魔王「君の正義って本当に正しいの?」(20)

勇者「ハァハァ、あぁ、正しいっ!」

魔王「うーん、そっか…」

魔王「僕も自分が間違えてたとは思えないだけどなー」

勇者「っハァハァ、何が言いたい!」

魔王「いや、君をグチャグチャにする前に答えが知りたくなったんだ」

魔王「どっちが正しかったか…かな?」

勇者「…お前らが正しい訳が無かろう!お前達がどれだけたくさんの人の命を奪ったか分からんのか?」

魔王「…うーんまずそこが分かんないだよね」

勇者「人の命は星よりも重い!それをお前らは!ぐっ…」

魔王「もっと落ち着いて話しなよ、血…止まんないよ」

勇者「…黙れ」

魔王「そっか…殺すのは正しくないんだ」

魔王「ねぇ、お肉って食べたことある?」

勇者「…何の話しだ?」

魔王「お肉だよ、君達なら鳥さんとか豚さんとかかな?」

勇者「…ある…それがなんだ」

魔王「そのお肉って殺されたお肉だよね?」

勇者「この世は弱肉強食だぜ!」ヒャッハー

勇者「人と畜生を同等とするな!」

魔王「そっか、人じゃなかったら殺していいんだ」

勇者「…くっ、ち、違う、人は…生き物は飯を食わねば死ぬ…」

魔王「そうだね…だから殺して食べるのはいいんだね?」

勇者「だから、この世は弱肉強食だぜ!」ヒャッハー

魔王「そっか…おいしかった?」

勇者「何がだ?」

魔王「僕の子供達、おいしかったの?」

勇者「…魔物なぞ食わん!」

魔王「あれ?殺したのに食べなかったの?食べる為に殺し…」

勇者「自己防衛だ!」

魔王「そっか自分を守るために相手を殺しちゃう…理にかなってるね」

勇者「弱きは強きに討たれるのが世の常さ。」

勇者「そんな世界が嫌ならば、人間を全て殺して貴様が世を統べることだな。」

勇者「もっとも、貴様は今から俺によって殺される運命だがな。」

魔王「ねぇ話し戻しちゃうけどさ、お肉の元ってどうやって捕まえてるの?」

勇者「…もういいだろう…闘え」

魔王「もっとお話ししようよ、しゃべれる子が随分前に君に殺されたから久しぶりのおしゃべりだから付き合ってよ」

勇者「…牧場で飼われているものがほとんどだ」

魔王「ありがとう、そっかー牧場かー」

魔王「その子達の自由も殺してんだね」

勇者「自由を…殺す?」

魔王「そっ、自由に生きる権利ってやつかな?君だってその権利を使ってここまで来たんだろ?」

勇者「…そうだな」

魔王「ふむふむ…牧場で自由を殺して、食べるためにまた殺す…」

魔王「なんだ、僕たちとおんなじじゃないか」

勇者「…同じ?」

魔王「うん、同じ」

魔王「君達は鳥君や豚君と同じ」

魔王「ねぇ僕たちが何か食べてるとこ見たことある?無いよね?」

魔王「僕たちの食べ物って君達とちょっと理が違うみたいなんだ」

魔王「負の流れってわかる?」

魔王「君達が悲しいとか恐いって思った時に出るみたいなんだ」

勇者「なっ!」

魔王「そう!今君から出た不快感って奴かな?それも僕たちの食べ物なんだよ」

勇者「バカな…」

勇者「魔物の目的は大地の侵略だと…ぐっ!」

魔王「君達の王様はそう言ってるんでしょ?」

魔王「あれ…嘘なんだ」

魔王「僕がつかせてる」

勇者「ふざけるな!貴様と陛下が!」

魔王「うんうん信じたくないよね、平和の為に戦うリーダーが敵の親玉と仲良しなんて」

魔王「でも本当なんだ」

勇者「そんな事が許されるはずがない」
魔王「ついてきて」ギュッ

【第8市街地】

勇者「なっ、今まで城に居たはずなのに」

魔王「転移魔法だよ、そっちには教えてない奴」

勇者「教えてない?どういう事だ」

魔王「へへ、そういう事だよ、見ててね」

ドン

勇者「ま、街が…一瞬で灰に?」

魔王「凄いでしょ、何年か前の王様にも見せてあげたらよーく言うこと聞いてくれるようになったをだ」

勇者「…200年前…第4市魔導爆発…」

魔王「そんなに前かー、確か魔導石の融導変異って事にしたけど」

勇者「…魔物と…人の力は拮抗し」

魔王「それも嘘…そうでなきゃ来てくれないでしょ?」

勇者「…何故だ」

魔王「何が?」

勇者「…何故、存在しない希望を与えた」

魔王「うーん君って毎日鳥のお肉だけって食べれる?」

魔王「嫌だよね?毎日違うもの食べたいよね?」

魔王「だから君らには希望と変化をあげたんだよ、おいしくなってもらうために」

魔王「まぁ希望はちょっと苦いんだけどね」



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