※コロシアイなし共同生活中
苗木「ついに出来たんだね、これさえあれば夢の180㎝台も夢じゃない!」
不二咲「えへへ、ボク用のもあわせて二つ作ったよ」
苗木「不二咲クンだったらそのままの方がかわいくて良いと思うけどなあ」
不二咲「何いってんの、ボクは男らしくなりたいんだ! 背の高さは強い男の必須条件だからね!」
苗木「でも自分で伸びるんじゃなくて他人から吸い取るんだよね」
不二咲「うん!」
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不二咲「じゃあメガネの使い方を説明するよ。メガネをかけると自分と相手の身長がレンズにモニタリングされるんだ」
苗木「どれどれ……」スチャ
苗木(160)「おっ、本当だ」
不二咲(148)「このスイッチを押せばメガネでロックオンした相手から身長を吸い取るんだ! もとに戻すこともできるからね」
苗木(160)「なるほど、相手を視界に入れる必要があるのか。よし、行ってくるよ!」
不二咲(148)「よし、僕もいってこよう」スチャ
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苗木(160)「とりあえずボクの目標は180㎝、足りない20㎝を誰かから吸い取るわけだけど……」
苗木(160)「さすがに一人から吸い取ったらバレるから一人5㎝ずつ、計四人から拝借しようかな」
苗木(160)「なるべく背の高い人からもらった方がバレにくいはず」
苗木(160)「よし、最初は一番背の高いあの人からもらいに行こう」
― 食堂 ―
朝日奈(160)「さくらちゃん、ドーナツ食べよ! 泳いでお腹ぺこぺこだよー」
大神(192)「うむ。コーヒーも丁度沸いたようだ」
苗木(160)「大神さんは……いたいた。朝日奈さんも一緒だ」
苗木(160)(大神さんはクラスの中で一番の高身長、男子よりも背が高い。流石の超高校級の格闘家の体格だ)
苗木(160)(ちなみに朝日奈さんは女子の中では一番低いけどそれでもボクと同じ160㎝。ちょっと悲しい)
苗木(160)「このまま壁に隠れて大神さんをロックオン、と……」
大神(192)「……む。そこにいるのは誰だ?」
苗木(160)(えっ)
朝日奈(160)「どしたの?」
大神(192)「出てこい。隠れているのは分かっている」
苗木(160)「……や、やあ。大神さんに朝日奈さん」
大神(192)「……苗木であったか。殺気を感じたと思ったがどうやら勘違いであったようだ」
苗木(160)(こえーよ)
朝日奈(160)「あ、苗木が眼鏡かけてる、なんかいつもと違って頭良さそう!」
苗木(160)「あ、あはは……」
大神(192)「ほう。『いめちぇん』というやつか?」
苗木(160)「えっとそんなとこかな。たまたま手に入ってさ」
苗木(160)「二人はティーブレイク中? 邪魔しちゃ悪いし、もう行くね」
朝日奈(160)「え、別にいいよ? 苗木も一緒に食べようよ、ドーナツ!」
大神(192)「我も構わんぞ」
苗木(160)「い、いやでもさホラ……」
苗木(160)(朝日奈さんはともかく大神さんは鋭いから、なるべく一緒にいたくないんだよなぁ……)
苗木(160)(眼鏡の事がバレる可能性もあるしどうしよう……あ、そうだ)
苗木(160)「あっ! 後ろでドーナツがクロールで泳いでる!!」
朝日奈(160)「えっ嘘、どこどこ!?」クルッ
苗木(160)(ちょろい)
大神(192)「?」クルッ
苗木(160)(よし、この隙に……)ポチッ
大神(187)「そんなものは無いようだが?」
朝日奈(160)「ちょっと、何もないじゃん!」
苗木(165)「あはは、ゴメンゴメン、見間違いだったよ。……用事があるからボクは行くね」スタスタ
朝日奈(160)「? 変なの」
大神(187)「なにやら様子がおかしかったような気もするが……」
朝日奈「……あれ? さくらちゃんちょっと小さくなってない!?」
苗木(165)「!?」
大神(187)「朝日奈よ、どういうことだ? 小さくなっているとは……」
朝日奈(160)「絶対小さくなってるよ! 目視5㎝くらい!」
苗木(165)(なんでそこだけ鋭いんだよ!?)
大神(187)「ふむ、そう言われると体の感覚に違和感がある……しかし何故?」
苗木(165)(……逃げよう!)ダッ
朝日奈(160)「あっ、苗木?」
― 廊下 ―
苗木(165)「あ、危なかった……」
苗木(165)「考えてみれば5㎝って結構な違いだよな……次はもっと慎重にやろう」
苗木(165)「ふう……。あっ、向こうから誰かやってくる。あれは……」
舞園(165)「苗木くん、こんにちは。あれ、メガネしてるんですね」
苗木(165)「やあ、舞園さん」
苗木(165)(舞園さんは165㎝……女子の平均より高いよなあ、さすがトップアイドル)
苗木(165)「えーとそう、モノモノマシーンで当たってさ。せっかくだし付けてみたんだ」
舞園(165)「よく似合ってますよ! いつもと違う雰囲気がします」
苗木(165)「そうかな、よかった」
苗木(165)(よし、このまま去り際に身長を……)
舞園(165)「ところで苗木くん」
苗木(165)「え?」
舞園(165)「私に何かよからぬことをしようとしていませんか?」
苗木(165)「」
苗木(165)(いやいや落ち着けボク、こんなの冗談に決まってるじゃないか! バレてるわけないって!)
苗木(165)「や、やだなあ舞園さん、そんなこと思ってないって」
舞園(165)「そうですね、例えば私の身長をそのメガネで吸い取ったり」
苗木(165)「バレてるじゃないかあああああああああ!」
舞園(165)「私に隠し事はできません。エスパーですから!」
苗木(165)「ま、舞園さん、どうして……まさかホントにエスパー?」
舞園(165)「さっき同じメガネをかけていた不二咲くんが挙動不審だったので、問い詰めたらゲロりました」
苗木(165)「アイドルがゲロって……いやそれより不二咲クン何やってんだよ」
舞園(165)「このメガネで私から身長を奪おうとしたんですね……」
苗木(165)「ごめん、つい出来心で!」
舞園(165)「……少しだけならいいですよ」
苗木(165)「えっ?」
舞園(165)「ちょっとの間だったら構いません。でもお仕事に行く前には戻してくださいね、衣装のサイズが合わないと大変ですから」
苗木(165)「そういえば戻す機能もあるんだっけ。でも本当にいいの?」
舞園(165)「背の高い苗木くんを見てみたいですから。一生見れそうにありませんし」
苗木(165)「ひどい」
舞園(165)「ですからどうぞ。5㎝くらいでいいですか?」
苗木(165)「それじゃあ……お言葉に甘えて」ポチッ
苗木(170)「……どうかな」
舞園(160)「わあ、ほんとに身長が変わりましたね。どういう原理なんでしょうか?」
苗木(170)「う、うーん深く考えない方がいいんじゃないかな」
舞園(160)「……恋人同士だったらこのくらいが理想的ですね」
苗木(170)「……えっ?」
舞園(160)「じゃあ私はこれで! あとで戻してくださいね!」
苗木(170)「あ、う、うん」
苗木(170)「なんかすごく嬉しいことを言われた気がするけど……いや、それより次の相手を探そう」
苗木(170)「半分までは来たけどちょっと作戦を変更しよう。なるべく鈍感そうな人をターゲットにした方がいいな」
苗木(170)「……となるとあの人しかいない。ランドリーにならいるかな」
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― ランドリー ―
苗木(170)「葉隠クンはっと…」
葉隠(180)「よお、苗木っち。苗木っちも洗濯か? あれ、そのメガネどしたんだ」
苗木(170)(葉隠クンは180㎝か。実質2コ年上なのを考慮しても高いよなあ)
苗木(170)「モノモノマシーンで当たってさ。ここには葉隠クンに会いに来たんだ」
葉隠(180)「俺に? 占いでもすんのか? おし、金運でも占ってやろう、10万円は用意しといてくれよな!」
苗木(170)「いや、そのつもりはないんだけど……ていうかその時点で結構な支出だよね、金運でもどうしようもないよね」
苗木(170)(どう切り出すか……うーん)
苗木(170)(葉隠クンが相手だからって作戦なしで来たのはまずかったか。……あ、そうだ)
苗木(170)「例えばの話だけど、葉隠クンは自分の身長を売るんだったらいくらくらいで売る?」
葉隠(180)「おっ、金の話か? 俺なら身長の3割までなら売り払ってもいいべ! 本当に売れるんだったらな!」
苗木(170)「もっと自分を大事にしようよ……でいくらくらい?」
葉隠(180)「いくらっつっても……うーん、1㎝100円くらいか?」
苗木(170)「やっす!! 嘘でしょ、何で!?」
葉隠(180)「なんで、っても別に身長があっても得するわけじゃねぇしなぁ」
葉隠(180)「むしろ服のサイズが大きくなると金がかかって損だべ!」
苗木(170)(葉隠クンが強欲なのか謙虚なのか分からなくなってきた)
苗木(170)「えっと、じゃあ……500円」
葉隠(180)「へ? この金くれるんか!?」
苗木(170)「うん」ポチッ
葉隠(175)「いいのか苗木っち! 一度もらったら返さねーぞ!」
苗木(175)「いいよ、ボクも得が無いわけじゃないし」
葉隠(175)「サンキュー、この恩は明日までは覚えとくべ!」
苗木(175)「じゃあね~」ヒラヒラ
苗木(175)「………………」
苗木(175)(唐突に渡される500円を特に疑問に思うこともなく受け取ったな……まあ今回はその不用心さに助かったけど)
苗木(175)(ていうか身長が同じになった事に普通気づくよね)
苗木(175)「とにかく……目標まであと一息だ、頑張ろう」
― 図書室 ―
苗木(175)(ボクが図書室に来た理由はいつもここにいるあの人をターゲットにするためだ)
十神(185)「………………」ペラ
苗木(175)(そう、十神クン。彼は超高校級の完璧を自称するのも頷くほどの恵まれた体格をしている)
苗木(175)(鈍感ではないけど、図書室は暗いから気づかれにくいし、読書中なら隙だらけだ)
苗木(175)「という訳でロックオン……」
腐川(164)「……あ、あんた苗木……?」
苗木(175)「えっ、腐川さん?」
腐川(164)「な、なんでそんなでっかいのよ!? ど、どういう事なのぉ!?」
苗木(175)「い、いやこれには訳が……声大きいって! このままじゃ十神クンに……」
十神(185)「おい、やかましいぞ! 何をしている!」
苗木(175)(バレたああああああ!!)
腐川(164)「びゃ、白夜様! な、苗木が……!」
十神(185)「臭い、やかましい、黙っていろ」
腐川(164)「…………」コクコク
十神(185)「まったく騒々しい……ん? 苗木、お前……」
苗木(175)「あ、あはは……」
苗木(175)(やばい失敗だ、完全にバレた……)
十神(185)「……ふっ。まったく愚かだな、苗木」
十神(185)「自分の欠点を自覚し、それを克服しようとするのはいいが……所詮、凡人の発想だ」
十神(185)「まさか俺に憧れて眼鏡をかけ始めるとはな」
苗木(175)(そっちかよ)
腐川(164)「……!?」
苗木(175)(え? というか十神クン背の方は気づいてないの?)
十神(185)「フン、大方超高校級の完璧である俺に姿形だけでも似せようとしたんだろうが」
苗木(175)(前言撤回。彼は鈍感です)
十神(185)「俺の眼鏡とお前の貧相な伊達眼鏡では月とすっぽんほどの格差がある」
苗木(175)(科学力で言えば間違いなくこっちが月だけど)
腐川(164)「…………」フルフル
苗木(175)(うわ、腐川さんめっちゃ何か言いたそう)
十神(185)「まあ、俺を目標にする着眼点は悪くないが……くくく、到達できない目標は目標にならんぞ、苗木」
苗木(175)(うわ、勝ち誇って目を瞑りだしたよ……ていうかだんだんウザくなってきた)
十神(185)「貴様は何一つ俺に勝るところが無いからな。学力体力行動力精神力……」
十神(185)「それとその哀れな低身長もか」
苗木(175)「」ブチッ ポチッ
十神(180)「ふふ、身の程が分かったか苗木、お前は……」
苗木(180)「」ニコッ
十神(180)「…………」パチクリ
苗木(180)(現時点で身長は十神クンとボクは同じ……けど)
苗木(180)(ボクにはアンテナがある! 希望はここにあったんだ!)
十神(180)「な……な……」
十神(180)「どういう事だ苗木、説明しろ! なぜお前が俺より高い!?」
苗木(180)「……あはっ」
苗木(180)「あはははははははははっ! スバラシイね!」
苗木(180)「ボクみたいなゴミクズでも十神クンに勝るものがあったなんて驚きだよ!」
十神(180)「ふ、ふざけるな!」
苗木(180)「ああ、でも残念だなぁ……まさか超高校の完璧を自称するキミがこんな小市民のゴミクズ風情に負けるなんて」
十神(180)「なっ、俺が負け……!?」
苗木(180)「でもこれもきっと更なる希望の為の布石だよね! ぜひボクを踏み台にして輝いてほしいな!」
苗木(180)「まあ今は……かませ負け犬の十神、クン?」
十神(180)「」チーン
十神(180)「ありえん……俺が……」ブツブツ
腐川(164)「白夜様!? 気を確かに……!」
苗木(180)「………………」
苗木(180)(なんかさっき誰かが乗り移ったような気もしたけど……) ※ヒント:身長
苗木(180)(これで目標の180㎝に到達だ!)
苗木(180)「やったぞ、希望は前に進むんだ! なんだか世界が違って見えるや!」
苗木(180)(不二咲クンは上手くいってるかな……?)
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:
― 翌朝 食堂 ―
ガチャ
セレス「皆様、ごきげんよう。山田、ミルクティーを」
山田「はいっ、ただ今!」
セレス(なんだか昨日は校内が騒がしかったような……気のせいでしょうか)
舞園(160)「あ、セレスさん。おはようございます」
セレス「ええ、ごきげんよう……あら、舞園さん。何か雰囲気が変わっていませんこと?」
舞園(160)「そうですか? ふふっ、きっと気のせいですよ」
セレス「…………?」
セレス「……」チラッ
朝日奈「やっぱり絶対縮んでるって!」
大神(187)「ふむ……測ってみない事には分からぬが」
十神(180)「ありえん……苗木に負けた……?」ブツブツ
葉隠(175)「訳分からんこと言ってないで金貸してくれよ、十神っち。3割にして返すから!」
腐川「びゃ、白夜様は傷心中よ……というかそれ丸損じゃない!」
セレス「………………」
セレス(何か……違和感があるような)
ガチャ
苗木(180)「おっはよー、皆!」
セレス「」
舞園(160)「そこまで伸びたんですか……」
苗木(180)「うん! どうかな、イケてる!?」
舞園(160)「うーん……そこまでいくとちょっと高すぎるような」
苗木(180)「そう? ボクとしてはこの姿がしっくりくるんだ! 何年も前からこうだったような気さえする」
舞園(160)「いえ、中学の時は間違いなくチビでしたよ」
苗木(180)「舞園さんひどい! でも許せる!」
セレス「……わたくしは疲れているのでしょうか」
ガチャ
石丸(146)「おはよう! 良い朝だね諸君!」
大和田(157)「うーっす」
セレス「………………」
ガチャ
不二咲(208)「おはよぉ、皆」
セレス「お待ちなさい」
セレス「どういう事ですかこれなんなんですかそれは」
不二咲(208)「ど、どうしたの? なんだかセレスさん怖いよ?」
セレス「怖いのはあなたです、不二咲くん。というか大和田くんや石丸くんまでどうしたのですかその身長は」
石丸(146)「むっ、身長? そういえば今日はいつになく皆が大きく感じるが……」
セレス「気のせいではありません。実際あなたは縮んでいます。というか不二咲くんはもはや巨人化の域です」
不二咲(208)「ち、違うよ、セレスさんと僕との距離が近くて二人との距離が遠いだけ! 遠近効果が出てるんだ!」
大和田(157)「おう、なんかそうらしーぞ!」
セレス「こんな露骨には出ねーよ!」
山田「セレス殿ー、お待たせですぞ……ってぬわーーっっ!? ちーたんがでっかくなっちゃった!?」でぶでぶ
山田「これではちーたんではなくちーさん……散歩の達人ですかな!?」
セレス「ややこしいから黙ってろ豚ァ!! ……こほん」
セレス「苗木くん、アナタも一枚噛んでいるのでしょう。不二咲くんのいつもの奇怪な発明が原因ですわね?」
苗木(180)「えっ」ギクッ
不二咲(208)「うっ」ギクッ
舞園(160)「バレちゃいましたね……」
セレス「さしづめ、皆さんの身長を吸い取る機械といったところでしょう。……わたくしにも仕掛けたのですか」
苗木(180)「い、いやセレスさんからは吸い取ってないけど」
不二咲(208)「僕も……」
セレス「それはよかったです。もしわたくしにそんなことをしていたら[ピー]を[ピー]して[ピー]してましたから」
苗木(180)「ひっ!」
不二咲(208)「」ブルブル
山田「む、むごすぎる……しかし食らえばむしろ新境地が……」ハアハア
セレス「とにかく皆さんの身長を元に戻しなさい。出来るのでしょう?」
不二咲(208)「そ、それはダメだよ! せっかくこんなに大きくなったのに!」
苗木(180)「そうだよ! この高さはボクらの希望なんだ!」
セレス「二人とも童顔ですからその身長はアンバランスです。というかはっきり言って不気味です」
セレス「せっかく二人ともB、もしくはAランクになる素質を持っているというのに……もったいありません」
苗木(180)「あ、そういう理由なんだ……」
不二咲(208)「……それでもボクは強くなりたいんだ! 大きくなって、大和田くんや石丸くんみたいに!」
石丸(146)「不二咲くん……!」
大和田(157)「不二咲、オメェ……」
セレス「………………」
舞園(160)(……シリアスになっているところ悪いけど大分面白い画ですね、これ)
苗木(180)(あ、やっぱそう思う?)
セレス「……不二咲くん」
不二咲(208)「……な、何?」
セレス「ミンチにすんぞ、このビチグソがあああああっ!!」
不二咲(208)「ひ、ひいいいいっ!?」ガクガクブルブル
セレス「……これで分かったでしょう。図体が大きくなっても決して強くなったわけではありません」
セレス「一時的に身長が高くなったところで、あなたたちが元々はホビット族であることに変わりはないのです」
苗木(180)(ひどい)
セレス「見た目だけの、中身の伴わない強さなどハリボテにしか過ぎません」
セレス「強くありたいならば、たとえ逆境でも笑っていられるほどの強さ……心の強さが必要です」
不二咲(208)「心の、強さ……」
セレス「……まあ、それでも背を伸ばしたいならば地道にカルシウムを摂ることです。そうですね、例えば……」
セレス「ミルクティーなど、いかがですか?」ニコッ
不二咲(208)「……うん。ありがとう、セレスさん……」
不二咲(208)「僕、体だけじゃなくて心を鍛えるよ!」
山田「イイハナシダナー……あ、ではもう一杯ミルクティー淹れてきます」
セレス「では山田が淹れてる間に戻してきなさい」
不二咲(208)「うん。……ゴメンね、大和田くん、石丸くん」
石丸(146)「なあに、兄弟の過ちなら笑って許そうとも!」
大和田(157)「おう、お前はもっと強くなれるぞ、不二咲!」
苗木(180)「……えーと、じゃあボクはここで……」
セレス「苗木くんも戻してきなさい」
苗木(180)「アッハイ」
……こうして、ボクと不二咲クンの計画は失敗に終わった。
でも不二咲クンは本当の強さについて分かったみたいだし、ボクも長年の夢が叶って満足だ。
まあ吸い取った人に謝って回る羽目にはなったんだけど……。
十神クンはまだ立ち直れてないみたいだし、返さなくてもバレないかも……
セレス「……苗木くん?」
苗木「か、返します、返しに行きます!」ダダダッ
セレス「まったく……」
セレス「あら? 不二咲くんが何かを忘れていったようですね」
セレス「これは…………」
セレス(80)「『他人のバストを吸い取るメガネ』……?」
終里
巨人化したちーたんとツッコミ入れてるセレスさんが書きたかっただけ
誰かバスト編書いてくれないかな……
依頼出してきます
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