日常の中の非日常な戦争(3)
俺はただ寝ていただけだ。
ただいつものように机に突っ伏して腕を枕にし流れてくる退屈な小言を流しまどろんでいただけだ。
俺には彼女こそいないものの、友も家族も妹もいる。若干不良なだけで悪行もしていない。極めて普通一般の高等生徒だ。
なのになんだここは?
確かにビルもある。道路もある。電線のきれた電柱もある。なのに、学校がない。学校がないどころか道路も割れており、ビルは上半分がなく地面にはガラスが散らばっている。
それになにより異変なのは。
目の前に電子世界でしか見たことのないような怪物が、俺の目の前にいるということだ。
明らかに人間ではない。肌も緑色だし舌が長く、何より棍棒をもっていやがる。明らかに人間じゃない。人間だとしたら他の人間はどうなった?
そいつは確かに、走った。走ってきて俺を殴ろうとする。
男「何だよ......何だよこれ!?」
俺は逃げた。力が尽きるまで走るつもりだ。とにかく俺はただ逃げた。生き残りたい一心で逃げた。
夢にしてはおかしい。現に地面の感触、匂い、服の擦れる感覚がずれることなく俺に伝わってくるからだ。
男は奴を撒こうと交差点を右に曲がりながら意識的にか、頭の隅で考えていた。
じゃあなんだ?この世界は?あいつは?
その時だった。
?「撃て!」
大量の轟音が荒廃の街に鳴り響いたのは。
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