ミネラルチャージプリキュア!(798)

※オリキュアです

第1話「ちょ、ムリだから・・・私がプリキュアとか・・・」

「Zzz・・・」

「・・・んっ」ピクッ

「ん・・・んああああああああ!!」ビキッ

「痛い!いたたたたたたたた!!」ビキビキ

「足攣ったあああああああああああ!!!」




ミネラルチャージ☆プリキュア(アイキャッチ)

<キーンコーンカーンコーン

先生「よーし、HR始めるぞー」

先生「・・・水入ー、あれ、水入いないのかー」

「はいっ!います!!いま来ましたっ!!」ドタバタ

先生「んー、遅刻なー」

「」

私、水入フエル14歳!!

まだ中学二年生なのに最近こむら返りがひどくって・・・

何?何なの?これは何かの呪い?

死ぬの?私死ぬの?

フエル「へあぁ・・・」ヨロヨロ

友達「おはよ、フエル」

フエル「あぁ、菜々っちおはよ・・・」

友達「なに、また足攣ったの?」

フエル「ええ、まぁ」

この子の名前は鹿尾菜々。幼稚園の頃から一緒の幼馴染。

菜々「アンタマジで足攣りやすいよね・・・おばあちゃん?」

フエル「ころころしますわよ?」

菜々「よくミネラルが足りないと攣りやすくなるっていうけど」

フエル「えー・・・いつも六甲のおいしい水飲んでるのに」

菜々「ミネラルウォーターかい・・・じゃなくてさ、もっと海藻とか食べなって」

フエル「たべてるよー」

菜々「本当に?」

フエル「うん!キクラゲとか大好きだし!!」

菜々「キクラゲって海藻じゃないし・・・」

フエル「ウッソ!?」

菜々「あれキノコだよ・・・」

フエル「まっ、マジで・・・えっ、じゃあもしかして中華クラゲも!?」

菜々「あれは本物のクラゲだね。海にいるやつ」

フエル「山クラゲも!?」

菜々「なにその異常なクラゲ押し・・・あれはレタスかなんかの茎でしょ、確か」

フエル「」

フエル「わ、私は14年間一体何を食べてきたというのか・・・」ガックシ

菜々「キノコとクラゲでしょ。あと草」

フエル「もうマリオじゃん・・・」

菜々「いや知らんし」

先生「おらー、そこうるさいぞー」

フエル「あっ・・・ここまで走ってきたせいでふくらはぎががががががが!」ビキッ

フエル「あぐああああああああああああああああああ!!!」ビクンビクン

・・・

<キーンコーンカーンコーン

フエル「はあぁ・・・」ゲッソリ

菜々「よっ、お疲れ!」ポンッ

フエル「決めた・・・あたい海藻食べゆ」

菜々「そんなすぐ効くもんでもないと思うけど」

フエル「千里の道もまず一歩から、ってね・・・とりあえず帰りにちょっとふえるワカメ買って帰る」

菜々「女子中学生がお小遣いで買うもんじゃないよそれ・・・」

フエル「だまらっしゃい・・・ん?」

?「・・・・」

菜々「どしたの?・・・およ、あれはヌイグルミ?」

フエル「誰かが落としたのかなぁ」ヒョイ

菜々「随分泥だらけだね」

フエル「・・・うぐっ!クサッ!?」プーン

菜々「・・・うぇ、本当だ!!ドブのニオイするそれ!!」

フエル「うわぁ触っちゃったよオイ・・・」ベットリ

菜々「ふ、フエル・・・こっちこないで」オェ

フエル「ひどい」

菜々「アンタ手ぇ洗ってきた方がいいよそれ」

フエル「ちくしょう・・・今日はついてないなぁ・・・」ベットリ

フエル「それにしても、一体誰が落としたんだろ。ていうか、くさ・・・」ジャブジャブ

?「・・・」ピクッ

フエル「ん・・・?」ジャー

?「う・・・・」ピクピク

フエル「んん?」

?「うう・・・」

フエル「えっ、も、もしかして・・・!?」

?「ぐ・・・う」

フエル「しゃべった!?」ジャー

?「がば、がばばごぼぼぼ!!?」

フエル「や、やばいどうしよ・・・もう水かけちゃったよ・・・」ジャー

?「と、止め・・・ごぼごぼ」

フエル「中の機械とか壊れてないかな・・・」ジャバジャバ

?「み、水を止めでええええええ!!!」ゴボボボ

フエル「ええい、ままよ!」ジャブジャブ

?「」

フエル「ふう・・・とりあえずきれいになったかな」

?「死ぬかとおもったっしょ・・・」グッショリ

フエル「あっ、まだ喋ってる。よかったぁ、壊れてないみたい」ホッ

?「じゃなくて!僕は玩具じゃないっしょ!!」

フエル「そんなことまで言うんだ・・・最近の玩具は侮れないなぁ」ウーム

?「駄目だコイツ、話が噛み合わねぇ」

?「じゃなくって・・・僕はブルーマリン王国の妖精、ソルトっしょ!!」

フエル「あぁ、そういう設定のあのアレなんだ」

ソルト「いや、違くて」

フエル「ま、持ち主も探してることだろうし、とりあえず交番にでも届けといてあげるか~」

ソルト「くっ、女子中学生の一般常識という概念がこれほどまでに高い壁になるとは思わなかったっしょ!」ダンダン

<ドカーン

<キャーーーー!!

フエル「なに今の音!?」

ソルト「まずいっしょ!!あれはきっとヘドリアンっしょ!」

フエル「ヘドリアン?サンバルカンの?」

ソルト「いや古すぎるっしょなんで知ってんのせめてデュエマだろ」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

フエル「とにかくちょっと様子を・・・」

ソルト「ああっ!危な・・・」

ベチャッ

フエル「」

ソルト「」

フエル「・・・くさい」プーン

ソルト「へ、ヘドリアンのヘドロ攻撃っしょ・・・」

フエル「・・・あれ、これもしかして私今ヘドロにまみれてる?」

ソルト「ええ、まぁ」

フエル「うわあああああああああああああああ!!!」ゾクゾクゾク

フエル「ありえないありえない!!こんなのありえないってええええええ!!」ベチャァ

ソルト「お、落ち着くっしょ!!」

フエル「いやあああああああ!!こんなのお風呂入ってもニオイ取れなくなっちゃううううううううう!!」

ソルト「と、とにかくここから逃げるっしょ!!」

フエル「こ、この格好で!?こんなヘドロにまみれたどくタイプのポケモンみたいな恰好で!?」

ソルト「それ以上はNのつく京都の会社が黙ってないから止めておくがいいっしょ」

フエル「む、無理だよ・・・こんなところ友達に見られたら、明日からあだ名がベトベターになっちゃうよ!!」

ソルト「おい」

ヘドリアン「ヌハァ~」ノッソノッソ

フエル「ひ、ひいいいいいいいい!?なにこのでかいの!?」

ソルト「ヘ、ヘドリアンっしょ!」

ヘドリアン「・・・」ノッソノッソ

フエル「こ、こっちに近づいてき・・・くさ」

ソルト「ど、どうしよ・・・くさ」

ヘドリアン「ヌゥ~」ブオンブオン

フエル「な、なんか腕を振り回してるよ・・・?」

ソルト「まずい!攻撃してくるつもりっしょ!!」

フエル「えええ~~~~!?」

フエル「ちょ、ちょっとタンマタンマ!!こんなハメ技ってあり!?」

ソルト「くっ、仕方がない、これを使うっしょ!!」

フエル「え、あのちょっと・・・いまガラケーとか渡されても」

ソルト「それを持って『プリキュアシップメント』と叫ぶっしょ!!」 ※シップメント=出荷

フエル「いや・・・あの・・・」

ヘドリアン「ヌオォォ~~~」

フエル「ひいいいいいいい!!」

ソルト「早くしろ!!間に合わなくなっても知らんぞーー!!」

フエル「なんなのよこれっ・・・!もうっ、分かったよ言えばいいんでしょ言えば!!」

フエル「プリキュア、シップメント!!」 ※出荷

カッ!!

ヘドリアン「!?」ズゾゾ

フエル「ミネラル溢れる海の恵み!!」

フエル「キュアワカメ!!」

ヘドリアン「・・・」

ソルト「・・・」

キュアワカメ「・・・」

キュアワカメ「・・・ちょっとタイム」

ヘドリアン「はい」

キュアワカメ「・・・なにこれ?」

ソルト「いやあの・・・はい」

キュアワカメ「なにキュアワカメって。馬鹿にしてんの」

ソルト「えっと、あの」

キュアワカメ「しかもこの格好。なにこのこれ」

ソルト「あの・・・はい」

キュアワカメ「誰が得すんの?これ」

ソルト「えーとあの・・・こ、子供とか喜ぶんじゃないですかね・・・あと一部の大きなお友達とか・・・」

キュアワカメ「目を見て言え」

ソルト「・・・と、とにかく!プリキュアの力でヘドリアンを倒すっしょ!!」

キュアワカメ「話終わってないんだけど」

ソルト「この街を救えるのは、キュアワカメ!キミしかいないっしょ!!」

キュアワカメ「ていうかその名前で呼ぶな」

ヘドリアン「ヌハァ~~」ブンッ

ソルト「危い!!」

キュアワカメ「へ?うわっ!!」ブォン

ヘドリアン「ヌゥゥ~~~」

キュアワカメ「どうやらタイムはここまでってことね!」

ソルト「早くヘドリアンを倒すっしょ!!」

キュアワカメ「とういうかあの、一介のJCにそんなこと言われましても」

ソルト「ですよね」

ヘドリアン「ヌゥン!」ブォン

<ドカーン

キュアワカメ「ひいいい!!地面に穴が空いたぁ!?」

ソルト「ええい!とにかくなんかビームとかそういうノリで出せそうなもんで戦うっしょ!!」

キュアワカメ「んなもん出るか!!」

ヘドリアン「ヌフッ」ブォン

キュアワカメ「え、ちょ・・・こっちに・・・くうっ!!」ガシッ

ソルト「へ、ヘドリアンの攻撃を受け止めたっしょ!!」

キュアワカメ「ぎぎぎぎぎぎ・・・・くさい!ヘドロのニオイで力が抜ける!!」プーン

ヘドリアン「ヌゥゥゥゥ~~~」グググ

キュアワカメ「ちょ・・・これ・・・マジでそろそろヤバイって・・・」ジリジリ

ソルト「キュアワカメ!!」

キュアワカメ「くっ・・・ぐ、ぐぐぐ・・・この~~~~」

キュアワカメ「キュアワカメ・・・パーンチ!!」 ←キック

ソルト「やり口が汚ぇ!!」

ヘドリアン「グアアアァァァァ!!」ドシュウウウ

キュアワカメ「き、効いてる!?」

ソルト「いまだキュアワカメ!一気に畳み掛けるっしょ!!」

キュアワカメ「いやあの・・・あとは警察なり自衛隊が何とかしてくれるんじゃないかな」

ソルト「ヘドリアンはプリキュアの力使わないと何か浄化とかそういうのできねーんだよ!!話が進まねぇだろそんぐらい悟れや!!」

ヘドロ「グ、グヌゥゥゥ・・・」

キュアワカメ「えーでも・・・これ浄化とかどうすんの・・・下水処理施設まで連れてくの?」

ソルト「あ、ちょっとそのファニーセル使ってみるといいっしょ」

キュアワカメ「ファニーセル?」

ソルト「さっきのガラケー」

キュアワカメ「ああ、はい」コレネ

キュアワカメ「出しまんた」ハイ

ソルト「ちょっと電話帳開いて。ヘルプデスクって入ってるっしょ」

キュアワカメ「はい」カチカチ

ソルト「ん。ちょっと貸すっしょ」

キュアワカメ「はい」ヒョイ

ソルト「・・・あ、もしもし。お世話になっております・・・、ちょっとヘドリアンの処理のことでお伺いしたいことがあってですね、問合せってこちらでよろしかったですか?・・・えぇ」

ソルト「はい・・・はい・・・えぇ、あ、コアですか?・・・はい、ちょっと確認してみますね」

ソルト「キュアワカメ、ヘドリアンの中になんか黒い塊みたいなの見えるっしょ?」

キュアワカメ「ないです」

ソルト「えぇーと、ちょっと見当たらないみたいですね・・・えぇ・・・あ、はい」

ソルト「ちょっとあの、中に手ぇ突っ込んでみてって」

キュアワカメ「嫌」

ソルト「あのー、ちょっと確認は難しそうですね・・・えぇ・・・あ、唾液ですか?」

キュアワカメ「今なんか不穏なワードが聞こえたんだけど」

ソルト「はぁー・・・それをヘドリアンにかける、と。あ、じゃあ早速試してみますー、有難うございますぅ」ピッ

ソルト「・・・」

キュアワカメ「・・・」

ソルト「今だ、キュアワカメ!!ヘドリアンに唾を吐きかけるっしょ!!」

キュアワカメ「頭湧いてんのか」

ソルト「いやホントマジにお願いしますよマジで」

キュアワカメ「あのさぁ、女子中学生にこんな格好させて唾まで吐けとか、これもう事案だからね?事案」

ソルト「はい、あの。大変恐れ入りますが何卒ご了承いただきたくてですね・・・」

キュアワカメ「大体これ私にメリットあんの?」

ソルト「ええと、あの・・・王国の方からもですね、出来る限りのバックアップはさせていただきますので・・・」

キュアワカメ「・・・はぁ、とりあえず、いつまでもこんなヘドロの塊があっちゃ迷惑だし。・・・今回だけだからね」ペッ

ヘドリアン「ウォォォォン・・・」ジュワアアアアア

キュアワカメ「あ・・・消えてく」

ソルト「・・・や、やったっしょ!!ヘドリアンを倒したっしょ!!」

フエル「あ、変身も解けた」シュイン

ソルト「ヘドリアンを倒したからっしょ」

フエル「はい・・・じゃ、これ、返すから」

ソルト「いや、ファニーセルは君が持ってるっしょ」

フエル「いらんわこんな食玩のおまけみたいな安っぽいガラケー」

ソルト「辛辣っしょ・・・ていうか、一回使っちゃったから後はもう2年間持ち続けてもらうしかないっしょ」

フエル「ちょっと何それ!?」

ソルト「2年以内に解約する場合は違約金が発生するっしょ・・・」

フエル「ヤクザか!!アンタが使えって言ったんでしょーが!!」

ソルト「だってあのままじゃ二人ともやられてたっしょ!!」

フエル「ああもう、今日は本当に厄日・・・ん?ヘドリアンのいたところに何か落ちてる」

ソルト「そっ、それは・・・!!ミネラルキューブっしょ!!」

フエル「なにその栄養補助食品みたいな名前」

ソルト「栄養補助食品じゃないっしょ!ミネラルキューブはブルーマリン王国から奪われた宝玉っしょ!!」

フエル「どうみても花王のバブじゃんそれ」

ソルト「これを集めれば、王国は元通りに・・・」

フエル「え、何、王国今なんかヤバイかんじなの?」

ソルト「実は・・・ブルーマリン王国は」

フエル「うんうん、大変だね。じゃあそれ持って帰ってね。がんばれ」

ヘドリアンってあれだろ手札操作とかが得意な闇文明の

ソルト「話は最後まで聞くっしょ!!このミネラルキューブは、悪の皇帝コースティックから盗み出されたもので」

フエル「さ、ヘドロも落ちたことだしふえるワカメ買いに行こ」

ソルト「聞いてえええええええ!!」ズリズリ

フエル「えぇー・・・面倒なことに私を巻き込まないでよ・・・」

>>49
そうそうDM03からでてきたやつ




ソルト「ミネラルキューブを取り戻すには、プリキュアの力が必要不可欠っしょ!!お願いだから力を貸して欲しいっしょ!!」

フエル「嫌」

ソルト「ふぅぅぅぅぅうん!!」ビクンビクン

フエル「悪いけど、他を当たってちょうだい」スタスタ

ソルト「ぐ・・・お、王国が復活した暁には、ミネラルキューブを1個3万で買い取るっしょ!!」

フエル「はい頑張ってー」

ソルト「3万5千!!」

フエル「あー、さっき戦って怪我したところがいたーい。ところでこれ慰謝料とかもらえるのかなー」

ソルト「ぐ・・・よ、4万で勘弁してほしいっしょ・・・」

フエル「4とか忌み数じゃん。あーあ、さっきの戦いの傷で私死んじゃうかも!毎回5万くらい貰えたらな~」

ソルト「こ、これ以上は・・・っ・・・!」プルプル

フエル「ね。だから他を当たったほうがお互いのためだよー、じゃあね!」

ソルト「ま、待つっしょ!!」ピポパ

ソルト「あ・・・もしもし、お疲れ様です・・・えぇ、ちょっと単価交渉の件でですね・・・」

ソルト「えぇ・・・片手で・・・はい、それはそうなんですがあの・・・すでにファニーセルを・・・」

ソルト「えっ!?わ、私の分から・・・?いやでもそれは・・・えっ、えぇ・・・ですが・・・」

ソルト「はい・・・はぃ・・・ぅぅ・・・分かり・・・まし・・・」ピッ

ソルト「・・・」(涙目)

フエル「どうだった?」

ソルト「ご・・・5万で・・・」(震え声)

フエル「ふふっ、これからもよろしくね!ソルト!!」ニコッ

ソルト「ひっく・・・ひっく・・・こ、こんなの絶対おかしいよぉ・・・」エグエグ

第1話 おわり

突然現れた謎の妖精ソルト!

この子のおかげで私がプリキュアになっちゃった!?

マジやってられん

次回

「新しいプリキュア!?あぁ、アレだわ・・・・間違いないわ・・・」

お楽しみに!!

第2話「新しいプリキュア!?あぁ、アレだわ・・・・間違いないわ・・・」

フエル「プリキュア、シップメント!!」 ※出荷

キュアワカメ「ミネラル溢れる海の恵み!!」

キュアワカメ「キュアワカメ!!」

ソルト「・・・」

キュアワカメ「・・・これって、毎回口にしないといけないわけ?」

ソルト「まぁその・・・名乗り口上は仕様の一部、ですかね」

キュアワカメ「大体中学生にもなってさぁ・・・コスプレするにしたってこの格好はないって」

ソルト「そうはいってもそれがプリキュアの正装なわけだし・・・ガマンしてほしいっしょ」

キュアワカメ「・・・」クルクル

ソルト「どうしたっしょ?」

キュアワカメ「これ、大丈夫?パンツ見えてない?」

ソルト「そこは大丈夫っしょ。最近はPの付く組織の監視が厳しくて、それだけは絶対見えないようなデザインになってるっしょ」

キュアワカメ「でもほら・・・この国の国民的ワカメっていったら、常時丸出しなワケだし?」

ソルト「国民的ワカメとか初めて耳にするフレーズっしょ・・・」

キュアワカメ「そもそもなんでキュア『ワカメ』なのよ!もっとマシなネーミングはないわけ!?」

ソルト「それも仕様っしょ。ファニーセルはそれを持った人に一番合ったプリキュアとしての名前を付けるっしょ」

キュアワカメ「なるほど、フエル+ワカメでふえるわかめってか・・・殴るよ?」




ミネラルチャージ☆プリキュア(アイキャッチ)

フエル「ていうか、私の他にプリキュア業を営んでいる人はいないの?」

ソルト「続々と斬新なフレーズを生み出すのは止めてほしいっしょ。確か、僕の他にもブルーマリン王国から人間界にきた妖精はいるはずだけど・・・」

フエル「そうなんだ・・・」

ソルト「やっぱり、気になるっしょ?」

フエル「うん・・・言ってみれば、同じミネラルキューブというパイを奪い合う商売敵なわけだからね」

ソルト「汚い、さすがこの娘汚い」

フエル「ヘドロにまみれてたアンタに言われたくない」

ソルト「でも・・・ヘドリアンの力をナメちゃいけないっしょ。場合によってはこれから先、フエル一人の力じゃどうにもできなくなることもあるっしょ」

フエル「そういえば、この間悪の皇帝がどうとか言ってたね」

ソルト「そう!悪の皇帝コースティック・・・奴らはブルーマリン王国に突如あらわ」

フエル「要するに悪い奴なんでしょ?」

ソルト「あ、はい」

フエル「言わば私は国に雇われた傭兵ってとこね」

ソルト「時々思うんだけど、フエルの発想は女子中学生のそれじゃないっしょ」

フエル「プリキュアのコスチュームこそ女子中学生のそれじゃないでしょ」

ソルト「・・・返す言葉もないっしょ」

フエル「とにかく、今日はもう寝よ!おやすみー」

ソルト「あ、はい」

・・・

「なに・・・新しいプリキュアが現れただと?」

「はっ」

「ふん、気に食わんな」

「いかがいたしましょう、陛下」

「ちょうどよい・・・例のものを使え。目障りなプリキュアどもを、この世界から駆逐するのだ」

「仰せのままに・・・」

・・・

フエル「菜々っち、おっはよー!」

菜々「おはよ!昨夜は足攣らなかった?」

フエル「うん!」

菜々「そりゃーよかった・・・ってフエル、そのヌイグルミ・・・」

フエル「あぁ、これ?とりあえず洗ってみたんだけど、どうかな」

菜々「いやどうかなじゃなくって・・・アンタ、中学生が拾ったヌイグルミを学校に持ってくるってどうなの」

フエル「大丈夫だよ~授業中は部室のロッカーに入れておくし」

ソルト(えっ)

菜々「部室って、剣道部の?」

フエル「そそ!」

菜々「はぁ・・・アンタねぇ、いいかげんロッカー使うだけじゃなくって、部活動にも顔出してあげなさいよね」

フエル「だって防具臭いんだもん」

ソルト(えっえっ)

菜々「それは仕方ないじゃん、汗かくんだし・・・」

フエル「それに、部活出た日の夜って足が攣りやすいんだよね~」

菜々「よくそんなんで県大会出場できるわよね」

フエル「むしろあれだけ練習してて私より弱いとかウチの剣道部ヤバイんじゃないの?」

菜々「アンタ・・・いま全剣道部員を敵に回したわよ・・・」

フエル「フフン、返り討ちにしてくれるわ!」

菜々「まったく・・・まぁ確かに、実力的に誰もアンタのわがままに口だせる状態じゃないのは確かよね・・・」

-剣道部部室-

フエル「すーっ・・・ふっ」 ←息止めてる

ガチャッ ポイッ バタン!!

フエル「ミッションコンプリート!」フヒュウ

<ドンドンドンッ!!

菜々「え、ちょっと・・・なんかロッカーの中から音がするけど」

フエル「竹刀でも倒れたんでしょきっと!さぁ、こんなくさいところからはさっさと離れよー!」

菜々「・・・でもこれ、ちょっとクセになるニオイよね」ボソ

フエル「えっ」

<ドンッ・・・ドンッ・・・

<ガタッ・・・

そして放課後・・・

フエル「すー・・・ふっ」

<ガチャ・・・

ソルト「」ダラン

フエル「ソぅトー、生きてう?」 ←鼻つまんでる

ソルト「そ、外の空気が・・・清々しいっしょ・・・」コヒューッコヒューッ

剣道部主将「あ、ああっ!!水入さん!今日は部活に顔出してくれるのねっ!?」

フエル「え、いやちょっと私物を取りに・・・」

剣道部主将「そ、そんなこと言わないで!!ほらっ!水入さんの防具、私ちゃんと磨いておいたからっ!!」ピカピカ

フエル「えっと、あの・・・」

剣道部主将「お願いだから、たまにはみんなに稽古をつけてあげてええええええ!!」オロローン

フエル「わ、分かりました・・・!」

剣道部主将「皆!今日は我が剣道部のエース、水入さんが来てくれました・・・っ!」ジワッ

フエル「ど、どうもー・・・あ、1年生の子は初めまして、かな・・・」

剣道部員A「すごい・・・あの人が伝説の・・・」ざわ・・・

剣道部員B「部活には滅多に顔を出さないけど、なんでも主将より強いらしいよ・・・」ざわざわ・・・

剣道部主将「みんな・・・今日は是非、この機会に水入さんに稽古を・・・っ、ううっ」ポロポロ

フエル「あ、あの主将、泣かないで・・・」オロオロ

ダンスEDまだー?

あと、プリキュアふりかけ(ワカメ味)と魚肉ソーセージもたのむ

・・・

フエル「きええええええっ!!」(迫真)

ドターン!!

剣道部員A「」

剣道部員B「」

ソルト「」

剣道部主将「素晴らしい・・・素晴らしいわ・・・」ウルウル

>>74
この人多分ダンスとかしたら足攣って死ぬんじゃない?(適当)



フエル「ふう・・・うう、やっぱり臭い・・・」モワーン

剣道部員A「み、水入先輩すごいです!!」

剣道部員B「ホント!まるで鬼のようでした!!人とか2,3人殺してそうな!!」

フエル「あはは、それって褒めてるの?」ビキビキ

<ワイワイ

剣道部主将「・・・」

-部室裏-

剣道部主将「やっぱり才能、かな・・・」

剣道部主将「私だって、小さい頃からずっと剣道をやってきたのに・・・」

剣道部主将「それに私・・・先輩のはずなのに、なんで後輩の防具の手入れなんかしてるんだろ・・・」

剣道部主将「はぁ・・・」

?「おやおや、いい感じに『腐って』ますねぇ」

剣道部主将「ひっ!?だ、誰?」ビクッ

男「いいですねぇ・・・そのまま腐り果ててしまいなさい」

男「漆黒の泥土よ、遍く世界を包み込め!!出でよ、ヘドリアン!!」

剣道部主将「あぐ・・・あ、あああっ!!!」

・・・

剣道部員A「こうですか!?」

フエル「ん~、ちょっと踏込が甘い・・・かな?」

剣道部員A「はいっ!!」

フエル(・・・っていうか、私、人に物を教えるの苦手なんだよねぇ)

<キャアアアアアア!!

フエル「っ!!何!?」

ヘドリアン「ヌォ~」ドシーン

剣道部員B「あ、あわわわ」ガクガク

フエル「あ、あれは!ヘドリアン!?」

ソルト「フエル~!!大変っしょ!ヘドリアンが現れたっしょ!!」

フエル「見れば分かるわ!!」

ソルト「ですよね」

ソルト「とにかく、早くファニーセルを!!」

フエル「あぁ、あれ?家に置いてきちゃった」テヘペロ

ソルト「んほおおおおおおおおおお!!!」ビクンビクン

ヘドリアン「ヌゥ~ウォ~!!」

剣道部員B「ひいっ・・・」ガクガク

フエル「あっ、やばい!あんなところに1年生が!?」

ヘドリアン「ヌアアアアアア!!」グオォ

剣道部員B「嫌ああああああああ!!」

ソルト「ふ、フエルッ!!」

フエル「ダメッ!間に合わない!!」

するとその時、彼女に向かって振り下ろされたヘドリアンの腕を何者かが切り裂いた。

剣道部員B「きゃあっ!!」

ヘドリアン「ヌグォォォォ!?」ズシーン

?「・・・」

ソルト「あ、あれは!!」

フエル「プリキュア・・・!?」

ソルト「間違いないっしょ・・・あれは、プリキュアっしょ!」

フエル「本当に、私の他にもプリキュアが・・・?」

?「鉄分豊富な海の恵み!!」

?「キュアヒジキ!!」

フエル「あ、間違いなく同業者ですわ、アレ」

ヘドリアン「ヌオォ~~~」ズモモ

キュアヒジキ「てりゃっ!!」バキイッ

ヘドリアン「ヌゥゥゥ!!」

ソルト「あのプリキュアは一体・・・?」

フエル「いやどっからどう見ても菜々っちでしょあれ」

ソルト「」

フエル「おーい、菜々っちー!」フリフリ

キュアヒジキ「」

フエル「?」

キュアヒジキ「見られた・・・死にたい・・・」ガックシ

フエル「まぁ気持ちは分かるよ」

キュアヒジキ「ち、違うのフエル!!これはあの趣味とかじゃなくって・・・」アタフタ

フエル「大丈夫、分かってるよ。菜々っちも妖精に唆されたんでしょ?」

キュアヒジキ「えっ・・・」

ソルト「人聞きの悪い言い方しないで欲しいっしょ」

フエル「いやー、実は私もプリキュアになっちゃってさー。今日はファニーセル家に忘れちったんだけど」テヘヘ

キュアヒジキ「じゃあもしかして、そのヌイグルミも・・・」

ソルト「あの・・・とりあえずヘドリアンをやっつけませんかね・・・」

キュアヒジキ「でも、いくら攻撃しても立ち上がってくるよ!?」

フエル「あー、アレね。唾かけときゃ消えるから」

キュアヒジキ「えっ」

ソルト「はい」

キュアヒジキ「なにそれ・・・へ、変態じゃない!事案よ事案!!」

フエル「だよねぇ」

ソルト「堪えてつかぁさい・・・プリキュアの体液には、ヘドリアンを浄化する力があるっしょ・・・」

キュアヒジキ「キモっ」

フエル「生理的に無理」

ソルト「う、うぅ・・・この仕打ち」シクシク

ヘドリアン「ヌ、ヌウゥ・・・・」モゾモゾ

ソルト「は、早く!ヘドリアンが起き上がる前に唾を!!」

キュアヒジキ「変態」

フエル「最低」

ソルト「んもおおおおおおおおおおおおお!!!」ダンダン

・・・

ヘドリアン「ヌ、ヌ、ヌウゥゥゥ・・・」シュオオオ

フエル「ヘドリアンが・・・消えていく」

キュアヒジキ「・・・フエル、あれ!!」

剣道部主将「・・・」

フエル「主将!?」

男「おやおや・・・元に戻ってしまいましたか」

キュアヒジキ「!?」

男「初めまして、プリキュアの御二方」

フエル「アンタは・・・」

男「私の名はカドミーム。偉大なる皇帝陛下コースティック様の第一家臣・・・」

フエル「菜々っち!あの男、どっからどう見ても変態よ!やっておしまい!!」ムキー

キュアヒジキ「え、えぇ・・・?でも、あんなのに唾なんてかけたらかえって逆効果なんじゃ・・・」

フエル「それもそうね」

カドミーム「おやおや、これはまた随分な言われようですねぇ」

ソルト「コ、コースティックの手下・・・?」ガクガク

カドミーム「ま、今日のところはこの辺にしておいて差し上げましょう・・・貴重な新型ヘドリアンのデータもとれたことですしね」

ソルト「ど、どういうことっしょ!?」

カドミーム「いずれ分かるでしょう・・・では、ごきげんよう」シュンッ

ソルト「ま、待つっしょ!!」

剣道部主将「ん・・・んぅ・・・」

菜々「あっ、フエル!主将さん、気が付いたみたい!」

フエル「あ・・・主将!大丈夫ですか、主将!!」

剣道部主将「あ、あれ・・・私・・・?」

フエル「よかった・・・主将、ここで倒れてたんですよ」

剣道部主将「・・・そう、なんだ」

菜々「でも、なんでこんなところに?」

剣道部主将「・・・実は、水入さんのことを見てたら、私、自身が無くなっちゃって」

フエル「えっ・・・」

剣道部主将「私ね・・・5歳のころから、ずっと剣道をやってるの。でもね、水入さんの剣の腕前を見て、実は自分は剣道に向いてないんじゃないかって・・・」

フエル「そ、そんなことないですよ!」

剣道部主将「え・・・?」

フエル「その・・・なんていうか私、剣を振るだけしか能がないし・・・主将みたいに、人に何かを教えたり、皆を引っ張っていくなんてできないですから!」

フエル「だから私・・・先輩のそういうところ、尊敬してます!!」

剣道部主将「水入さん・・・」

菜々「わ、私もその・・・主将さんのそのニオイが・・・す、好きです///」

フエル「えっ」ドンビキ

剣道部主将「あ、あのごめんなさい、そっちはちょっと・・・」ドンビキ

剣道部員A「あ、主将!こんなところにいたんですか!!」

剣道部員B「よかった・・・あの化け物に襲われたんじゃないかと心配してたんですよ!」

剣道部主将「みんな・・・」

フエル「みんな、主将のことを心配してたんだね」

剣道部主将「ありがとう、皆・・・私は大丈夫!」

・・・

フエル「やー、これで一件落着ってね!」

ソルト「ところで、君はどうやってプリキュアに?もしかして別の妖精が?」

菜々「ああ、それは・・・」

?「先輩!自分っす!!」

ソルト「うっ!そ、その声は・・・」

?「ソルト先輩!!ずっと会いたかったっす!!」

ソルト「うわあああやっぱりお前かああああああ!!」

フエル「何、知り合い?」

?「自分、ビネガーっす!先輩とは血よりも濃い繋がりで結ばれてるっす!」

ソルト「ご、誤解を招く表現はやめるっしょ!ただの後輩っしょ!!」

ビネガー「そんな、交配だなんて///」

ソルト「あああああああ」

フエル「これはひどい」ドンビキ

菜々「二人の時はもうちょっとマシだったんだけど・・・」ドンビキ

フエル「なんていうか、今ので関わり合いになりたくない度数が40%くらい上がったよね」

菜々「ね」

ソルト「ち、違うっしょ!誤解っしょ!!ああもうビネガーお前離れるっしょ!!」ベシッ

ビネガー「痛いッ!!・・・でも、気持ちいい・・・」

ソルト「」ゾゾゾ

フエル「どうでもいいけどさあ・・・さっきのあの変態男、あれ誰?」

ソルト「僕も初めて会ったっしょ・・・でも確か、コースティックの第一家臣とか言ってたっしょ」

菜々「コースティックって、ビネガーの言ってたあの悪の皇帝?」

ビネガー「そうっす!ブルーマリン王国はおろか、人間界まで乗っ取ろうとしているとんでもないヤツっす!!」

フエル「なんだよー、そういう輩はそっちの世界でちゃんと止めといてよね。人間界に迷惑かけないでよ」

ソルト「他人事みたいに言ってる場合じゃないっしょ!ヘドリアンをはじめとするコースティックの魔の手から人々を救えるのは、プリキュアの力だけっしょ!!」

フエル「いや、絶対米軍とかのほうが強いよねぇ、そう思わない?菜々っち」

菜々「思う思う」

ビネガー「気持ちは分からんでもないっすけど、ヘドリアンたちにはただの物理的攻撃は効かないっす。ヘドリアンを浄化するためには、プリキュアの体液が必要っす!」

フエル「その設定本当気持ち悪いから止めてくんない?」

ソルト「そ、そりゃ僕だってなんかこう、もっと綺麗な方法で倒せるならそれに越したことはないと思うっしょ!文句があるならそういう風にプロデュースしたコースティックに言うっしょ!!」

菜々「てか、そっちの世界ってさぁ、基本変態しかいないの?」

ビネガー「ニオイフェチの菜々が言えたことじゃないっす」

菜々「なっ・・・ち、違うわよ!私はただ、主将さんのニオイが好きなだけで・・・!」アタフタ

フエル「・・・私、アンタとの付き合い方考え直した方が良いような気がしてきた」

菜々「フエルまで!?」

フエル「ところで・・・今回のヘドリアンはミネラルキューブ出さなかったね」

菜々「ミネラルキューブ?」

ビネガー「ブルーマリン王国復活のカギとなる宝玉のことっす。でも、おかしいっすね?奪われたミネラルキューブは、ヘドリアンのコアになってるんじゃないっすか?」

ソルト「そういえば、さっきカドミームは主将さんを見て『元に戻った』とか言ってたような・・・ん?」

フエル「どしたの?」

ソルト「え・・・ちょ、なにこの異物感・・・ぅぷ」

フエル「ちょっとソルト・・・」

ビネガー「だ、大丈夫っすか?先輩」

ソルト「わ、悪いけどちょっと背中さすってほしいっす・・・オエ」

ビネガー「大丈夫っすか?大丈夫っすか!?」サスサス

ソルト「ゲッホゲホ!オエッ!!ヴォエ!!」

春の木漏れ日の中で

 君の優しさに

埋もれていた僕は

 弱虫だったんだよね

・・・

ソルト「がはっ・・・はあぁ・・・おぇっぷ」コロン

ビネガー「あっ!先輩の口からミネラルキューブが・・・!」

フエル(うわぁ・・・)

菜々(うわぁ・・・)

ソルト「そ・・・そんな汚物を見るような目で見ないで欲しい・・・っしょ・・・」グッタリ

フエル「あんた・・・やっぱりヘドリアンだったんだ・・・」

ソルト「違うっしょ!!さっきいきなりお腹の中に異物感を感じたっしょ!!」

ビネガー「・・・そういえば、隣国の妖精は体内から宝玉とか出てくるらしいっすよ」 ※本家はケツや鼻から出ます

菜々「やっぱり変態ばっかじゃない」

ソルト「なにこれもうやだ」

菜々「ところでフエル・・・アンタもプリキュア、なんだよね・・・」

フエル「んー、まぁ一応2年契約ってことでね」

菜々「そっか・・・ふふ、なんか奇遇だね。幼馴染の私達が一緒にプリキュアやるなんてさ」

フエル「そうさね」

ビネガー「うんうん、青春っすねぇ」

・・・

カドミーム「陛下、ただ今戻りました」

コースティック「・・・どうだった」

カドミーム「問題ありません。無事人間をヘドリアンにすることができました」

コースティック「そうか・・・フッフッフ」

コースティック「フハハハハハハ!!」

第2話 おわり

うそ、菜々っちまでプリキュアに!?

被害者はどんどん広がっていくばかりじゃない!!

こうしちゃいられない、すぐに被害者の会を立ち上げなくっちゃ!!

次回

「お米には八十八の手間がかかっている」

お楽しみに!!

第3話「お米には八十八の手間がかかっている」

ヘドリアン「ヌグォォォ!!」

キュアワカメ「・・・」ドゴォ

ヘドリアン「グ、グオオオォ!!」

キュアヒジキ「・・・」バキィ

ソルト「む、無言で敵を殴るのは止めるっしょ!なんか怖いっしょ!!」




ミネラルチャージ☆プリキュア(アイキャッチ)

キュアヒジキ「え・・・だって、ねぇ?」

キュアワカメ「アニメや漫画でもあるまいし、殴る時にわざわざ何か叫ぶ必要ないでしょ」

ソルト「こ、こいつら・・・」

キュアワカメ「ていうか、プリキュアやるにあたって何か武器とかないわけ?」

キュアヒジキ「そうだよ。いくら元に戻った時に落ちるとはいえ、徒手空拳じゃヘドロがついて気持ち悪いんだから」

ソルト「そんなこと言われても・・・」

ビネガー「先輩、ヘルプデスクに問い合わせてみたらどうっすか?」

ソルト「やっぱそうするしかないか・・・」ピポパ

キュアワカメ「最初からそうしなさいよ使えないわね」

キュアヒジキ「あ、そんなのあるんだ」

キュアワカメ「こういうとこなまじ人間社会っぽいよね」

ソルト「・・・あ、もしもし。お忙しいところすみません。あの、プリキュアの武器の件でですね・・・」

・・・

ソルト「・・・はい、あ、じゃあやってみますね。はい、ありがとうございます。失礼します」ピッ

ビネガー「どうっすか?」

ソルト「分かったっしょ。使いたい武器をイメージして名前を叫ぶと、その武器が現れるらしいっしょ!」

キュアヒジキ「武器の名前、って言われてもねぇ」

ソルト「モノ自体はなんでもいいらしいっしょ。とにかく、自分の使いたい武器を想像しながらその名前を叫んでみるっしょ」

キュアヒジキ「武器、かぁ・・・どうせなら強そうなのがいいよね」

キュアワカメ「そだね」

ビネガー「キュアヒジキ!早速やってみるっす!」

キュアヒジキ「よーし、それじゃあ・・・」

キュアヒジキ「プリキュア・・・核!!」

ソルト「」

キュアワカメ「はぁー、これが・・・」ツンツン

ソルト「ちょちょちょ!核て!!なんちゅうもん繰り出してるっしょ!!」

キュアヒジキ「でも、これを使えば多分一発だよ?」

ソルト「この街一帯がな!!」

キュアワカメ「もうちょっと使いやすいのがいいんじゃない?」

ソルト「じょ、常識の範疇でお願いしますよ・・・」ドキドキ

キュアワカメ「プリキュア竹刀」

ソルト「これはまたひどく普遍的なものを・・・」

キュアヒジキ「まぁ、たしかに普段から使い慣れてるものだしね」

ビネガー「自分、プリキュアってもっとこう、魔法少女みたいにステッキ的なものを使うもんだとばかり思ってたっす」

キュアワカメ「いいでしょーが。名を捨てて実を取る。実戦じゃ使い慣れた武器が一番よ」

ヘドリアン「ヌ・・・グゥ・・・・」ズモモ

ビネガー「はっ、まずいっす!ヘドリアンが再生し始めてるっす!」

ソルト「は、早くトドメを!!」

キュアワカメ「・・・このヘドロ野郎が」ペッ

ヘドリアン「グ、グオオオォォォ・・・・!」シュウウウウウウ

ソルト「・・・どう見ても子供に見せられるような画じゃないんだよなぁ、これ」

通行人「・・・はっ」

菜々「大丈夫ですか?」

通行人「あれ・・・俺は、一体・・・?」

フエル「ダメですよぉ、こんな道端で寝てちゃ」

通行人「ね、寝てた・・・?そ、そっか。ごめん、起こしてくれてありがと・・・」

菜々「・・・やっぱり、このヘドリアンは人間が姿を変えられてるってことで間違いないみたいね」

ソルト「ヴォエ!!オ゛エ゛ェ゛ェーーーーッ!!」ゲッホゲホ

ビネガー「先輩!先輩!!」サスサス

フエル「・・・それと、ミネラルキューブは妖精の体内から排出されるってのもね・・・」

ソルト「ごぉえっ!!」コロン

ビネガー「あっ、出たっす!先輩、ミネラルキューブ摘出完了っす!!」

ソルト「殺して・・・いっそ殺して・・」ピクピク

フエル「よし、じゃあ帰ろ・・・あれっ」

菜々「どしたの?」

フエル「あそこのラーメン屋・・・もう潰れてる」

菜々「あぁ、あそこ?・・・前に食べに行った男子の話じゃ、相当不味かったみたいだよ」

フエル「へぇ、そうなんだ。なんか、店主のおじさんはいい人っぽい感じだったけど・・・」

菜々「ま、良い人かどうかとラーメンが美味しいかはまた別の話だしねぇ・・・」

フエル「まぁねぇ」

菜々「ていうか、早く帰んないと夕飯に間に合わなくなっちゃうよ!」

フエル「わ、もうこんな時間か!じゃ菜々っち、また明日ね!」

菜々「うん、バイバイ!」

・・・

フエル「それにしてもさ。コースティックとかいうやつも、人間界を乗っ取ろうとしてる割には随分段取り悪いよね」

ソルト「いや、そんなこと言われても・・・」

フエル「私だったらさ、こう、プリキュア云々言う前に各国の首脳を洗脳するか、その国の軍隊を先に潰しちゃうけどね。そうすればあとはワンサイドゲームだし」

ソルト「何、最近のJCってみんなこういう発想なわけ?なんか怖いっしょ・・・」

フエル「そもそもなんでブルーマリン王国は滅ばされた訳?」

ソルト「コースティック率いるスラッジ帝国は、基本的に綺麗なものが大嫌いっしょ。それこそフエルたちがヘドロを嫌うのと同じように」

フエル「へぇ」

ソルト「ブルーマリン王国は、名前の通り青いサンゴ礁の海に囲まれた綺麗な国だったっしょ。多分コースティックは、そんなブルーマリン王国が許せなかった訳っしょ」

フエル「なるほどね。で、王国のみならず今度は人間界までヘドロに包もうとしているわけ?」

ソルト「有り体にいえばそういうことっしょ。コースティックは全ての世界を腐食させ、自らの好む環境に作り替えようとしているっしょ」

フエル「ヤマトでいうところのガミラスフォーミングみたいなもんだね」

ソルト「ちょっと仰ってること分かりかねますね」

フエル「ふむぅ、しかしそれは相容れない相手ですなぁ」

ソルト「そうっしょ?だからこそ、フエルたちプリキュアの力が必要な訳っしょ」

フエル「ちなみに、私のプリキュアとしての最終目的地はどこなの?」

ソルト「無論、悪の皇帝コースティックを打ち破るまでっしょ!」

フエル「めんどくさ・・・」

ソルト「あぁ言っちゃった・・・」

フエル「大体ね、私も菜々っちも、いくらプリキュアとはいえ変身してなければ生身の女子中学生なわけだよ?」

ソルト「それはそうっしょ」

フエル「もしコースティック陣営がその気になれば、寝込みを襲うとか、私達の事を社会的に抹殺するとか色々手はあるわけじゃない?」

ソルト「いや、それはないっしょ」

フエル「なんでそう言い切れるのよ?」

ソルト「プリキュアはそもそも聖なる力で守られてるっしょ」

フエル「聖なる力?」

ソルト「そうっしょ!その力に守られている限り、いくらコースティックとはいえ直接プリキュアに手を下すことは不可能っしょ!」

フエル「ていうか、だったらその力で王国を守ればいいんじゃないの?」

ソルト「だから、その役割を果たしてたのがミネラルキューブっしょ!!」

フエル「あ、そうなの。そういう事は早く言ってよね」

ソルト「本当だったら第1話で言うつもりだったっしょ!フエルが僕の言葉を遮るからいけないっしょ!!」

フエル「ちょっと仰ってること分かりかねますね」

ソルト「そもそもブルーマリン王国には国を守るためにたくさんのミネラルキューブがあったっしょ」

フエル「へぇ」

ソルト「それがある日突然、コースティックによって全て奪われてしまったっしょ!」

フエル「ちゃんと管理しとかないから・・・」

ソルト「うぐ・・・と、とにかくそのせいで、いまやブルーマリン王国はコースティックの力のせいで国全体がヘドロ溢れるフナが全滅した時の隅田川みたいな状態になってしまったっしょ!」

フエル「完全に自業自得じゃん」

ソルト「ぐぬぬ!!返す言葉もないっしょ!!」ダンダン

フエル「でも・・・最初のひとつがヘドリアンの身体の中から出てきたのはまぁ分かるとして、なんで最近のミネラルキューブはアンタの身体から出てくんのよ」

ソルト「それはこっちが知りたいっしょ!!こんなん、入社説明のときにも聞いてなかったっしょ!!」プンスカ

フエル「入社て」

ソルト「・・・まぁ、あの時ビネガーも言ってた通り、僕たち妖精には不思議な力があるっしょ。きっと、ヘドリアンに取り込まれたミネラルキューブの力が、ヘドリアンを倒すことによって解放され妖精の身体の中で再結晶化する・・・多分そんな感じのアレっしょ」

フエル「ちょっと無理のある説明じゃない?」

ソルト「そんなこと言われましても・・・」

<フエルー、ゴハンヨー

フエル「あ、はーい!今行くー」

ソルト「とにかく、ミネラルキューブを取り戻すために力を貸してほしいっしょ」

フエル「まぁ、契約だしね。1個5万のミネラルキューブは出来高として、あとは年棒が・・・」

ソルト「えっ」

フエル「とにかく私ご飯食べてくるから!!」

ソルト「え、ちょ・・・年棒ってどういうこと・・・」ガクガク

・・・

カドミーム「おやおや・・・街中が不快な香りに包まれていますね」

ヘドリアン「ヌ、ヌォォ・・・」

カドミーム「えぇ、分かってますよ。さあ、あなたの思うままにこの街のニオイを塗り替えてしまいなさい!!」

・・・

フエル「お母さん、今日の夕ご飯なにー?」

フエルママ「今日はカレーでーす」

フエル「やっぱりねー!へへ、さっきからカレーのニオイがしてたもんね!」

フエルママ「さ、食べ・・・くさ・・・」

フエル「えっ・・・あっ、ホントだ、くさ・・・」

フエル「ちょ、ちょっとお母さん・・・何このニオイ・・・」

フエルママ「お、おかしいわね・・・?さっきまで火にかけてたのにもう悪くなっちゃったの?」オロオロ

フエル(・・・これって、もしかして)

<prrrrr…

フエル「もしもし・・・あ、菜々っち?」

菜々『フ、フエル!アンタもうご飯食べた!?』

フエル「いや、これからだったんだけど・・・もしかして、菜々っちのところもご飯がヘドロみたいなニオイに?」

菜々『そうなのよ!これってもしかして・・・』

フエル「間違いないわね・・・」

フエル「お母さん、私ちょっと出かけてくる!!」ドタドタ

フエルママ「ああちょっと、フエル!?」

・・・

フエル「ぐぇ・・・街中がヘドロのニオイに・・・」オェ

菜々「フエル!!」

フエル「菜々っち!!」

菜々「一体これはどういうこと!?」

フエル「分かんない・・・ごはんを食べようと思ったら、急に辺りがこんなニオイに・・・」

ソルト「これは間違いなくヘドリアンの仕業っしょ!」

フエル「うん、それはなんとなく分かるから」

菜々「そういうのじゃなくて、ヘドリアンがどこにいるとかもっと有益な情報を出してよ」

ソルト「ふ、二人ともなんて冷たい視線っしょ・・・!」ガクガク

ビネガー「先輩、元気出すっす!自分は先輩の味方っす!」

フエル「あー、もうダメ!このニオイで頭痛くなってきた!」

菜々「とにかく、変身しましょ!」

フエル「うん!」

二人「プリキュア、シップメント!!」 ※【シップメント】 出荷。

カッ!

キュアワカメ「ミネラル溢れる海の恵み!キュアワカメ!!」

キュアヒジキ「鉄分豊富な海の恵み!キュアヒジキ!!」

キュアワカメ「・・・相変わらずひどいよね、これ」

キュアヒジキ「うん、ひどい」

ソルト「言ってる場合じゃないっしょ!!早くヘドリアンを探すっしょ!!」

キュアワカメ「探すって言われてもねぇ・・・」

キュアヒジキ「聞き込みとかしてみる?」

キュアワカメ「この格好で?それは嫌」

キュアヒジキ「だよねぇ」

ソルト「真面目にやるっしょ!」

キュアワカメ「っていうか、アンタ空から探してきなさいよ」ムンズ

ソルト「え、ちょ」

キュアワカメ「大きく振りかぶって・・・てーい!」ブォン

+ <ウワアアアアアアアア

キュアヒジキ「すごい・・・あっという間にあんなに高くまで・・・」

ビネガー「すごい強肩っす!メジャーからスカウト来ちゃうっす!」

ソルト「うわあああああああ・・・あ、あれは!!」ヒュウウウ

ヘドリアン「ヌゥゥゥゥ・・・」

ソルト「み、見つけたっしょ!!キュアワカメ、ヘドリアンは公園の近くの丘に・・・って」ウウウ、ウ・・・

ソルト「落ち・・・始め・・・」

ソルト「うわああああああああああああああああ!!!」ヒュウウウウウウウウ

キュアワカメ「公園の近くの丘・・・あそこね!!」ダッ

キュアヒジキ「行きましょ!!」ダダッ

ソルト「待ってまって!!まず先に僕を受け止めて欲し・・・ああああああ!!!」ヒュウウウウ

ビネガー「せんぱァい!!」バッ

ソルト「ビネg」

<メキョッ

・・・

ヘドリアン「ヌゥゥゥ」

キュアワカメ「見つけたわよ、ヘドリアン!!」

キュアヒジキ「アンタのせいで、あの子たちは・・・!」

ソルト「ケ、セラ、セラ・・・ウパァ・・・」

ビネガー「きょっぴぱるめろっ、もちゅ」

ヘドリアン「えっ」

キュアワカメ「プリキュア竹刀!!」

ヘドリアン「ヌゥゥオォォ!」

キュアワカメ「さぁ、覚悟なさい!!」

キュアヒジキ「キュアワカメ、いっけぇー!!」

キュアワカメ「きえええええええええええええええ!!」

ドゴオッ!!メキメキバキバキバキィッ!!

穏やかな海が爆音で渦巻く

 炎が上がる

黒煙の空で死神がほほえむ

 大地が割れる

・・・

ヘドリアン「」

キュアワカメ「あ、やば・・・地面割れちった・・・」

キュアヒジキ「ちょ、やりすぎだって!!」

キュアワカメ「ごめーん・・・」

キュアヒジキ「次は私が・・・」

カドミーム「お待ちなさい」

キュアワカメ「カドミーム!?」

キュアヒジキ「よし、折角だからアイツごと倒せば無問題ね!」

カドミーム「やれやれ、アグレッシブなお嬢様方だ」

キュアワカメ「ブルーマリン王国はともかくとして、人間界にまでヘドロまみれにすんのはマジ迷惑だから止めなさい!いやほんとマジ迷惑だから止めなさい!!」

キュアヒジキ「うん、大事なことだからね!!」

カドミーム「やれやれ・・・貴方がたには腐敗した世界の素晴らしさが分からないのですか?」

キュアワカメ「分かるか!!」

カドミーム「ふふ、愚かですねぇ・・・世界にはこれほどまでに腐敗が蔓延してるというのに」

キュアワカメ「ていうか、正確には臭いのが嫌!!」

カドミーム「ふん、まぁいいでしょう。ヘドリアン、やってしまいなさい」

ヘドリアン「ヌゥゥ!!」

キュアヒジキ「プリキュア投石!!」ブォン

ヘドリアン「」ドゴォ

キュアワカメ「やったぜ」

カドミーム「おや、瞬殺されてしまいましたか・・・思ったより貴方がたの力は強さを増しているようですね」

キュアワカメ「次はアンタの番よ、カドミーム!!」

カドミーム「ふむ、確かに・・・そろそろヘドリアンだけでは力不足かもしれませんね」

キュアヒジキ「プリキュア投石!!」ブォン

カドミーム「おっと」パシッ

キュアヒジキ「!!」

キュアワカメ「キュアヒジキの投げた石を・・・片手でキャッチした!?」

カドミーム「こんなもの、ハエが止まりますよ」

キュアヒジキ「くっ・・・スポ魂漫画でよくある必殺技を会得したばかりの主人公を上から目線で馬鹿にする得体の知れない敵チームのエースみたいなセリフをっ!!」

キュアワカメ「またえらく具体的だね。好きなの?そういう漫画」

カドミーム「いいでしょう・・・次は貴方達を退屈させないよう、もっと歯ごたえのある相手を用意しますよ。ではその日まで、ごきげんよう」

キュアワカメ「くっ、逃げるなカドミーム!!」

カドミーム「またお会いしましょう、プリキュアよ!!」

キュアワカメ「カドミーム!!」

キュアヒジキ「・・・キュアワカメ、とりあえずあのヘドリアンを浄化しよう」

・・・

おじさん「ん・・・んん・・・」

フエル「あれ・・・このおじさん・・・」

菜々「知ってんの?」

フエル「この人だよ、さっき言ってたラーメン屋のおじさんって」

菜々「あ、そうなの?」

おじさん「あれ・・・こ、ここは・・・?」

フエル「大丈夫ですか?・・・って、くさ」

菜々「うっ、ホントだ・・・ヘドリアンは倒したはずなのに、どうして・・・」

おじさん「僕は一体・・・そうだ、食材を仕入れに行った帰りで・・・」

フエル「しょ、食材?」

見ると、彼の手には悪臭を放つ得体の知れないものが入ったビニール袋がぶら下げられている。

菜々「うっ・・・そ、それは・・・?」

おじさん「あぁ、いろいろな飲食店の余り物を引き受けてきたんだ・・・まだ食べられるし、勿体ないからね」

フエル「いや、もうそれ・・・無理でしょ」

おじさん「食べ物を無駄にしてはいけないよ。世界には食べられない人もたくさんいるんだからね」

菜々「そういう人たちでも拒否するレベルだよ、それ・・・」

おじさん「それを知ってもらいたくて、僕も店を出したりしたんだけど・・・国の妨害が入って営業停止になってしまってねぇ」

フエル(保健所か)

菜々(保健所ね)

おじさん「・・・そうだ、よかったら君たちもこれから僕の」

フエル「結構です」

・・・

フエル「はぁ、それにしても面倒なことになったねぇ」

菜々「もうほんと、こっちこそ国に動いてもらいたいレベルよね」

ソルト「セッ、セッセ・・・ホヒッ・・・はっ!!」

フエル「あ、気が付いた?」

ソルト「ヘドリアンは!?ヘドリアンはどうなppm@ぇー-」

菜々「まだちょっと後遺症があるみたいね」

ビネガー「ぢゅ・・・ぼ、まののののの・・・こぽぉ」デロン

ソルト「はっ、ミネラルキューキュブーブブ~{+:`!!」

フエル「あ、今日はそっちから出た」

菜々「相変わらず汚いなぁ・・・」

フエル「ところで、さっきのカドミームの話・・・」

菜々「うん・・・次はもっと歯ごたえのある相手を用意するって・・・」

ソルト「カドミームがそんなことを?・・・これはいよいよ油断してられなlll:@ぉ9!!」

ビネガー「もるっもるっもるっ」ビクンビクン

フエル「本当に・・・私達これからどうなるのかな」

菜々「うん・・・」

フエル「・・・でも今はとりあえず!ご飯が元に戻ったかどうかだけを心配しよう!!」

菜々「あ・・・そうだよ!うちなんかお兄ちゃんが一口目を頬張った瞬間あのニオイになって大変だったんだから!!」

フエル「うわ・・・お兄さん南無」

フエル「とにかく今日はもうウチに帰ろう。急に家を飛び出してきたし、お母さん心配してるよ」

菜々「うん、そうだね」

ビネガー「ぴっぴっぴー、ぺちょんお」

菜々「とりあえずこれ・・・このまま連れて帰るわけにもいかないし、スイッチとか切れないかな?」

フエル「あ、竹刀出そうか?電源落とすだけならできるかも」

ソルト「ちょ・・・そういう恐ろしい発想を平気でするのは止めるっしょ!!」

第3話 おわり

ついに合いまみえたコースティックの第一家臣カドミーム!

でもそんなことよりカレーがくさいってもう致命的すぎるからやめてよマジで

次回

「恋するフォーチュンクッキーのゴリ押し感(前編)」

お楽しみに!

※参考:キュアワカメさん

http://i.imgur.com/h8RErDN.jpg

第4話「恋するフォーチュンクッキーのゴリ押し感(前編)」

<キーンコーンカーンコーン

フエル「中間テスト終わったぁーっ!!」

菜々「終った・・・フィニッシュじゃなくてジエンドな感じで終末った・・・」

フエル「なに、そんなに酷かったの?」

菜々「もう一休さんがキリスト教に改宗するレベルだよ・・・」

フエル「よく分かんない例えだなぁ」

<オイ、ソッチイッタゾー!!

菜々「えっ・・・?うわあっ!!」サッ

フエル「へ?ぐみゃあっ!!」 ←サッカーボール顔面直撃

菜々「うわー、危なかったぁ・・・」ドキドキ

フエル「なんで避けた!?ねぇ今なんで避けた!?」




ミネラルチャージ☆プリ(ry)

菜々「だ、だって・・・あ、フエル眼鏡落ちたよ」ハイ

フエル「お、おおぉ・・・」ピクピク

サッカー部員「ごめん!大丈夫!?」

フエル「・・・・・・」ボタボタ

サッカー部員「うわ、鼻血!?やばい、すぐ保健室に!」

フエル「いや、あの・・・じっとしてれば止まるから・・・」

サッカー部員「いいから」ヒョイ

フエル「へっ?う、うわっ!?」

サッカー部員「おーい!ちょっと俺この子保健室連れてくわ!!」

フエル「ひ、ひぇ・・・///」

菜々(お姫様抱っこ・・・だと)

・・・

養護教諭「うん、あとはしばらく圧迫しとけば止まるでしょ」

フエル「うぅー・・・」ムギュー

養護教諭「まったく、年頃の女の子の顔にボールぶつけるなんて・・・気をつけなさいよ」

サッカー部員「ごめんな・・・」

フエル「いぇ、らいじょうぶれふ・・・」

養護教諭「あ、あとアンタ。袖んとこに彼女の鼻血ついてるわよ」

フエル「!」

サッカー部員「あぁ、これくらい、洗えば取れますから」

救護教諭「ウェットティッシュあげるから拭いてきなさい。シミになるわよ」

サッカー部員「あ、どうもっす」ゴシゴシ

フエル(な、なんだこれ・・・すごく恥ずかしい・・・///)

・・・

フエル「失礼しましたぁ」ガラガラ

菜々「お、もう止まった?」

フエル「何とか・・・」

菜々「・・・で、どうよ?」

フエル「何が?」

菜々「お姫様抱っこされた感想は」

フエル「んなっ・・・!」

菜々「いいよねぇ、憧れるよねぇ・・・」

フエル「何言ってんの・・・恥ずかしいから止めてよ」

菜々「あれ確か、サッカー部の篠宮先輩でしょ?」

フエル「知ってんの?」

菜々「うちのサッカー部のエースだよ。なんでも高校サッカーの強豪校から声がかかってるとか・・・」

フエル「へぇ、そんなすごいんだ・・・」

菜々「お兄ちゃんが言ってたんだけどね。・・・アンタとお似合いじゃない?」

フエル「は、はぁ!?」

菜々「剣道とサッカー・・・種目は違えど同じ体育会系だし、どっちもかなりの腕前ってとこも共通してるしね」

フエル「はぁ・・・馬鹿なこと言ってないで、帰るよ」

菜々「あっ、ちょっとフエル、待ってよー!!」

その夜・・・

フエルパパ「オカッ、ザキィィィ!!ザキオカァァァァン!!」(倒置法)

フエル「あれ、お父さん帰ってたんだ?おかえりー」

フエルパパ「ただいまフエル!今日は代表戦だから!お父さん代表戦のときは基本残業しないから!!」

フエル「は、はぁ・・・」

フエルママ「あなた、サッカーもいいけど早くご飯たべてくださいね」

フエルパパ「ハーフタイムになったら食べ・・・ああああああカ、カガワァァァアァアァァァ!!」

フエル「お父さんうるさいよ」

フエルパパ「ごめんフエル!でもこれお父さんのライフワークだからぁぁぁああ!」

フエル「・・・もう」ストン

フエルママ「あら、珍しいわね。今日はあなたもサッカー観るの?」

フエル「んー・・・まぁたまにはね・・・」

フエルパパ「柿谷ィィィイ!!なんで代表戦じゃいつも空回りなのぉぉぉ!!」

フエル「もー、お父さん本当うるさいって・・・」

フエル「・・・」

・・・

フエルパパ「」

フエル「あ、終わった・・・負けちゃったね」

フエルパパ「」

フエルママ「あなた、ご飯・・・」

フエルパパ「イタダキマス」(裏声)

フエルパパ「」パクパク

フエル「お母さん、お父さん魂抜けちゃってるよ」

フエルママ「まったく、しょうがないわねぇ・・・W杯が始まったらどうなっちゃうのかしら」

フエル「あ、これってまだW杯じゃないの?」

フエルママ「ええ・・・本番は来月からね」

フエル「ふーん・・・」

フエルパパ「前哨戦の親善試合でこんな結果だなんて・・・お父さん泣いちゃう」メソメソパクパク

フエル「そんなに酷かったの?1点差だったけど」

フエルパパ「サッカーは基本一発勝負だし、敗けた相手が格下だからね・・・召集メンバーの連携もぎこちなかったし、これじゃW杯本番が思いやられるよ」トホホ

フエル「ふーん・・・」

フエルママ「ほらほら、早くご飯食べてお風呂入っちゃってー」

翌朝・・・

男子A「おう、昨日のサッカー観た?」

男子B「おー見た見た。いやありゃひどかったぃ・・・」

男子A「だな。これじゃ予選リーグも突破できないんじゃねぇの?」

フエル「・・・」

菜々「よっ、フエル。おはよ」

フエル「あ、菜々っち・・・おはよ」

菜々「アンタも昨日サッカー観たんでしょ?」

フエル「え、えぇ!?」

菜々「ふふ、分かりやすいなぁ」ニヤニヤ

フエル「な、何がよ!?」

菜々「篠宮先輩に抱かれて、サッカーに興味を持ったんでしょ?」

フエル「ちょ、誤解を招くような言い方やめれ!!」プンスカ

菜々「あ、篠宮先輩」

フエル「ぬぇ!?」ビクッ

篠宮「あれ・・・おぉ、君か!!いやー昨日はごめんね」

フエル「えっ、あっ、あっ・・・///」カアァ

篠宮「大丈夫?あの後どっか痛くなったりしなかった?」

フエル「はっ、い、いえっ・・・だ、大丈夫でやんす!!」

菜々「やんすて」

篠宮「はぁー、よかったー。あの後顧問にも怒られちってさー。おかげで朝からランニングだよ」

フエル「そ、そうなんです、か・・・」

篠宮「ん、大丈夫ならよかった!それじゃね!」タッタッタ

フエル「・・・」

菜々「・・・大丈夫でやんす!」

フエル「う、うるっさい!!///」

菜々「なに照れてんの。乙女か」

フエル「照れてないし!」

菜々「いや上3レスのアンタの態度見てごらんなさいよ。どう見たって少女マンガのそれでしょうが」

フエル「メタ表現やめれ!」

菜々「なに、恋に落ちちゃったの?フォーチュンクッキーなの?」

フエル「だあぁ、違うって!!・・・た、多分?」

菜々「多分?」

フエル「いや、だって・・・昨日の今日でしょ・・・まだちゃんと話したこともないのに・・・」

菜々「乙女か」

フエル「っ・・・!///」

菜々「とにかくはやく学校行こ。遅刻しちゃうよ」

フエル「あ、うん・・・」

・・・

<キーンコーンカーンコーン

菜々「」

フエル「数学のテスト返ってきたねー」

菜々「ウン」(裏声)

フエル「・・・そんなに悪かったの?」

菜々「なな」

フエル「は?」

菜々「わたし、なな」

フエル「いや、それは知ってるって・・・」

菜々「ななてんだったの」

フエル「」

菜々「おぉ、もう・・・」ガクガク

フエル「アンタ中学のテストで7点て・・・」

菜々「何証明って・・・2つの図形が同じかって?そんなの、見ればなんとなくわかるじゃない・・・」ブルブル

フエル「どれ、ちょっとみせてみ」ヒョイ

『解:定規で計ったところ辺ABと辺A'B'は等しく、同様に辺BCと辺B'C'の長さも等しい。辺CAは辺C'A'と一緒なのでこの2つの図形は同じである』

フエル「これはひどい」

菜々「なんでよ!?定規で計って一緒なら同じでしょうが!なんのための文明の利器なのよ!!」

フエル「そんなこと言われましても・・・」

菜々「おかげで来週追試だよおおおおお!!!」

フエル「がんばれー」

菜々「手伝って!!」


フエル「な、なにを?」

菜々「私に数学を教えて!!」

フエル「えっ、えぇ・・・そういうのは教科書読めば・・・」

菜々「出た!この面はとりあえずダウンとってからめくり殺せみたいなできる人の理論!!」

フエル「ちょっと仰ってること分かりかねますね」

菜々「お願い・・・私達、親友でしょ?」ウルウル

フエル「えぇ、まぁ」

菜々「このままじゃ私・・・数学の成績がストップ安だよおおおおお!!」オロローン

フエル「教えるのはいいけど、理解するのは菜々っちの頭だかんね?」

菜々「そこは私が分かるようになるまで教えてよ」

フエル「はぁ・・・仕方ないな。高いよ?」

菜々「出世払いで!!」

フエル「そんな成績しかとれないのに出世できると思ってんの?」

菜々「つうこんのいちげきキタコレ」

フエル「んー、じゃ、図書室にでも行く?」

菜々「あ、たまにはウチでやろーよ」

フエル「えぇ・・・?友達の家で勉強って、それもうダメなパターンの典型的なやつじゃん」

菜々「絶対ゲームとかしないから!漫画も読まないから!!」

フエル「まぁ、私はいいけど」

菜々「やったぜ」

・・・

菜々「ただいまー」

フエル「おじゃまします」

菜々兄「お、久しぶりだな」

フエル「あ、お兄さんご無沙汰してます」ペコ

菜々「はいはい、上がってー。お兄ちゃん、あとで私の部屋に飲み物もってきてー」

菜々兄「酢でいいか?」

菜々「いいわけねーだろ」

菜々兄「冗談だよ」

菜々「・・・ほい、散らかってるけど上がって」

フエル「ほいほい・・・いやでも、菜々っちの家来んの結構久しぶりかも」

菜々「そうねー、二年になってからは初めてじゃない?」

フエル「そういえばそうかも・・・ま、学校でいつも会うしねぇ」

菜々兄「持ってきたぞー」ガチャ

菜々「ノックくらいせんかい。・・・で、何持ってきたの?」

菜々兄「塩水」

菜々「ついに脳がバグったか」

菜々兄「冗談だよ。ほら、麦芽コーヒー」

フエル(いやそれもどうだろう・・・)

・・・

フエル「・・・で、ここでさっきの公式を」

菜々「あー、ちょ、ちょっとタンマ!!」

フエル「ん?」

菜々「頭こんがらがっちった」テヘヘ

フエル「あぁごめん・・・私、人にものを教えるの本当苦手で・・・」

菜々「いや・・・私がバカなだけだしさ。悪いね」

フエル「ううん」

菜々「ちょっと休憩しよっか」

フエル「うん」

菜々「麦芽コーヒー持ってくるね!!」

フエル(鹿尾家による異常な麦芽コーヒー推し・・・)

<オジャマシャース

<オー、キタカー

フエル(・・・あれ?この声って)

菜々「へいお待ち!」麦芽コーヒー

フエル「あ、ありがと・・・」

<ヨシ、ハイレハイレ

<シャッス!!

フエル「ね、ねぇ菜々っち・・・いま隣の部屋に来たの、お兄さんの友達?」

菜々「ん?あぁ、篠宮先輩だよ」

フエル「ぶっは!!」ブー

菜々「ちょ、きったね」エンガチョ

フエル「げほっげほぉ!な、なんで!?」

菜々「ん?お兄ちゃんが中学の時のサッカー部の後輩だからじゃない?」

フエル「そうなの!?」

菜々「そうだよ」

フエル「そ、そうか・・・だからあの時、篠宮先輩のこと知ってたんだ」

菜々「なに、気になっちゃう感じ?」ニヤニヤ

フエル「べ、別に気にしてないし・・・」

菜々「今だったら先輩の使用済みストロー、手に入るかもよ?」

フエル「いらんわ!変態か!!」

菜々「はは、怒るなって」

フエル「ほら、とにかく続き続き!!」

・・・

フエル「・・・はぁ、もうこれ以上、どうやって教えればいいんだか・・・」

菜々「ケ、セラ、セラ・・・ウパァ・・・」

フエル「アンタまでソルトたちみたいになってどうすんのよ」

菜々「これはもうだめかもね・・・」

フエル「うーん、公式さえ覚えちゃえばあとは応用だけだと思うんだけどなぁ」

菜々「また出た・・・ここはフレームごとに1ドットずつ削ってけみたいなできる人の理論・・・」

フエル「いやだから何言ってるのかわかんないって・・・」

菜々「私もフエルの言ってることがわかんないよぉ!」ビエーン

フエル「とにかく、後は教科書なり参考書読んで反復練習するしかないよ・・・それか、数学の先生に聞きなって」

菜々「はうぅ・・・」

フエル「おおぅ・・・もうこんな時間か。菜々っち、悪いけど今日はもう帰るね」

菜々「置いてかないでぇ!!」

フエル「置いてくもなにも、ここはアンタのウチでしょーが」

菜々「私には貴女が必要なの!!」

フエル「はい」

菜々「スルー!?」

・・・

フエル(はぁ・・・菜々っちにも困ったもんだなぁ)

篠宮「じゃ先輩、また遊びくるっす!」

菜々兄「おう、気を付けてな!」

フエル「あ」

篠宮「あ」

・・・

篠宮「いやぁ驚いたよ。先輩の妹と友達だったんだな・・・気づかなくてごめんよ」

フエル「いっ、いえ・・・」

篠宮「そんな子にボール当てたなんて言ったら先輩怒るからさ・・・ナイショにしててくれよ?」

フエル「へっ?あ、はいっ!」

篠宮「よし、約束だ」ハハハ

フエル「・・・」

篠宮「・・・」

フエル(うぅ~、なんで帰る方向が一緒なんだよー!!)

篠宮「・・・あ、そういえば水入さんってさ」

フエル「は、はひいっ!?」ビクン

篠宮「剣道やってるでしょ?たしか剣道部の主将が『水入さんっていうすごい2年生がいる』って言ってたよ」

フエル「あっ、いえっあの、たたた大したことは・・・」

篠宮「なんだろう、やっぱこう剣を持ってる女子ってカッコいいよね、凛々しくて!」

フエル「///」

水入「せっ、先輩も・・・サ、サッカーが上手だそう、ですね・・・」

篠宮「ん?ああ、よくサッカーバカだって言われんだよねぇ。ただ、今はサッカーが楽しいんだ」

フエル「は、ははは・・・」

篠宮「そうだ!今度の土曜日試合があるんだけどよかったら観においでよ!」

フエル「へっ!?は、はいぃ・・・///」

・・・

フエル「た、ただいま・・・」ガチャ

ソルト「あ、フエル。おかえりっしょ」

フエル「あ、アンタ帰ってきてたんだ・・・ふぅー」ポフッ

ソルト「そんな部屋に入ってくるなりベッドに横になって・・・制服がシワになるっしょ」

フエル「うっさい・・・」

ソルト「なんか元気ないっしょ?」

フエル「そんなことないよぉ・・・」ゴローン

ソルト「?」

フエル「それよりアンタ・・・メンテは終わったの?」

ソルト「そんな人をメカかなんかみたいに」

ソルト「とりあえず、僕のほうは大丈夫だったけどビネガーが重傷っしょ」

フエル「ふーん」

ソルト「ビネガーが復帰するまではフエル一人でヘドリアンと戦うことになるっしょ」

フエル「えー、めんどくさーい」

ソルト「そんなこと言ったって・・・元はと言えばフエルのせいっしょ」ボソッ

フエル「んー?人をこんなことに巻き込んでおいて生意気聞くのはこの口かぁ?」ムンズ

ソルト「ひ、ひぃぃ!ごめんっしょ今のは言い間違えたっしょ!フエルが正しいっしょ、フエルはいつも正しいっしょ、だからおねがいそばにおいてね!」

フエル「・・・」

ソルト「ひっ・・・あ、あれ・・・フエル?」

フエル「はぁー・・・・」ポケー

ソルト「一体どうしたっしょ・・・?」

第5話へ続く

第5話「恋するフォーチュンクッキーのゴリ押し感(後編)」

菜々「へぇ~、試合にねぇ?」ニヤニヤ

フエル「うん・・・」

菜々「で、行くんでしょ?」

フエル「いや、どうしようかなと思って・・・」

菜々「へ?なんで迷ってんの?」

フエル「だって・・・私サッカーのこと何も分からないし」

菜々「別に見るだけなんだからいいじゃない」

フエル「でも・・・」

菜々「なーにウジウジしてんのよ。アンタらしくないわね」

フエル「うぅ・・・」

菜々「・・・仕方ないなぁ。それじゃ、私も一緒に行ってあげるよ」

フエル「あ、ありがとう・・・」




ミネラルチャージ☆(ry)

土曜日・・・

篠宮「あ、先輩!来てくれたんすか!!」

菜々兄「おーう。ついでに妹たちも連れてきたぞ」

菜々「はよーっす!」

フエル「お、おはよ・・・ござ・・・///」

篠宮「お、水入さん本当に来てくれたんだ!こりゃーカッコ悪いとこ見せられないな!!」

菜々兄「そうだぞー。ファール1本もらう毎にメシ一回おごらせるからな」

篠宮「厳しいっすね!?」

菜々「あ、ほら。そろそろ集合みたいですよー」

篠宮「本当だ!じゃあ皆、また後で!!」

<ピピーッ

菜々「始まったね」

フエル「先輩は・・・いた、あそこだ」

菜々「お、早速見つけましたかぁ」ニヤニヤ

フエル「だ、だって・・・」

菜々「あーやなとこ通ったね」

菜々兄「いやー、ありゃオフサイドだろ」

フエル「・・・オフサイドとかいまいちよく分かんないんだよね」ウーン

菜々「相手チームのゴールから2人目の選手よりもゴールに近い位置でパスを受けることだよ。これやると相手ボールになるわけ」

フエル「へぇ・・・」

菜々「あー、倒された」

フエル「そういや、サッカー選手ってよく転んでるよね。たまに明らかに自爆でしょ、ってのもあるけど・・・」

菜々兄「実際ボールを追って走ってるとちょっとしたことでバランスを崩しやすいんだ・・・まぁ、中には相手チームからボールを奪うって意味で演技してる場合もあるけどな」

フエル「なんかダーティだなぁ・・・」

菜々「それも作戦のうちって人もいるからねぇ・・・実際それでPK貰って勝つ場合もあるし」

菜々兄「お、篠宮にボールが渡ったぞ」

フエル「!」

菜々「だけどね。やっぱりボールを奪われないで保持するのが一番だよ」

菜々兄「そういう意味ではアイツはいいお手本だな。・・・ほら、篠宮を見ててみな」

フエル「あ、すごい・・・どんどんゴールに近づいてく」

菜々兄「あいつはフィジカルだけはハンパないからなぁ。スパイクの裏にアロンアルファでもくっつけてんじゃねえのか」

菜々「それじゃピッチ走れないでしょーが」

確かに篠宮先輩は相手チームの選手に押されたくらいでは簡単に倒れなかった。

少しバランスを崩しても、不思議とボールは吸い付くように足元に収まっているのだった。

そしてその直後、彼の上げたパスから1点目のゴールが決まった。

菜々兄「よーし、幸先いいぞ」

フエル「あ・・・他の人が入れたんだね」

菜々「アシストも立派な得点のうちだよ・・・でもフエルは先輩のカッコいいとこ見れなくて残念だったねぇ」ニヤニヤ

フエル「べ、別にそんなんじゃないって!!」

相手選手A「向こうの10番、あれがフィジカルモンスター篠宮か」

相手選手B「ああ、ありゃたしかに化け物だ」

相手選手A「1対1じゃ止められる気がしねえ」

相手選手B「ちょっとキツめに当ててくしかないな」

相手選手A「だな」

フエル「あ、ちょっと!また体当たり!!」

菜々「まーそりゃあマークされるよねえ。実際、先輩がいないと相手チーム切り崩せてないし」

フエル「ていうかあれファールじゃないんですか?」

菜々兄「あれくらいなら篠宮が倒れなきゃ笛はならないよ。だけど、ピッチがちょっと捲れてんのが気になるな」

そして、菜々っちのお兄さんが不安を口にしたまさにその時、事件はおきた。

相手選手A「貰った!!」

篠宮「うお!?」

相手選手のタックルを躱そうとした先輩が踏み切ろうとしたとき、ピッチに脚を取られて転倒したのだ。

そしてその瞬間、遠くにいるフエル達の耳にもはっきりと「バチッ」というテープの切れるような音が聞こえてきた。

菜々「うわっ、いまのはちょっと不味いんじゃない?」

菜々兄「ああ、ちょっとよくない転び方したな・・・あぁ、試合中断だ」

フエル「先輩・・・」

しばらくしても、篠宮先輩はまだ立ち上がれない様子だった。

彼はそのまま数人の大人の人に担がれ病院へ向かっていった。

数日後・・・

菜々「先輩、靭帯断裂だって」

フエル「えっ」

菜々「お兄ちゃんから聞いたんだけど、今度手術することになったみたいよ」

フエル「ええぇ・・・」

菜々「まぁサッカーやってるとどうしても足のケガはつきものだからねぇ」

フエル「断裂って・・・それ、治るの?」

菜々「まぁ、手術後はリハビリはしなきゃだけど普通に治るみたいだよ」

フエル「そっか・・・よかった」ホッ

菜々「なんならアンタ、お見舞い行ってあげれば?」

フエル「ほぇっ!?」

菜々「病院の場所ならお兄ちゃんから聞いたし」

フエル「い、いやでも一人で行くのは・・・な、菜々っちもいっしょに行こうよぉ」

菜々「あー、行ってあげたいのは山々だけど私これから追試なんだよねぇー」

・・・

フエル「ほ、本当に一人で来てしまった・・・」ドキドキ

フエル「えーと、病室はたしか603号・・・」

篠宮「あれ?水入さん」

フエル「」ビクビクゥ

フエル「あっ・・・せ、先輩!?」

篠宮「おおぅ、何お見舞いきてくれたの?」

フエル「はっ、あ、あの・・・///」ドキドキ

篠宮「まぁ入んなよ。ベッドの脇に椅子もあるし」

フエル「は、はひィ・・・」

篠宮「いやー、まいったよ・・・二週間入院だって!」

フエル「そ、その・・・大丈夫なんですか?痛かったりは」

篠宮「ううん、今はそんなに。でも来週になったら手術して、リハビリしないといけないんだよなぁ」

フエル「リ、リハビリ・・・」

篠宮「ああ、でもそんな大したことはしないよ?ま、サッカーやってりゃこんなこともあるって・・・」

フエル「あ、あの・・・これ・・・」

篠宮「ん?おぉーシュークリームじゃん。食っていいの?」

フエル「ど、どぞ・・・」

篠宮「やったぜ」モグモグ

男子生徒「おっす篠宮、生きてるかー」

フエル「!!」

篠宮「おー、マガジン買ってきてくれた?」

男子生徒「ああ、買ってきてやったぜ・・・なんだ、もう女の子連れ込んでるのか」

篠宮「はは、うらやましいだろ?」

男子生徒「あー妬ましい妬ましい。怪我したとこ叩いてやる」ガッシボカ

篠宮「おいばかやめろって!死んじゃう死んじゃう!!んほおおおおおおお!!」ビクンビクン

フエル「あ・・・じゃ、私そろそろ失礼しますね」

篠宮「あれ?もう帰っちゃうの?」

フエル「はい、用事もあるのでっ・・・」

篠宮「そっか、シュークリームありがとね」

フエル「そ、それじゃ!」タタタ

・・・

菜々「青春すなあ」ウンウン

フエル「でも、先輩が元気そうでよかった」

菜々「まーお兄ちゃん曰く、学校行かなくていいからかえってW杯がゆっくり観れるって本人はむしろ喜んでたみたいだけどね」

フエル「あはは」

そして数週間後。手術を終え、退院した篠宮先輩が学校へやってきた。

菜々「お、先輩だ」

フエル「あ・・・ホントだ」

菜々「怪我してても部活には顔出すんだねー。どっかの誰かとは大違い」

フエル「ちょっと誰の事か分かりませんねぇ」

菜々「・・・あれ?でもなんか元気ないね」

フエル「そりゃー退院したばかりなんだし」

菜々「いやなんていうか、泣きそうな顔してるよ」

フエル「えっ・・・」

菜々「ちょ、アンタ話しかけてきなさいって」

フエル「無理だって!何言ってんの!?」

菜々「大丈夫だってほら、行け!!」グググ

フエル「行くかっ!!」ギギギ

そうこうしている内に、先輩は松葉杖をつきながら向こうへ行ってしまった。

篠宮『なんです先生、話って?』

医者『篠宮さん・・・君の脚のことなんですけどね』

篠宮『はい?』

医者『正直あまり具合が良くないんですよ。このままだと、手術をしても元通り足を動かせなくなるかもしれません』

篠宮『ええっ!?』

篠宮「・・・はぁ」

篠宮「リハビリしても、元通りになる確率は5分5分、か・・・」

篠宮「もしサッカーできなくなったら・・・俺には一体何が残るんだ・・・」

篠宮「くそっ・・・」

カドミーム「おやぁ?足が動かせないことでお悩みですか?」

篠宮「うっ!?だ、誰だお前!!」

カドミーム「よろしい!では私があなたの足を治して差し上げましょう!!」

カドミーム「漆黒の泥土よ、遍く世界を包み込め!!出でよ、ヘドリアン!!その力を彼の元に!!」

篠宮「あっ・・・ぐっ、うわあああああああああああ!!」

・・・

菜々「はよーん」

フエル「あ、おはよう菜々っち」

菜々「今日もいい天気だねぇ」

フエル「そだね・・・って、あれ!?」

菜々「ん・・・えっ、篠宮先輩!?もう杖なしで歩いてる!!」

篠宮「・・・」

菜々「せんぱーい、おはようございまーす!もう足治ったんですか!?」

篠宮「・・・ス」

菜々「へ?」

篠宮「潰ス・・・あの時俺にタックルを仕掛けてきた奴を潰す・・・他の奴らも、全員・・・」

菜々「ちょ、ちょっと先輩。別に相手も悪気があったわけじゃ」

篠宮「邪魔するな!!」ドンッ

菜々「わっ!!」ドタッ

フエル「菜々っち!?ちょっと先輩、どうして・・・」

篠宮「・・・」

フエル「せ、先輩・・・?」

ソルト「フエル!」

フエル「ソルト!?」

ソルト「近づいちゃダメっしょ!彼は今ヘドリアンにとりつかれてるっしょ!!」

フエル「え、ええっ!?」

ソルト「とにかく、早く変身を!!」

フエル「で、でも・・・」オロオロ

菜々「ぐ・・・う、うぅ・・・」

篠宮「おい邪魔だよ・・・どけよ!!」

そう言いながら彼は菜々の身体を蹴ろうとする。

菜々「ひっ・・・!」

フエル「プリキュア、シップメント!!」 出荷

キュアワカメ「先輩、やめて!!」

篠宮「プリキュア・・・・?プ、リ、キュアアアアアア!!」

恐るべき勢いで振り抜かれた彼の足は地面を抉り、コンクリートの破片を含んだ突風となってキュアワカメに襲い掛かる。

キュアワカメ「ぐっ・・・大丈夫、菜々っち!?」

菜々「う、うん・・・!それにしても、なんて威力!?」

そう言っている間にも彼は距離を詰めてくる。

篠宮「喰らえぇッ!!」

先ほどと同じ威力の蹴りが、キュアワカメの足を砕く。

キュアワカメ「ぐ・・・ぎゃああああああああああ!!!」

これまでヘドリアンの攻撃を受けてもビクともしなかった彼女の足は、その一撃を受けてあらぬ方向に曲がっている。

菜々「ひっ・・・!!」

ソルト「ひ、ひぃっ・・・強すぎるっしょ!!」ガクガク

キュアワカメ「あっ・・・ひぐっ、あ、足がぁ・・・」

その様子を彼は黙って見下ろしている。

ソルト「キュ、キュアワカメ!逃げるっしょ!!」

菜々「う・・・うわ・・・」ガクガク

篠宮「邪魔だ・・・どけ・・・」

ソルト「キュアワカメ!!!」

彼の足がキュアワカメの頭を蹴り抜こうとしたまさにその時。

ポツッ・・・

ポツ・・・ポツ、ポツ・・・ザァー・・・

ソルト「あ、雨・・・?」

篠宮「・・・ぐうっ!?」ガクン

その雨を浴びた篠宮先輩は、足を押えてバタリと倒れ込んだ。

ソルト「な、菜々さん!キュアワカメを動かすのを手伝ってほしいっしょ!!」

菜々「う、うん・・・!大丈夫、キュアワカメ!?」

キュアワカメ「う・・・ぐ、だ、大丈夫・・・なんとか、動ける、から・・・」ハァハァ

菜々「だってアンタ!そんなこと言ったって足が・・・あ、れ・・・?治ってる・・・」

カドミーム「これは驚きました・・・まさか『3人目』が現れるとは」

ソルト「カドミーム!?」

カドミーム「ふむ、こちらも秘密兵器を用意したつもりだったのですが・・・『この雨』の中では使い物になりませんね」

篠宮「ぐ、ぐぅ・・・」

キュアワカメ「アンタ・・・先輩に一体何したのよ!!」

カドミーム「私はただ彼の足を治して差し上げただけですよ?ヘドリアンの力を与えたうえでね」

キュアワカメ「!!」

カドミーム「ですが・・・この雨のせいでどうやらその力も消えてしまったようですね」

見ると、篠宮先輩は足を押えて苦しそうにうずくまっている。

カドミーム「仕方ありません、今日のところは一旦引きましょう!」

キュアワカメ「待て!!」

菜々「フエル、まずは先輩をどうにかしないと・・・」

キュアワカメ「・・・くっ」

カドミームが姿を消すのと同時に、その不思議な雨もまた止んでしまった。

篠宮「あぐ・・・はぁっ、あ、足が・・・」

フエル「先輩・・・大丈夫ですか、先輩・・・?」

篠宮「み、水入さん・・・俺、一体どうして・・・」

菜々「フエル、私一旦家に戻ってお兄ちゃん呼んでくる!!」

フエル「うん、お願い・・・!」

篠宮「おかしいな・・・昨日の放課後から、記憶が・・・?」

フエル「先輩、足大丈夫ですか・・・?」

篠宮「あ、あぁ・・・力を入れなければ、なんとか・・・」

だが、彼の顔には玉のような汗が浮かんでいる。

フエルはそっと彼の痛めた足に手をやる。

篠宮「!!・・・はは、水入さんが触っててくれると、ちょっと痛みが和らぐみたいだ」

フエル「えっ・・・は、はぁ・・・///」ドキッ

篠宮「ごめん、もうちょっと続けてくれるとうれしい・・・」

フエル「は、はぃ・・・」ナデナデ

フエル「・・・」ナデナデ

篠宮「・・・」

フエル(う、うわあ~・・・緊張して手汗がやばぁぁぁい!!)ジットリ

フエル「あ、あのせんぱ」

菜々兄「おーい、大丈夫かー」

フエル「ひぐっ!?」ビクーン

篠宮「あ、先輩!!」

菜々兄「お前いくらフィジカル強いからって、ケガ人が杖もつかずに歩くなんて何考えてんだよ!?」

篠宮「いやー、ははは・・・」

菜々兄「ほら、肩貸してやる。痛むかもしれんがちょっと頑張れ」

篠宮「あ、ありがとござ・・・あれ?」スック

フエル「へ?」

菜々兄「んん?」

篠宮「お・・・おぉ?」

菜々兄「・・・な、なんで普通に立ってんの、お前?」

篠宮「え、あの・・・いや・・・?」

菜々「おーいお兄ちゃん、お母さんが車出してくれる・・・って先輩普通に立ってるし!!」

篠宮「あ・・・うん。おかしいな、なんでだろ?全然痛くないや」

菜々兄「なんだよー、仮病かよ!!」

篠宮「ち、違いますって!!さっきまでは普通に痛くて・・・ええっ!?」

菜々「・・・と、とにかく一度病院にいったほうがいいですって!!」

菜々兄「そ、そうだな!ほら、ウチの車乗せてってやるからここで待ってろ」

篠宮「あ、はい、すみません・・・」

フエル「先輩・・・」

篠宮「・・・水入さん」

二人は顔を見合わせる。

篠宮「ありがとう」ポン

フエル「えっ・・・はぅ///」

彼の手が、優しくフエルの頭を撫でる。

・・・その後の検査の結果、先輩の脚はケガをする前の状態に戻っており、病院の医師たちも首を傾げるばかりだったという。

菜々「ホント、不思議なこともあるもんだねぇ」

フエル「うん・・・そうだね」

菜々「やっぱり、あの雨のせいなのかな?」

フエル「あ、そういえばあの時カドミームが3人目がどうとかって・・・」

ソルト「うん。僕も今それを言おうとしてたっしょ。多分あの時カドミームは・・・」

<センパァァァァイィィ!!

フエル「あ」

菜々「あの声は・・・」

ビネガー「いま戻ったっすヴォォエ゛ッ!!」コロン

フエル「汚っ」

菜々「汚いね」

ソルト「ビネガーお前・・・開幕早々ミネラルキューブぶっぱは流石にちょっと・・・」

ビネガー「ぐっぷ、ケヒュウ・・・せ、先輩・・・今戻ったっす」ハァハァ

ソルト「お、おう・・・」ドンビキ

フエル「で・・・あの時カドミームが何?」

ソルト「そう、多分あの時カドミームは『3人目のプリキュア』が現れたってことを言ってたんだと思うっしょ!!」

菜々「3人目の・・・」

フエル「プリキュア・・・?」

ビネガー「そのことっすけど、どうやら本当らしいっす。王国を出る前に3人目のプリキュアのサポート役を名乗る妖精からヘルプデスクに入電があったらしいっす」

ソルト「本当っしょ!?」

フエル「そういう重要な情報はちゃんと横展開しときなさいよね」

菜々「ほんとそっちの世界って報・連・相がなってないよね」

ソルト「女子中学生からの厳しい指摘に僕の精神はもうボロボロっしょ」メソメソ

菜々「3人目のプリキュアかぁ・・・一体どんな感じだろう?」

フエル「まーでもなんていうか私ら2人があの感じなワケだし、大体想像はつくよね・・・」

菜々「・・・確かに」

ソルト「そんな死んだ魚ような目にならないでほしいっしょ・・・プリキュアはこの世界の希望なんだから・・・」

菜々「ま・・・結局いつかはカチ合うことになるんだろうし、悪い子じゃないといいね」

フエル「うーん、そうだねぇ」

<♪~

菜々「あ、フエル携帯鳴ってるよ?」

フエル「へ・・・?知らない番号だ。もしもし、どちら様ですか・・・って、えぇ!?せ、先輩!!?」

菜々「さーてソルト、ビネガー。私らはそろそろお暇しますか」

ソルト「いやでも僕はフエルの部屋に・・・」

菜々「今日ぐらいいいじゃない。ビネガーも帰ってきたことだし、私の部屋くれば?」

ビネガー「!!!!そ、それがいいっす!!それ以外の選択肢があろうか!?いや無い!!自分は先輩と一緒の時間を共有したいっす!!」ハァハァ

ソルト「お、お前たまに僕が貞操の危機を感じるレベルの視線を飛ばすのやめるっしょ・・・」ビクビク

菜々「さー行くよー!じゃね、フエル。また明日~!」

フエル「あ・・・ちょっと!菜々っち!!いえ、なんでもないです・・・えっ、ええっ・・・はいっ!」

菜々(電話番号教えたその日にかけてくるなんて、やっぱり篠宮先輩もフエルに気があるんじゃん)ニヤニヤ

第5話 おわり

今日はもう疲れた

寝る!

次回

「私は多分、3人目だと思うから・・・」

お楽しみに!!1

乙!
一気読みしてしまった

ワカメ→ヒジキ→
コンブかノリか

めっちゃええやん…
邪道かつ王道に感服w
キュアヒジキも見たい

>>292-294
ありがとうございますん

第6話「私は多分、3人目だと思うから・・・」

菜々「フエル、おはよーん」

フエル「はよーう」

菜々「いやー、ついに今日だね!」

フエル「へ?何が?」

菜々「転校生だよ、転校生!」

フエル「あぁー、転校生?」

菜々「何、忘れてたの?今日からうちのクラスに来るって」

フエル「そだっけ?」

菜々「おいおいしっかりしなよ・・・女の子だって話だけどね」

フエル「ほほー」

?「・・・」ニタァ




ミネラル☆(ry)

先生「はーい、みんな席につけー」

菜々「転校生、どんな子だろね?」ヒソヒソ

フエル「どうせなら明るい子がいいけどね」ヒソヒソ

先生「今日からこのクラスに転校生が来ることになった。今から皆に紹介するぞー。・・・じゃ、入って」

先生の紹介の後現れたのは、長い黒髪が特徴的な美少女だった。

"先生「日高沙緒里さんだ。じゃ日高、自己紹介を」
"

日高「は、はい・・・」

そう言って彼女は黒板に自分の名前を書いて振り返る。

日高「ひ・・・日高沙緒里、です・・・よろしく」チラ

フエル「・・・?」

先生「じゃ、日高。一番後ろのあの席に座りなさい」

日高「は、はい・・・」チラチラ

フエル(・・・ね、ねぇ菜々っち。なんかあの子、私達のこと見てない?)ヒソヒソ

菜々(う、うん・・・)ヒソヒソ

先生「よーし、じゃあ出席とるぞー」

・・・

放課後。

菜々「うぃー、終わったー!!」

フエル「じゃ、帰ろっかー」

日高「あ・・・あの・・・」ボソッ

菜々「ひゃっ!?」ビク

フエル「ひ、日高・・・さん?」

菜々「ど、どうしたの?」

日高「そ、その・・・私・・・まだこの学校のこと、分からないから」

フエル「う、うん?」

日高「・・・」

菜々「な、なに・・・?」

日高「い・・・一緒に・・・」

フエル「一緒に?」

日高「こ、校内を・・・回ってほし、ほ、ほしいのっ・・・」ニタァ

フエル(怖い)

菜々(怖い)

フエル「わ、私は別にいいけど・・・菜々っちは?」

菜々「う、うん・・・私も大丈夫だよ」

日高「ほ、本当・・・?」

菜々「うん・・・じゃ、じゃあとりあえず、部活でも見にいく?」

フエル「そ、そだね」

日高「!・・・あ、ありがとぅ・・・」

フエル「それにしても日高さん・・・なんで私達に声をかけたの?」

日高「そ、それは・・・あのね・・・」

日高「・・・あ」

菜々「あ?」

日高「あ、朝からずっと・・・ふ、二人の事・・・見てたから・・・」ニコォ

二人「」

菜々「あ、あは・・・そ、そうなん、だ・・・」ダラダラ

フエル(ちょっと菜々っち!この子怖いって!!)ヒソヒソ

菜々(やばいよやばいよ!これヤンデレってやつじゃないの!?)ヒソヒソ

日高「ど、どうしたの・・・?」

フエル「い、いやぁ別に!?」ビクッ

菜々「じゃ、じゃあまずは体育館に行こうかー・・・!」

・・・

フエル「そういえば日高さんってどこから転校してきたの?」

日高「ほ、北海道・・・」

菜々「おー、試される大地だ」

フエル「北海道かー。美味しいものいっぱいあるよね」

日高「う、うん・・・羊、とか・・・」

菜々「羊・・・ああ、ジンギスカンね?」

フエル「羊かぁ・・・食べたこと無いなぁ。やっぱちょっと、抵抗があるってゆーか」

日高「わ、私・・・羊くらいなら、かっ、解体できるからいつでも・・・」ニコォ

菜々「」ゾクゾク

フエル「」ゾクゾク

・・・

フエル「うわあああああの子怖いよ!!なにあのあれ!?」

菜々「分かんないよぉ!私も変な汗出っぱなしだったって!!」

フエル「な、なるべく関わり合いになりたくないけど・・・」

菜々「っていうかずっと見てたってどういうこと!?怖い!!」ガクガク

フエル「・・・それよりもね菜々っち。私、気付いたことがあるんだけど」

菜々「な、何?」

フエル「あのさ、こないだソルトが3人目のプリキュアが現れたとか言ってたでしょ」

菜々「うん・・・えっ、まさか」

フエル「多分・・・かなりの確度で彼女が3人目のプリキュアだと思う・・・」

菜々「か、考えすぎだって!!たまたまタイミングが被っただけだよ!!」

フエル「でもさ、よく考えてみ?私達の名前って、共通点があるでしょ?」

菜々「へ?」

フエル「私はその・・・ふえるワカメでキュアワカメ。菜々っちは・・・」

菜々「わ、私は別に関係ないじゃない!?」 ※本名:鹿尾菜々

フエル「・・・『ひじき』って、携帯に入れて変換してごらん?」

菜々「」 ※鹿尾菜【ひじき】

菜々「お、おぉぉぉ・・・14年間生きてきて初めて知った・・・」ガクガク

フエル「で、日高ときたらもう・・・」

菜々「日高・・・こんぶ・・・」

フエル「・・・」

菜々「・・・」

二人「うわあああああああああ!!」ゾゾゾ

数日後・・・

日高「・・・」

フエル(あ、あれから日高さん、話しかけてこないね?)ヒソヒソ

菜々(そ、そうだねぇ・・・ああやって黙ってれば、まさに深窓の令嬢って感じなんだけど・・・)ヒソヒソ

日高「・・・」チラ

フエル「!!」ビク

菜々「あっ・・・ど、どう日高さん?もう学校には慣れた?」

日高「う・・・うん」ニコォ

菜々(怖い)

フエル(怖い)

菜々「そ、そっかー・・・よかったよかった・・・」

日高「ふ・・・二人は・・・」

菜々「へっ?」ビク

日高「二人は・・・ず、ずっと前から・・・友達、なの・・・?」

菜々「あ・・・うん、そ、そうだよ!幼馴染でさ。ね?フエル」

フエル「う、うん」

日高「そうなんだ・・・」

菜々「・・・」

フエル「・・・」

日高「う・・・うらやましいよぉ・・・」ジワ

菜々「」

フエル「」

フエル(ちょ、ちょっと菜々っち!何泣かせてんの!!)ヒソヒソ

菜々(えぇ私!?私のせいなの!!?)ヒソヒソ

日高「わ、私・・・小さい頃から転校が多くて・・・と、友達が、い、いないん、だ・・・」

フエル「そ、そうだったんだ・・・・」

日高「う、うん・・・だから、幼馴染って呼べるような子も・・・い、いなかった、し・・・」

菜々「そ、そっか。大変だったんだねぇ」

日高「だ、だからこの学校に来たあの日・・・み、水入さんと鹿尾さんが、と、とっても仲がよさそうに見えて、そ、それで・・・」

フエル(あ・・・もしかしてそれでずっと私達のこと見てたんだ)

日高「あ、朝からずっと・・・学校まで後をつけてたの・・・」

フエル「」

菜々「」

フエル「ひ、日高さん!それじゃストーカーだよっ!!」ゾゾゾ

日高「えっ・・・」

菜々「ちょ、ちょっと怖いよ!!そんなことしなくても普通に話しかけてくれれば・・・」

日高「は、はぅ・・・ご、ごめんな、さい・・・」シュン

フエル「ど、どうしてすぐに声かけてくれなかったの?」

日高「わ、私・・・その、自分から話しかけるのが苦手で・・・」

フエル「で、でもあの日の放課後、日高さんの方から私たちに話しかけてくれたよね?」

日高「う、うん・・・あの時は転校初日だから・・・頑張らなくちゃって・・・ゆ、勇気を出して・・・」

菜々「べ、別に声かけるくらい勇気出さなくても・・・」

日高「そ、そんなことない、よ・・・す、すごくMP消費したん、だから・・・」

フエル「MPて」

菜々「で、でもそういうことなら!もっと気軽に声かけてよね」

フエル「そうだよ・・・こっそり後つけてこられたりしたら、怖いよ」

日高「う、うん・・・ごめ、んね。鹿尾さん・・・水入さん・・・」

菜々「あ、菜々でいいよ」

フエル「うんうん。菜々っちの苗字なんて皆忘れかけてた頃だろうし」

菜々「おい」

日高「菜々ちゃん・・・フエルちゃん・・・」

菜々「じゃ、私達も日高さんのこと名前で呼ぼうか」

フエル「沙緒里だからさおりんかな」

日高「う、うれしい・・・」グスッ

菜々「そ、そんな泣かなくても」

・・・

菜々「いやぁ、きちんと話してみたらいい子だったねぇ」

フエル「でも可哀想だね。転校続きで友達が出来てもすぐお別れなんて」

菜々「そうだね・・・私達と仲良くなっても、またすぐどこかに転校しちゃうのかなぁ」

フエル「まぁそればっかりは家の都合だから仕方ないね・・・そういえば、例の話」

菜々「ん?」

フエル「日高さん・・・じゃなかった、さおりんが3人目のプリキュアなんじゃないのかって」

菜々「あぁ、あれ?」

フエル「私はほぼ間違いないと踏んでるんだけど・・・万一聞いてみて違ってたら頭おかしい人だと思われるしね」

菜々「まぁ、そのうちわかるんじゃないかな・・・ん?」

フエル「どしたの?」

菜々「いやあれ・・・ちょっとグラウンドの様子がおかしくない!?」

フエル「えっ?」

見ると、グラウンドの土が何やらもぞもぞと動いているのが分かる。

菜々「あ、あれってもしかして・・・」

フエル「多分、ヘドリアンだね・・・って、これ盗聴とかされてんじゃないの?タイミングバッチリ過ぎない?」

菜々「と、とにかく私、ファニーセルとってくる!」タタッ

フエル「はぁ、めんどくさいけど私も取ってくるかー・・・」

-剣道部部室-

フエル「すーっ・・・・ふっ」 ←息を止めてる

<ガチャ

ソルト「あ、フエル。もう授業は終わったっしょ?」

フエル「あんら・・・よくこのにおいり耐えられるあね」 ←鼻つまんでる

ソルト「そりゃ毎日毎日ここにしまわれてれば嗅覚も麻痺もしてくるっしょ・・・」

フエル「ほれはほうと、ヘドリアンがでたあよ」

ソルト「ほ、本当っしょ!?急いでファニーセルを・・・」

<ドカーン

フエル「!?」

ソルト「!?」

・・・

生徒A「な、なんだ!?あの化け物は・・・」

生徒B「ひ、ひぃぃ、こっちに来るぞ!!!」

先生「みんな、早く校外に避難を・・・!」

巨大ヘドリアン「ヌゥォォオオ~~~!!」

キュアヒジキ「キュアワカメ!!」

キュアワカメ「デカい」(確信)

キュアヒジキ「本当だよ、あれじゃ校舎より大きいじゃない!!モノには限度ってものがあるでしょ!!」

ソルト「と、とにかく早く攻撃を!」

フエル「ま、これだけ大きければ全力を出しても大丈夫かもね」

巨大ヘドリアン「ぬおぉぉおー」ズモモモ

フエル「プリキュア竹刀!!」

キュアヒジキ「いっけー!!」

<ザンッ!!

ヘドリアン「グオオオォォォー!!」

ビネガー「キュアワカメすごいっす!!あんなデカいヘドリアンが真っ二つっす!!」

ソルト「い、いや待つっしょ・・・なんだかヘドリアンの様子がおかしいっしょ!!」

ヘドリアンA「ぬぉぉー」

ヘドリアンB「ぬぉぉぉー」

キュアワカメ「ふ、増えた!?」

キュアヒジキ「キュアワカメが切ったところから分裂したみたい!」

キュアワカメ「うわぁマジかよ・・・」ゲンナリ

ビネガー「ただ切るだけじゃダメみたいっすね」

キュアワカメ「じゃあ・・・跡形もなく消し飛ばすのはどう?」

キュアヒジキ「いよいよ私のプリキュア核の出番ね!」

ソルト「出番ね!じゃねえよ!街ごと消し飛ばすつもりか!!」

キュアワカメ「じゃあどうすんのよ」

ビネガー「とりあえず、もっと小さく切り刻んで少しずつ浄化していくのはどうっす?」

キュアワカメ「アンタねぇ、あんなの全部浄化できるほどツバ出ないって」

キュアヒジキ「そうだよ。それに、それ以外のいっぱい出る体液ったらもうオシッコしかないじゃん」

キュアワカメ「さすがに公衆の面前でそれは出せんわ」

ソルト「あれ・・・ひょっとしてこれ詰んでるっしょ?」

ヘドリアンA「ぬおぉぉぉ」

キュアヒジキ「うわ、危なッ!」パシッ

ヘドリアンA´「ぬおぉぉー」

キュアワカメ「また分裂した!!」

ビネガー「まずいっす!分裂したヘドリアンが、生徒たちを襲おうとしてるっす!!」

ソルト「も、もう手段を選んでる暇はないっしょ!!キュアワカメ、キュアヒジキ、ここは覚悟を決めて・・・」

キュアワカメ「嫌」

キュアヒジキ「無理」

ソルト「んもおおおおおおおどうするっしょこれえええええええええええ!!」

すると、その時。

ポツッ・・・

キュアワカメ「あ・・・雨・・・?」

キュアヒジキ「これって・・・あの時と同じじゃ・・・」

ヘドリアン's「ぬ、ぬぅぅぅぅぅーーー」ジュワアアア

ソルト「はっ・・・!へ、ヘドリアンが、浄化されてるっしょ・・・?」

?「・・・」

ビネガー「あ!!先輩、あそこ!!」

ソルト「あっ、あれは!?」

キュアヒジキ「もしかして、あれが3人目の・・・って、あぁーあれ間違いなくさおりんだわ」

キュアワカメ「ほらー、だから私の言った通りじゃん」ヤッパリネ

?「寒海に揺蕩う沖つ玉藻・・・」

キュアケルプ「キュアケルプ!!」

キュアワカメ「えっ」

キュアヒジキ「えっ」

ソルト「キュア・・・ケルプ・・・!?」

キュアワカメ「な、なんか彼女だけ名乗り口上が私達のそれと違くない!?」

キュアヒジキ「心なしかネーミングセンスも私達とちょっと違うし!!ていうか英語!?」

キュアワカメ「ちょっと!どういうことよ!?」

ソルト「そ、そう言われましても・・・」

ビネガー「ひょっとして、この雨はキュアケルプが!?」

ヘドリアン「ぬ、ぬぅぅう・・・」ジュワアアア

キュアケルプ「悪しき魂よ、無に還りなさい・・・」

ヘドリアン「」シュオオオオ

ソルト「す、すごい・・・あれだけいたヘドリアンが完全に浄化されたっしょ・・・!」

キュアワカメ「え・・・てことはもしかしてこの雨、彼女の体液なんじゃ」

キュアヒジキ「うわ」

キュアケルプ「・・・」

ソルト「こ、こっちに来るっしょ!!」

キュアケルプ「初めまして・・・かしら。貴方達もプリキュアみたいね」

キュアワカメ「あぁ、ていうか私だよ、フエルだよ。さおりん」

キュアケルプ「えっ」

キュアヒジキ「あー、私菜々だよ」

キュアケルプ「」

キュアワカメ「あれ?さおりんだよね?」

キュアケルプ「ち、違うわ!貴方達何を言ってるの!?私はキュアケルプよ!!」アタフタ

キュアヒジキ「まぁまぁ、気持ちは分かるけどさぁ」

フエル「あ、変身解けた」シュン

菜々「あ、私も」シュイン

キュアケルプ「くっ・・・う、ぐ、ぐぎぎぎぎ・・・!!」プルプル

ソルト「き、気合で変身状態を維持しようとしてるっしょ・・・」

日高「」シュイン

フエル「あ、解けた」

日高「そ、そんな・・・二人がまさか、プリキュアだったなんて・・・」プルプル

菜々「いやぁー、黙っててごめんねぇ」

フエル「私たちはなんとなくさおりんがプリキュアだって分かってたんだけどさー」

日高「」

日高「ひ・・・ひどいよぉ・・・」グスッ

フエル「ごめんごめん、泣かないでよ。これは私達だけの秘密ね?」

日高「えっ・・・」

菜々「まぁあんまり他の人に知られても良くないしね~主に世間体が」

日高「私達だけの・・・秘密・・・?」

フエル「そそ!」

日高「いい・・・」ウットリ

フエル「へ?」

日高「私達だけの・・・秘密・・・私達、だけ・・・」ウフフ

菜々「お、おーい、大丈夫かぁ、さおりん・・・?」

ソルト「そうだ!新しいプリキュアがいるってことは、僕たち以外にも妖精が・・・」

?「アンタたち・・・こっち(人間界)に来たら顔出しなさいっていったでしょうが・・・」

ソルト「ひっ!!」ビクッ

ビネガー「そ、その声わわわわ・・・」ビクビクッ

?「久しぶりね・・・ソルト、ビネガー・・・」ゴゴゴ

ソルト&ビネガー「ジ、ジンジャー姐さん!!」ガクブル

フエル「姐さん?」

ジンジャー「アンタたち・・・私の言いつけを破ったらどうなるかは、分かってるでしょうが・・・」

ソルト「い、いやぁそんな・・・」ダラダラ

ビネガー「じ、自分らあの、何せ未熟なもんで・・・」ダラダラ

ジンジャー「だまらっしゃい!!」

ソルト「ひでぶ!」ガッシ

ビネガー「あべし!!」ボカ

日高「だ、だめだよジンジャー・・・友達とは仲良くしないと・・・」

ジンジャー「友達!?この二匹はただの出来の悪い私の後輩でしょうが!!」

ソルト「お、仰るとおりで・・・」ダラダラ

ビネガー「ど、どうかお許しを・・・」ダラダラ

フエル「あっはっは、おもしれー」ケラケラ

菜々「そういえばさっきの雨・・・ヘドリアンを浄化したってことは、その・・・」

日高「あ・・・プリキュアアクアフォールのこと・・・?」

フエル「プ、プリキュア・・・なんて?」

ジンジャー「プリキュアアクアフォールは、キュアケルプの涙から作られた結晶を雨のように降らせる技のことでしょうが」

菜々「は、はぁ・・・」

フエル(や、やっぱり彼女、私達とちょっとセンスが違うね?)ヒソヒソ

菜々(う、うん・・・まぁあっちのほうが良いかって言われるとそれもまた微妙なんだけど・・・)ヒソヒソ

日高「あ、あれ・・・?じゃあ二人はどうやって・・・ヘドリアンを浄化してたの・・・?」

フエル「えっ?そ、そりゃー・・・唾かけたりとか・・・」

日高「えっ」

ジンジャー「・・・は?」

ソルト「」ビクッ

ビネガー「」ビクウッ

ジンジャー「ちょっとアンタたち・・・今のは一体どういうことでしょうが・・・」ゴゴゴ

ソルト「ち、違うっしょ!!ヘルプデスクに問い合わせたらそう言われただけで・・・」

ジンジャー「言い訳は聞きたくないでしょうが!なんでそんな非効率な方法しか思いつかないんでしょうが!!もっと頭を使えって言ったでしょうが!!」

ソルト「ひぃぃいいい!ごめんなさいっしょ!!」ドゲザー

ビネガー「おっしゃる通りっす!ジンジャー姐さんが全面的に正しいっす!!自分たちの頭はただの飾りだったっす!!」ペコペコ

菜々(あの妖精、お局っぽいなぁ・・・)

フエル「とにかく・・・これからもよろしくね、さおりん!!」

日高「!!・・・うんっ!」

ソルト&ビネガー「ギニャアアアアアアアアアア!!!」

第6話 おわり

他人の不幸は蜜の味!

最近あの二匹は私にとって害獣に近い存在だからね!

特にソルトなんてなんかロッカーのニオイ染みついてきたしこれはいよいよダメかもわからんね

次回

「血と汗と涙と涎の結晶」

お楽しみに!!

第7話「血と汗と涙と涎の結晶」

ジンジャー「・・・というわけで、二人ももっと効率的な技を覚えた方がいいと思うわけでしょうが」

フエル「はぁ」

菜々「まぁ敵とはいえいつまでもツバを吐き捨てるのはイメージ悪いしねぇ」

日高「う、うん・・・」




ミネ(ry)

フエル「っていっても、基本的には私たちの体液じゃないとヘドリアンは浄化できないんでしょ?」

ジンジャー「正確には体液っていうより分泌物でしょうが。まぁ、一番手っ取り早いのが唾液や涙ではあるけれど・・・如何せん、うちのバカ妖精2匹は人間界の女性に対するデリカシーってものがなくて・・・」ジロッ

ソルト「へっへっへ・・・いや本当、もうしわけないっしょ」ヘコヘコ

ビネガー「ジンジャー姐さんにはかなわないっす」ヘコヘコ

フエル「わー雑魚だぁ」

ジンジャー「沙緒里の場合は普段からよく泣いていたから、その涙を解析して結晶化したんでしょうが」

日高「ジ、ジンジャー・・・それじゃ私が泣き虫みたいだよ・・・」

フエル(実際そうでしょ)

菜々(実際そうだからなぁ)

フエル「・・・じゃ、私たちも事前に何か用意できれば?」

ジンジャー「そういうことでしょうが」

菜々「うーん、でもやっぱあんまし気分いいもんではないよね・・・自分の分泌物をバラ撒くとか正気の沙汰じゃないし」

<ピンポーン

菜々「あ、フエル誰か来たよ?」

フエル「誰だろ?はーい、今いきまーす」タタタ

菜々「ところでその涙って、結晶を作るためにはどれくらいの量が必要だったの?」

ジンジャー「少なくとも事前に解析して戦闘に使えるようにしておくにはそれなりの量がいるでしょうが・・・そうね、涙の場合はきっと1リットルくらいだったでしょうが」

菜々「1リットルの涙・・・」

・・・

フエル「はーい、どちら様~・・・って主将!?」

剣道部主将「あ・・・こんにちは、水入さん」

フエル「ど、どうしたんですか?」

剣道部主将「あのね。今度、ウチの部室移動するの。それで、今ロッカーに入ってるものを整理する必要があって・・・」

フエル「あっ、私の防具!!すみません主将!!」

剣道部主将「ううん、いいのよ。でも、たまには部活にも出てくれるとうれしいな」

フエル「は、あはは・・・」

剣道部主将「それじゃあ、私はこれで」

フエル「あ、どうもありがとうございます、主将!」ペコ

・・・

菜々「おー、おかえり・・・ってなんで防具?」

フエル「いやー、今度部室が移動するらしくてさー。ロッカー整理したってんで主将が持ってきてくれたんだ」

菜々「アンタ先輩に何やらせてんのよ」

日高「フ・・・フエルちゃんは剣道やってるの・・・?」

菜々「そうだよー。ロクに部活動出てないくせに部員の誰よりも強いんだから!」

フエル「うっさいなぁ」

日高「か・・・かっこいい・・・」キラキラ

菜々「何なら、さおりんもちょっと防具つけてみたら?」

フエル「あ、ダメっ!!」

菜々「なんでよ?」

フエル「な、なんでってそりゃ・・・とにかく片付ける場所探してくる!!」バタン

日高「・・・」チラチラ

菜々「さおりん、防具気になるの?」

日高「う、うん・・・」

菜々「フエルもいないし、つけてみたら?」

日高「で、でも・・・」

菜々「大丈夫だって、ちょっとかぶるくらいなら」

日高「う、うん・・・はうっ!?」ビクン

菜々「ん?どしたの・・・」

日高「こ・・・これ・・・」モワーン

菜々「あぁー、ニオイね。まぁ汗とかかくしねぇ」クンクン

日高「フ、フエルちゃん・・・普段はあんなにかわいいのに・・・」ガクガク

菜々「まぁフエルもこのニオイのせいで部活行きたくないのもあるみたいだねぇ。でも、私はこのニオイ結構好・・・」クンカクンカ

フエル「おーい、ついでに飲み物もってきt」ガチャ

菜々「あっ」

日高「あっ」

フエル「菜々っち・・・アンタ・・・」ワナワナ

菜々「フ、フエル・・・違うの!これはその・・・違うんだって!!」アタフタ

フエル「何がよ」

日高「な、菜々ちゃん・・・さすがに現行犯でそれはムリだよ・・・」

ジンジャー「ちょうどいいでしょうが。ちょっとそれを貸してみなさい」

フエル「へっ?」

ジンジャー「うーん・・・こえだけあえば十分結晶化できうでしょーが」 ←鼻つまんでる

フエル「えぇ!?嫌だよそれは!!」

ジンジャー「心配ないでしょうが。必要なのは成分であって実際にこの汗や臭いを使うわけではないでしょうが」

フエル「で、でも元はそれ(防具)なわけでしょ!?」

菜々「きがくるっとる」

フエル「アンタが言うな!!」

一週間後・・・。

ジンジャー「ほら、できたでしょうが。これが貴方の結晶でしょうが」コロン

フエル「色が若干濁ってるのがまた・・・」

菜々「フエル汁の塊か・・・」

フエル「黙れ」

日高「な・・・菜々ちゃんのは?」

菜々「あ、私のはねぇー。これ」コロン

日高「きれい・・・ルビーみたい」

フエル「なんか聞くの怖いけど・・・それ何で作ったの?」

菜々「血」

フエル「ホラーか!!」

ジンジャー「ちょうどその子の場合は病院に血液があったから、それを使ったんでしょうが」

菜々「いやー、こないだアレルギーの検査で血ぃ抜かれちゃってさー」

フエル「そ、それってつまり病院から盗んできたわけだよね?」

日高「だ・・・大丈夫なの・・・?」

ジンジャー「正確には医療廃棄業者に渡った後の血液を持ってきたでしょうが。どうせ処理されるものだし有効活用しない手はないでしょうが」

フエル「へー・・・なんつーか、ウチらのバカ妖精2匹とはえらい違いだね。狡猾ぅー」

菜々「そういえば最近姿見てないけど、ソルトとビネガーはどこへ?」

ジンジャー「あの2匹なら、今頃王国のトレセンで調教を受けてるところでしょうが」

フエル「調教て」

菜々「競走馬か何か?」

ジンジャー「似たようなもんでしょうが・・・いえ、それじゃあ競走馬に失礼だったでしょうが」

フエル「辛辣ぅ」

菜々「でも、とにかくこれで次にヘドリアンが現れたときも安心だね!」

日高「そ・・・そうだね」ニコ

フエル「うーんでも手放しで喜んでいいのかこれ」ウーム

ジンジャー「仕方ないでしょうが・・・貴方たちには申し訳ないけれど、ブルーマリン王国復活まで力を貸してほしいでしょうが」

フエル「あ・・・そういえばさ。二人はこの街に来る前からプリキュアやってたんでしょ?」

日高「う、うん・・・・」

フエル「それじゃあ、もう結構ミネラルキューブ貯まってたりするんじゃない?」

ジンジャー「私たちの手元にあるミネラルキューブは10個・・・貴方たちのと合わせると、全部で16個あるでしょうが」

菜々「王国の復活にはミネラルキューブがいくつ必要なの?」

ジンジャー「正確には多ければ多いほどいいけど・・・とりあえずは20個もあれば、あとは王国で複製をつくることが可能でしょうが」

フエル「複製?」

ジンジャー「さっき貴方たちに渡した結晶と同じようなモノでしょうが。本物のミネラルキューブがあれば、その力を増幅させてなんとか王国を復元させることができるでしょうが」

菜々「そっかー、あともう少しだね!!」

フエル「でもさ。王国が復元できたとしても、あの例の悪の皇帝とかいう奴はどうするの?」

ジンジャー「ええ・・・悪の皇帝コースティックを封印するその時、それが貴方たちプリキュアの力を借りる最後の機会ということになるでしょうが・・・」

菜々「で、でもさ・・・本当に大丈夫なのかな?私たちまだそんなに戦ったこともないし・・・RPGで言ったら、最初の村の周りでレベル上げしてる段階だよ?」

フエル「確かに・・・今までは敵も雑魚ばっかだったからなんとかなってたけど・・・」

菜々「あのカドミームとかいう奴とも直接戦ったことはないし・・・これ、結構分が悪いんじゃない?」

日高「だ、大丈夫・・・私たち3人いれば、きっと・・・」

ジンジャー「沙緒里の言う通りでしょうが。プリキュア3人の力を合わせれば、どんな悪にでもきっと立ち向かえるでしょうが」

フエル「でもさぁ・・・万一のときの保険はきっちりかけといてよね?」

ジンジャー「無論そこは抜かりないでしょうが。今回あの2匹を調教してるのも、実はその一環でしょうが」

菜々「あ、そうだったんだ」

<トントン

フエル「ん?窓の外から音が・・・」

ジンジャー「おやおや、噂をすれば・・・でしょうが」

菜々「あ、ビネ・・・g」

ビネガー「ご無沙汰してるっす、皆の衆」ムキッ

ソルト「自分たち、心も体も一から鍛えなおしてきたっしょ」ムキムキッ

フエル「うっわキモッ!!」ドンビキ

菜々「アンタ達それ何そのそれ!?」ドンビキ

ソルト「トレセンでの一週間はそれはもう生半可なものではなかったっしょ・・・」サイドチェスト

ビネガー「先輩、キレてるキレてるぅ~!」ヒューッ

日高「に、肉襦袢・・・?」

ジンジャー「やれやれ、少しは使えるようになったんでしょうが?」

ソルト「当然っしょ、姐さん。もう僕ら、怖いもんは何もないっしょ」ダブルバイセップス

ビネガー「そうっす!自分らの身体は敵を求めて熱く疼いているっしょ!!」アドミナブルアンドサイ

カドミーム「おやおや・・・それはちょうどよかったですねぇ」

ソルト「」

ビネガー「」

フエル「カドミーム!!」

カドミーム「ごきげんよう、プリキュアの皆さん」

菜々「みんな、変身するよ!!」

日高「う、うん・・・!!」

三人「プリキュア、シップメント!!」

キュアワカメ「ミネラル溢れる海の恵み・・・キュアワカメ!!」ドイーン

キュアヒジキ「鉄分豊富な海の恵み・・・キュアヒジキ!!」ドドイーン

キュアケルプ「寒海に揺蕩う沖つ玉藻・・・キュアケルプ!!」ババーン

キュアワカメ「なんか納得いかねえ!!」

キュアヒジキ「くっ、なにこの羨ましいような羨ましくないような複雑な気持ち!?」

キュアケルプ「二人とも、お喋りは後よ!今は目の前の敵に集中して!!」

キュアワカメ「あ、はい」

キュアヒジキ「さおりんテンションあがってるな~」

カドミーム「ほう・・・あなたがこの間の雨を降らせたプリキュアでしたか」

キュアワカメ「そうよ!キュアケルプにかかればアンタなんて赤子の手なんだからね!!」

キュアヒジキ「赤子の手て」

カドミーム「面白い・・・私もそろそろ、直にお相手せねばと思っていたところです」サッ

キュアワカメ「へっ?・・・うわあっ!!」ステーン

キュアヒジキ「キュアワカメ!!」

カドミーム「足元がお留守ですよ?」バッ

キュアヒジキ「ぐっ、きゃあっ!!」ドテーン

キュアケルプ「みんな!!」

カドミーム「さあ、残りはあなたです」

キュアケルプ「くっ・・・プリキュアアクアフォール!!」

カドミーム「ほほう、それがあの雨の正体ですか?」サッ

キュアケルプ「私の結晶が!?」

カドミーム「ふん・・・小賢しい。このようなものがあっては、我々の計画の邪魔です」バキッ

キュアケルプ「ああっ!!」

キュアヒジキ「そんな・・・キュアケルプの、涙の結晶が・・・」

キュアワカメ「ちょっとアンタ!何すんのよ!!」

カドミーム「これであの雨を降らせることもできないでしょう」

キュアヒジキ「甘いっ!食らいなさい、プリキュアブラッディスプラッシュ!!」ブシャアアアアアア

キュアワカメ「うっわあれ血しぶきだよ・・・ていうかその技名いつ考えた」

キュアケルプ「なんてスプラッタな・・・」ゴクリ

カドミーム「おっと、何やらまだ隠し玉をもっているようですね」バサッ

ジンジャー「マントで弾かれた・・・?ソルト、ビネガー!今こそ調教の成果を見せるときでしょうが!!」

ソルト&ビネガー「応ッ!」


ビネガー「蒼海流妖精体術奥義!!」

ソルト「眼・巌・綴!!」カッ

ドゴォォォォォォォォン!!

キュアケルプ「自爆した・・・!?」

キュアワカメ「てかメガンテて」

カドミーム「おや・・・なにか爆発したようですね?」

キュアヒジキ「うーん、こうかはいまひとつのようだ」

キュアワカメ「犬死にじゃん」

ソルト「」プスプス

ビネガー「」プスプス

ジンジャー「アンタたちに期待した私がバカだったでしょうが・・・」

キュアケルプ「くっ・・・一体どうすればいいの!?」

キュアヒジキ「あ、キュアワカメもあれ(結晶)使ってごらんよ」

キュアワカメ「えぇー・・・」

キュアヒジキ「今使わないでいつ使うのさー、ほら早く早くー」

キュアワカメ「できればこのままお蔵入りにしときたかったけどね」


キュアワカメ「てかこれ、どうやって使うの?」

ジンジャー「胸の前に掲げて技名を叫ぶでしょうが!」

フエル「技名て・・・」

キュアヒジキ「あ、それねぇ。なんか自動的に口から出るよ。変身の時みたいに」

キュアワカメ「いつも思うんだけどこれって公開処刑だよねぇ」

カドミーム「おしゃべりは終わりましたか?では、そろそろこちらから行きますよ!!」ダッ

キュアヒジキ「あ、ヤバイ!!キュアワカメ、早く!!」

キュアワカメ「ええい、ままよ!!」

キュアワカメ「必殺!プリキュアぬのさらし!!」ザッ

キュアヒジキ「プリキュアぬのさらし!?技名だっさ!!」

シーン・・・

キュアヒジキ「・・・あれ、何も起きないね?」

キュアワカメ「あれー・・・おっかっしいなぁ?」ハテナ

キュアケルプ「・・・!いえ、カドミームの様子が変だわ!!」

カドミーム「くっ・・・な、なんだ、これ・・・はっ・・・」クラッ

カドミーム「はぐっ・・・くっ、ぐぐぐ・・・!ち、ちから、がっ・・・」ガクガク

キュアヒジキ「な、なんか身悶えしてない?」

キュアワカメ「うわー・・・あれダメなやつだよ。通報通報」

キュアヒジキ「・・・そういやあの結晶、アンタの防具から作ったやつだったよね」

キュアワカメ「なんかこれが一番効いてるとか、かえってムカつくわー・・・」ビキビキ

ジンジャー「今のうちに奴の動きを封じるでしょうが!!」

キュアケルプ「わかったわ!!」ダッ

カドミーム「くっ、くうっ・・・だ、だめだ・・・これは、う、うわあああ・・・」ヨロヨロ

キュアヒジキ「おっと、こっちは行き止まりよ」フフン

キュアワカメ「観念なさいこの変態野郎」

カドミーム「ぐっ、ぐううう・・・」ピクピク

キュアヒジキ「で、どうするこれ?」

キュアワカメ「とりあえず、ふん縛っちゃおっか」

ジンジャー「それなら彼女にまかせるでしょうが。キュアケルプ!」

キュアケルプ「まかせて!・・・プリキュアスローターハンギング!!」

ギシイッ

カドミーム「ぐ、うあああぁぁぁ!!」ギチッ

キュアヒジキ「おーすごい」

キュアワカメ「なんか中世の魔女裁判の挿絵でこんなんみたことある」

カドミーム「う、うぅぅ・・・おのれ・・・」ギシギシッ

ジンジャー「さあ、諦めてコースティックの居場所を言うでしょうが!!」

カドミーム「フ・・・・フフ、フハハハハハ!!」

キュアワカメ「あ、壊れた」

キュアヒジキ「うっわ面倒だなぁ」

カドミーム「ついに私を・・・本気にさせたな、プリキュアアアアアアアアア!!」

ジンジャー「っ!?」

キュアケルプ「だめっ、縄が解けて・・・みんな、逃げて!!」

キュアワカメ「へっ!?」

カドミーム「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ドォォォォォォォーーーーーーーーン!!!

・・・

キュアワカメ「ケホッ、ケッホ・・・み、みんな大丈夫?」

キュアヒジキ「な、なんとか・・・って、これ・・・」

キュアケルプ「空の色が・・・」

カドミーム「フハハハハハ!ハーッハッハッハッハ!!」

ジンジャー「カドミームの様子がおかしい、皆気を付けるでしょうが!!」

カドミーム「やはりカドミームでは無理だったか・・・」

キュアワカメ「はぁ?ア、アンタ何言ってんの・・・?」

カドミーム「私はカドミームではない」

カドミーム「私はスラッジ帝国皇帝」

「--コースティックだ」

ジンジャー「なっ・・・こ、これがあのコースティック・・・?」

キュアヒジキ「何あれ!変身するタイプのやつだったの!?」

キュアワカメ「こりゃーあと2回くらい変身を残してるかもしれないわね!!」

ジンジャー「冗談言ってる場合じゃないでしょうが!!」

キュアケルプ「二重人格・・・!」

コースティック「プリキュアよ・・・これほどの短期間で私の手を煩わせるとは流石だ」

キュアワカメ「本当だよ、まだこちとらプリキュア歴3ヵ月ちょいなのにさ」

キュアヒジキ「まだOJT期間といっても過言ではないよね」

コースティック「遊びは終わりだ・・・一気にカタヲツケテヤル・・・」

コースティックがそう呟くと、辺り一面から黒い霧が吹きあがった。

キュアケルプ「くっ、この霧はっ!?」

ジンジャー「こ、これは・・・ブルーマリン王国を覆ったあの霧と、同じ・・・」

コースティック「キサマラノセカイモオワリダアアアア!!」

キュアワカメ「させるか!プリキュア竹刀!!」

だがキュアワカメが竹刀を振ったその瞬間、コースティックの姿はたちまちその場から消えてしまった。

コースティック「フハハハハ・・・ハーッハッハッハッハ!!」

キュアワカメ「くっ、逃げるなぁぁ!!」

キュアケルプ「キュアワカメ、大変よ!」

キュアヒジキ「街が・・・」

彼女たちの目に映ったのは、見慣れた街が黒い霧に覆われていく姿だった。

第7話 おわり

ついに現れた悪の皇帝コースティック!

その圧倒的な逃走力の前に私たちはなすすべもなく奴を取り逃がしてしまった!!

街を覆う黒い霧の正体とは!?

次回

「ワカメvsメカワカメ」

お楽しみに!!

>>294
よい子の塗り絵だよ!!
好きな色を塗ってね!!

キュアヒジキ
http://i.imgur.com/R4mFJ9C.jpg

キュアケルプ
http://i.imgur.com/sB7F9dy.jpg

http://iup.2ch-library.com/i/i1246336-1406124486.png
応援してる

なんか色暗いな

>>427
早速塗り絵してくれた人がいてうれC

>>428
ワカメ、ヒジキ、コンブだからね
どう足掻いても褐色だらけのアンカラフルな感じにしかならないからね 仕方ないね

第8話「ワカメvsメカワカメ」

『・・・この事態に、国はJ-ALERTを通じた国民保護を呼びかけ・・・』

『先に観測された深刻な大気汚染は、気象情報としては異例の内閣官房からの有事関連情報として扱われ・・・』ピッ

フエルママ「・・・本当、どうしちゃったのかしらね」

フエル「・・・」




ミネ☆チャ(ry

フエル「まったく・・・アンタらのせいでえらいことになっておまんがな」

ソルト「そ、そんなこと言われても・・・」

フエル「大体、元はと言えばアンタ達が人間界にこんな面倒事持ち込むからいけないんでしょーが!!」

ソルト「か、仮にコースティックがブルーマリン王国に手を出さなかったとしても、いずれ人間界もこうなってたっしょ!!」

フエル「ちょっとはそっちで時間稼ぎしときなさいよ!少なくとも私の寿命が来るくらいまでは!!」ムキー

<♪~

フエル「あ、さおりんからメールだ・・・ん?」

ソルト「どうしたっしょ?」

フエル「なんか、ジンジャーがアンタを連れて来いって」

ソルト「」

フエル「はぁー・・・ってことは、また『アレ』つけてかないといけないのかぁ」

ソルト「ね、姐さんが・・・?」ガクガク

フエル「ほら行くよ、ってどしたの?」

ソルト「あ、アカン・・・ワイは一体何をしでかしてしまったんや・・・」ガタガタ

フエル「アンタどんだけ彼女にトラウマ抱えてんのよ」

フエル「お母さん、ちょっと友達の家まで行ってくるね」

フエルママ「あ、うん・・・気を付けてね」

フエル「うん」

フエルママ「あ、フエル!ガスマスク忘れないでね!」

http://i.imgur.com/T2I5h6o.jpg

フエル「はーい」

フエル「・・・」シュコー

ソルト(街行く人々がみんなガスマスクを着けていてなんだか不気味っしょ・・・)

フエル「・・・」シュコー

現在、この街では自衛隊が霧の除染作業にあたっていた。

だがその効果は芳しいものではなく、外を出歩くときはこうして自治体で配布されたガスマスクを着けなければならなかった。

菜々「・・・」シュコー

フエル(あ、菜々っちだ)シュコー

菜々「・・・」シュコー

フエル(おーい、菜々っちー)タッタッタ

菜々「!!」ビクッ

フエル(あたしだよ。フエルだよ) ←自分指さしてる

菜々(あ・・・フエルか)シュコー

フエル(一緒に行こ)シュコー

菜々(うん)シュコー

ソルト(シュールな光景っしょ・・・)

・・・

フエル「ふぅー、お邪魔します」

日高「い、いらっしゃい・・・な、中へどうぞ・・・」

菜々「おー、ここがさおりんの部屋かー!なんていうか・・・」

菜々(ひどく殺風景・・・)

フエル(生活感がまるで無い・・・)

日高「ど・・・どうしたの?」オロオロ

菜々「んん、いや・・・綺麗に片付いてるねぇ!」

フエル「ホントホント。菜々っちの部屋なんて足の踏み場もないのにね」アハハ

日高「うん・・・私、すぐ引っ越しちゃうし・・・必要なもの以外、ほとんど何も持ってないの・・・」

菜々(悲しい)

フエル(悲しい)

フエル「・・・で、今日はどうしたの?」

日高「う、うん・・・ジンジャー」

ジンジャー「二人とも、わざわざ呼びつけて悪かったでしょうが」

菜々「まぁジンジャーに呼ばれちゃねぇ」

フエル「ウチらのバカ妖精2匹とはワケが違うしね」

ソルト&ビネガー「・・・」 ←バカ妖精2匹

ジンジャー「とりあえず、これからの方向性について相談しておきたいでしょうが」

菜々「方向性、っていってもねぇ・・・」

フエル「街がこんな状態じゃ、学校にも行けないし」

ジンジャー「そうね・・・日常生活にも支障を来すようじゃ、プリキュアとしての活動も難しくなってくるでしょうが」

日高「な、なんとかしてこの霧を晴らすことはできないの?ジンジャー・・・」

ジンジャー「その事だけど・・・貴方達にはこれを渡しておくでしょうが」

フエル「これは・・・ミネラルキューブ?」

ビネガー「なるほど・・・たしかにミネラルキューブを使えば、街の霧も浄化できるかもしれないっすね」

ソルト「でも姐さん・・・コースティックが動き出した今、これまで通りミネラルキューブが集められるかは分からないっしょ」

ジンジャー「それは分かっているでしょうが・・・もしミネラルキューブをここで使うことになれば、後はもうコースティックを倒すしか方法は無いかもしれないでしょうが」

菜々「たしかにこの霧の元凶がアイツなら、それで何とかなるかもしれないね」

日高「で、でも・・・本当に、倒せるのかな・・・」

フエル「・・・正直、結構厳しいかもね。なんてったって、まともに攻撃を当てたことすらないし」

菜々「唯一効いたのがフエル汁の塊っていうね」

フエル「その言い方やめてくださらない?」ビキビキ

ジンジャー「それでも、いくらか時間稼ぎにはなるでしょうが。その間に貴方達プリキュアの力を少しでも高めることが出来れば・・・」

菜々「・・・なんだかバトルものみたいな展開になってきたねー。オラなんかワクワクしてきたぞ!」

日高(オ、オラ・・・?)

フエル「言ってる場合じゃないでしょ・・・とにかく、ミネラルキューブは一応預かっておくけど、もう少し様子を見たほうがいいんじゃないかな」

ジンジャー「そうね・・・人間たちも独自にこの霧を何とかしようとしているようだし・・・」

・・・

自衛官A「ふぅ・・・一体どうなってんだ、この霧は・・・」

自衛官B「分隊長からは地下鉄サリン事件以来の重大任務だ、なんて訓示が出てたけどさ・・・」

自衛官A「CNBC(中央特殊武器防護隊)が手も足も出ないってんじゃあ・・・こりゃいよいよダメなんじゃないのか?」

自衛官B「いや、それがな。何でも司令部から『秘密兵器』が送られてきたらしいぞ?」

自衛官A「秘密兵器?」

自衛官B「ほら、あのNBC偵察車のとなりにいる・・・アレだ」

自衛官A「あれは・・・ロボットか?」

自衛官B「おうよ・・・何でも技本が開発中の自律型アンドロイドらしい」

自衛官A「マジかよ・・・今まで冗談でガン○ムくらい作ってるとは言ってたが・・・てか、女性型なんだな」

自衛官B「不満か?」

自衛官A「いや・・・むしろこれは技本の考えと現場の要望が一致した稀有な例といえる」ゴクリ

自衛官B「ああ、これはもう我々にとってはご褒美と言っても過言ではないな」ゴクリ

分隊長「XWKM-01の準備はできているか?」

オペレータ「いつでも出せます」

分隊長「よし、では早速起動だ。いけWKM(ワカメ)!」

自衛官A「ワカメて」

自衛官B「何か俺、あの国民的アニメ思い出したわ・・・」

XWKM-01「ジョセンヲ カイシシマス」ウィーン

自衛官A「おぉ、喋った!」

自衛官B「やべぇ声超かわいい・・・これは技本の連中本気出してきてますわ」ゴクリ

自衛官A「これこそ税金の正しい使い方ってはっきり分かんだね」(確信)

自衛官B「あ、見ろ。除染が始まったみたいだぞ」

XWKM-01「・・・」モグモグゴックン

XWKM-01「・・・」プハ

自衛官A「な、何やってんだ?アレ・・・」

自衛官B「なんでも汚染された物質を一度取り込んで、除染したうえで放出する仕組みらしい」

自衛官A「もうこれ(過ちを犯すかも)わかんねぇな」ゴクリ

オペレータ「自律制御モード正常作動中、動作異常なし。該当区域の除染率70%。引き続き監視を続けます」

分隊長「予想以上の効果だな・・・よし、一旦隊員を戻して様子を・・・」

オペレータ「・・・!?パラメータに異常、強制停止・・・ダメだ、入力コードを受け付けない!!」

分隊長「・・・各員に伝達、装備を解除せずそのまま現場区画へ急行せよ」

XWKM-01「・・・ウ、アウゥゥ」ガクガク

自衛官A「お、おい・・・なんかワカメちゃんの様子がおかしくないか?」

自衛官B「まさか・・・暴走!?」

自衛官A「お前それ言いたいだけだろ」

XWKM-01「・・・フ、フフフフフフ」プシューッ

・・・

フエル「じゃ、今日のところは一旦解散だね」

日高「う、うん・・・気を付けて帰ってね・・・」

フエル「はぁー、またこれつけきゃいけないのかぁ・・・」

http://i.imgur.com/T2I5h6o.jpg

菜々「ここに来る途中でフエルが駆け寄ってきたときは何処の変態かと思ったよ」

フエル「仕方ないでしょうが・・・ていうかコレ、剣道の面被ってるみたいで嫌なんだよねぇ・・・ん?」

<ウーウーウー

フエル「な、なんか外でサイレン鳴ってない?」

菜々「う、うん・・・」

日高「い・・・いま、外に出ないでくださいって放送が・・・」

ジンジャー「ハッ・・・これは、ヘドリアンの気配!?」

菜々「えぇ!?」

フエル「いやほんとタイミング良すぎない?なんで三人そろってる時に現れんのよ」

ジンジャー「とにかく、プリキュアに変身するでしょうが!!」

日高「う、うん・・・!」

3人「プリキュア、シップメント!!」

・・・

XWKM-01「アハハ!!」ドカーン

自衛官A「ワ、ワカメちゃんがバグった!!」

自衛官B「リアルBugってハニーじゃん」 ※オッサンに(ry

自衛官A「言ってる場合か!!・・・って、おいアレ本当にやばいんじゃ・・・」

自衛官B「チッ、89持って集まれってよ!!」ダッ

キュアケルプ「・・・見て、あそこ!!」

キュアヒジキ「あれは・・・ロボット!?」

キュアワカメ「ていうか、この非常時になんであんなアニメみたいなデザインのロボット使ってんのよ」

キュアヒジキ「税金の無駄遣いだよねぇ」

キュアケルプ「なんだか様子がおかしいわ!急ぎましょう!!」

分隊長「住宅地には近づかせるな!進行方向に回り込み目標を包囲しろ!!」

自衛官A「くそっ、銃を持ってても撃てないんじゃ意味ねぇ!!」

自衛官B「ロボット相手じゃ威嚇にもなんねー。いざってときは俺達に身体を張ってでも壁になれってことだろ」

XWKM-01「ヨイショッ!!」ガシッ

分隊長「・・・NBC偵察車が!?」

NBC偵察車(6億円)<メキョッ

分隊長「」

自衛官A「」

自衛官B「」

XWKM-01「アハハハハハハハ!!」

自衛官A「やべぇよ・・・やべぇよ・・・ワカメちゃん、マジ怖ぇ・・・」ガクガク

自衛官B「くっ、来るぞっ!!」

自衛官A「うぅ、チクショオオオオオ!!」

XWKM-01「ソーレ!!」ブォン

キュアワカメ「プリキュア竹刀!!」ズダァン

XWKM-01「!?」サッ

キュアワカメ「くっ、外した・・・大丈夫ですか!?」

自衛官A「な・・・なっ!?」

自衛官B「なんで女の子がここに・・・?」

キュアワカメ「二人とも気を付けて!!そのロボット、見かけによらず速い!!」

キュアヒジキ「OK!キュアケルプ、挟み撃ちよ!!」

キュアケルプ「分かったわ!!」

XWKM-01「プ、リ・・・キュア・・・・」

ジンジャー「ソルト、ビネガー!!彼女たちをサポートするでしょうが!!」

ソルト&ビネガー「応ッ!」

XWKM-01「プリキュア・・・」

キュアヒジキ「そっちへ行ったわ、キュアケルプ!!」

キュアケルプ「まかせて・・・っ!?」

そう応えたキュアケルプの目に、アンドロイドの腕が変形していく様子が映る。

数秒後、変形した腕から凄まじい勢いで弾丸が放出される。

キュアケルプ「くうっ!?」サッ

間一髪それを躱すキュアケルプ。

自衛官B「あ、アレはM134!?」

自衛官A「えっ、あのターミネーター2に出てきたやつ!?ワカメちゃん怖ぇマジ怖ぇ!!」ガクガク

http://i.imgur.com/d0abDzq.png

自衛官B「ていうかなんで除染用ロボットが武装してんだよ!技本ロマン詰め込みすぎィ!!」

キュアヒジキ「大丈夫、キュアケルプ!?」

キュアケルプ「くっ、危なかった・・・!これは迂闊に近づけないわね」

キュアヒジキ「・・・待って、キュアワカメが突っ込んでいく!!」

キュアケルプ「キュアワカメ!!」

キュアワカメ「きええええええええ!」タッタッタ

XWKM-01「プリキュア・・・コワス・・・ワタシノ、シメイ・・・」ウィーン

直後、1秒間に数十発という銃弾がキュアワカメを襲う。

だが彼女はその全てを持っていた竹刀で弾き返す。

キュアヒジキ「す、すごい・・・!」

自衛官A「な、なんだあれ・・・俺は夢でも見てるのか?」ガクガク

自衛官B「頑張れ女の子ちゃん!!」

XWKM-01「・・・」シーン

キュアワカメ(よし、弾切れ!貰っ・・・!)

キュアワカメが竹刀を振り抜こうとしたその時、XWKM-01の胸部から二つの物体が飛んできた。

キュアワカメ「へっ・・・?」

そしてそれは、キュアワカメの身体に当たった瞬間凄まじい爆発を引き起こした。

ズダァァァァァァン!!

キュアヒジキ「キュアワカメ!!」

自衛官A「アカン・・・なんか凄まじい勢いでオッパイあたってたんですが・・・」ガクガク

自衛官A「あててんのよとかいうレベルじゃねーぞ・・・」ブルブル

自衛官B「これ・・・技本はちゃんとダイナ○ックプロに金はらってんのかな?」

XWKM-01「・・・」ウィーン ガシャン

キュアワカメ「う・・・ぐ、ゲホゲホッ・・・」

キュアヒジキ「大丈夫!?キュアワカメ!!」

キュアワカメ「な、なんとかね・・・でも、これで少なくとも攻撃手段は奪えたはず・・・」

キュアケルプ「そうね・・・あとは動きさえ止められれば」

ソルト&ビネガー「僕(自分)たちに任せるっしょ!!」

ビネガー「蒼海流妖精体術奥義!!」

ソルト「愚・羅・毘・牙!!」カッ

XWKM-01「・・・!!」グググ・・・

キュアケルプ「・・・アンドロイドの動きが、止まった!!」

キュアヒジキ「てかグラビガて」

キュアワカメ「あの拳法、全体的にダメな奴じゃない?」

ソルト&ビネガー「今っしょ!僕(自分)らが動きを止めている内に早く!!」

キュアケルプ「二人とも!今のうちに攻撃を・・・!」

XWKM-01「コウドウフノウ・・・ジバクシーケンスキドウ・・・」

ソルト&ビネガー「えっ」

キュアヒジキ「じ、自爆!?」

XWKM-01「3・・・2・・・」

キュアケルプ「くっ、カウントが早い!!二人とも、自衛隊の人を連れて逃げて!!」

キュアヒジキ「うん!」タッ

キュアワカメ「分かった!!」シュタッ

ソルト「え、ちょ・・・待って僕たちも」

ビネガー「が・・・ま・・・」

カッ!!

ズドォォォーーーーン!!

・・・

キュアワカメ「ふぅ、危なかったぁ・・・!」

キュアヒジキ「間一髪ね!!」

自衛官A(何これ・・・俺いま女の子にお姫様抱っこされてる・・・)ドキドキ

自衛官B(こんなん、惚れてまうやろ・・・)キュン

キュアワカメ「二人とも、怪我はありませんか?」ニコ

自衛官A「あ、ああ・・・おかげで助かったよ」ドキドキ

自衛官B「君たちは一体・・・?」

キュアヒジキ「キュアワカメ、早く!!」

キュアワカメ「うん、今行く!それじゃあ!!」シュタッ

自衛官A「・・・行っちまった、な」

自衛官B「あぁ・・・」

自衛官A「あの娘・・・どことなく、あのアンドロイドに似てなかったか?」

自衛官B「言われてみれば、そうかもな・・・」

自衛官A「生ワカメちゃん・・・か」

・・・

菜々「ふぅ、セーフ!」シュイン

フエル「なんとか変身が解ける前に間に合ってよかった・・・」シュイン

日高「あ・・・ふ、二人とも、見て・・・!

菜々「えっ?・・・あっ!」

フエル「霧が・・・晴れていく!!」

菜々「やったじゃん!でも、一体なんでだろ?」

ジンジャー「詳しくは分からないけど・・・あの自爆したアンドロイドの中に、もしかしたら霧の正体となるものがあったかもしれないでしょうが・・・」

フエル「霧の正体って・・・」

ジンジャー「恐らくは・・・コースティックの、一部」

三人「!!」

菜々「え、じゃあ今までの霧はコースティックの身体から出てたわけ?」エンガチョ

フエル「ないわー・・・」ゲンナリ

ジンジャー「あくまでも推測の話でしょうが・・・ただ、もしこの仮説が正しければ、コースティックにも何らかのダメージがあるはず・・・」

菜々「ま、何はともあれ霧も晴れたことだしめでたしめでたし、ってね!」

日高「で、でも・・・このままじゃ、また同じことになる、かも・・・」

ジンジャー「沙緒里の言うとおりでしょうが・・・今のうちに、何としてもコースティックに止めを刺したいところでしょうが」

フエル「そうはいっても、場所が分からないんじゃねぇ・・・ん?」

菜々「どしたの?」

フエル「これ・・・なんだろ」

泥「・・・」

菜々「これは・・・泥の塊?にしてはやけに黒いね」

ジンジャー「こっ、これはもしかしてコースティックの・・・!」

菜々「えっ」

フエル「うっわ汚っ」

菜々「こんなのさっさと下水に流しちゃいましょ!!」

日高「ま、待って・・・!これ、なんだか動いてるみたい・・・」

泥「」モゾモゾ

菜々「えぇ?・・・さおりん、いくら生きてるように見えるからってそれは・・・」

日高「そ、そうじゃなくて・・・もしこれがコースティックの身体の一部なら・・・も、もしかして、元の身体に戻ろうとしてるんじゃ・・・」

ジンジャー「!!」

フエル「なるほど・・・じゃあ、後を付ければもしかしたらコースティックの居場所が分かるかもね」

ジンジャー「そうね・・・或いはこれを私達が持っていれば、コースティックの方からこちらへ来る可能性もあるでしょうが」

菜々「じゃ・・・どうする?これ」

フエル「とりあえず、何か容器に入れとく?」

日高「わ、私・・・家からペットボトル持ってくる・・・」

・・・

ペットボトル「・・・」モゾモゾ

フエル「うーん気持ち悪い」

菜々「ね」

フエル「これどうするの?ウチには置いておけないよ」

日高「わ、私もこれを部屋に置いておくのは・・・ちょっと、ヤダな・・・」

ジンジャー「そうね。こういう時こそあの二匹に働いてもらうでしょうが」

菜々「え?でもソルトもビネガーもさっき壮絶な爆死を遂げたじゃない」

ジンジャー「妖精はあれくらいじゃ死なないでしょうが。特にあの2匹は」

フエル「なんかゴキブリみたいだね」

日高「フ、フエルちゃん・・・それはちょっとひどい・・・」

ジンジャー「ほら、いつまで寝てるでしょうが」ベシベシ

ビネガー「ね、姐さん・・・そんな殺生な・・・」ピクピク

ソルト「ぼ、僕たちもう限界っしょ・・・」ピクピク

ジンジャー「人事考課」ボソ

ソルト&ビネガー「」ビクビクーン

ビネガー「ぐっ、ぐうう・・・」ヨロヨロ

ソルト「辞めてやる・・・こんな会社いつか辞めてやる・・・」エグエグ

フエル「なんか今この泥以上にドス黒いものを見た気がする」

菜々「社会って厳しいなぁ」

日高「ブ・・・ブラック、企業・・・」

・・・

フエル「ただいまー!」

フエルママ「おかえり,フエル」

フエル「お母さん、霧が晴れたよ!!」

フエルママ「ええ、今テレビでもやってて・・・よかったぁ」ホッ

フエル「これで洗濯物が外に干せるねー」

フエルママ「そうね、折角だからアナタの部屋のヌイグルミも洗い・・・って、あら?いつものあのヌイグルミはどうしたの?」

フエル「あぁ、あれ?ちょっとね。学校の部室に置いてきた」

-新・剣道部部室 ロッカー内-

ペットボトル「・・・」ヌォォォォン

ソルト「うっ、うぐ・・・不気味っしょ・・・ていうか、なんで僕らばっかりいつもこんな目に・・・」シクシク

ビネガー「でも・・・自分、先輩と一緒なら耐えられるっすから・・・///」ポッ

ソルト「ていうかこれ、コースティックが来たらひとたまりもないんですがそれは」

第8話 おわり

街を覆っていた霧もすっかり晴れて一件落着!

とりあえず例の泥もソルトたちと一緒に封印してきたしこれでしばらくなんとかなるでしょ!

臭いものには蓋ってね!

次回

「あらやだ、ガスの元栓締めたかしら・・・?」

お楽しみに!!

XWKM-01

Xが付いてるから試作型ワカメ一号機ってことか・・・

たまに出るジンジャーの「そうね」の破壊力がやばい 過ち犯してしまいそう

>>496-497
WKM=【Weapon system based on Kinetic Model】動力学モデルに基づいた兵装システムの略。
のつもりだった

>>503
ジンジャー(CV:久川綾)

第9話「あらやだ、ガスの元栓しめたかしら・・・?」

フエル「Zzz…」

フエル「・・・んっ」ピクッ

フエル「ん・・・んああああああああ!!」ビキッ

フエル「プリキュア、シップメント!!」

カッ!!




ミ☆チャ(ry

キュアワカメ「ふぃ~、危ない危ない・・・あと1.5秒遅かったら完全に足攣ってたわ」シュイン

フエル「はぁー・・・随分寝汗かいたなぁ」

フエル「ちょっと飲み物でもとりに・・・ん?」

<・・・・

フエル「今・・・何かいたような?」

フエル「・・・」ウーム

翌朝。

菜々「おはよ、フエル」

日高「お、おはよう・・・フエルちゃん」

フエル「あぁ、菜々っち、さおりんおはよ」ペリペリ

友達「アンタそれ湿布?なに、また足攣ったの?」

フエル「ええ、まぁ」ペタペタ

菜々「やっぱりおばあちゃんじゃない」

フエル「アレアレ?ブチころがしますわよ?」ビキビキ

日高「だ、大丈夫・・・?」

フエル「うん、なんとかね。それに最近、完全に足が攣る前にプリキュアに変身すれば大丈夫ってことを発見したんだ!」エヘヘ

菜々「アンタそんなことのために・・・」

フエル「いいじゃん。こういう時くらい有効活用させてもらっても」

日高「ね・・・寝てる時に足が攣るのは、筋肉の疲労が原因なんだって・・・」

菜々「へぇー、さおりん物知り~」

日高「だから・・・変身したら、それだけで筋肉に負荷がかかっちゃうんじゃないかな・・・?」

菜々「たしかに、プリキュアになるとすんごい力出るもんね」

フエル「まぁ、そうなったらそうなったでまた変身すればいいだけの話だし!」

菜々「アンタそれ完全に薬物濫用する人と同じパターンだって」

フエル「だって痛いのやだもん」

菜々「それはまぁ・・・ん?」

日高「ど、どうしたの・・・?」

菜々「いや・・・いまなんか視線を感じたような?」

日高「え・・・?」

フエル「あ、そういや私も昨夜、部屋の外から誰かに見られてたような・・・」

菜々「怖っ」

日高「だ、大丈夫だったの・・・?」

フエル「うん。別になんともなかったよ?」

菜々「まぁ、気のせいでしょ」

フエル「あ、菜々っちごめん、腿の裏んとこにも湿布貼ってー」ペロン

菜々「へいへい・・・ってアンタパンツ見えてるっつーの」

フエル「別にいいよぉ、他に見てる人がいるわけでもなし」グデー

日高「で、でも・・・そろそろ皆教室に来r」

篠宮「失礼しまーす、鹿尾さんいま・・・あっ」

菜々「あっ」

フエル「あっ」

日高「・・・」サッ ←手で隠してる

篠宮「あ・・・し、鹿尾さん・・・これ、先輩に渡してほしくて・・・」

菜々「へっ?あ、お兄ちゃんに・・・?」

フエル「」

篠宮「そ、その・・・ゴメンっ!///」

フエル「」

放課後。

フエル「」

菜々「もう、元気だしなさいって」

フエル「」

菜々「大丈夫だって!さおりんが手で隠しててくれたから!!」

フエル「」

日高「ふ、フエルちゃん大丈夫・・・?」

フエル「ウン」

菜々「まったく・・・完全に油断してたアンタが悪いんでしょーが」

フエル「ソッスネ、アヒヒヒヒ・・・」ケタケタ

日高「フ、フエルちゃんがこわれた・・・」オロオロ

菜々「あ、それはそうと、来週から夏休みじゃない?」

日高「な、夏休み・・・」

菜々「んん?あんまりうれしそうじゃないね、さおりん」

日高「う、うん・・・だって、特にやる事もないし・・・」

菜々「なーに言ってんのよぉ、折角なんだから一緒にどっか遊びに行こうって!?ね、フエル?」

フエル「ウン」

日高「ほ、本当・・・?」

菜々「嘘言ってどうすんのさー。せっかくの夏休みなのに引きこもり時々プリキュアなんて中学生らしくないよ?」

日高「わ、私っ・・・今まで夏休みに友達と遊びに行ったこととかなくてっ・・・うれしい・・・」ポロポロ

菜々「あー泣くな泣くな。なら、ちょうどいいじゃん。皆で一緒に遊びに行こーね」

日高「うんっ・・・」グスッ

菜々「じゃ、そうと決まったら早速アタシんちで予定を・・・っておーいフエル帰ってこーい」ユッサユッサ

フエル「」ガクンガクン

菜々「ダメだこりゃ、完全に魂抜けてるよ」

日高「フ、フエルちゃん・・・?」

フエル「ウン」

菜々「仕方ない・・・ちょっと荒療治になるけど」サッ

日高「そ、それは・・・?」

菜々「メントスだよ。これをフエルの口の中に入れてさ、その後でコーラを入れるの」

日高「コ、コーラを・・・?」

菜々「あれ?さおりんもしかしてメントスコーラ知らない?」

フエル「やめんか」

菜々「あ、帰ってきた」

フエル「勝手に人の口で遊ぼうとするなって」

菜々「アンタがいつまでもシャキッとしないからいけないんでしょーが。ほら、アタシんち行くよー」グイグイ

フエル「んんー・・・」ズルズル

日高(メントスコーラってなんだろう・・・) ※分からない人はググろう

・・・

篠宮(あぁ・・・今朝のアレどうしよう・・・)モヤモヤ

篠宮(隣にいた友達が手で隠してたっぽいけど、バッチリ見えてたもんな・・・)

篠宮(ていうか、次からどんな顔して水入さんと顔合わせりゃいいんだよ!!)

篠宮(や、やっぱりもう一回ちゃんと謝っとくか・・・)

彼はそのまま2年生の教室へ向かう。

篠宮「失礼しまーす・・・って、もう誰もいないのか・・・」

教室を見渡した彼の目にふとあるものが映る。

篠宮「ん・・・なんだこれ、えらくファンシーな携帯だな。プ、プレ・・・プリ、キュア・・・?」

篠宮「それと・・・湿布、メントス・・・」

カッ!!

・・・

フエル「あっ」

菜々「どした?」

フエル「ファニーセル教室に忘れた!」

菜々「ええ!?」

日高「と、とってきたほうがいいよ・・・」

フエル「もちろん!あんな食玩のオマケみたいな携帯が机の上に置いてあったら恥ずかしすぎる!!」ダッシュ

菜々「先さおりんとウチに行ってっかんねー!」

フエル「分かったー!」

日高「き、気をつけて・・・!」

・・・

フエル「ふー、あったあった」セーフ

フエル「よかったぁ、誰かに見られる前で・・・ていうか菜々っちもメントス忘れてんじゃん」

ロッカー<ミ、ミズイリサァン!!

フエル「!!」ビクゥ

フエル(こっこれは・・・篠宮先輩の声・・・)ダラダラ

ロッカー<チョ、チョットタスケテェ!!

フエル(嫌ああああああああああああああ!!)タッタッタ

ロッカー<マッテェ!!イカナイデェ!!

ロッカー<ミズイリサァァァァァン!!

フエル(ああああああやばいやばいやばい!!どんな顔して先輩に会えばいいのか分かんないよぉ!!)タッタッタ

フエル(ていうかなんでロッカーの中に!?)

フエル(あれ・・・そういえば先輩、助けてって言ってたような・・・)

フエル「も、もしかして・・・出られなくなってるんじゃ・・・」

・・・

フエル「あ、あの・・・篠宮先輩・・・?」

篠宮(ロッカー)「み、水入さん・・・助けて・・・」

フエル「い、いま開けますね」

篠宮(ロッカー)「待って!ちょっとタンマ!!」

フエル「へっ?」

篠宮(ロッカー)「あ、あの・・・先に言っておくけど、趣味じゃないからね?」

フエル「は、はぁ・・・?」

ロッカーの扉を開けたフエルは絶句する。

フエル「」

キュア篠宮「こ、これ・・・どうなってん・・・の・・・」

フエル「お・・・おおぉ・・・」ガクガク

キュア篠宮「違くて・・・なんか、水入さんの携帯持ったらいきなりこんなんなって・・・」オロオロ

フエル「こっ・・・せ、先輩が・・・先輩があぁぁぁ・・・・」プルプル

キュア篠宮「こ、これ脱げないし・・・一体どうすればいいんだああああああああ!!」オロローン

・・・

篠宮「プ、プリキュア・・・?」

フエル「はい・・・信じてもらえないかもしれませんけど」

篠宮「いやまぁあんなの体験しちゃったら信じざるを得ないっつーか・・・」

フエル「・・・」

篠宮「・・・」

フエル「あ、あの・・・」

篠宮「まぁ、さ・・・この件は、お互い無かったことにするのが一番なんじゃないかな」

フエル「そ、そですね・・・」

篠宮「うん・・・あ、それと、今朝のも・・・」

フエル「!!」ビクッ

フエル「あっ、あわぁ・・・ご、ごめんなさいでしたっ!!」ペコリ

篠宮「えっ、なんで水入さんが謝んの!?俺のほうこそごめんね!!」

フエル「あっああぁあれ忘れてくださいね!?///」

篠宮「う、うん」

フエル「絶対ですよ!?」

篠宮「分かったよ・・・二人だけの秘密ってことで」

フエル「はい・・・えっ」

篠宮「ん?」

フエル(ふ、二人だけの・・・?)ドキドキ

篠宮「ど、どうしたの・・・?」

・・・

菜々「はいはい、よかったねー。お死になさい」

日高「い、いいなぁ・・・」キラキラ

フエル「ぬひぇひぇひぇ・・・」ニヤニヤ

菜々「その笑い方やめなさいって・・・」

菜々「ま・・・災い転じて福となすってとこね」

日高「フ・・・フエルちゃんは先輩のことが好きなの?」

菜々「うん」

フエル「えっ」

菜々「もー大好きも大好き、ベタ惚れだよ」

フエル「ちょっと菜々っち!!」

菜々「事実じゃない。なんならもっと積極的にパンツを見せていくスタイルで攻め落としゃいいのよ」

フエル「痴女か!」

日高「こ、興奮してきた・・・」ツー

菜々「さ、さおりん鼻血出てるよ」

日高「フ、フエルちゃん・・・私、応援するから・・・!」ポタポタ

フエル「えぇ?」

菜々「さおりん、とりあえずティッシュティッシュ」ハイ

日高「わ、私がフエルちゃんと先輩を結ぶ架け橋になるわ・・・!」フキフキ

フエル「は、はぁ・・・?」

菜々「お、面白そうだねー。私もやるやるー」

フエル「え・・・いや」

日高「じゃ、じゃあ早速作戦を立てましょう・・・!」

フエル「そ、そんな鼻つっぺしながら言われても・・・ていうか夏休みの予定は!?」

菜々「いいじゃん。それも含めてある意味忘れられない夏にしてあげるよ」ニッコリ

フエル「ある意味て」

日高「じゃあまずは夏祭りで・・・」

菜々「浴衣で花火ね・・・」

フエル「あ、あの」

日高「そしたらね、プールに行って・・・」

菜々「うんうん、水着を・・・」

フエル「おーい・・・」

・・・

菜々「よし、じゃ続きは明日ね!」

日高「フエルちゃん浴衣ね!絶対浴衣用意してね!!」キラキラ

フエル「あ、はい」

日高「よーし、後は明日水着を選んで・・・」ウキウキ

フエル「どうしてこうなった」

・・・

フエル「はぁー、まさかさおりんがあんなポテンシャルを秘めていたとは・・・ただいまぁー」

フエルママ「おかえりなさーい」

フエル「お母さん、ちょっと相談があるんだけど」

フエルママ「あら、なあに?」

フエル「新しい水着買っていい?」

フエルママ「え、水着?」

フエル「うん」

フエルママ「珍しいわね・・・毎年ほとんど泳ぎになんて行かないのに!」

フエル「うん。こないだ転校してきた子と一緒に、夏休み泳ぎに行くことになってさ」

フエルママ「まぁ、いつまでも学校指定の水着しか持ってないのも女の子としてどうかと思うし、もちろんいいわよ」オッケー

フエル「ありがとうお母さん」

フエルママ「それで、いつ買いに行くの?」

フエル「明日の午前中に友達と約束したんだけど・・・」

フエルママ「じゃ、お金渡しておくわね。ついでだからそのままお昼ご飯食べてきちゃいなさい」ハイ

フエル「え?お母さんは?」

フエルママ「私、明日町内会の集まりがあるのよ」

フエル「そっか、分かった。じゃあご飯も食べてくるね」アリガト

翌日。

フエル「それじゃ、行ってきまーす!」

フエルママ「行ってらっしゃい、気を付けてねー!」

フエルママ「よし・・・私もそろそろ準備しなくちゃ!」

?「・・・」

・・・

フエル「あ、いたいた。おーいお待たs」

日高「徹夜して良さそうな水着調べてきたの!どうかな!?」キラキラ

菜々「さ、さおりん目真っ赤だよ・・・」

日高「特にこれ!身体のラインが強調されて・・・」ハァハァ

菜々「もう(隠す部分)ないじゃん」

フエル(ち、近寄りたくねぇ!!)ビクビク

菜々「あ、フエルだ」

フエル「うっ・・・お、おはよ・・・」

日高「フエルちゃん!!」ガシィ

フエル「ひっ・・・は、はい・・・」

日高「・・・この夏は貴方のものよ!!」グググ

フエル(目が怖ぇ・・・)ダラダラ

・・・

フエル「こんなのは?」

菜々「色気ないなぁ」

フエル「色気て」

菜々「もっとこう、攻めてかないと」

フエル「攻めるて」

日高「フエルちゃんこれ!!」ヒモー

フエル「お、おぉう・・・これはまた随分と過激な・・・」

日高「これぐらいでいいんだよ・・・これぐらいでいいんだよっ!!」

菜々「大事なことなのね」

フエル「ていうか今日のさおりん怖い・・・」ビクビク

・・・

フエル「ま、まぁこれくらいなら・・・」

菜々「なんだよー、結局地味なやつになっちゃったね」

フエル「うっさい」

日高「大丈夫だよ菜々ちゃん。これはこれで需要があると思うから!!」

フエル(さおりんは昨日から一体何と戦ってんのよ・・・)ヒソヒソ

菜々(若干めんどくさい感じになっちゃったね・・・)ヒソヒソ

フエル「・・・あ、お昼ゴハンどうする?」

菜々「え?このまま食べてくの?」

フエル「うん。今日うちお母さんいなくってさ」

菜々「私は別にいいけど・・・さおりんは?」

日高「う、うん大丈夫・・・基本、家には誰もいないし・・・」

菜々(悲しい)

フエル(悲しい)

・・・

フエルママ「ふぅー、暑いわねぇ」

フエルママ「あの変な霧が晴れたと思ったら、一気に夏になったわね」

フエルママ「・・・あらやだ、そういえば私、ガスの元栓しめたかしら・・・?」

フエルママ「仕方ない、一回家に戻りますかー」

男「・・・失礼ですが、水入フエルさんのお母さんでいらっしゃいますか?」

フエルママ「えっ?」

第9話 おわり

お母さんに忍び寄る妖しい影!!

ていうか菜々っち

人のパンツの柄見て漢字練習帳とかいうんじゃねえ

次回

「ブラックは戦隊モノだと大体裏切る色」

お楽しみに!

補足:

襲い掛かる突然の悲劇!!キュア篠宮!!
http://i.imgur.com/AkLbrrE.jpg
http://i.imgur.com/lSp50ND.jpg

第10話「ブラックは戦隊モノだと大体裏切る色」

フエル「ごちそうさまー」

菜々「うわフエル、あんた口ん中真っ黒だよ」

フエル「仕方ないじゃん。イカスミパスタ食べたんだから」

菜々「お歯黒みたい」

フエル「あたしゃ未亡人か」

日高「・・・」ニコニコ

フエル「あれ?どうしたのさおりん、嬉しそうだね」

日高「うん・・・私いま、すごく楽しいの」

菜々「おー、そりゃよかった」

日高「今までずっと、こんなことしたいなって・・・思ってたから」

菜々「まー喜んでもらえたなら何よりさね」

日高「私・・・転校しても二人の事忘れないから・・・」

フエル「え、ちょ・・・気が早くない!?」

菜々「てか、もう転校すんの!?まだきてから1ヵ月も経ってないじゃん!!」

フエル「某番組の某コーナーか!!」

日高「で、でも・・・いつそうなってもおかしくないし」

菜々「今からそんなこと考えちゃダメだよー」

フエル「そうだよ。それに、仮に転校したって会えなくなるわけじゃないしねー」

菜々「そーそー」

日高「うん・・・!」




ミ☆チャ(ry

菜々「午後はどうする?」

フエル「んー、特に予定もないけど」

日高「わ、私も・・・」

菜々「よし!そいじゃこのままアタシんちいこーよ!」

・・・

菜々「ただいまー!さ、あがってあがってー」

フエル「おじゃましまーす」

日高「・・・」

菜々「ん?どしたの、さおりん」

日高「いや・・・今日はお兄さんいないのかなって・・・」

菜々「あぁ、お兄ちゃんは高校の部活だよ。お母さんたちもいないみたいだね。なんで?」

日高「い、いや・・・私、男の人が近くにいると緊張するから・・・」

フエル「なはは、なんで緊張すんのさー」

菜々「いやアンタだって先輩の前だとガッチガチでしょうが」

菜々「・・・はい、麦芽コーヒー」

日高「あ、ありがとう・・・」

フエル「ていうか、前から思ってたんだけどなんで麦芽コーヒーなわけ?」

菜々「だって美味しいじゃん。それに、身体にもいいし!」

フエル「いやそれはそうかもしれないけどさぁ・・・」チュー

菜々「よーし、じゃあ早速夏休みの予定を立てますかー・・・と、その前に」

フエル「うん?」

菜々「フエル、ちょっとさっき買った水着出して」

フエル「なんで?」

菜々「いいから」

フエル「ほい」

菜々「んー、じゃタグ取っちゃうねー」

フエル「えぇ、なんで?」

菜々「えっ?アンタこういうのちゃんと取っておきたい派?」

フエル「じゃなくて、なんで今取るのさ!」

菜々「決まってんでしょーが。早速ここで着てみんのよ」

フエル「はぁ!?」

日高「そうだね!それがいいよ!!」キラキラ

フエル「え、ちょ・・・なんでさおりんまでそんなノリ気なの・・・」

菜々「よーし、そうと決まったらさおりん!早速フエルの服を!!」

フエル「ちょ・・・引っ張るな!やめんか!!」

菜々「無駄な抵抗はやめろー」ホレホレ

日高「フエルちゃん、ちょっとだけだから!ホント、痛くしないから!!」ハァハァ

フエル「い・・・いや・・・!さおりん怖い!!ていうかちょ、下はダメだtt」

日高「プリキュア、シップメント!!」カッ

菜々「」

フエル「」

キュアケルプ「・・・さぁ、ショータイムよ」

フエル「え、ちょ・・・いやああああああああ!!」スポーン

菜々「お、おぉ・・・」ガクガク

・・・

日高「すっごくかわいいよ、フエルちゃん!!」キラキラ

フエル「うっうっ・・・もうお嫁にいけない・・・」シクシク

菜々「す、すげぇ!フエルが学校指定以外の水着着てる!!女の子みたい!!」

フエル「おい」

菜々「いやー、でも本当似あってるよ!」

日高「うんうん!」カシャ-カシャーカシャー

フエル「あ、ありがと・・・ってちょっとさおりん写真はやめて!!」

菜々「あ、じゃああたしもー」カシャー

フエル「おい!!」

菜々「いいじゃーん。どうせ外で着るものなんだし。ここで恥ずかしがってどうすんのさ」

フエル「そ、それはそうだけど・・・」

菜々「・・・これでよし、送信っと」

フエル「えっ」

菜々「あぁ、いまのアンタの写真、先輩に送っといたから」

フエル「プリキュア、シップメント!!」カッ

マジックタイム!トリックじゃない

 魔法を披露 ハンパねーぞ(Mahaluto Hallelujah!)

記憶のルーツ潜り込んで

 希望救い出そう(Show time)

・・・

菜々「」プスプス

キュアワカメ「取り消し、取り消し・・・!」

日高「い、一回送ったメールは取り消せないよ・・・」

キュアワカメ「プリキュア竹刀!」

菜々「ちょ!それアカンやつや!!やめてぇぇぇぇ!!」

<♪~

日高「あっ、返信・・・?」

キュアワカメ「!!」バッ

日高「ちょ、私の携帯・・・!」

キュアワカメ「・・・っ!?///」

日高「ど、どしたの・・・?」

キュアワカメ「いっ、いや・・・これ、返す・・・」

菜々「ん・・・ってあぁ!!受信メールが削除されてる!!」

日高「ええっ!?」

菜々「ちょ、ちょっと何て書いてあったのよ!?」

キュアワカメ「うっさい!!///」

菜々「なんで消したのよぉ!!」

キュアワカメ「だからうっさいって!ていうかもういいでしょ!!」

日高「復元、復元・・・!」

キュアワカメ「さおりん、それ以上やったらその携帯物理的に破壊するよ?」

菜々「ら、らめぇぇぇぇぇ!!」

・・・

ペットボトル「・・・」ヌォォォォォ

ソルト「うぅ・・・あれからというもの、姐さんからは何の連絡もないし、フエルたちも全然このロッカーを開けに来てくれないっしょ・・・」

ソルト「おまけにこのペットボトルはずーっと不気味なオーラを放ってるし・・・」

ビネガー「Zzz...」スピー

ソルト「はぁ・・・コイツ、こんな状況でよく寝れるっしょ・・・」

ビネガー「先輩、もう食べられないっす・・・」スピー

ソルト「これはまたテンプレートな寝言を」

ビネガー「・・・性的な意味で」ヌヒヒ

ソルト「えっ」

<カタッ

ソルト「ん?」

<カタカタカタ

ソルト「な、なんか音がするっしょ?ビ、ビネガー起きるっしょ!!」ユサユサ

ビネガー「んは!!あ・・・ド、ドリームか・・・」

ソルト「寝ぼけてる場合じゃないっしょ!なんか変な音が」

ペットボトル「」カタカタカタカタカタ

ソルト「ひっひぃぃぃぃ!?音源はこのペットボトルだったっしょぉぉぉ!!」ビクビク

ビネガー「な、なんというバイブレーション・・・」ゴクリ

ソルト「こ、こうしちゃいられない、すぐに姐さんに連絡を・・・」

?「ここか・・・」

ソルト「」

ビネガー「」


キュアワカメ「ったく・・・あんまり調子に乗ってると本気で怒るよ?」

菜々「ごめんなたい」テヘペロ

キュアワカメ「殴るぞ?」ビキビキ

菜々「いやホントマジすんませんでしたマジ」ダラダラ

日高「ま、まぁまぁ・・・って、二人とも、窓の外!!」

菜々「・・・えぇっ!!またあの霧が!?」

キュアワカメ「あれって、学校の方じゃない!?」

菜々「も、もしかして、コースティックが・・・」

日高「菜々ちゃん!私達も変身しよう!!」

菜々「うん!!」

・・・

キュアヒジキ「くっ、これから夏休みだってのに・・・!まったくしつこいなあ、コースティックって奴は!!」

キュアケルプ「見て!街の人が!!」

キュアワカメ「霧を吸って倒れていく・・・!!」

キュアヒジキ「やばいよ!早く学校に!!」

・・・

ソルト「コ、コースティック・・・!」ビクビク

ビネガー「ひっひぃぃ・・・多分これ自分史上最悪の目覚めっす・・・」ガクガク

コースティック「ふむ・・・霧が晴れたと思って見てくればこういう事か・・・」

ソルト「そ、それ以上近づいたらコイツを捨てるっしょ!!」

ペットボトル「・・・」カタカタ

コースティック「フハハ・・・好きにしろ。今さらそんなものが何の役に立つ」

ソルト「あー、やっぱそうですよね」(諦め)

ビネガー「せ、先輩・・・こ、ここは自分が時間を稼ぐっす・・・」ガクガク

ソルト「いや、多分僕らじゃコンマ以下の秒数くらいしか時間稼げないっしょ。これはもう、犬死に待ったなしっしょ」

ビネガー「そんなァ!!」

コースティック「ほう、諦めが良いではないか。ならばプリキュアが来る前に・・・」

ソルト「ま、待つっしょ!!死ぬ前に一つ言っておきたいことがあるっしょ!!」

ビネガー「先輩・・・!」

ソルト「・・・あのー、よかったら僕らのことスラッジ帝国で雇ってみませんかね?」

ビネガー「えっ」

キュアヒジキ「・・・いた!あそこ!!」

キュアワカメ「ソルト!ビネガー!!」

ソルト「・・・というわけでですね、何なら変身前のプリキュアの弱点なんかも」

ビネガー「あ・・・あっ!せ、先輩!!」

ソルト「ちょっと待つっしょ!!今転職が掛かった大事なはな・・・し・・・」

キュアワカメ「変身前のプリキュアの弱点なんかも?」(ニッコリ)

ソルト「」

キュアワカメ「弱点なんかも?」(ニッコリ)

ソルト(あっこれ死ぬやつだ)トオイメ

ソルト「」プスプス

ビネガー「」ガクガク

キュアワカメ「コースティック!よくも私達の街を!!」

コースティック「やっと現れたか、プリキュアよ」

キュアヒジキ「今度という今度は逃がさないわ!!」

コースティック「それはこちらのセリフだ。プリキュアよ。今日こそケリをつけてやる」

キュアワカメ「だまらっしゃい!いっつもそんなこと言ってテレビのCMみたいな引っ張りばっかして!!」

キュアケルプ「何故今頃になって現れたの!?」

コースティック「その質問に答える必要はない。死ねプリキュア!!」

マントを広げたコースティックの背後から、無数のトゲのようなものが降りかかってくる。

キュアヒジキ「くっ、危なっ!!」ヒュンッ

キュアワカメ「くっそー、何とかして近づかないと・・・」

キュアケルプ「キュアワカメ、結晶を使うのよ!!」

キュアワカメ「えぇ・・・あの結晶・・・?」

キュアケルプ「恐らく、コースティックが今まで姿を隠していたのは、あの結晶で受けた傷を癒すためよ!!」

キュアヒジキ「まぁ確かにあの時唯一の有効打ではあったね」」

キュアワカメ「なんか釈然としないわー・・・って、言ってる場合じゃないね!食らえッ!必殺、プリキュアぬのさらし!!」

キュアヒジキ「ていうかそのぬのさらしって何なん?」

コースティック「ふん、小賢しい・・・そのようなものが効くか!」

キュアワカメ「うーん、こうかはいまひとつのようだ」

キュアヒジキ「次は私が!プリキュアブラッディスプラッシュ!!」

コースティック「フハハ、効かぬわ」

キュアヒジキ「うん知ってた!だって私の結晶だけ一回も役に立ったこと無いもんね!!」(半ギレ)

キュアワカメ「血が薄いんじゃない?」

キュアヒジキ「ちゃんと鉄分とってるよぉ!!」

キュアケルプ「二人とも、喋ってる場合じゃないわ!!早くコースティックを!!」

キュアヒジキ「そうはいってもねぇ・・・」

キュアワカメ「もうホントこれ、詰んでるんじゃないの?」

キュアケルプ「くっ・・・こんな時、ジンジャーがいてくれれば・・・」

ソルト(あぁー・・・ついに僕らはキュアケルプにまで役に立たたない枠として認識されちゃったんだなぁ・・・)トオイメ

コースティック「それで終わりか、プリキュアよ!!」

キュアワカメ「ていうかアンタさ。なんでそんなに世界をヘドロまみれにしたいわけ?」

コースティック「何を言うかと思えば・・・無論、この世に存在する全ての世界を私の理想の姿とするためよ!!」

キュアヒジキ「仮にその理想とやらが実現したとしてもさぁ、その後どうすんの?どうせ跡継ぎとかいないんでしょ?」

キュアワカメ「全クリしてLvカンストしたドラクエとかもうやる事ないじゃんね」

コースティック「フン、元より貴様らに理解できるなどとは思っておらぬ!!来ないならこちらから行くぞ!!」

言うが早いか凄まじい勢いで間合いを詰めてくるコースティック。

キュアワカメ「くっ!?」

振り下ろされた手から放たれる灼熱の火球。間一髪それを躱すキュアワカメ。

キュアワカメ「危なかった・・・ていうか!なんで私だけ狙い撃ちなのよ!!もっとあの二人も狙いなさいよ!!」プンスカ

キュアヒジキ「おい」

直後、不気味に笑うコースティックの身体が膨れ上がる。

キュアヒジキ「ちょちょちょ!コースティックのやつ、でっかくなってるって!!こりゃーキノコでも食ったか・・・」

キュアワカメ「言ってる場合か!!・・・って、ヤバいよ、これ!前に学校に現れたヘドリアンなんかより何倍も大きい・・・!」

キュアケルプ「これがコースティックの真の姿・・・?」

コースティック「フハハハハハ・・・・ハーッハッハッハ!!私を止められるものか、プリキュアアァァァ!!」

もはや巨大な山のように膨れ上がったコースティックが天を仰ぐと、その両の手を中心に巨大な黒雲が立ち込める。

寄せ集められた雲からは、不気味な色の稲妻が放たれている。

キュアヒジキ「やべぇ!世界の終わり感ハンパない!!」

キュアワカメ「こ、こんなのどうすればいいのよ!?」

キュアケルプ「落ち着いて!何か方法があるはずよ!!」

その時、彼女たちの元に1台の車が猛スピードでやってきた。

男「君たちがプリキュアか!?」

車の中から、黒いスーツを着た男が話しかけてくる。

キュアワカメ「え、ちょ・・・いまあの人、プリキュアって」

男「ジンジャー氏の使いの者だ!直ぐに車に乗ってくれ!!」

キュアケルプ「ジンジャーの・・・!?」

その車に気が付いたコースティックは、巨大な腕をそれに向かって振り下ろす。

男「しまった・・・!!」

キュアワカメ「くっ・・・プリキュア竹刀!!」ガキィン!!

キュアワカメはそれをプリキュア竹刀で受け止める。それと同時に、彼女の足元に直径数mほどのクレーターが出来た。

キュアケルプ「キュアワカメ!!」

キュアワカメ「ぐ・・・・ぎ、ぎぎぎぎ・・・は、早く車に・・・」グググ

キュアヒジキ「キュアケルプ、乗って!!」

キュアケルプ「・・・分かった!!」

二人が車に乗ったことをを確認すると、キュアワカメは受け止めていたコースティックの腕を全力で振り払う。

キュアワカメ「トォリャアアアアアアアア!!」

猛烈な土煙を上げながら地面を打ち付ける腕を見て、キュアワカメは車に飛び乗った。

次の瞬間、車は物凄い勢いでその場から発進した。

キュアヒジキ「う、うわああああ!ちょ、ちょっとまだシートベルトしてないって!!」ガタガタ

男「緊急事態につき直ちにこの場を離脱する!皆、どこかに捕まって!!」

キュアワカメ「ちょ、ちょっとちょっと!!私まだ屋根の上なんだけど!!」ガクガク

キュアケルプ「キュアワカメ、私の腕に掴まって!!」

キュアワカメ「いやあの・・・私も中にいれてえええええええええ!!」ブオオーーーン

十分ほどして、車は近くの河川敷に停車する。

そこには迷彩模様の大きなヘリコプターがローターを回したまま待機していた。

男「プリキュア3名を確保!!至急三宿駐屯地へ!!」

自衛官「了解!!」

キュアヒジキ「ちょ、自衛隊のヘリ!?私達一体どこへ連れてかれるの!?」

男「時間がない、詳しいことは機内で!!貴方達のご両親もすでにあちらにおられるので、早く!!」

キュアワカメ「えっ、お母さんたちも!?」

事情を聞く間もなく、彼女たちを乗せるとヘリはそのまま河川敷を飛び立った。

キュアヒジキ「なんか・・・すごいことになったね」

キュアワカメ「うん・・・ていうか、この格好で自衛隊のヘリ乗ってるとか大変シュールだよね・・・」

キュアヒジキ「ギャグにしたってこれはないよねぇ」

キュアケルプ「・・・皆、あれを見て!!」

キュアケルプの指さす方向を見ると、なんと先ほどの黒雲がまるで腕のようにヘリに向かって伸びて来ているのが見える。

キュアヒジキ「ちょちょちょ!運転手さんなんか追っかけて来てるって!!」

キュアワカメ「運転手て」

キュアケルプ「アレに掴まったら・・・」

ヘリはぐんと頭を下げ、加速を始める。

だがその黒煙は、徐々にヘリへと近づいてくる。

キュアヒジキ「う、うわああ!もうそこまで来てるってぇ!!」

男「君たち、ちょっと離れて!!」

そう言うと彼はヘリのドアから手榴弾のようなものを空中に向かって投げつける。

次の瞬間それは炸裂し、眩い閃光を辺りに放った。

キュアヒジキ「うおっ、まぶしっ!!」

キュアケルプ「・・・雲が!!」

キュアワカメ「散らばっていく・・・」

男「なるほど、確かに効果はあるようだな・・・」

キュアケルプ「あれは一体・・・?」

男「あれは・・・ミネラルキューブを元に作られた対コースティック用の武器だ」

キュアワカメ「ミネラルキューブ!?」

キュアヒジキ「どうしてそれを!?」

男「・・・今、この世界に大変な危機が迫っている」

男「君たちの力を貸してほしいんだ・・・プリキュア」

第11話へ続く

第11話「決戦、第3新世田谷区周辺」

東京都世田谷区三宿駐屯地内、技術研究本部電子装備研究所。

キュアワカメ「お母さん!!」

フエルママ「フ、フエル?・・・って、その格好・・・」

キュアワカメ「」

キュアヒジキ「と、とりあえず変身解こっか」

菜々「ふぅ」シュイン

日高「ジ、ジンジャーは・・・」シュイン

フエル「いやー、これホントどうすん・・・ってうわあああああああああああ!?」 ←水着

菜々「あ、そういやウチで水着着てる時に変身したもんね」

フエルママ「あら~、似合ってるじゃない!」ウフフ

フエル「いやああああああああああ!!」




ミネラルチャージ☆プリキュア!!(アイキャッチ)

・・・

ジンジャー「皆・・・事態は急を要しているでしょうが」

フエル「・・・」ズーン

菜々「フエル、元気だしなよー。まだ終わったわけじゃないんだからさぁ」

フエル「いっそ終わってほしい・・・」ドヨーン

日高「そ、それでジンジャー・・・私達は一体どうすれば?」

技官「・・・貴方達プリキュアの力を、我々に貸してほしいのです」

日高「あ、あなたは・・・?」

技官「わたしはここの所長をしている小碇という者です」

日高「小碇さん・・・?」

小碇「貴方達プリキュアのことは、そこにいるジンジャー氏から色々と聞かせてもらいました・・・この世界を救えるのは、貴方達以外にいないということも」

菜々「そ、そんなこといわれても、私達コースティック相手にまったく歯が立たなかったよ?」

ジンジャー「確かに、あれほどまでに増大したコースティックの力を簡単に打ち破るのは難しいでしょうが・・・そこで、彼らの力を借りるというわけでしょうが」

小碇「我々電子装備研究所では、数々の先進技術の研究と実験をしていましてね・・・こちらへどうぞ」

そういって彼は彼女たちを連れ、巨大なエレベータで地下へと向かう。

地下格納庫。

小碇「・・・これが、我々の『秘密兵器』です」

菜々「こ、これは・・・!?」

日高「ロボット・・・!?」

小碇「これは、以前貴方達の街に除染のため展開したXWKM-01の技術を元に作られた自律制御型兵器です。名前はWKM-01A」

菜々「XWKM-01・・・?あぁ、あの時自爆したロボットかぁ」

小碇「動力学モデルに基づいた兵装システム(Weapon system based on Kinetic Model)の開発研究・・・それを捩ったのがこのWKM(ワカメ)計画です」

菜々「ワカメて」

フエル「ま、まさかこれに乗って私達に戦えっていうんじゃないでしょうね・・・!?」

小碇「乗るならば早くしろ・・・でなければ帰れ」

菜々「よしフエル、完璧なフリよ!!」グッ

小碇「冗談です。本当に帰られると困ります」

日高「で、でも・・・私達に協力って・・・」

小碇「このWKM-01Aは完全自律型なので搭乗者は必要ありません・・・が、如何せんAIが初期状態のため戦闘用のデータが不足しているのです」

菜々「戦闘用のデータ?」

小碇「そうです・・・そこで、貴方がたプリキュアの力を借りたいのです」

フエル「うーん・・・話がよく見えないんですが」

小碇「つまり、このWKM-01Aの戦闘用ロジック構築のために、貴方がたには3日間このロボットと模擬戦を行って欲しいのです」

フエル「殺す気か!!」

菜々「東方不敗か!!」 ※分からない人はオッサンに聞いてみよう

日高「ま、まぁまぁ・・・」

小碇「人間やロボット相手では所詮その相手に応じたの戦闘パターンしか組み込むことはできませんから・・・」

菜々「アタシらいつの間にか人外枠なんですがそれは」

ジンジャー「実際、コースティックに対抗できる力を持っているとすればそれは貴方達プリキュア以外にはいないでしょうが」

小碇「ジンジャー氏の仰る通り・・・もはや、貴方がたはこの世界の最後の希望なのです」

フエル「いやでも、あの、さすがにそんな命に危険が及ぶようなことを一介のJCにやらせるというのは・・・」

小碇「はい・・・当然、貴方達のご両親にもそのことは説明させていただきました・・・無論、私達からも最大限のバックアップはさせていただくと」

フエル「それで・・・お母さんたちはなんて・・・」

フエルパパ「あ、おーいフエルー!模擬戦いつ始まるんだー?」

フエルママ「応援してるからねー!」

フエル「ちょ・・・お父さんお母さん!そんな剣道の試合でも観に来たようなテンションで!!」

小碇「心配ありません。模擬戦では貴方達の安全を最優先に実施します・・・いざとなれば、遠隔操作による強制停止も可能ですので」

菜々「そ、そうは言ってもねぇ・・・実際暴走するとこ見ちゃったし?」

フエル「1回でも『あっ、ヤベ』ってのがあったら私達即ガメオベラじゃない」

日高「で・・・でも・・・私達にしかできないことなら・・・私はやるべきだと、思う・・・」

フエル「さおりん・・・」

・・・

『それでは、これよりWKM-01の模擬戦闘を開始します・・・プリキュア3名は、所定の位置についてください』

キュアケルプ「ついに始まったわね・・・」

キュアヒジキ「でかい」(小並感)

キュアワカメ「こ、こんなの相手に戦えってか・・・ていうか、これ税金でできてんだよね・・・?」

『WKM-01A、起動シーケンスに入ります』

『動力系統よし、システムオールグリーン』

『WKM-01A、起動』

ウィィィィィーーーーン・・・バチバチバチ・・・

ときめく この胸がときめく

 まだ知らぬ万能化学のオーラに

ふるえる 戦いの予感に

 いつだって とまらない熱い鼓動さ

キュアワカメ「た、立った!!」

キュアヒジキ「メカワカメ、大地に立つ」

キュアケルプ「小碇さんの話だと、まだAIは戦闘に最適化されてないらしいわね。まずは出方を・・・」

WKM-01A「・・・おはようございます、ご主人さまっ!!」

3人「」

キュアヒジキ「初回起動で開口一番それかい!!」

キュアワカメ「せめて起動完了しましたくらいのこと言いなさいよ!!」

キュアケルプ(・・・じ、自衛隊の人が考えてることはよく分からないなぁ)

フエルパパ「お、かわいい声ですね」

小碇「ええ、声優の質と合成音声は日本の持つ技術的アドバンテージのうちの一つですからね」フンス

『自律制御モードへ移行、動作異常なし。戦闘を開始する』

WKM-01A「いっくよー!!」

キュアワカメ「くっ・・・この図体でこの声という緊張感のなさ!!」

キュアヒジキ「これならせめて無言でいて欲しかった・・・!」

キュアケルプ「二人とも、相手がロボットだからといって油断し・・・」

WKM-01A「はおーしょーこーけーん!!」ドコーン

キュアワカメ「え、うわ!あぶな!!」ヒュン

キュアケルプ「避け・・・!」サッ

<ドゴオオォォォォォォォン!!

キュアヒジキ「」

キュアワカメ「」

キュアケルプ「」

3人「小碇さァン!!これ模擬戦やらなくていいと思う!!」

ジンジャー「3人とも、安心するでしょうが!今のはミネラルキューブの力を使った技だから、貴方達プリキュアにはダメージを与えないでしょうが!!」

キュアヒジキ「いや飛び道具はそうかもしんないけどさ!!物理攻撃はどう考えたってヤバイでしょ!!」

小碇「貴方達だけが頼りなのです!!」

キュアワカメ「むしろアタシ達こそ自衛隊に頼りたかったんだけど!!」

キュアケルプ「みんな、また来るわ!!」

WKM-01A「ちょう回し蹴り!!」ブォン

キュアワカメ「ひぃぃ!!」ピョーン

キュアヒジキ「こ、こんなん当たったら足無くなる!!」ピョーン

キュアケルプ「これで本当にAI初期状態なの!?」ピョーン

AKM-01A「超ビール瓶切り!!」スパァン

キュアワカメ「ほぎゃあああああ!!」サッ

キュアヒジキ「う、上からくるぞー!!」サッ

キュアケルプ「そ、そろそろこっちからも反撃しないと・・・!」サッ

キュアワカメ「ていうかちょっとタンマタンマ!!おぉーい!!」

WKM-01A「くずりゅうせーん!!」

キュアワカメ「くっ、プリキュア竹刀!!」

ドカッバキッガスッベコッボキッガンッメキョパリッブシュッ

キュアヒジキ「全段捌いた!!」

キュアワカメ「ていうか!見てないで手伝って!!」ゼェハァ

小碇「す・・・ばらしい。想像以上です、プリキュアの力は・・・」

ジンジャー「ええ・・・ですが、仮に彼女たちの戦闘パターンをAIに組み込んだところで、それだけではコースティックに止めを刺すのは不可能でしょうが」

小碇「ふむ・・・」

ジンジャー「そこで、貴方達にはもう一つ協力していただきたいことが・・・」

小碇「・・・お話を伺いましょう」

・・・

フエル「ぬふぇ~・・・これがあと二日も続くってか・・・」ポテン

フエル(街はコースティックの力で霧に包まれてるっていうのに、こんなことしてる場合なのかな・・・)

フエル(街の人たち・・・大丈夫かな・・・)

フエル(先輩・・・)

数日後、プリキュア達の協力によりWKM-01Aに搭載されるAIの戦闘パターンは対コースティック用に最適化される。

そして翌未明、WKM-01Aはコースティックが占拠しているフエル達の街へ向かうこととなった。

WKM-01A「本日の模擬戦闘は以上です・・・」

キュアヒジキ「はぁっ、はぁっ・・・お、終わった・・・」ヘナヘナ

キュアワカメ「こ、これ、私達の方こそ特訓されてるんじゃないの・・・?」ゼェハァ

キュアケルプ「み、皆元気を出して・・・明日はいよいよ決戦の日よ・・・」フラフラ

その日の夜。

『街は壊滅状態です・・・黒い霧は、以前広い範囲を飲み込み続け・・・』

『政府はこれを受け、周辺地域の住民を安全な場所に避難させるとともに・・・』ピッ

フエルママ「・・・いよいよ明日ね」

フエル「うん」

フエルパパ「なに、あれだけやったんだ・・・あとは自衛隊のあのロボットが何とかしてくれるよ」

ジンジャー「フエル、ちょっと来てほしいでしょうが!」

フエル「ジ、ジンジャー!?」

フエルママ「どうしたのかしら?」

フエル「・・・お母さん、私ちょっと行ってくるね」

フエルママ「ええ・・・」

・・・

フエル「どうしたの、ジンジャー!?」

ジンジャー「大変でしょうが・・・コースティックにこの場所が見つかったでしょうが!!」

フエル「ええ!?一体どうして!?」

ジンジャー「それは・・・私達が、この世界に『穴』を空けたから・・・」

フエル「世界に穴を・・・?」

ジンジャー「そう・・・もともとこの世界と、私達の世界・・・それに、コースティックの住む世界は次元の壁に阻まれていたでしょうが」

フエル「次元の、壁・・・」

ジンジャー「どういう訳か、コースティックは元々その壁を打ち破る力を持っていた・・・そして、突如攻め込まれたブルーマリン王国は、その力の前に為す術もなかった」

フエル「それで、次は人間界って訳!?」

ジンジャー「ええ・・・私達はコースティックを止めるために、伝説の戦士プリキュアを見つけるために人間界にくる必要があったでしょうが」

フエル「でも、その力を持ってるのはコースティックだけじゃないの?」

ジンジャー「それを同じことを可能にするのが、このミネラルキューブ」

フエル「ミネラルキューブ・・・」

ジンジャー「ミネラルキューブは王国に代々伝わる不思議な宝玉・・・いつ頃からあるのかさえ分からないそれは、とても強大な力をもっている」

ジンジャー「私達は王国に僅かに残されたミネラルキューブを使って、プリキュアを見つける最後の賭けにでたでしょうが」

フエル「そうか・・・ファニーセルで話ができたり、ソルトやビネガーが王国に戻ったりすることが出来たのも、ミネラルキューブのおかげだったんだ」

ジンジャー「そう・・・本来であれば、我々妖精はこの世界には・・・」

フエルママ「フエル、大変よ!!」

フエル「お母さん!」

フエルパパ「例の黒い霧が、すごい勢いでここに迫ってるらしい!!」

フエル「!!」

小碇「あぁ、ちょうどよかった!急いで地下指令室に!!」

フエルパパ「フエル、行こう!!」

フエル「菜々っちとさおりんは!?」

小碇「みなさん既に指令室へ向かっています!さぁ、水入さんたちも早く!!」

・・・

指令室のモニターには、首都上空に渦巻く巨大な黒雲が映し出されている。

小碇「すぐにWKM-01Aの出撃準備を!!」

菜々「うわ・・・こんなんマジで映画でしか見たこと無いって」

フエル「映画であってくれればどんだけ良かったか・・・」

ジンジャー「・・・3人とも、聞いてちょうだい」

日高「ど、どうしたの・・・?」

ジンジャー「・・・正直言って、今の私達の力だけでは、コースティックを完全にうち滅ぼすことはできないでしょうが」

菜々「はぁ!?」

日高「そ、そんな・・・!」

フエル「え・・・ちょっとマジ?ただ指をくわえて滅ぼされるのを見てるしかないの!?」」

ジンジャー「そこで・・・貴方達プリキュアに、最後のお願いがあるでしょうが」

日高「さ、最後って・・・?」

そう言ってジンジャーは、指令室の脇にある鋼鉄製の扉を開けさせる。

ビネガー「姐さん!!」

ソルト「何とか間にあったっしょ!!」

菜々「アンタたち!?」

フエル「てっきり街に置いてきたもんだと・・・」

ジンジャー「私達にこの世界の物理的隔たりは意味を持たないでしょうが」

フエル(・・・その割には過去に物理攻撃で普通にダメージ受けてたような)

ジンジャー「ソルト、ビネガー!!今でしょうが!!」

ソルト&ビネガー「応ッ!」

暗い部屋の中で、二匹の妖精が何やら呪文のようなものをとなえると、辺りに眩い光が広がった。

フエル「ま、眩しい・・・」

ジンジャー「・・・たった今、最後のミネラルキューブを使ってこの次元の壁を穿つ穴を貴方達が行き来できるように広げたでしょうが」

日高「最後の・・・?」

ジンジャー「この先に繋がっているのは・・・コースティックのいる、スラッジ帝国」

菜々「えぇ!?敵の本拠地じゃない!!」

フエル「ちょ、早く閉めたほうがいいって!臭いものにはフタ、フタ!!」

日高「もしかして、ジンジャー・・・」

ジンジャー「私からの最後のお願いは・・・プリキュア、どうかここを通ってコースティックに止めを!!」

フエル「そ、そんな無茶振りあるか!!」

ジンジャー「ごめんなさい・・・でももう、これしか手は残されていないでしょうが・・・」

フエル「にしたってこれ・・・敗色濃厚すぎでしょうが!!」

菜々「こ、こんな打ち切りマンガみたいなオチで世界が終了するとは・・・」ガックシ

日高「・・・まだ終わってない」

フエル「さおりん・・・」

日高「行きましょう・・・私達にしかできないことだもの」

菜々「いやぁ・・・私達にも、できないんじゃないかな・・・」

フエル「そうだよ・・・それに、行ったら帰ってこれるかも分からないんだよ?」

日高「・・・約束したじゃないっ!!夏休み一緒に遊びに行くって!!」

気が付くと彼女は目に涙を溜めている。

日高「せ、せっかく友達が出来たのに・・・このままこの世界が終わるなんて・・・嫌・・・っ」ポロポロ

菜々「さおりん・・・」

フエル「・・・ねぇジンジャー。私達がこの先に行ったとして、どうすればコースティックを倒せるの?」

ジンジャー「強き心を以って進めば自ずと道はひらかれる・・・これが、プリキュアにまつわる伝説の最後の言葉でしょうが」

フエル「強き心、ね・・・」

ソルト「あ、あの・・・お取込み中大変申し訳ないんですが!そろそろ限界っしょ!!」グググ

フエル「・・・行こう、菜々っち」

菜々「・・・」

フエル「大丈夫だって!多分今の会話の流れで生存フラグ立ってるから!!」

菜々「・・・はは、そうかもね」

日高「ふ、二人とも・・・」

フエル「じゃ、サクッっとコースティックの奴をブチのめしてきますか。それが終わったらもう夏休みだし!」

菜々「いやー夏休み期間にバッティングしなかったのは不幸中の幸いだねー」アハハ

日高「う・・・うん・・・」ニコ

ビネガー「ちょ・・・マジで早くしてほしいっす!!」ギギギ

ソルト「ま、間に合わなくなっても知らんぞー!!」ギギギ

フエル「行こう、皆!」

菜々「ういー」

日高「うん!」

3人「プリキュア、シップメント!!」※シップメント=出荷

こうしてプリキュア達は、光の扉の中へ入って行った。

ジンジャー「・・・頼んだわよ、プリキュア」

最終話へ続く

最終話「メモリ領域が不足しています」

・・・

キュアワカメ「こ、これかなり目がチカチカするね」ピカー

菜々「扉の中まで光らせる必要ないじゃんね」クラクラ

キュアケルプ「・・・二人ともあそこを見て!!」

キュアヒジキ「へっ・・・おぉ、あれ出口じゃん!?」

扉の先は、闇に包まれた漆黒の世界だった。

キュアヒジキ「よーし、早速外に出・・・へぶぅ!!」ベチャッ

キュアワカメ「ぬぇっ!?」ベチャッ

キュアケルプ「ふ、二人とも!!」

キュアヒジキ「・・・くさ」プーン

キュアワカメ「こ、これ・・・ヘドロじゃん・・・」ニチャア

キュアケルプ「酷い臭い・・・この世界全体が、このヘドロに包まれているんだわ・・・」

キュアワカメ「キュアケルプはまだいいじゃん・・・私達なんか全身ヘドロまみれだよ」ヌッチョリ

キュアヒジキ「もう開幕早々心折れたんですが・・・」グッタリ

キュアケルプ「キュアヒジキ、あの結晶を使ってみたらどうかしら?」

キュアヒジキ「えっ」

・・・

キュアヒジキ「プリキュアブラッディスプラッシュ!!」ブシャー

キュアワカメ「お、おぉ・・・ヘドロは落ちた・・・けど」

キュアヒジキ「血まみれで、ビジュアル的にはよりホラーな感じに・・・」ガクガク

キュアワカメ「血でヘドロを洗う抗争・・・」ゲンナリ

キュアケルプ「と、とにかく先へ進みましょう!」

キュアケルプ「・・・それにしても、日が当たらないせいかかなり冷えるわね」

キュアヒジキ「少しも寒くないわ」(震え声)

キュアワカメ「無理して流行に乗らんでもいい・・・ていうか、キュアケルプは割りと平気な顔してるね?」

キュアケルプ「ええ・・・私は前に、北海道にいたから・・・」

キュアワカメ「なるほど、大地の試練を乗り越えてるんだね」

キュアヒジキ「にしても、これで帝国って・・・国民は一体どこにいるのよ?」

キュアワカメ「皇帝しかいないとか、国としての体裁をなしてないよねぇ」

キュアヒジキ「私がシムシティやったってもうちょっと人口増やせるよ」

キュアワカメ「それにしても、コースティックを倒すっていったって何をすればいいんだか・・・およ?」

キュアケルプ「どうしたの?キュアワカメ」

キュアワカメ「あそこ・・・ほら、前のほうに山が見えるでしょ?」

キュアヒジキ「あー・・・うん、見えるね」

キュアワカメ「あそこの上に、なんか城っぽいのが見えない?」

キュアヒジキ「見えねーよ!野人の視力か!!」

キュアケルプ「・・・キュアワカメ、ちょっとそのメガネ貸して?」ヒョイ

キュアワカメ「へっ?あ、ちょ・・・」

キュアヒジキ「メガネ少女キュアケルプ!!これで勝つる!!」

キュアワカメ「何も見えない・・・」

キュアケルプ「このメガネすごい・・・確かにあの山の上に城が見えるわ!!」

キュアヒジキ「へー、プリキュアになると眼鏡までパワーアップするんだ。キュアスカウター(笑)」

キュアワカメ「メガネメガネ・・・」

・・・

『まるでこの世の終わりだな・・・』

百里基地から飛び立った2機の自衛隊機が首都上空を旋回している。

『一体下はどうなってるんだ』

『なんでも陸さんが秘密兵器を出すとか・・・ん、なんだあの光は!?』

首都上空を包み込む黒雲の中から、一筋の光が天に向かって放たれる。

『なんだありゃ!?レーザー兵器か!?』

『もしかして、これが例の秘密兵器って奴なのか?』

『はは・・・エースコンバットかよ・・・』

オペレーター「中和確認。上空3000mまでの霧が消えました」

小碇「これが少しでも時間稼ぎになればいいのだが・・・」

ソルト「姐さん・・・プリキュア達は・・・」

ジンジャー「・・・今は彼女たちを信じるでしょうが」

ビネガー「キュアヒジキ・・・」

・・・

キュアヒジキ「ぜはぁー、や、やっと頂上についた・・・」ハァハァ

キュアケルプ「こ、ここじゃ元の世界みたいに高く跳べないから結構辛かったわね・・・」ハァハァ

キュアワカメ「ていうか、コースティックは毎日ここ登り降りして通勤してるわけ?そりゃあれだけ強くもなりますわ」

キュアヒジキ「通勤て」

キュアヒジキ「とりあえず、城の中に入ろうk・・・うわっ!?」バチィ

キュアケルプ「キュアヒジキ!!」

キュアヒジキ「な、何これ・・・見えない壁みたいなのがある」

キュアワカメ「これあれじゃないですかね。俗にいう結界ってやつ」

キュアヒジキ「結界?マジで・・・エルサだってそんなことしなかったのに」

キュアワカメ「おい」

キュアケルプ「・・・仕方ないわ、まずは結界を解く方法を考えましょう」

キュアヒジキ「アビラウンケンソワカ!!」カッ

キュアワカメ「その呪文、盛大に空振ってるよ」

・・・

コースティック「小賢しいハエどもめ・・・そのような傀儡でこの私に挑もうなどと・・・」

オペレータ「・・・レーダーに感!?正体不明の物質が接近してきます!!」

小碇「正体不明?不明とはどういう事だ!」

ジンジャー「ついにきたのでしょうが・・・この事態を引き起こした、諸悪の根源が・・・」

小碇「まさか・・・これが、コースティック・・・?」

WKM-01A「ターゲット確認」

WKM-01Aの胸元からコースティックに向けレーザーが発射される。

そしてそれはコースティックの腹部を貫通し、巨大な穴を穿つ。

小碇「やったか!?」

ソルト「司令!それこういう時に一番言っちゃいけないセリフっしょ!!」

ジンジャー「残念ながら、あの程度ではコースティックは倒せないでしょうが・・・」

ビネガー「じゃ、じゃあもう打つ手なしじゃないっすか!!」

ジンジャー「もう少しだけ、距離が詰められれば・・・」

コースティック「フン・・・憐れな操り人形が・・・」

コースティックは腹部に空いた穴をもろともせずWKM-01Aに近づく。

WKM-01A「ターゲット接近、至近距離迎撃モードへ移行・・・」

コースティック「・・・この世の万物には、全て終わりがあるのだ」

コースティック「貴様らもまた、生まれてこなければ・・・」

そう言ってコースティックがWKM-01Aの目の前に立った時、急にそのロボットの身体が光り始める。

ジンジャー「これが効かなかったら、もう後はないでしょうが!!」

小碇「数百億円の機体ごと吹き飛ばすんだ・・・これでダメなら、笑えないぞ」

ソルト「えっ」

ビネガー「えっ」

WKM-01A「自爆シーケンス、起動・・・くたばれ、ヘドロ野郎」カッ

・・・

キュアワカメ「ああああああああああああああああああ!!」ビキビキ

キュアケルプ「だ、大丈夫?キュアワカメ!?」

キュアヒジキ「この結界、プリキュア竹刀でも割れないなんて相当だよ!?どうやって中に入ればいいの!?」

キュアワカメ「ご、ごめんキュアケルプ・・・ちょっとそっちからつま先ギュッて押して・・・」コヒューッコヒューッ

キュアヒジキ「ほら!竹刀打ち付けすぎてキュアワカメこむら返り起こしてるじゃない!!」

キュアケルプ「と、とにかく何か別の方法を・・・あら?」スカッ

キュアヒジキ「ん?・・・あれ、結界が消えてるね?」スカッ

キュアワカメ「あ、あの・・・つま先を・・・」ピクピク

キュアケルプ「この機を逃す手はないわ!行きましょう!!」タッタッタ

キュアヒジキ「うん!」タッタッタ

キュアワカメ「ま、待ってつま先を・・・うわああああああああああああ!!」ビキビキビキーン

キュアケルプ「・・・これが、玉座?」

キュアヒジキ「行き止まりだね・・・あ、あれ見て!!」

キュアケルプ「あれは・・・黒水晶・・・かしら?」

キュアワカメ「ふ、二人ともひどいよぉ・・・置いてくなんて・・・」ズーリズーリ

キュアヒジキ「うわ這ってきた」

キュアワカメ「およ・・・なにその結晶。なんか禍々しいね」

キュアヒジキ「絵の具とか全色混ぜてくと最終的にはこういう色になるよね」

キュアケルプ「ひょっとして・・・これがコースティックのコアなんじゃ」

キュアヒジキ「割ろう」(提案)

キュアワカメ「そうね」(同意)

キュアケルプ「ま、待って二人とも!!」

キュアヒジキ「ど、どしたの?」

キュアケルプ「もしこれがコースティックのコアだったとして、迂闊に手を出せば何かが起こらないとは限らない・・・」

キュアヒジキ「いやでも、このままじゃ何も進展しないよ?」

キュアケルプ「それはそうだけど・・・」

キュアワカメ「まぁとにかく、ちょっと調べt」ペタ

キュアワカメがその結晶に触れた瞬間、辺りに不思議な空間が広がった。

キュアワカメ「!?」

キュアヒジキ「ここへきてまさかのトラップ発動!!」

キュアケルプ「なんで触ったの!?ねぇなんで触っちゃったのおおお!?」ビキビキ

キュアワカメ「キュ、キュアケルプ怒らないで!怖いの!!」ビクビク

キュアヒジキ「・・・待って!あれ」

・・・

万歳!

帝国万歳!!

皇帝陛下万歳!!

『陛下、そろそろお休みになられたほうが・・・』

『いや、いまこの瞬間にも苦しんでいる民は大勢いる。その者らを差し置いてどうして私だけ休むことができようか』

『ですが陛下・・・陛下が倒れてしまっては元も子もありません』

執務室らしき部屋で、陛下と呼ばれる一人の若い男性が机に向かっている。

『陛下・・・民衆は陛下のことを深く欽慕しております。ですが、お世継ぎもいない中、陛下を失えばこの国は・・・』

『・・・』

『とにかく、どうかご無理だけはなさらぬよう・・・』

従者と思しき人物はなんとかその若い皇帝を諌めようとするのだった。

『・・・確かに、私の命は永遠ではない。だが、私亡きあとこの国の民を一体誰が守るというのだ?』

『例え世継ぎが生まれたとして、私の思いは後世まで伝わるものだろうか・・・』

『何より私は見届けたい・・・この国の行く末を』

『神よ・・・私にどうか永遠の命を・・・』

数日後、彼は宮内の書庫で古い書物を見つける。

それは先人たちが永い年月をかけて築き上げてきた不老不死に関する『秘法』であった。

人体を構成する気・血・津液といった苟且の諸々を、万代不易の金属元素に置き換えることで悠久の命を得る・・・書物にはその方法が記されていた。

それからしばらく経った頃、民達の間に「皇帝は土や海端の草木を食べている」という噂が流れるようになった。

『陛下!そのようなものを食べてはお身体に障ります!!』

『問題ない・・・これでよいのだ』

『陛下!!」

従者が皇帝の奇行を止めようとその腕に触れた時、彼は愕然とする。

『へ、陛下・・・これは一体・・・?』

『私はついに手に入れたぞ・・・永遠の命宿る珠鉄の身体を・・・!』

皇帝の身体は、まるで金属のように冷たく、固くなっていたのだった。

そして時は流れ・・・彼は悠久の時を生き続ける。

やがて守るべき民がいなくなり、この世の全ての国が消え去り、星までもが終焉を迎えようとする頃、かつて皇帝と呼ばれていた黒い結晶は未だそこに在り続けていた。

この世の万物は余りにも儚い・・・どれほど美しいものも、やがて朽ち果て風化していく・・・

刹那の栄耀の後に待つ果てしない無・・・

これならば・・・初めから・・・

無と同じよ・・・

・・・

キュアヒジキ「・・・今の、見た?」

キュアケルプ「ええ・・・」

キュアワカメ「なんか、中国の始皇帝が明々後日の方向に全力疾走したようなエピソードだったね」

キュアヒジキ「あー・・・なんていうか、もしかして今のってコースティックの記憶をダイジェストでお送りしましたってとこ?」

キュアワカメ「まぁ、ごくシンプルに考えるならそういうことじゃない?」

キュアヒジキ「じゃあこれ、コースティックのコアっていうよりもコースティックそのものじゃない!」

キュアワカメ「そだね」

キュアケルプ「・・・国民の事を思い永遠の命を手に入れたコースティックだったけど、果てしない時の中で限りあるものの価値を見いだせなくなってしまったのね」

キュアヒジキ「いい迷惑だよ、まったく」

キュアワカメ「同情の余地なしね」

キュアヒジキ「よし、じゃあさくっと破壊しよっか」

キュアワカメ「プリキュア竹刀!!」

<ガキィィィィィン!!

キュアワカメ「」ビリビリビリ

キュアヒジキ「硬ッ!!」

キュアケルプ「それはそうよ・・・何千年、何万年もの時を経てもこのままの形で残り続けているものだもの」

キュアヒジキ「いやしかしプリキュア竹刀でも割れないってんじゃあもう・・・あっ」

キュアケルプ「どうしたの?なにかいい方法でも?」

キュアヒジキ「一つだけあるよ!・・・ほら!」

キュアヒジキ「プリキュア核!!」

キュアケルプ「」

キュアケルプ「か・・・核!?そ、そんなもの使ったら・・・」

キュアヒジキ「大丈夫だよぉ、別にここ私達の世界じゃないし」

キュアケルプ「いや、そういうことじゃなくて!!」

キュアワカメ「もう(逃げ場)ないじゃん」

キュアヒジキ「うん、だからさぁ、爆発する瞬間に元の世界に戻れば・・・って、あっ」

キュアケルプ「・・・」

キュアヒジキ「ね、ねぇ・・・」

キュアワカメ「・・・」

キュアヒジキ「こ、これ・・・」

3人「どうやって戻ればいいのよおおおおおお!!」

キュアワカメ「く、来るとき通ってきた扉は!?」

キュアケルプ「わ、私達がここに来た後すぐに消えてしまったわ・・・」

キュアワカメ「地獄の片道切符かよおおおお!!あいつら(ソルト&ビネガー)ああああ!!」ビキビキ

キュアヒジキ「あ・・・これもう詰んでますわ」ガックシ

キュアケルプ「さ、最後まで希望を捨てちゃいけないわ!!」

キュアヒジキ「そんなこと言ったって・・・」プルプル

キュアワカメ「と、とりあえず一回その核しまったら?」

キュアヒジキ「うん・・・あっ」ツルッ

キュアワカメ「あっ」

キュアケルプ「あっ」

カッ!!

NO MORE HIROSHIMA

NO MORE NAGASAKI

NO MORE PRECURE

・・・

ザザーン・・・

フエル「・・・ぅ」

フエル(これは・・・波の音?)

フエル(なんだか暖かい・・・ああ、そうか)

フエル(私・・・死んだんだ・・・)

フエル(あぁ・・・もっと色々やりたいこととかあったのに・・・お母さん、お父さん、ごめんね・・・)

フエル(・・・先輩・・・・篠宮先輩)

フエル(もう一回・・・会いたかっ・・・)ビキ

フエル「えっ」ビキビキ

フエル「うああああああああ足がああああああああああ!!がぼっ!?」ブクブク

フエル「ちょ・・・!溺れ・・・がばばごぼ・・・!!」バチャバチャ

青年「大丈夫っすか!?」

キュアケルプ「たっ・・・助け・・・ごぼぼ・・・」

突如現れたその男性はフエルの腕を掴むと、そのまま近くの浜辺に彼女を引きずり上げた。

フエル「し、死ぬかと思った・・・死後の世界で死にかけるとかもうこれわかんねぇな・・・」ゼェハァ

青年「いや、でもあそこ足つくっすからね」

フエル「そ、そうなんだ・・・とりあえず、助けてくれてありがとう」

青年「お礼を言うのはこっちのほうっす!さぁ、皆が向こうで待ってるっす!」

フエル「み、皆が・・・?ていうか貴方は誰?」

青年「自分っす。ビネガーっす」

フエル「」

菜々「あ、おーいフエルー!!」フリフリ

日高「フ、フエルちゃん・・・」

フエル「菜々っち!さおりん!!」

女性「有難うプリキュア・・・貴方達は見事、やり遂げたでしょうが!」

フエル「その喋り方・・・ジンジャー!?」

ジンジャー「その通りよ。さぁ、こっちへくるでしょうが」

フエル「ていうか、ここはどこ?なんでアンタたち人間の姿に?」

ジンジャー「ここはブルーマリン王国・・・ここが私達の故郷」

フエル「ブルーマリン王国・・・」

菜々「ねぇ、みてごらんよフエル!!」

振り返ると、白い砂浜に青く透き通った海が広がっている。

日高「きれい・・・」

フエル「本当・・・まぁつい2分ほど前にこの海で死にかけたんだけど・・・」

ジンジャー「貴方達のおかげで、この国は本来の姿を取り戻したでしょうが」

ビネガー「そしてこの姿こそ、自分たちの本当の姿っす!」

フエル「うわー・・・なんつーか、嫌」

菜々「こんなのが私の部屋にいたかと思うとねー・・・」ゲンナリ

ビネガー「手厳しいっすね・・・」ションボリ

日高「で、でも・・・ジンジャーは、なんだかイメージ通り、だね」

菜々「うんうん、おつb・・・お姉さんぽいよね!」

ジンジャー「・・・フフッ」

フエル(目が笑ってないぞジンジャー)

彼らの姿はほとんど人間のそれと変わらなかった。強いて言えば僅かに耳が尖り、顔にはネコのような髭が生えている。

日焼けが眩しい金髪の青年がビネガー、隣にいる色白で青髪の女性がジンジャーだ。

フエル「そういや・・・もう一匹、うちのバカ妖精はどこにいんのよ?」

彼女が辺りを見渡すと、近くの木陰に隠れて誰かがこちらを見ている。

フエル「・・・ソルト!?」

ソルト「ひっ、ひぃぃ見つかったっしょ!!ヤバイっしょこっちに来ないで欲しいっしょ!!」

フエル「いいや、行くね!!これまでのお礼とミネラルキューブ代と年棒、耳を揃えて払ってもらうわよ!!」ギラギラ

ソルト「いやああああああああ!!」タッタッタ

フエル「こら待てって・・・はぁ!?」

木陰から飛び出していったのは、小柄な銀髪の少女だった。

フエル「なっ・・・」

菜々「ちょ・・・ソルトって女の子だったの!?」

ビネガー「そうっすよ?あれ、二人とも今まで気付いてなかったんすか?」

菜々「分かるか!!」

フエル「まぁいいわ・・・女の脚なら追いつけるわね・・・」ニタリ

日高(フエルちゃん怖い・・・)ビクビク

・・・

ソルト「許して・・・許して・・・」ズルズル

フエル「払うもん払ったら許してあげるっていってるでしょ」

菜々「あ、アンタ・・・その絵ヅラまずいって。どう見ても借金取りが借金のカタに娘を売り飛ばしに行くとこにしか見えないって」

フエル「こんなの、二束三文にもならないでしょ」ペッ

ソルト「あ、あいかわらず辛辣っしょ・・・」

ジンジャー「プリキュア・・・いいえ、フエルさん、菜々さん。本当に、どうもありがとう」

菜々「いやー、いいっていいって!」

ジンジャー「それに沙緒里も・・・よく頑張ってくれたわね」ナデナデ

日高「ジ、ジンジャー・・・」グスッ

ソルト「ぶ、分割で!分割で!!」

フエル「そういうことならまず弁護士を通しなさい」

ジンジャー「さあ、お別れでしょうが・・・この扉を抜ければ、元の世界に戻れるでしょうが」

日高「ミネラルキューブは・・・?もう全部なくなっちゃったって言ってたけど、大丈夫なの・・・?」

ジンジャー「心配ないでしょうが・・・あれは元々、コースティックによって作られたものだったから」

菜々「え、そうなの!?」

ジンジャー「奴の倒し方を調べているうちに分かったでしょうが・・・あれは元々、コースティックが国を守るために生み出した魔法力の結晶のようなものだったでしょうが」

菜々「不死なだけじゃなく魔法までつかえたのか・・・そういや世継ぎがいないっていってたもんなぁ」

日高「ど・・・どういうこと・・・?」

菜々「んー、いいのいいの!ほら、フエル。帰ろう!」

フエル「おらおらぁ、払うもんちゃんと払わんかい」グイグイ

ソルト「うわああああああ堪忍してほしいっしょおおおおおお!!」グニングニン

ジンジャー「・・・フエルさん、これを」

フエル「へ?なにそれ?」

ジンジャー「これは王国で作られた宝玉、オーシャンストーン」

フエル「オーシャンストーン?」

菜々「やばいやばい、その名前危ないって」

フエル「何を今さら」

ジンジャー「ソルトがどんな契約をしたのかは知らないけれど、なんとかこれで許してあげてほしいでしょうが・・・」

ソルト「ね、姐さん・・・ジンジャー姐さん・・・」キラキラ

日高「ゆ、許してあげなよ・・・フエルちゃん・・・」

菜々「そうだよー。アタシたちなんて完全無償でプリキュアやってたんだからね!!」

フエル「・・・ま、悪いことばっかじゃなかったことも無きにしも非ずだしね。ありがとう、ジンジャー。大事にするね」

ソルト「さ、最後まで歯切れが悪いっしょ・・・」

ジンジャー「さぁ早く!コースティックがいなくなった今、この扉もすぐに塞がってしまうでしょうが!」

菜々「よーし、ほんじゃ帰りますかぁ」

日高「げ、元気でね・・・ジンジャー・・・」

ジンジャー「沙緒里、あなたもね・・・短い間だったけど、妹ができたみたいで楽しかったでしょうが・・・」

日高「ジンジャー・・・!!」ギュッ

フエル(妹っていうより娘なんだよなぁ・・・)ウーン

菜々「じゃあね、ビネガー。あんまりソルトに無理に迫るんじゃないわよ。その姿じゃ完全に犯罪よ犯罪」

ビネガー「そんなことしないっすよ!なんせ先輩に対する自分の思いはこの海のようにピュア・・・」

菜々「さっきまでヘドロで濁ってたじゃん」

ビネガー「・・・」

フエル「ソルト・・・」

ソルト「フエル・・・」

フエル「・・・私、アンタのこと一生忘れないから!」ニコォ

ソルト「ひっひぃぃぃぃ!感動的な別れのセリフのハズなのに何故かその笑顔が怖い!!」ガクガク

ジンジャー「早く、扉が閉じ始めてるでしょうが!!」

フエル「うん、じゃあね!行こう、菜々っち、さおりん!」

日高「うん!」

菜々「さいならー!さいならぁー!」

ドシュゥゥゥゥゥン・・・

ビネガー「なんと気持ちのいい連中だろう・・・」キマッタゼ

・・・

フエル「・・・はぁうっ!」ガバッ

フエル「あ、あれ・・・夢?まさかの夢オチ・・・?」

フエル「ここ、私の部屋だよね・・・?ん?」

ベッドから起き上がろうとしたフエルの足元に、青く澄んだ石が転がり落ちる。

フエル「・・・やっぱり夢じゃない、よね」

・・・

フエル「はよー」

菜々「はよーん」

日高「お、おはよう・・・!」

フエル「いやぁ・・・まさかあんな感じでこっちの世界に戻ってくるとは。てっきり夢オチかと思ったよ」

菜々「あ、私も」

日高「び、びっくり、したね・・・」

菜々「それにさー、お父さんもお母さんもあの黒い霧やプリキュアのこと覚えてないみたいなんだよね」

フエル「・・・」

日高「ど、どうしたの・・・?」

フエル「いや、その件でさ・・・今朝お母さんにあのロボットとかプリキュアのこと聞いたら本気で頭の心配されちゃってね・・・」

菜々「うわぁ・・・」

日高「わ、私達以外の人たちのコースティックに関わる記憶は、全部消えちゃったのかな・・・」

フエル「うーん、そういうことなのかもねぇ」

菜々「実は、私達3人の方こそ夢みてただけだったりして」ナハハ

フエル「いや、それは無いと思う・・・ほら」

そう言って彼女はポケットから例の宝玉を取り出す。

日高「・・・これ、ジンジャーがくれた、オーシャンストーン・・・!」

菜々「夢だけど、夢じゃなかった!!」

フエル「いいから」

日高「綺麗だね・・・まるであの国の、空と海が溶け込んでるみたい・・・」

菜々「さおりん詩人だなぁ」

フエル「これ、いくらくらいで売れるかな?」

菜々「ちょちょちょ!それをうるなんてとんでもない!さすがにそれは取っときなさいよ!!」

日高「そ、そうだよっ・・・!」

フエル「あはは、冗談だって。これは私達3人の宝物にしよ!」

菜々「お、それいいね・・・って、さおりん?」

日高「いい・・・私達3人の・・・宝物・・・」ウットリ

菜々「お、おーい・・・さおりーん・・・?」

フエル「かえってこーい、遅刻しちゃうよー」

・・・

菜々(・・・ほら、声かけて誘ってきなさいって!!)ホレホレ

フエル(ちょ、押すなって・・・だぁぁやめんか!!)ボカッ

菜々(痛ッ!!あ、こっちにくる!!)

日高(フエルちゃんGO!!)ドンッ

フエル「わっ、ちょ、さおりん・・・!」

篠宮「あれ・・・水入さん?」

フエル「ふひゃあっ!?」ビクビクーン

篠宮「どしたの?」

フエル「えっ、あ・・・あの、ああああのあのですね」

篠宮「?」

フエル「あ、あし・・・明日の・・・は、花火・・・」

篠宮「明日・・・ああ、花火大会か!」

フエル「・・・あ、あの・・・よかったら。い、一緒に・・・」

篠宮「・・・ごめん、俺明日から合宿なんだ」

フエル「へっ・・・?そ・・・そうです、か・・・」ショボン

篠宮「本当、マジでゴメン・・・せっかく誘ってくれたのに」

日高(な、なんてこと!?彼女より合宿をとるの!?)ムキー

菜々(さ、さおりん・・・まだ彼女とかじゃないから落ち着いて・・・)ドウドウ

フエル「そっか・・・じゃあ、仕方ないですね」

篠宮「うん・・・あ、でも」

フエル「そ、それじゃ・・・!」タッタッタ

篠宮「あ、水入さん!!」

・・・

菜々「元気だしなよぉー」

フエル「元気だって」

日高「わ、私達がいるから・・・ね?」

フエル「いやだから私が凹んでるの前提でフォローしなくていいって・・・」

菜々「実際凹んでんじゃん・・・メガネ曇ってるよ?」

フエル「その理論で言ったらラーメン食うたびに凹まなきゃならんでしょーが」

菜々「ま、夏休みは1ヵ月以上あるわけだし?まだまだチャンスはあるって!」

<♪~

フエル「あ、メール・・・って、先輩!?」

日高「うおりゃあ!!」ズサー

フエル「へっ!?ちょっとさおりん!!」

菜々「ナイスさおりん!!」

フエル「ちょ、返して!!マジで怒るよ!!」

菜々「何々、なんて書いてある!?」

日高「待ってね、えっと・・・『合宿が終わったら一緒に海に行かない?』だって!!」

菜々「おお~~~!!やったじゃん返信返信!内容は『イクイクイッちゃうベルサイユ』で!!」 ※1919年ベルサイユ条約締結

日高「よし、すぐにメール・・・を・・・」

フエル「返しなさい・・・」ゴゴゴ

菜々「フ、フエルさんあの・・・」ガクガク

日高「怖い・・・フエルちゃん怖い・・・」ブルブル

-新・剣道部部室-

ロッカー1<ダシテーダシテェー!! ドンドンドン

ロッカー2<フ、フエルチャン!モウユルシテェ!! ガンガンガン

フエル「ちょっとはその中で反省してなさーい」

ロッカー1<チョ・・・マジナツバニコレハキツイッテ!!・・・ア、デモチョットズツナレテ…

ロッカー2<ドン・・・ドン・・・ガタッ・・・

フエル「そろそろ出してやるか」パカ

菜々「ぜはぁーっ、アンタこれ・・・さすがにソルト達に同情するわ・・・」

日高「」ピクピク

フエル「これに懲りたら二度とあんなことしないでよね」

菜々「わ、私らはただ良かれと思って・・・」

フエル「どの口がいうか。完全に遊んでたでしょーが」

日高「空・・・きれい・・・」コヒューッコヒューッ

・・・

菜々「いやぁ、それにしても・・・一学期はなんか、色々なことがあったねぇ」

フエル「本当・・・多分これ私の人生史上最も波乱万丈な期間になると思う」

菜々「これ以上に波乱万丈つったらもう、プリキュア全員で世界大戦始めるくらいしかないよね」

フエル「全員て・・・私達以外にはプリキュアなんていないでしょ」

菜々「いやー、案外いるかもよ?50人くらい」

フエル「そんなにいてたまるか」

日高「でも・・・本当に不思議だったね」

フエル「そだねー・・・てか、最後の最後で結末よく分からなかったし。あれ結局、核が効いたのかな?」

菜々「さぁ、どうだろ・・・てか、もし仮に私達の活躍が物語になったとしても、1クールで打ち切りだろうね」

フエル「12話分も話す内容ある?ほとんど日常パートで終わりそうだけど」

菜々「はは、確かに」

翌日、私達3人は近くの河川敷で行われる花火大会を見に行った。

初めて友達と楽しむ夏祭りに、さおりんは終始興奮気味だった。

そしてそれからさらに数日後、今度は合宿から帰ってきた先輩と海に出かけることになった。

ザアアアアーーーーー!!

フエル「うわめっちゃ雨降ってる」

菜々「梅雨明けてないじゃないすか!!やだーーーーーー!!」

菜々兄「ははは・・・ちょうど低気圧とぶつかっちゃったな」

日高「て、てるてる坊主作ったのに・・・」プルプル

菜々兄「はぁー、これじゃあ海に行っても仕方ないな。どうする、帰るか?」

菜々「せっかくだしもうちょっと粘ってみようよー。どうせならちょっと買い物とかしていってもいいし!」

日高「そ、そうね・・・それじゃあお店に行く前に早速水着に着替え・・・」

フエル「さおりん落ち着け」

篠宮「あの、水入さんちょっと・・・」

フエル「へっ?」

・・・

篠宮「実は俺、進学先を決めたんだ」

フエル「えっ?」

篠宮「県外の高校でね・・・この間の合宿で、そこの学校の人に声かけられたんだ」

フエル「そ、そうなんですか・・・」

篠宮「うん・・・そこはサッカー強豪校なんだけど練習も厳しくてさ・・・入学したら、こうやって夏休みに遊べにこれなくなるかもしれない」

フエル「えっ・・・」

篠宮「それで夏休みの思い出に、って水入さんを誘って海にきたんだけど・・・この雨じゃなあ」

そう言って彼は恨めしそうに空を眺めている。

篠宮「こんなことなら、こないだの花火大会一緒に行けばよかったな」

フエル「先輩、あの・・・」

フエルがそこまで口にした時、突如彼女のバッグから光が漏れ始める。

フエル「え、ちょ・・・何これ!?」ピカー

篠宮「み、水入さんあれ!!」

フエル「へっ・・・って、ええっ!?」

彼が指さす先を見ると、何と空を覆っていた雨雲が瞬く間に消えはじめていた。

そして数分後には、空一面に青空が広がっていた。

2人「・・・」ポカーン

菜々「あ、おーいフエル!!」

フエル「あ・・・菜々っち」

菜々「すごいよ!急に青空が!!」

日高「て、てるてる坊主パワーだよ・・・!」

菜々兄「こりゃすげー・・・よっしゃ!また雨になる前に海へ行こう!」

菜々「おー!!」

篠宮「すごいや!俺達も行こう、水入さん!!」

フエル「はい!・・・あっ」

その時彼女は、ブルーマリン王国で貰ったオーシャンストーンが鞄の中で青く光っていることに気付いた。

フエル(そっか・・・この石にはこんな力があったんだ・・・)

菜々「おーいフエル!何してんのさ、置いてくぞー!!」

フエル「・・・うん、すぐ行くー!!」

乾き始めたアスファルトの地面を駆け出した頃、辺りにはセミの鳴き声が響き始めていた。

-ミネラルチャージ☆プリキュア!! 終-

終わりまんた
プリキュア特有の中だるみ感や投げっぱなし感が出ていればうれしいです



あと妖精トリオ
http://i.imgur.com/3Fjtrut.jpg

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