人に何か奢っちゃうぞー」
ことり「ほんとに!? じゃあじゃあ、駅前の喫茶店に……」スタスタ
海未「あ、待ってくださいことり! 私にも意見があります!」タタタ
にこ「真姫ちゃーん、にこ達もどっか寄ってこー」
真姫「仕方ないわねー。特別に付き合ってあげるわ。 どこに行くの?」
にこ「真姫ちゃんと一緒ならどこでもいいにこよ!」
真姫「なっ、なによそれ! バッカじゃないの! も、もう!」スタスタ
希「あらあら、皆帰るの早いなあ……えりち、うちらはどうする?」
絵里「え、えーと、私、今日はちょっと用事があるっていうか、なんていうか、その、」
希「ははー、用事かー。じゃ、仕方ないやん。うちは一人寂しく帰るよー」トホホ
絵里「ご、ごめんね希。明日からはまた一緒だから」アセアセ
凛(はっ、これは!)ピキーン
凛(なにか怪しいにゃ……もしかしたら?)
凛「かよちんかよちん」コソコソ
花陽「なあに? 凛ちゃん」
凛「今日は凛、ちょっと一緒に帰れないにゃ……ごめんにゃ」
花陽「あ、そ、そうなの……ううん、大丈夫だよ! じゃあ希ちゃんと私は帰ろうかな?」
凛「気を付けて帰ってね、かよちん!」
花陽「凛ちゃんも、また明日ね!……希ちゃーん! 一緒に帰ろー!」タタタ
凛(さて……と)
凛(今日は絵里ちゃん……かにゃ?)
…………………………
凛(絵里ちゃんを追ってだいぶ遠いところまで来たにゃ……)
凛(正直ここら辺道わからないにゃ。帰り道のこと、全く考えてなかったにゃ)
凛(……ええい! もうどうにでもなっちゃえ!)
絵里「…………………………」キョロキョロ
絵里「……………………到着、ね」ボソッ
凛(あそこが絵里ちゃんのお目当てのお店……って、またラーメン屋さんにゃ!?)
凛(みんな意外とラーメン好きなんだね……びっくりにゃ)
絵里「…………………………」ノレンパサー
凛(あ、入ってった! 早速凛も中に入るにゃ!)
……………………………………
絵里「やっぱりここまで歩くのは大変ね……一人で来て正解だったわ」クスッ
絵里「それに皆のイメージからして、私がこういう物食べるとはあんまり思われてないんだろうし……皆の中では私って、『かしこい!』」
凛「『かわいい!』」
絵里「『エリーチカ!』だしね。でも私は「おうちかえりたいチカ……」なんて言わないわよ」
凛「絵里ちゃんって独り言激しい方にゃ?」
絵里「そりゃ一人でも無ければ愚痴なんかそうそう言えないからね……あ、今は凛がいるか。ってええええええ!!? 凛!?」
凛「あ、やっと気付いたにゃー。絵里ちゃんって結構自分の世界に浸りがちな人?」
絵里「そ、そんなことないわよ! って、えええ!? 凛!? ええぇ!? なんで!?」
凛「絵里ちゃんがコソコソしてるのが気になってあとをつけてきたにゃ! ごめんね?」
絵里「えええ……全然気付かなかったわ……びっくりした……」
凛「それでそれで! こんな遠いところまで来るってことは! このラーメン屋さんは絵里ちゃんのお気に入りってことでいいかにゃ?」
絵里「え、ええ……ここには通って一年くらいになるわね。このお店のラーメンは普通のラーメンとはちょっと違う、特別なものだから」
凛「そうなんだー! 絵里ちゃんはいつも何を頼むの?」
凛(……って、あれ? このお店、『小ラーメン』と『大ラーメン』とトッピングしか無いにゃ……? こんなの初めてかも?)
肝心の実食部分はまた明日、で
といっても、もうネタは割れちゃった感ありますけどねー
あーお腹減った……
これくらいの更新速度でもいいんでしょうかねえ
お待たせしました
書いていきます
絵里「私はいつも大ね。でも凛、初めてここに来たなら小にするべきだと思うわ。私もそうだったし」
凛「? 凛、結構お腹減ってるから大盛りくらいいけちゃうよ?」
絵里「まあまあ。ここは……そうね、スケールが違うのよ。大人しく従った方がいいと思うわよ? 食べ残しはギルティだし」
凛(ギ、ギルティ……? 凛、英語なんて分かんないよお……)
凛「そ、そうだね! ギルティだもんね! じゃ、じゃあ小にするにゃ!」
絵里「決まりね……すいません、大ラーメンと小ラーメンください」
ダイラートショウラーハイリマ-ス
絵里「それとね、凛。このお店で食べるに当たって少し注意があるの」
凛「注意?」
絵里「そ。ルールと言ってもいいわね。……今日は空いているからいいけど、本当はこうしておしゃべりするのもルール違反だわ」
凛「そ、そうなのー!?」
絵里「ええ。それと……話せば長くなるんだけどね、お店の回転数を上がるためになるべく早く食べること。これもルールね」
凛「へえー……ずいぶん厳しいお店にゃ……」
絵里「でもここは本家ではなくインスパイア……系列店ほどは厳しくないから、食べ残し以外ではギルティを貰わないわね」
>>45
全然構いませんよ、盛り上がってくれた方がこちらも嬉しいですし
絵里「あと、もう少ししたら「ニンニクはどうしますか?」って聞かれるから、それに答えればいいわ。野菜とか背脂を少し増やして欲しい時はその旨を伝えること。分かった?」
凛「分かったにゃ! でも凛、こういう雰囲気のお店に来るの初めてにゃー……な、なんというか緊張感があるっていうか」
絵里「ふふ、それが分かるなら凛にもロッターの素質があるわ」
凛(ロッター?)
スイマセン、ニンニクドウシマスカ?
凛「あ、え、えと、お願いします!」
ハイ、ソチラサマハ?
絵里「ニンニクヤサイマシマシアブラカラメ」
ハイ、モウスコシオマチクダサーイ
凛「え、絵里ちゃん? 今の呪文みたいなのなに……?」
絵里「ふふ、呪文よ。ラーメンがとびきり美味しくなる呪文」
凛「そ、そうなのかにゃ!? 凛にも教えてよー」ガーン
絵里「凛に唱える資格があったら教えてあげるわ♪ ほら、ラーメンが来たわよ!」
オマタセシマシタ、ショウラーメントダイラーメンデス
凛「わあ、美味しそうにゃー!」
凛(って、ええええええええええ!?)
凛(め、麺が見えないよ……すごい量のキャベツともやしにゃ……)
凛(ほ、ほんとだ……スケールが全然違う。 お肉もすごく大きいし、スープに油の塊が浮いてるにゃ……それとニンニクが目に見えるレベルである……)
凛(こ、これ、本当に小なのぉ!? ……じゃ、じゃあ、絵里ちゃんの方は……)
絵里「ん? 早く食べないと伸びちゃうわよ?」ドーン!
凛(ちょ、超ド級にゃ……絵里ちゃんの胃袋ってどうなってるの……ロシアの血かにゃ……?)
絵里「ああ、食べ方が分からないのね?」
凛「そ、そうだね……ど、どこから手を付ければいいんだろう」
絵里「まあそれは人の好みだけど……見ての通り、このラーメンには脂がたっぷり入ってるの。だから、脂が苦手な人がこれを食べきるには野菜と麺とを交互に食べる必要があるわ」
絵里「私の場合、最初にスープをたっぷり染み込ませた柔らかなお肉を食べてしまう。その後は野菜を食べきらないように注意しながら濃厚な麺とスープを味わうの。それと、あんまりゆっくり食べてるとすぐお腹いっぱいになっちゃうから、ガッツリかっこむことね」
凛「か、かっこむの!? ちょっとお行儀悪くないかにゃ……?」
絵里「凛。貴方はここにラーメンを食べに来たのよ? その為だけに今、ここにいるの。スクールアイドルとしての自覚なんて、この場においてはクソ喰らえだわ。貴方は星空凛。私は絢瀬絵里。……それだけよ」
凛(な、なんか絵里ちゃんの目が怖いにゃ……認められないわぁ時代みたい……)
凛「わ、分かったにゃ! 不肖、星空凛行くにゃ!」ハシワリー
絵里「ふふ、その意気よ。いただきます」ハシワリー
凛(まずはお肉を食べる……!)ガブリ
凛(こ、これ……! すごく柔らかくて、脂が乗っててジューシーにゃ! 肉汁が溢れそうにゃ!)
凛(雰囲気に気圧されてたけど……ここは絵里ちゃんがわざわざ希ちゃんと一緒に帰るのを諦めてまで寄ったお店! 名店に決まってるにゃ!)
凛(次に麺と野菜を……んー、ニンニクの香りが食欲を誘う!)
凛(麺は太くてモチモチ……野菜はシャキシャキ……そしてそこにスープを流し込む!)
凛(はわわ……!! 新天地にゃ! こってり系にハマっちゃいそうにゃ!)ズルズル
凛(さっきから静かだけど……絵里ちゃんは?)
絵里「んっ……はぁ……」ズルズル
凛(すごい幸せそうな顔でかっこんでるにゃ……こんなとこ、にこちゃんに見せたら何言われるか……)
凛(でも、それだけの力がこのラーメンにはある……! 凛はそう確信したにゃ!)
凛(凛も負けずに早く食べるにゃ! 止まらないにゃーー!!!)
………………………………………………………………
絵里「ちょっと、凛。大丈夫? 歩ける?」
凛「もうちょっとこのベンチに座ってたいにゃ……うっぷ」
凛(本当にすごい量だったにゃ……でもあれで小なんだよね……)
凛「え、絵里ちゃんは平気なの……? あんなチョモランマみたいなの食べて……」
絵里「まあ私は一応ロッターの端くれだから。あれぐらいノー黒烏龍茶で行けるわ」
凛「良くわかんないけど……ロッターってすごいんだね。 ちょっと尊敬するにゃ……」
凛(凛は……凛は、あと一年はここに来なくてもいいにゃ……)ガクッ
絵里「あ、これ、マスクよ。ニンニク食べたから着けた方がいいわ」
凛「あ、ありがとう……」
………………………………………………
絵里「じゃあまた明日。気を付けてね、凛」
凛「う、うん……絵里ちゃんも気を付けてね! じゃーねーえーりちゃーん!」
凛(ふう…………)
凛(未だにお腹が苦しいよ……)
凛(やっぱりなんでもかんでも適量がいいよね……食べ過ぎは良くないにゃ)
凛(凛……今度から絵里ちゃんとはラーメン行かないにゃ)
凛(あんなチョモランマみたいなのコリゴリにゃ! 何がマシマシにゃ!)
凛(大体脂が多過ぎるにゃ! スープに塊が浮くってどういうことにゃ!)
凛(もう、あんなところ……!)
凛(……………………あれ?)
凛「また行きたくなってきたにゃ……?」グゥ-
絵里ちゃん編終わり。
二〇って最初食べた時は「興味本位だったけど、もう食べなくていいな……」ってなるのに、気付けば足がそちらを向くんですよねえ。
あと、〇郎はそこまで敷居の高いお店じゃないです、ロッターとか多分ネタです(少なくとも自分は見たことない……が)
明日は二郎に行こう
それではまた明日ぼちぼち続きを
次の日
凛「今日は雨で練習無くなっちゃったにゃ……」
花陽「残念だけど、しょうがないよね。帰ろう? 凛ちゃん」
凛「う、うん……」
凛(今日は放課後のラーメン探偵もお休みかなぁ……残念にゃ)
下駄箱前
にこ「真姫ちゃーん! 一緒かーえろ!」
真姫「うぇえ!? にこちゃん!?」
にこ「ふっふー、真姫ちゃんと帰りたくて、待ち伏せしちゃったにこ! 帰ろーよー」
真姫「わ、悪いけど……きょ、今日はちょっと外せない用事があるの。ごめんなさい……」
にこ「ええっ、そうなの? 用事って?」
真姫「いや……その……ちょっと、言えない……わ。ごめんなさい」
にこ「ええー? 真姫ちゃんはぁ、にこに隠し事なんてするのぉ!?」
真姫「あ、明日、一緒に帰りましょ? ごめんね、にこちゃん」
にこ「まあ、話したくないなら無理には聞かないわ……ちょっと残念だけどね。それじゃあにこは一人寂しく帰ろうかしらねー」
真姫「……にこちゃん」
にこ「? なによ、どうしたの?」
真姫「明日は……絶対、一緒に帰るわよ。約束だからね」
にこ「?? え、ええ、分かったわ……? 変な真姫ちゃん」
真姫「変……そうね、今の私は確かにちょっと変だわ」
真姫(だって、私は……)
にこ「……深刻そうね。大丈夫?」
真姫「ええ、大丈夫よ。雨だから少しナーバスになってるのかもしれないわね……ま、そういう訳だから、私は帰るわ。また明日、にこちゃん」
にこ「相談ならいつでも乗るわよ。だから無理するんじゃないわよ? またね、真姫ちゃん」
真姫「気が向いたらするわ。それじゃ」タタタ
にこ(真姫ちゃん……相談くらい、してくれても……)
あ、酉とかないけど本人です
お待たせしました、書いていきます
…………………………………………
花陽「あれ? あそこにいるのって……」
凛「にこちゃんだね。……なんかすごく暗いオーラが出てるにゃ」
凛「おーい! にーこちゃーん!」タタタ
にこ「!? 凛!」
花陽「こんにちは、にこちゃん。こんなところで何してるの?」
にこ「別に……何もしてないわ。強いていうなら考え事をしていただけ」
凛「あー、分かった! にこちゃん、傘忘れちゃって帰れないんでしょー! ぷぷ、ドジだにゃー」
にこ「そんなわけないでしょ! そこまで抜けてないわよ!」
花陽「そ、そうだよね……じゃあ何を考えてたの?」
にこ「ちょっとした悩みみたいなもんね。気にするほどじゃないわよ、花陽」
凛「かよちんは心配症だにゃー。にこちゃんはそんなに難しいこと考えられないにゃ」
にこ「凛……あんたねえ」ヒクヒク
にこ「………………」
にこ「……はあ。まあいいわ」
花陽「い、いつものにこちゃんと違う……一体どうなってるの……だ、だれかたすけてー」
凛「かよちん落ち着いて! にこちゃん、本当に何か辛い事でもあったにゃ? 凛、話聞くよ!」
にこ「そうねえ、辛い事……ねえ」
凛「うん! だってにこちゃん、いつもからは考えられないくらいしょんぼりしてるにゃ!」
花陽「覇気が無いよね……」
にこ「そーうねえ……ねえ、凛?」
凛「な、なに?」
にこ「あんた、今から暇?」
…………………………………………
凛(『ちょっと付き合いなさい。ヤケ食いよ!』って、にこちゃん……)
凛(いつもだったら『にこ、スイーツしか食べないにこー☆』くらい言いそうなのに)
にこ「着いたわ、ここよ」
花陽「ここ……って、ラーメン屋さん?」
凛(女子校生がどうとか、アイドルがこうとか日頃からうるさいにこちゃんが、ラーメン屋さんでヤケ食いって……よっぽど辛い事でもあったのかにゃ?)
凛(ここは凛の頑張りどころにゃ! にこちゃんを元気を取り戻してもらうにゃ!)
にこ「さ、入るわよ。傘、ちゃんと畳んでから入りなさいよ」
凛「了解にゃ!」
………………………………………………
花陽「私、このお店初めて……っていうか、こんなところにラーメン屋さんがあるなんて知らなかったよぅ」
凛「かよちんはあんまりラーメンに興味が無いからじゃないかにゃ?」
凛(凛も知らなかったんだけどね)
にこ「いいえ、花陽は正解よ。つい最近出来たの、ここ。だから知ってる人の方が少ないわ」
凛「にこちゃんはラーメンとかよく食べるの?」
にこ「まあ人並みには好きね。ここのラーメン、すごく美味しいわよ? きっと数食べてる凛も驚くわ」
凛「ほんとにー!? どれどれ、メニューメニュー……」
凛(ふむふむ、色々揃ってるにゃ! 普通の醤油ラーメン、塩、味噌、豚骨……つけ麺もあるし、坦々麺もある……それに真姫ちゃんの好きな油そばもあるにゃ! ううー、これは迷うにゃ……)
花陽「わ、私は……つけ麺にしようかな」
にこ「珍しくご飯じゃないわね?」
花陽「私だってご飯しか食べないわけじゃないよ! それに、今ちょっと口の中火傷しちゃってるから……」
にこ「なるほど、熱々だと苦しいってわけね。にこは油そばにするにこ!」
凛「にこちゃん、油そば好きなの?」
にこ「ここに初めて来た時に初めて食べたんだけどね。美味しくてハマっちゃったのよ」
凛「油そば美味しいよねー! 凛は……うう、迷う……けど……坦々麺にするにゃ!」
にこ「よし、決まりね。店員さん呼ぶわよ。すいませーん!」
ハイタダイマー
とりあえずここまで。
にこっち口調が難しいよ……
ではまた明日
明日の朝(明日の朝とは言ってない)みたいな状況になり、すみません
書いていきます
にこ「坦々麺とつけ麺、あと油そばお願いします」
カシコマリマシター
花陽「そ、それでにこちゃん」
凛「急にヤケ食いなんて……なにかあったの?」
にこ「それがね……」
…………………………………………
オマタセシマシタ
タンタンメン、アブラソバ、ツケメンデスネ
コチラデンビョウデス
花陽「あ! ラ、ラーメン来たよ、にこちゃん!」
にこ「え、あ、ラーメン? そんなに時間経ったの?」
凛「あ、あはは、にこちゃんの話は長過ぎるにゃ」
凛(始めは「真姫ちゃんが冷たい」とかそういう話だったのに、気付けば延々と真姫ちゃんの魅力について語り出すし……かよちん、途中から遠い目で外眺めてたにゃ)
にこ「な、なによそれ! ほんのちょっと真姫ちゃんの話をしただけじゃない!」
花陽「あれでちょっとだったのぉ……?」
凛「そこに突っ込んじゃダメだよ、かよちん」
花陽「だ、だってぇ……」
にこ「ほら、さっさと食べないと麺伸びちゃうわよ!」
凛「そ、そうにゃ! 早く食べちゃうにゃ!」ハシワリー
にこ「そのあとでまた話聞いてもらうんだから!」ハシワリー
花陽「ま、まだあるのぉ……? うう、いただきます……」ハシワリー
凛「んんっ、この坦々麺……!」
凛(味の染みた肉味噌、ツルツルした麺……上にかけてある白い粉はカシューナッツかにゃ? 香ばしいにゃ! 白ごまの香りも効いてるし、そして何より……!)
凛「辛うまにゃー!!」
凛(辛いけど美味しい、美味しいから一気に食べちゃう、一気に食べちゃうから唇が痺れてくる……けど、その痺れも心地いい!)
凛「はふはふ……幸せにゃあ……」
花陽「いい食べっぷりだね、凛ちゃん」
凛「これ、すごく美味しいんだもん! かよちんも食べる?」
花陽「あ、あは……すごくヒリヒリしそうだからやめとこうかな……」
にこ「凛、一口交換しましょ!」
凛「いいよー! はい、にこちゃん!」
にこ「んん……って辛ぁ!?」
凛「にこちゃんは舌まで子供にゃ?」クスクス
にこ「失礼ね! ちょっと驚いただけよ!」
凛「はいはい。それじゃ凛も失礼して……」ズルズル
凛(むむっ!)
凛「ここのはこの前のとこと違ってあっさり目にゃ! にこちゃんはニンニク入れないんだねー」
にこ「アイドルだもの、口臭は気にするわよ。 この前のとこって、ここ以外に油そばを出すお店があるの?」
凛「そうにゃ! この前真姫ちゃんと行ったんだけどね……あ」
花陽「り、凛ちゃん!」
にこ「ま、真姫、ちゃん、と……!?」
凛「か、かよちん! つけ麺一口ちょうだい!」
花陽「い、いいよ! どうぞ凛ちゃん!」
凛「どれどれ……」
凛(! 濃厚な豚骨ベースのスープ……凛の好きな奴にゃ!)
凛「おいしーい!」
花陽「で、でしょー! にこちゃんもどう!?」
にこ「真姫ちゃんと……真姫ちゃんと……はっ! は、花陽、なに?」
花陽「は、花陽のつけ麺一口どーぞ!」ズイッ
にこ「おおう!? そ、そこまで言うなら有り難くいただくわ……」ズルズル
凛「これでちょっとは落ち着くといいけど……」
花陽「ど、どうだろうね……」
にこ「ふむふむ、豚骨ね! にこも豚骨は好きよ!」
花陽「そ、そう? 良かったぁー」
にこ「でも、にこはつけ麺が……ね」
凛「?」
にこ「貰った手前、言いづらいんだけど……あんまり気に食わないのよね」
花陽「?? なんで?」
にこ「んー……まず第一に冷えた麺を熱いスープに入れてると、スープがぬるくなっちゃうじゃない」
凛「あー、それはわかるにゃ」
にこ「ぬるいラーメンってちょっと……。じゃあ熱盛りで、ってなると、それだったら普通のラーメンでいいんじゃない?ってなるし」
凛「まあ……それもそうなのかにゃ?」
花陽「それは違います!」
にこ「は、花陽?」
花陽「確かにスープは普通のラーメンよりはすぐにぬるくなっちゃいます……でも、それがいいって人もいます」
凛「猫舌の人とかにゃ?」
花陽「そう! それにスープの量も少ないから、食後に飲み干すことも簡単に出来て、「後はスープだけなのに……飲みきれないよぉ……」なんてこともないんです! それにそれに! スープの量が少なくなってることを考慮して、麺の量を増やしてくれるお店だってたくさんあります!」
にこ「か、語るわね……」
凛「かよちんがこんなに熱くなってるの見るの、久しぶりだよー」
花陽「……はっ!? は、は、は、恥ずかしい……」
にこ「花陽のつけ麺への熱意は分かったわ……ごめんね、今までバカにしてて」
花陽「い、いえ……そこは好みですから……そ、それと」
凛(ま、まだあるのぉ?)
花陽「頼めば暖かいスープに変えてくれるお店も、そもそも客席に携帯コンロが備えてあるお店もあります……」
…………………………
凛「それにしても今日行ったとこ、美味しかったにゃ!」
花陽「うん! また来ようねー」
にこ「そ、それで真姫ちゃんのことなんだけど!」
凛「ま、また始まったにゃ……」
花陽「まあまあ凛ちゃん。聞いてあげよう?」
にこ「わ、私、なにか怒らせるようなことしちゃったのかなって……二人は何か聞いてる?」
凛「んー……あんまり心当たりは無いにゃ」
花陽「私も無いかも……」
にこ「そ、そう……にこ、何かしちゃったのかな……」
凛(真姫ちゃんがにこちゃんを嫌うなんてありえないと思うけど……)
凛「なら、なにかプレゼントしたらどうにゃ?」
にこ「プレゼントぉ?」
凛「そうにゃ! プレゼントされたら、誰だって嬉しいもん! 真姫ちゃんの機嫌もきっと良くなるにゃ!」
にこ「確かに……なにか当てはあるの?」
花陽「そ、それはにこちゃん次第じゃないかなーって……」
にこ「まあ、それもそうね……プレゼント、ね。うん、プレゼント。分かった、やってみるわ!」
凛「その調子にゃ! 凛も応援してるよー」
花陽「わ、私も応援してますっ」
にこ「ふふ、ありがとう! 思い立ったら吉日、早速なにか買ってくるわ! 二人とも、今日はありがとね!」タタタ
凛「どういたしましてにゃ! じゃーねーにこちゃーん!」
花陽「ふう……一件落着だね、凛ちゃん」
凛「いつもの五倍は疲れたよー……」フゥ
花陽「ふふ、お疲れ。帰ろっか!」
凛「うん!」
焼き石サービス、いいですよね
遅れてますが、今はここまてで。
夜にまたきます
次の日
凛「今日も雨だにゃー……」
花陽「この頃お天気が不安定だよね……温度の上下も激しいし、風邪引かないようにしないとね」
凛「そうだねかよちん。今日はどこか寄るにゃ?」
花陽「今日は早く帰りたいかも。勉強もしなくちゃだしね。凛ちゃんは?」
凛「んー……凛も今日はまっすぐ帰ろうかな? カードが凛にそう告げてるにゃ」
花陽「ふふっ、希ちゃんの真似?」
凛「スピリチュアルでしょー? さっ、かよちん! 早くかーえろっ!」タタタ
花陽「あっ! 凛ちゃん、傘! 傘ささないと濡れちゃうよぉ!」タタタ
凛「あはは、忘れてたにゃ!」
凛(うー……しばらくラーメンはがまんしなきゃダメだね……)
凛(そう、あれは昨日の夜のこと……)
凛(久しぶりに体重計に乗った凛の目に飛び込んできたあの二桁の数字が忘れられないにゃ……)
凛(それに、雨ばっかりでこの頃動けてないし……)
凛(……絵里ちゃんはあんなのいっぱい食べて、どうやって体型維持してるんだろ?)
……………………
絵里「くしゅん!」
希「おお、えりち。はいこれ、ティッシュ」
絵里「ありがとう希……風邪かしら」
希「そうだったら大変やね。だけど、えりちは人気者やから、また誰かに噂されてたんちゃう?」
絵里「噂されてたで済めばいいけどね……この時期に風邪なんて、冗談にもならないわ」
希「生徒会活動も忙しい時期やし、ラブライブも近いしだもんね。ま、大事をとって今日は早いとこ寝た方がいいんちゃう?」
絵里「そうね……風邪予防に精のつくものでも食べに行こうかしら」
希「あ、えりち、うちそこだけはパスや」
絵里「まだ何も言ってないわよ?」
希「うち、あんまり大食いじゃないから……ね?」
絵里「全くもう……あの胃にガツンとくる感じがいいんじゃない」
希「あ、あはは……」
希(前に「希だったら大でもいけそうじゃない?」って乗せられて大を食べた時のことがまだ忘れられないんよ……あれは正直女子高生が食べていい量じゃないと思う……完食したけど)
…………………………………………
にこ(今日も雨か……)
にこ(ラブライブ……大丈夫かしら。あんまり雨が続くようなら室内での練習も考えるべきね)
にこ(ま、今日のところは帰りましょう……)
にこ「お、ちょうどよく真姫ちゃんからメールが来たわね……どれどれ」ポチポチ
真姫『一緒に帰りましょ。 下駄箱のところで待ってるわ』
にこ(下駄箱ね。あんまり待たせるのも悪いし、急ぎましょ)
にこ「真姫ちゃん……昨日はなんで不機嫌だったんだろう」スタスタ
にこ「今日は絶対一緒に変えるって言ってたけど……あれってもしかして……」
にこ「今日にこへの不満を爆発させる、ってことかしら……!?」ブルブル
にこ「ううっ……真姫ちゃぁーん……」
にこ(…………あんまりマイナスになっても仕方ないのは分かってるけど…………)
にこ(! そうだ、プレゼントを渡さなきゃ!)
にこ(結構時間かけて選んだけど……気に入って貰えるかな?)
にこ(不安だわ……にこのセンスと真姫ちゃんのセンスは果たして上手い具合に噛み合うのかしら……)
にこ(なんて言ってる間に待ち合わせ場所に来ちゃったわね……)
にこ(真姫ちゃんは……いた。……よし!)
にこ「お待たせー! 天下一アイドルのぉ、矢澤にこにこ☆」
真姫「別に。待ってないわよ。あとそれ、大声でやるのやめて。こっちが恥ずかしいから」
にこ(おおう、怒ってらっしゃる……?)
にこ「ご、ごめん真姫ちゃん。今度から気をつけるわね」
真姫「別に。分かってくれればいいわ。帰るわよ」
にこ(いつもの五倍くらい冷たい……これは帰り道覚悟しなきゃね……)ゴクリ
にこ(雨もひどくなってきたし、間違いなく今日は最悪の日ね……ん? 雨?)
にこ「……あ。ってあぁあ!」
にこ(か、か、傘忘れた……)
にこ(真姫ちゃんは持ってるだろうけど……入れてくれるかしら……)
にこ(聞かなきゃ分かんないわよ矢澤にこ! がんばれ! がんばれ!)
にこ「あ、あの、真姫ちゃん……?」
真姫「ん? なによ、どうしたの?」
にこ(断られたらどうしよう……)ドキドキ
にこ(けど、何もせずに濡れるよりかはマシね、多分……)
にこ(すぅー……はぁー…………よし!)
にこ「か、傘! に、にこも一緒に傘! 傘の中に入れてくれない!?」
だいぶ間があきました
書いていきます
真姫「はあ? なんでよ? 自分の傘使えばいいじゃない」
にこ「に、にこの傘壊れちゃったみたいでぇー……」
真姫「ふーん。じゃあなんで傘持ってないのよ。壊れてるからってずっと学校においとくつもり?」
にこ「いや、それは、その……」
真姫「あ、分かったー。にこちゃん、傘忘れてきたんでしょー? バッカねぇー」
にこ「きょ、今日はたまたまよ! 朝急いでたの! 仕方ないでしょ!」
真姫「寝坊でもしたの? 全く、夜遅くまでなーにやってるんだか」
にこ「べ、勉強よ」
真姫「絶対違うわね」
にこ「か、考え事よ! で!? 入れてくれるのくれないの!?」
真姫「そうねえー。態度次第では考えないことも無いわね?」
にこ「な、なによそれ」
真姫「『お願いします、かわいいかわいい、にこの五倍かわいいマッキー様』って言ってくれたら、考えないこともないって言ってるのよ」
にこ「は、はあ!? なによそれ!!」
真姫「出来ないならずぶ濡れね。きっと寒いわよー」
にこ「くうぅ! それならにこはずぶ濡れで帰るわ! もう、真姫ちゃんのバカ!」プイッ
真姫「あっ、に、にこちゃん!」
にこ「なによ! 傘ならもういいわ!」
真姫「そ、その……」
にこ「なーにーよー! まだ何か言い足りないわけ!?」
真姫「ち、違うわよ! ほら傘! 早く帰るわよ!」
にこ「傘ならいいって言ったでしょ!」
真姫「良くないわよ! にこちゃんに風邪引かれたら私が困るの!」
にこ「な、なによそれ! 真姫ちゃんが困る要素なんてないじゃない!」
真姫「あるわよ! 心配症なの! 私は! 夜眠れなくなったらどうするのよ!」
にこ「それがなんの関係が……あ」
真姫「…………あ」
にこ「へ、へえーそうなのー真姫ちゃん。に、にこのこと、そんなにしし心配にななななっちゃうんだー」///
にこ(はわわわわわわ、いきなりすぎるわよ!///)
真姫「ああ、もう! ま、そういうことだから、ほら、肩濡れるから、もっと寄りなさい……」///
にこ「う、うん……」///
にこ(真姫ちゃんが近い……久しぶりに、真姫ちゃんの匂いだ……)///
真姫「あの、にこちゃん?」
にこ「な、なによ」
真姫「その……さっきはカッとなって……ごめんなさい」
にこ「い、いいわよ……私も悪かったわ」
真姫「じゃあ、その……おあいこってことでいいかしら」
にこ「うん、大丈夫。にここそごめん」
真姫「うん…………」
にこ「……………………」
にこ(き、気まずい!)
にこ(さっきあんなことがあったからすごく心臓がバックンバックンしてるし! 真姫ちゃんも俯いたまま目を合わせてくれないし!)
にこ(こ、このままじゃ仲直り出来ないまま今日も終わっちゃう……)
にこ(それだけはだめよ! がんばれ! がんばれ!!)
にこ「ま、真姫ちゃん!」
真姫「キャッ、どうしたの?」
にこ「……な、なんでこの頃少し不機嫌だったの?」
にこ(ついに言っちゃった…『あんたのせいよ』!とか言われたらどうしよう……)
にこ「にこが……にこが何かした? その……考えても分からなくて……」
真姫「別に……にこちゃんのせいじゃないわ」
にこ「じゃあなんで……?」
真姫「なんでもなにも、そもそも私は不機嫌にしてたつもりはないわ」
にこ「でも何か元気なかったもん……にこ、相談なら」
真姫「にこちゃんには相談出来ないわ。……にこちゃんだけには」ボソッ
にこ「な、なんで!」
真姫「ごめん……」
にこ「もう!っていうか!目合わせて喋ってよ!」
真姫「……ごめん」
にこ「……なんで謝るのよ……ちゃんと喋ってよ……にこにも教えてよ……」
にこ(真姫ちゃんからしたらにこは相談出来る人のカテゴリーにはいないんだ…… )
にこ(にこは……真姫ちゃんからしたら……頼りにならない、頼ることもしたくないような……)
にこ(そんな、他人、なんだ…………)
真姫「……にこちゃん」
にこ「……なに?」
真姫「……雨、やまないわね」
にこ「…………うん」
真姫「……にこちゃん」
にこ「……なんなの」
真姫「話が……話があるの」
にこ「話……?」
にこ(立ち止まった……? 俯いてて表情は見えないけど……)
にこ(はは、なんだろう……また、いなくなっちゃうのかな)
にこ(昔みたいに……『もう付き合ってられない』って……あの子達みたいに……)
にこ(また、にこを捨てて……)
にこ(にこは……また……一人ぼっち……に……)
真姫「あのね、にこちゃん……私……ってうぇぇえ!?」
にこ「ひっく……ぐすっ……なによぅ……」
真姫「ななななんで泣いてるのよ!」
にこ「だって! だってぇ……」
真姫「……にこちゃん?」
にこ「ううん、なんでもない……ぐすっ……続けて?」
真姫「……いいえ、なんでもないわ、ごめんなさい」
…………………………………………………………
…………………………………………
真姫(あれから十分くらい歩いて……)
にこ「……………………」
真姫「……………………」
真姫(ずっと無言ね……泣きやんだみたいだけど)
真姫(……なんで泣いたんだろう)
真姫(もしかして、私の言いたいことが分かっちゃったの……?)
真姫(私がこれから告白するつもりなのを見抜いて……それで、泣いた?)
真姫(そんなに嫌だったのかな…………)チラッ
にこ「……………………」
真姫(すごい下向いてる…………)
真姫(…………)
真姫(……そんなに嫌われてたのかな…………)
真姫(自分では仲良かったつもりだけど…………にこちゃんはそう思ってなかった?)
真姫(もしかしたら…………ずっと迷惑だって…………)
真姫(…………にこちゃん……………………)
真姫「………………ねえ、にこちゃん」
にこ「……なに」
真姫「私……私は、迷惑だった?」
にこ「……ううん。そんなことないわ」
真姫「……嘘。もう、いいのよ」
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「ごめんね、にこちゃん。私、ずっと迷惑だったわよね……」
にこ「そ、そんなこと!」
真姫「ううん、いいの。気遣ってくれるのは嬉しいけど……」
にこ「気遣ってなんて!」
真姫「嘘よ。全部嘘。もういいの……」
にこ「なによそれ! 勝手に決めてバッカみたい!!!」
真姫「バカってなによ! 私は、にこちゃんのことを想って!」
にこ「それこそ嘘ね! はっきり言えばいいじゃない! にことなんかもう一緒にいたくないって!」
真姫「そ、そんなこと言ってないじゃない!」
にこ「いいえ、にこには分かるの! 真姫ちゃんはにこが嫌い!! にことなんかもういたくないって思ってる!」
真姫「バカなこと言わないで!!」
にこ「いいのよもう! そういうのにもいい加減慣れたわ! 話があるんでしょ、さっさと言ってよ!!」
真姫「ああ、じゃあもう言うわよ! この分からず屋! にこちゃんのことが私は大好きなの!」
にこ「なにが分からず屋よ!! 私だって真姫ちゃんのこと大好き! 大好きなのよ!!」
真姫「ほうら、にこちゃんはやっぱり私のことが…………」
にこ「嘘つき! やっぱり真姫ちゃんはにこのこと…………」
にこまき「……………………」
にこまき「………………………………あれ?」
にこ「……………………」
真姫「……………………」
真姫「…………ねえ、にこちゃん」
にこ「な、なによぅ、真姫ちゃん」
真姫「……あとでもう一回、今のやり直させて?」
……………………………………
にこ(それから二人で笑って笑って……)
真姫「全くもう! バカみたい」クスクス
にこ「大バカ二人ね! 全く……」クスクス
にこ(仲直り……ううん、前よりもっと仲が深まったわ!)
真姫「ずーっといつか言おう、いつか言おうって思ってたの……絶対断られるって思って」
にこ「バッカねえ! そんなわけないじゃない!」
真姫「し、仕方ないでしょー。不安だったんだから……」
にこ「あ、もしかして、この頃ずっと元気なかったのって……」
真姫「……そうよ。ずーっとにこちゃんのこと考えてた。どうしよう、って」
にこ「もう……真姫ちゃんったら」クスクス
真姫「なによ!」///
にこ「ううん。かわいいなーって」
真姫「うぇえ!? 」///
にこ(たまには、ゆっくり…………)
にこ(二人のペースで)
………………………………
次の日
穂乃果「晴ーれたーーー!!!」
海未「久しぶりにいい天気ですね。洗濯物がよく乾きそうです」
ことり「うーん、いい気持ち♪」
希「えりち……まだ胃がもたれてるんやけど……」
絵里「えー? 希はまだ小じゃない。しかもノーマシ!」
希「普通の女子高生にとってはそれが限界や……」
絵里「そんなんじゃ立派なロッターにはなれないわよ!」
希「別にならなくてええよ、うちは……うっぷ」
凛「練習するの久しぶりだねっ、かよちん!」
花陽「そうだね、凛ちゃん。念入りにストレッチしないと……」
凛「ストレッチは嫌にゃぁ……」
絵里「こーら凛。ちゃんとやらないとダメよ?」
凛「分かってるよう……」
海未「それにしても今日はにこと真姫が遅いですね」
ことり「お休みかなあ?」
花陽「真姫ちゃんは学校には来てるよー」
希「にこっちも居たよ。二人して遅刻かなあ」
にこ「お待たせー!」バーン
真姫「ドアは静かに開けなさいよね」
穂乃果「あ、噂をすればなんとか、だね!」
希「おっ、にこっち。今日はリボンいつもと違うんやね」
にこ「そ、そうよ。たまにはイメージを変えてみるのもいいじゃない?」
にこ(一昨日、真姫ちゃんと一緒に帰れなかった日……)
にこ(真姫ちゃんはこれを買ってきてくれたらしい)
にこ(すごく気に入って、昨日の今日で着けてきちゃった)
絵里「そうね。真っ赤なリボンも中々似合ってるわよ」
にこ(赤は真姫ちゃんのイメージカラーだもの。当たり前じゃない!)
にこ(一方真姫ちゃんは……)
凛「あー! 真姫ちゃんミサンガなんてしてるー!」
花陽(上手く行ったんだね、にこちゃん!)
真姫「え、ええ。こういうの、着けてみたかったのよ」
穂乃果「いいないいなー! 穂乃果もああいうの欲しいなー!」
海未「」ギラリ
ことり「」ギラリ
希(二年生組の闇は深い……)
真姫「ふふ、いいでしょー。でもあげないわよ?」
にこ(気に入ってくれたみたい! 良かったあ……)
絵里「さ、練習始めるわよ! 広がって広がって!」
みんな「「はーい!」」
………………………………………………
練習後
真姫「ふう、今日もハードだったわね」
にこ「お疲れ、真姫ちゃん」
真姫「にこちゃんもね。今日も一緒に帰ってくれる?」
にこ「勿論よ! これからはずっと二人にこ!」
真姫「にこちゃん……」///
にこ「さ、早く帰るわよー!」
真姫「わ、分かってるわよ!」ぐぅぅ
真姫「……って、あう」///
にこ「あれれー、真姫ちゃんもしかしてお腹減ってるのおー?」
真姫「そ、そんなことないわよ!」
にこ「ふぅーん?」ニヤニヤ
にこ(そういや凛が言ってたわね……)
にこ「ねえ、真姫ちゃん」
真姫「な、なによっ」
にこ「……油そば、食べに行かない?」
このあと、にこちゃんと真姫ちゃんはトッピングで喧嘩することでしょう
にこまき編終わり。
あと、一切触れられなかった二年生組に触れてから終わります
番外編『エリチカのふしぎな胃袋』
「ごくっ……ごくっ…………ふぅ。ご馳走様でした」
「え、えりち……。食べるの早すぎない?」
「希が遅いの。そんなんじゃギルティよ」
「うちはそこまで女子高生ブランドを捨てた食べ方はしたくないっていうか……」
「何言ってるの。このお店の中では私は私、それだけよ……」
(なんでキメ顔で言ってるんやろう……)
「希があんまり遅いから私もうお腹減ってきたわ。すいません、小ラーメン全マシで下さい」
(なんやろ、うちの知ってるえりちはもっと可愛いもの食べてるイメージだったんやけど……)
「はあー。ラーメン食べてると無性に餃子が食べたくなってくるのってなんなのかしら?」
「あー……それは分からんでもないけど」
「この後ちょっと駅前の中華屋さんに――」
「嫌や」
「えー。希のケチんぼー」
(こんなフードファイターみたいな友達持った覚えはないんやけどな……)
かしこいかわいいエリーチカ。
彼女のわがままボディーは血筋か、それとも……。
エリチカのふしぎな胃袋 完
番外編『夢なき夢は夢じゃない』
「「オコーメイーズベスト! オコーメイーズベスト!」」
「ふふ、今日もお米帝国の皆さんは元気ですね」
「かよちんかよちん! 凛が間違ってたよ! お米がこの世の何より美味しい! お米、いず、ベストにゃ!!」
「凛ちゃん! その言葉を花陽は待ってたんだよー!」
「水加減はちょっと少なめにして、少し固めに炊いたご飯が最高だって言ってるでしょ!」
「えぇー? まきちゃんったらーもしかしてだけどぉ? 柔らかいお米の美味しさを知らないのぉ??」
「海未ちゃん、ことりちゃん、私農耕するよ! やるったらやる!!」
「ラブライスシュート! ぱぁーん!」
「ことりは、留学してお米のことを勉強するの!」
「すいません、牛丼特盛で。生卵とネギ付けてください」
「えりち、こんなとこでも食べ過ぎやって……」
「ふふふ……遂に花陽の夢が叶いました! みんなお米の虜です!」
「「オコーメイーズベスト!! オコーメイーズベスト!!」」
「ふふ……あはははははは!!!」
お米帝国の野望は止まらない。
……翌朝、目が覚めるまでは。
夢なき夢は夢じゃない 完
ラーメンssとかいって後半ラーメン関係ないね?
これにて終わりです
あとでhtml出してきます
おう? ネタ被っちゃいましたか……ごめんなさい
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