小鳥「君の幸せ」 (26)

書きながらゆっくり
指摘など頂ければとても嬉しいです

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プロデューサーさんが、退職するそうです。

小鳥「今日の夜、空いてますか?」

いつもより早めに仕事を切り上げて一旦家に戻り、とある人に電話をかけます。
急な願いにも関わらず、快く承諾してくれました。
さっと着替えて家を出ます。

予め呼んでおいたタクシーに乗り込み、約束した場所へ。

カラン

ドアベルの音色。
この音を聞くたび、懐かしい気持ちになるのはなぜでしょうか。


マスター「いらっしゃい」


マスターの落ち着いた、低い、それでいて暖かい声。


マスター「まだ何人か居られるけど、じきお帰りになるから」

小鳥「ありがとうございます」

カウンターか、テーブルか。
テーブルはステージが見やすいけれど、二人で使うには大きい。
カウンターの距離感はいいけれど、今度はステージが見えない。

どうしようかと迷っているところで、ドアベルが鳴る。
振り返ると、事務所と違い、かっちりしたスーツのプロデューサーさん。

そういえば、こういうところに来るのは初めてだって言ってたわね。
そんなに気張らなくてもいいのに。

笑みが漏れていたのか、プロデューサーさんがあたふたしています。


小鳥「ふふっ、大丈夫ですよ、似合ってます。…カウンターとテーブル、どっちにします?」


プロデューサーさんの要望で、カウンターに座ります。


マスター「何に致しましょう」


プロデューサーさんは軽めのカクテル、私はノンアルコールカクテルを頼みました。


他愛もない話。


近所の花屋がどう。

住み着いた野良猫がどう。

長年使っている眼鏡がどう。

プロデューサーさんは最初は流暢に話していたものの、アルコールが回ってきたのか、瞼を重そうにしています。

店内を見渡すと、既に他のお客さんは全員帰っていたようです。
それを私が確認したと見るや、マスターは静かにカウンターを離れ、お店のドアにClosedを掛けました。

私も、プロデューサーさんに気付かれないようそっと立ち上がり、ステージ裏へ向かいます。

ふっ、と店内が暗くなる。
そこだけが照らされた、ステージの中央。
マイクから少し引いた位置に立ち、プロデューサーさんの方を見ます。


先程まで、ふとした拍子に寝そうだったプロデューサーさんが、口をぽかんと開けてこちらを見つめていました。

暗くなったのが逆に目を覚ましたのだろうか。
…それとも、私が一人でステージに立っているからだろうか?

ちょっと休憩
あと>2と>3を訂正
>2は後ろに空行を1行追加、>3は前後に空行を1行ずつ追加

ちょっとだけ寝るつもりが爆睡してた…
再開します

ピアノ奏者と一瞬だけ目線を交わし、正面を見据える。
柔らかい音色が私を心地よく包んで行く。

アレンジされたイントロに合わせ、息を吸い、一歩前へ。


小鳥「君が遠い街へ…旅立つこと、知った日は」

プロデューサーさんが765プロに来てからのことを思い出す。

事務所は絶えず笑顔で溢れていて、事務所の子たちのワガママにも、困ったように笑いながら相手をしていた。

仕事をしている姿。
事務所の子たちと会話している姿。

何度も見ていたその背中は、何度だって、この胸に思い描ける。

でも、事務所での笑顔の裏には途方もない苦労があること、ちゃんと知ってますよ。


小鳥「夜空から舞い降りた幸を、今。君に伝えたいよ…」

話している相手が私じゃなくても、見ているだけで自然と笑顔がこぼれて。

話している姿を、見ることしかできなかったけれど。


小鳥「行かないでって、言えないよ」

ごめんなさい>>17はなかったことに

話している相手が私じゃなくても、見ているだけで自然と笑顔がこぼれて。

誰かと話している姿を、見ることしかできなかったけれど。


小鳥「行かないでって、言えないよ」


でも、私はあなたのことが好きだから。

小鳥「君の幸せ願ってるよ」


プロデューサーさんなら、きっと大丈夫だって、信じてますから。

そういや何でやめるんだ?

ピアノの音が消える。

静かな店内で、一人の拍手だけが響いた。

以上、お粗末様でした

>>17なんてなかった、いいね?

>>22
特に理由は考えてませんが、765プロの彼女たちに追いつけなくなったとかそんな感じで捉えてます

一応、アイマスから離れようと考えているPに『君が選ぶ道』を聞いて頂きたいなとかそういう気持ちで書きました

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