P「真夏の夜の少女」 (37)
P「うおお…!あっちぃなぁ…」パタパタ
P「夜だってのに30℃越えるとか…。どうなってんだチクショウめ」
P「おまけにクーラーも壊れてるし…。どう考えても俺を仕留めに掛かってるだろ」
P「どれ。ここはひとつ熱帯夜を共に過ごす相棒でも集めるか…」ゴソゴソ
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P「……何でウチにいるんだ」
千早「熱帯夜を共に過ごす美少女が必要と聞きまして」
P「すごいな。途中からの履き違え感が」
千早「もう…。そんなに褒めないで下さい」ポッ
P「そうか、褒めちゃったかぁ」
P「で、鍵は?」
千早「これです。私とプロデューサーの愛の巣の鍵です」
P「またか。ここはいつから千早の家になったの?」
千早「そう言われても。向こうには私の歯ブラシが、このタンスの3段目には私の下着が入ってますし」ガラッ
P「流石だねちーちゃん。で、そこにあった俺のパンツは?」
千早「プロデューサーのパンツは盗まれやすいですからね。私が厳重に1枚1枚ジップロックで保管していますよ。洗ってないパンツもしかり」
P「千早の事細かな優しさには涙が出るよ」
千早「そ、そんな…」ポッ
P「なぁ千早。鍵、返してくれないか?」
千早「それは…」モジモジ
P「できればパンツも」
千早「それはお断りします」
P「だろうな」
P「千早」ギュ
千早「は…はい!」
P「俺の心はお前という鍵でいつも開放されてるんだよ……」ボソッ
千早「ぷ…プロデューサー!!」キュン
千早「もう。プロデューサーは素直じゃないんですから…」スッ
P(うわ、ちーちゃんちょろい)
千早「それで、プロデューサー!結婚式はいつにしま
ヒョイ
ガチャ
ストン
P「じゃあな。夜遅いから気を付けて帰れよ。おやすみ」バタン
千早「」
P「ったく、鍵替えて72回目だってのに。また付け替えないと…」スタスタ
千早「本題に入りましょう」
P「うおぉ!?」ビクッ
千早「熱帯夜を上回るほどの熱い愛を持つ美少女が帰ってきました」
P「お帰りください。そもそもどうやって侵入したんだマジで怖い」
千早「とっぷしーくれっとです」
P「面妖なコは早く帰りなさい」
千早「いけずです…」
千早「で、本題ですけれど」
P「断じて帰る気は無いようだな」
千早「私の帰る場所はプロデューサーの胸の中です」
P「いらん。熱いんだから早く帰れ」
千早「だから、その暑さを私がなんとかしようと言ってるんです」
P「俺には相棒たちがいるから大丈夫だから。な?」
千早「それなら全員始末…いえ、壊れてますよ?」
P「今、始末って言っただろ!?彼らに何を…」
P「って、うおおお!?うちわが骨組みに!水着のあずささんは!?」
うちわ「破かれた…ごめんよ…」
P「首がおかしな方向に!」
扇風機「もっと回りたかったぜ…」
P「うひゃあ!氷枕に穴が!!」
氷枕「漏れちゃった…//」
P「冷えピタくんに埃が!!」
冷えピタくん「ごめんよ…。もうくっつけないんだ…」
P「そして最も罪深い」ギロッ
千早「美少女」ボソッ
P「ちげーよ!犯人だろが!」
千早「人聞きの悪い。確かにプロデューサーの心を盗んだ罪深い犯人ではありますが…………なーんて。きゃっ」ポッ
P「頼む。城に帰ってくれ」
千早「私とプロデューサーの愛の居城はココです」
P「んあー」
P「仕方ない…。じゃあ、暑さ対策をやらせてやるから満足したら帰ってくれ」
千早「今夜は眠らせませんよ!」フンス
P「あ、そうだ。明日は千早のグラビア撮影あるから」
千早「全身全霊をもって安眠を約束します。寝過ごすくらいに」
千早「ふぅふぅ」
千早「ふぅふぅ」
P「……」
P「……なぁ、千早」
千早「あら、お目覚めですか?」
P「一体何をしてるんだ?」
千早「うちわや扇風機の代わりに息を吹きかけています」
P「どこに?」
千早「耳に」
P「寝れるか!!!」
千早「プロデューサーは耳が感じやすいんですか…?」ポッ
P「そういう話をしてるんじゃないんだが」
千早「私は性感帯の話をしてるんです!!」プンプン
P「うあうあ→」
P「……zzz」スヤスヤ
P「……?」
P(枕の質感が変わった…?何か冷たい…。それに…硬い)
千早「プロデューサー、どうしました?」
P「いや、なんか枕が…」
P「……」
千早「」プルプル
P「自分の腹筋を枕にするとは中々の発想だな」
千早「お褒めに預かり光栄です」プルプル
P「せめて膝枕じゃないのか」
千早「独自性を大事にしているので」
P「ここで発揮しなくてもいいだろ。しかも腹の上に氷ばら撒くとか正気か」
千早「プロデューサーを涼しませたい一心で…!」プルプル
P「本音は?」
千早「今すぐトイレをお借りしたいです」
P「はよ行け」
P「担当アイドル変えられるか社長に相談しないとな…」
P「……」
P「……zzz」スヤスヤ
ヒヤッ
P(お?なんか急に涼しく…)チラ
千早「…」
P「…」
P「ちは
千早「毛布です」
P「いや、ちは
千早「美少女です」
P「こら」
P「アイドルがすっぽんぽんで覆い被さっておきながら何を言うか」
千早「水風呂で禊をしましたから身体は清潔です。それに冷え冷えですよ」ピトッ
P「そういう問題じゃないんだが。というか胸押し付けすぎなんですけど」
千早「気のせいですよ」グイグイ
P「いたたたた痛い痛い。なんかゴリゴリする」
千早「どうですかプロデューサー?ハダカだなんて…本当は恥ずかしいですけど、プロデューサーのためなら」ポッ
P「こっちは恥ずかしいどころかその積極性に戦慄してるんだけど」
千早「興奮…しますか?」
P「…ああ。すごくドキドキしてるよ」
P「手足縛られてるからな」ギチギチ
千早「美少女がハダカで寄り添って…。幸せですね、プロデューサーは」
P「いいから外してくれ」
千早「性のリミッターを!?こ、婚前交渉はダメですよ!!」バッ
P「聞けや」
千早「行為はまだダメですけど、代わりにキスくらいなら…」ポッ
P「うわもう駄目だ、このちーちゃん」
千早「では」ズイ
P「では、じゃない!!限界だ!うおおおお!!放せ──!!」ジタバタ
千早「何故逃げようとするんですか!絶世の美少女がキスを迫っているのに…」
P「俺のファーストキスは未来のお嫁さんにあげるんだー!!」ジタバタ
千早「私じゃないですか」
P「だからね」
千早「うだうだ言っても始まりません!いきます!」バッ
P「うわあああああああああああ!!!」ジタバタ
チュッ
P「」
千早「……」
P「……」
千早「……」ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ
P「!?!?!?」
千早「ふぅ」テカテカ
P「……」ゼーゼー
P「何もかも吸われた…。お婿に行けない…」シクシク
千早「私が養いますから安心して下さい」
P「あー…それは助かるなぁ…」ゼーゼー
千早「え」
P「…え」
P(その後、『あれは冗談だ』と言う俺を余所に、千早はいつの間にか用意していた婚姻届を提出した)
P(後日、ハイテンションな千早がみんなに報告し、事務所は騒然としていた。美希と音無さんは最後まで信じずにいた)
P(俺としては音無さんの『まさか実行に移すとは…!!出し抜かれたわ…!』の発言が怖かったが…)
P(何だかんだで、今、俺たち二人は『美男美女のお似合いのカップル』と、みんなから羨望されている)
P(千早は今世紀最大の美少女……もちろん、これは紛れもない事実だ。美少女過ぎて俺と釣り合わないのでは…と、不安になる時もある)
P(…でも、これで良かったのかもしれない)
P(俺の隣に大切な美少女がいるんだから。ただ、それだけで……)
千早「ふふっ、プロデューサー♪」ギュッ
end
千早「………というプランを立ててみたのだけれど」ニコニコ
春香「かつてないほど楽しそうだね千早ちゃん」
千早「自分でもおどろき戦隊モモノキファイブよ」
春香「ちょっと」
春香「最後なんて『美少女』の嵐だよ。自画自賛のオンパレードだねぇ」
千早「やだ、本当のこと言って。照れるじゃない春香」ポッ
春香「全然褒めてないよ千早ちゃん」
春香「…でもね?千早ちゃん。そのプランには大きなミスがあるんだよ」
千早「今世紀最大の美少女に間違いなんてないわ」フンス
春香「まぁ聞いてよ。絶対に内緒だよ?実はプロデューサーさんはね………」
春香「ホモなんだよ」
千早「」
春香(こうして、『嘘よぉぉぉぉぉ!ホモだなんてぇぇぇ』と絶叫する千早ちゃんを横に、彼女の恐るべき計画を阻止することができました)
春香(後日、ヤケになった千早ちゃんはみんなにバラし、事務所は騒然としていました。小鳥さんは最後まで落ち着きのない様子でした)
春香(私としては小鳥さんの『うっひょ──!!リアルホモマスがここにぃぃ!!??』の発言にびっくりしましたが…)
春香(何だかんだで、今、プロデューサーさんは『アプローチかけても靡かないのはホモだったから』と、みんなから一線引かれています)
春香(プロデューサーさんはホモ……もちろん、これは私がとっさに思いついた嘘です。みんなは信じ切ってしまい、社長は外回りが多くなりましたが)
春香(…でも、これで良かったのかもしれません)
春香(プロデューサーさんの隣には唯一の想い人の私がいるんだから。ただ、それだけで…)
春香「ね、プロデューサーさん♪」
P「良いわけねーだろが」
おわり
以上です。最近暑くなってきたので皆さんも時間時間で水分摂取してくださいね。
ありがとうございました。
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