モバP「寒いから智絵里を抱きしめよう」 (25)
——仮眠室
P「うーさむさむ……夜は冷え込むなぁ、昼間あんな暑いのに」
P(もう5月も中旬だっていうのになぁ)
P(かといって暖房つけるのもアレだしなぁ……)
P(うーん……どうすっかなぁ)
P(……そうだ!智絵里を抱きしめよう)
P(まだ事務所にいたはずだし……智絵里を抱きしめるとふわふわで暖かいし落ち着くし幸せだし)
P(そうだそうしようそれがいい!)
P(そうと決まれば……)
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P「智絵里ー?いないかー?」
しーん……
P「智絵里ー?ちーえーりーん?」
P「ちーえーりー!俺の智絵里ー!可愛い可愛い智絵里ちゃーん!ちょっと打ち合わせするぞー!」
がちゃっ
智絵里「あ、あのプロデューサーさん……呼びました?」
P「お、来た来た」
P「呼んだよー呼んだ呼んだー超呼んだぜぇ」
智絵里「えと……なんでしょう?」
P「……んー。ちょっと打ち合わせしとこうと思ったからさ」
智絵里「打ち合わせ、ですか」
P「うん!」
智絵里「えっと……ここで、するんですか?」
P「はい!」
智絵里「でも……」
智絵里(プロデューサーさん普通にお布団の中入ってるし……打ち合わせするような空気じゃないような……)
P「どうかしたか?」
智絵里「い、いえっ!なんでもっ……」
P「そっかそっか、じゃあ座って座って」
智絵里「はい……それじゃあ……」
とことこ ぽふん
P「……?なんでそんな離れて座るんだ?」
智絵里「え?だって……」
P「そんな離れちゃ打ち合わせし辛いだろう?もっとこっちおいで」
智絵里「は、はい……」
とことこ
智絵里「えっと、ここらへん……?」
P「ダメだ!そこじゃまだ遠いだろう!もっとこっちへ!はよ!はよはよ!!」
智絵里「でも……」
P「はよはよ〜♪」
智絵里「は、はいっ……」
とことこ……
智絵里「あの……」
P「もっとこっちだ!!」
智絵里「はいっ……」
とことこ……
智絵里「えっと——
P「つかまえたっ」
がばぁっ!ぎゅっ
智絵里「ひゃあっ!?」
P「んっふっふ〜」
智絵里「あ、え?」
P「うへへへへ……」
智絵里「え、あ、あれ……?」
P「ふぃ〜あったかあったか……幸せだなぁ」
智絵里(わたし……今どうして……)
智絵里(プロデューサーさんに抱きしめられて……お布団の中に入ってて……)
P「はぁ〜智絵里の匂い落ち着くわぁ」
智絵里「……ふぇっ!?」
智絵里「あ、あああの!ぷ、ぷぷ、ぷろりゅーひゃーひゃん!!何を!」
P「ぷろりゅーひゃーひゃん?」
智絵里「ぷ、プロデューサーさんですっ!い、一体何を……!」
P「何をって……智絵里を布団に引きずりこんで後ろから抱きしめてます」
智絵里「あ、あう……」
智絵里(口に出されると、余計恥ずかしい……)
智絵里「そうじゃなくて……なんでこんなこと……?」
P「寒いから」
智絵里「え……?」
P「寒いからね、ちかたないよね」
智絵里「え?え?でも……」
P「寒いからちかたないよ!」
智絵里「それなら暖房つければいいんじゃ……」
P「……」
智絵里「……」
P「……暖房かぁ」
P「俺暖房苦手なんだよ、頭がぼーっとするしさ。極力使いたくないっていうか……」
P「あ、勿論事務所の子が寒いっていうならつけるよ?でも一人の時とかはなるべくつけないようにしてるんだ」
智絵里「あ、そうだったんですか……」
P「そうそう。でも今日はちょっと寒いからさぁ、でも暖房はつけたくないしさぁ」
P「なら智絵里を抱きしめようと思って!」
智絵里「そ、そういう事なら……?」
P「ちかたないよね!!」
智絵里「仕方、ないですね……っておかしいですっ」
P「おーノリツッコミ。智絵里もこういうノリ、慣れてきたなぁ。よしよし」
なでなで
智絵里「んっ……♪」
P「よしよし」
智絵里「えへへ……ってそ、そうじゃないですっ!」
P「ん?」
智絵里「寒いなら、毛布もう1枚増やしたり……もう1枚上に何か着たり……他に方法がありますっ」
P「まぁそうだけどさぁ……」
P「こう、なんていうの?身体的にも寒いんだけど」
P「精神的に寒いっていうか、人肌恋しかったというか心が寒いというか」
智絵里「……?」
P「……ここのところ、ちょっと忙しくて智絵里と話す時間が減ったからさ……寂しかったんだよ」
P「昔は……それこそデビュー直後なんてずっと智絵里と一緒にいたのにさ。最近全然話せなかっただろ?」
P「だから、智絵里とゆっくりしたいな、話したいなって思って、さ」
智絵里(……そ、そうだったかな?)
智絵里「えと、いつも通り毎朝お家まで迎えに来てもらって……」
智絵里「お仕事の時はもちろん、レッスンの時もずっと傍にいてもらって……」
P「……」
智絵里「お昼ご飯は毎日一緒に食べてますし……お仕事終わったらお家まで送ってもらって……」
智絵里「そのまま一緒にご飯食べたりもしてる気が……」
P「……」
智絵里「お休みの日はお買い物にも付き合ってもらってるし……」
智絵里「そんなに……いつもと変わらなかった気が……」
P「……」
智絵里「あの……」
P「晩飯……!」
智絵里「え?」
P「昨日、一昨日!一緒に晩飯食べれなかったじゃないか……!!」
智絵里「たまに食べれない時くらいは……」
P「やだやだ!やだー!!毎日一緒がいいのー!」
智絵里「え、えと……」
P「寂しかったんだぞ!事務所で仕事しながらカップラーメンって……!」
智絵里「でもプロデューサーさんがお仕事あるからって……」
P「うう……」
智絵里「あ、お母さんが明日ごちそうを作るからプロデューサーさんも呼んでって……」
P「おお、本当か!ありがたや……ありがたや……」
智絵里「わたしもお手伝いしますから……その、楽しみにしててくださいね?」
P「ああ!すっげぇ楽しみだ」
智絵里「えへへ……」
P「はっはっは……」
智絵里「……」
P「……」
智絵里「あの……」
P「ん?」
智絵里「それで……いつまでこの状態で……」
P「んー……もうちょっと」
智絵里「もう……」
P「はっはっは……嫌だったらやめるけど?」
智絵里「……」
P「嫌?」
智絵里「嫌じゃ、ないです……」
P「じゃあ、このままで……」
智絵里「はいっ」
P「〜♪」
智絵里「んっ……」
P「ああ、そうだ。打ち合わせ先終わらせとくか」
智絵里「打ち合わせ……?あ、最初に言ってましたね……」
智絵里「えと……このままするんですか?」
P「いえすっ!」
P「バレンタインイベントが今年も大好評でな」
P「それを見てくださった○○出版社が今度単独で写真集を出してみないかって言ってくれて」
智絵里「た、単独ですか……」
P「ああ、最初から最後まで全部智絵里っ!智絵里だけの写真集だ!」
P「発売に合わせて記念イベントも行う予定でさ!日取りは——
P「——とまぁ、こんな感じで。これから忙しくなって大変だと思う」
智絵里「は、はい……」
P「俺も付きっきりでサポートするから、一緒に頑張ろう」
智絵里「付きっきり……ですか?」
P「ああ」
智絵里「なら……頑張れますっ」
P「ん。頑張ろうな」
智絵里「はいっ」
P「それでさ、その……終わって、落ち着いたら……休みも取れると思うから」
P「そしたら……二人で旅行にでも行かないか?」
智絵里「……!」
P「知り合いに温泉旅館を経営してる人がいるんだけど、以前から一度来てみないか?って誘われてて……」
P「行ってみたかったんだけど機会が無くてさ。一人で行くのもちょっと寂しいし……」
P「だから智絵里と行って、二人でゆっくり休みたいなと思って……どうかな?」
智絵里「い、行きます……!行きたいですっ」
P「そっか!よかった……じゃあ話通しておくよ、優先的に予約取れるようにしてくれるし」
智絵里「はいっ。その、楽しみに……してますね」
P「ああ、俺も楽しみにしてるよ。ご飯も美味しいらしいしさ。……ホントに、楽しみにしてる」
智絵里「はいっ」
P「って事で、旅行行けるようにお仕事頑張ろうな」
智絵里「が、がんばりますっ」
P「おう、がんばろうな」
なでなで
智絵里「えへへ……」
P「あーもう智絵里は可愛いなぁ!!!可愛いなぁぁぁ!!!」
なでなでなでなでなでなでなでなで
智絵里「んっ……えへへ」
—
——
———
智絵里「……ん」
智絵里(あれ、わたし……寝ちゃってた?)
智絵里(今、何時かな……)
智絵里(ん……動けない……プロデューサーさんの腕が……)
智絵里「あの……プロデューサーさん?」
智絵里「……」
智絵里(……寝てる、のかな……ちょっと体勢を……よいしょっと)
もぞもぞ
智絵里(わ、わわ……顔がすぐそこに……)
智絵里(プロデューサーさん寝てる……最近、忙しそうだったから疲れてるのかな……)
智絵里(起こさないほうが……いい、よね)
智絵里(……そーっと抜け出そう)
もぞもぞ
P「……んん」
ぎゅうっ!
智絵里(ひゃうっ!)
智絵里(ぁ……抱きしめられる力強くなって……余計動けない……)
智絵里「あ、あの……プロデューサーさん……?」
P「……うへへ」
智絵里(本当に寝てるのかな……)
智絵里(……やっぱり起こして……でも寝てたらかわいそう、だよね)
智絵里「……おやすみなさい、プロデューサーさん」
ぎゅっ
智絵里「……えへへ」
—
——
———
P「んあ……」
P(やば……あのまま寝てしまったのか……)
P(えっと時間時間っと……うお!もう朝じゃねーか)
P(と、とにかく起きないと……)
ぎゅっ
P「ん?」
智絵里「すぅ……すぅ……」
P「……」
P「…………」
つんつん
智絵里「んぅ……?」
P「……」
ぷにぷに
智絵里「んみゅ……」
P「なんだ天使か」
P「って違う!いや違わないけど!!とにかく早く起きないとそろそろちひろさんが……!」
<オハヨウゴザイマース
P「言わんこっちゃない!智絵里ー!朝だぞー起きろー!」
智絵里「んんっ……すぅ……すぅ」
P「起きろー智絵里ー!起きるんだー!!」
智絵里「んっ……むにゅ……」
<アレ?プロデューサーサン イルンデスカー?
智絵里「すぅ……ぷろでゅーさーさん……」
P「くそ!可愛い寝顔しやがって……早く起きるんだ智絵里ー!ちひろさんが……」
がちゃっ
ちひろ「プロデューサーさん、帰らなかったんですか——
P「あっ」
ちひろ「……」
P「あ、違うんです……違うんですよちひろさんこれは……」
智絵里「んぅ……んん……!ぷろでゅーさーさん……」
ぎゅっ
P「……」
ちひろ「……」
P「あのですね……これは別に……」
ちひろ「プロデューサーさん」
P「あ、はい」
ちひろ「『スタミナドリンク』と『レアメダル』どっちがいいですか?」
<Xフ ̄ ̄<Xフ
// / ハ 「ヽ 、ヽ !
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`Z||." _ "|| く
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<Xフ ̄ ̄<Xフ
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_(,,) おわり .(,,)_
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