木場真奈美「The eve.」 (22)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSになります。

ヘレン「私の世界。」
木場真奈美「THE REAL FOLK BLUES.」
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8月7日 8:30 シンデレラガールズプロダクション某支部

P「おはようございます。」

P「…誰もいないのか。鍵は開いてたが…昨日締め忘れたか…?」

ザー……

P「人は…うん、いたか…。」

数分後

?「ふぅ…。」

P「おはよう、真奈美。」

木場真奈美「やぁ、おはよう、P。来ていたのか。」

P「ああ、さっきな。今日もトレーニングか?」

真奈美「日課だからな、一日でもサボると癖がつく。」

P「朝からこんなに暑苦しいのに、よくやる。」

真奈美「水分補給はぬかりないよ、トレーニング中に倒れるとか、シャレにならないからな。」

P「お気をつけになられているなら結構、それに越したことはない。」

真奈美「ご心配痛みいる。」

P「さてまあ、もう事務所にいるなら話が早い、仕事の話が来ている。」

真奈美「ほう。」

P「このあと打ち合せだ。」

真奈美「わかった。…済まないが、髪を乾かしてくる、待っていてもらえないか。」

P「了解だ。コーヒーでも淹れておくか?」

真奈美「ありがとう、ホットで頼む。」

P「あいよ。」


数分後

P「さて、今回の仕事だが、撮影だ。」

P「ヘレンの仕事の関係で栄養補助食品のCMでな。」

真奈美「ヘレンといえば、ウィダーか。」

P「ウィダーだな。だが、今回のCMはカロリーメイトだな。」

P「時に真奈美、動物は大丈夫か?」

真奈美「特に苦手ではないが…。」

P「それなら良かった。」

真奈美「?」

P「今回の仕事は、動物と共演します。」

真奈美「はぁ…。」

P「なんと、チーターと共演します。」

真奈美「…チーター?」

P「ああ…大丈夫だ。野生ってわけじゃない。」

真奈美「安心していいのか悪いのか、わからないな…。」

真奈美「しかし、なんでまた私に?」

P「ちゃんと鍛えてて、エネルギッシュな女性像ということでオファーが来た。」

P「さしずめ、人類代表といったところか。」

真奈美「人類代表とは仰々しいな、選んでもらって喜ばしいことではあるが…。」

P「撮影時の風景も撮って、販促のために公開されるらしいから、なかなかおもしろいと思うぞ。」

P「チーターと戯れる木場真奈美が見れるわけだ。」

真奈美「フフッ…楽しみにしておくよ。」


真奈美「ちなみに撮影場所は?」

P「サバンナだ。」

真奈美「サバンナ!? 海外とは…。」

P「動物園で撮るんじゃあ、リアリティに欠けるだろう?」

真奈美「それはそうだが…サバンナか…。遠いな。」

P「嫌か?」

真奈美「私たちに拒否権はないだろう?」

真奈美「それに、なんだかワクワクしてきているよ。不思議とな。」

P「毎度毎度、チャレンジャブルで助かるよ。」

真奈美「一度飛び込んだからには、色々やってみたいと思うさ。」

P「頼もしい限りだ。」


真奈美「ボーカルにしてみても、趣向の違ったステージが増えてきたな。」

真奈美「前回の西部劇もなかなかだったよ。」

真奈美「夏樹のを見て気になってはいたが、ああいったステージもいい。」

P「基本歌付きだしな、お前の魅力も一層輝くことだろうさ。」

P「礼とのデュエットも初めて組むにしては良く出来ていたぞ。」

真奈美「お褒めにあずかり光栄だね。」

P「この先そういうのも増えてくるだろうな。事務所の方針でもあるみたいだ。」

真奈美「仕事というなら、こなしてやるのみさ。」

真奈美「フフッ…。」

P「さて、と。今日のこの後の日程だが、さっきの撮影のことで先方と打ち合わせがこの後11時から、午後はレコーディングか。」

P「長丁場にはならんから、まあ、夜までには終わるか。」

真奈美「そうだな。」


P「その後だが…ちょっと付き合ってくれるか?」

真奈美「ほう…デートのお誘いなら、事務所を通してからにしてもらえないかな?」

P「…予定は空いとるか、と聞いてるんだ。」

真奈美「…? 特に予定はないよ。」

P「よし、じゃあ決まりだな。」

真奈美「いつも変なところで強引だな、キミは。」


10:56 某製薬会社 一室

P「今回はよろしくお願いいたしいます。」

真奈美「よろしくお願いします。」

担当「こちらこそ、よろしくお願いします。」

担当「早速ですが、今回のコンセプトですが、『人には人の栄養バランス』ということで…。」



11:47 打ち合わせ終了

P「ふぅ、さて、昼をすませて、レコーディングか。」

真奈美「了解だ。最近気になってる店があってね、行ってもいいか?」

P「ああ、時間も、ある。構わない。」

真奈美「じゃあ行こうか。」

P「なんのレストランだ?」

真奈美「スペイン料理かな。」

P「へぇ…。」

真奈美「裕美がな、パエリアを作りたいと言っていて、手伝って欲しいと頼まれた。」

真奈美「こちらとしてもしっかりサポートできるように準備をしなくてはと思って、最近はリサーチしているんだ。」

P「いいことじゃないか、俺にも今度教えてくれ。」

真奈美「フッ…考えておこう。」


17:23 レコーディングスタジオ

真奈美『――――♪―――――♪』

P「…。」

P「よし…。」

真奈美「ふぅ…。」

P「お疲れ様、相変わらずそつなくこなすな。」

真奈美「入念な打ち合わせとレッスンあってのことさ。キミのおかげとも言える。」

P「実力は元から一級品なんだ、俺はちょっと手助けしてるにすぎない。」

P「さて、行くうとしようか。」


18:06 BAR『BEBOP』

真奈美「ここは、この前の…。」

P「そう、あいがよくジャズLIVEをやってるバーだ。」

カランカラン

マスター「おや、真奈美さんにPさん。いらっしゃい。」

P「マスター…。」

マスター「ああ、準備はできてるよ。こちらに…。」

真奈美「…?」

BAR『BEBOP』 2F

マスター「それじゃあ、ごゆっくり…。」

カツカツカツ


真奈美「…また今日はずいぶんと凝ってるじゃないか。」

真奈美「…なにかあったか?」

P「…。」


P「自分のことくらい憶えてたらどうだ。明日、誕生日だろう?」

真奈美「誕生日…そういえば、そうだったな。」

真奈美「フッ…忘れていたよ、意図的にね、キミがいつもサプライズをしてくれると思っていたから。」

P「…調子のいいことを言う。」

P「明日は、きっと慌ただしくなるだろう、ゆっくり祝えない。だから前祝いだ。」

真奈美「別に他の人と同じタイミングでよかったんじゃないか?」

P「…最近、ゆっくり二人で飲める機会がなかったから、たまには、と…。」


P「それと…コレをな…。」

P「人前で渡すのもなかなかに恥ずかしい…。」

真奈美「大の男がなにを…開けてもいいかな?」

P「ああ。」

真奈美「エプロンか…。一人で買ってきたのか?」

P「この図体でな。」

真奈美「さぞ奇異の目で見られただろうな。」

P「むしろ生暖かい目で、別サイズの取り寄せを勧められた。」

P「プレゼントと言うと、よりニッコリとされた。」

真奈美「ハハッ とにかく、ありがとう、大事に使うよ。」

真奈美「本当に、ありがとう。」


P「さて、乾杯といこうか。」

真奈美「ああ。」

P「乾杯。」

真奈美「乾杯。」


チン



22:40 同場所

P「ん、もうこんな時間か。」

真奈美「久しぶりに話し込んでしまったな。」

真奈美「名残惜しいが、そろそろお暇するとしようか。」

P「そうだな。家まで送ろう。」

真奈美「ありがとう。キミはこの後どうするんだ?」

P「俺は一度事務所に戻る。」

真奈美「…? 仕事でも残っているのか?」

P「明日の仕込みだ…キッチン係だからな。」

真奈美「じゃあ、手伝おう。」

P「馬鹿言うなよ、自分の誕生日会の準備を自分でする奴がいるか。」

真奈美「私がやりたいと言ってるんだ。いいんだよ。」

P「…はぁ、仕方ない。 頼むよ。」

真奈美「ああ、任せろ。」



23:00 シンデレラガールズプロダクション某支部

P「ただいま戻った…。って誰も居ないか。」

真奈美「流石にこの時間ではな。」

P「さて、と、とっとと仕込みするか。」

P「真奈美、これ切っといてくれ。」

真奈美「了解だ。」


8月8日 0:15 同場所

P「よし、これで終わりだ。」

P「手伝ってくれて助かった。思ったよりも早めに上がれそうだ。」

真奈美「礼にはおよばないよ。」

P「あ…。」

P「夢中で気が付かなかったが、日付変わってたな。」

真奈美「ふむ、そのようだな。」

P「改めて、誕生日おめでとう、真奈美。」

真奈美「フフッ ありがとう。」

P「さて、今度こそ送ろう。」

真奈美「ああ、よろしく頼む。 ふあっ…っふ…。」

P「あくびとは珍しいものが見れた。」

真奈美「私だって人の子だぞ? 眠ければあくびくらいするさ。」

P「ごもっともだ。でも、そういうのは見せないと思っていたが…。」


真奈美「なぜだろうな…。」

真奈美「最近、変わってきたような気がする。」

P「ほう?」

真奈美「肩の力が抜けてきたというか、そんな感じだ。」

真奈美「キミもそう、他のアイドルの仲間たちもそう、私を支えてくれている人たちの存在を強く感じるようになってきた。」

真奈美「さっき、ちょっと手助けしているだけだ、とキミは言ったな。」

真奈美「そのちょっとの手助けを、私は大きな追い風に感じるんだ。」

真奈美「それがあるから、私は、世間一般の「孤高な」イメージで立っていられる。」

P「ふふ。やけに饒舌だな。」

真奈美「フフッ、確かに。 眠くなるとそうなるのかもしれない。」

真奈美「だが、今のは寝言じゃない、紛れも無く本心だ。」

真奈美「アイドルを続けてきて、私の価値観は確実に変わってきている。」

真奈美「この心地いい変化を大事にしていきたいよ。」ウトウト

P「ああ、そうだな…。」

P「タクシー、来たみたいだ。そろそろ行こうか。」

真奈美「ああ…。」


P「今日はもうこんな時間だが、朝トレはどうするんだ?」

真奈美「…明日は、休みだな。」

バタン ガチャリ

Fin

以上になります。

木場真奈美さん、お誕生日おめでとうございます。
最終的に、主賓のなのに、酒飲みお姉さん方につまみなど作らされてそうな木場さんです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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