終わらない睡 (5)
ありがちな設定でありがちなファンタジーを書いてみます
お気に召すか分かりませんが読んでやってください
主が割と多忙なので放置はしませんが更新頻度は遅めです
大体の設定は決まってますが、結構その場その場で書いていくのでよろしくお願いします
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世の中には、「オタク」と呼ばれる者達がいる。自分の好きなものをとことん愛し、突き詰めて研究している者達だ。しかしながら、「オタク」と一言に言っても何についての「オタク」なのかはいくつもの分野にも分けられる。この物語で取り上げられるのは、割と人工的にも多いのではないだろうかと思われる、アニメ・漫画・ゲームオタクと呼称されるものだ。
さて、対して「リア充」というものも存在する。これは一般にリアル、つまり現実世界での生活が充実している者、それは友人関係や恋愛関係、学校生活などの日常が潤っている者を主にそう呼ぶ。
この二つの分野に分けられる者は基本的には相容れない。どちらも兼ね揃えている人間などいないのではないかという見解が多い。だが、彼は常々思っている。「オタク」だって、学校生活や恋愛、友人関係が潤っている者もいるし、毎日アニメやゲームに熱を上げている「オタク」も充分、充実しているのではないか、と。
話が逸れたが、彼はその両方を兼ね揃えている。いや、正確に言うと兼ね揃えているとは言えないかもしれない。友人も恋人もいない。しかし、人気はあるし、学校生活も私生活も潤っている。そして、周知の事実として「オタク」だ。
高瀬遥は、猛暑日で熱中症者が続々と出ているこの炎天下の中、黒い袋を大事そうに抱え、全力で家路を走っている。
ようやく家の前に到着する。門扉を急いで開け、逸る気持ちを抑えきれず、覚束無い様子でポケットから鍵を取り出す。鍵穴に鍵を差し、右に回すとガチャッと小気味よい音を立ててドアが開く。家の中で最初に会ったのは母だ。
「あら、おかえり。汗凄いじゃない。シャワー浴びて……」
「いい!これから部屋籠るから!」
母の発言を途中で遮り、階段を駆け上がって行く。
「またいつものね。困った困った」
さほど困った様子も無く、母は頬に手を当てて首を左右に振ると、リビングへ戻って行った。
期待
改行入れてくれたら読みやすくなるかも
>>3
ありがとうございます
改行意識して書いてみます
「さてと」
遥は早速部屋の机の上のデスクトップ型のパソコンを立ち上げた。
起動するまでの時間が待ち遠しい。その間に、汗で張り付いた服を着替えることだけでもしようと、Tシャツを脱いだ。
本人すらも気付いていなかったようだが、猛ダッシュで走って来た為、Tシャツは汗が絞れる程に服に吸収されていた。ズボンも脱ぎ、涼しい薄手の短パンに履き替え、冷房のスイッチを入れた。
パソコンが立ち上がると、早速黒い袋に入った、遥がここ数ヶ月待ち焦がれたある物を取り出す。
それは、何やら大きめの箱だ。
その表面には美少女が所狭しと描かれており、その真ん中に凝った字体で「終わらない睡」と書かれている。
これは世間一般的に言うと、「エロゲ」という物だ。年齢制限がかかっており、十八歳未満は購入もプレイもしてはならない事とされている。遥は高校三年生の十八歳。ギリギリセーフというやつだ。だが、これが初めて購入する「エロゲ」ではない事もこっそりと教えておこう。
「エロゲ」とは、アダルトゲームの事である。物語を進めて行き、ヒロインの好感度を上げると、Hなシーンが見られるという、「オタク」の間ではよく知られたゲームの一種だ。
遥はそっと箱を開け、ディスクを取り出す。それをパソコンに入れ、早速インストールを始めた。
インストールの間は、そのゲームについてきた特典のカードを眺めている。
「あー、真広たーん。会いたかったよー」
遥はすりすりとカードに頬をこすりつけると、息を荒げる。正直、とても気持ちの悪い光景なのだが、遥がすると何故かそう見えないから不思議だ。
「おっ、インストール終わった」
マウスを動かし、プレイスタート。
そこで、今までの「エロゲ」とは違うシステムがいきなり登場した。
「へー。名前入れるんだ。ここは本名がデフォでしょ」
大概の「エロゲ」は主人公の名前は既に決まっている。しかし今回の「終わらない睡」は、プレイヤーの名前を自由に決められるらしい。
遥はさほど迷いもせず、「高瀬遥」と入力した。エンターキーを押すと、ゲームが始まる。
それから五時間、遥はトイレに立つ事も無く、「エロゲ」をプレイした。
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