穂乃果「もちろん！ どうせならみんなで行こうよ！」


穂乃果「絵里ちゃん希ちゃんにこちゃん！ この後の予定は？」


絵里「ないわね」


希「ウチも」


にこ「にこはこの後サイン会が――」


穂乃果「3年生はOKっと」


にこ「ちょっとスルー……！？」


穂乃果「1年は？」


花陽「な、ないです」


凛「凛もないよ」


穂乃果「真姫ちゃんは？」

真姫「べ、別にないｹﾄﾞ」ｸﾙｸﾙ


穂乃果「それじゃあ集合は2時ね！」


海未「（最近練習ばかりしてたので、息抜きは大切ですよね）」


海未「（それと、穂乃果との思い出も……作りたいですし）」


穂乃果「一旦解散！ また後でね～」


海未「（穂乃果の水着姿……）」


海未「……」ﾎﾟｰ


穂乃果「……海未ちゃん？」


海未「！ なんでしょうか」


穂乃果「今、変なこと考えてなかった？」ｼﾞｰｯ


海未「考えてません！ で、では私はここで！」ﾀﾞｯ


穂乃果「変な海未ちゃん」


ことり「海未ちゃんは穂乃果ちゃんのことが好きすぎて、たまに変になっちゃうんだよ♪」


穂乃果「そ、そうなんだ」

8月 18日

穂乃果「わー！ いろんな屋台がある！」


海未「穂乃果、あんまりはしゃいじゃダメですよ」


穂乃果「分かってるよー！」


ことり「あ、りんご飴だぁ。1つ買おっと」


穂乃果「見て、海未ちゃん！ 金魚！」


海未「どうしたんですか、それ？」


穂乃果「すくってきたの」


海未「家で飼えるのですか？」


穂乃果「おばあちゃんが金魚飼ってるから大丈夫！」


穂乃果「あ、あっちで盆踊りやってる！ 行こいこ、海未ちゃん！」ｸﾞｲｸﾞｲ


海未「ちょ、強く引っ張らないで下さい！」

8月 19日

穂乃果「花火大会だー！」


絵里「こ、これが花火……なのね」


穂乃果「もしかして、絵里ちゃん花火見るの初めて？」


絵里「ええ……ﾊﾗｼｮｰ」


穂乃果「あれ、みんなは？」ｷｮﾛｷｮﾛ


絵里「……はぐれちゃったみたいね」


穂乃果「みんなを探しに行こう」


絵里「ええ、そうね」


穂乃果「もしかしたら、絵里ちゃんともはぐれちゃうかもしれないから、一応」ｷﾞｭｯ


絵里「！？」


穂乃果「よし、それじゃあ出発進行！」

8月 20日

にこ「こんな炎天下の中、どーして私たちが着ぐるみ着て立ってなきゃいけないのよ」


穂乃果「絵里ちゃんが、

『真姫の別荘とはいえ、ただで泊めてもらうのは悪いでしょ』

って」


にこ「確かにそうだけど……なんで私たち2人なわけ！？」


穂乃果「それはじゃんけんに負けたからだよ」


にこ「ぐぬぬ」


穂乃果「あと1時間で終わるから、ファイトだよ！」


にこ「そうね、あと1時間の辛抱よ！」


穂乃果「でもこの後練習か～」


にこ「は？ なに言ってるのよ？」


穂乃果「えっ、海未ちゃんが終わったら帰ってこいって」


にこ「………もう、ダメ」ﾊﾞﾀｯ


穂乃果「に、にこちゃん！？」

8月 21日

にこ「なんでここでやるのよ」ﾌﾞｯｽｰ


真姫「仕方ないでしょ、ここぐらいしか高いところないんだから」


にこ「あんまり騒がないでよね、近所迷惑になるから」


希「それにしても、海未ちゃんが天体観測したいなんて、ね」


海未「な、なんですかその目は」


希「ううん、なんでも♪」


穂乃果「見てー！ あの星きれい！」


海未「どれ、見せて下さい」


穂乃果「あれ！」


海未「とてもきれいですね」


穂乃果「うん！」

8月 22日

穂乃果「合宿だー！」


凛「海だー！」


にこ「青い空、青い海、にこの美しさが醸し出されるようだわ！」


真姫「海は透明だけどね」


にこ「揚げ足取らない！」


穂乃果「早速泳ぐぞー！」


海未「なにを言っているのですか。たっぷり練習メニューを作ってきましたよ」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「えーっ、海未ちゃんの鬼！」


海未「いくらでも言って下さい」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「ひえぇぇ……」

8月 23日

穂乃果「今日こそは海に……！」


海未「」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「ひっ、う、海未ちゃん」


海未「今日は午前練習だけです」


穂乃果「えっ」


海未「午前中目一杯練習して、午後は遊びましょう」


穂乃果「！ 海未ちゃん大好き！」ﾀﾞｷｯ


海未「ほ、穂乃果っ」


ことり「」ﾆｺﾆｺ


希「」ﾆｺﾆｺ


海未「見ないでくださいっ！」///

8月 24日

海未「今日は最終日です、みっちりやりますよ！」


8人「はーい」


海未「まずはここのステップから――」


海未「一旦休憩です！」


穂乃果「あー……づかれだ～」


花陽「もう1歩も動けません……」


ことり「穂乃果ちゃん、水」ｽｯ


穂乃果「ありがと～」


ことり「いえいえ♪」


海未「10分後に練習再開です！」

8月 25日

凛「肝試しにゃー！」


絵里「お、おばけなんて非現実的なもの、存在すすすするわけ――」


穂乃果「わっ！！！」


絵里「きゃぁああああああああああああああ」


穂乃果「あははははは！ 絵里ちゃん怖がってる！」


絵里「ほーのーかー……！」


穂乃果「逃げるが勝ち！」ﾀﾞｯ


絵里「待ちなさい！」ﾀﾞｯ


希「穂乃果ちゃんとえりちは元気やなぁ」


にこ「絵里の弱点発見っと」ﾒﾓﾒﾓ

8月 26日

穂乃果「うーみーだー！」


海未「呼びましたか？」


穂乃果「違うよ、海だよ海！」


にこ「にこの美しさが――」


真姫「そのクダリいいから」


にこ「ちょっと酷くない！？」


海未「今日は遊びで来たわけじゃないですからね」


海未「今日こそは遠泳10kmです！」


穂乃果「………3kmにしない？」


海未「ダメです」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「海ちゃんおねがぁい……」


海未「！ その手には引っかかりません！」

8月27日

にこ「もっと早く走りなさい！」


穂乃果「はあ…はあ……もう無理だよぉ……」


花陽「も、もうダメです……」


にこ「あと4分で映画始まっちゃうでしょ！」


凛「1本あとので見ようよ～……」


にこ「今見逃したらもう見れないのよ！」


穂乃果「だ、誰なの。映画はしごしよって言ったの」


海未「あなたでしょう！」


穂乃果「あれ、そうだっけ」


海未「あ、にこでした」

8月 28日

絵里「そーれっ！」ﾋｭ


ｺﾞﾛｺﾞﾛ ｶﾞｺｰﾝ

穂乃果「すごい！ ストライクだ！」


希「えりちって本当に初めてなの？」


絵里「ええ」


ことり「最初はガーター連発だったのに」


真姫「今じゃストライク連発だからね」


にこ「ぐぬぬ、私だって……それっ」ﾋｭ


ｺﾞﾛｺﾞﾛ ｶｺﾝ

にこ「に、2本……」


希「ふふっ」


真姫「2本だけって……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


にこ「なによ！」///

8月 29日

穂乃果「I'm feelin' the wind in the sky without your love～♪」


凛「穂乃果ちゃん、上手にゃあ！」


絵里「この曲いいわね」


穂乃果「without your love～♪

はあ…終わった！」


絵里「ﾊﾗｼｮｰ!」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


穂乃果「次は花陽ちゃんね！」


花陽「わ、わたし！？」


穂乃果「がんばって！」


花陽「じゃあ歌わせていただきます……」


凛「耳塞いだ方がいいよ」


穂乃果「えっ、なんで――」


花陽「君 の 自 由 に も う 飽 き て ♪
歌 う こ と も な く な っ て ♪」ﾋﾟｰ


穂乃果「うひゃあっ！」


凛「かよちんの肺活量はやばいにゃ」

8月 30日

にこ「鳥見てもなんも楽しくないんだけど」


穂乃果「あはは……ごめんね。夏休みの課題が『野鳥観察』だったから」


穂乃果「あの鳥……スズメかな」ﾁﾗｯ


ことり「？」


海未「あの白い鳥は……白鳥ですか」


希「うーん、どうだろ」


絵里「」ｼﾞｰｯ


穂乃果「絵里ちゃんがスズメと睨みあってる」


ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ

絵里「ふふっ、私の勝ちよ！」ﾄﾞﾔｧ


8人「（かわいい）」

――

穂乃果「涼しい～」


海未「穂乃果、ここは喫茶店です。あんまりぐたーとしないでください」


穂乃果「うん。それにしてもここ2週間色々なことしたね」


ことり「うん！」


絵里「いい思い出がたくさんできたわ、ありがとう」


穂乃果「他になにかしたいことある？」


凛「もうほとんど遊びつくしちゃったよね」


海未「明日は夏休み最終日、練習はなしです。明日1日、きっちり休んでくださいね」


8人「はーい」


海未「では、解散です」

8月 31日

穂乃果「全然課題終わってないよ～！ ど、どうしたら……」


雪穂「それはお姉ちゃんがいけないんでしょ」


穂乃果「だって～……」


雪穂「だってじゃないでしょ、遊びすぎ」


穂乃果「練習もしてたよ！」


穂乃果「こ、こうなったら……寝る！」


雪穂「えっ、宿題いいの！？」


穂乃果「もういいもん！ おやすみ！」


雪穂「お、おやすみ……」


穂乃果「（ラブライブ予選結果まであと少し、明日からまた頑張ろう！）」


穂乃果「（もうみんなには迷惑はかけない！！）」





ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ ｶﾁｯ

穂乃果「ﾑﾆｬ…今日は……」


8月 17日

8月 17日

穂乃果「今日も練習だ～」


穂乃果「最近1日練習ばかりだし、そろそろ半日があっても……」


穂乃果「今日、半日が気がする……。そんなわけないよね」ﾋﾟﾛｰﾝ


穂乃果「ん、海未ちゃんからだ」


『今日は午前練習になりました』


穂乃果「……え？」


穂乃果「え、え？ ホントに半日に……」


穂乃果「ら、ラッキー？ なのかな？」


ｺﾝｺﾝ ｶﾞﾁｬ

雪穂「お姉ちゃーん、そろそろ練習の時間だよー」


穂乃果「そろそろ行くよ」

穂乃果「いってきまーす」ｶﾞﾗｯ


穂乃果「……」ﾃｸﾃｸ


穂乃果「（なんだろうこの風景は、見覚えがある）」


穂乃果「（いや、いつも通ってる道だからとかじゃない）」


穂乃果「（この光景と全く同じ光景を見たことあるような気がする）」


穂乃果「（あくまで気がする、だけどね。たぶん私の気のせい）」


ことり「穂乃果ちゃんおはよ～」


穂乃果「おはよう、ことりちゃん」


ことり「一緒に行こ♪」


穂乃果「うん」


ことり「今日も暑いね～」

穂乃果「今日35°Cあるって雪穂が言ってた」


ことり「そんなにあるの……！？」


穂乃果「らしいね」


ことり「今日、半日でよかったよ……」


穂乃果「だね」


海未「穂乃果っことり、おはようこざいます」


穂乃果「おはよー」


ことり「おはよっ、海未ちゃん」


穂乃果「海未ちゃん、どうして半日にしたの？」


海未「天気予報を見ていたら気温が35℃を超えるようでしたので」


海未「もし熱中症にでもなったら危険ですので」

穂乃果「海未ちゃんってなんだかんだで……」


ことり「みんなのこと、大切に思ってるよね」


海未「当たり前です！ ライバルであり、仲間なんですから！」


穂乃果「ふふっ、海未ちゃん照れてる」


海未「ほ、穂乃果はどうなんですか！」


穂乃果「なにが？」


海未「みんなのこと、どう思ってるのですか！」


穂乃果「え、好きだよ？」


穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃん、真姫ちゃん、花陽ちゃん、凛ちゃん、にこちゃん、ことりちゃん」


穂乃果「海未ちゃん……みんな大好きだよ」ﾆｺｯ


海未「！」///


穂乃果「あれ、海未ちゃん……？」


海未「」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


海未「さ、先に行きます！」ﾀﾞｯ


穂乃果「あっ、海未ちゃん！」ﾀﾞｯ


ことり「2人とも、待ってえ～！」

海未「今日の練習はここまでにしましょう」


穂乃果「あ゛ー疲れたー……」ﾊﾞﾀｯ


ことり「でも午前練習だけじゃものたりない、かな」


穂乃果「まあ、いつもよりは疲れてないけど」


にこ「なかなか汗が止まらないわねー、頭から水をかぶりたいわ」


穂乃果「水……？ あっ！」


穂乃果「海未ちゃん、この後暇？」


海未「ええ、暇ですけど……」


穂乃果「プールに行こう！」


海未「……いいですね、行きましょう」


穂乃果「ありがとう！」


ことり「私も私も！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

穂乃果「ことりちゃんも行こ行こ！ あ、だったらみんなで行こうよ！」


穂乃果「絵里ちゃん希ちゃんにこちゃん、この後の用事ある？」


絵里「私はないわ」


希「ウチも予定はないよ」


にこ「にこはこの後握手会が――」


穂乃果「3年生はOKだね」


にこ「華麗にスルーした……！？」


穂乃果「花陽ちゃん凛ちゃんは？」


花陽「特に用事は……」


凛「ないよー」


穂乃果「真姫ちゃんは？」

真姫「今日はた、たまたまないからプール、行ってｱｹﾞﾙ」ｸﾙｸﾙ


穂乃果「みんな大丈夫だね！ 集合は2時にします！」


海未「（ここのところ練習尽くしだったので、久しぶりに遊ぶのもいいですかね）」


海未「（それに……穂乃果との思い出も……）」


穂乃果「それでは解散っ、また後で会いましょう！」


海未「（穂乃果のビキニ姿……）」


海未「……」ﾎﾟｰ


穂乃果「……海未ちゃん」


海未「！ は、はいっ」


穂乃果「今、いやらしいこと考えてなかった？」ｼﾞｰｯ


海未「は、はあっ！？ こ、ここで失礼します！」


穂乃果「なんで動揺してるのさ……」


ことり「海未ちゃんは穂乃果ちゃんのこと好きすぎて、たまに変なこと考えちゃうの♪」


穂乃果「へ、へえ」

-プール-

ﾜｲﾜｲ ｷｬｯｷｬ

穂乃果「（なんだろう、この光景）」


穂乃果「（前にどこがで見た気が）」


穂乃果「（いつ、どこで見たんだろう）」


希「穂乃果ちゃん？」


穂乃果「！ 希ちゃん」


希「どうかしたん？」


穂乃果「ううん、なんでも」


絵里「……」ﾎﾞｰ


穂乃果「………絵里ちゃん？」


穂乃果「（―――やっぱり）」


穂乃果「（この光景を見たことがある。絵里ちゃんがプールの方をﾎﾞｰとして見てる、この光景を）」


海未「――穂乃果！」


穂乃果「（そう、それで海未ちゃんがこう言うの）」


海未「一緒に泳ぎませんか、どちらが速いか競争です！」

8月 18日

穂乃果「見て！ 盆踊りやってる！」


海未「そうですね」


穂乃果「踊りに行こう！」


海未「嫌です」


穂乃果「ええっ、なんで！？」


海未「恥ずかしいからです」


穂乃果「ふ、ふーんだ。じゃあ穂乃果1人で踊ってくるから！」


ことり「穂乃果ちゃん、一緒に踊ろ♪」


穂乃果「うん！」


海未「！ し、仕方ないですねえ、私も踊ってあげますよ」

8月 19日

穂乃果「花火きれいだねー」


絵里「ええ」


海未「希、よくこんないい場所見つけられましたね」


希「そうやろ、さすがやろ～」


凛「かよちん浴衣似合ってるー！」


花陽「えへへ、ありがとう。凛ちゃんも似合ってるよ！」


真姫「………あれ、にこちゃんは？」


穂乃果「えっ？」


ことり「おーいにこちゃーん！！」


絵里「にこが消えたわ！」




にこ「みんながいない！？」

8月 20日

穂乃果「着ぐるみ暑い～」


海未「穂乃果、喋ってはいけません」


穂乃果「だって暑いんだも～ん」


海未「私だって暑いですのから、我慢してください」


穂乃果「はーい」


海未「……」


穂乃果「……」


ﾐｰﾝﾐｰﾝ

海未「……やっぱり、お話しましょうか」


穂乃果「うん、そうだね……」

8月 20日 夜 11時 30分

穂乃果「こんな時間にどうしたの、希ちゃん？」


絵里「ホントよ、もう深夜帯に入る時間よ」


希「2人にどうしても話しておきたいことがあってな」


希「2人とも、ここんところ、おかしく思わへん？」


穂乃果「ど、どういうこと？」


希「ここんところ1週間、なにか変だと感じない？」


穂乃果「変？ 別にそんなこと――」


「（この光景を見たことがある）」


穂乃果「――！」


希「やっぱり、あるんか」

希「えりちもなにかある？」


絵里「変っていうか……」


絵里「同じ光景を見たことある気がする」


希「そう、それや」


希「ウチらはデジャヴを感じとる、ということや」


穂乃果「デジャヴって確か、見たことがあるとか、どこで見たのかわからない、とかの違和感だよね」


希「簡単に言うならそうやね」


希「ウチも道を歩いてたり、プールに行った時に感じたんや」


希「この光景を見たことがあるって」


希「だからウチは調べてみることにした」


希「すると、とんでもないことが起こっていた。それは――」

希「――ウチらが同じ時間を、永遠にループしていることに気がついた」


絵里「え？」


希「8月31日を過ぎると、記憶はリセットされ、8月17日に戻る」


穂乃果「そ、それって……」


穂乃果「無限に続いてるってこと？」


希「そうやね」


穂乃果「る、ループって……そんな非現実的なことが」


絵里「そ、そうよ。そんなことあるわけないわ」


希「ウチも最初はそう思ってた、確証もない。でも、信じて欲しい」


絵里「きゅ、急にそんなこと言われても……」


穂乃果「……私、信じる」


絵里「穂乃果！？」


穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃんが嘘ついたことある？」


絵里「そ、それは……」


絵里「（あるわよ、たくさん）」

穂乃果「私は希ちゃんが嘘ついてるように見えない」


絵里「ほ、穂乃果……」


穂乃果「だから私は信じてみる、もしそうなら大変なことだし」


希「穂乃果ちゃん……ありがとう」


絵里「はあ……私も信じるわよ」


希「！ えりち……」


絵里「で、なにが原因でループしてるの？」


希「それはウチにもわからん」


絵里「はあ！？」


希「ウチには8月17日から31日までループしてることしかわからない」


絵里「ちょっと、それじゃあ防ぎようがないじゃない！」


希「まだ色々わからない点が多くて、原因はウチが探し出すから待ってて」


希「話しは終わり。また後日話そう」


絵里「そうね、今日は帰らせてもらうわ」


希「それじゃあ、また明日」


絵里「ええ」


穂乃果「ねえ、絵里ちゃん」


絵里「なに？」


穂乃果「希ちゃって、何者なの？」


絵里「………さあ」

8月 21日

にこ「どーしてここでやるわけ」ﾌﾞｯｽｰ


真姫「高いところってここくらいしか思いつかないし」


にこ「静かにしてなさいよ、苦情来たら困るし」


希「海未ちゃんが天体観測に興味があったとは、ね」


海未「そ、その目線はなんですか」


希「別に♪」


穂乃果「あの星見て！ きれーい！」


海未「どの星ですか」


穂乃果「あれだよ、あれー！」


海未「確かにきれいですね」


穂乃果「だよね！」


穂乃果「（この光景も何回も見てるってこと、だよね……）」

8月 22日

穂乃果「ここが真姫ちゃんちの別荘……」


凛「おっきいにゃ……」


にこ「この銀の砂浜、にこの優雅さを表しているようだわ！」


真姫「銀じゃないけどね」


にこ「銀も混じってるわよ！」


穂乃果「早速泳ごー！」


海未「ダメですよ、この日のために、特別練習メニューを考えてきのですから」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「えーっ、海未ちゃんの悪魔！」


海未「好きなだけ言って下さい」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「ひゃあぁぁ……」


穂乃果「（海未ちゃんのこの笑顔を何回見てきたのだろうか……）」

8月 23日

穂乃果「……」ｿﾛﾘｿﾛﾘ


海未「」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「ひゃっ、う、海未ちゃん」


海未「今日は午後練はしません」


穂乃果「へ？」


海未「午前中きっちりやって、午後はハメを外しましょう」


穂乃果「！ 海未ちゃん大好き！」ﾀﾞｷｯ


海未「ほ、穂乃果……」


ことり「」ﾆｺﾆｺ

希「」ﾆｺﾆｺ


海未「いつからそこに！？」

8月 24日

海未「今日は最終日です、一生懸命がんばりましょう！」


8人「はーい」


海未「まず最初は基礎的な動きから――」


海未「10分の休憩を取ります！」


穂乃果「はあ…はあ……」


花陽「……」ﾊｱﾊｱ


ことり「穂乃果ちゃん、タオル」ｽｯ


穂乃果「ことりちゃん、ありがと」


ことり「いーえ♪」


海未「十分に休憩を取ってくださいね！」

8月 25日

凛「肝試しの時間だー！」


絵里「おばけなんてうっそさ♪ おばけなんて――」


穂乃果「わああああ！！」


絵里「いやあああああああああああああ」


穂乃果「あははははは！ 今の絵里ちゃんの顔……ふふっ」


絵里「ほーのーかー！」


穂乃果「きゃー絵里ちゃんに襲われるー」ﾀﾞｯ


絵里「こらっ！」ﾀﾞｯ


希「穂乃果ちゃんとえりちは仲良いねえ」


にこ「絵里の弱点はおばけっと」ﾒﾓﾒﾓ

8月 26日

穂乃果「わあぁぁ……きれいな海だ」


海未「そんな、照れます」///


穂乃果「そっちの海じゃなーい！ 海未ちゃんもきれいだけど！」


にこ「にこのダイヤモンドのような美肌が――」


真姫「にこちゃんお口チャック」


にこ「！」ﾑｸﾞﾑｸﾞ


海未「今日は練習のために来たのですよ」


海未「では遠泳10kmの開始です！」


穂乃果「……3kmにまけて」


海未「いやです」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「海未ちゃあぁぁん……」


海未「！ ダメったらダメです！ それに明日は休みですから」


穂乃果「ホント！？」


海未「ええ……穂乃果」


穂乃果「なーに？」


海未「よかったら明日、一緒に――」


にこ「明日はみんなで映画にいくわよ！」


海未「……」

8月 27日

にこ「早くしないと映画に間に合わないわよ！」


穂乃果「はあ…はあ……にこちゃん早いよぉ……」


花陽「も、もう息が……」


にこ「あと少しの辛抱よ！」


凛「違う時間のにしようよ～……」


にこ「今日で終わりなの！」


穂乃果「映画はしごしよって言ったの誰」


海未「穂乃果です！」


穂乃果「あっ、私か」


海未「すみません、にこでした」

8月 28日

絵里「えいっ！」ﾋｭ


ｺﾞﾛｺﾞﾛ ｶﾞｺｰﾝ

穂乃果「ま、またストライクだ……」


希「全然初心者に見えない……」


絵里「そう？」


ことり「さっきまでガーター連発してたとは思えないよね」


真姫「さっきからずっとストライクばっか」


にこ「あまいわね……にこの方が華麗に……！」ﾋｭ

ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…


希「ふふっ」


真姫「ガーターって……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


にこ「笑うなー！」///

8月 28日 夜 11時 30分

絵里「希が呼び出したってことは……」


穂乃果「もしかして原因がわかったの！？」


希「うん」


絵里「で、原因は？」


希「――海未ちゃん」


絵里「？ 海未がどうかしたの？」


希「海未ちゃんが原因や」


穂乃果「ええっ！？ 海未ちゃんが！？」


絵里「の、希。冗談は――」


希「冗談じゃないよ」

希「本当に海未ちゃんが原因なんや」


穂乃果「そ、そんな……」


絵里「な、なぜ海未なの？」


希「理由はようわからんけど、原因は海未ちゃんで確定」


希「カードがウチにそう告てる」


絵里「は、はあ……」


穂乃果「で、でもどうして海未ちゃんが原因に……」


希「1つの仮説を立ててみた。それは、海未ちゃんが夏休みを終わらせたくないから、こんな現象が起こっている」


希「たぶん、やり残したことでもあるんだと思う」


穂乃果「やり残したこと……？」


希「うん、ウチは穂乃果ちゃんが鍵だと思ってるんよ」


穂乃果「わ、私？」


希「そう、穂乃果ちゃんが鍵や」

8月 29日

穂乃果「（そんな、私が鍵って言われても……）」


海未「……穂乃果？」


穂乃果「！ な、なに？」


海未「次はあなたの番ですよ」


穂乃果「う、うん」


穂乃果「（どうして海未ちゃんが夏休みを終わらせたくないんだろう）」


穂乃果「（わからない、わからないよ）」


穂乃果「（海未ちゃんがやり残したことってなんなの！？）」


穂乃果「MESIA Her name is jeanne d' Arc～♪」


絵里「ﾊﾗｼｮｰ!」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


海未「穂乃果」


穂乃果「なあに、海未ちゃん
？」


海未「よかったら、明日2人で――」


ことり「穂乃果ちゃん、明日野鳥観察に行こ♪」


穂乃果「あ、うん。いいよ」


穂乃果「海未ちゃんごめん、なんだっけ？」


海未「……いいえ、なんでもないです」

8月 30日

穂乃果「（ついにこの日がやってきてしまった）」


穂乃果「当然海未ちゃんのやり残したことなんてわからず）」


にこ「なによあの鳥、こっち睨んできちゃって」


穂乃果「あはは……」


絵里「」ｼﾞｰｯ


穂乃果「絵里ちゃんがカラスと睨みあってる」


ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ


絵里「きゃああああああ」


8人「（PKE）」

穂乃果「（時間はあっという間に過ぎていき……）」


穂乃果「（そして夕方に……）」


海未「明日は練習はお休みです、ゆっくり休んでくださいね」


海未「では、始業式に会いましょう」ｶﾞﾀｯ


穂乃果絵里希「！」


穂乃果「ま、待って！ 海未ちゃ――」


穂乃果「（か、身体が重い。なんなのこれ！）」


穂乃果「（このまま海未ちゃんを帰しちゃダメだ！）」


穂乃果「（でないと、またあの2週間を繰り返すことに！）」


穂乃果「（だけどなにをすればいいのかわからないっ、海未ちゃんの言葉の中に手がかりがあったはず！）」


穂乃果「（なにか、なにか、なにか――）」


穂乃果「（思いだせ、思いだせ――！）」

『穂乃果――明日一緒に――』
『よかったら―――＜2人で＞――』


穂乃果「！！」


穂乃果「海未ちゃん！ 待てえええええええええええっ！！！」


海未「！」ﾋﾞｸｯ


穂乃果「海未ちゃん！」ｶﾞｼｯ


海未「な、なんですか？」


穂乃果「海未ちゃん！ 私たちまだしてないよね！」


海未「なにがですか？」


穂乃果「デート！ ふ・た・り・っ・き・り・で！」


海未「な、なに言ってるんですか！」///


穂乃果「まだ夏に入って
デートをしてない！ 海未ちゃんとデートしないと、私の夏は終わらないんだ！」


海未「ほ、穂乃果っ。ここ、喫茶店で……」ｶｱｱｱ



穂乃果「だから明日はデートね！ 強制だから！ わかった！？」


海未「は、はい」///

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ ｶﾁｯ

穂乃果「ふわぁぁ……」


9月 1日 7時30分


穂乃果「（どうやら、無事9月1日を迎えたみたい）」


穂乃果「（まさか海未ちゃんが私と＜2人っきり＞で出かけたかったなんて）」


穂乃果「（2週間をずっと繰り返してたなんて嘘みたい）」


穂乃果「いってきまーす！」ｶﾞﾗｯ


海未「おはようこざいます、穂乃果」


穂乃果「おはよー。あれ、ことりちゃんは？」


海未「先に行くって連絡が」


穂乃果「そうなんだ」


穂乃果「珍しく、海未ちゃんと2人っきりで登校だね」


海未「私じゃ不服ですか」ｼﾞﾄｰ


穂乃果「ううん、そんなことないよ」ﾆｺｯ


穂乃果「海未ちゃん！ これからもよろしくね！」


海未「！」


海未「ええっ！」