帝国軍隊長「クククッ、いい格好だなァ」 女騎士「……くっ」 (41)

※エロ注意炊飯器

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――エンパイア帝国帝都
――地下牢

隊長「貴様のような人間が檻の中に拘束されている姿は実に痛快だよ」

隊長「まあ、こうやって拘束する為だけに貴様の全ての力を封じる国宝級アイテム「戒牢石の手錠」を使っているわけだから、笑ってもいられんが」

女騎士「……それで、どうするつもりだ? 私に乱暴でも働くか?」

隊長「安心しろ。野蛮な貴様の国ではどうか知らんが、我が国では貴様のようなゴミであっても罪人を不当に扱ったりはせん」

隊長「後日、貴様は公正な裁判にかけられることになる」

隊長「もっとも、判決は死刑に決まっているがな……何せ街一つを焼き尽くし、我が国の臣民を大勢虐殺したのだからな」

女騎士「……っ! 私はそんなこと……!」

隊長「残念だが『証拠』は山ほどある……貴様の有罪を証明するに十分な証拠がなァ!」

女騎士「……っ」

隊長「せいぜい残り僅かの余生を死の恐怖に怯えながら過ごすがいい」

隊長「くくくく……ハーハッハッハッハッハ!」

女騎士「貴様……!」

隊長「おい」

兵士「は……はっ!」

隊長「しっかり見張っておけよ。この女は恐ろしく強いからな」

隊長「くれぐれも逃すことなどないように……貴様の命でも購えんぞ」

兵士「しょ、承知いたしました!」

スタスタスタスタ

兵士「……」

女騎士「……」

兵士「……あ、あの」

女騎士「……なんだ?」

兵士「……ほ、本当に、貴女が……あの街を焼いた犯人なんですか?」

女騎士「…………そんなことを聞いてどうする」

兵士「……知りたいんです」

兵士「あ、貴女のような人に……あんな非道いことが出来るなんて、俺にはどうしても思えないんです」

女騎士「…………」

兵士「聞かせて下さいませんか……本当にことを」

女騎士「私は貴様ら帝国と敵対している王国の人間だぞ」

女騎士「敵国の兵士の言葉を信じるというのか?」

兵士「……分かりません、でも」

兵士「聞かせて欲しいんです。貴女の言葉を聞いて……それから俺は、何が真実なのか判断したい」

女騎士「…………良いだろう」

女騎士「ふ、どうせ他に出来ることも無いのだしな」

女騎士「だが大した話はできんぞ」

兵士「え?」

女騎士「結論から言えば、私は街を焼いたりなどしていない」

女騎士「そして、その真相に関してもほとんど何も知らん」

兵士「で、では、なぜ貴女がこんな……!」

女騎士「まあ、つまりは罪を擦り付けられたということだ」

女騎士「私があの街に間諜として潜入していたのは事実だからな」

兵士「……!? あの場所にいたんですか!? 一体何のために!?」

女騎士「……我が国が掴んだ、ある情報の真偽を確かめる為だ」

兵士「ある情報?」

女騎士「『帝国が開発中の大量破壊兵器について』」

兵士「た、大量破壊兵器ですって!?」

女騎士「3年前、魔王軍が壊滅したことは知っているな?」

兵士「え、ええ。我が国や貴女の国を含む連合国と、勇者様の活躍によって魔王は倒されたと……」

兵士「俺はまだ士官学校にいて実際に見たわけではありませんが」

女騎士「連合国というよりも、ほとんどが勇者個人の力に依るものだが……まあそれはいい」

女騎士「当時、魔王軍は危険なアイテムを大量に所持していた」

女騎士「それらは魔王軍解体後、魔王軍の元幹部達にリスト化させたうえで連合国が一つ一つ処分していった」

兵士「処分……連合国が山分け、という話にはならなかったんですね」

女騎士「それだけ危険なものだったということだ……一つ使用されるだけで国が滅ぼされかねないものばかりだった」

女騎士「魔王さえ非人道的にして士道悖るとして封印していた程なのだからな」

兵士「なるほど……」

女騎士「しかし、そのリストに書かれていた大量破壊アイテムの中で、発見できなかったものが複数あった」

兵士「え!?」

女騎士「さっき言った情報というのは、その一つを帝国が所持し、量産化を企んでいるというものだ」

女騎士「私は研究が行われているという街に潜入した」

兵士「……!!」

女騎士「もし情報が本当ならば、王国にとっては脅威となる。なにせそのアイテムは、街一つを焼き尽くす程の代物なのだからな」

兵士「ま、まさか……」

女騎士「あの日。私は研究所内に潜入していた」

女騎士「突然だったよ。目の前が光で包まれ、それからしばらく気絶していたようだ」

女騎士「目が覚めて窓から外を見ると、そこには地獄が広がっていた」

兵士「……? 街中が炎に包まれたのでは? なぜ貴女がいた場所は無事だったのです?」

女騎士「……そこが不思議なところでな。なぜか『研究所だけは無事だった』のだ」

女騎士「そのアイテムの性質なのか、周囲の町並みは燃えさかっているにも関わらず、研究所の中は何も変わっていなかった」

兵士「……使用地点の周囲を燃やす、ということでしょうか」

女騎士「さあな……何も調べる間もなく、帝国軍兵士に見つかり、ここへ連れてこられたからな」

兵士「もう一つ、分からないことがあります」

女騎士「? なんだ」

兵士「あの街は商業の中心地で、帝都に次ぐ第二の都市でした」

兵士「そんな危険なアイテムの研究をなぜわざわざあの街で行っていたのでしょう? 実際この件で帝国経済は大打撃を受けています」

女騎士「……ああ、確かにな。我々も疑問に思っていた」

女騎士「本国では物流な盛んな街で量産することで一気に帝国全土に配備する為ではないかと分析していたが、それにしてもあまりリスクが高い」

女騎士「あるいは、何か他に狙いがあったのか……今となっては知るよしもないがな」

兵士「……」

女騎士「私の話はこれで終わりだ。語れることは全て語った」

女騎士「……あとは、お前自身で判断してくれ」

兵士「……俺は」

女騎士「だが、私がどうなるとしてもこれだけは覚えていてほしい」

兵士「え?」

女騎士「あの炎で大勢の人間が惨たらしく焼き殺された。そして、行方不明の魔王の遺産は一つではない」

兵士「……!!」

女騎士「……決めるのは。貴方よ」

兵士「…………」

兵士「…………」スッ

女騎士「!!」

ガチャガチャッ ガキンッ

兵士「……早く、檻の外へ」

女騎士「……恩に着る」

女騎士「だが、戒牢石の手錠を外せなければいずれお前も私も……」

兵士「大丈夫です。手錠の鍵も俺が持っています」

女騎士「なに?」

女騎士「……随分と警備が甘くないか?」

兵士「火事などが起きた際、すぐに囚人を避難させられるように手錠の鍵も牢番が持つ規則になっているんです」

兵士「戒牢石は魔力だけでなく身体の力も奪いますからね」

兵士「別の場所へ保管されていた手錠の鍵を取りに行く間に火事が広がり、囚人を死なせてしまった事件があったとかで、それ以来いまの規則に変わったんです」カチャカチャ

女騎士「そうか」カチッ

女騎士「よし、外れたな……では、見つからんうちに出口に行くか」

兵士「こっちです。急ぎましょう」タタッ

――出口

女騎士「よし……何とか見つからずに出口まで来られたか」

兵士「気をつけてください、この周辺は見張りがかなりの数いるはずです」

兵士「なるべく音を立てないように」

兵士「貴方がどの程度お強いのか分かりませんが、囲まれてはどうしようもないでしょう」

女騎士「そうだな……とりあえず剣を貸してくれるか」

兵士「はい」スッ

女騎士「ありがとう、死ね」ザシュッ



兵士「ぐああああああああああああああ!!」ブシュウウウウ

兵士「き、き、サマ……」ガクッ



女騎士「くっくっくっくっく」

女騎士「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!」

女騎士「バアアアアアアアアアカアアアアアアアアアガアアアアアアアア!!」

女騎士「あんな嘘にひっかりやがってええええええええええええ!!」

女騎士「いよっしゃあああ!! 脱出成功だぜええええええええ!!」

女騎士「帝国のゴミ虫共を殺しまくっただけで死刑にされてたまるかってんだ! ヒャーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!」

兵士2「こっちから奇声が聞こえたぞ!」

兵士3「何事か!」

女騎士「やべ! デカイ声で笑いすぎたか!!」

兵士2「……むう!? 貴様は大量虐殺犯の女騎士!?」

兵士3「は!? そ、そこに倒れているのは……兵士か!!」

兵士2「おのれえええええええ!!貴様ご同輩に何をやったあああああああああああ!!」

女騎士「うるせえええええええ『爆炎魔法』おおおおおおおおおお!!」

ドッゴーン

兵士2・3「ぎゃああああああああああああああああ!!」メラメラメラ

女騎士「げひゃひゃひゃひゃひゃ! まったく人の肉が焼ける匂いってのは最高だなあああああああ!!」

隊長「何があったああああああああああ!!」

兵士達「ゾロゾロゾロゾロ!」

女騎士「チィッ! デカイ魔法を使いすぎたか!」

隊長「な!? きさま王国の女騎士!? なぜ脱獄している!?」

女騎士「ハーッハッハッハッハッハ! 貴様の間抜けな部下が出してくれたのよおおおおおお!」

女騎士「感謝してもしたりないくらいだからぶっ殺してやったぜえええええええええ!!」

隊長「な!? お、おのれえええええ!! 純粋な新米兵士を誑かした挙げ句、その手にかけるとは!」

隊長「この外道がああああああああ!! 殺してくれる!!」

女騎士「それはこっちの台詞だああああああ!!」

隊長「バカがああああ!! この数が相手ではいくら貴様が強かろうが敵うまい!」

女騎士「くっくっくっくっく。街を燃やし尽くして一眠りしていた私を捕まえただけの連中が何を言う」

女騎士「起きてさえいれば貴様等など物の数ではないわあああああああああ!!」

隊長「出鱈目をおおおおおおおお!!」

女騎士「出鱈目ではない! これを見ろ!!」スッ

隊長「……!? そ、それは……まさか!? かの商業都市を焼き尽くした魔王のアイテム!?」

隊長「ば、馬鹿な! なぜ貴様がまだそれを持っている!?」

女騎士「くっくっくっく、知らなかったか? 行方不明になったアイテムは一つではないのだ!!」

隊長「く……しかし、今ここでそれを使えば貴様とて燃え尽きるだけだ!!」

隊長「はったり!! 貴様にそれは使えない!!」

女騎士「バカめが!!」

隊長「なにい!?」

女騎士「あの街を焼いたは時限装置でもつけていたとでも思ったのか!?」

女騎士「あの時も私は、あの街の中心にいながらこのアイテムを使ったのだ!!」

隊長「ば、馬鹿な!?」

女騎士「この大量殺戮任務がなぜ私に任されたと思う!? このアイテムに耐えられるのがこの私くらいのものだったからだああああああああ!!」

隊長「うそだ!! あの灼熱地獄に耐えられる防御魔法など、それこそ勇者くらいにしか出せないはず…・…ハッ!?」

隊長「ま、まさか……まさかあああああああああ!!」

女騎士「そうよ、そのまさかよ!! この私こそが魔王を討った伝説の勇者よ!!」

女騎士「帝都まで忍び込む労を省いてくれてありがとう!! 燃やし尽くすぜあああああああああああ!!」

隊長「やめろおおおおおおおおおお!」

ボッゴオオオオオオオオオオン

隊長「ぎゃあああああああああああああ!」

兵士達「ぎゃああああああああああああ」

女騎士「げひゃひゃはやははyひゃひゃひゃ!! ヒャッハッハッハッハッハッハッッハッハ!!」

女騎士「ふう、少しハッスルし過ぎてしまった」

女騎士「よし、依頼通り帝国の帝都と第二都市は焼き尽くしたし、そろそろ王国に戻って報酬を頂くか」

女騎士「まったく、一生遊んで暮らせる額の報酬と聞いて魔王討伐を引き受けたのに2年で使い切ってしまったからな」

女騎士「この仕事を成功させれば今度は七代遊んで暮らせる金が頂ける……げへへへへ」

女騎士「金になるかもしれんと思って魔王城からパクって帰ったアイテムだったが、まさかここまでの大金の種となるとは」

――王国

国王「ご苦労であったな、勇者。いやさ女騎士よ」

女騎士「御託はいい国王。とっとと金をよこせ!」

大臣「貴様あああああああ!! 王に対して何たる無礼な!! 恥を知れ慮外者おおおおおお!!」

国王「よい。今更こいつに礼儀など期待しとらん」

女騎士「そんなことはどうでもいい!! さっさと金を寄越せと言ってるんだこのヒゲダルマが!!」

国王「慌てるでない。おい、衛兵!」

衛兵「はっ!」

国王「あれを女騎士へ」

衛兵「ハハッ!」スタスタスタ

女騎士「……なんだこの薄汚い槍は」

国王「それは戒牢石の手錠と共に王国に伝わる伝説の聖槍じゃ」

女騎士「ふざけるなああああああああ!! 私は現金以外でしか依頼はうけんと言ったはずだ!!」

女騎士「とっとと金を出さないと王国中の女子供をなぶり殺しにするぞ!」

ザシュッ

女騎士「……は、か!?」

国王「ちなみにその槍の効果は、悪の心を持った者に大ダメージを与えるというものじゃ」

女騎士「ぐおおおおおおおお!!? いてええええええ」ブシューッ

衛兵「ほれ、戒牢石の手錠だ」ガチャリッ

女騎士「貴様ああああああ!! 何をしやがるうううううう!!」

国王「貴様は危険すぎる。強大な力を持つ一方で、人間性は著しく欠如している」

国王「貴様を生かしておけばいずれ我が国を危ぶめる。悪いが死んでもらう」

女騎士「何が危険だ!! 帝国人を大量虐殺させたのは貴様だろうが!! 同じ穴の狢のくせに!!」

国王「たしかにな……だが私は快楽で人を殺したのではない……祖国の為という大義がある!!」

国王「しかして貴様にはそれすらない!! 己の利益と快楽しか考えぬ正真正銘の化け物だ!!」

国王「我が国の為に死ね!!」

女騎士「うぐうう……よくも私を騙してくれたな……」

女騎士「人を騙し、用が無くなったらゴミのように殺すなど何たる外道か……恥を知れええええええ!!」

国王「安心しろ、これはあくまで逮捕という措置だ」

女騎士「は?」

国王「貴様は強すぎる為このような強硬な措置をとったが、裁判は受けさせる」

国王「ただし、貴様は強すぎるため治療はしない」

女騎士「ば、馬鹿な!?」

国王「明日の夜まで生きていたら裁判を正式に開こう。牢まで連れて行け」

衛兵「ハッ」

女騎士「お、おのれえええええええええええええ!」ズルズル

――牢

ガチャンッ

女騎士「ぐうう、マズイぞこのままでは死んでしまう……」

女騎士「仕方ない、あれを使うか」ゴソゴソ

女騎士「くっくっく、奴らめ帝国と同じく女性の尊厳がどうとか言ってケツの穴までは調べなかったからな」

女騎士「こういう時の為にひとりで拡張していた甲斐があったというものよ!」ズボッ

女騎士「じゃーん! 魔王城から盗み出した最後の大量破壊アイテム! 黄泉がえり玉だ!」

女騎士「この玉を割れば死んだ人間が生き返る! つまり! 私がこのまま死んでもまた復活できるというわけだ!」

女騎士「なになに、説明書によると『死体をゾンビにするアイテムです。ゾンビは生者に噛みついてゾンビを増やします』」

女騎士「『非人道的で神の摂理に反するうえ、危険すぎるので使用は止めましょう。魔王より』か」

女騎士「よっしゃ使うか!」パリーン

女騎士「これで良い。このまま今日は寝てしまえば明日には生き返っているだろう」

女騎士「お休みなさい・・・」zzz

ちょっと出かける

――朝

チュンチュン

女騎士「……はっ」

女騎士「こ、ここは……」

女騎士「そうか、私は卑劣な罠にかかってここに……」

女騎士「そうだ! 私はどうなった!? 生きているのか!?」ペタペタペタ

女騎士「生きているな。しかしどうも生き返ったという感じはしないぞ。どうしたことか」

女騎士「……む? 傷口が塞がっている!?」

女騎士「そうか、持ち前の回復力で傷口が自然治癒したんだな。ということは死なずに済んだのか」

女騎士「チィッ、しまった。貴重なアイテムを無駄にしてしまったぞ……こんなことなら使うんじゃなかった」

煮込みと女騎士でググってわかった
ごめん、その作者じゃないから煮込みを期待されても無理だ

女騎士「まあ良い。命に勝る宝はないからな」

女騎士「しかし、当面は凌いだというだけで根本的な解決になっていないぞ……」

女騎士「このままではどっちにしろ殺されてしまう。どうしたものか」

ウウウウウウ

女騎士「? なんだこの唸り声は」

ゾンビ「ウアアアアアアア」ウヨウヨウヨ

女騎士「うお!? よく見たら外に人間がいっぱい!?」

女騎士「何だ貴様等は!? 私は見せ物ではないぞ!!」

女騎士「散れ! 散れ! 牢番は何をしている!?」

牢番「ううううううう」

女騎士「お前もか!!」

女騎士「何なんだ貴様等は揃って乞食のようにこっちに手を伸ばしおって! 何もやるもんなどないぞ!!」

ゾンビ共「うああああああああ」

女騎士「……?なんか様子が変だな。まるで活動写真で見たゾンビのようだ……」

女騎士「ハッ!!」

女騎士「ま、まさかこいつらゾンビ化しているというのか!?」

女騎士「一体なぜ!?」

ゾンビ「あー」

牢番「うー」

女騎士「……理由はわからんがこれは絶好の機会!」

女騎士「よし、引っかかれんように牢番ゾンビから鍵を奪って、と……」

牢番「うがああああ」ヒュンッ

女騎士「うお!? 危ねええええええ!!」

牢番「うー……」

女騎士「はあ、はあ……もう少しで爪が当たるところだった……」

女騎士「だが何とか無事に手錠の鍵をゲットしたぞ!」ガチャガチャ

女騎士「よし外れた! こっちの国も警備がザルだな」

女騎士「魔力と体力さえ回復すればこっちのものだ!!」キイイイイイ

女騎士「食らえ死に損ない共が!!爆炎魔法!!」バオッ

ゾンビ「う?」

ドオオオオオオオッッン

女騎士「ハーッハッハッハッハッハ! ゾンビなど恐くないわ!! おまけに脱獄成功!!」

ゾンビ「おおおおおおおお」

ゾンビ「うわあああああああ」

ゾンビ「うー」

女騎士「……それにしても見渡す限り見事にゾンビだらけだな」

女騎士「はっ、ザマァ無い。きっと私を騙した天罰が下ったのだ」

ゾンビ「おおおおおおおおお」バッ

女騎士「げえっ!? 爆炎魔法!!」バッ

ゾンビ「おおおおおおお……」ボォオオ

ゾンビ「ああああああ」バッ

女騎士「くそっ! キリが無いぞ!!」

パーッン

ゾンビ「があ」ドサッ

女騎士「!?」

男「こっちだ! 早く来い!」パーンッ パーンッ

女騎士「生きている奴がいたか! しかも銃で武装しているとは心強い!」タタッ

男「ハァ……ハァ……ここに隠れればひとまず大丈夫だろう」

女騎士「ああ、ご苦労だったな」

女騎士「私は女騎士だ。お前は何者だ? なぜ街はこんなことになっている」

警官「おれは王国警察のモンだ。残念ながら街がこうなった理由はわからねえ」

警官「朝起きたらもう国中ゾンビだらけで、死にものぐるいでこの建物まで逃げてきた」

警官「出会った人間も、あんたと途中で助けた……」チラッ

白衣の男「ううう……」ブルブル

警官「そこの隅で震えているオッサンだけだ」

女騎士「そうか……くそっ、どうしてこんなことに……」

警官「魔法が関係しているのは確かだろうけどな」

警官「あるいは帝国の仕業かもしれん」

女騎士「帝国が? なぜこんなことをする」

警官「帝国で巨大な爆発があって帝都が吹っ飛んだことは知っているな?」

女騎士「知らん」

警官「あったんだよ……その犯人を俺ら王国と疑って報復措置に出たんじゃねえかと思ってな」

女騎士「そんな……く、せっかく魔王は滅びたというのに、なぜ人間同士で争わなければならんのだ!!」ダンッ

女騎士「まあ良い。とにかくこれからどうするかが問題だ」

警官「どうもこうもな……そこら中ゾンビだらけでほとんど身動きできねえし」

警官「さっきの食糧確保とあんたの救援で弾はほとんど使いきっちまったしな」

女騎士「役立たずめ」

警官「見捨てりゃ良かったぜ……」

女騎士「とりあえずこっから動こう。いつまでもこんな場所でじっとしているのは性に合わん」

警官「おいおい、待てよ。目的もなく動くのは危険すぎだ」

女騎士「目的だと? 例えばどんなものだ」

警官「そう言われてもな……ここより安全な場所か、この事件の原因でも分かればそこを目指せるんだが……」

女騎士「バカめ。そんなものが分かれば苦労はしていないだろう。死ね」

白衣の男「……原因ならば、分かるかもしれない」

警官「なに?」

白衣の男「私は実は王立魔法研究所の研究員をしているのだが」

警官「さっき聞いたぞ」

研究員「おそらく、このゾンビ化現象は……我が研究所で開発中だった魔法薬が原因だ」

女騎士「なんだって!?」

警官「どういうことだ? 詳しく話せ」

研究員「確証があるわけではない……しかし」

研究員「今日、研究で開発されていた魔法薬のレセプションがある予定だったのだが」

研究員「その薬というのが、人の怪我を治療するものらしいのだ」

女騎士「そ、それってまさか……」

研究員「私はその開発チームとは部署が違うので詳細は分からないが……人の身体を再生する薬」

研究員「このバイオハザードと無関係とは思えない……」

女騎士「つまり、これは貴様等のせいということではないか!! どうしてくれる!! どう責任をとるつもりだ!!」

研究員「すまない……私もまさか研究所がこのような研究を進めていようとは……」

警官「まあ待て落ち着け」

警官「つまり、研究所に行きさえすれば、この事態解決の手がかりが掴めるかもしれない、って訳か」

研究員「可能性はある、というだけだがな……」

研究員「おそらくは研究所でも想定外のことが起こったからこそこんな事態になっているのだろうし」

研究員「研究所に行ったところで、果たして解決法など見つかるのかどうか」

女騎士「ええい、四の五の言っても仕方ないだろう!」

女騎士「何でも良いから私はさっさとここから動きたいのだ!!」

警官「……そうだな。他に何か代案があるわけでもねえ」

警官「ともかくそこに向かうとするか……手がかりがあることを信じて、な」

研究員「……ああ」

その後、女騎士たちは王立魔法研究所へと向かった
警官と研究員は途中ゾンビに食われて死んだ

――研究所魔法薬開発室

女騎士「着いたぞ。ここが例の薬を開発してたってところのようだな」

女騎士「とにかく中に入るとするか」ガチャ

女騎士「……果たしてここにゾンビ化の手がかりがあるのかどうか」ゴクリ

ギィィィ

女研究者「……おや、お客さんかな」

女騎士「む、お前はここの研究員か?」

女研究者「そうだよ。客が来るとしても死体かと思っていたんだが……生きた来客とは意外だ」

女騎士「そうだ、そのゾンビのことだ!」

女騎士「さっき会ったここの研究員が、ゾンビの原因はここで研究されていた薬だと言っていたんだが」

女騎士「貴様ここの職員なんだろう。何か心当たりはないか?」

女研究者「……心当たり、ねえ」

女研究者「あるよ」

女騎士「なに!? その魔法薬について知っているのか?」

女研究者「知っているも何も、私がそれの開発者だからな」

女騎士「なんだって……!? で、では貴様がこのバイオハザードの下手人か!?」

女騎士「言え! 何故だ! なぜこんな酷いことをした!! 言ってみろ!!」

女研究者「……」

女研究者「……別に、狙ってやったわけじゃないよ」

女騎士「なんだと?」

女研究者「……私が開発した新薬は、人の怪我を治癒するものだった」

女騎士「おい、話を逸らすな!」

女研究者「まあ、聞いてよ」

女研究者「その効能は、失われた手足ですら再生出来る、というものでね」

女騎士「なに!? すごいなそれは!」

女研究者「でも、それは嘘なんだ」

女騎士「は?」

女研究者「本当はそんな効果なんて無い。せいぜい怪我の治癒を早める程度」

女研究者「これまでの回復薬と大差ないレベルだ」

女研究者「……出来心だったんだ。魔法には自信があったからね。記憶や書類の改竄によって……そのただの回復薬を……」

女研究者「革新的な新薬だと、周囲に思いこませた」

女騎士「な、なんだとおおおおお!?」

女研究者「いつか破滅を迎えることになる……そんなことは解っていたが、溢れ出す虚栄心を抑えられなかった」

女研究者「あれよあれよという間に、とうとうその新薬を王の御前で披露することになってしまってね。それが今日の予定だった」

女研究者「後に引けなくなった私は……昨晩、その新薬のビンを床に叩きつけて、ここで不貞寝した」

女騎士「で、ではまさか……こんなことになったのは……!?」

女研究者「そう、私が薬のビンを割ったからだ。ただの回復薬と思っていたんだが、どうやら死体を蘇らせる効果があったらしい」

女研究者「才能ってこわい」

女騎士「貴様……なんて奴だ……」

女騎士「貴様の勝手な行いで、大勢の人間が死んだんだぞ!? それを何とも思わないのか!?」

女研究者「……何も感じないわけがない」

女研究者「だからこそここで待っていたんだよ」

女研究者「地獄から私を迎えに来た、客人をね」

女騎士「く……このクソ外道がああああああああああああ!!」ザシュッ

女研究者「きゃあああああああああああああああ!!」ブシューッ

女研究者「……ぐ、は」ドサッ

女研究者「これも……報い、か」ガクッ



女騎士「…………」



女騎士「……燃やすのも良いがやっぱ斬るのも格別だな」


勝利者などい~な~い~

戦いに疲~れ果て~

星空を見上~げ~る~

泣く事もかな~わ~ない~

女騎士「こうして、今回の戦いの幕は閉じた」

女騎士「愚かな名誉欲から王国を滅ぼした黒幕を激闘の末に倒した私は」

女騎士「ゾンビしかいないこの国に見切りをつけ、新たな国へ引っ越すことにした」

女騎士「虚栄心……それは人の心に住む魔物」

女騎士「栄光を望む野心は、時として多くの人々を傷つけるのだと私は学んだ」

女騎士「戦いは終わらない。この世に魔物がいる限り、私は戦い続けねばならないだろう」

女騎士「しかし、まあ、ひとまずは新天地で束の間の平和を享受するか……」

~HAPPY END~

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