穂乃果「完全自殺マニュアル?」 (81)
ある夏の日のこと
漫画を買いに書店へと入った私
冷房の効いた涼しい店内
真っ直ぐ漫画コーナーに向かう途中、ある1冊の本が目に入った
穂乃果「完全自殺マニュアル・・・?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405262687
その本を手に取ってみる
帯には、「18歳未満の方の購入はご遠慮下さい」と大きく、その下には、「いつでも自殺できるという安心感で、生きにくい世の中を生き延びる、大人のためのロングベストセラー」と小さく書かれていた
自殺は駄目だ、命を無駄にしてはいけない
そんな事は、小さい頃からお母さんや学校の先生に散々言われてきた
自殺はいけない・・・当たり前のことだけど、何故かこの本が欲しくなった
一体何が書かれているんだろう・・・
穂乃果「(18歳になってないけど・・・大丈夫だよね)」
制服ではなく、私服で来たので何とかなるだろう
私はその本をレジに持っていた
店員は特に年齢確認をすることなく、慣れた手つきで本にカバーをかけて袋に入れる
袋に入った本を受け取り書店を後にした
穂むらに戻った時に、あることに気付いた
穂乃果「・・・漫画を買うの忘れてた」
穂乃果「ま、いっか」
穂乃果「ただいまー」
穂乃果ママ「おかえり」
お母さんは台所にいるようだ
こんな本を買ったのがお母さんにバレたら、とんでもないことになるだろう
すぐに2階へと上がり扉を閉めて、袋から本を出した
穂乃果「どんな事が書いてあるんだろう・・・」
最初のページを開く
そこにはこう書かれていた
どうして自殺しちゃいけないのか?
なんで生きなきゃいけないのか?
という問いには、相変わらずなんの解答もない
確かに、お母さんや学校の先生はなんで自殺しちゃいけないのか、明確な理由を答えていない
皆が悲しむから、といっていた気もするけど・・・
なんで生きなきゃいけないのか?
今から下に降りてお母さんに「なんで生きなきゃいけないの?」って訊いてマトモな答えは返ってこないだろう
この本は至極当然なこと、いや、事実を淡々を書いている
私の興味は更にわいてきた
目次を見てみる
一目見ただけで自殺の方法は色々あることが分かった
穂乃果「どれから読もうかな」
穂乃果「ただ、今は夏だから凍死は無理だよね・・・」
>>9
1・クスリ
2・首吊り
3・飛び降り
4・リストカット
5・飛び込み
6・ガス中毒
7・感電
8・入水
9・焼身
とりあえず1から
穂乃果「まずは最初からだよね」
クスリのページを開いた
「赤、緑、黄色。机の上に散らばった原色のきれいなカプセルや錠剤。あるいは、盛り上げられた真っ白な粉末。」
「これを少しずつ飲みほしていくうちに眠ってしまい、もう二度と目を覚まさない。」
「安らかな眠りの延長線上にある死。これがもっとも理想的な自殺手段だ。そしてこれはクスリによってのみ可能な手段でもある。」
穂乃果「クスリで自殺って覚醒剤とかの中毒を指すのかな・・・」
「いちばん避けなければならないのが、飲んだクスリを吐き戻してしまうことだ。」
「とにかく致死量に向かって、1錠でも多く飲み下す敷かない。」
次のページからはクスリの種類と致死量が細かく記されていたが、どれも見たことがないクスリばかりで、農薬なんかは家にあるはずがない
ページをペラペラとめくっていくと、あるページに目がとまった
「プロバリン50錠を飲んで死の記録を付けた学生」
この学生は睡眠薬を飲んで永遠の眠りにつくその瞬間までノートに記録を付けていたと書かれていた
穂乃果「睡眠薬なら家にあったかも・・・探してみよう」
私は本に栞を挟み、睡眠薬を探しに階段を下りていった
幸い、戸棚の中に未開封の睡眠薬の箱があったので、私はお母さんたちに見つからないように、こっそりと自室に持ち帰った
穂乃果「これで買いに行く手間が省けたよ」
真新しいノートも用意し、いつでも自[ピーーー]る準備はできた
だけど、今から実行したら意識を失う前にお母さんたちにバレてしまう
ご飯できたよーとかお風呂入りなさーいとかで部屋に入ってきてしまうだろう
とりあえず、皆が寝静まった夜中に決行しよう
そして深夜
雪穂やお母さんたちが寝たのを確認した
今なら大丈夫
まずノートに「最期の時に」と書く
後々いじめが原因で自殺したんだと思われると嫌だから、1ページ目に断り書きをしておこう
「今、消え去っていくのも、一つの潮時だなと思って自殺を決行します!」
そして、運命の瞬間
飲んだら後には戻れない・・・
私は意を決して瓶に入っていた睡眠薬50錠を一気に飲んだ
現在平成26年7月14日午前0時49分
私はたった今、睡眠薬50錠を飲みました
あと何分、あるいは何時間後に眠りに落ち、この世と別れるかは知らないけど、その最期の瞬間まで、私は自分の死を観察しようと思います
穂乃果「時間はまだあるだろうから、μ'sの音楽でも聴こうかな」
イヤホンをつけてしばらく音楽を楽しむ
しかし、何故か今日に限って音楽が煩く感じる
興奮しているのだろうか・・・
音楽を消してイヤホンを外した
穂乃果「ちっとも眠くならないや・・・少し自分の人生について考えてみようかな」
穂乃果「せっかくだから、ノートに皆のことを書いておこう」
午前2時30分
さっきから頻りにアクビが出てきました
どうやら最期の時がきたようです
しかし、私は最後の最後まで死の気持ちを見つめていたい
ファイトだよっ!と自分に言い聞かせています
私の死体がいつ発見されるかは知らないけど、自分で自分の死体を眺めて見たいという欲求もあります
穂乃果「さて、一応皆に挨拶をしておかないとね」
穂乃果「文面は・・・「最期の時が来ました さよなら」でいいよね」
穂乃果「どうせ皆起きてないだろうし・・・」
私は皆にメールを送信しました
さっきからアクビが止まらないし、椅子に座っていても寝そうになる
穂乃果「(まずい・・・寝ちゃ・・・ダメだ・・・)」
眠い目をこすり、腕を必死に動かして最後までノートに記録をとります
穂乃果「(今・・・3時・・・?眠くて視界がぼやけ・・・)」
午前3時
私はあと5分
>>35
コンマ下1桁が0で海未ちゃんが助けに来る
は
海未「ここからは穂乃果に代わり、私が担当します」
海未「穂乃果は朝、机の上に突っ伏しているのを雪穂に発見されました」
海未「発見時には穂乃果は既に死んでいました・・・」
海未「机の上には遺書を書いたのか、最期の時にと書かれたノートが置かれていました」
海未「しかし、自殺の動機が私には分かりません・・・」
海未「穂乃果・・・なぜ貴女は自殺なんかしてたのですか・・・?」
海未「あんなにμ'sの活動もうまくいっていたのに・・・」
海未「・・・私があのメールに早く気づいていれば・・・」
海未「・・・・・・」
海未「穂乃果はいつも私の遥か先を行ってしまうんですね・・・」
海未「私も今から追いかけますから・・・待っていて下さいね?」
完
夜に海未ちゃんが助けにきたルート書きます
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救済ルートマダー?