ドラえもん「優等生の劣等と優越」(24)

手に入れたいものが何かは分かってる
でも、どうやったって手に入らないモノもある。

それでもいいじゃないか、それだけでいいんだ

僕に出来ることはみんなよりも知識を増やす事
だから、全ての時間を割いて、勉強をしたんだ

なのに、忘れることができないんだ

君との思い出を。

机に座って勉強をする人と立ったり走ったりする人だったら
きっと小学生の頃なら後者の方が多いと思う。

だから僕は遊びに遊びに誘われなかったのかな?

僕は前者だから

寂しくはないよ
女の子たちは僕と話してくれたからね
「知らないことはない、博士の出木杉」
こんなあだ名が付きそうになったのは内緒の話

その話しかけてくれる女の子の中に静香ちゃんはいた。
あのバカ三人、、、じゃなくてのび太君たちと良く遊んでいる子だ

当時小学生だったのにね、変な話だけど
天使、っていうのかな、、、、変な比喩だね

でも、本当にそう
天使だった

どんなにつらい勉強でも
彼女と競ったり、教えたり、逆に教えてもらったり
そんな日常が僕の支えだったんだ

僕達はみんな中学校に進学した
僕は、まぁ、進学校の中学に行ったからみんなとは離れちゃったけど

でも、図書館で静香ちゃんとはよく会っていた

他愛もない、そんな会話がとても魅力的だった、
それこそ有意義な時間っていうのかな

そんな他愛もない話に変化が起き始めた
だんだんと話の中に

のび太君が、よく出てくるようになったんだ

僕はね、頭がいいというか
回転が速いんだ、、、、これは自負してる

だから気づいたんだ

「僕の天使は、いなくなってしまった」ってね

憎かった
とてつもなく怒りを感じた

なぜなんだって

僕の何がいけなかったのか

問題が解けてしまうから?
解決してしまうから?
勉強してしまうから?

僕はね、初めて怒ったよ
いや、キレたって感じかな

その静香ちゃんの気持ちに気づいた瞬間
気づけば、、、、

のび太君の家の前にいたんだ

その日家にはのび太君しかいなかったらしくてね
まぁ、それに気づいたのもあとの話なんだけど

何も考えずにのび太君の部屋のドアを勢いよくあけたんだ

「なぜ君は僕の前に立つ!」

「え?!あれ?出木杉君?!」

「のび太君!君は自分のしたことが分かっているのか?」

「いや、、、その、、わからないけど」

「僕は君よりも遥かに物を知っている、なのに、こんな事で君に負けてしまうのか、、?」

「出木杉君の何が僕に負けてるの?」

いや、冷静に考えれば
「いきなり何言ってんだこいつ」って話なんだけど

のび太君は、まぁ、良い意味でさ

馬鹿だったんだ

その目の前の答えだけを求めてくれた

のび太「僕が出木杉君に勝てるものなんて射撃ぐらいだよw」

出木杉「うるさい!!僕は、何も欲を出さなかった!今回の一つぐらいくれてもいいじゃないか!」

のび太「、、、、。」

出木杉「静香ちゃんは、、、僕は、、、ずっと、、、」

のび太「、、、、出木杉君、静香ちゃんは、モノじゃないよ?」

出木杉「!!」

のび太「くれるって、誰からもらうの?」

出木杉「違うんだ、、、今のは、、」

のび太「僕は好きな子がいるけど、見てて思うよ、、、、」

のび太「伝えたら、触ったらきっといなくなっちゃう、でもそのぎりぎりの目の前までいかないと」


のび太「それがなんなのか、相手にはわからないよ」

出木杉「のび太君、、」

のび太「僕には難しいことはわからない」

のび太「でも、出木杉君なら、きっと解けるよ!」

そうか、
信じて疑わない、疑っても信じる
君は自分を最初にいきなり罵ったやつでも応援してくれる

出木杉「ごめん、、、急に、怒ったりして」

のび太「ううん!だって友達じゃないか!」

小学生の頃と変わらない。
喧嘩したとか、卑下したとか
そんなんでも変わらない

出木杉「優しさ、、、なんだね」

世の中手に入らないものばかりだ
でも、それで諦めていたら

それこそ何も残らない

劣等か、、、

友達に、劣等なんてないんだ
そう、彼がどんな事でも、隣にいてくれるように

三作目です。
見てくださってありがとうございました。
また短くなってしまいました;

次はジャイアンかな?っという意見が多かったですが
出木杉君でしたー

次は誰でしょう?
では。

※前の話とはつながっていません。

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