上条「この街は腐ってる」 (41)
上条さん改悪もののSSです!
戦闘力を強化し、上条さんをスキルアウトにしました
主に能力者狩りや無能力者狩りをテーマ?に
悪人と善人の間で板挟みになって苦しむ姿を書けたらいいなと
そんなに長くならないはずです。多分。初ssなので読みにくい点はご容赦ください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407428157
路地裏の入り組んだ小道を、一人の少年が颯爽と歩いて行く。
路地裏といえば、学園都市に住む学生たちならあまりいいイメージを持たない場所である。
だから、多少遠回りになるとしてもそこには入らないようにするのが普通だし、ましてやこの少年のように堂々と歩く者はいないだろう。
それでも彼がこの道を、まるでホームグラウンドのように歩くのは、彼がこの路地裏の住人だからである。
日の当たる場所で堂々と暮らすことが出来ない、日陰の住人。
彼、上条当麻は、この街の永遠の嫌われ者―――スキルアウトなのだった。
学生「げほっげほっ―――…はぁ…おぇ」
スキルA「能力者ってのも、能力が使えなくなったとたんこのザマかよ」
スキルB「おいおい…さっきまでの威勢はどうしたんだよ!」
入り組んだ道を左に曲がると、制服を着た学生が3人のスキルアウト達に潰されているところだった。
学生は制服を所々赤く染め、顔や腕にあざをつくっている。
誰にやられたのかは明白だった。
上条「おい、お前大丈夫か…?」
このまま放置すれば彼がどうなるかは誰の目にも明らかだ。上条はやれやれとため息をつき、いつもの悪癖を発揮し彼の元へ歩み寄った。
上条「ああ、こりゃひでえな。待ってろ、今救急車を――――っ」
いいかけて、上条は後ろから襟首を持ち上げられる。
スキルA「おいおい、勝手に何してんのお前…」
スキルB「学生がこんなとこウロチョロしやがって、邪魔すんじゃねえよ」
坊主頭にピアスをした色黒のスキルアウトが、羽交い締めにされた上条にナイフをちらつかせながら迫ってくる。
刃渡り7cm程度の果物ナイフだが、突き刺されればたまらない。
上条は三人目の動向に注意をはらいながら、まず目の前の坊主頭に強烈な頭突きをお見舞いした。
手足の自由はきかなくても、首から上は自由に動く。
喧嘩は先手必勝。それは相手が武器を持っていても変わらない。
上条「せいっ!」
スキルB「ぐああぁぁっ!!」
スキルA「!?」
坊主頭が鼻血をたらしながら地面にうずくまった瞬間、動揺した背後の敵が行動に出る前に、上条は後頭部で後ろへ向けて鋭い頭突きを放つ。
鼻の骨を砕くような感覚を頭に感じながら、上条は一瞬で拘束を振りほどいた。
残る敵は一人。
スキルC「うわ…うわぁぁああああああああああ」
三人目に向き直り、拳を構えた上条だったが、三人目の男は脇目もふらずに駆け出した。
上条「……ま、去る者追わずってね」
上条はくしゃくしゃと髪を掻き、胸ポケットから携帯を取り出して知り合いの医者へ電話をかけた。
彼はきっと、カエル顔の医者のようにはなれない。
根幹に優しい心を持ちながらも、この街に違和感を感じずにはいられない。
上条はスキルアウトに身を堕とすことで、己の正義を貫くことを決めたのだった。
学生「悪い…、助かった…」
上条「いや、ただの気まぐれさ。そうそう、顔の傷は相当ひでーけど心配すんな。腕の良い医者を知ってる。きっと跡も残さず治してくれるよ」
学生「………」
上条「あ、治療費までは面倒見ねえぞ?」
学生「―――――――――」
学生は尚も上条に何かを伝えようとしていたが、カエル顔の医者が電話に出たたため、彼がその言葉を聞くことはなかった。
続きはよ
>>7
今書いてるんだ
すまんね
*
両側は高い壁。清掃の行き届かない路地裏には、ところどころ苔やカビ、場所によってはツタの這っているところまである。
めったに差さない日差しのおかげか、空気は湿っぽくひんやりと冷たい。
全体的に陰鬱なこの空間は、日陰者たちによく似合う。
上条当麻はもう慣れっこな様子で、落ちた空き缶にも目もくれずに歩いて行く。
そうしてしばらく歩くと、廃墟と化したビルのような建物が見えてくる。
背の低いその建築物は周囲から埋もれているため、パッと見ただけでは見逃してしまうほどだ。
だからこそ、呼吸をするだけで恨みを買うスキルアウトの隠れ家には持って来いの場所だった。
上条はビルの裏手のドアに鍵を差し込み、半回転させて中へ入る。
元は荷物搬入に使っていたのか、だだっ広い1階は車のガージとして機能していた。
主な入手手段(というか全部)が盗難であるため車種はコロコロと変わるのだが、ここ最近は赤いハッチバックと黒のクーペがいつも停まっている。
上条と仲間の浜面が、こそこそ深夜にパーキングから奪ってきた車だ。
人数のいるグループなら大きめの1ボックスを所有していることが多いのだが、上条の仲間は彼を含めてもたった3人だからこれで問題がない。
寂れた階段を上に上がると、仲間の一人である浜面仕上がソファに尻を埋めて雑誌をめくっているところだった。
どうやらもう1人のメンバーは外出しているらしい。
それにしても浜面仕上、階段を上がってきた人間に気づきもしないこの無警戒ぶりである。
上条「おいコラ浜面……テメェ昼間っからこんなところで盛ってんじゃねえよ」
あと3分遅ければズボンをおろしていたであろう浜面が、上条の姿を捉えて明らかに狼狽する。
雑誌を蹴飛ばし、足を組み直してなんとか股間の膨張を隠そうとしている様が滑稽で仕方がない。
浜面「よ、よお大将!おそそ、そ、遅かったな!」
上条「遅かったなじゃねーっつの。多分俺じゃなかったら死んでたぞ、お前」
上条の言わんとする所を察し、急激に青ざめる浜面。
そんなバカを視界の隅に捉えながら、上条は下げていた買い物袋の中身をテキパキと冷蔵庫に詰めていく。
同時にいつまでもアタフタしている浜面が可哀想になってきたので、上条は別の話題をふることにした。
上条「ところで、アイツはどこに行ったんだ?」
浜面「ああ、一方通行なら散歩だとよ。1時間前くらいにふらっと出てったぜ」
上条「散歩ぉ?…またデカいトラブル背負って帰ってくんじゃねーだろうな」
浜面「まさか。大将じゃねえんだから」
上条「どういう意味だよ。……ま、これもなんだかんだ良い変化だよな。アイツが呑気に散歩できるようになったんだからさ」
浜面「そうだな。でもそれは大将のおかげだよ。それに俺だって、お前に誘ってもらって感謝してる」
上条「盛のついたオスに言われても嬉しかねーよ」
はぁ、と溜息をついて苦笑し、上条も浜面の隣のソファに尻を埋める。
そのままポケットから携帯を取り出すと、受信メールボックスに1件の新着があることに気づく。
テキパキとなれた仕草でメールを開くと、差出人は上条のよく知る少女だった。
浜面「あ、ミサカからメール?」
画面を覗きこんでいた上条に、ふと浜面が思いついたように声をかける。
上条は画面も見ずに差出人を看破した浜面にちょっと意外な視線を送り、
上条「なんでわかんだよ」
浜面「んー、勘っちゃ勘だけど、強いて言うならミサカと話す時はいっつも優しい顔してっからかなー、大将」
上条「優しい顔ぉ?なんだよそれ」
浜面「まぁこれは一方通行にも言えることだけど…」
至極真面目な表情でつぶやく浜面に、上条は思わず吹き出してしまう。
上条「ぶふふっ。あの一方通行が優しい顔だって?っあはははは―――」
「ナニがそンなに可笑しいンだ?オマエ」
このSSまとめへのコメント
こういうの読みたかった!続き期待!
途中抜けてる