妹「ほかほかしたいな」 男「任せなさい」 (16)
妹「え、どうやって?」
男「そうだな。今欲しいものを言ってごらん」
妹「おおっ」
妹「じゃあ、肉まん買ってよ、兄貴」
男「把握した。少し待っててな」
妹「あっ、待ってよ、お金は…!」
ガチャバタン!
妹「行っちゃった……」
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ぱらぱら
男「少しだけ、雨が降ってる」
男「急がないと風邪をひく。俺が風邪をひいたら」
女「妹に移る……でしょ?」
男「……いつの間に横に」
女「偶然見掛けたからさ」
男「ほう」
女「それより何処へ?」
男「少しコンビニへ、ほかほかの肉まんを買いに」
女「それはいい!」
女「私にも奢ってね」
男「断る」
女「えーっ」ブー
女「このシスコン!」
男「何とでも言え」
女「近親相姦! 幼女監禁! 不可能奇妙の得手不得手!!」
男「まるで意味が分からない」
女「とりあえず、ついてく」
男「そうか。勝手にしなさい」
女「ふーんだ」
男「……」
女「ねえねえ」
男「なんだ、まだ居たのか」
女「酷いなあ」
女「それより、何で君らはそんなに仲がいいの?」
男「家族だから」
女「家族だからか」
女「じゃあ」
男「ん?」
女「妹ちゃんと君が、実の家族ではなかったら?」
男「関係ない。大事な家族だ」
女「血が違うのに」
男「血だのどうので家族を決めたら、今頃世に夫婦なんてない」
男「とにかく、妹は大事だ」
女「ふーん」
男「……」
女「あ、ちなみに」
男「どうした」
女「コンビニ、過ぎた」
男「もっと早くに言ってくれ」
からん
男「あの」
店員「はい、いらっしゃいませ!」
男「肉まん二つ」
店員「かしこまりました」
女「え、二つとは」ドキッ
男「俺と、妹の」
女「やっぱりか」
女「じゃあせめて、ハーゲンダッツを」
男「ガリガリ君」
女「……それでいいか、もう」
からん
店員「ありがとうございましたー!」
男「帰るか」
女「このまま、そっち寄っても?」
男「構わない」
女「え、嘘!」
男「嘘」
女「……酷い」
男「……」
女「酷いよ!」
男「お前の泣き顔は、むしろそそるものがある」
女「へ、変態!」テレッ
男「これも、嘘」
女「ぐるるーっ!」
女「ふーんだ、もう帰るもんね」
男「じゃあな」
女「……止めない?」
男「止めない」
女「泊めない?」
男「絶対に、泊めない」
女「妹ちゃんの遊び相手になるけど、それでも?」
男「いや、むしろ」
男「妹がお前と遊んでやってる構図になる。だから断る」
女「じゃ、じゃあ!」
女「ご飯作りにいくから!」
男「了承した。頼む」
女「……嬉しいような、悲しいような」
少しお休み
がちゃん
男「ただいま」
妹「おかえり」
女「ただいま」
妹「……帰れ!」
女「な、なんだこの兄妹ィー…!」ウルウル
男「妹。この女はご飯を作ってくれるそうだ、俺のなんかより、よっぽどいいだろう」
妹「あ、それなら」
男「と、いうわけだ。今ある材料で頼む」
女「うーん、そうだねー」
女「この冷蔵庫の中身具合だと、カレーかな?」
男「おっと、それはいけない」
男「肉がない」
女「……はぁ。買ってきます」
男「お金は渡すから、頼んだ」
女「こういうの、普通は男が行くけどね」
男「俺は、お前を女というより男として見ている」
女「……嘘?」ジワッ
男「嘘だ。だから、はやく頼んだ」
ばたん!
女「なんか、追い出された感がすごいけど」
女「行きますか」
女「……」
先輩「あれっ?」
女「あ!」
先輩「女やん!」
女「せ、先輩!」
先輩「久々やね!二年ぶりくらいか。 元気してた?」
女「は、はい。まあ……」
先輩「あれ、なんか曖昧やな。女子バレー部はどや? うちという絶対的なエースが居なくなって連敗続きで」
女「あ、去年、全国優勝しましたよ」
先輩「ファッ!?」
女「……あれ、来てなかったですか?」
先輩「いや、普通に知らんかったねんけど」
女「酷い」
先輩「あ、すまんって! 泣くな!」
先輩「そうか、全国優勝か」
先輩「おめでとさん!」
女「ど、ども」
先輩「いや、正直受験やらなんやらで、辞めるのは惜しかったけど」
先輩「うちがおらんでも、部は強くなったんやなー」
女「はい、皆先輩追い付こうと必死で」
先輩「じゃあ、皆にこう頼むわ。『必死に頑張りすぎて先輩越してるで』ってな!」
女「あははっ、はい。伝えておきます」
先輩「それで、自分、今からどこ行くとこやったん?」
女「商店街です」
先輩「買い物か。うちも付き合いたいところやけど」
女「?」
先輩「塾なんや。だから、またな」
女「あ、はい。お気をつけて」
先輩「ほななー!」フリフリ
女「先輩、大人っぽかったなあ」
展開弄くるのでまた明日
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