女騎士「魔王討伐?またそんなありふれたことを」(42)


女騎士「……」ペラ

女騎士「……」ジー

女騎士「……ん?」

鳩「ポッポー」

女騎士「なんだこの鳩は?」

女騎士「足に手紙がついている…もしや届けてくれたのか?」

鳩「ポッポー」

女騎士「ふむ、どれどれ」


女騎士よ、今すぐ伝えられなくてはならないことがある
なんとあの魔王が何者かの手によって封印から解かれたのだ
この状況を打破するにはやはり君の力が必要だと踏んだ
ってなわけで早く来い

女騎士「魔王が復活しただと?」

女騎士「これは一刻を争う、すぐに出発しよう」

女騎士「ありがとう、君はもう帰っていいぞ」チュ

鳩「ポッポー」


女騎士「……」スルスル

女騎士「……」バサ

女騎士「あと鎧は…これか」ガシャ

女騎士「久しぶりに着たものだから少し違和感があるな…」

女騎士「よし、行くか」


コカーン王国・宮殿内部

女騎士「今戻りました」スタ

王「おぉ…よくぞ戻ってきたな女騎士よ」

女騎士「国の運命がかかっておりますので」

王「女騎士、私は君に感激しておる」

女騎士「恐れ入ります」

王「そこで…手紙にも書いたと思うのだが」

王「魔王が封印から解かれ復活した」

女騎士「……」ゴクリ


王「奴はまさにこの世の悪を具現化したような…恐ろしいものじゃ」

王「復活した奴は昔よりさらに力を蓄えておる!国一つなら腕一本で破壊できるほどの力を持っている!」

女騎士「腕一本で…」

王「やがてこの国にも歩を進めてくることだろう…その前に奴を封印してほしい!」

女騎士「しかし、私一人では奴の足止めにもなりません」

王「心配するな…アワビ王国からも援軍を用意している」


勇者「何ィ?魔王討伐だと?」

兵士「はい…隣のコカーン王国の王からの援軍要請だ」

勇者「魔王ってあの魔王か?あの封印されし魔王が復活しただとォ?」

兵士「話によると…」

勇者「無理だ、奴は足一本で国一つ滅ぼせる、俺みたいなキンピラゴボウが行っても意味ねえよ」

兵士「でももうお迎え来てるんですよね…」

勇者「は?」

軍兵「くるでごわす」

勇者「……」


王「まずはこの場所に行ってくれ、そこで詳しい話を聞かされるはずだ」

女騎士「…はい」

王「不安か?」

女騎士「……」

王「大丈夫だ、お前は昔からよくできる子だった」

王「今回だって勝てるはずだ」

女騎士「…はい」


勇者「嫌だ嫌だ行きたくねェー!」

兵士「困ったな…」

勇者「第一なんで俺なんだ!他に頭も良くて力も強くてイケメンな奴等いっぱいいるだろ!」

兵士「それが全員断られてですね、あとは勇者さんしか居ないんですよ…」

勇者「なんだよォ…それ」

勇者「わかったよ…行けばいいんだろォ!」

兵士「本当ですか!」

勇者「今回だけだぜ、ちゃちゃっと封印して帰るぞ!」

兵士「はい!」


コカーン王国東部・酒場

女騎士「ここで待てばいいのだな…」

女騎士「……」

女騎士「……ん?」


勇者「おら四五六だ!これで勝てまい!」

兵士「……」カラン

勇者「ぬおー!ピンゾロだとッー!」

女騎士 (関係ないな…)


盗賊「おら金だ!金を出せ!」

勇者「!」

女騎士「!」

バーテン「ひぃ…本当にこれで全部なんです、命だけは…」

盗賊「しょうがねえ奴だな…ん?」


盗賊「おいガキ!何見てるんだぁ?」

勇者「……」

盗賊「チッ!気に入らねえ!殺してやる!」

勇者「……やめとけよ」

盗賊「なんだとぉ?あっ!」

女騎士「……」チャキ

盗賊 (何だと…コイツいつのまに俺の後ろに)


盗賊「…おい俺の後ろにいる奴!お前も殺されてえのかぁ?」クル

女騎士「……」

盗賊「なんだ?殺せねえのか?まだまだガキだな!」

女騎士「……!」ガシ

盗賊「ん?」フワ

盗賊「あれ?俺空飛んで」ドシャーン


盗賊「」ピクピク

女騎士「強盗にきた勇気は認めてやる、だがお前ごときにガキと呼ばれる筋合いはない」

勇者「ぶ、ぶらぼー……」

兵士「あなた凄いですね、あんな技見たことないですよ」

女騎士「ん?あぁ、独自で編み出したものです、まだ未完成ですけどね」

勇者「コカーン王国の兵士は凄いんだな…」

女騎士「? あなたはこの国の兵士では無いのですか?」


兵士「あ、僕達は隣の国のものです」

女騎士「じゃあ何故この国へ?」

勇者「この国から援軍要請が来てな、魔王討伐することになった」

女騎士「!」

兵士「ちょっと勇者さん、一般人に言ったら不味いのでは?」

勇者「そうか?」

兵士「すいませんね、今のは忘れてください」

女騎士「なるほど…そういうことか」

兵士「?」

女騎士「それなら大丈夫です、何せ私も王の命令により来たのですから」

兵士「え?ということは…」


女騎士「紹介が遅れて申し訳ないです、私はこの国で騎士をやってる女騎士といいます」

女騎士「私も王の命令により魔王討伐に来ました」

兵士「なるほど!だからそんなに強いんですね」

女騎士「ふふっ、ありがとう」

勇者「えーと、俺頭悪いからよくわからんがあなたが…えと、名前何でしたっけ?」

女騎士「女騎士と呼んでくれれば嬉しいです」

勇者「…そうだよな!いやわかってたんですけどね、確認ですよ確認」

勇者「つまり女騎士さんが新たに仲間に入るってわけですね!」


勇者「いやーなんか仲間に女の子が居ると花があっていいですね」

兵士「そうですね」

女騎士「ふふ、ありがとう」

勇者「まあなんだ?これから運命を共にする仲だ!俺じゃ頼りにならんかもしれないがよろしくな!」

女騎士「こちらこそ、よろしくお願い致します」ニコ

勇者 (かっわいいー)

兵士 (かっわいいー)


女騎士「じゃあこんなところで立ち止まってるのもアレですし、行きましょうか」

兵士「そうですね、ここから魔王城とすると…山を登っていくのが一番近いかと」

女騎士「山…ですか」

勇者「登山ですかい?」

兵士「まあしょうがないでしょう」

女騎士「あ、私は装備品とかは揃ってますけどお二人は大丈夫ですか?」

兵士「あ、そうか」


兵士「じゃあ街で装備と登山グッズでも買いましょうか」

勇者「そうだな…俺の装備カスいし」

女騎士「じゃあ行きましょうか」

兵士「オッケーです」


女騎士「そういえばお二人はどういう関係なんですか?」

勇者「まあ…腐れ縁ってやつよ」

兵士「二年も一緒に旅をしてますからね」

女騎士「そうなんですか…ふーん」

勇者「女騎士さんも一緒に旅しますか?」

女騎士「ふふ、ありがとう、でもそれは戦いに生きて勝った後に決めさせてもらいます」ニコ

勇者「くゥー!洒落にもならないこと言わないでくださいよ!絶対生き延びますよ」


バイーブ街

女騎士「ここですね」

兵士「うわ、意外と豪華ですね」

女騎士「見て!雑貨屋がある」

兵士「あそこでいろいろ買いますか」

勇者「ふむぅ…金足りるかな」


雑貨屋『イチ・モツ』

女騎士「いろいろありますね」

勇者「お、かっけーこの装備」

兵士「慎重に選んでくださいよ?」

勇者「大丈夫だ、俺これな」ガシャ

女騎士「鋼をもとにいろんな鉱物を溶かしくっつけていますね」

兵士「勇者さん知ってますか?鋼ってそんな硬くないんですよ」

勇者「なんだとォー!」


勇者「どおりで安いんだな」

兵士「それなら鉄の装備買ったほうがいいと思いますよ、僕もそれにします」

勇者「そうだな…残念」

女騎士「えっと、登山グッズはこれね」

兵士「折り畳みテントとか懐中電灯とか…サバイバルですね」

女騎士「じゃあ買うのはこれくらいでいいですかね」


女騎士「こちらお願いします」

マッチョ「おお!お嬢ちゃん達!鎧を買うんだね?今キャンペーン中でもっと鎧を丈夫に出来るよ!」

勇者「え?マジっすか?」

マッチョ「あぁ!炭素を混ぜれるのは今だけだね!」

兵士「鉄に炭素を混ぜると丈夫になるっていいますね、どうでしょう?やっていきませんか?」

女騎士「面白そうですね」


マッチョ「さあ!こっちだ君達!」ギィィ

勇者「おおー」

兵士「凄いですね…」

女騎士「まんじゅう美味しいですね」モグモグ

マッチョ「ここで炭素を混ぜれるよ!」

勇者「えーと…」

マッチョ「炭素を何%混ぜるんだい?」

勇者「じゃあ50%で」

兵士「」ズゴー

勇者「え?」


マッチョ「ははー!君素人かい?」

兵士「勇者さん、50%も混ぜたら鉄がダメになりますよ」

兵士「ズバリここは35%で!」

マッチョ「」ズコー

兵士「え?」

マッチョ「君も素人なのかい?鉄に炭素を混ぜるのは多くて5%ぐらいだよ!」

勇者「ぅ…」


兵士「じゃあどれくらいがオススメですか?」

マッチョ「そうだなあ…1.5%ぐらいじゃないか?」

勇者「そんなもんでいいのか…」

兵士「じゃあ僕達はそれでお願いします」

マッチョ「へい!じゃあ危ないから離れてな!」

勇者「ういー」


マッチョ「あ~れっよそれとカンカン叩けばあっら不思議~」カンカン

マッチョ「でっも炭素の混ぜすぎダッメ~この微調節大事~」カンカン


マッチョ「出来たぜ」

勇者「おお、黒く鈍く光ってる!」

兵士「かっこいいですね」

マッチョ「2000$だぜ」

勇者「はいよ」チャリン

マッチョ「確かに!じゃあまた寄ってくれよな!」

勇者「ありがとうございましたー」

兵士「ありがとうございましたー」


女騎士「あ、できましたか?」

勇者「おう」

女騎士「黒光りしてかっこいいですね」

勇者「女騎士さんは買いたいもの買えました?」

女騎士「大丈夫です」

兵士「よし!準備万端ですね!」

女騎士「出発ですね」


テンガン山

勇者「ここがテンガン山か」

兵士「サボテンみたいで面白い形ですね」

女騎士「私登山は初めてなので緊張します」

兵士「初めてなんですか?」

女騎士「はい、今まで平野などにしか行ったことなかったので」

勇者「気を引き締めていこう!」

テッテレーン


勇者「なんだ?」

スライム「ぽよーん」

兵士「敵が登場した音ですね」

女騎士「これは…スライムですか」

スライム「ぽよーん」バシ

女騎士「うわっ!」

勇者「なァー!女騎士さんに何を!」

兵士「まあ敵だし攻撃はするでしょうね」

勇者「許さん!喰らえ!」ドカ

スライム「むむむんー」シュワー


勇者「いきなり襲いかかってくるとは…」

女騎士「あ、ありがとうございます勇者さん…はぁはぁ」

勇者「別にいいですよ、仲間でしょ?ほら手をかすよ」

女騎士「仲間…ですか、はは…」

兵士「あ、金落ちてる」


女騎士「さっきは恥ずかしい姿見せちゃいましたね…」

勇者「いいですってー」

女騎士「勇者さんは優しいのですね…」

勇者「そんなことないですよ、はは」

兵士「あ、女騎士さん、あそこに休憩ポイントがあります」

女騎士「本当ですね、少し休みましょうか」

勇者「ようやくセーブできるーっ!」

女騎士 (セーブ?)


テンガン山中部・休憩所

女騎士「ふーっ」

勇者「疲れた…」

兵士「頂上まであとちょっとですよ!頑張りましょう!」

勇者「そうだなァ…」

女騎士「テントの中は安心できますね」

兵士「女騎士さん、飲み物でもどうぞ」

女騎士「あ、ありがとうございます」

勇者「……」


勇者「眠いな」

女騎士「ここならモンスターは現れませんし寝ても大丈夫ですよ」

勇者「じゃあお言葉に甘えて…」ゴロン

兵士「じゃあ僕もちょっと寝ますね」ゴロン

女騎士「おやすみなさい」ニコ


勇者「すぴー」

兵士「ぐー」

女騎士「…寝てしまいましたね」

女騎士「私はどうしましょうか…眠くもありませんし」

女騎士「少し散歩でもしてきましょうか…」スタ

寝ます
注意書きし忘れましたが微エログロありなので嫌いな方は見ないでください

トリップミスりました

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