兄「早速やってまいりました!!心霊スポットですッ!!」
バサバサギャアギャア…
妹「非常に雰囲気のあるいかにもな古びた校舎です!!いやぁもうビンビンオーラが伝わって来ますね!楽しみです!」
兄「あっ、ちなみにですね!!ここに足を踏み入れた者は2度と姿を見せる事はないなんてとっても素敵な曰く付き!!」
妹「まぁッ!ワクワクが止まらないわ!」
兄「では早速お邪魔してみましょう!」
妹「はーい!!」
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ギィィッーーーバタン…
兄「………お邪魔しまぁす」
妹「…………」ビクビク
兄「なんつってな…人なんて居るわけねぇかーーー
「あら、こんばんは」
兄「」
妹「」
兄「出たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
妹「アアアアアアアアアア!!!」
女「…………」
兄「はやっ!早すぎるだろーがぁっ!!入って数秒!!数秒で出くわしたぁぁぁ!!
!!!!」
妹「アアアアアアアアアアア!!!」
女「いや…ちょっと」
兄「もう帰るぅ!!!おうち帰るぅ!!
見逃してくださぁい!!!」
妹「ウッ」ガクッ…バタン
女「あなた達なにか勘違いしているわ」
女「ほら…ちゃんと足だってついてるでしょう…私はお化けじゃないわよ」
兄「そんなの証拠になるか!今の時代足が付いてる幽霊なんてごまんと居るんだよ!!」
女「そうなの?」
兄「そうなんです!!!」
女「…もう、疑り深いのね」スタスタ…
兄「イヤァァァ!!こっち来るなぁぁッ!」
ギュ…
兄「おっ…?」
女「ほら握手…暖かいでしょ?」
兄「あったけぇ」
兄「…はぁ…そりゃそうだよなぁ…幽霊なんて居る訳ねぇよなぁ…ビビって損した」
女「…ふふふ」
兄「で…あんたは?」
女「私?…私はただの物好きな女よ…物好きさんとでも呼んでちょうだい」
兄「わかった、物好きさんね…俺の名前はーーー」
女「あなたの事はビビリ君って呼ぶわ」
兄「えぇっ!!」
女「だってさっきの姿…本当に滑稽で情けなかったから」
兄「いやぁなかなか辛辣だね君…」
女「あら?傷ついた?ごめんなさいね」
兄「………」
兄「そんな事より…物好きさんはなんでこんな所に居るんだ?」
女「それは…あなた達と似た様なモノよ」
兄「へぇ…ツレは居ないのか?」
女「1人よ」
兄「度胸あるなぁ…」
女「ふふ…そうかしら?」
兄「俺じゃあ絶対無理だね…今日はなんだかノリで来ちまったが…それもこいつとだしな」
妹「」シロメ…
女「ふふ…可愛いわね」
兄「そうか?」
女「で…どうするのかしら?私は色々と中を見て帰るつもりなのだけど…あなた達は?」
兄「…もう帰るわ」
女「あら…そう?」
兄「勢いで来てたんだ、削がれちまったからな…もう無理だよ…こいつもこんな感じだし」
妹「」
兄「ほら!起きろ!!帰るぞ!」ゲシッ
妹「ハッ!」
女「…………」
妹「アアアアアアアアアア!!!」バタン!
兄「………」
女「あらあら」
妹「あの…、ごめんなさい…勝手に驚いちゃって…倒れて」
兄「まったくだ」
妹「アンタが言うな」
女「ふふ…気にしなくていいわよ」
兄「じゃあ帰るか」ガチャ…
兄「………ん?」ガチャガチャ…
妹「…どうしたの?」
兄「いや、…おかしいな」
ガチャガチャガチャガチャ…バンバン!!
兄「駄目だ…開かない」
妹「えぇっ!!」
女「………………」
兄「さっき閉じた拍子に建て付けが歪んじまったかな?…勘弁してくれまったく」
妹「出られないの?」
兄「別の出口を探すしか無いな…」
女「大変ね…私も手伝うわ」
兄「ああ…いざとなりゃ窓ガラスでも割って出るさ」
妹「もう!…来なけりゃよかったなぁ」
兄「黙れよ言い出しっぺ」
女「じゃあ…行きましょうか」
兄「ま、学校だしな…他に出口なんていくらでもあるさ」
妹「だといいけど…」
兄「なんだぁ?怖いのかビビリちゃん?」
妹「うるさい!」
女「ほら、早く行きましょうビビリ君」
兄「あ、はい」
ギシギシギシ…
兄「……………」
妹「あばばばばば」ガクブル
女「…大丈夫?」
妹「だ、だいじょうぶれすぅ!」
兄「さっきからお前うるさいな」
妹「う、うるさい!だって怖いじゃん!」
兄「は?怖くねーし」
女「さっきから足震えてるわよビビリ君」
兄「いや、これは武者震いだから…全然そんなんじゃ無いから」ガクブルガクブル!
女「あら、そうなの」
妹「情けないなぁ」
兄「うるせぇ」
女「あら、これじゃ無いかしら?」
兄「非常口か…どれどれ」ガチャガチャ
妹「どお?」
兄「駄目だ、ここも開かねぇ」
妹「そ、そんなぁ…」
女「他を探してみましょう」
兄「ああうん」
妹「早く帰りたいぃ」
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
兄「だめだ…何処も彼処も開かん」
妹「どうするのぉ!わたし達ここで死んじゃうの!?」
兄「落ち着けよ、こうなりゃ最終手段…窓をブチ破ろう」
妹「賛成!!はい!さっき拾った鉄パイプ」
兄「お、おう…よっしゃ行くぞー!!」
妹「どっせい!」
兄「えいやコラッ!!!」ブンッ!
ガッツーン!!!
兄「アウチッ!」
カランカラーン…
妹「どうだどうだ!」
ピッカリーン!
兄「馬鹿なぁ!」
兄「そんな…俺の渾身のフルスイングが…」
妹「この軟弱者があッ!!!」
兄「は?ちげーし!窓が鋼みたいに硬いだけだし!!俺のせいじゃねーし!!」
女「まぁ落ち着いて」
妹「もういい!私がやる!」ヒョイ
妹「ダラッシャァァァァ!!」ブオン!
ガキンッ!!
妹「アウチッ!!」
カランカラーン!
兄「へっ」
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