まどか「魔女カラコレ3弾を妄想?」さやか「うん」 (130)

※メメタァ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406374488

~円環の理~

まどか「さやかちゃん、急にどうしたの?」

さやか「いやさ、カラコレっていうシリーズの人形で、魔女が立体化されてるじゃん」

まどか「私達もみんなで買ったよね。イザベルちゃんが凄く喜んでだっけ」

さやか「そうそう。本人はまだ人形になってないのに、人形とかが本当に好きなんだね」

まどか「それで、その人形がどうしたの?」

さやか「2弾まで出てるわけだけど、3弾が出るとしたらどんな感じになるのかなーと思ってね」

まどか「面白そう! まだ人形になってない子も多いし、結構選択肢がありそうだね」

さやか「まぁ、ぶっちゃけた話『この魔女を人形化して下さい!』っていう個人的な希望なんだけどね」

まどか「そういうことは言わない方がいいと思うよさやかちゃん」

まどか「ところでさやかちゃん、1弾と2弾だとどの辺の子達が人形になってたんだっけ?」

さやか「この辺※のメンバーだね。しっかしなぎさは相変わらず人気だねぇ」

まどか「変身前と変身後のバリエーションがあるけど、それでも16種類中4種類がなぎさちゃんの魔女って凄いね」

さやか「あたしなんか1弾目で1種類出たきりだからねぇ。正直なぎさが羨ましいよ」



※この辺
■第1弾 お菓子(変身前),お菓子(変身後),薔薇園,ハコ,人魚(青),薔薇園使い魔(Anthony),ハコ使い魔,グリーフシード
■第2弾 お菓子(変身前),お菓子(変身後),影,委員長,舞台装置,薔薇園使い魔(Adelbert),お菓子使い魔(Pyotr),落書き使い魔

なぎさ「何の話をしているのですか?」

さやか「おっ、なぎさじゃん。カラコレっていう魔女の人形の話をしてたとこ」

まどか「ちょうど今、なぎさちゃんの魔女の人気は凄いね……って話をしてたんだよ」

なぎさ「照れるのです」

さやか「あたしの魔女も青と赤とで一応2種類いるし、なぎさのみたいに姿違いでいくつか出ないかな」

なぎさ「色違いなだけだとちょっと地味なのです」

さやか「さらっとひどいこと言うねぇ」

まどか「持ってる剣の本数も変わってるよ?」

さやか「結局、外見が大きく変わってるわけじゃないんだけどね」


さやか「話がだいぶ逸れちゃったけど、そろそろ人形の話に戻るよ」

まどか「さやかちゃんが考える、魔女人形第3弾の話だっけ?」

さやか「そうそう。一応前2つを見つつ考えてみたけど、あたしの好みとかが結構出ちゃってるからその辺は勘弁してね」

なぎさ「人魚の魔女とその使い魔で埋め尽くされちゃうのです」

さやか「いやいや、結構ちゃんと真面目にメンバー構成考えたからね?」

なぎさ「冗談なのです」

まどか「それで、どんなメンバーなの?」

なぎさ「とりあえず最初は人魚の魔女(赤)なのですか?」

さやか「いや、今回考えたメンバーに人魚の魔女(赤)は入れてないよ。まだ人形化してない魔女を優先しないとね」


さやか「じゃあまず最初は……『お菓子の魔女(ベベ)』!」

なぎさ「早速なぎさの出番なのです」

まどか「あれ? さやかちゃん今さっき『まだ人形化してない魔女を優先しないとね』って言ってなかった?」

さやか「やっぱり看板魔女だからね。なぎさがいないと魔女グッズって感じがしないってのはあると思うのよ」

なぎさ「今回は少しデザインも違うのです」

さやか「ベベとしてのグッズも出てるしね。ある意味お菓子の魔女とは別物と考えちゃってもいいかも」

まどか「今までにカラコレでお菓子の魔女は4種類出たけど、マスコット"ベベ"のカラコレ化は初めて……ってこと?」

さやか「そんな感じ。今回は魔女の商品だから一応"お菓子の魔女"名義にはしてあるけどね」

なぎさ「モジョモットカマンベール!」


さやか「お次は『くるみ割りの魔女Homulilly』!」

まどか「ほむらちゃんの魔女だね!」

なぎさ「叛逆からいきなり2体もメンバー入りなのです」

さやか「映画が去年公開されたばっかりだからね。冷め切る前に関連させていかないと」

まどか「そういえば、レコード帽子を被ってる変身前の方?彼岸花が咲いてる変身後の方?」

さやか「彼岸花の方だよ。登場してる長さが違いすぎるからね」

まどか「レコード盤の方も私は好きなんだけど……」

さやか「知名度低いし、少し詳しい人でさえ『此岸の魔女ってこんな外見だったっけ?』って勘違いしそう」

なぎさ「映画を見た人でも変身前のくるみ割りの魔女の外見を覚えてる人は少なそうなのです」

まどか「うーん、残念」


さやか「続きましては『芸術家の魔女Isabel』!」

まどか「やっとアニメ本編に登場していた魔女の名前が出てきたね」

なぎさ「微妙に地味な感じのが出てきたのです」

さやか「生き物っぽさを一切感じられないデザインはむしろインパクトあると思うんだけど」

まどか「芸術作品風の結界に凄く合った外見だと思うよ?」

さやか「スッキリしてて立体化映えするデザインだよね」

なぎさ「でも結局のところ凱旋門そっくりの外見なのです」

さやか「なぎさあんたロケットパンチされるよ?」

まどか「最近は本人もオリジナリティの無さに悩んでるみたいだしね」


さやか「お次は使い魔から『くるみ割りの魔女の手下Lotte』!」

まどか「三つ編みメガネのほむらちゃんだね!」

なぎさ「ほむ兵やメガほむ兵と呼んでる人もいるのです」

さやか「髪をほどいた今のほむらの魔女の使い魔なのに、昔のほむらに似てるんだよね」

まどか「……心の奥底では昔のほむらちゃんままでいたかったってことなんだね」

なぎさ「自分の結界の中でも最初は昔の姿をしていたのです」

さやか「話は変わるけど、どうしてこの使い魔の武器は槍なんだろ? ほむらと槍って関係あったっけ?」

まどか「魔法少女になりたてのときに武器にしてた、ゴルフクラブを表してるとか?」

さやか「槍の先っぽが本人の三つ編みに似た稲妻状の形をしている意味も、イマイチよくわからないしねぇ」

なぎさ「謎なのです」


さやか「5番目は『お菓子の魔女(ベベ逃走中)』!」

まどか「ええっ!? またなぎさちゃんなの?」

なぎさ「種類をバラけさせるのではなかったのですか?」

さやか「そうなんだけど、1,2弾ともお菓子の魔女で2枠使ってたし、今回もそれに倣おうかなと思って」

なぎさ「なぎさだけで6種類になっちゃったのです」

まどか「さっきのベベと一緒で、お菓子の魔女とは少し見た目が違うってのも理由の一つなの?」

さやか「そうだね。『お菓子の魔女 逃走中』名義で枕が出てたり、帽子の柄になったりもしてるしね」

なぎさ「なぎさと一緒に寝るのです」

さやか「なんか変な意味に聞こえてくるからやめて」


さやか「お次はまたまた使い魔から『人魚の魔女の手下Holger』!」

なぎさ「ここに来てやっと人魚の魔女に関係したのが出てきたのです」

まどか「ウェヒヒ……遂に上条君の登場だね」

さやか「といっても少年姿の方じゃなくて、大人の奏者な方のホルガーのことを今回は言いたいんだけどね」

なぎさ「叛逆にもなぎさ達と一緒に出ていたのです」

さやか「他の有名魔女は殆ど使い魔ごと立体化してるのに、あたしの使い魔はしてなかったんだよね」

なぎさ「そういえばなぎさやエリー、ゲルトルートの使い魔はもう人形になっているのです」

さやか「多少地味だけど、映画版(黒くて関節が描かれてる)とかそこそこカッコいい外見だと思うんだよね」

なぎさ「指揮者の方はどうするのですか?」

さやか「1弾のエリーの使い魔や2弾のなぎさの使い魔みたいに2体セットなら両方出せるけど、難しいかもね」

なぎさ「どちらかを選ぶならバイオリニストの方ってことなのですか?」

さやか「そういうこと」

まどか「そのうちクラリッサちゃんも出るかもね」

さやか「クラリッサは止めて。仁美は好きだけどクラリッサは止めて」


さやか「続きましては『銀の魔女Gisela』!」

まどか「バイクがモチーフの魔女だね」

なぎさ「メカメカしい魔女なのです」

さやか「黒いモヤモヤが取れてメタリックなバイクに変形したりもするけど、今回はアニメでも見せた錆形態の方だね」

まどか「タイヤが見えてる銀色の方はカッコいい感じだけど、錆びてる方は愛嬌がある感じだね」

さやか「タイヤとかの露出が少ない分、こっちの方が生き物っぽさがあるのも理由の一つかな」

なぎさ「アニメにも出ていた魔女なのですか?」

さやか「やっぱりそうなっちゃう? 7話で杏子の回想シーンに数秒出てたんだけど、知らない人も多いみたいなんだよね」

まどか「ギーゼラちゃんより使い魔の方が目立ってたんだっけ?」

さやか「そうそう。そういえばあの子の使い魔ってやたら大きいよね」

なぎさ「魔女と同じぐらいの大きさなのです」


さやか「8体目、最後を飾るのは『暗闇の魔女の手下Ulla』!」

なぎさ「!?」

まどか「待って、そこは私の魔女とかロベルタちゃんとかじゃないの?」

さやか「言いたいことは分かるけど落ち着いて。最初にも言ったけど、それなりに真面目に考えたらこうなったんだよ」

なぎさ「どうして最後の枠にウーラを入れることになったのですか?」

さやか「ヒントなんだけど、既に出てる1,2弾の収録メンバーを見て気づくことない?」

なぎさ「どちらにもなぎさが2種類入っているのです」

さやか「確かにそれもあるんだけど、もう一つ気づいたことがあってね。まどかは分かった?」

まどか「うーん、わからないや」


さやか「答えはね、どっちも魔女が5種類、それ以外の使い魔とかが3種類になってるってことなんだ」

なぎさ「本当なのです。どちらもそのうちの2種類がなぎさなのです」

さやか「そういうこと。お菓子の魔女2種,他の魔女3種,使い魔など3種 って構成にどっちもなってるわけ」

まどか「第1弾のグリーフシードは使い魔扱いなの?」

さやか「使い魔というより『その他』みたいな感じってことでそこは一つ」

なぎさ「ところで、どうしてこれがウーラを選んだことに繋がるのですか?」

さやか「あたしがここまでに選んできたのはベベ,ベベ逃走中,銀,芸術家,くるみ割り,人魚使い魔,くるみ割り使い魔 の7体なのよ」

まどか「ああっ! 既にお菓子の魔女2種,他の魔女3種,使い魔2種になってる!」

さやか「そそ。で、1,2弾に倣うなら最後の1種類は使い魔になるってこと」


なぎさ「使い魔である理由は分かったのですが、結局どうしてウーラなのですか?」

さやか「理由はいくつかあるけど、既に選んでる2体が人型だからそれ以外にしたかったっていうのが理由の一つかな」

まどか「動物型だと他にワルプルさんのゾウとかもいるよ?」

なぎさ「叛逆にも出ていたのです」

さやか「2弾でアーニャ(※落書き使い魔)も出てたし、同じく親魔女が本編未登場なこの子も入れたかったってのもあるかも」

まどか「なぎさちゃんやアルベルティーネちゃんの使い魔もそうだけど、結構見た目もかわいいよね」

なぎさ「小さめの人形にするにはピッタリなのです」


さやか「ということで結局
     ベベ,ベベ逃走中,銀の魔女,芸術家の魔女,くるみ割りの魔女
     暗闇の魔女の手下,人魚の魔女の手下(Holger),くるみ割りの魔女の手下
    の8体が、あたしが選んだメンバーなのでした~」

まどか「アニメ本編と映画からちょうど半分ずつ出てるんだね」

さやか「偶然なんだけどね。もし、本編魔女を優先するとしたら、ほむらと使い魔の代わりにロベルタとゴッツ辺りが入るかも」

なぎさ「どっちにしてもなぎさは入るのです」

さやか「ちなみに1弾が本放送後(2011年後半),2弾が叛逆放前(2013年半ば)の発売なんだよね」

なぎさ「次があるとしてもしばらく先になりそうなのです」


さやか「最低でも、構想中だっていう続編が出る直前ぐらいには出してほしいね」

まどか「ほむらちゃんの魔女も入れたいし、なるべく早い方が良いけどね」

さやか「そうだね。できれば来年末までに1回ぐらい出してほしいってのが本音かな」

まどか「出ることがあったら、予想がどのくらい合ってたかどうかの確認も楽しみだね」

なぎさ「半分以上間違ってたら面白いのです」

さやか「ま、勝手に期待しながら気長に待つとしますか!」

なぎさ「なのです」

おわり

乙でした
カラコレもいいけど魔女の大きいフィギュアも欲しいな
オクタは絶対映えると思うんだけどなぁ

>>18
オクタは同人イベントで個人製作の精巧フィギュアが売られたりしてるみたいだし、そのうち出そう。
オクタちゃんはデザインがかなり複雑だから、確かにデカい方が映えそう。

今年3月のクッソ精巧なオクタのコスプレ思い出した。ネットで画像みたことがあるだけだけど。

>>19の書き込み、オクタだったりオクタちゃんだったり呼称が安定してなくてワロタ……

外伝組の魔女を含みつつ、続きみたいなの書いていきます


さやか「またまた始まりました魔女カラコレ妄想話!」

まどか「あれ? 8体のメンバーをもう作ったからって終わったんじゃなかったの?」

さやか「そうなんだけどさ、あれは前2弾を参考にしつつ『実際の商品として有り得そうな範囲』で考えたものだったわけよ」

なぎさ「なぎさが2種類、他の魔女が3種類、使い魔が3種類という決まりがあったのです」

さやか「そうそう。それと現実味を出したかったから、アニメ本編や叛逆に出てきたのしか選べなかったんだよね」

まどか「ということは、本当は他のところからも入れたい魔女がいたってこと?」

さやか「そういうこと。本編に使い魔だけ出てた子とか、ゲームで出てきた子とかにも結構好きな魔女がいたりするのよ」

まどか「じゃあ今度はそういった魔女だけを8体集めたものになるんだね」

さやか「その通り! あと、使い魔を必ず何体入れるとかは考えずに8体を選んでるよ」


なぎさ「なぎさの出番は流石になさそうなのです」

さやか「そうだね。今回は自分の趣味で8種類を埋めたいと思ってるから、残念ながらなぎさは入れてないよ」

まどか「この前さやかちゃんが作った3弾も入れると、なぎさちゃんだけで6種類にもなっちゃってるもんね」

なぎさ「流石に多すぎるのです」

さやか「ということで、趣味全開の8体をご覧になっちゃって下さい!」

なぎさ「きっと人魚の魔女の青と赤がポーズ違いで2種類ずつ入るのです」

まどか「そこに指揮者ホルガー、演奏者ホルガー、上条君似のホルガー、そしてクラリッサちゃんを入れて8種類だね!」

さやか「だからそういうのはやらないってば」


さやか「記念すべき1体目は……『犬の魔女Uhrmann』!」

まどか「本編だと使い魔だけ出てた魔女だね」

なぎさ「割と珍しい、4足歩行の魔女なのです」

さやか「ゲルトルートやズライカみたいに足が5本以上なのもいるけどね」

まどか「そういえば、このリボンのついたアフロヘアーみたいなのは何なんだろう?」

なぎさ「ファンイラストでは髪はピンク色,体は白に近い色で描かれることが多いのです」

さやか「『誰からも愛されなかった』って設定が児童虐待っぽいし、体を隠して身を守りたい……とか?」


なぎさ「実は虐待じゃなくて『恋愛感情を向けられたくて仕方がなかった』というのもありそうなのです」

まどか「犬の魔女、その性質は渇望。自らの容姿を信頼しており、想われることを望む魔女……だね」

さやか「一気にナルシストっぽくなったね。というか想いの向きが逆だけどあたしと微妙に被ってるよ」

なぎさ「きっとアフロヘアーはモテるためのファッションなのです」

さやか「多分この解釈間違ってるよ。使い魔の設定文の悲しげな雰囲気が台無しだよ」

まどか「虐待を連想させる設定を、ゆまちゃん(※おりこ☆マギカ)と関連付ける人もいるよね」

さやか「お陰で外伝組の出るシリアスssだと、ゆまちゃんの魔女として出番があったりするもんね」

なぎさ「なかなかビックリしたのです」


さやか「お次は『落書きの魔女Albertine』!」

まどか「ウァマンちゃんと一緒で、使い魔だけ出てた魔女だね」

さやか「似たような境遇のウァマンやズライカと違って、後にゲームに出られたんだよね」

なぎさ「姿が確定するだけでなく、色まで付けて貰えたのです」

さやか「かくれんぼ好きの設定通り、可愛らしい外見になったよね」

まどか「今のところ完全に人の形をしている魔女ってこの子だけかも」

なぎさ「結界の外にいたら普通の子供のように見えるのです」

まどか「そういうばこの子もウァマンちゃんと一緒で、使い魔があんまり相手してくれないんだね」

なぎさ「まさかまた虐待なのですか?」

さやか「素直に、友人が少なかったとかの解釈でもいい気がするけどね」


さやか「続きましては『武旦の魔女Ophelia』!」

まどか「杏子ちゃんの魔女だね!」

なぎさ「凄くカッコいい魔女なのです」

さやか「魔女にも色々な外見の子がいるけど、カッコよさは杏子の魔女がずば抜けてるよね」

なぎさ「ところで”うーだん”って何なのですか?」

さやか「あたしもあんまり詳しくないんだけど、中国の京劇っていう演劇の、役回りの一つみたい」


まどか「どういった役回りなの?」

さやか「派手な立ち回りを担当する女性役者で、赤を中心に青や黄色で飾られた服を着ているみたい」

なぎさ「杏子の魔女はなんで何でその武旦をモチーフにしているのですか?」

さやか「あたしにもサッパリわからないんだよね。派手に動き回るところと、服が赤いって部分しか共通点が見つからないや」

まどか「馬に乗ってたり、体が蝋燭だったりとかして凝った意味を持たせてそうだけど、よくわからないよね」

さやか「武旦は馬に乗ることもあるみたいだから、馬の方はそれで説明できそう」

なぎさ「結局、体が蝋燭である理由は分からないのです」


さやか「4番目は『おめかしの魔女Candeloro』!」

なぎさ「マミの魔女なのです」

まどか「マミさんの可愛さをそのまま残しつつ魔女化した姿だよね」

さやか「そうだね。あたしはゴッツイ騎士になるし、杏子はカッコいい騎馬になるもんね」

まどか「私なんて真っ黒な山だよ?」

さやか「いいじゃん別に。ほむらの本来の魔女(此岸の魔女)と似た色でお揃いになるし」

まどか「ほむらちゃんは元々紫だけど、私はピンクから黒になっちゃうんだよ?」

なぎさ「なぎさもオレンジからピンクになるのです」


さやか「確かに一番変化が大きいのはまどかだね」

なぎさ「逆に、一番変化が少ないのはマミなのです」

まどか「妖精サイズになっちゃうこと以外はかなりマミさんの面影が強いよね」

さやか「ぐへへ……相変わらず出るとこ出てますなぁ」

まどか「さやかちゃん……」

なぎさ「埋もれたいのです」

まどか「なぎさちゃんまで……」

さやか「いやいや、キャンデロロになっちゃうとマミさんちっちゃくなるから胸には埋もれらんないよ」

なぎさ「いきなり素に戻ってツッコミを入れないでほしいのです」


さやか「5番目は『牛の魔女』!」

なぎさ「誰だかわからなくなってきたのです」

さやか「ドラマCDのフェアウェル・ストーリーや番外漫画のTDSで出てきた魔女だね」

まどか「杏子ちゃんとマミさんが初めてチームを組んで倒した魔女だっけ」

さやか「そうそう。あの頃の杏子は純粋でかわいかったねぇ……」

まどか「そんなこと言われると、その後の暗いお話が頭に浮かんじゃうよ」

さやか「ホント杏子は魔法少女の状態でよくあれを耐えられたね」


なぎさ「ところで、この魔女の武器はなんで何で斧なのですか?」

さやか「ギリシャ神話に出てくるミノタウロスっていう牛の怪物が元ネタだからだと思う」

まどか「確かミノタウロスもよく斧を手に持った状態で描かれるよね」

さやか「そうそう。茶色っぽい体毛の生えた、2足歩行の牛って感じだよね」

なぎさ「牛の魔女も体は茶色いのですか?」

さやか「ある人の自作ゲームの動画だと赤茶色だったけど、黄土色もいいかもね」

まどか「茶色系がよさそうってことでいいのかな?」

さやか「個人的には白黒漫画の色に近い、灰色系も面白そうかなと思っちゃったり」

まどか「さやかちゃんの魔女のリボンと一緒で、斧に巻いてあるリボンはきっとピンクだね」

なぎさ「どんな色にするか想像が膨らむのです」


さやか「お次は『電気虫の魔女』!」

まどか「誰?」

なぎさ「なぎさにもさっぱりわからないのです」

さやか「この魔女もTDSに出てきた魔女だよ。冒頭に出てた虫みたいなやつ」

まどか「空飛ぶムカデみたいな魔女だね。でも『電気虫の魔女』って名前だったっけ?」

さやか「いや、正式名称はないから個人サイトで使ってた呼び名を借りちゃってるよ」


まどか「シルエットは虫の姿なのに、プラグが付いてたり電撃を放ったりして機械っぽい魔女なんだよね」

さやか「虫と言っても、胴体は足のないムカデみたいだし、クワガタみたいな大顎があったりでよくわかんないけどね」

なぎさ「それにしても大きな魔女なのです」

さやか「このサイズの魔女が羽でぶんぶん飛び回ってるって考えると結構怖いものがあるね」

まどか「しかも、結構防御力が高そうなんだよね」

さやか「大きいサイズ、硬い表皮、飛行能力を持つ上に電撃攻撃を仕掛けてくるって、結構出会いたくない魔女だね」

なぎさ「姉妹の魔法少女が逃げ出すのも少しは納得できそうなのです」


さやか「7番目は『趣の魔女シズル』!」

まどか「今度も全然わからないよ」

さやか「おりこ☆マギカに出てきた、ドクロの穴から更に顔が覗いてる魔女だよ」

まどか「思い出したよ。あの不気味な外見の魔女だね」

さやか「思い出したみたいだね。確かに一本足だったり、髪の毛から手が生えてきたりと結構気味の悪い部類だよね」

なぎさ「魔女というより日本妖怪みたいなのです」

さやか「一本足ってところが唐傘お化けを連想させるし、結界も和室風だし、実際そういうイメージで作ったんじゃないかな」


まどか「和風の魔女って他にいないよね」

さやか「元々魔女って単語自体がヨーロッパの妖術使いって意味だしね」

なぎさ「マミの魔女やイザベルみたいにヨーロッパ風の魔女が多いのです」

まどか「そういえばこの魔女、結構上手な死んだふりとかしてくるんだよね」

さやか「そうそう。相手になっちゃったらもうちょっと普通に死ね! って愚痴りたいところだね」

まどか「さやかちゃん。ちょっと言葉遣いが汚いよ。確かほむらリベンジ! でも他の魔女が死んだふりしてたよね」

なぎさ「ちゃんと魔女の体が消えるのを確認するまで攻撃しないといけないのです」


さやか「あたしがエルザマリアにやった連続攻撃は一応理にかなってたんだね」

なぎさ「『その気になれば、痛みなんて完全に消しちゃえるんだぁ』なのです」

まどか「やめて」

さやか「話は変わるけど、漫画勢では今のとこ唯一『まどか☆マギカ オンライン』に出られた魔女なんだよね」

まどか「ってことは、色がちゃんと着いたってこと?」

さやか「色が着いて少しは愛嬌が出てきた……かな?」

まどか「可愛らしさを出すのに有彩色って大事だね」

なぎさ「なのです」


さやか「8体目、最後を飾るのは『此岸の魔女Homulilly』!」

まどか「ゲーム(まどか☆マギカポータブル)の方で出た方のほむらちゃんの魔女だね」

なぎさ「私達が見た、くるみ割りの魔女とはまた別物なのです」

さやか「あれはキュゥべえの実験のせいで中途半端に魔女になっちゃったヤツだからね」

まどか「半魔女化だっけ。結界を壊したら元に戻ったりしたし、厳密には魔女じゃなかったのかも」

さやか「それに対して、こっちの此岸の魔女は完全に魔女になった姿だね」

なぎさ「でも名前はどっちの場合もホムリリィのままなのです」

さやか「”ほむらの魔女”という根本は変わらないからなんじゃないかな」


まどか「他の魔女とは一線を画す『正統派魔女』ってデザインが斬新だね」

さやか「初魔女ことゲルトルートさんの時点で異形の姿だったし、その後も個性的なのが多かったからね」

まどか「それでいて、三つ編みとか、レコード盤があしらわれたりとかで、ほむらちゃんの面影はあるんだよね」

なぎさ「ところで”此岸”って何なのですか?」

さやか「煩悩から解き放たれたあの世を示す”彼岸”に対して、欲や煩悩で溢れるこの世を示すのが”此岸”なんだって」

なぎさ「欲にまみれたこの世を示す魔女名、そして性質は背徳……つまり、背徳的な欲を示す魔女なのですね」

さやか「背徳的な欲、それは希望より熱く、絶望より深いもの……同性愛よ」

まどか「!?」

なぎさ「キマシタワーなのです」


まどか「そ、そういえばほむらちゃんの魔女ってどういう攻撃をするのかな?」

なぎさ「くるみ割りの方は、特に変わった攻撃とかは出来なさそうだったのです」

さやか「想像なんだけど、此岸の方はほむらの能力を若干受け継ぎつつ、魔法使いっぽい攻撃をするんじゃないかな」

なぎさ「時間停止しつつ電撃とか黒球とか放ってくるのです」

さやか「時間停止と魔法攻撃の両立は流石に強すぎるし、キリカみたいに少し速さをいじるぐらいが丁度いいかも」

まどか「それでも十分強いよね」

なぎさ「反応できない速度で攻撃が飛んでくるのです」


さやか「ということで今回のメンバーは『落書き、犬、武旦、おめかし、此岸、電気虫、牛、趣』の8体の魔女なのでした~」

なぎさ「見事に使い魔がいないのです」

まどか「ゲームとか漫画とか色んなところから出てきたね」

さやか「本当はかずみ☆マギカの魔女とかも色々出したかったんだけどね」

まどか「そういえば、アルベルティーネちゃんもウァマンちゃんもいるのに、ズライカちゃんはいないんだね」

さやか「なんか外見からアシダカグモを連想しちゃうんだよね。人形化の妄想企画ってことなんでシズルを優先しちゃった」

なぎさ「(変更先のシズルも結構不気味なのは黙っておいたほうがよさそうなのです)」


まどか「私の魔女は今回もいなかったんだね」

さやか「ごめんね。見た目がカラフルな他3人の魔女と自分の好みの魔女を選んでいったら、枠が埋まっちゃった」

まどか「でも実際にほむらちゃんの魔女、マミさんの魔女、杏子ちゃんの魔女を入れたグッズが出たら結構売れそうだよね」

さやか「魔女グッズでありながら、キャラグッズとして魔法少女側のファンをも対象にできるからね」

なぎさ「そのときはまどかの魔女も入るのです」

さやか「あたしとなぎさがまだ出てなかったら魔女姿で6人全員集合とかも良さそうなんだけどなー」

まどか「さっきかずみ☆マギカの魔女も出したいって言ってたけど、どの子が候補に挙がってたの?」

さやか「見た目がかわいい『古代の海の魔女HungrigePumpe』とか、見た目に妙なインパクトのある『あすなろの昴』とかかな」

なぎさ「『あすなろの昴』も魔女の名前なのですか?」

さやか「そうだね。『ワルプルギスの夜』みたいな二つ名なのかもしれないけど、『~~の魔女』って名前の方は結局分からないんだよね」

まどか「ドイツ語名の方も分かってないよね」

さやか「かずみ☆マギカの魔女って命名法則が安定してないんだよね。初っ端が”コールサイン『プロローグ』”だし」


まどか「途中は『~~の魔女』+『ドイツ語の単語』になってたけど、最後の方は二つ名みたいなのだけになっちゃったね」

さやか「何で終盤の魔女の命名が二つ名っぽくなっちゃったのかがよく分からないんだよね」

まどか「『ヒュアデスの暁』に合わせるためじゃない?」

さやか「ヒュアデスの暁がワルプルさんに倣って命名されたって話なんだし、その他の一般魔女にまで影響する必要はないんじゃないかな」

まどか「そっかぁ……」

なぎさ「多分いくら話し合っても実際の理由にはたどり着けないのです」


まどか「そういえば使い魔の話になっちゃうんだけど、ほむらちゃんの結界の中にいたあの子たちの名前は全然出てこないんだね」

さやか「『偽街の子供達Claradolls』のことだね。結構人気があるってことは分かってるんだけど、14種類もいるから扱いあぐねてて」

なぎさ「14体セットの商品を出すのです」

さやか「そういえばそっか。8種類ずつしか出せないカラコレの枠で考えると厄介だけど、別商品でなら結構便利そうだね」

まどか「誰か1人を代表で出すとかすればカラコレにも出せそうだね」

さやか「クララドールズは人気もあるし、カラコレとは関係ないところでいつの間にかフィギュアになってるかもね」

なぎさ「親魔女のホムリリィよりも先に人形になってたりしそうなのです」

さやか「流石にそれは……と言いたいところだけど、なんかありそうで怖いわ」

まどか「ほむらちゃんのためにもカラコレ3弾出してほしいよね」

さやか「いざ蓋を開けてみればロッテだけ入ってて肝心のほむらが入ってなかったりとかありそうだけど」

まどか「変に不安がらせるのはやめてよ」

なぎさ「カラコレでもその他でも、魔女の人形が増えていったら嬉しいのです」

おしまい


ミス発見。漫画出身の魔女でゲームに出たことあるのってシズルだけじゃねえや
というわけで>>36訂正


さやか「あたしがエルザマリアにやった連続攻撃は一応理にかなってたんだね」

なぎさ「『その気になれば、痛みなんて完全に消しちゃえるんだぁ』なのです」

まどか「やめて」

さやか「話は変わるけど、漫画勢では数少ない、『まどか☆マギカ オンライン』に出られた魔女なんだよね」

なぎさ「確か、かずみ☆マギカのArztKochen(飛鳥ユウリの魔女)も同じゲームに出ていたのです」

まどか「ってことは、この子達は公式で色が着けられたってこと?」

さやか「そうだね。色が着いて少しは愛嬌が出てきた……かな?」

まどか「可愛らしさを出すのに有彩色って大事だね」

なぎさ「なのです」

続きみたいなのを少しずつ書きためてみているので、ちびちびと投下していきます

>>32の電気虫の魔女のように、名無しの魔女に名前を勝手につけたりします
※叛逆のベベのように、魔女達は人間姿と魔女姿を切り替えられる設定です


~円環の理~

ゲルトルート「あら、イザベルさん。そちらの机に置かれてる人形達は何かしら」

イザベル「こんにちはゲルトルートさん。この前さやかから、魔女の人形を作って欲しいと頼まれてまして」

ゲルトルート「相変わらずさやかさんは面白いことを考えるのね。でも、買ったのがあるのではなかったかしら」

イザベル「あれには皆が出てたわけじゃないですし、まだ出てないのも見たいってことなんですって」

ゲルトルート「わたくしのところはこの子達も出てますけど、まだ本人も出てない方も多いですものね」

アントニー「オジョウサマ、オヒゲヲセットシテクダサイマセンカ」

アーデルベルト「ワタシモオネガイシマス」

ゲルトルート「あらあら、またですの? しょうがないですわねえ」


イザベル「ゲルトルートさんはホントに使い魔と仲が良いですね。私は、普段から連れて歩いたりはしないですよ」

ゲルトルート「わたくしの大切な薔薇園を維持できてるのはこの子たちのお陰ですもの」

イザベル「私も作品を作るときに手伝ってもらったり、作り終わった作品の維持管理を任せたりはしています」

ゲルトルート「わたくしは息抜きさせるのも必要かと思い、それぞれ1体ずつ連れて散歩したりしますの」

イザベル「なるほど」

ゲルトルート「なるべく一緒にいる時間を作ることで、感謝の気持ちを忘れないようにしているつもりですわ」

イザベル「私は、感謝の気持ちが足りないってことかもしれませんね」

ゲルトルート「やってもらって当たり前って考え方をしないように、気を付けているわ」

イザベル「参考になります」


ゲルトルート「話を逸らしてしまいましたが、さやかさんに頼まれて人形を作ったという話でしたわよね」

イザベル「そうでしたね。私自身も人形化はしてないというのもありまして、さやかの計画に乗ってみたんですよ」

ゲルトルート「そうでしたの。先程は使い魔まで人形になっていることを自慢しているみたいな話をしてしまい、申し訳ないですわ」

イザベル「いえいえ。気にしてませんよ」

ゲルトルート「それにしても、絵を描くのが得意なのは知ってましたけど、人形も作れたのですね」

イザベル「何てったって『芸術家の魔女』ですからね。専門は絵ですけど、他のことも多少は出来るんですよ」

ゲルトルート「手足のない魔女姿をしていますのに、案外器用なのですね」

イザベル「人間の姿の方で作業してますからね」

ゲルトルート「それにしてもイザベルさん、どうしてあなたの魔女姿はそんなにも生き物らしくないお姿なのですの?」

イザベル「この姿は自己顕示欲の表れと言いますか、あんまりツッコんで欲しくない部分と言いますか……」



\おーい、2人ともー/



ゲルトルート「あら? このお声は……?」


オクタヴィア「さやかちゃんかと思った? 残念! オクタヴィアちゃんでした!」

イザベル「やあさやか。今日は珍しく魔女の姿なのね」

オクタヴィア「まどかが突然『今日は一日中みんなで魔女の姿になろうよ』とか言い出してね」

ゲルトルート「そういえばわたくしもなぎささんから『今日は魔女の姿になるのです』とお伺いしましたわ」

イザベル「私のところにも来ましたよ。それでゲルトルートさんも魔女の姿をしてたんですか」

オクタヴィア「あたしとなぎ……シャルロッテの2人でみんなに伝えてるんだよね」

イザベル「女神様と仲が良いとはいえ大変だね」

オクタヴィア「親友だしこのくらいはね。何より、魔女になっちゃったあたし達を救ってくれたのもまどかだからね」

ゲルトルート「仲好きことは美しきかな……ですわ」

オクタヴィア「ということで、今日一日は魔法少女のさやかじゃなくて、魔女オクタヴィアちゃんと呼びたまえ!」

ゲルトルート「先程ご本人もシャルロッテさんのことをなぎささんと呼び間違えていらっしゃったわ」

イザベル「さ……オクタヴィアはうっかりさんだね」

オクタヴィア「てへへ」


イザベル「そういえばオクタヴィア、頼まれてたモノ出来たよ」

オクタヴィア「早いね。もう出来たの?」

イザベル「うん。他にすることもなかったからね」

オクタヴィア「どれどれ。うん、なかなか良い出来だね」



そうして話をしている途中で、3体の魔女は自分達とは異なる話し声を耳にした。
声のする方を見ると、2体の魔女がこちらに歩いてくるのが目に入ってきたのである。



ギーゼラ「よーっすお前ら! 3人で固まって何してんだい?」

パトリシア「やあ。ちゃんとみんなも魔女姿でいるんだね」


ゲルトルート「あらあらギーゼラさん、パトリシアさん、ごきげんよう」

ギーゼラ「そこにあるのは人形……? ってアタイのもあんじゃねーか!」

パトリシア「もともと可愛らしい顔してるけど、小さくなって余計可愛らしくなったんじゃない?」

ギーゼラ「う、うっせーよ!」

オクタヴィア「なんかギーゼラの乱暴な言葉遣い聞いてると杏子思い出すわ~」

ギーゼラ「うっ、錆取れる前に速攻でぶっ倒された記憶が……」

ゲルトルート「でも杏子さんもどこかの時間で魔女となって、導かれていたのではないの?」

オクタヴィア「そうなんだけど、あたしがまどかにつきっきりで、忙しくて最近顔見てないんだよね」

イザベル「(オクタヴィアったら、折角頼まれたの作ってきたのに、喋るのに夢中になっちゃて……)」



そのとき、イザベルの体をトントンと誰かがつついた。
誰かが話しかけてきたのかと思い、イザベルがそちらに視覚を向けると……

すごく短いですが、今回分はここまでです

>>53訂正
そちらに視覚を向ける → そちらを見る

「視覚を向ける」なんて日本語ねーよ


視界に映ったのは、大きくて不気味な頭蓋骨である。



シズル「ヒ魏ぎぎ」

イザベル「うひゃぁっ!?」

パトリシア「イザベルどうしたの? 体に蜘蛛でも張り付いてたの?」

イザベル「いや、いつの間にか近付いてきてたシズルが、いきなり驚かしてきて……ロケットパンチ出しそうになったよ」

シズル「♪」

ギーゼラ「こいつホント驚かすの好きだな~。アタイなんかこの前、バイク形態で走ってる途中で飛び出されたぞ!?」

パトリシア「それもうイタズラの範疇超えてるじゃないの。シズル、あんたいつか死ぬよ?」

シズル「アタシ達は一度死んでるもの。ここじゃもう死なないから、きっと大丈夫♪」

オクタヴィア「ちょっとちょっと。円環の理は皆のためにまどかが作ったものなんだから、あんまり乱用しないでよ」

シズル「妖怪は驚かすのが役割だからね♪」

イザベル「別に妖怪じゃないじゃないの。妖怪みたいな見た目の魔女なだけじゃないの」

シズル「てへ♪」


シズル「そういえば、そこの人形はなんなの? よく見たらアタシの人形もあるじゃない」

ゲルトルート「イザベルさんがオクタヴィアさんから頼まれて、作られたとのことですのよ」

シズル「へぇ……。よく見たらイザベル本人のもあるのね」

イザベル「すごいでしょ」

シズル「他のは確かにすごいけど、アンタのは結構単純な形だし、ぶっちゃけ凱旋門のミニチュ──」

イザベル「ロケットパンチ」

シズル「ギぃ!」

パトリシア「ああっ! 轟! という音と共に放たれたイザベルのロケットパンチで、シズルが遥か遠くまで飛んで行った!」

ゲルトルート「イザベルさんは、自分の作品を別のものに例えられるのを嫌うのですわ」

ギーゼラ「アイツのことだし、知っててわざと怒らせたんじゃね―の?」

オクタヴィア「ちょっ、だからあんまり暴れないでってば……」



オクタヴィアは呆れながらシズルの飛んで行った方向を眺めていた。
すると、恵方巻きのような色合いの、ウナギに似た生き物が空を泳いできたのである。


シャルロッテ「さっきシズルがこっちの方から飛んできたのですが、何かあったのですか?」

オクタヴィア「シズルがイザベルを怒らせちゃってね。それで吹っ飛ばされちゃった」

シャルロッテ「そちらにはイザベルもいるのですか?」

オクタヴィア「他にも何人かいるよ。この前アタシがイザベルに頼んでたのが出来たみたいだから、みんなで見てたんだ」

シャルロッテ「なぎさ達もシズルを連れてそっちに合流するのです」

オクタヴィア「なぎさ『達』ってことは誰かと一緒にいたの?」

シャルロッテ「ズライカお姉さん達と一緒にナイトメア退治ごっこをしていたのです」

オクタヴィア「特撮のヒーローごっこみたいな感じ?」

シャルロッテ「まあるいケーキの歌をみんなで歌っていたのです」

オクタヴィア「なんかすごい光景になってそうだね……とりあえずシズル達を呼んできてよ」

シャルロッテ「分かったのです。体をあっちに置いてきてしまったので、なぎさも一回戻るのです」

オクタヴィア「じゃあなぎさ、また後でね~」

シャルロッテ「はいなのです」


少し待っていると、4体の魔女がシズルを連れてこちらに向かってきた。
サイズが小さく移動が大変なシャルロッテは、アルベルティーネの肩に乗せてもらっていた。



アルベルティーネ「あーっ! シャルロッテちゃんが言ってた通りみんないるー!」

ウァマン「シャルロッテがうそをつく理由がないよっ、わんっ!」

オクタヴィア「あれ? ゆまちゃんっていつもそんな話し方してたっけ?」

ウァマン「魔女の姿になると勝手に犬の鳴き声がついちゃうの。わんっ!」

シャルロッテ「不便なのです」

ズライカ「子ども3人の相手で疲れてたのに、シズルまで押しつけちゃって……」

シズル「アタシら殆ど全員子どもでしょうに。この子らとアンタはそんな年は離れてないでしょう」

ズライカ「うるさいわね。この年でかくれんぼとかケーキの歌とかに付き合わされるこっちの身にもなってみてよ」

オクタヴィア「こらこら、中学生5人でケーキの歌を歌ってたあたしたちを馬鹿にするつもりかい?」

パトリシア「(文句ばっかり言ってる割にずっと遊んでた辺り、多分楽しんでたんだろうなぁ)」

シズル「文句言ってる割に一緒に遊んでた辺り、アンタ嫌味言いつつ内心楽しんでたんじゃないの?」

パトリシア「(あ、言っちゃった)」

ズライカ「何よッ! そ、そんな筈ないじゃない!」

シズル「アンタもめんどくさいヤツだね~」

ズライカ「うるさい!」


ページ

シャルロッテ「そういえばなぎさ達の人形があるという話だったのですが、どこにあるのですか?」

イザベル「あらら、私の体で隠れちゃってたみたい」

ウァマン「ゆまの人形だ~。動物みたいでかわいいねっ、わんっ!」

ズライカ「あら、私の使い魔までいるじゃない」

アルベルティーネ「わたしもいるよー」

ズライカ「よく見たら使い魔だけで、私のがないじゃない!」

シャルロッテ「(気づかれてしまったのです)」

オクタヴィア「まあまあ落ち着いて。今回はたまたま選ばれなかっただけだって」

ズライカ「なんで使い魔だけ先に選ばれてるのよ!」

シャルロッテ「アルベルティーネという前例があるのです」

アルベルティーネ「前からアーニャの人形はあったんだよー」


ズライカ「まぁ、私は本編に使い魔しか出てないし、使い魔が優先されることがあってもいいかもしれないわね」

アルベルティーネ「わたしもそうだったもんねー」

オクタヴィア「そうだよ。アルベルティーネっていう前例があったわけだし、不思議なことじゃないって」

ズライカ「でも、今回はアルベルティーネもウァマンもいるじゃない! なんで私だけいないのよ!」

オクタヴィア「と、特に理由はないよ」

ズライカ「ないわけないでしょ! どうせ私の姿が黒っぽいクモに見えるとかそういうことなんでしょ」

オクタヴィア「い、言いがかりだよ~。ズライカお得意の妄想だよ」

シャルロッテ「(本当は図星なのです)」

ギーゼラ「というか、ズライカってカラーになったことないし、色が黒って決まったわけじゃ──」

ゲルトルート「それ以上はいけませんわ」


ズライカ「……まあいいわ。ロベルタみたいに本人も使い魔もいないのもいるみたいだし」

オクタヴィア「怒りも収まってもらえたようで、よかったよ」

ズライカ「はぐらかされたようで釈然としないけど、これ以上言っても埒が明かなさそうね」

パトリシア「そもそも女神様ことまどかさんの魔女だってここにはないしね」

シズル「でもズライカ、番外組に負けちゃってるじゃない♪」

イザベル「余計なこと言い続けるようなら、また遠くまで飛ばすよ」

シズル「ごめんなさい」

シャルロッテ「なんでシズルは人の悪口ばっかり言うのですか?」

アルベルティーネ「このお人形さんみたいに静かならいいのにねー」

ウァマン「静かになっても見た目が怖いよっ、わんっ!」

ギーゼラ「年少組にボロクソに言われちゃってんじゃねえか!」

ズライカ「(私もあんまり声荒げてばっかりだと、変な人って思われてしまいそうね)」


オクタヴィア「いや~、最初は2人とかそのぐらいで固まってたのに、ずいぶん集まったね」

パトリシア「それでもこの円環内には大勢の人がいるから、ここに集まってるのでもほんの一部だったよね」

オクタヴィア「そうだね。まどかの手伝いとかしてるあたしでさえも、知らない人の方が多いぐらいだし」

イザベル「過去や未来の全ての魔女化を防ぐって願いで円環の理が出来て、こんなに人が集まったんだよね」

ゲルトルート「そのお陰で本来出会えない方々にお目にかかることが出来たというのは、なんだか感慨深いですわ」

オクタヴィア「ですよね。人間のままで他の魔法少女と会う機会って少ないですし」

シズル「面倒臭い縄張り争いなんてのがあるものね~。いざ出会ったら出会ったでガチバトルが始まっちゃうもの」

オクタヴィア「魔女になっちゃえば寿命も延びるし、魔法少女の方から会いに来てくれるよ!」

ズライカ「そのまま倒されるか相手を殺しちゃうかしか選択肢が残されてないじゃない!」

ギーゼラ「そもそも魔女になったときって自我は殆どなくなっちゃってるじゃねーか」

シャルロッテ「敵か獲物としてしか認識できないのです」


\ホラホラ、アタイとおいかけっこだ~。よーい、ドン!/

\キャハハハハハ/

\アルベルティーネ、そんなに急いで走ったら危ないよっ、わんっ!/

\アタシの液体攻撃で障害物競走にしてあげる♪/

\おまっ、それ危なっ……!/



オクタヴィア「(ギーゼラとシズルは、お喋りに飽きた年少組と一緒に遊んであげてるみたいだね)」

イザベル「さっきから何度か思ってるのだけれど、出来たものをオクタヴィアに見せるという目的から外れていってない?」

オクタヴィア「見てる途中で人が増えてきちゃったからね。みんなでお喋りしてるだけになっちゃった」

イザベル「まったくもう……ってあれ? そこに置いておいた人形はどこにいっちゃったの?」

オクタヴィア「あっちでシャルロッテ達が見てるみたい。いつの間にか持ってっちゃったのかな」

イザベル「頼んできた本人より他の人たちの方が真剣に見てくれてるじゃない」

オクタヴィア「興味がなくなっちゃったわけじゃないんだけどね」

イザベル「とりあえず人形のあるところに移動しよう」

オクタヴィア「そうだね」


イザベル「ちょっとちょっと、勝手に持ってかないでよ」

シャルロッテ「ごめんなさいなのです」

パトリシア「武骨な作業台みたいなのの上に無造作に置かれてて、ちょっと不便だったんだもん」

ズライカ「シャルロッテとゲルトルートが、それぞれテーブルと椅子を用意してくれたのよ」

シャルロッテ「マミの結界の中にあった大きめのテーブルを、前に譲ってもらっていたのです」

イザベル「いつの間に用意してたの……?」

ズライカ「あなた達がシズルやギーゼラが遊んでるのを見てる時に、取ってきてもらったのよ」

ゲルトルート「イザベルさん、作業台みたいな机しか持ってきてなかったでしょう」

イザベル「出来上がったのをそのままオクタヴィアに見せるだけのつもりでしたので……」

オクタヴィア「気づいたら魔女の集団が出来上がっちゃってたね」

イザベル「オクタヴィアに見せた後は他の人にも見せる予定だったけど、こんな早くになるとは思ってなかったよ」


イザベル「あれ? そういえば人形は16体あったはずだけど、心なしか減ってない?」

オクタヴィア「本当だ。アルベルティーネとシズルの人形がなくなってるね」

シャルロッテ「さっきアルベルティーネが持っていたのです」

イザベル「あれっ? でもアルベルティーネはあっちで走り回ってるけど?」

パトリシア「どこかその辺に置いて行っちゃったのかも」

イザベル「作業台の上には置いてなかったよ?」

ズライカ「もしかしたら手に持ってるの忘れてて、そのまま遊んじゃってる可能性があるわね」

イザベル「走ってる間に放り投げられでもしたら壊されちゃうじゃないの!」

オクタヴィア「まだ手に持ったままとは限らないよ。でも、ここからじゃよく見えないから分からないや」

シャルロッテ「なぎさが第2形態でひとっ飛びして見てくるのです」

ゲルトルート「それには及びませんわ。わたくしのアーデルベルトは目がいいですの」

アーデルベルト「ワタシノデバンデスカナ?」

ゲルトルート「あちらで遊んでいるアルベルティーネさんが人形を持っていらっしゃらないか見てくださる?」

アーデルベルト「マカセテクダサイ。……リョウテニソレゾレ、ニンギョウヲモッテイルヨウデス」


\バリバリバリバリ/



ゲルトルート「ありがとう。イザベルさん、人形の場所が分かったそうですわよ……ってあら?」

ズライカ「どうしたの……? ってイザベルがいなくなってるじゃないの」

オクタヴィア「今さっきまでいたんですけど、気づいたらバリバリという音と共に姿を消しちゃいました」

シャルロッテ「いったい何がどうなっているのです?」

パトリシア「そういえばイザベルは瞬間移動が出来たような」

ゲルトルート「もしかするとアルベルティーネさんのところへ向かわれたのかもしれませんわ」



\バリバリバリバリ/

\ひゃぁぁぁぁぁ!?/



ゲルトルート「どうやらわたくし達が想像している通りのことが起きてるようですわ」


大方の予想通り、イザベルは自らの作品を取り返そうとアルベルティーネのもとに向かっていた。
しかし「頑張って作った作品を壊されるかもしれない」という焦りと怒りで、心が乱れてしまっていた。
トテトテと走っているアルベルティーネの、目の前に現れてしまったのである。



イザベル「ちょっとちょっと! 人形持ったまま走り回らないでよ!」

アルベルティーネ「ひゃぁぁぁぁぁ!?」

ギーゼラ「うおっ!? いきなり現れんじゃねえ! 危ねえじゃねえか!」

イザベル「折角作った人形を壊すつもりなの!? 今すぐ返しなさいよ!?」

ギーゼラ「お、おい、落ち着けよ……。アルベルティーネもわざとやったわけじゃないだろうよ」

イザベル「……ッッ! ありがとう。少し冷静さを失ってたみたい」

ギーゼラ「ほら、アルベルティーネもちゃんとごめんなさいしてイザベルに人形を返──」

アルベルティーネ「ううっ……、うっ、うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」

イザベル「え」

ギーゼラ「あ」

今日の投下分はここまでです。
ある程度貯まったら、後日また投下します。


アルベルティーネ「ごっ、ごめんなざぁぁぁい! 手に持っでだの忘れぢゃっでだのぉぉぉ!」

イザベル「こちらこそ、ごっ……ごめんなさい! 少し冷静じゃなくなってただけで、そんなに怒ってはいないの!」

アルベルティーネ「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」

イザベル「ど、どうしよう……」

シズル「どうしたのどうしたの? アルベルティーネちゃん大泣きしちゃってるじゃないの」

ウァマン「くぅ~ん。アルベルティーネ、大丈夫?」

アルベルティーネ「ううっ、ぐすっ……だいじょうぶ」

ギーゼラ「イザベルがちょっと驚かしちゃってね。人形のことで少し怒ってたみたいでさ」

ズライカ「自分の作ったものが関わると、少し短気になるきらいがあるものね」

ギーゼラ「ところで、お前ら途中からいなくなってたけど、いったい何があったんだい?」

シズル「走り回るのに疲れちゃったから、その辺に座って2人でお喋りしていたの」

ギーゼラ「なるほどね……。そっちはどうだい、アルベルティーネは泣き止んだかい?」


イザベル「うん……どうにか」

ギーゼラ「それはよかった。じゃあ、お前らお互いごめんなさいしたら一件落着ってこったな」

イザベル「そうだね……。アルベルティーネ、怒っちゃってごめんね」

アルベルティーネ「わたしこそ、かってにお人形を持ってっちゃってごめんなさい」

イザベル「いいんだよ。でも今度からはもうちょっと丁寧に扱ってね」

アルベルティーネ「うん。じゃあ、見終わったからお人形返すね。なかなかかわいかったよ」

イザベル「ありがとう。向こうのみんなに何も言わずに来ちゃったから、人形を戻しに先に一人で行くね」

ギーゼラ「おう。アタイ達はゆっくり歩いてみんなのところに戻るぜ」



\バリバリバリバリ/



ウァマン「相変わらず変な音の出る瞬間移動だねっ、わんっ!」

ギーゼラ「だな。そろそろアタイ達も移動しますか! ……っておや? 反対側から誰か来てるみたいだぞ?」



イザベルが戻っていった場所へ向かうべく4体が移動を始めようとしたその時、その反対側に影が見えた。
そちらに目を向けると、3体の魔女がこちらに向かってきているのが目に入ったのである。


エルザマリア「こちらの方から泣く声が聞こえたので来てみたのですが、既に解決していたようですわ」

エリー「け、結構すごい泣き方してたけど、大丈夫だったの?」

ロベルタ「いったい何があってあんな泣き声あげてたのよ」

ギーゼラ「イザベルがアルベルティーネに怒鳴っちゃって、少しびっくりさせちゃってたのさ」

ウァマン「いまはもう仲直りしてるよっ、わんっ!」

アルベルティーネ「心配かけちゃってごめんなさい」

エルザマリア「いえいえ。ところで、肝心のイザベルさんのお姿が見えないようなのですが……」

シズル「アイツならパトリシア達のところにいるわよ」

エリー「あ、気付いてなかっただけで、少し離れたところに他のみんなもいるんだね」

ギーゼラ「手前にいたアタイ達に気ィ取られちまってたみたいだな」

エルザマリア「あら、お恥ずかしい限りですわ」

シズル「アタシやアルベルティーネやウァマンはともかく、ギーゼラはそこそこ大きいから目立つものね」


エリー「わたしもエルザも人間と同じくらいの大きさだから、大きい相手は目につきやすいんだよね」

ギーゼラ「つかこうやって久々に魔女姿なってみると、アタイ達って結構大きさの違いがあるもんなんだなぁ」

ロベルタ「私やギーゼラぐらいに大きいのが多そうな気がするけど、エリーみたいに人間ぐらいの大きさのもいるものね」

ウァマン「シャルロッテみたいに人間より小さいのもいるよね、わんっ!」

エルザマリア「あの方の場合第2形態がありますし、単純に小型の魔女とは言い切れないのではないかしら」

シズル「エルザマリアも背中からでっかい木みたいなのを出すし、似たもの同士じゃないの?」

エルザマリア「中から別物が出てくるあちらと、体の一部を伸ばすこちらとは何かが違う気がしますが……」

シズル「細かいことは気にしないの♪」

エルザマリア「そういうことにしておきますわ」


ギーゼラ「さーて、今度こそアイツらのとこに戻りますか!」

シズル「そうね。イザベルが戻ってから少し経っちゃったしね」

エリー「最近あんまりみんなと会ってなかったし、楽しみだなぁ」

ウァマン「そういえば最近エリー見かけなかったけど、何やってたの? わんっ!」

エリー「え、あ、その……ちょっと籠ってて」

アルベルティーネ「こもって何やってたのー? 何か作ってたのー?」

エリー「えと、そういうわけじゃないんだけど……」

シズル「人に言えない、変なことでもやってたの♪」

エリー「そうじゃなくって、あの、パソコンをやってました……」


ギーゼラ「アッハッハ! わざわざ円環界に来てまでパソコンかい。つうかここパソコン繋がんのかよ!」

エリー「わたし自身の能力でパソコンに無線を繋げられるし、使い魔の力で電波を安定させたりできるの」

シズル「ここは現世とは完全に隔離されてると思ってたから、そんなことが出来るなんて驚きね」

エリー「わたしも初めて成功したときはビックリしたよ」

ギーゼラ「実際には存在しないパソコンがネットに繋がれるわけだけど、一体どうなってるんだろうな」

エリー「詳しいことは分からないや」

ウァマン「それで、インターネットつないで何してたの? わんっ!」

エリー「ここのところずっとネット経由でゲームやってました……」

ギーゼラ「Oh……」


ロベルタ「あっはっは! 驚いたでしょ? かなり長い時間やってたみたいよ?」

エルザマリア「最近お姿を見てなくて心配になり、テリトリーに勝手に入らせていただいたのですが……」

シズル「どうだったの?」

エルザマリア「パソコンの前でぐったりと気を失われていましたわ」

ロベルタ「私も一緒に見に行ったのだけれど、まさしく寝てるというより気絶してるって感じだったの」

エリー「結界張りながらやってたから昼夜が分からなくなってて……何日間かぶっ続けでやってたみたい」

ギーゼラ「そんで気づいたら寝落ちしてたのか。その様子だと丸一日寝てたんじゃねーか? 体に悪いぞ?」

エリー「気を付けます」

シズル「あら、お喋りしながら歩いてるうちに、みんなのところに着いてたみたいね」


イザベル「あんた達、戻って来るの遅かったね……ってあれ? なんか増えてる?」

エルザマリア「こんにちは、皆さん」

エリー「ど、どうも、お久しぶりです」

ロベルタ「みんなでテーブル囲んで何してるのよ? みんなでお酒でも飲んでたかしら?」

ズライカ「あんた、いっつも酒々言ってるわね」

パトリシア「そもそも円環にいるのは殆ど未成年ですよ……。ここにいると全然年を取りませんし」

ロベルタ「わかってるわよ。で、テーブル囲んで何してんのよ。お喋りかしら?」

シャルロッテ「イザベルが作ったという人形をみんなで見ていたのです」

パトリシア「あ、エリーとエルザは体が小さいし、私が作った学校椅子に座るといいよ」

エルザマリア「ありがとう」

エリー「ど、どうも(スカートの中から椅子が出てきた……)」


ゲルトルート「ロベルタさんはわたくしが用意したこの椅子を使ってくださいませ」

ロベルタ「あら、ありがとう。じゃあその人形とやらをじっくり見せてもらおうかしら」

イザベル「他の人も見てるんで、空いてるのでも見てやってください」

ロベルタ「そうね……って誰よ。この斧持ったやつと機械の虫みたいなやつ」

オクタヴィア「それはですね、外伝の漫画に出ていた魔女なんですよ」

ロベルタ「なるほどね。私としては馴染みのない魔女だなと思ったら、そういうことね」

オクタヴィア「電気虫の方は、私達と同じ見滝原を拠点にしていたらしいですよ」

ロベルタ「現世で魔女になってる状態のときは結界に籠りっぱなしだから、お互いに接点なんてないものね」

オクタヴィア「たまに結界から出てくる魔女もいるみたいなんですけど、レアなケースらしいですね」

ロベルタ「結界が必要ないぐらいの大型魔女の話でしょう」

オクタヴィア「普通サイズの魔女でもたまにいるらしいんですけどね」


エリー,エルザマリア,ロベルタを新たに加え、大小様々な13体の魔女がテーブルを囲むこととなった。
製作者であるイザベルの話を聞いたり雑談したりしつつ、それぞれが思い思いに人形を見ていっていた。
しかし、殆どの人形を見終えたときにロベルタはある事実に気づいたのである。



エルザマリア「ではロベルタさん、私は見終わったのでこちらの人形をどうぞ」

ロベルタ「ありがとう。これはシャルロッテの人形ね。デザインがいくつもあって羨ましいわ」

エリー「そうですね。やっぱり一番人気のある魔女だからとは言っても羨ましいです」

ロベルタ「エリーだって、人の体が見えてる方の人形と、完全に隠れてる方の人形があるでしょう」

エルザマリア「確か片方はさやかさんの人形のオマケとしての登場でしたわよね」

ロベルタ「片方はメイン扱いでなかったとはいえ、2種類もあれば十分な待遇ではないかしら」

エリー「そうみたいです」

ロベルタ「さて、イザベルが作った人形は16種類ってことだったから、これで一通り見終わったかしら……ってあら?」

エルザマリア「どうされたのですか?」

ロベルタ「私の人形が無いじゃない! それに使い魔のも!」



今回使い魔ともども選ばれていないことに気付いたのである。


ロベルタ「ちょっと! 他は本人か使い魔のどっちが選ばれてるのに、私のところはいないじゃない!」

ギーゼラ「(またこういう流れかい……)」

エリー「お、落ち着いてください」

ロベルタ「なんでよ! PSPのゲームやオンラインゲームでも仲間外れにされたのに、また私は仲間外れなの?」

ズライカ「落ち着きなさいってば。私やウァマンもPSPのゲームには出られてないわよ」

ウァマン「そうなんだよ。わんっ!」

ロベルタ「あんた達は本編未登場組じゃない! 本編登場組で仲間外れなのは私ぐらいよ!」

ゲルトルート「完全に頭に血がのぼってしまわれてますわ」

パトリシア「ロベルタさんに頭部はないですけどね」

ギーゼラ「おいそこ! 冗談言ってないでロベルタなだめるの手伝ってやれよ!」

ズライカ「(さっきの私も今のロベルタみたいな感じだったのかしら……)」


ロベルタ「ねえイザベル! なんで人形作るメンバーから私を外したのよ! 私のこと嫌いなの?」

イザベル「あの、私はオクタヴィアから頼まれたのを作っただけなので、誰を作るとかは決めてないですよ」

ロベルタ「あらそう。じゃあオクタヴィア、なんで私を仲間外れにしたの?」

オクタヴィア「(すごく怒ってる……どうしよう) あ、いや、深い意味はないですよ」

ロベルタ「そんなわけないでしょ? 本編組である私が外れたのはそれ相応の理由があるんでしょ? ねえ?」

オクタヴィア「えっと、その」

ロベルタ「それともあなた、意味もなく他人を仲間外れにしようとする人だったの?」

オクタヴィア「えっと、怒らないで聞いてほしいのですが……」

ロベルタ「ええ、いいわよ」

オクタヴィア「個人的なデザインの好みで選んでいったら、他の魔女が優先されちゃいました」

ロベルタ「な、なんですってえええええ! この私が格好悪いっていうの!?」

オクタヴィア「怒らないって言ったじゃないですか!」

ロベルタ「内容次第よ! 侮辱されて怒らないわけないじゃない!」

オクタヴィア「べ、別に侮辱したつもりは……って痛いです痛いです! 鳥かごの底で叩くのやめて下さい!」


ギーゼラ「お、おい、そんなに暴れんなって。暴れて何か解決するわけじゃないだろ!?」

ロベルタ「うるさいうるさい! あんたも私に口答えするつもり? こうしてやるわ!」

ギーゼラ「うわっ、こっちくんな! なんか今日のお前沸点低すぎんだろ! 酒でも入ってんのか?」

ロベルタ「流石に日中からは飲まないわよ! ただ、虫の居所が悪いのよ!」

ギーゼラ「いい加減八つ当たりはやめろっての!」

ゲルトルート「はぁ……見ていられませんわ。2人とも、あそこで暴れてるロベルタさんを止めてきてくださる?」

アントニー「マカセテクダサイ、オジョウサマ!」

アーデルベルト「マタマタデバンデスナ」

パトリシア「ゲルトルートさんの使い魔達が、ハサミと頭突きで攻撃を始めたよ?」

ロベルタ「痛い! 痛い! 鳥かごの隙間から入ってくるのは止めなさい!」

ギーゼラ「ゲルトさんサンキュー。助かったよ」

ウァマン「でも、2体とも蹴飛ばされてかごから出ちゃったよ。わんっ!」

ゲルトルート「衝撃で2人とも気を失ってしまわれたようですわ。急いで助けてきますの」


ギーゼラ「よし、ゲルトさんの使い魔が戦ってる間に体勢を立て直したぜ」

ロベルタ「ああああもうイライラする!」

ギーゼラ「さっきのイザベルの比じゃない荒れっぷりだな……」

シズル「もうっ! アンタそこそこ体が大きいんだから暴れないでよ! 危ないじゃない」

ギーゼラ「そうか、ここは図体のデカいアタイの使い魔達の出番ってか! いくぜ! 錆解放だ!」

ドーラA「アネサン、ヒサビサノデバンデスカ?」

ドーラB「ウデガナリマスネェ」

ドーラC「ドゥルン ドゥルン ドゥルン ドゥルルルルゥン」

ギーゼラ(銀色)「おっし野郎ども! ゲルトさんの使い魔達の敵討ちだ!」

ドーラAB「「オオー!」」 C「ドゥルン ドゥルン ドゥルルルルゥン!」

ゲルトルート「(うちの子達は気絶してはいますが、昇天されたわけではないのですけれどね)」


ドーラA「アバレテイルロベルタサンヲ、トメレバイイミタイダナ」

ドーラB「イマハチジョウニイルガ、トバレルトヤッカイデスネェ」

ドーラA「ヨシ、タイヤニヘンケイシテ、イッキニキョリヲツメルゾ」

ドーラB「ソウスルノガヨサソウデスネェ」

ドーラA「イクゾオマエラ!」

ドーラC「ドゥルン ドゥルン ドゥルルルルゥン ブォォォォ!」

パトリシア「見て! ギーゼラの使い魔達が一斉にロベルタの方に向かっていくよ!」

アルベルティーネ「そっか! 使い魔をよびだしてみんなで止めればいいんだ! よーし、書くぞー!」

ウァマン「でも、ゆまは今すぐ使い魔をよびだしたりはできないよ、わんっ!」

イザベル「それなら私やアルベルティーネに任せて。使い魔を召喚するのは得意分野だからね」



そのとき、ゴィィィィン! という大きな音が辺り一面に鳴り響いた。
その音は強く空気を震わせ、数秒間の反響音を発生させた。
3体のドーラ達が今、ロベルタの鳥かごに勢いよく衝突したのである。


ロベルタ「うわぁっ!?」

ドーラA「ヨシッ、ウゴキガトマッタゼ」

ドーラB「イイデスネェ。タイヤカラモトニモドッテ、3ニンデオサエコンジャイマショウ」

ドーラC「ドゥルン!」

ロベルタ「ちょ、ちょっと、離しなさいよ!」

ドーラA「ハナシテタマルカヨ。マワリノメイワクヲスコシハカンガエロ」

ドーラC「ドゥルルルルゥン!」

ロベルタ「魔女の力をなめないで……! 力づくで抜け出してやるわ!」

ドーラB「ウヌヌ、コノママデハマズイデスネェ」

ドーラA「ダイジョウブ、エングンガキタミタイダ」

ドーラC「ドゥルン?」



後ろを振り返ると、こちらに向かって幽霊のような何かがヒョロヒョロと飛んできていた。
それは、かの有名な叫び声を上げている絵画に似た、やつれた人型の使い魔であった。


ミヒャエラ(意欲作)「たすけにきたよ~」

ドーラB「オオ、アリガタイデスネェ。……ダガ、パワーガアルヨウニオモエナイガ、ドウスルツモリダ?」

ミヒャエラ(意欲作)「こう見えて動きを止めるのは得意ですから~。ほんの少しだけ耳を塞いでてね~」

ロベルタ「(私が耳を塞げない体の構造をしているのを利用した作戦が立てられてる……?)」

ドーラB「テヲハナシタラ、ロベルタサンガニゲチャイマセンカネェ」

ドーラA「……! ナルホド、イイカラオマエラ、スウビョウダケ、イッセイニミミヲフサグンダ。セーノ!」

ドーラC「ドルルゥン!」

ロベルタ「(なんかマズそうっ……!)何する気!? やめなさ──」

ミヒャエラ(意欲作)「叫び攻撃いくぞ~、"ギィャァァァァ!"」

ロベルタ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」


ミヒャエラ(意欲作)が放つ魔力のこもった叫び声には、聞いた相手を混乱させる能力がある。
ミヒャエラは、耳を塞ぐことのできないロベルタの体の構造を利用して、ロベルタだけにそれを聞かせたのである。



ミヒャエラ(意欲作)「3人とも~、ロベルタさんの動きは止まったよ~」

ドーラA「ヨクヤッタ!」

ドーラB「ヤリマスネェ」

ドーラC「ドルルルゥン!」

ミヒャエラ(意欲作)「では3人とも~、ロベルタさんから離れてください~」

ドーラB「ン? ツイゲキハシナインデスカネェ?」

ミヒャエラ(意欲作)「追撃は他の人たちに任せてるんですよ~。ある使い魔たちにね」



ミヒャエラが示した先には、ある魔女の使い魔が横一列になって3体並んでいた。
アルベルティーニの使い魔のアーニャ達である。


アーニャA「ぶぅぅぅぅぅん」

アーニャB「きゃははははは」

アーニャC「わーい わーい」

アルベルティーネ「ふぃ~。書くのつかれたー」

イザベル「おつかれさまー」

ミヒャエラ(代表作)「人形を回収してきましたよ。16個とも壊れたりとかはないようです」

イザベル「サンキュー。さっきの騒ぎで壊されちゃってたら泣いてたよ」

アルベルティーネ「さあみんな! あそこのロベルタさんにミサイル攻撃だよ!」

アーニャA「ぶぅぅん! ぶぅぅん! ぶぅぅん!」

アーニャB「きゃはっ! きゃはっ! きゃはははははっ!」

アーニャC「いっくよー! どーん! どーん! どーん!」


パトリシア「ひぃっ! おびただしい量のミサイルがロベルタの方に!」

ギーゼラ「え、えげつねぇなぁ……」

エルザマリア「無邪気さというものは時に恐ろしいですわ」

シャルロッテ「いくらなんでもやりすぎなのです」

オクタヴィア「かもね……」

シズル「まぁ、あそこまで暴れてたんだし、こんくらいしないと収まらなかっ──」



ドォン! ドォン! ドドドドドドドドド ドォン!

直後、連続的な爆発音が鳴り響き、ロベルタのいた場所は灰色の煙に包まれた。
ロベルタのものらしき悲鳴も聞こえた気がしたが、殆ど爆発音にかき消されてしまっていた。
だんだんと煙が薄くなっていくと、煙の中に一つの物影があるのが見えてきた。
それは無残にも鳥かごが破壊され、体から白い煙を上げて倒れているロベルタの姿であった。

今日の投下分はここまでです。
ロベルタの扱いが、ロベルタのファンの人達に申し訳ないレベルになってしまいました。
設定上怒りっぽい性格にしやすかったのですが、ちょっと度が過ぎていたかもしれません。


>>78訂正
鎧の魔女バージニア(おりマギ1巻)が結界外で戦っていた気がしたのですが、読み返してみたら気のせいでした


ゲルトルート「ロベルタさんは、わたくしが用意したこの椅子を使ってくださいませ」

ロベルタ「あら、ありがとう。じゃあその人形とやらを、じっくり見せてもらおうかしら」

イザベル「他の人も見てるんで、空いてるのでも見てやってください」

ロベルタ「そうね……って誰よ。この斧持った魔女と、機械の虫みたいな魔女は」

オクタヴィア「その2人は外伝の漫画に出ていた魔女ですよ」

ロベルタ「なるほどね。馴染みのない魔女と思ったら、そういうことだったのね」

オクタヴィア「電気虫の方は、私達と同じで見滝原を拠点にしていたらしいですよ」

ロベルタ「現世では魔女になってる間は結界に籠りっぱなしだから、お互いに接点なんてないものね」

オクタヴィア「結界のいらない魔女もいるんですけどね」

ロベルタ「ワルプルさんぐらいの規模の大型魔女の話でしょう? 私達には縁がないわよ」

オクタヴィア「まぁ、それもそうですね」

>>89からの続きです


ロベルタ「う、あ、あ……」

シズル「ふぅ……凄い音だったわね」

エルザマリア「なんてことでしょう。自ら招いたこととはいえ、その魂よ安らかにお眠り下さい……」

エリー「えっと、ロベルタさんは別に死んだりしてないよ……?」

シズル「今さっきうめき声が聞こえたじゃないの。もしかしてボケ?」

エルザマリア「いえ、そういうつもりではありませんでしたわ」

エリー「結構天然さんなんだね」

パトリシア「可愛げがあって良いじゃない」

オクタヴィア「それにしても、ロベルタさんはあれだけされたのに意識はあるんだね」

シャルロッテ「魔女の体は丈夫なのです。少しの攻撃ならへっちゃらなのです」

オクタヴィア「あんたが言うと説得力があるね……」

ギーゼラ「さっきの攻撃、全然少しじゃなかったぞ!?」


パトリシア「言われてみれば、あの使い魔のミサイル一斉発射を食らって気絶してないなんて凄いよね」

シズル「アルベルティーネちゃんの使い魔は、結構攻撃力が高い方な筈よね?」

エルザマリア「もしかしたら外側を覆っていた鳥かごで、ミサイルの一部を防いだのかもしれませんわ」

エリー「それでもあの状態なんだね……」

シズル「アルベルティーネちゃんに下手にちょっかい出すのは危なさそうね」

ギーゼラ「ちょっかい出すつもりだったのか……」

ズライカ「(さっきはすぐ冷静になれてよかった……。もしかしたらこうなってたのは私だったかもしれないものね)」



\ぶぅぅぅぅぅん/ 

\あー! みんなどこいっちゃうのー?/



エリー「な、なに?」

エルザマリア「向こうで何かがあったみたいですわね」


ズライカ「なんかまたアルベルティーネの叫び声が聞こえたような気がしたんだけど、今度は何があったの?」

ゲルトルート「アルベルティーネさんの使い魔達が逃げていってしまったのですわ」

ウァマン「動きが早くて、あっという間に見えなくなっちゃったんだよ、わんっ!」

イザベル「私が瞬間移動で逃げ道を塞いであげれば捕まえられたかもしれないんだけど、出遅れちゃった」

ゲルトルート「ロベルタさんが動かなくなった後、一息ついてる隙にいなくなってましたの」

パトリシア「何か逃げる理由があったのかな」

アルベルティーネ「ううん、アーニャはいつもこうなのー」

パトリシア「どういうこと?」

アルベルティーネ「呼び出してすぐは言うこと聞いてくれるんだけど、いつのまにかどこかへいっちゃうのー」

エルザマリア「難儀な使い魔ですわね」

ギーゼラ「アタイのドーラ達はそこそこ言うこと聞いてくれるんだけど、他のところもそうとは限らないんだな」

ウァマン「くぅ~ん。ゆまの使い魔は、話しかけても殆ど反応してくれないの……」

シズル「アルベルティーネちゃんの使い魔より不便ね……」


パトリシア「アルベルティーネは、普段から結構使い魔を呼び出したりとかしてるの?」

アルベルティーネ「うん。遊び相手がほしい時とかに呼び出してるよー」

ウァマン「使い魔をいつも呼び出してるってことは、ふだんも魔女の姿でいるの? わんっ!」

アルベルティーネ「ううん。ひとの姿でいるときも、魔女のクレヨンを使えるんだよー」

ギーゼラ「アンタは魔法少女姿でも、使い魔の呼び出しが出来るんだな。アタイには出来なさそうだよ」

イザベル「ギーゼラの使い魔の呼び出し方って結構変わってるものね。体の錆から作り出すんだっけ?」

ギーゼラ「それそれ。あれやった後って体の動きは良くなるんだけど、少し寒くなっちまうんだよな」

エルザマリア「使い魔事情は皆それぞれ違うようですわね」

ズライカ「みたいね。ところで、アーニャが飛び回ってるのをたびたび見かけるのだけど、逃げちゃった子達なの?」

アルベルティーネ「うん。かくれんぼの途中でいなくなっちゃったアーニャだねー」

ズライカ「ああいう子達って、逃げられちゃった後はいつもどうしているのかしら」

アルベルティーネ「運よく見つかったら結界に連れ戻してるんだけど、みんなを連れ戻せてはいないよー」


ズライカ「アルベルティーネ、あなたの遊び相手はいつも使い魔なの?」

アルベルティーネ「うん。そうだよー」

ギーゼラ「同年代の遊び相手とかはいないのか?」

エルザマリア「知り合いに遊び相手がいれば、遊び相手として使い魔を呼ぶ必要はないですものね」

アルベルティーネ「いないよー。でも、たまにローザシャーンお姉さんがいっしょに遊んでくれるのー」

シズル「あら、ローザシャーンとよく会ってたのね。知らなかったわ」

アルベルティーネ「それでね、ローザシャーンお姉さんが暇なときは、結界のおもちゃを見せ合ったりしてるのー」

シズル「アイツ、私と同い年なのに子とも向けのおもちゃとかやたらと集めてるものね」

アルベルティーネ「でも、いつも暇ってわけじゃないみたいだから、そういうときはアーニャと遊ぶのー」

ズライカ「成る程ね。シャルロッテやウァマンは年が近そうだけど、あまり一緒には遊ばないのね」

アルベルティーネ「そうだねー。2人とはあんまり会わないよー」


シズル「シャルロッテちゃんとウァマンちゃん、2人は普段は何してるわけ?」

ウァマン「いつもはゆまはキョーコといっしょにいるよっ、わんっ!」

シャルロッテ「たまに円環業務のお手伝いをしたりしてるのです」

オクタヴィア「まどかとあたしだけじゃ大変そうなときに、助っ人として来てもらってるよ」

ズライカ「たまにってことは、いつもではないんでしょう? それ以外の時は何をしてるの?」

シャルロッテ「マミのところに行ってケーキをいっしょに食べたりしてるのです」

イザベル「べったりな相手がそれぞれいるせいで、互いに交流の機会が少なくなってるんだね」

オクタヴィア「いや、この様子だと、なぎさとゆまちゃんは既に知り合いになってたんじゃないかな?」

シャルロッテ「その通りなのです。マミのところで何度も会っているのです」

オクタヴィア「あれ? でもこの前はゆまちゃんの魔女が犬の魔女だってこと知らない感じじゃなかった?」

シャルロッテ「ゆまとは前から知り合いだったのですが、魔女姿は今日初めて見たのです」

オクタヴィア「なるほどなるほど」


ウァマン「マミおねえちゃんのところで、キョーコといっしょにお菓子を食べるんだよっ、わんっ!」

ズライカ「シャルロッテとウァマンは、円環に来てから知り合いになってたみたいね」

シズル「でも、マミっていう人が、ウァマンちゃんやキョ-コって人と仲がいいのはどうしてなのかしら」

ウァマン「キョーコとマミおねえちゃんは、ずっと前からお互いのことを知ってたみたいだよっ。わんっ!」

オクタヴィア「あたしが魔法少女になるずっと前、あの2人は師弟関係だったみたいだよ」

シズル「これは……生前の知り合いで、グループが出来上がっちゃってるみたいね」

ギーゼラ「それで2人とも、年が近いはずのアルベルティーネとの交流の機会があまりなかったってことか」

シャルロッテ「そうなのです」

ウァマン「キョーコがマミ以外の人と会ってるのもあまり見かけないよっ、わんっ!」

ゲルトルート「閉じられた人間関係が出来ていて、他の方々との関係は希薄になっていそうですわね」


イザベル「でも、オクタヴィアもその人達の友人だったよね? その割に他の人達との交流が多いような」

オクタヴィア「まどかの円環業務の手伝いで忙しくて、マミさんのお茶会に行けないからかも?」

パトリシア「でもそれだと、他の人との交流が多い理由が説明出来なくない?」

エルザマリア「他に理由がありそうですわね」

オクタヴィア「あー、円環内のトラブルを解決するのとかやってるから、それで顔が広くなったのかも」

エリー「トラブルって?」

オクタヴィア「導かれた子達にも色々いるから、悪意を持って他人に危害を加えるのがいたりするわけよ」

ゲルトルート「そういえばこの前も、双樹と名乗る方がわたくしの薔薇園を荒らそうとしてきましたわ」

パトリシア「私のとこにも来ましたよソイツ。ひとりで散歩してたら、突然爆発攻撃みたいなの打ってきました」

エルザマリア「わたくしも、一人で祈りを捧げているときに攻撃されましたわ」

オクタヴィア「そういう被害情報を集めたりしてるときに、色んな人と顔見知りになった感じだね」


ズライカ「そういえばどんどん話がずれていっている気がするけど、さっきまで何の話をしていたのだったかしら」

エリー「えっと……アルベルティーネちゃんの使い魔が逃げたとか、遊び相手がいないとかいう話じゃなかった?」

アルベルティーネ「そういえばそうだったねー」

ギーゼラ「『そうだったねー』って自分についての話じゃねえか」

アルベルティーネ「えへへ……」

ウァマン「こんどからはゆま達ともいっしょに遊ぼうねっ、わんっ!」

シャルロッテ「マミ達ともきっと友達になれるのです」

パトリシア「あれ? 年の近い友人を探そうとするんじゃなくて、私達自身が遊び相手になってあげればよくない?」

エルザマリア「それもそうでしたわね」

ズライカ「なんで15人近くも集まってるのに、今まで誰も気づかなかったのよ……」

イザベル「アルベルティーネちゃんも絵をかくのは好きだよね? 暇なときは今度から私とお絵かきしましょ」

アルベルティーネ「うん!」

オクタヴィア「アルベルティーネちゃん、いきなり人気者になっちゃったね」

ゆま魔女が犬のだって言及されていましたっけ?

>>91
ちなみに結界の外に出た魔女はたるとにいます
まあ、タルトに結界を破壊されたからなんで、自分の意志ではないのですが
…以前談義スレでバージニアは結界から出てないことも含めて同じこと言ったのですが、もしかしてあの時の?

昨晩は寝落ちしてしまいました。
>>101
ゆま=ウァマンは二次設定です。>>47の注意書きにでも書こうと思ってたのですがうっかり。
談義スレに関しては、私はROM派なので別人です。
たる魔女の件は読んでます。その上での修正です。


ギーゼラ「アルベルティーネ、ちょっと提案があるんだけど、聞いてくれるかい?」

アルベルティーネ「なにー?」

ギーゼラ「ちょっくらアタイに乗って、逃げた使い魔達を探しに行かないかい?」

アルベルティーネ「どういうことー?」

ギーゼラ「アタイは今、錆が取れてるからバイクに変形できるんだ。アンタが歩くよりだいぶ早く移動できるぜ」

シズル「バイク姿になったギーゼラの最高速度は、他の魔女の比じゃないものね」

パトリシア「そんなギーゼラの前に飛び出すなんて、あんたやっぱり命知らずね」

シズル「てへ♪」

ギーゼラ「で、アルベルティーネ、乗るかい? アンタの体の小ささならアタイに乗れると思うぜ」

アルベルティーネ「う~ん、じゃあ、そうするー!」

ギーゼラ「よし! 今からバイクになるから待ってろよー?」

アルベルティーネ「バイクになるとこはじめてみるー!」

ギーゼラ(バイク)「よし完了、乗った乗った!」

ズライカ「あら、もっと派手に時間をかけて変形していくのかと思ったら、一瞬で味気なく終わるのね」


ギーゼラ「まぁ、手足折りたたむだけだしな。ロマンがなくてごめんな」

ズライカ「いや、こっちの勝手な妄想だし、謝る必要はないでしょ」

パトリシア「戦隊ロボとかやたら派手な変形合体してるし、その手のものを連想しちゃうのは仕方ないかも」

アルベルティーネ「……よいしょ。乗れたよー」

ギーゼラ「お、じゃあ、そろそろ行くか!」

エリー「探しに行くって話だけど、使い魔達がどこに逃げて行ったか分かるの?」

ギーゼラ「ま、逃げて行った方向ぐらいしか手がかりもないし、そっちの方を闇雲に探し回るだけなんだけどな」

エルザマリア「円環界はかなりの広さを有していますが、その中から探されるのですか?」

ギーゼラ「まぁ、まだ遠くには行ってないだろうし、方向も分かってるし、どうにかなるんじゃね?」

アルベルティーネ「なにかに夢中になってたりすると、そこから動かなくなったりするんだよー」

ギーゼラ「だとよ。じゃあ、とりあえず見てくるとしますか!」

アルベルティーネ「うん!」


パトリシア「こっちにはそのうち戻って来るの?」

ギーゼラ「ある程度探して見つからなかったら、諦めて戻ってくるよ」

ウァマン「ちゃんと戻って来られるの? わんっ!」

ギーゼラ「まかしとけ。方向感覚の鋭さは自信があるからな」

エルザマリア「もしかしたら私達もこの場から移動して、いなくなってるかもしれませんわ」

ギーゼラ「その時はその時さ。適当に走り回って、知り合いを探すことにするよ」

アルベルティーネ「ねー、まだいかないのー?」

ギーゼラ「うっし、今度こそ出発だな! 野郎ども、ついて来い!」

ドーラA「チョッ、イマカラヘンケイスルンデ、マッテクダセエ!」

ドーラC「ドゥルン ドゥルルルルゥン!」

ドーラB「ミンナジュンビガオワッタミタイデスネェ」

アルベルティーネ「れっつごー!」


\ドゥルン ブオオォォォォォォォォ/

\キャハハハハハ! はやいはやーい/



エリー「行っちゃったね……」

ウァマン「大きい魔女と使い魔が一気に減って寂しくなっちゃったね、わんっ!」

シズル「そうね……」

パトリシア「他に、やる事がある人とかいる?」

ゲルトルート「そうですわね……わたくしは薔薇園の様子を見るためにいったん戻りますわ」

エルザマリア「薔薇園ですか。私も見に行って構わないかしら」

ゲルトルート「構わないですわ」

オクタヴィア「あらら、どんどん人が減っていっちゃうね」

ゲルトルート「他にもわたくしの薔薇園をご覧になりたい方はいらっしゃらないかしら?」

ウァマン「うーん、ちょっとだけ気になってるんだよっ、わんっ!」

シャルロッテ「では、なぎさと一緒について行ってみるのです。さやかはどうするのです?」

オクタヴィア「オクタヴィアと呼びたま……あたしは少し、まどかの様子を見てくるよ」


シャルロッテ「むぅー、残念なのです」

イザベル「みんなで魔女姿になるのって、女神様が言いたんじゃなかったの? ご本人様はどうしたのさ」

オクタヴィア「今日は円環業務も少なそうだし、手伝いはいらなさそうって話だったんだけどな」

イザベル「本人は結局来るの? 来ないの?」

オクタヴィア「さっき別れるときは『終わったら魔女姿になって合流するね』って言ってたよ」

シャルロッテ「まどかの魔女はすごく大きいので、現れたらどこにいても気づくはずなのです」

オクタヴィア「円環界は地球と違って平面の世界だし、地平線で隠れちゃうなんてことはないんだけどなぁ」

ウァマン「でもその姿がどこにも見えないってことは、まだ忙しいってことなんだねっ、わんっ!」

ズライカ「私はその魔女姿を見たことがないんだけど、どこからでも見えるというのは言い過ぎじゃないの?」

オクタヴィア「そうでもないんだよこれが。大きめの山一つ分ぐらいのサイズがあるからね」

ズライカ「はぁ!?」

エルザマリア「私も話に聞いただけなのですが、私を山ぐらいの大きさにしたような姿とのことですわ」

パトリシア「これも聞いた話なんだけど、やろうと思えば地球を包み込むぐらいの大きさになれるとか」

ズライカ「!?」


オクタヴィア「ちょっと違うみたいだよ。あれは正確にはまどかの魔女とは呼べないものなんだって」

パトリシア「ん? どういうこと?」

オクタヴィア「まどか本人から聞いたんだけど、その巨大魔女はまどか本人と同時に存在していたとか」

エリー「な、なんか話が難しくなっていきそうだね……結局どういうことなの?」

オクタヴィア「魔女と、その元となった魔法少女は生きたまま同時には存在しない筈だよね」

エリー「い、言われてみればそうだね」

オクタヴィア「まどかは概念になって円環の理になる直前に、その巨大魔女を倒したらしいんだ」

パトリシア「自身の魔女と戦うのは不可能な筈だから、その魔女はまどかさん本人ではないってこと?」

オクタヴィア「そうそう、そういうことみたいだよ」

シャルロッテ「でも、さやかも魔女と魔法少女の分離が出来るのです」

シズル「あら、アンタそんなことが出来たわけ?」

オクタヴィア「色々あって何度も試してたら、偶然出来るようになったんだ」

シャルロッテ「『出来ることを増やして、まどかに楽をさせてあげるんだ』って張り切っていたのです」

オクタヴィア「言わないでよ。……恥ずかしいじゃんか」

エルザマリア「ふふっ。本当に仲がよろしいんですわね」


シャルロッテ「まどかが自分の魔女と戦ったのと、さやかが魔女を呼び出せるのとは何か違うのです?」

オクタヴィア「あたしのは導かれた後に手にした力だし、大雑把に言うと”死後の世界での出来事”なわけよ」

パトリシア「魔力切れという死を迎えようとしていた者が集まる場所だし、ここも死後の世界みたいなものね」

シズル「まぁ、魔女に倒されて普通に死んじゃった魔法少女は来ないし、少し違うものでしょうけど」

ウァマン「魔法少女じゃない、普通の死んだ人と会えたりとかもないよっ、わんっ!」

オクタヴィア「死後の世界”みたいなもの”だし、普通に死んだ人が行くのとは全然違う場所だからね」

イザベル「で、結局それがさっきまでの話とどう関係してるの?」

オクタヴィア「あたしが魔女と魔法少女を同時に存在させられるのは死んでからの話じゃん?」

イザベル「そうだね」

オクタヴィア「でも、まどかと巨大魔女が一緒に存在したのはギリギリ現世での出来事だったわけよ」

パトリシア「死後の出来事と現世での出来事とを単純に照らし合わせるのは難しいって言いたいわけ?」

オクタヴィア「その通り。だから、あたしが円環の理で魔女と魔法少女を分離させられるからといって──」

シズル「──女神様と、その魔女が同時に存在できるという理由にはならない。ってことね」

オクタヴィア「最後のいいところだけ持っていかないでくださいよ」

エリー「シャルロッテちゃん、分かった?」

シャルロッテ「とりあえず納得出来たのです」


ゲルトルート「結局わたくしの薔薇園にいらっしゃるのは、御三方だけでよろしいかしら?」

エルザマリア「あらごめんなさい。お喋りに花が咲いてしまっていましたわ」

シャルロッテ「待たせてしまってごめんなさいなのです」

ゲルトルート「気にしていませんわ」

ウァマン「他に来そうな人はいないよっ、わんっ!」

オクタヴィア「もしかしたら、あたしも後から行くかもしれません」

ゲルトルート「かしこまりましたわ」

アントニー「オジョウサマ、シュッパツデスカ」

アーデルベルト「ワタシタチモカイフクシマシタ。ソロソロバラエンニモドリマショウ」

ゲルトルート「そうしますわ。2人とも、先導をお願いできるかしら」

アントニー「マカセテクダサイ、オジョウサマ!」

ゲルトルート「それではみなさん、ごきげんよう。また後でお会いしましょう」


エリー「どんどん人が減っていくね……」

イザベル「残ってるのは私,オクタヴィア,エリー,パトリシア,シズル,ズライカ,あとはロベルタさんだけだね」

シズル「一時期は15人近くいたのに、気づいたら7人になっていたのね」

オクタヴィア「あたしもそのうちいなくなっちゃいますけどね」

パトリシア「というか、倒れてたロベルタさんをみんな置いていっちゃったんだね」

シズル「オクタヴィア、あんた円環内のトラブルの解決とかやってるんでしょ? どうにかしなさいよ」

オクタヴィア「それを言われると断れなくなっちゃうな。一応また暴れ出した時の為にみんなも待機しててよ?」

イザベル「わかったよ。さっき呼び出した使い魔達もバッチリ待機させてるからね」

エリー「い、いざとなったらパソコンに変身して使い魔達を呼び出すよ?」

オクタヴィア「ありがと。じゃあ、様子を見てみるね」

パトリシア「流石にもう暴れる元気はないとは思うけど、一応気を付けて近づいてね」


オクタヴィア「ロ、ロベルタさーん、大丈夫ですかー」

ロベルタ「ええ、なんとか……」

オクタヴィア「一人で立てますかー?」

ロベルタ「ちょ、ちょっとまだ体のあちこちが痛いわ。起こしてくれないかしら」

オクタヴィア「わかりました。あたしの肩のあたりにつかまってくださいね」

ロベルタ「ちょっと! 私の魔女姿は手がないのよ! 無茶言わないでよ!」

オクタヴィア「冗談ですよ。そんなに怒らないでくださいよ」

ロベルタ「怒るわよ!」

オクタヴィア「でも、冗談に怒れるぐらいには回復しているみたいですね」

ロベルタ「……それもそうね。じゃあ、体を掴んで起こしてもらえる?」

オクタヴィア「いいですよ。……よいしょっと」

ロベルタ「ありがとう」


オクタヴィア「ロベルタさん、どうしてあんなに暴れたりしたんですか?」

ロベルタ「魔女の姿になってから、気持ちが妙に落ち着かない感じがするのよ」

オクタヴィア「ふむふむ」

ロベルタ「数日間アルコールを摂らずにいたときと似たような感じがするのよね」

オクタヴィア「なるほどなるほど。というかロベルタさん、そんなにお酒ばっかり飲んでるんですか」

ロベルタ「現世での習慣が引き継がれちゃったみたい」

オクタヴィア「現世でも飲酒の習慣があったんですか?」

ロベルタ「二十歳過ぎまで魔法少女を続けていたし、辛い時は飲んだりしていたのよ」

オクタヴィア「それで、気づいたらはまり込んでしまったと……」

ロベルタ「円環界にいるのは殆どが未成年だから、一緒に飲む相手がいないのが辛いわね」

オクタヴィア「我慢してください。それにしても、お酒を飲まないと落ち着かないなんて……」

ロベルタ「何か悪い?」

オクタヴィア「それ、健康上結構危ない状態だったりしてませんか?」


ロベルタ「だ、大丈夫よ。毎日飲まないといけないなんてことには今のところなってないし、まだ大丈夫よ」

オクタヴィア「『今のところ』『まだ』とか言ってる辺り、順調に悪化していってそうですね?」

ロベルタ「気のせいよ。……でも変ね。昨日は寝酒を飲んだから、暫くは大丈夫だと思ってたのに」

オクタヴィア「寝酒ですか。寝る前に飲んだということですし、もしかするとまだ酔ってるとか?」

ロベルタ「失礼ね。アルコールには強いし、そんなに酔いが長引いたりはしないわよ」

オクタヴィア「じゃあ、他に何か原因として心当たりはありませんか? 例えば、普段と違うことをしたとか」

ロベルタ「昨日は変わったことはしてないし、今日はせいぜい魔女姿になったことぐらいで……あ、もしかして」

オクタヴィア「何か思い出したんですか?」

ロベルタ「いいえ、思い出したんじゃなくて、思いついたのよ」

オクタヴィア「といいますと?」

ロベルタ「魔女姿になるときに、体内のアルコールが分解されちゃったんじゃないか……って」


オクタヴィア「なるほど。魔女姿になるのに必要なエネルギーとして、アルコールが消費されちゃったんですね」

ロベルタ「まあ、憶測に過ぎないのだけれど、今のところ一番これがそれっぽいわね」

オクタヴィア「でも、原因がアルコール不足ってことはつまり……」

ロベルタ「とりあえず今からお酒を飲むわ。テリトリーに戻ったら沢山のアルコールがあるものね」

オクタヴィア「ですよねー」

ロベルタ「そこで一つお願いがあるのだけれど、私をテリトリーまで連れて行ってくれないかしら」

オクタヴィア「まだ一人で歩けないほどのダメージが残っちゃってるんですね」

ロベルタ「まったく、アルベルティーネはもうちょっと加減というものを知るべきよ……」

オクタヴィア「元はと言えば先に攻撃を始めたロベルタさんが悪いんですよ?」

ロベルタ「うっ、それはそうだけど、やっぱりちょっとアルベルティーネに一言言ってやりたいわ」

オクタヴィア「アルベルティーネはもう別のところに行っちゃいましたよ?」

ロベルタ「えっ? あらやだ、ずいぶん人が減っちゃってるのね」


オクタヴィア「みんな。ロベルタさんはもう落ち着いたから大丈夫みたいだよ」

エリー「ふぅ。とりあえず一件落着みたいだね」

シズル「今すぐ使い魔を呼び出せそうな人がそこまでいなさそうだし、内心ヒヤヒヤしてたわよ」

イザベル「また私の使い魔達に出番が来たらどうしようかと思ってましたよ」

ミヒャエラ(意欲作)「動きを止めてくれてたドーラ達もいなくなっちゃってるからね~」

ミヒャエラ(代表作)「私はご主人様の作った人形を持っているので、戦いのお手伝いは無理そうでした」

ロベルタ「ダメージが残っててロクに動けないのよ。それに、流石にそこまで見境なく暴れはしないわよ」

パトリシア「さっきのロベルタさんの状態を見てると、ちょっと信用しにくいです」

ロベルタ「悪かったわね。というかあなた体が大きいんだし、使い魔じゃなくて自分で戦えばいいじゃない」

パトリシア「あれ? それもそうですね」

エリー「最初にゲルトルートさんが使い魔を使って攻撃したから、みんなそれにつられちゃったんだね」

シズル「まぁ、使い魔の攻撃で済んだだけマシって考えればいいじゃない」


ロベルタ「ど、どういうことよ」

パトリシア「文面からは『魔女の攻撃じゃなくて使い魔の攻撃でよかったね』みたいな雰囲気が感じられますね」

シズル「オクタヴィアの剣で切り裂かれたり、シャルロッテに食い千切られたりしていた可能性もあるってこと」

ロベルタ「ひっ……!」

エリー「こっ、怖っ!」

パトリシア「猟奇殺人の事件現場みたいになりそうだね」

オクタヴィア「大丈夫大丈夫。ここが”死後の世界”である以上、もう一回死んだりとかはしないからね」

パトリシア「でもそれって、死ねないまま痛みを感じ続けることになったりしない?」

ロベルタ「体の一部が欠けるほどの攻撃の痛みが、延々と続くってこと……?」

イザベル「そ、そのシステムって拷問とかに悪用されちゃわない?」

オクタヴィア「ほ、ほら、あたしたち魔法少女には痛覚遮断の魔法があるから……」

ロベルタ「実際に痛みを感じてる時って、案外思いつかないものよ」

エリー「頭が回らない状態ですからね」


オクタヴィア「この話はやめにしましょう。ハイ、やめやめ!」

ロベルタ「そ、そうね。この話題をこれ以上続けても気分が悪くなるだけよね」

エリー「そ、そうですね……」

パトリシア「ロベルタさん、痛覚遮断の魔法を使えば体も楽になるんじゃないですか?」

ロベルタ「それもそうね。やってみるわ」

シズル「どう? 歩けそう?」

ロベルタ「うーん、痛みは引いたけど、疲労感みたいなのがまだ残ってるわ」

パトリシア「駄目でしたか……」

ロベルタ「じゃあ私はいったん自分のところに戻って休むわ。オクタヴィア、付き添いを頼める?」

オクタヴィア「大丈夫ですよ。じゃあみんな、行ってくるね」

エリー「その後はゲルトルートさんのところに行くんだったよね。また後で会えたら会おうね」


イザベル「遂に5人になっちゃったね……」

パトリシア「うーん、折角だし、この5人でどこかに行かない?」

エリー「どこかって言っても、行く場所のあてはあるの?」

パトリシア「一応ね。他に良い場所が挙がらなかったら、そこにしようかなって」

エリー「どこにする予定なの?」

パトリシア「最近知ったんだけど、ある人が図書館を開いてるらしいから、そこに──」

シズル「ねぇ、そういえばさっきからズライカが一言も喋ってない気がするのよ」

イザベル「そういえば、さっきの痛覚云々の話の時も全然反応してなかったような……」

パトリシア「ちょっと話しかけてみるね。ねぇズライカ、さっきからどうしたの?」


ズライカ「ヤマヨリオオキイ、チキュウヨリオオキイ……」

パトリシア「何かブツブツと言ってるみたい」

エリー「『山より大きい』『地球より大きい』って、さっきそんな話をしていたような……」

イザベル「あれじゃない? 女神様の魔女の大きさの話」

パトリシア「あっ、言われてみれば」

シズル「その話題が出てたの結構前だった気がするけど、あれからずっと固まってたのね」

パトリシア「想像力の豊かな子だし、今脳内が凄いことになってそう」

エリー「地球より大きな怪物に襲われる妄想にとらわれてるかもね……」

イザベル「どうしたら現実に戻って来るかなぁ」

シズル「アタシに任せて頂戴♪」


ベロンッ


ズライカ「うぇひぃ!?」

パトリシア「おおっ!? シズルが口から長い舌を出して、豪快にズライカをひと舐めしたよ!?」

エリー「3割の確率で麻痺しそうな程の舐めっぷりだったね」

イザベル「3割? ……ああ、なるほど」

ズライカ「ちょっ、何するのよ!?」

パトリシア「おっ、現実に戻ってきたみたい」

シズル「アンタが妄想の世界にトリップしてたから、連れ戻してきてあげたのよ」

イザベル「女神様の魔女のサイズがどうのこうのとか言ってうなされてたよ」

ズライカ「地球より大きい魔女なんて、誰が聞いてもそりゃ驚くでしょ」

エリー「でも、驚き方がちょっとオーバーだよ……」

パトリシア「まぁ、それだけ感受性が豊かってことなんだろうけどね」


ズライカ「今気づいたのだけど、人がまた減ってたのね」

イザベル「あの後ゲルトルートさんについて行く人達が出発しましたし──」

シズル「──オクタヴィアも、ロベルタさんが自分のところに戻る際の付き添いとして行ったわ」

ズライカ「あら、ロベルタさんも起きたのね」

エリー「あれだけ暴れ回って疲れたみたいだから、自分のところに戻って少し休むみたい」

パトリシア「さっきの攻撃で受けた傷を休んで癒すのかもね」

ズライカ「あれ? 確かオクタヴィアって治癒魔法使えなかったっけ? それ使えば一瞬じゃない?」

イザベル「あっ……」

エリー「えっ……」

パトリシア「……」

シズル「……」


シズル「ま、まぁ、あの2人のうちのどっちかが途中で気づくでしょ」

エリー「そ、そうだね」

パトリシア「じゃ、じゃあ、私達もそろそろ出かけない?」

エリー「確か、図書館に行きたいって言ってたよね?」

パトリシア「ええ。誰か、他に行きたい場所がある人はいる?」

ズライカ「いえ、他にこれといってやることもないし、面白そうだからついていくわ」

イザベル「ごめん、ちょっといったん自分のところに寄ってから行きたいんだけど」

シズル「あら、何か用事でもあるの?」

イザベル「使い魔達と人形を置いて来たいの。人形持ったままウロウロするのも不安だし」

エリー「な、なるほど」


イザベル「瞬間移動を使って早めに行って来るから、ほんのちょっとだけ待っててもらっていい?」

パトリシア「別に急ぎでも何でもないし、お喋りでもして待ってるよ」

シズル「ねえ、瞬間移動って自分以外の人や物を連れて行ったり出来るの?」

エリー「SFとかだと、体に触れてるものと一緒に瞬間移動できたりするよね」

イザベル「一応出来るよ。私の体に使い魔をしがみつかせて、一緒に移動したりしてるよ」

シズル「面白そうだし、ちょっとアタシも一緒に瞬間移動で連れていってよ」

エリー「ええっ?」

ズライカ「あんたは相変わらず変なことを考えるのね……」

イザベル「でも、魔女ぐらいのサイズのものと一緒に瞬間移動したことがないから危険かも」

エリー「SFの瞬間移動能力でも、大きさや重さに限界があったりするよね」

シズル「危険でもいいじゃないの。オクタヴィアも『円環界で死ぬことはない』って言ってたし」


イザベル「その通りだけど……」

シズル「で、一緒に瞬間移動するには体にしがみつけばいいんだっけ?」

イザベル「そう。でもシズルは手のない魔女だし出来ないよ」

シズル「ふふ……。こうすればいいのよ♪」

イザベル「ちょっ、舌を巻きつけないでよ! ヌメヌメして気持ち悪いよ!」

シズル「でもこうすればしがみついてることにはなるでしょ。ほら、イザベルの使い魔たちも掴まって」

ミヒャエラ(代表作)「え? あ、ハイ」

ミヒャエラ(意欲作)「仕方がないね~」

シズル「ほら! 使い魔たちもアンタにしがみついたわよ! 行きましょ?」

イザベル「もうっ! しょうがないわね、行くわよ!」

シズル「行ってきま~す♪」



\バリバリバリバリ/



エリー「台風みたいに騒がしかったね……」

パトリシア「というか、シズルが人の姿に戻ってからやればリスクなしで出来たんじゃ……」

ズライカ「またそのパターンなの?」

今回の投下はここまでです。寝落ちを繰り返したせいで3回に分かれてしまいましたが。
現在かずみ勢を全然出せていないので、次回辺りArztKochen(ユウリ)とNieBluehenHerzen(あいり)が仲良くしているシーンとか入れてみたいです。

名前欄入力ミスって酉晒しました……
ちょっと代わりの酉を考えます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月03日 (日) 21:34:33   ID: RgKaZbz6

アンタやさしいな、魔女も浮かばれるよ
SS界のまど神様だぁよ

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