宥「咲×玄?」照「待て!」 (35)
前略 お姉ちゃん
晴れて私は、大学に入学しました。
これから、どんなキャンパスライフが
私を待っているのかと思うと
胸が高鳴って夜も眠れません。
草々
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追伸 そう思っていた時期もありました。
照「え?」
咲「……」
エトペン「おい宮永!お前って裁縫が得意なんだろ?今日こそボタン付け教えて貰うぜ?」
一「ねえ?咲はボクが鎖つけてるか気になるよね?ねえ?」
泉「大一最強……うーん、何か締まらんなあ……宮永でええからウチにアダ名つけてくれへん?」
カピバラ「……」
咲「……」
どうして入学してしまったんだろう、こんな大学に……
そうだ、あれは確か、中学生の頃……
「アンタ宮永照の妹でしょ?こうして見るとあんま似てないね?」
咲「は、はあ……」
「サイン頂戴よ!ウチら宮永照のファンなんだよね!」
京太郎「おい!そんなミーハー共にサインなんかしてやる必要ねえよ!」
「はあ?いきなり何なの?」
「誰だよテメー?失せろよ?」
京太郎「サイン欲しいなら懸賞でも出しとけ!」
それが、須賀京太郎との出会いだった。
京太郎「てえな……やっぱり女は殴れねえよ……」
咲「……だ、大丈夫ですか?な、何も私がサインを貰えば済む……」
パシッ
咲「……え?」
京太郎「馬鹿野郎!お前は宮永照じゃないだろうが!妹ってだけで偉そうにしてんじゃねえよ!」
咲「……」
京太郎「たく、つい手が出ちまったぜ……悪かったな?」
咲「……ううん、ありがとう。京ちゃんの言う通りだよね」
それから時は流れ、大学受験まで半年を切った頃……
咲「ええ、京ちゃん大学に行かないの!?」
京太郎「ああ……大学なんてプロになれなかった奴が行くとこだろ?お断りだぜ……」
咲「……そうだね、でも京ちゃん言ってたよね?もっと知りたい、もっと強くなりたいんだ!って」
京太郎「……」
咲「あれは嘘だったの?」
京太郎「嘘じゃねえよ、だけど、だけどよ……俺の雀力で行ける大学なんて、玄大しか……」
咲「じゃあそこに行こうよ!確かにあそこなら、ドラさえ集められれば行けるし!」
京太郎「ふ、ふざけるな!そんなハイレベルなところに行けるかよ!」
バシッ
京太郎「……え?」
咲「……」
京太郎「な、何すんだよ……」
咲「馬鹿野郎!お前はスカウトされてないだろうが!僅かなチャンスを選り好みしてんじゃねえよ!」
京太郎「……咲、お前」
咲「それでも心配だって言うなら、私も受けるよ!玄大!」
玄大入試会場
京太郎「お前……本当に良いのか?お前ならプロの道も……」
咲「しつこいよ、京ちゃん。大学で勝てない人がプロで通用するわけないんだから、これは肩慣らしみたいなものだよ」
京太郎「強気だな。すっかり頼もしくなって……だが、玄大は我が強い奴ばかりだって話だぜ?大丈夫か?」
咲「ふふ、親友の京ちゃんがいるからね?怖いものなんてないよ……」
こうして京ちゃんとの出会いが私を、この大学へと導いたんだ。
でも私は後悔なんてしてないよ、京ちゃん。
貴方が受験失敗したこと以外は。
咲「女子大なら女子大って受験する前に言いなよ、京ちゃん……」
照「……」
照「どういうことなの……」
ー終ー
第2話は明日以降に投下します。
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