狛枝「希望の姫と絶望の現実世界」 (9)

・本編EDの1年後です
・ネタバレめっちゃあります






<ウワアアアアアアアアアアッッッ!!!!


ガチャッ

左右田「日向!?どうしたん・・・」

左右田「」ポカーン

九頭竜「なんだよ・・・朝から騒がし・・・」

九頭竜「」ポカーン

終里「あん?どうしたんだ?」

日向「見てわかんないのか・・・?」

終里「ん?ああ・・・」











日向「・・・狛枝が」

日向「狛枝が居ない・・・目を覚ましたんだ・・・あいつ・・・」

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《海岸》







ザザーン

狛枝「・・・」


ボクは・・・全てを思い出した・・・
いや、思い出したというよりは引き継いだのかな?
あの日・・・ファイナルデッドルームで知った・・・知ってしまったことを・・・
ボクが絶望だってこと、みんなも絶望だってこと・・・



そして・・・《彼女》のことも・・・


そういえば・・・彼女はどこに居るんだろう・・・
みんなが入ってたカプセルみたいのの中に彼女のそれは無かったし・・・
まぁ、最初から会わせる顔なんて無いけどね・・・


狛枝「きっと・・・今のボクはキミ好みの顔をしてるなんじゃないかな?」

「・・・」

返事はない、当然である
話しかけてる相手は自分の左手なのだから・・・


「狛枝ァ!」

狛枝「・・・あ、日向クン・・・」

日向「勝手にどこ行ってんだよ!」

狛枝「・・・少し散歩してただけだよ」

日向「・・・せめて、一声かけてくれよ」

狛枝「・・・ボクなんかに、みんなに会う権利なんてないよ・・・」

狛枝「ボクは・・・今でも変わらず、最低で愚かで劣悪で・・・」

狛枝「みんなを・・・殺そうとしたんだから・・・」

日向「・・・ああ、そうだな、お前は・・・最低だよ・・・」

日向「けど、許してやる」

狛枝「・・・え?」

日向「お前は確かに最低で愚かで劣悪でその上希望厨だよ・・・」

狛枝「・・・」

日向「・・・でも、幸運なんだろ?」

狛枝「・・・うん、ボクの・・・たった一つの長所だよ・・・」

日向「狛枝!」ガバッ

狛枝「!?」


日向クンの行動は・・・あまりにも奇妙だった
だって彼は今・・・肩を震わせ、にわかに涙声になりながらボクなんかに・・・




日向「ぢがらをがじてぐれぇ・・・」



ボクなんかに・・・全力の土下座で懇願しているのだから

十神「・・・よし、全員そろったな」

十神「行くぞ、着いてこい」ザッ


ボクは今、日向クンと希望ヶ峰学園跡の建物に居る
そこには、本物の十神クン(細い)が居て・・・霧切さんっていう超高校級の探偵がいて・・・

そして・・・



苗木「・・・おかえり、狛枝クン」



超高校級の希望、そう呼ばれる苗木クンが居た・・・








十神「貴様が復活者第1号で間違い無いな、狛枝凪斗」

狛枝「・・・うん」

十神「・・・正直言うと俺は貴様に”アレ”を見せたくはない」

狛枝「・・・”アレ”?」

日向「着けば分かる、安心しろ」

霧切「狛枝くん」

狛枝「何?霧g!?」



ボクは驚いた・・・振り向いたら霧切さんがボクに銃を向けているんだ・・・
いや、霧切さんだけじゃない・・・よく見たら十神クン、苗木クン・・・そして、日向クンまでもが銃を持っていた・・・

苗木「狛枝クン・・・悪く思わないでね」

霧切「これから見せるモノはそれだけ危険なの、それをよく理解しておいて」

十神「さあ、ご対面だ」ガチャ

狛枝「・・・!」


ボクは・・・なにも言えなかった・・・

ソレはボクもよく知ってるモノで・・・

信じられないようなモノでもあり・・・

なのにそれが不自然に似合っていて・・・

白と黒を不規則に混ぜたような存在だった・・・


結論から言うと、ある人間の死体だった
すっかり色の抜けた真っ白い長髪がカプセル内で揺れていて
身体には・・・無数の縫合の跡があり
意味なんて無いはずなのに微動だにしない心電図と人工呼吸器が繋がっている・・・







狛枝「・・・江ノ島・・・盾子・・・」





江ノ島さんの死体だった・・・

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