ミカサ「ヒストリアの日記」(14)

―――新リヴァイ班 隠れ家

ミカサ「…今日は私はチヴィイ兵長に女子部屋の掃除を任された。私の手にかかればこんなの5分で終わる……」

ザッザッザッザッザッザッ!

ミカサ「我ながら早い掃除だ。…ん?」

ごそごそ…

ミカサ「ヒストリアの布団の下に何か書物のようなものが…?」

ミカサ(まさか、エロ本…)

ミカサ「いや、あの清純無垢なヒストリアがそんなものを読むわけが無い…」

ガサガサ

ミカサ「……これは………日記?」

ミカサ「…」

ミカサ(いや、日記はいわばその人のプライベート…勝手に覗くなど人としてダメな行為)


ミカサ(…)

ミカサ(でもつまり…日記にはその人の本心が現れる………ちょっと気になる)

ミカサ(…お父さん、お母さん、ハンネスさん、神様、仏様、エレン様……今日は私、少し悪い子になります…許してください)

ピラッ

ミカサ(…これは、訓練生の頃の日付…)

○月○日
皆に内緒で育ててる捨て犬…立派に育ってきた。でもそろそろ訓練生は卒業だから…お別れしなきゃダメだよね。私がいなくても大丈夫かな…捨てられたとか思わないかな、不安だよ(;_;)

ミカサ「………」

ミカサ「かわええ」

○月○日
ライナーがやたらと私をみてくる……なんでだろう。何かしたのかな。悪い事したのかな。何だか怖いから、ライナーにはもっと気を遣ってた方がいいのかな…そうしたら、もし悪い事してても許してくれるかな。

ミカサ(…)

ミカサ(ヒストリア…そんな不要な心配するからライナーが余計に勘違いするのよ…)

ピラッ

ミカサ(おっと、ページ飛ばしすぎてしまった…まぁいいか)

ミカサ(卒業後は日記書いてないのね…まぁ確かに書く余裕なんか無かったし)

ミカサ(次の日付は…私達がこの隠れ家に来てすぐの日)

○月○日
今日から私達はここで身を隠す事になりました。久しぶりに会ったサシャのはっちゃけぶりは素晴らしかったです、きっと彼女は長生きしてくれます。夕食の時、皆に自分の過去を話しました。皆は私をどう思ったんだろう…こんな暗いやつで嫌われたかな。本当の私は空っぽな人間だから…
暗いことばかりじゃダメだよね、他の事も書こう。ご飯が美味しかった。

ミカサ(…)

ミカサ(大丈夫よ、あなたは空っぽじゃないわ)

○月○日
ユミルはどうしてあっちに行ってしまったんだろう。今は落ち着いてきたから日記も書けるけど…やっぱり悲しい。初めて私に、絵本で見たのお母さんのように…接してくれた人だったから。
今日もつい、ユミルを悪く言ってる思ってコニーに言い返してしまった。気持ち悪いやつだと思われたかな……

ミカサ(…気にしてたのね。まぁ、でも思ってる事をはっきり言えるのはいい事だと思うわ)

○月○日
今日はエレンと初めてマトモに会話しました。クリスタの頃は気持ち悪かったと言われてショックだったけど、今の私は自然体でいいと言ってくれた。怖い人だと思ってたけど意外といい人なんだね。ユミルのイケメンっぷりには到底かなわないけど。

ミカサ(当然、エレンは世界一のイケメンだから。でも本当にユミルが大好きなのね)

○月○日
アルミンwwwアルミンがwww私の格好してオッサンに迫られたってwwwクソワロタwww

お疲れ様、アルミン。ありがとうね


ミカサ(急に違うしゃべり方になったからビックリしたわ……この子、ウケると性格変わるのかしら。しかし、それを表に出さないのは彼女なりの優しさなのだろうか)

ミカサ(しかし最後にはちゃんとアルミンに礼を言う……かわええ子ね」

ガチャッ

ミカサ「!」

ヒストリア「…あ」

ミカサ「あ」

ヒストリア「あ」

ミカサ「あ」

ヒストリア「…」

ミカサ「あの…これ、返す…ごめんなさ…」

ヒストリア「///」

ダダダダダッ!

ミカサ「わっ!?」

バサッ!

ヒストリア「…///」

ミカサ「布団の中に隠れてしまった」

ヒストリア「…見たの?」モゾモゾ

ミカサ「ええ、ごめんなさい」

ヒストリア「…」

ミカサ「…でも…」

ヒストリア「…」

ミカサ「これだけは言っておこう。あなたは普通の女の子」

ヒストリア「!」

ミカサ「次は償いとして…私の日記を見せてあげる」

ヒストリア「…え?」

ミカサ「エレン観察日記」

ヒストリア「…」

ヒストリア「気持ちはありがたいけどやめとく」

ミカサ「そう、残念」

ミカサ「…そろそろご飯の時間。行こうヒストリア」


ミカサ「皆が待ってる」

ヒストリア「…うん」



おしまい

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