【悪魔のリドル】兎角「ふざけるな!」 (50)

チュンチュン…チチチ

兎角(…ん…もう朝か…?)モゾ

兎角(一ノ瀬…は…まだ寝てるのか)

晴「んふふぅー…もう食べられないよー…むにゃむにゃ」

兎角(…こいついつも食べ物の夢だな)

晴「…メロンパン…はむはむ…」

兎角(そろそろ起こすか…)

兎角(おい一ノ瀬!)

兎角「ふざけるな!」

兎角「!?」

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兎角(…ん?)

兎角(いやいや待て。確かに一ノ瀬はふざけた夢を見ているが、別にそこまで言う事ないだろ…)

兎角(私とした事が、寝ぼけたかな…)

兎角(気を取り直して…)スゥ…

兎角「ふざけるな!(おい一ノ瀬起きろ!)」ガバッ

晴「ふぇっ!?」

兎角(…!?…あ、あれ?)

晴「…えっと…兎角さん?」

兎角「…」

晴「お、おはよう!」

兎角「ふざけるな(あ、あぁ…おはよう)」

兎角「!?」

晴「!…え、ふざけ…?」

兎角(お、おかしい…どうした私)

晴「えと…晴、何かしちゃったかな…?」オド…

兎角「ふざけるな…(いや、そうじゃない…)」

兎角「!」

晴「…と、兎角さん?」

兎角(なんだ…?さっきからふざけるなしか言えない…?)

晴「兎角さん…あの…」

兎角「ふざけるな…っ(違うんだ一ノ瀬…っ!これは…)」

晴「…っ」ビクッ

晴「あ…ごめんね。兎角さん…晴、やっぱり何か気に障る事しちゃったんだよね…」シュン

兎角「ふざけるな…ふざけるな…っ(一ノ瀬…そうじゃない…そうじゃないんだ!)」

晴「ごめんね…兎角さん。晴、自分じゃ気付かなくって…何しちゃったのか、教えてくれない…かな?」

兎角「ふざけるな(いや、だから…)」

晴「…っ…」

晴「そっか…自分で考えなきゃ…だよね」

晴「いつもいつも、兎角さんに甘えてたから…?晴を守るの…嫌になった?」

兎角「…ふざけ…るな(そんな事…ある訳ないだろ…)」

晴「…っ……んない…分かんないよっ…兎角…っ…さん…。兎角さんの思ってる事…ちゃんと言ってくれなきゃ…っ」グスッ

兎角「ふざけるな…っ!(一ノ瀬…っ!)」

兎角(くっ…駄目だ。このままじゃ埒が明かない…っ!一旦一ノ瀬から離れよう…)

ダッ

晴「あっ!待って兎角さん…」ガシッ

兎角「!」

晴「兎角さん…っ…」

兎角「ふざけるな…(一ノ瀬…)」

晴「…っお願い…だから、ふざけるな以外に何か言って……兎角さん…」ヒック

兎角「ふざけるな!(ふざけるな以外言えないんだよ!)」

晴「…」

晴「分かった…」

兎角「ふざけるな?(え?分かったのか?)」

晴「…晴の顔、見たくないよね。引き止めちゃって……ごめんね」

兎角「ふざけるなぁっ!(あー、もう!)」

バン!

「どぅわっ!?」バコッ

兎角「!?」

鳰「あたた…ドア開ける時は気ぃ付けて欲しいッスー」サスサス

兎角「ふざけるな(す、すまない…)」

鳰「ちょっ…人にぶつけといてそれは酷いッスよー!」

兎角「ふざけるな…ふざけるなっ(これには訳が…ってめんどくせぇっ)」

ダッ

鳰「?…朝から機嫌悪りぃッスねー…」

鳰「…って、ん?晴!?どしたッスかぁ!」

晴「!」

晴「に、鳰…」グシグシ

晴「な、何でもないよ!」ニコッ

鳰「…いや、何でもないってそんな顔で言われても…」

ガチャ

春紀「おいおい、朝から騒がしいぞー…」

伊介「せっかく良い夢見てたのにぃー…うるさーい」フワァ

鳰「いや、伊介さん…遅刻するッスよ」

春紀「!って…晴ちゃん?何かあったのか?」

伊介「ひっどい顔ー」

晴「!…っ…」

春紀「…ちょっ、伊介様」

春紀「…で、晴ちゃん?どうしたよ?」

晴「…っ…ほ…本当に何でもないですからっ!ちょっとふざけてただけで…」ニコ

春紀「いや、でも…」

晴「ほ、ほら!皆準備しないと遅刻しちゃう…!晴も着替えなくっちゃ!」

晴「じゃあ、また教室でね!」ニコ

鳰「あっ!」

パタン

晴「…」

晴「…っ…」

晴「……笑わなきゃ…」

10年黒組

兎角「…」

兎角(まずい…まずいぞ…一ノ瀬の誤解を解きたいが…どうやって……)

ガタ

春紀「よっ!」

兎角「…」

春紀「…何があったか知らんが、晴ちゃん泣いてたぞ?」

兎角「!…っ…」

春紀「まっ、あたしが口出しする事でもないとは思ったんだが…いつもニコニコ笑ってる晴ちゃんのあんな顔見たら…流石にねぇー」

兎角「ふざけるな…(お前には関係ない)」ボソ

春紀「おっと!…そうカリカリすんなって!」

兎角「…」

春紀「…晴ちゃんさ。もし兎角サンがいなかったら、あんな風にいつも笑ってられたのかねー」

兎角「!」

春紀「晴ちゃんがこの状況でも笑ってられるの、あんたの存在が大きいんじゃないかなーって思ってたんだが…」

兎角「…」

春紀「…」

春紀「ま、こんな事、あたしに言われたくないよなー」ハハ

兎角「…」

春紀「…まぁ、でも」

春紀「…仲直りは早い方が良いと思うぜ?」

春紀「…あたしだって、あんな無理して笑ってる晴ちゃん、見たくないしな……」

春紀「……」

春紀「…以上、あたしのひとり言」

兎角「…ふざけるな(…寒河江)」

春紀「……ありゃ…やっぱダメか」ハハ

兎角「ふざけるな(いや、違…)」

兎角(……もうやだ…)




コソ

春紀「ごめん!やっぱ駄目だったわ」ヒソヒソ

鳰「……了解ッス。兎角さんも強情ッスからねー」

春紀「つーか、一体何であんなに機嫌悪いんだ?晴ちゃんは何でもないしか言わないし、ただの喧嘩とも思えないし」

鳰「ウチに聞かれても…」

伊介「放っておけば良いんじゃなぁーい?」フワーア

春紀「ドライだなぁー、伊介さまは」

鳰「しゃーねぇッスねー…次ウチが行ってみるッス」

春紀「んじゃ、あたしは晴ちゃんのフォローでもしとくかなー」

伊介「…」

伊介「……つまんなぁーい」ムスッ

兎角「…」

兎角(…くそっ!このままじゃ晴だけじゃない…第二第三の誤解を招きかねない…!)

兎角(何か…何か良い案は…)ズモモモッ

鳰「…」

鳰(…怖っ!顔怖っ!)

鳰(…すっげぇ近付きづらいッス)

鳰「……えーと…兎角さーん?」

兎角「!…ふざけるな(走り、何の用だ)」

鳰「…おおふ。そんな邪見にしないで下さいよぉー!兎角さん」

兎角「…」

鳰「イライラした時は甘いものッスよー!プチメロあげるんで機嫌直して下さいッスー」

兎角「ふざけるな(いらない…)」

鳰「そーんな怖い顔しないで下さいよぉ!ほらっ!笑顔笑顔!!人間笑顔が基本ッスよ!」

兎角「!」

兎角(笑顔……なるほど…!!)

兎角「ふざけるな!(それだ!)」ガタッ

鳰「!?」ビクッ

兎角(ふざけるなしか言えないなら、せめて笑顔で接すれば…そうだ!それなら一ノ瀬も何とか察してくれるかもしれない!)

鳰「…と、兎角さん…?」

兎角(しかし、いきなり上手く笑えるか…)

兎角「…」チラ

鳰「?」

兎角(…こいつで一回練習してみよう)

鳰「…な、何スか?」

兎角「ふざけるな!(礼を言うぞ!走り)」ニコッ

鳰「」

兎角(…よし、いける!)

鳰(……怖っ!なんなんスか!?めちゃくちゃ怒ってるッスめちゃくちゃ怒ってるッス!!)ブルブル




晴「わぁ!これ美味しいいいい!」

春紀「新発売だってさ」

鳰「…ちょ、春紀さん春紀さん」コソ

春紀「ぉゎっ!…って、なんだ鳰か…どうした?そんなこの世の終わりみたいな顔して」ヒソヒソ

鳰「…いや、それが」

晴「?…鳰?何の話し?」

鳰「!…あー、えっと……悪りぃッス晴!ちょっと春紀さん借りて良いスか?」

晴「へ?う、うん」

鳰「春紀さん、こっちへ…」

春紀「あ、あぁ…」

春紀「…で?どうだったんだ?」

鳰「どうもこうも、ありゃ相当ヤバいッスよ…マジで殺されるかと思ったッス…」ゾゾー

春紀「はぁ?そんなにか?お前がなんかしたんじゃねぇの?」

鳰「プチメロあげようとしただけッスよー…。満面の笑みでふざけるなって言われたッス…グスッ……」

春紀「ま…満面の……?」ゾッ

鳰「……東のアズマ、恐るべしッス」




兎角(よし!早速一ノ瀬の所に…)

ガラッ
溝呂木「さぁ皆!授業を初めるぞ!」

兎角「」

溝呂木「ん?東どうした?」

兎角「…」

兎角「…ふざけるな(…ふざけるな)」ボソ

溝呂木「!?」


晴「…」チラ

晴(……兎角さん)ハァ

ユリモクユリカ……タネンセイショクブツ


兎角(くそっ!折角良い笑顔が作れたというのに!!)イライラ

春紀(…うわぁー、鳰の言う通りめちゃくちゃキレてんなぁー)

兎角(はっ!いけない!このままじゃ笑顔を忘れてしまう…!)

春紀(?…何か思いついたような顔に…?)

兎角(笑顔…!笑顔を意識するんだ!)ニコリ

春紀(!?!?)

兎角(…笑顔!)ニコニコ




春紀(………べぇ…べぇよマジやべぇ…殺られる)ガタガタ

乙哉「晴っち晴っち!」ツンツン

晴「?…何?武智さん」コソ

乙哉「晴っち、兎角さんと何かあった?」ヒソヒソ

晴「えっ?」ドキッ

乙哉「あはっ!やっぱりー?」

晴「!…べ、別に何も…」

乙哉「えー?だって朝から変だよー?」

晴「……ぅぅ」

乙哉「ねぇねぇ「…武智」

しえな「嫌がってるだろ…やめてやれ」

晴「!しえなちゃん…」

乙哉「…」

乙哉「あはは、怒られちゃった」








乙哉「……でもふぅーん…そうなんだぁ」ニヤ

キーンコーンカーン

兎角「ふざけるな!(よし!やっと休み時間だ!さっきは邪魔が入ったが、授業時間全てつぎ込んで練習した笑顔で一ノ瀬に話しかけよう!)」ガタッ

春紀「…ひっ!」ビクッ

兎角「?」

春紀「…あ、いえ…すみません…」

兎角「?」

兎角(…そういえば、こいつも朝気にかけてくれてたな)

兎角「ふざけるな…(寒河江…)」

兎角「ふざけるな!(朝はすまなかった…礼を言うぞ!)」ニッコリ

春紀「」




春紀(……怖ぇぇぇっ!)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月15日 (金) 01:20:30   ID: xaqBmHej

ふざけるな!

2 :  SS好きの774さん   2014年08月15日 (金) 01:43:33   ID: ZIewq78v

ふざけるな!

3 :  SS好きの774さん   2014年08月17日 (日) 18:20:26   ID: WX-fll6C

ふざけるな!!

4 :  SS好きの774さん   2014年08月19日 (火) 02:14:26   ID: HW_Bzlea

ふざけるな!!ニコッ

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